JP4003301B2 - ネットワークシステム及び画像形成装置 - Google Patents

ネットワークシステム及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4003301B2
JP4003301B2 JP19198298A JP19198298A JP4003301B2 JP 4003301 B2 JP4003301 B2 JP 4003301B2 JP 19198298 A JP19198298 A JP 19198298A JP 19198298 A JP19198298 A JP 19198298A JP 4003301 B2 JP4003301 B2 JP 4003301B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
print
print data
printer
server
image forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP19198298A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11154063A (ja
Inventor
正彦 谷島
勝人 幅口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP19198298A priority Critical patent/JP4003301B2/ja
Publication of JPH11154063A publication Critical patent/JPH11154063A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4003301B2 publication Critical patent/JP4003301B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークシステム及び画像形成装置に係り、より詳しくは、印刷データを生成する少なくとも1つの端末装置と、印刷データに基づいて印刷処理を実行する少なくとも2つの画像形成装置と、該画像形成装置を管理するサーバとを含んで構成されたネットワークシステム、及び該ネットワークシステムを構成する画像形成装置に関する。
【0002】
なお、画像形成装置には、受信した印刷データに基づいて用紙等の記録媒体に画像を形成するあらゆる装置、例えば、プリンタ、プロッター、デジタル複合機等が含まれる。
【0003】
【従来の技術】
従来より、複数のワークステーション、複数のプリンタおよびプリンタを管理するプリントサーバにより構成されたネットワークシステムが構築されている。このようなネットワークシステムでの印刷処理時には、大量の印刷データをワークステーションからネットワークを介してプリントサーバへ送信して該プリントサーバ内のメモリに一時記憶し、プリントサーバが、ネットワークに接続された少なくとも1つのプリンタにネットワークを介して印刷データを送信し、該プリンタにより印刷データの印刷処理を行っている。
【0004】
ところが、上記の技術では、ワークステーションからプリントサーバへ大量の印刷データを送信することで印刷要求が行われていたため、複数台のワークステーションからの印刷要求が集中した場合には、印刷データを記憶するためのプリントサーバ内のメモリ容量が一杯になり、ワークステーションからの印刷データを受け付けられない、といった不都合が生じるおそれがある。また、大量の印刷データが、ワークステーションからネットワークを介してプリントサーバへ送信され、その後、プリントサーバからネットワークを介してプリンタへ送信されるので、ネットワーク上のデータ伝送量(通信トラフィック量)が増加してしまい、ネットワークシステム全体でのデータ伝送処理効率を低下させるおそれがある。
【0005】
ところで、上記のネットワークにおいて、印刷処理中のプリンタで、機器故障、用紙詰まり、用紙切れ、トナー切れ等の印刷処理不能となる障害が発生した場合、端末装置又はサーバから、印刷処理を代行するプリンタ(以下、迂回プリンタと称する)へ印刷データを転送して該迂回プリンタにより印刷処理を続行させる迂回印刷の技術が知られている。
【0006】
しかし、上記迂回印刷の技術では、障害発生時を想定して、印刷処理完了まで端末装置又はサーバは印刷データを保管しておく必要があったため、端末装置又はサーバではメモリ資源を効率よく使用することが困難であった。
【0007】
また、端末装置又はサーバから迂回プリンタへ、全ての印刷データを転送して印刷処理させる場合、障害発生前に既に印刷処理済の印刷データについても再度印刷処理されるので、無駄な処理が発生し、迂回プリンタでの印刷処理時間が長くなり、印刷資源(用紙、トナー等)の無駄使いが生じる、といった不都合が起こってしまう。なお、未処理の印刷データのみを障害プリンタからサーバへ転送し、サーバから迂回プリンタへ転送して印刷処理させる技術も考えられるが、制御が複雑になってしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解消するために成されたものであり、ネットワーク上の通信トラフィック量の増大を回避しメモリ資源の有効利用を図りつつ、印刷処理中に障害が発生しても印刷処理を円滑に継続することができるネットワークシステム及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載のネットワークシステムは、印刷データを生成する少なくとも1つの端末装置、前記印刷データに基づいて印刷処理を実行する少なくとも2つの画像形成装置、及び該画像形成装置を管理するサーバを含んで構成され、前記端末装置が、印刷データの生成時に、前記印刷処理の内容を表す印刷処理内容情報を生成し、生成した印刷処理内容情報を前記サーバへ送信することで該サーバに前記印刷データの印刷処理を要求し、前記サーバが、前記端末装置から受信した印刷処理内容情報に基づいて、印刷処理を実行させる画像形成装置及び該画像形成装置への印刷データの転送経路を決定し、決定した転送経路に従って印刷データが前記画像形成装置へ転送されるよう制御するネットワークシステムであって、前記画像形成装置は、印刷処理中の障害の発生を検知する検知手段と、前記検知手段により障害の発生が検知された場合に、該検知時点で処理中であった印刷処理の内容を表す障害時印刷処理内容情報を生成する障害時情報生成手段と、前記障害時情報生成手段により生成された障害時印刷処理内容情報を前記サーバへ送信することで該サーバに他の画像形成装置により印刷処理を継続実行させることを要求する要求手段と、を有し、前記サーバは、前記画像形成装置から受信した障害時印刷処理内容情報に基づいて、印刷処理を継続実行させる他の画像形成装置を決定すると共に、該他の画像形成装置への印刷データの転送経路として、該他の画像形成装置と前記画像形成装置との間で印刷データを転送する経路を決定する決定手段を有し、前記画像形成装置又は前記他の画像形成装置は、前記決定した転送経路に従って、全ての印刷データ又は印刷処理が完了していない残りのページの印刷データ又は印刷処理が完了していない残りの行の印刷データが前記他の画像形成装置へ転送されるよう制御することを特徴とする。
【0010】
また、請求項2記載のネットワークシステムでは、請求項1記載のネットワークシステムにおいて、前記障害時印刷処理内容情報は、処理中の印刷データの所在情報、障害の発生が検知された画像形成装置の識別情報、及び処理中の印刷処理の印刷属性情報を含んで構成されていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3記載のネットワークシステムでは、請求項1又は請求項2に記載のネットワークシステムにおいて、前記他の画像形成装置へ転送される印刷データを、全ての印刷データとするか、印刷処理が完了していない残りのページの印刷データとするか、印刷処理が完了していない残りの行の印刷データとするかは、前記端末装置、前記サーバ及び前記画像形成装置の何れかにより、設定可能であることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4記載のネットワークシステムでは、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のネットワークシステムにおいて、前記障害時印刷処理内容情報は、前記印刷データよりもデータ量が少ないことを特徴とする。
【0013】
また、請求項5記載の画像形成装置は、印刷データを生成すると共に該生成時に印刷処理の内容を表す印刷処理内容情報を生成し、生成した印刷処理内容情報を用いて前記印刷データの印刷処理を要求する少なくとも1つの端末装置、及び他の装置から受信した印刷処理内容情報に基づいて少なくとも前記印刷データの転送経路を決定し、決定した転送経路に従って印刷データが転送されるよう制御するサーバ、と共にネットワークシステムを構成し、該ネットワークシステムに少なくとも2つ設けられ、前記印刷データに基づいて印刷処理を実行する画像形成装置であって、印刷処理中の障害の発生を検知する検知手段と、前記検知手段により障害の発生が検知された場合に、該検知時点で処理中であった印刷処理の内容を表す障害時印刷処理内容情報を生成する障害時情報生成手段と、前記障害時情報生成手段により生成された障害時印刷処理内容情報を前記サーバへ送信することで該サーバに他の画像形成装置により印刷処理を継続実行させることを要求する要求手段と、前記サーバから通知された印刷データの転送経路に従って、全ての印刷データ又は印刷処理が完了していない残りのページの印刷データ又は印刷処理が完了していない残りの行の印刷データを、前記サーバから通知された他の画像形成装置へ転送するデータ転送手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
また、請求項6記載の画像形成装置は、請求項5記載の画像形成装置において、前記サーバから通知された印刷データの転送経路に従って、全ての印刷データ又は印刷処理が完了していない残りのページの印刷データ又は印刷処理が完了していない残りの行の印刷データを、前記サーバから通知された他の画像形成装置から獲得するデータ獲得手段をさらに有することを特徴とする。
【0015】
上記請求項1記載のネットワークシステムは、印刷データを生成する少なくとも1つの端末装置、印刷データに基づいて印刷処理を実行する少なくとも2つの画像形成装置、及び該画像形成装置を管理する(即ち、各画像形成装置の性能や稼動状況の把握等を行う)サーバを含んで構成されている。
【0016】
このネットワークシステムでは、端末装置が、印刷データの生成時に、印刷処理の内容を表す印刷処理内容情報を生成し、生成した印刷処理内容情報をサーバへ送信することで該サーバに印刷データの印刷処理を要求する。そして、サーバが、端末装置から受信した印刷処理内容情報に基づいて、印刷処理を実行させる画像形成装置及び該画像形成装置への印刷データの転送経路を決定し、決定した転送経路に従って印刷データが画像形成装置へ転送されるよう制御する。
【0017】
このように、端末装置が、印刷データを含まない印刷処理内容情報を用いてサーバに印刷データの印刷処理を要求し、サーバが該印刷処理内容情報に基づいて適正な転送経路及び適正な画像形成装置を決定し、印刷データが前記決定された転送経路に従って、前記決定された画像形成装置へ転送されるので、印刷データの円滑な転送及び適正な画像形成装置による印刷処理を実現することができる、という利点が有る。
【0018】
また、通常、印刷処理内容情報は印刷データよりもデータ量が少ないため、印刷処理要求時に端末装置からサーバへ転送されるデータ量を減らしネットワークシステム上のトラフィック量を削減できると共に、サーバで蓄積するべきデータ量を減らしサーバの必要メモリ容量の低減を図ることができる、という利点も有る。
【0019】
このような利点を有するネットワークシステムにおいて、画像形成装置は、検知手段により、印刷処理中に障害の発生を検知した場合、該検知時点で処理中であった印刷処理の内容を表す障害時印刷処理内容情報を障害時情報生成手段により生成し、要求手段により、前記生成した障害時印刷処理内容情報をサーバへ送信することで該サーバに他の画像形成装置により印刷処理を継続実行させることを要求する。
【0020】
