JP4002937B2 - 生肉片用接着組成物 - Google Patents
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Description
こうした生肉片を接着する方法として特公昭46−38540号公報、および同47−8980号公報の提案(例えば特許文献1、特許文献2等参照)がある。これらは、蛋白系物質或いは多糖類系物質1種以上と、卵殻、貝殻