なお、障害時印刷処理内容情報は、請求項2に記載したように、処理中の印刷データの所在情報、障害の発生が検知された画像形成装置(以下、障害画像形成装置と称する)の識別情報、及び処理中の印刷処理の印刷属性情報を含んで構成することができる。この構成の障害時印刷処理内容情報を受信したサーバは、障害画像形成装置を特定し、印刷データの所在を認識し、印刷処理の印刷属性情報を得ることができる。
【0021】
この要求を受けたサーバは、受信した障害時印刷処理内容情報に基づいて、印刷処理を継続実行させる他の画像形成装置を決定手段により決定する。即ち、決定手段は、障害時印刷処理内容情報により表された印刷処理の内容に応じて、該印刷処理を実行する能力を備えた他の画像形成装置を、印刷処理を継続実行させる他の画像形成装置として決定する。
【0022】
また、サーバは、決定手段により、他の画像形成装置への印刷データの転送経路として、該他の画像形成装置と障害画像形成装置との間で印刷データを転送する経路を決定する。即ち、決定手段は、印刷データの転送経路を、障害画像形成装置が他の画像形成装置へ印刷データを転送する経路又は他の画像形成装置が障害画像形成装置から印刷データを獲得する経路に決定する。
【0023】
そして、障害画像形成装置又は他の画像形成装置は、サーバが決定した転送経路に従って、全ての印刷データ又は印刷処理が完了していない残りのページの印刷データ又は印刷処理が完了していない残りの行の印刷データが他の画像形成装置へ転送されるよう制御する。
【0024】
即ち、サーバが決定した転送経路が、障害画像形成装置が他の画像形成装置へ印刷データを転送する経路である場合は、障害画像形成装置は、全ての印刷データ又は印刷処理が完了していない残りのページの印刷データ又は印刷処理が完了していない残りの行の印刷データを、他の画像形成装置へ転送する。
【0025】
また、サーバが決定した転送経路が、他の画像形成装置が障害画像形成装置から印刷データを獲得する経路である場合は、他の画像形成装置は、全ての印刷データ又は印刷処理が完了していない残りのページの印刷データ又は印刷処理が完了していない残りの行の印刷データを、障害画像形成装置から獲得する。
【0026】
このようにして、全ての印刷データ又は印刷処理が完了していない残りのページの印刷データ又は印刷処理が完了していない残りの行の印刷データが他の画像形成装置に届くことになり、他の画像形成装置により印刷処理が継続して実行される。
【0027】
これにより、印刷処理中に障害が発生しても、印刷データが他の画像形成装置へ転送され、他の画像形成装置により印刷処理が継続されるので、印刷要求した端末装置やサーバが印刷処理の終了時まで印刷データを保管しておく必要は無く、端末装置やサーバで蓄積するべきデータ量を減らし、端末装置やサーバの必要メモリ容量の低減を図ることができる。
【0028】
また、印刷処理中の障害発生時に、印刷データが障害画像形成装置から他の画像形成装置へ直接一度に転送されるよう制御するので、印刷データを障害画像形成装置からサーバを介して他の画像形成装置へ転送する場合よりも、ネットワークシステム上のトラフィック量を削減することができる。
【0029】
なお、印刷処理中の障害発生時に他の画像形成装置へ転送される印刷データを、全ての印刷データとするか、印刷処理が完了していない残りのページの印刷データとするか、印刷処理が完了していない残りの行の印刷データとするかは、請求項3に記載したように、端末装置、サーバ及び画像形成装置の何れかにより設定可能とすることが望ましい。これにより、ユーザの要望に応じて、障害発生時に他の画像形成装置へ転送される印刷データを自由に選択することができる。
【0030】
例えば、他の画像形成装置へ転送される印刷データを、印刷処理が完了していない残りのページの印刷データとするデフォルト設定情報を各画像形成装置に設定しておき、端末装置のユーザが印刷処理の要求時に上記デフォルト設定情報を自在に変更できるように構成すれば良い。又は、端末装置のユーザからの要望を受けたサーバのオペレータが、上記デフォルト設定情報を自在に変更できるように構成しても良い。
【0031】
上記では、障害発生時に他の画像形成装置へ転送される印刷データを、全ての印刷データとせずに、印刷処理が完了していない残りのページの印刷データ又は印刷処理が完了していない残りの行の印刷データとすることにより、他の画像形成装置へ転送されるデータ量、即ちネットワークシステム上のトラフィック量を削減し、他の画像形成装置による印刷処理の処理時間を短縮し、他の画像形成装置で使用する印刷資源(用紙、トナー、電力等)を節約することができる、という利点が有る。
【0032】
また、請求項4に記載したように、前述した障害時印刷処理内容情報は、そのデータ量が印刷データよりも少なければ、このデータ量が少ない障害時印刷処理内容情報を用いてサーバに印刷処理の継続実行を要求するので、要求時に画像形成装置からサーバへ転送されるデータ量、即ちネットワークシステム上のトラフィック量を削減することができる。また、サーバで蓄積するべきデータ量も減少するので、サーバでは特に磁気ディスク装置等の増設を必要とせず、コスト低減を図ることができる。
【0033】
ところで、上記請求項1記載のネットワークシステムを構成できる画像形成装置として、上記請求項5記載の画像形成装置を挙げることができる。この請求項5記載の画像形成装置は、少なくとも1つの端末装置及びサーバと共にネットワークシステムを構成しており、該ネットワークシステムに少なくとも2つ設けられている(複数存在する)。このネットワークシステムでは、端末装置が、印刷データの生成時に、印刷処理の内容を表す印刷処理内容情報を生成し、生成した印刷処理内容情報をサーバへ送信することで該サーバに印刷データの印刷処理を要求する。そして、サーバが、端末装置から受信した印刷処理内容情報に基づいて、印刷処理を実行させる画像形成装置及び該画像形成装置への印刷データの転送経路を決定し、決定した転送経路に従って印刷データが画像形成装置へ転送されるよう制御する。
【0034】
このようなネットワークシステムに含まれる請求項5記載の画像形成装置では、検知手段が印刷処理中の障害の発生を検知すると、障害時情報生成手段が、該検知時点で処理中であった印刷処理の内容を表す障害時印刷処理内容情報を生成し、要求手段が、前記生成された障害時印刷処理内容情報をサーバへ送信することで該サーバに他の画像形成装置により印刷処理を継続実行させることを要求する。
【0035】
上記の障害時印刷処理内容情報を受信したサーバは、該障害時印刷処理内容情報より、印刷処理を実行する能力を備えた他の画像形成装置、及び前記障害画像形成装置から該他の画像形成装置への印刷データの転送経路を決定して、障害画像形成装置に通知する。
【0036】
この通知を受けた障害画像形成装置では、データ転送手段が印刷データの転送経路に従って他の画像形成装置へ、全ての印刷データ又は印刷処理が完了していない残りのページの印刷データ又は印刷処理が完了していない残りの行の印刷データを転送する。このようにして印刷データが他の画像形成装置に届くことになり、他の画像形成装置により印刷処理が継続実行される。
【0037】
以上のように、印刷処理中に障害が発生しても、印刷データ(全ての印刷データ又は印刷処理が完了していない残りのページの印刷データ又は印刷処理が完了していない残りの行の印刷データ)が他の画像形成装置へ転送され、他の画像形成装置により印刷処理が継続実行されるので、印刷要求した端末装置やサーバが印刷処理の終了時まで印刷データを保管しておく必要は無く、端末装置やサーバで蓄積するべきデータ量を減らし、端末装置やサーバの必要メモリ容量の低減を図ることができる。
【0038】
また、印刷処理中の障害発生時に、印刷データが障害画像形成装置から他の画像形成装置へ直接一度に転送されるよう制御するので、印刷データを障害画像形成装置からサーバを介して他の画像形成装置へ転送する場合よりも、ネットワークシステム上のトラフィック量を削減することができる。
【0039】
なお、他の画像形成装置が、請求項6に記載したデータ獲得手段を備えている場合は、印刷データの転送経路として、他の画像形成装置が印刷データを障害画像形成装置から獲得する経路を採用しても良い。この場合、他の画像形成装置は、データ獲得手段により、上記印刷データの転送経路に従って印刷データ(全ての印刷データ又は印刷処理が完了していない残りのページの印刷データ又は印刷処理が完了していない残りの行の印刷データ)を障害画像形成装置から獲得し、獲得した印刷データに基づく印刷処理を実行する。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して発明の実施形態を説明する。以下の実施形態では、最初に、本発明が適用されるネットワークシステムの構成・動作を説明し、次に、本発明に係る印刷処理制御方法を実現するために改良された構成及びその作用を説明する。
【0041】
[本発明が適用されるネットワークシステムの構成・動作について]
(ネットワークシステムの概略構成)
本発明が適用されるネットワークシステムは、図1に示すように、第1のネットワークN1及び第2のネットワークN2を含んで構成されている。
【0042】
このうち第1のネットワークN1では、複数(一例として4つ)の端末装置(以下、ワークステーションという)12W1 、12W2 、12W3 、12W4 、1台のサーバ(以下では、単にサーバと称する)14、及び複数(一例として4つ)のプリンタ16P1 、16P2 、16P3 、16P4 がローカルエリアネットワーク(LAN)10を介して相互に接続されている。なお、プリンタ16P1 、16P2 、16P3 、16P4 はサーバ14により管理されている。
【0043】
また、第2のネットワークN2では、複数(一例として4つ)のワークステーション22W1 、22W2 、22W3 、22W4 、1台のサーバ24、及び複数(一例として4つ)のプリンタ26P1 、26P2 、26P3 、26P4 がLAN20を介して相互に接続されている。なお、プリンタ26P1 、26P2 、26P3 、26P4 はサーバ24により管理されている。
【0044】
なお、第1のネットワークN1はルータ18を介して、第2のネットワークN2はルータ28を介して、それぞれLAN(FDDI/ISDN/X.25)30に接続されている。
【0045】
図2に示すように、ワークステーション12W1 には、印刷データを蓄積するためのスプール160、印刷データを生成する印刷データ生成部112と後述する印刷内容を表すリファレンスを生成するリファレンス生成部111とを含み印刷データをスプール160へ蓄積するデータ生成部110、印刷処理要求に係る処理を管理する印刷管理部120、外部とのデータの入出力を司る入出力インタフェース部(以下、入出力I/Fと称する)150、入出力I/F150を介して入力される印刷処理状況(ステータス)情報の把握・管理等を行うステータス制御部130、及びスプール160に蓄積された印刷データを入出力I/F150を介して外部の装置へ出力するデータ出力部140が設けられている。
【0046】
印刷管理部120は、リファレンス生成部111で生成されたリファレンスをデータ出力部140によりサーバ14へ送信することにより、サーバ14に対して印刷データの印刷処理を要求する。また、印刷データをサーバ14やプリンタ16P1 等の外部装置へ転送する際には、印刷管理部120は、スプール160に蓄積された印刷データをデータ出力部140により取り出させ、入出力I/F150を介して外部の装置へ出力(転送)させる。
【0047】
なお、他のワークステーション12W2 、12W3 、12W4 、22W1 、22W2 、22W3 、22W4 も上記と同様の構成となっている。
【0048】
図3に示すように、サーバ14は印刷処理を管理する印刷管理部240を備えており、この印刷管理部240には、外部装置からのデータの入力を行うデータ入力部211、外部装置へのデータの出力を行うデータ出力部212、印刷処理状況(ステータス)の把握・管理等を行うステータス制御部230、管理下にあるプリンタの性能等の情報を管理する装置情報管理部220、ワークステーションからのリファレンスを解釈するリファレンス解釈部242、印刷データを出力させるプリンタを選出するプリンタ選出部243、データ転送経路を決定するデータ転送経路決定部244、及び受信した印刷データ及びリファレンスを蓄積するためのスプール250が接続されている。
【0049】
また、サーバ14は外部とのデータの入出力を司る入出力I/F210を備えており、この入出力I/F210には、該入出力I/F210を介して入力される印刷処理状況やプリンタの状態に関する情報に基づいてプリンタを監視する装置監視部213、上記データ入力部211、及びデータ出力部212が接続されている。装置情報管理部220には、管理下のプリンタに関する後述する各種情報を含む装置情報テーブル222及び管理下のプリンタの後述する性能情報を含む性能情報テーブル223が記憶されたメモリ221が接続されており、装置情報管理部220は装置監視部213からのプリンタの状態に関する情報を装置情報テーブル222により、プリンタの性能に関する情報を性能情報テーブル223により、それぞれ蓄積管理する。
【0050】
スプール250には、データ入力部211、データ出力部212、印刷管理部240がそれぞれ接続されており、データ入力部211で受信されたデータ(印刷データ等)が蓄積される。なお、サーバ24も上記と同様な構成になっている。
【0051】
図4に示すように、プリンタ16P1 には、印刷データの印刷処理を実行する印刷処理部340、外部とのデータの入出力を司る入出力I/F310、入出力I/F310を介して外部装置から入力された印刷データやリファレンスを受信し印刷処理部340へ入力するデータ入力部320、及び入出力I/F310を介して外部装置と印刷処理状況(ステータス)に関する情報の送受信を行うステータス制御部330が設けられている。なお、他のプリンタ16P2 、16P3 、16P4 、26P1 、26P2 、26P3 、26P4 も上記と同様な構成になっている。
【0052】
(装置情報テーブル及び性能情報テーブルの概要)
図5には、サーバ14においてネットワークN1に接続された装置を管理するための装置情報テーブルの一例を示す。この装置情報テーブル222は、図3に示す装置監視部213、装置情報管理部220により自動的に設定又は更新される。また、装置情報テーブル222の情報は、ユーザーが図示しないキーボードにより設定又は更新可能とされている。
【0053】
図5に示すように、装置情報テーブル222には、装置名称、ネットワークアドレス、装置タイプ、通信機能(クライアント機能/サーバ機能)、性能情報テーブル番号、装置状態などの情報が設定されている。なお、上記のクライアント機能とは、他の装置へのデータの送信及び他の装置からのデータの獲得を実行する通信機能であり、サーバ機能とは、他の装置からのデータの受信及び他の装置からのデータ獲得要求に対するデータの提供を実行する通信機能である。
【0054】
このうち装置名称には、ネットワークN1を介して接続された装置(プリンタ、サーバ、クライアント)を識別するための各装置で固有の装置名称が設定され、ネットワークアドレスには、各装置毎に割り当てられたネットワークアドレスが設定される。装置タイプには、各装置毎のタイプ情報(クライアント(C)、プリンタ(P)、サーバ(S)の種別)が設定され、通信機能には、接続された全装置(図1のワークステーション12W1 、12W2 、12W3 、12W4 、22W1 、22W2 、22W3 、22W4 、サーバ24、プリンタ16P1 、16P2 、16P3 、16P4 、26P1 、26P2 、26P3 、26P4 )が備えた通信機能情報(クライアント機能/サーバ機能)が設定される。性能情報テーブル番号には、装置がプリンタである場合のみ、後述する性能情報テーブル223へのインデックス情報が設定され、装置状態には、各装置の状態に関する情報(オンラインかオフラインか)が設定される。
【0055】
図6に示すように、性能情報テーブル223には、各プリンタのPDL(プリント言語)、印字解像度、印刷速度、対応用紙サイズ、印字面(片面印刷/両面印刷)、縮尺(拡大・縮小/1枚の用紙領域をN分割してN頁分記録する指定(N−up)/%縮尺)、カラー情報などのプリンタで持つ性能・機能の全ての情報が設定されている。この性能情報テーブル223は、図3に示す装置監視部213、装置情報管理部220により自動的に設定又は更新される。また、性能情報テーブル223の情報は、ユーザーが図示しないキーボードにより設定又は更新可能とされている。
【0056】
なお、サーバ24でも、上記と同様の装置情報テーブル222及び性能情報テーブル223によって、接続された全装置の装置情報を管理している。
【0057】
(リファレンスの概要)
次に、ワークステーションから印刷要求を行うために使用されるリファレンスについて説明する。図7にはリファレンスD2の構造を表したブロック図を、図8にはリファレンスに含まれる情報の項目を、それぞれ示している。このリファレンスD2は、印刷データとは異なるデータであり、ワークステーションからサーバへ印刷要求を行うために使用される制御情報の集まりである。
【0058】
図7、図8に示すようにリファレンスD2は、印刷資源情報91、ジョブ属性情報92、印刷属性情報93により構成されている。このうち印刷資源情報91には、実際に印刷する印刷データの所在地の情報及び印刷処理において使用される又は必要となる各種資源の情報などが設定される。
【0059】
ジョブ属性情報92には、印刷ジョブの運用情報として、優先順位や実行する時刻指定等のスケジュール情報と、特定のプリンタの指定情報、自動的に印刷データの印刷処理に最適なプリンタを検出させ該最適なプリンタで印刷処理させるための適合プリンタ指定情報、印刷処理の負荷を分散するよう指示する負荷分散(ロードバランス)の指定、印刷データを分割して出力するよう指示する分割出力(高速出力)の指定、及びプリンタエラー時に印刷処理を中断させることなく他のプリンタに切り替えて印刷処理を続行するよう指示する迂回出力の指定等の情報を含むプリントサービス情報とが、設定される。
【0060】
印刷属性情報93には、プリンタで印刷するために必要となる情報として、用紙サイズ(A3、A4、B4・・・)、印刷部数、用紙の向き(縦か横か)、拡張情報(例えば、拡大/縮小/N−upの指定、片面印刷か両面印刷かの指定色づけに関する情報等)等が設定される。
【0061】
(印刷要求手順及び印刷データの転送手順の概要)
図9には、ワークステーションからの印刷要求手順と印刷データD1の流れとを示している。なお、以下では、ワークステーション12W1 からサーバ14へ印刷要求を行い、プリンタ16P1 によりプリント出力する例について説明する。
【0062】
ワークステーション12W1 は、ワードプロセッサ等のアプリケーションソフトの印刷データD1の生成と並行して、印刷データD1の印刷処理内容に関する各種情報を含むリファレンスD2を生成し、ワークステーション12W1 内のスプール160に保管する。そして、ワークステーション12W1 は印刷データD1とリファレンスD2の保管終了をトリガーとして、サーバ14にリファレンスD2を送信することでサーバ14に対し印刷処理の要求を行う。
【0063】
サーバ14は受信したリファレンスD2に定義されている図7、図8に示す各種情報(印刷資源情報91、ジョブ属性情報92、印刷属性情報93)を解析し、ワークステーション12W1 が保管している印刷データD1をプリント出力させるプリンタ及び後述するデータ転送経路パターン(図11に示すルート1〜6参照)を決定する。そして、サーバ14は決定したデータ転送経路パターンをワークステーション12W1 またはプリンタ16P1 に通知する。
【0064】
通知を受けたワークステーション12W1 またはプリンタ16P1 はサーバ14からのデータ転送経路に従い、ワークステーション12W1 が印刷データD1を直接、プリンタ16P1 に送信したり、プリンタ16P1 が印刷データD1をワークステーション12W1 より獲得するか、またはサーバ14がワークステーション12W1 の印刷データD1を受信または獲得しプリンタ16P1 に転送するかを行い、プリンタ16P1 によって印刷出力を行う。
【0065】
次に、図10、図11で示す各種のデータ転送経路パターンを説明する。
【0066】
ルート1(図10のルート▲1▼)は、サーバ14からの指示に従いプリンタ16P1 が、蓄積した印刷データD1をワークステーション12W1 から直接獲得するデータ転送経路であり、ルート2(図10のルート▲2▼)は、サーバ14からの指示に従いワークステーション12W1 が印刷データD1をプリンタ16P1 に直接送信するデータ転送経路である。
【0067】
ルート3(図10のルート▲3▼)は、サーバ14が、蓄積した印刷データD1をワークステーション12W1 から獲得し、この印刷データD1をプリンタ16P1 がサーバ14から獲得するデータ転送経路であり、ルート4(図10のルート▲4▼)は、サーバ14が印刷データD1をワークステーション12W1 から獲得し、プリンタ16P1 へ転送するデータ転送経路である。
【0068】
ルート5(図10のルート▲5▼)は、サーバ14からの指示に従いワークステーション12W1 が印刷データD1をサーバ14へ送信し、プリンタ16P1 がサーバ14からの指示に従い印刷データD1をサーバ14から獲得するデータ転送経路であり、ルート6(図10のルート▲6▼)は、サーバ14からの指示に従いワークステーション12W1 が印刷データD1をサーバ14へ送信し、サーバ14が受信した印刷データD1をプリンタ16P1 へ転送する従来と同様のルートである。
【0069】
次に、前述した各ルート毎の特性を説明する。
【0070】
ルート1(ワークステーション←プリンタ)では、データはネットワーク上を1回のみ流れる。プリンタにより印刷データが獲得されるのでワークステーションは出力先の意識が無く、ワークステーションにおいては印刷ジョブが早期に解放されるという利点がある。
【0071】
ルート2(ワークステーション→プリンタ)では、データはネットワーク上を1回のみ流れる。ワークステーション自身が印刷データを送信するが、ワークステーションで印刷要求をするユーザーは出力先を意識しない。
【0072】
ルート3(ワークステーション←サーバ←プリンタ)では、データはネットワーク上を2回流れる。サーバにより印刷データが獲得されるのでワークステーションは出力先の意識が無く、ワークステーションにおいては印刷ジョブが早期に解放されるという利点がある。また、サーバでは、プリンタにより印刷データが獲得されるので、プリンタへの印刷データの出力制御を行う必要がない。
【0073】
ルート4(ワークステーション←サーバ→プリンタ)では、データはネットワーク上を2回流れる。サーバにより印刷データが獲得されるのでワークステーションは出力先の意識が無く、ワークステーションにおいては印刷ジョブが早期に解放されるという利点がある。
【0074】
ルート5(ワークステーション→サーバ←プリンタ)では、データはネットワーク上を2回流れる。サーバでは、プリンタにより印刷データが獲得されるので、プリンタへの印刷データの出力制御を行う必要がない。
【0075】
ルート6(ワークステーション→サーバ→プリンタ)では、データはネットワーク上を2回流れる(従来技術)。
【0076】
ところで、図12に示すように、図7、図8で示すリファレンスD2のジョブ属性情報92に応じて、上記データ転送経路パターンに対し予め優先順位が設定されている。なお、図12に記載したWSはワークステーションを、PRTはプリンタを、SVはサーバを、それぞれ示しており、後述する図23でもこれらと同様の略記を用いている。
【0077】
この図12に示すように、例えば、ジョブ属性情報92で特に指定が無い場合(プリントサービス無しの場合)及び負荷分散が指定されている場合は、図11のルート1、2、3、4、5、6の順に、予め優先順位1、2、3、4、5、6がそれぞれ設定されている。
【0078】
また、ジョブ属性情報92で分割出力が指定されている場合は、図11のルート1、2は採用しないので、ルート3、4、5、6の順に、予め優先順位1、2、3、4がそれぞれ設定されており、ジョブ属性情報92で迂回出力が指定されている場合は、図11のルート6のみ採用するので、該ルート6に予め優先順位1が設定されている。
【0079】
但し、上記のように経路パターンのデフォルト優先順位(1〜6)はシステムで決められているが、ユーザーの指定により任意の優先順位に変更可能とされている。
【0080】
(装置タイプと通信機能の組合せに応じたデータ転送経路の選定について)
次に、装置タイプと通信機能の組合せに応じたデータ転送経路の選定について、図13、図23を用いて説明する。
【0081】
図13には、装置情報テーブル222で管理している装置タイプ、通信機能の組み合わせを表しており、図23には、図13の各組み合わせ毎に実現可能なデータ転送経路を示している。
【0082】
なお、通信機能はクライアント機能(他の装置へのデータの送信及び他の装置からのデータの獲得を実行する通信機能)とサーバ機能(他の装置からのデータの受信及び他の装置からのデータ獲得要求に対するデータの提供を実行する通信機能)とに分類している。サーバ14はクライアント機能・サーバ機能の両機能を所有している。
【0083】
図13に示すM01はワークステーションとプリンタが共にクライアント機能、サーバ機能を所有している場合の組み合わせであり、図23に示すように、図11のデータ転送経路パターンの全てのルート1〜6での印刷データの通信を行うことができる。
【0084】
M02は、ワークステーションがクライアント機能、サーバ機能の両機能を所有しプリンタがサーバ機能のみ所有する場合の組み合わせであり、図23に示すように、図11のデータ転送経路パターンのルート2、ルート4、ルート6での印刷データの通信を行うことができる。
【0085】
M03は、ワークステーションがクライアント機能、サーバ機能の両機能を所有し、プリンタがクライアント機能のみ所有する場合の組み合わせであり、図23に示すように、図11のデータ転送経路パターンのルート1、ルート3、ルート5での印刷データの通信を行うことができる。
【0086】
M04、M08、M12及びM16は、プリンタがクライアント機能もサーバ機能も所有していない場合の組み合わせであり、印刷データの通信を行うことが出来ないので、本実施形態の対象外となる組み合わせである(図23にはNONEと記載)。
【0087】
M05、M06、M07及びM08は、プリンタの機能に関係なくワークステーションがサーバ機能のみ所有しクライアント機能を所有していないので、該ワークステーションからリファレンスを送信出来ない。このため、本実施形態の対象外となる組み合わせである(図23にはNONEと記載)。
【0088】
M09は、ワークステーションがクライアント機能のみ所有し、プリンタがサーバ機能、クライアント機能の両機能を所有する組み合わせであり、図23に示すように、図11のデータ転送経路パターンのルート2、ルート5、ルート6での印刷データの通信を行うことができる。
【0089】
M10は、ワークステーションがクライアント機能のみ所有し、プリンタがサーバ機能のみ所有する組み合わせであり、図23に示すように、図11のデータ転送経路パターンでのルート2、ルート6での印刷データの通信を行うことができる。
【0090】
M11は、ワークステーションがクライアント機能のみ所有し、プリンタもクライアント機能のみ所有する組み合わせであり、図23に示すように、図11のデータ転送経路パターンでのルート5での印刷データの通信を行うことができる。
【0091】
M13、M14及びM15は、ワークステーションがクライアント機能を所有していないため、該ワークステーションからリファレンスを送信出来ない。このため、本実施形態の対象外となる組み合わせである(図23にはNONEと記載)。
【0092】
(リファレンス送受信、印刷データ送受信及び印刷データの獲得・提供についての実現可能な装置の組合せについて)
まず、図14を用いて、リファレンスの送受信動作に関し実現可能な送信装置・受信装置の組合せを説明する。図14には、ワークステーションで作成したリファレンスD2の送信装置と該リファレンスを受信する装置との組み合わせを示す。
【0093】
この図14に示すM20は、ワークステーションがリファレンスD2をサーバへ送信する組み合わせであり、M21は、ワークステーションがリファレンスD2をプリンタへ送信する組み合わせである。
【0094】
M22は、前述したM20でリファレンスD2を受信したサーバが、ネットワークを介して接続された他のサーバへ該リファレンスD2を転送する組み合わせである。また、M23は、前述したM20でリファレンスD2を受信したサーバが管理・出力対象としているプリンタへ該リファレンスD2を転送する組み合わせである。
【0095】
次に、図15を用いて、印刷データの送受信動作に関し実現可能な送信装置・受信装置の組合せを説明する。図15には、ワークステーションで作成された印刷データD1の送信装置と該印刷データD1を受信する受信装置との組み合わせを示す。
【0096】
この図15に示すM30は、ワークステーションが印刷データD1をサーバへ送信する組み合わせであり、M31は、ワークステーションが印刷データD1をプリンタへ送信する組み合わせである。
【0097】
M32は、前述したM30で印刷データD1を受信したサーバが、ネットワークを介して接続された他のサーバへ印刷データを転送する組み合わせである。また、M33は、前述したM30での印刷データD1を受信したサーバが管理・出力の対象としているプリンタへ印刷データD1を転送する組み合わせである。
【0098】
次に、図16を用いて、印刷データの獲得・提供動作に関し実現可能な獲得装置・提供装置の組合せを説明する。図16には、ワークステーションで作成された印刷データD1を獲得する獲得装置と該印刷データD1を提供する提供装置との組み合わせを示す。
【0099】
この図16に示すM40は、サーバがワークステーションにより蓄積された印刷データD1を獲得する組み合わせであり、M41は、前述したM40でサーバが獲得した印刷データD1を、該サーバにネットワークを介して接続された他のサーバが獲得する組み合わせである。
【0100】
M42は、プリンタがワークステーションにより蓄積された印刷データD1を獲得する組み合わせである。また、M43は、前述したM40でサーバが獲得した印刷データD1を、プリンタがサーバから獲得する組み合わせである。
【0101】
(各構成機器の通信制御動作)
以下、各構成機器の通信制御動作として、ワークステーションで生成した印刷データD1を印刷処理する場合に、ワークステーション、サーバ、プリンタのそれぞれで実行される通信制御処理ルーチンを説明する。以下では、一例として、ワークステーション12W1 で印刷データD1を生成し、該印刷データD1の印刷処理要求をサーバ14に対して行うケースを想定して説明する。
【0102】
ワークステーション12W1 においては、以下に述べる図17の制御ルーチンが実行される。ワークステーション12W1 では、ワードプロセッサ等のアプリケーションソフトからの印刷処理依頼の有無を監視している(図17のS100)。
【0103】
印刷処理依頼が有った場合、アプリケーションソフトからの文書データを印刷データD1へ変換すると共に、変換された印刷データD1に関するリファレンスD2を生成する(S101)。なお、ここで生成された印刷データD1はワークステーション12W1 内のスプール160へ蓄積される。そして、印刷データD1への変換及びリファレンスD2の生成が終了すると、LAN10を介してリファレンスD2をサーバ14へ送信することにより、該リファレンスD2を用いた印刷要求をサーバ14に対し行う(S102)。このリファレンスD2は、印刷データD1よりもデータ量が少ないので、印刷要求時の通信トラフィック量が従来よりも削減されるという利点がある。
【0104】
このようなリファレンスD2を用いた印刷要求を行った後、サーバ14からの指示を待つ(S103)。サーバ14から指示が通知されると、その指示内容を解析する(S104)。解析した結果、指示内容が印刷データD1の送信である場合(図11のルート2、5、6の場合)、印刷データD1を送信するべき送信先の情報を上記指示内容より入手し(S106)、スプール160に蓄積していた印刷データD1を前記入手した送信先へ送信する(S107)。
【0105】
一方、指示内容を解析した結果、指示内容が印刷データD1の送信でない場合(例えば、スプール160に蓄積した印刷データD1をサーバ14またはプリンタ16P1 が獲得する場合(=図11のルート1、3、4の場合))、ワークステーション12W1 はその時点で印刷ジョブを解放し、S100へ戻り新たな印刷処理依頼を待つ。
【0106】
次に、サーバ14においては、以下に述べる図18の制御ルーチンが実行される。サーバ14は、図18のS200で、ネットワークN1を介して接続された装置(ワークステーション12W1 、12W2 、12W3 、12W4 又はプリンタ16P1 、16P2 、16P3 、16P4 )からのデータの受信有無を監視している。S200でデータの受信を検知した場合は、次のS201へ進み、データを受信し、受信したデータ(受信データ)を図3のスプール280へ保管する。
【0107】
S201でスプール280への受信データの保管が完了すると、次のS202で受信データがリファレンスD2であるか否かをチェックする。ここで、受信データがリファレンスD2でなく印刷データD1であれば、後述するS208へ進み、受信データがリファレンスD2であれば、S203へ進み、図20の出力プリンタ抽出処理のサブルーチンを実行する。
【0108】
ここで、図20の出力プリンタ抽出処理を説明する。図20のS400では、抽出したプリンタの情報を記憶するための抽出プリンタテーブル、抽出したプリンタの数をカウントするための抽出プリンタカウンターN1、検索した装置の数をカウントするための検索カウンターN2を初期化し、次のS401でリファレンスD2に含まれたジョブ属性情報92、印刷属性情報93を読み込む。
【0109】
次のS402では、サーバ14で管理している装置群からのプリンタ抽出のための検索・比較(後述する)が終了したか否かを、検索カウンターN2が全装置数NTに等しくなったか否かに基づいて判断し、全ての装置に対する検索・比較が終了した時点で、図20の処理を終了して図18の主ルーチンへリターンする。
【0110】
未だ全ての装置に対する検索・比較が終了していなければ、S403へ進み、リファレンスD2のジョブ属性情報92のプリントサービス項目で、出力するべきプリンタが指定されているか否かをチェックする。ここで、出力するべきプリンタが指定されていなければ、後述するS406へ進む。
【0111】
一方、出力するべきプリンタが指定されている場合、S404で該指定されたプリンタの性能情報テーブル番号を装置情報テーブル222より検索し、該性能情報テーブル番号に対応するプリンタの性能情報を、性能情報テーブル223より得る。そして、次のS405で検索カウンターN2を(全装置数NT−1)にセットする。これにより、次の検索ループで検索が終了することになる。
次のS406では、装置情報テーブル222より1台分の装置情報を読み込む。もちろん、プリンタが指定されている場合は、該指定されたプリンタの装置情報を読み込む。次のS407では、読み込んだ装置情報がプリンタ情報であるか否かを判断する。ここで、読み込んだ装置情報がプリンタ以外の情報であった場合は、後述するS413へ進む。
【0112】
一方、読み込んだ装置情報がプリンタ情報であった場合、S408へ進み、読み込んだ装置情報の性能情報テーブル番号に対応するプリンタ性能情報を、性能情報テーブル223より読み込み、次のS409で図21のプリント条件チェック処理のサブルーチンを実行する。
【0113】
このS409でのプリント条件チェック処理では、まず、図20のS410で対象のプリンタが適合するプリンタであるか否かを示すフラグFを初期化(オフ)する(図21のS500)。なお、フラグFがオンの場合、対象のプリンタが適合するプリンタであることを示し、フラグFがオフの場合、対象のプリンタが適合するプリンタでないことを示すものとする。
【0114】
次に、S501〜S507では、対象のプリンタが、リファレンスD2の印刷属性情報93で指定されている各種の属性を満たすプリンタであるか否かの判別を、以下のように個別の属性単位に行う。それぞれの判別において属性を満たしていなければ、図21のサブルーチンを終了し、図20のルーチンへリターンする。
【0115】
即ち、S501では、抽出されたプリンタが稼働できる状態であるか否かの判断を行い、稼働できる状態であれば、次のS502へ進む。S502ではプリント言語(PDL)条件を満たしているか否かの判別を行い、PDL条件を満たしておれば、次のS503へ進む。
【0116】
S503では、印刷解像度条件を満たしているか否かの判別を行い、印刷解像度条件を満たしておれば、次のS504へ進む。S504では用紙条件を満たしているか否かの判別を行い、用紙条件を満たしておれば、次のS505へ進む。
【0117】
S505では印刷面条件(片面印刷か両面印刷か)を満たしているか否かの判別を行い、印刷面条件を満たしておれば、次のS506へ進む。S506では縮尺条件を満たしているか否かの判別を行い、縮尺条件を満たしておれば、次のS507へ進む。
【0118】
S507ではカラー条件を満たしているか否かの判別を行い、カラー条件を満たしておれば、次のS508へ進む。S508では、S501〜S507で判別した条件を全て満足しているので、フラグFをオンにして、処理を終了し図20のルーチンへリターンする。
【0119】
このようにして、対象のプリンタが適合するプリンタであれば、フラグFがオンにセットされ、対象のプリンタが適合するプリンタでなければ、フラグFはオフのままとなる。
【0120】
図20において次のS410では、検索したプリンタ性能がリファレンスD2の印刷属性情報93で設定された印刷条件に適合しているか否かを、上記フラグFのオンオフ状態に基づいて判断する。ここで、検索したプリンタ性能が印刷条件に適合していなければ、後述するS413へ進む。
【0121】
一方、検索したプリンタ性能が印刷条件に適合しておれば、S411へ進み、抽出プリンタカウンターN1を1つインクリメントし、次のS412では、抽出されたプリンタの通信機能と印刷要求を行ったワークステーションの通信機能とを抽出プリンタテーブルに設定する。
【0122】
次のS413では検索カウンターN2を1つインクリメントし、S402へ戻って、処理を繰り返す。
【0123】
以後、各装置情報について、S402〜S413の処理を実行する。そして、全ての装置情報について処理が完了し、検索カウンターN2が全装置数NTに等しくなると、S402で肯定判定され、図20のサブルーチンを終了する。
【0124】
以上のようにして図18のS203での出力プリンタ抽出処理を終了した後、次のS204では、以下に述べる図22のデータ転送経路パターン及びプリンタ選定処理のサブルーチンを実行する。
【0125】
まず、図22のS600では、上記出力プリンタ抽出処理において、抽出されたプリンタの通信機能が設定されたプリンタ抽出テーブルを読み込み、次のS601では抽出プリンタカウンターN1より抽出プリンタ数を読み込む。そして、次のS602でリファレンスD2に含まれるジョブ属性情報92を読み込み、次のS603では指定されたジョブ属性情報92で迂回出力が指定されているか否かを判別する。ここで迂回出力が指定されていた場合、S604で印刷データD1のデータ転送経路を図11のパターン6に設定して処理を終了し、図18の主ルーチンへリターンする。
【0126】
一方、S603でのジョブ属性情報92の判別の結果、迂回出力が指定されていなかった場合、次のS605でジョブ属性情報92で分割出力が指定されているか否かを判別する。判別した結果、分割出力が指定されていた場合、S606へ進み、S600で読み込んだプリンタ抽出テーブルから、データ転送経路のパターン4またはパターン6の組み合わせが可能なプリンタを検索する。次のS607ではS605で検索できたプリンタがあるか否かを判別し、検索できたプリンタがあれば、後述するS613へ進む。検索できたプリンタが無かった場合、S608でプリンタが検索できなかった旨のエラー情報を、図示しないディスプレイに表示して処理を終了し、図18の主ルーチンへリターンする。
【0127】
一方、S605での判別の結果、分割出力でなかった場合、S609へ進み、ジョブ属性情報92でロードバランスが指定されているか否かを判別する。判別の結果、ロードバランスが指定されていた場合、S610において、上記S600で読み込んだプリンタ抽出テーブル内のプリンタの中から稼働率が最も低いプリンタを選出して、S613へ進む。S609の判別の結果、ロードバランスが指定されていなかった場合は、S611へ進み、ジョブ属性情報92で適合プリンタが指定されているか否かを判別する。判別の結果、適合プリンタが指定されていた場合、S612において上記S600で読み込んだプリンタ抽出テーブルより、最も高機能な通信機能の組み合わせ(機能パターン)を備えたプリンタを選出して、S613へ進む。
【0128】
一方、S611で判別した結果、適合プリンタが指定されていなかった場合は、指定プリンタが指定されているものとみなし、特にプリンタを選出することなく、S613へ進む。
【0129】
そして、S613ではS606、S610、S612で選出されたプリンタ又はジョブ属性情報92の指定プリンタで指定されたプリンタより、図12に示すデータ転送経路のプライオリティテーブルに従い、優先順位の高いデータ転送経路を選出して処理を終了し、図18の主ルーチンへリターンする。
【0130】
以上のような図18のS204でのデータ転送経路パターン及びプリンタ選定処理によって、印刷データD1のデータ転送経路およびプリンタが決定される。
【0131】
次に、図18のS205で、印刷処理の要求を行っているワークステーション12W1 及び上記S204で決定されたプリンタ(例えば、プリンタ16P1 )に対して、決定されたデータ転送経路パターンを通知する。
【0132】
次のS206では、決定されたデータ転送経路がサーバにより印刷データを獲得するパターン(即ち、図11のルート3、ルート4)であるか否かを判別する。ここで、データ転送経路がサーバにより印刷データを獲得するパターンでなければ、S200へ戻り次の受信データ待ちを行う。
【0133】
一方、データ転送経路がサーバにより印刷データを獲得するパターン(=図11のルート3、ルート4)であれば、S207で、リファレンスD2に含まれる印刷資源情報91の印刷データ所在情報を参照してワークステーション12W1 から印刷データを獲得し、獲得した印刷データを図3のスプール280に保管する。そして、次のS208では、決定されたデータ転送経路が、サーバから印刷データを転送するパターン(即ち、図11のルート4)であるか否かを判別する。ここで、データ転送経路がサーバから印刷データを転送するパターンでなければ(即ち、図11のルート3であれば)、S200へ戻り次の受信データ待ちを行う。
【0134】
一方、データ転送経路がサーバから印刷データを転送するパターンであれば、S209へ進み、S204で決定されたプリンタから印刷データD1を出力するためのスケジューリングを行い、次のS210で決定されたプリンタへ印刷データD1を送信する。その後、S200へ戻り次の受信データ待ちを行う。
次に、プリンタにおいては、以下に述べる図19の制御ルーチンが実行される。プリンタ(ここでは、一例としてプリンタ16P1 )は図19のS300で、ネットワークN1を介して接続されたワークステーション12W1 、12W2 、12W3 、12W4 またはサーバ14から、印刷データD1を受信したか否かのチェックを行っている。印刷データD1の受信が無い場合、S302においてサーバ14からのデータ獲得指示を受け付けているか否かのチェックを行う。S302においてサーバ14からのデータ獲得指示を受け付けていない場合は、S300へ戻り、再度印刷データD1の受信チェックを行う。
【0135】
S302においてサーバ14からのデータ獲得指示を受け付けたと判断すると、S303へ進み、該データ獲得指示の内容から印刷データの獲得先(ワークステーション又はサーバ)の情報を入手する。そして、次のS304では上記印刷データの獲得先から印刷データD1を獲得し、獲得した印刷データD1を図4のスプール350へ保管する。この保管が終了すると、S305へ進み、保管した印刷データD1の印刷出力を行う。
【0136】
一方、S300において印刷データD1の受信を検知すると、S301へ進み、受信した印刷データD1を図4のスプール350へ保管する。この保管が終了すると、S305へ進み、保管した印刷データD1の印刷出力を行う。このようにしてプリンタにおいて、印刷データD1が印刷出力される。
【0137】
以上説明したように本発明が適用されるネットワークシステムでは、ワークステーションは、印刷データD1よりもデータ量が少ないリファレンスD2を用いてサーバに印刷データD1の印刷処理を要求するので、要求時にワークステーションからサーバへ転送されるデータ量が従来よりも減少し、ネットワークシステム上のトラフィック量を削減することができる。また、印刷処理要求時にサーバで蓄積するべきデータ量も減少するので、サーバでは特に磁気ディスク装置等の増設を必要とせず、コスト低減を図ることができる。
【0138】
また、サーバでは、リファレンスD2を用いたワークステーションからの印刷処理要求を受けて、適正なプリンタ及び印刷データの転送経路を決定する。そして、前述したワークステーション、サーバ、プリンタの各々における制御処理ルーチンにより、上記適正な転送経路に基づく印刷データの印刷処理を実現することができる。
【0139】
[本発明を実現するために改良された構成及びその作用]
次に、本発明を実現するために改良された構成及びその作用について説明する。
【0140】
図1のネットワークシステムにおいて、ワークステーション12W1 の構成は前述した図2の構成と同様であり、サーバ14の構成は前述した図3の構成と同様である。サーバ14によるネットワークシステムの管理で用いられる装置情報テーブル222は図5と同様であり、プリンタ性能情報テーブル223は図6と同様である。
【0141】
図24に示すように、プリンタ16P1 は、図4にて説明した印刷処理部340、スプール350、データ入力部320、ステータス制御部330及び入出力I/F310に加え、入出力I/F310を介して外部装置と印刷データ及び後述する迂回リファレンスのやりとりを行うデータ出力部380、プリンタ16P1 におけるハードウェア障害の発生を検知し印刷処理部340に通知する障害検知部360、及び印刷処理部340の要求に応じて障害発生時に迂回リファレンスを生成する迂回リファレンス生成部370を含んで構成されている。
【0142】
図25には、本実施形態でのリファレンスの構造を示す。この図25でも明らかなように、本実施形態では前述したリファレンス(印刷要求リファレンス)D2に加え、プリンタが印刷要求リファレンスD2に基づく印刷処理を実行中に障害発生を検知した場合に該障害発生を検知したプリンタ(障害プリンタ)がサーバ14に転送するリファレンスとしての迂回リファレンスD3が設けられている。
【0143】
この迂回リファレンスD3は、図25、図26に示すように、印刷要求リファレンスD2にも含まれる印刷資源情報91及び印刷属性情報93と、迂回印刷制御情報94とを含んで構成されており、迂回印刷制御情報94には、障害プリンタの名称(図5の装置情報テーブル222に格納された装置名称)がセットされる。
【0144】
図27には、本実施形態における迂回印刷要求方法と印刷データの流れを示している。サーバ14によって選定されたプリンタ16P1 において印刷処理を実行中に、プリンタ16P1 が印刷処理続行不能となるような障害の発生を検知した場合、該プリンタ16P1 は前述した迂回リファレンスD3を生成し、生成した迂回リファレンスD3をサーバ14へ送信する(▲1▼)。
【0145】
迂回リファレンスD3を受信したサーバ14は、迂回リファレンスD3に含まれる印刷属性情報93を用いて、プリンタ16P1 が実行していた印刷処理を実行する能力を備えた他のプリンタ(例えばプリンタ16P2 )を選択し、プリンタ16P1 とプリンタ16P2 との間のデータ転送経路を決定し、該データ転送経路に応じてプリンタ16P1 又はプリンタ16P2 に、未処理の印刷データの転送指示又は獲得指示を行う(▲2▼)。
【0146】
なお、本実施形態では、障害発生時に、全ての印刷データではなく、印刷処理が完了していない残りのページの印刷データのみが、未処理の印刷データとして他のプリンタに届く(転送又は獲得する)ように制御される。このように全ての印刷データではなく未処理の印刷データのみが他のプリンタに届くよう制御することで、ネットワーク上を流れるデータ量の削減及び他のプリンタのメモリ節約、処理負荷軽減を図っている。
【0147】
但し、障害発生時に他のプリンタに届ける印刷データについては、ワークステーション、サーバ及びプリンタの何れでも設定変更可能であり、例えば、ワークステーションのユーザは、印刷データの内容・種類に応じて、印刷処理が完了していない残りの行の印刷データ或いは全ての印刷データを、未処理の印刷データとして他のプリンタに届けるように自在に設定変更することもできる。
【0148】
プリンタ16P1 は、上記転送指示を受けると、該指示に従って未処理の印刷データをプリンタ16P2 へ転送する(▲3▼)。また、プリンタ16P2 は、上記獲得指示を受けると、該指示に従って未処理の印刷データをプリンタ16P1 から獲得する(▲3▼)。これにより、未処理の印刷データがプリンタ16P2 に届けられ、該プリンタ16P2 は未処理の印刷データに対し印刷処理を行う。
【0149】
詳細は後述するが、おおまかには上記のように印刷データが流れ、迂回印刷要求・迂回印刷が行われる。
【0150】
図28には、データ転送経路パターンを示している。ルート1〜6は、ワークステーションにより生成された印刷データがプリンタに届くまでの経路パターンを表したものであり、前述した図11のルート1〜6と同様である。
【0151】
ルート7は、サーバからの指示に従い、障害プリンタとしてのプリンタ1が自機で印刷不可能となった印刷データを、迂回印刷を行うプリンタ(以下、迂回プリンタと称する)としてのプリンタ2に直接転送するデータ転送経路であり、ルート8は、サーバからの指示に従い、迂回プリンタとしてのプリンタ2が、障害プリンタとしてのプリンタ1から未処理の印刷データを直接獲得するデータ転送経路である。
【0152】
図29は、印刷要求リファレンスD2内のジョブ属性情報と経路パターンの組み合わせ及びそれらの優先順位を表したものである。この図29に示すように、本実施形態では、ジョブ属性として迂回出力が指定された場合、ワークステーションにより生成された印刷データがプリンタに届くまでの全ての経路パターン(図28のルート1〜6)を許可しており、それらの優先順位はプリントサービス無しの場合と同じ値に設定されている。
【0153】
図30には、障害プリンタ、迂回プリンタの通信機能の組み合わせに応じて決定されるデータ転送経路を表している。なお、ここでは、障害プリンタ−迂回プリンタ間でのデータ転送経路についてのみ記述するので、図28のルート7、8のみが対象となる。
【0154】
なお、図30に示す「C」はクライアント機能、即ち他の装置へのデータの送信及び他の装置からのデータの獲得を実行する通信機能を表し、「S」はサーバ機能、即ち他の装置からのデータの受信及び他の装置からのデータ獲得要求に対するデータの提供を実行する通信機能を表す。
【0155】
図30に示すM81は、障害プリンタと迂回プリンタが共にクライアント機能、サーバ機能を所有している場合の組み合わせであり、図28のルート7、8のデータ転送経路パターンで印刷データの通信を行うことができる。
【0156】
M82は、迂回プリンタがクライアント機能、サーバ機能の両機能を所有しているが、障害プリンタがクライアント機能のみを所有している場合の組み合わせであり、図28のルート7のデータ転送経路パターンでのみ印刷データの通信を行うことができる。
【0157】
M83、M84、M87、M88、M91、M92、M95及びM96は、障害プリンタがクライアント機能を所有していない場合の組み合わせであり、障害プリンタが迂回リファレンスをサーバに送信できないため、本実施形態の対象外となる組み合わせである。
【0158】
M85は、障害プリンタがクライアント機能、サーバ機能の両機能を所有しているが、迂回プリンタがクライアント機能のみを所有している場合の組み合わせであり、図28のルート8のデータ転送経路パターンでのみ印刷データの通信を行うことができる。
【0159】
M86は、障害プリンタがクライアント機能のみを所有しているが、迂回プリンタがサーバ機能を所有していない場合の組み合わせであり、印刷データの通信が不可能な組み合わせである。
【0160】
M89は、障害プリンタがクライアント機能、サーバ機能の両機能を所有しているが、迂回プリンタがサーバ機能のみを所有している場合の組み合わせであり、図28のルート7のデータ転送経路パターンでのみ印刷データの通信を行うことができる。
【0161】
M90は、障害プリンタがクライアント機能のみを所有し、迂回プリンタがサーバ機能のみを所有している場合の組み合わせであり、図28のルート7のデータ転送経路パターンでのみ印刷データの通信を行うことができる。
【0162】
M93及びM94は、迂回プリンタが通信機能を所有していない場合の組み合わせであり、印刷データの通信が不可能な組み合わせである。
【0163】
(本実施形態の作用)
以下、本実施形態の作用として、印刷処理中の障害発生時においてサーバ、プリンタの各々で実行される通信制御処理を説明する。
【0164】
まず、サーバ14により選定されたプリンタ16P1 において印刷処理中に障害が発生し、該プリンタ16P1 にて迂回リファレンスD3を生成するまでの処理を図32に基づいて説明する。
【0165】
図32のS311では、自機にて印刷処理の実行が不可能になるような障害の発生を検知したことを示す障害検知フラグを「0」にリセットする。次のS312では障害検知フラグがオン(「1」)であるか否かをチェックする。ここで、障害検知フラグがオンであれば、後述する図33の処理へ進む。障害検知フラグがオフであれば、次のS313、S315で、印刷データの受信、又はサーバからの印刷データ獲得指示の受信を待つ。
【0166】
ここで、印刷データが受信されると、S314へ進み、受信した印刷データをスプール350へ蓄積する。また、サーバからの印刷データ獲得指示が受信されると、S316へ進み、該指示内容から印刷データの獲得先の情報を入手し、次のS317で印刷データを獲得し、獲得した印刷データをスプール350へ蓄積する。このようにして印刷処理対象の印刷データがスプール350に蓄積される。
【0167】
次にS318において印刷データに基づく印刷処理を実行する。この実行中にハードウェアの動作を障害検知部360で監視し、障害が発生したか否かを判定する(S319)。障害が発生していなければ、印刷処理部340が、印刷処理対象の全印刷データを印刷完了したか否かをチェックし、未完了であれば、S318へ戻り印刷処理を継続する。
【0168】
一方、S319で障害検知部360により障害の発生が検知されると、S321へ進み、印刷処理部340は、現在印刷処理中の印刷データの所在情報を表す印刷資源情報、自プリンタの名称を表す迂回印刷制御情報、及び現在印刷処理中の印刷データの属性情報を表す印刷属性情報から構成される迂回リファレンスD3を生成する。次のS322で印刷処理部340は、データ出力部380を介してサーバ14に上記生成した迂回リファレンスD3を転送し、次のS323で障害検知フラグをオン(「1」)にセットしてS312へ戻る。
【0169】
次に、サーバ14が、迂回リファレンスD3を処理して、迂回プリンタの抽出、転送経路パターンの選定・通知を行う処理の流れを図31、図34、図35に基づいて説明する。
【0170】
図31のS220では他の機器からの印刷データやリファレンス(印刷要求リファレンスD2又は迂回リファレンスD3)の受信チェックを行い、受信があると、S221で受信した印刷データやリファレンスを図3のスプール250に保存する。
【0171】
次のS222では、図3のリファレンス解釈部242により、受信したデータがリファレンスであるか否かを判定する。受信したデータがリファレンスでなく印刷データであれば、S232へ進み、前述した図18のS208〜S210と同様に、プリンタ16P2 への印刷データの転送又はプリンタ16P2 による印刷データの獲得待ちを行う。
【0172】
一方、受信したデータがリファレンスであれば、S223へ進み、リファレンス解釈部242により、受信したデータが印刷要求リファレンスD2であるか否かを判定する。ここで、受信したデータが印刷要求リファレンスD2であれば、S227へ進み、前述した図18のS203〜S210と同様の処理を行う。即ち、図31のS227〜S234の処理は、図18のS203〜S210の処理と同様である。
【0173】
受信したデータが迂回リファレンスD3であれば、S224へ進み、迂回リファレンスD3内の印刷属性情報を用いて、障害プリンタ(例えばプリンタ16P1 )で処理中であった印刷処理を実行可能な迂回プリンタ(例えばプリンタ16P2 )を抽出する後述の迂回プリンタ抽出処理(図34)を、プリンタ選出部243により実行する。
【0174】
次のS225では、障害プリンタと迂回プリンタの通信機能に応じて未処理の印刷データの転送経路パターンを選定する後述の迂回プリンタ転送経路パターン選定処理(図35)を、データ転送経路設定部244により実行する。そして、次のS226では、決定した転送経路パターンに従って、障害プリンタ又は迂回プリンタに転送経路パターンを通知することで未処理の印刷データの転送又は獲得を指示する。
【0175】
このようにしてサーバ14は、受信した迂回リファレンスD3の内容に基づいて、適正な迂回プリンタを抽出し、適正な転送経路パターンを決定し、決定した転送経路パターンに従って障害プリンタ又は迂回プリンタに未処理の印刷データの転送又は獲得を実行させる。
【0176】
次に、図31のS224で実行される迂回プリンタ抽出処理を、図34を用いて説明する。図34のS700では、初期化処理として、障害プリンタや抽出したプリンタに関する通信機能等の各種情報を保持するためのメモリ領域を初期化し、後述する抽出プリンタカウンタ及び検索カウンタを「0」にリセットする。次のS701では、受信した迂回リファレンスD3内の迂回印刷制御情報から障害プリンタの名称を取得し、次のS702では取得した障害プリンタの名称をキーとして、図5の装置情報テーブル222から障害プリンタの装置情報を読み込む。
【0177】
読み込んだ装置情報には、障害プリンタの通信機能情報(クライアント機能やサーバ機能の有無情報)が含まれているので、次のS703では上記障害プリンタの通信機能情報を取得する。そして、次のS704では、障害プリンタで処理中であった印刷データの印刷属性情報を取得する。
【0178】
以上のようにして障害プリンタの通信機能情報及び障害プリンタで処理中であった印刷データの印刷属性情報を取得し、以下のS705〜S713にて、未処理の印刷データの迂回印刷処理を実行可能な迂回プリンタを装置情報テーブル222から抽出する。
【0179】
S705では、装置情報テーブル222からの装置情報の読み込み回数をカウントするための検索カウンタが全装置数に達したか否かにより、装置情報テーブル222内の全装置情報が読み込まれたか否かをチェックする。
【0180】
未だ装置情報テーブル222から読み込んでいない装置情報があれば、S706へ進み、装置情報テーブル222から1エントリーの装置情報を読み込む。次のS707では読み込んだ装置情報がプリンタに関する装置情報であるか否かを、S708では読み込んだ装置情報が障害プリンタに関する装置情報であるか否かを、それぞれ判定する。ここで、読み込んだ装置情報がプリンタ以外の装置情報の場合や障害プリンタに関する装置情報の場合は、迂回プリンタとはなりえないので、後述するS713へ進む。
【0181】
一方、読み込んだ装置情報が障害プリンタ以外のプリンタに関する装置情報の場合は、S709へ進み、該プリンタの性能情報を図6のプリンタ性能情報テーブル223から読み込む。そして、次のS710にて、読み込んだプリンタ性能情報が、障害プリンタで印刷中であった印刷データの印刷属性を満たすか否かをチェックする。ここで、読み込んだプリンタ性能情報が印刷データの印刷属性を満たさない場合は、迂回プリンタとはなりえないので、後述するS713へ進む。
【0182】
一方、読み込んだプリンタ性能情報が印刷データの印刷属性を満たす場合は、該プリンタは迂回プリンタとなりうるため、S711へ進み、抽出された迂回プリンタ候補の数をカウントするための抽出プリンタカウンタを1つインクリメントし、次のS712で該プリンタの通信機能情報を装置情報テーブル222から読み出して保持する。
【0183】
次のS713では、装置情報テーブル222から読み出した1エントリー分の処理が完了したので検索カウンタを1つインクリメントし、S705へ戻る。
【0184】
その後、上記S706〜S713の処理を、装置情報テーブル222の各装置情報について順に実行していく。そして、装置情報テーブル222の全装置情報について実行完了すると、S705で肯定判定され、リターンする。
【0185】
これにより、迂回プリンタとなりうるプリンタを1つ又は複数抽出する。但し、迂回プリンタとなりうるプリンタを1つも抽出できない(抽出プリンタカウンタ=0の)場合もある。この場合は、後述する迂回プリンタ転送経路パターン選定処理において、迂回プリンタを抽出できなかった旨がオペレータに通知される。
【0186】
次に、図31のS225で実行される迂回プリンタ転送経路パターン選定処理を、図35を用いて説明する。図35のS800では、以下の処理で選定された転送経路パターンを保持するためのメモリ領域を初期化し、次のS801では上記迂回プリンタ抽出処理にて取得された障害プリンタの通信機能情報を読み込む。
【0187】
次のS802では、上記迂回プリンタ抽出処理にて設定された抽出プリンタカウンタが「0」であるか否かを判定する。なお、抽出プリンタカウンタが「0」である場合は、以下の2通りが考えられる。
【0188】
(1) 上記迂回プリンタ抽出処理で迂回プリンタ候補が抽出されなかった
(2) 抽出された迂回プリンタ候補全てに関して転送経路パターン選定を行ったが、転送経路パターンを選定できなかった
上記何れの場合も、迂回プリンタが存在しないため、S810へ進み、迂回プリンタを抽出できなかった旨をオペレータに通知して、リターンする。
【0189】
一方、S802で抽出プリンタカウンタが「0」でなければ、S803へ進み、上記迂回プリンタ抽出処理で抽出された迂回プリンタ候補のうち1つの通信機能情報を読み込み、次のS804では、S801で読み込んだ障害プリンタの通信機能情報とS803で読み込んだ迂回プリンタ候補の通信機能情報とを以下のようにしてマージする。
【0190】
即ち、障害プリンタに関し、クライアント機能の有無及びサーバ機能の有無の情報を、機能有りを「1」、機能無しを「0」として、2桁の2進数で表す。例えば、クライアント機能が有りサーバ機能が無い場合は「10」で、クライアント機能が無くサーバ機能が有る場合は「01」で、それぞれ表す。同様に、迂回プリンタ候補についても、クライアント機能の有無及びサーバ機能の有無の情報を2桁の2進数で表す。そして、障害プリンタに関する2桁の2進数を上位2桁とし、迂回プリンタ候補に関する2桁の2進数を下位2桁とする4桁の2進数を生成し、生成した4桁の2進数を16進数に変換する。
【0191】
例えば、障害プリンタがクライアント機能有り/サーバ機能有りで、迂回プリンタ候補がクライアント機能有り/サーバ機能無しの場合、4桁の2進数「1110」が生成され、16進数「0E」(以下、X’0E’といった要領で16進数を表記する)が得られる。
【0192】
図36には、S804のマージ処理で得られる16進数と、該16進数が得られるケースにて設定可能な未処理印刷データの転送経路パターンを示す。この転送経路パターンは、図30の転送経路マトリックスに基づいて設定されている。
【0193】
上記のようなマージ処理を行った後、S805ではS804のマージ処理で得られた16進数がX’0F’又はX’0E’であるか否かをチェックする。ここで、16進数がX’0F’又はX’0E’であれば、図36に示すように迂回プリンタが未処理印刷データを障害プリンタから獲得する機能を有するので、S808へ進み、障害プリンタ−迂回プリンタ間の未処理印刷データの転送経路パターンを図28のルート8(迂回プリンタが印刷データを障害プリンタから獲得するルート)に設定する。
【0194】
S805で否定判定されると、S806へ進み、S804のマージ処理で得られた16進数がX’0D’又はX’0B’又はX’09’であるか否かをチェックする。ここで、16進数がX’0D’又はX’0B’又はX’09’であれば、図36に示すように障害プリンタが未処理印刷データを迂回プリンタへ転送する機能を有するので、S807へ進み、障害プリンタ−迂回プリンタ間の未処理印刷データの転送経路パターンを図28のルート7(障害プリンタが印刷データを迂回プリンタへ転送するルート)に設定する。
【0195】
S806でも否定判定された場合は、当該迂回プリンタ候補に未処理印刷データを届けることができないと判断できるので、S809で抽出プリンタカウンタを1つデクリメントした後、S802へ戻る。そして、上記迂回プリンタ抽出処理で抽出された迂回プリンタ候補における次の候補の通信機能情報について、S803〜S809の処理を実行する。
【0196】
このようにして、迂回プリンタ候補に対し1つずつ障害プリンタとの間で未処理印刷データの転送経路パターンを選定できるか否かを判断していく。そして、未処理印刷データの転送経路パターンを選定できた時点で、図35の処理からリターンし、そのときの迂回プリンタ候補を迂回プリンタとして確定する。
【0197】
次に、サーバ14からの未処理印刷データの転送指示又は迂回プリンタによる未処理印刷データの獲得要求を受け取った障害プリンタの動作を、図33に基づいて説明する。ここでは、障害プリンタは、前述した図32の処理において障害の発生を既に検知し、障害検知フラグをオンにセットしているものとする。
【0198】
障害検知フラグがオンであるため、図32のS312から図33のS324へ進み、迂回プリンタへの転送指示をサーバ14から受信しているか否かをチェックする。ここで、迂回プリンタへの転送指示を受信していなければ、S327へ進み、印刷データの獲得要求を迂回プリンタから受信しているか否かをチェックする。ここでも、否定判定であれば、S324へ戻る。印刷データの獲得要求を迂回プリンタから受信していれば、S328へ進み、該迂回プリンタへ未処理の印刷データを提供する。これにより、迂回プリンタは未処理の印刷データを獲得し、獲得した未処理の印刷データに対し印刷処理を行い、該印刷データに関する印刷処理を完了させることができる。
【0199】
一方、S324で迂回プリンタへの転送指示を受信していれば、S325へ進み、該転送指示に含まれる迂回プリンタの情報を入手し、次のS326で迂回プリンタへ未処理の印刷データを転送する。これにより、迂回プリンタは未処理の印刷データを受信し、受信した未処理の印刷データに対し印刷処理を行い、該印刷データに関する印刷処理を完了させることができる。
【0200】
上記S326での印刷データの転送又はS328での印刷データの提供が完了すると、S329へ進み、障害プリンタ内に残っている印刷データを削除してメモリを解放する。
【0201】
その後、S330で障害が解除される(復旧する)のを待ち、障害が解除された時点でS331へ進み障害検知フラグをオフして、図32のS312へ戻る。このとき障害検知フラグがオフであるので、S313で否定判定され、通常の印刷処理が可能となる。
【0202】
なお、プリンタ16P1 が迂回プリンタになったケースの動作は、図32のS315〜S318の処理となる。即ち、プリンタ16P1 に対し、サーバ14から図31のS226の処理によりデータ転送経路パターンが通知されると、プリンタ16P1 は該データ転送経路パターンを受け付け、図32のS316でデータ獲得先(=そのときの障害プリンタ)の情報を入手する。次のS317では、障害プリンタから未処理の印刷データを獲得し、獲得した未処理の印刷データを図4のスプール350に蓄積する。そして、蓄積完了後に、S318で未処理の印刷データに対し印刷処理を行う。このように、迂回プリンタは未処理の印刷データを獲得し、獲得した未処理の印刷データに対し印刷処理を行い、該印刷データに関する印刷処理を完了させることができる。
【0203】
以上説明した実施形態によれば、印刷処理中のプリンタに障害が発生しても、該障害プリンタからの迂回リファレンスD3を受信したサーバで適正な迂回プリンタ及びデータ転送経路パターンが決定され、該データ転送経路パターンに従い未処理の印刷データが迂回プリンタに届くことになる。そして、迂回プリンタにより未処理の印刷データに対する印刷処理が行われるので、当初印刷要求した端末装置やサーバが印刷処理の終了時まで印刷データを保管しておく必要は無くなる。即ち、端末装置やサーバで蓄積するべきデータ量を減らし、端末装置やサーバの必要メモリ容量の低減を図ることができる。
【0204】
また、印刷処理中の障害発生時に、未処理の印刷データが障害プリンタから迂回プリンタへ直接一度に転送される(ここでは迂回プリンタによる獲得も含む)ので、未処理の印刷データを障害プリンタからサーバを介して迂回プリンタへ転送する場合よりも、ネットワークシステム上のトラフィック量を削減することができる。
【0205】
また、全印刷データでなく未処理の印刷データのみを、迂回プリンタへ転送されるよう制御するので、ネットワークシステム上のトラフィック量をさらに削減し、迂回プリンタによる印刷処理の処理時間を短縮し、迂回プリンタで使用する印刷資源(用紙、トナー、電力等)を節約することができる。
【0206】
なお、上記実施形態の作用では、ワークステーション12W1 で印刷データD1を生成し、該印刷データD1の印刷処理要求をサーバ14に対して行うケースを想定して説明したが、1つのネットワーク内に限定されず、ネットワークを介して接続された全てのワークステーション、サーバ、プリンタ間で上記と同様の通信制御処理を実現することができる。
【0207】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、印刷処理中に障害が発生しても、障害が発生した画像形成装置から他の画像形成装置へ印刷データが転送され、他の画像形成装置により印刷処理されるので、印刷要求した端末装置やサーバが印刷処理の終了時まで印刷データを保管しておく必要は無く、端末装置やサーバの必要メモリ容量の低減を図ることができる。また、印刷処理中の障害発生時に、印刷データが画像形成装置から他の画像形成装置へ直接一度に転送されるよう制御するので、印刷データを画像形成装置からサーバを介して他の画像形成装置へ転送する場合よりも、ネットワークシステム上のトラフィック量を削減することができる。
【0208】
特に、請求項3記載の発明によれば、他の画像形成装置へ転送される印刷データを、全ての印刷データとするか、印刷処理が完了していない残りのページの印刷データとするか、印刷処理が完了していない残りの行の印刷データとするかについて自在に設定することができる。
【0209】
また、請求項4記載の発明によれば、印刷データよりもデータ量が少ない障害時印刷処理内容情報を用いてサーバに印刷処理を要求するので、障害対応時に画像形成装置からサーバへ転送されるデータ量を減らし、ネットワークシステム上のトラフィック量を削減することができると共に、サーバで蓄積するべきデータ量を減らし、サーバでは特に磁気ディスク装置等の増設を必要とせずコスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態におけるネットワークシステムの全体構成図である。
【図2】ワークステーションの構成を示すブロック図である。
【図3】サーバの構成を示すブロック図である。
【図4】プリンタの構成を示すブロック図である。
【図5】サーバで管理する装置情報テーブルの一例を示す表である。
【図6】サーバで管理するプリンタ性能情報テーブルの一例を示す表である。
【図7】印刷要求リファレンスの構造を示す概念図である。
【図8】印刷要求リファレンスの詳細情報の一例を示す表である。
【図9】プリントの流れを示す概念図である。
【図10】データ通信ルートを示す概念図である。
【図11】データ転送経路パターンの一覧表である。
【図12】データ転送経路に関する優先順位を示す表である。
【図13】ワークステーションとプリンタの通信機能マトリックス表である。
【図14】リファレンスの送信装置と受信装置のマトリックス表である。
【図15】印刷データの送信装置と受信装置のマトリックス表である
【図16】印刷データの獲得装置と提供装置のマトリックス表である。
【図17】ワークステーションにおいて実行される通信制御処理ルーチンを示す流れ図である。
【図18】サーバにおいて実行される通信制御処理ルーチンを示す流れ図である。
【図19】プリンタにおいて実行される通信制御処理ルーチンを示す流れ図である。
【図20】出力プリンタ抽出処理のサブルーチンを示す流れ図である。
【図21】プリント条件チェック処理のサブルーチンを示す流れ図である。
【図22】データ転送経路パターン及びプリンタ選定処理のサブルーチンを示す流れ図である。
【図23】図13の通信機能マトリックス別のデータ転送経路を示す表である。
【図24】本発明に係る改良が施されたプリンタの構成を示すブロック図である。
【図25】印刷要求リファレンス及び迂回リファレンスの構造を示す概念図である。
【図26】迂回リファレンスの詳細情報の一例を示す表である。
【図27】迂回印刷制御と印刷データの流れを示す概念図である。
【図28】本実施形態におけるデータ転送経路パターンの一覧表である。
【図29】迂回出力のジョブ属性の場合も含めたデータ転送経路に関する優先順位を示す表である。
【図30】障害プリンタと迂回プリンタの通信機能の組み合わせによる経路パターンのマトリックス表である。
【図31】本実施形態のサーバにて実行される通信制御処理ルーチンを示す流れ図である。
【図32】本実施形態のプリンタにて実行される通信制御処理ルーチンの前半を示す流れ図である。
【図33】本実施形態のプリンタにて実行される通信制御処理ルーチンの後半を示す流れ図である。
【図34】迂回プリンタ抽出処理のサブルーチンを示す流れ図である。
【図35】迂回プリンタ転送経路パターン選定処理のサブルーチンを示す流れ図である。
【図36】障害プリンタ及び迂回プリンタの各通信機能情報をマージして得られた16進数値と迂回プリンタ転送経路パターンの候補との対応を示す表である。
【符号の説明】
10、20 LAN
12W1 、12W2 、12W3 、12W4 ワークステーション
14、24 サーバ
16P1 、16P2 、16P3 、16P4 プリンタ
22W1 、22W2 、22W3 、22W4 ワークステーション
26P1 、26P2 、26P3 、26P4 プリンタ
D1 印刷データ
D2 リファレンス
D3 迂回リファレンス
94 迂回印刷制御情報
224 同報出力プリンタ情報
340 印刷処理部
360 障害検知部
370 迂回リファレンス生成部
380 データ出力部

Claims (6)

  1. 印刷データを生成する少なくとも1つの端末装置、前記印刷データに基づいて印刷処理を実行する少なくとも2つの画像形成装置、及び該画像形成装置を管理するサーバを含んで構成され、
    前記端末装置が、印刷データの生成時に、前記印刷処理の内容を表す印刷処理内容情報を生成し、生成した印刷処理内容情報を前記サーバへ送信することで該サーバに前記印刷データの印刷処理を要求し、前記サーバが、前記端末装置から受信した印刷処理内容情報に基づいて、印刷処理を実行させる画像形成装置及び該画像形成装置への印刷データの転送経路を決定し、決定した転送経路に従って印刷データが前記画像形成装置へ転送されるよう制御するネットワークシステムであって、
    前記画像形成装置は、
    印刷処理中の障害の発生を検知する検知手段と、
    前記検知手段により障害の発生が検知された場合に、該検知時点で処理中であった印刷処理の内容を表す障害時印刷処理内容情報を生成する障害時情報生成手段と、
    前記障害時情報生成手段により生成された障害時印刷処理内容情報を前記サーバへ送信することで該サーバに他の画像形成装置により印刷処理を継続実行させることを要求する要求手段と、
    を有し、
    前記サーバは、前記画像形成装置から受信した障害時印刷処理内容情報に基づいて、印刷処理を継続実行させる他の画像形成装置を決定すると共に、該他の画像形成装置への印刷データの転送経路として、該他の画像形成装置と前記画像形成装置との間で印刷データを転送する経路を決定する決定手段を有し、
    前記画像形成装置又は前記他の画像形成装置は、前記決定した転送経路に従って、全ての印刷データ又は印刷処理が完了していない残りのページの印刷データ又は印刷処理が完了していない残りの行の印刷データが前記他の画像形成装置へ転送されるよう制御することを特徴とするネットワークシステム。
  2. 前記障害時印刷処理内容情報は、処理中の印刷データの所在情報、障害の発生が検知された画像形成装置の識別情報、及び処理中の印刷処理の印刷属性情報を含んで構成されていることを特徴とする請求項1記載のネットワークシステム。
  3. 前記他の画像形成装置へ転送される印刷データを、全ての印刷データとするか、印刷処理が完了していない残りのページの印刷データとするか、印刷処理が完了していない残りの行の印刷データとするかは、前記端末装置、前記サーバ及び前記画像形成装置の何れかにより、設定可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のネットワークシステム。
  4. 前記障害時印刷処理内容情報は、前記印刷データよりもデータ量が少ないことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のネットワークシステム。
  5. 印刷データを生成すると共に該生成時に印刷処理の内容を表す印刷処理内容情報を生成し、生成した印刷処理内容情報を用いて前記印刷データの印刷処理を要求する少なくとも1つの端末装置、及び他の装置から受信した印刷処理内容情報に基づいて少なくとも前記印刷データの転送経路を決定し、決定した転送経路に従って印刷データが転送されるよう制御するサーバ、と共にネットワークシステムを構成し、該ネットワークシステムに少なくとも2つ設けられ、前記印刷データに基づいて印刷処理を実行する画像形成装置であって、
    印刷処理中の障害の発生を検知する検知手段と、
    前記検知手段により障害の発生が検知された場合に、該検知時点で処理中であった印刷処理の内容を表す障害時印刷処理内容情報を生成する障害時情報生成手段と、
    前記障害時情報生成手段により生成された障害時印刷処理内容情報を前記サーバへ送信することで該サーバに他の画像形成装置により印刷処理を継続実行させることを要求する要求手段と、
    前記サーバから通知された印刷データの転送経路に従って、全ての印刷データ又は印刷処理が完了していない残りのページの印刷データ又は印刷処理が完了していない残りの行の印刷データを、前記サーバから通知された他の画像形成装置へ転送するデータ転送手段と、
    を有する画像形成装置。
  6. 前記サーバから通知された印刷データの転送経路に従って、全ての印刷データ又は印刷処理が完了していない残りのページの印刷データ又は印刷処理が完了していない残りの行の印刷データを、前記サーバから通知された他の画像形成装置から獲得するデータ獲得手段をさらに有する請求項5記載の画像形成装置。
JP19198298A 1997-09-22 1998-07-07 ネットワークシステム及び画像形成装置 Expired - Fee Related JP4003301B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19198298A JP4003301B2 (ja) 1997-09-22 1998-07-07 ネットワークシステム及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-257132 1997-09-22
JP25713297 1997-09-22
JP19198298A JP4003301B2 (ja) 1997-09-22 1998-07-07 ネットワークシステム及び画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11154063A JPH11154063A (ja) 1999-06-08
JP4003301B2 true JP4003301B2 (ja) 2007-11-07

Family

ID=26507019

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19198298A Expired - Fee Related JP4003301B2 (ja) 1997-09-22 1998-07-07 ネットワークシステム及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4003301B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6724494B1 (en) * 1999-11-03 2004-04-20 Toshiba Tech Corp Error management for a tandem printing system
JP5541001B2 (ja) 2010-08-26 2014-07-09 ブラザー工業株式会社 立案デバイス
JP5115608B2 (ja) 2010-09-16 2013-01-09 コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 プルプリントシステム、印刷ジョブを処理する方法、プルプリントサーバー、およびコンピュータプログラム。
JP6324217B2 (ja) * 2014-06-02 2018-05-16 キヤノン株式会社 情報処理装置、システム、情報処理方法及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11154063A (ja) 1999-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6188487B1 (en) Print control system and print control method
US6088120A (en) Printer managing apparatus, printer system and printer setting method
US6545766B1 (en) Printer having a print management device for interrupting print jobs during intermediate data generation
US6864992B1 (en) Network system, method and computer readable medium including print log generation
JP3777842B2 (ja) ネットワークシステム、代替処理制御方法、及びサーバ
JPH06324823A (ja) プリンタ管理方式
JP4003301B2 (ja) ネットワークシステム及び画像形成装置
JP3817913B2 (ja) ネットワークシステム、端末装置、サーバ及び画像形成装置
JP4089018B2 (ja) ネットワークシステム及び画像形成装置
JP3223050B2 (ja) 印字装置
JP3822710B2 (ja) サービス提供システム、並びにそのサーバ及びプリンタ
JPH10198540A (ja) プリンタ出力の分散制御装置
JP3508933B2 (ja) プリンタ管理方式
JPH11203092A (ja) プリントシステム
JP2002169683A (ja) 画像処理装置、情報処理システム、及びデータ処理方法
JPH06195289A (ja) 情報処理装置
JP3312482B2 (ja) プリントデータ送出源、プリンタ装置およびプリントデータ格納装置
JP3223704B2 (ja) プリントシステムおよび文書処理装置
JPH11154064A (ja) ネットワークシステム、端末装置及びサーバ
JP4485426B2 (ja) 分散印刷システム
JPH10116165A (ja) ネットワーク印刷システム
JP2000259375A (ja) プリンタシステム
JPH04245525A (ja) プリントシステムおよび情報処理装置
JPH10157253A (ja) 印刷制御装置
JP3208853B2 (ja) ネットワークシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070731

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070813

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100831

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110831

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120831

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120831

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130831

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees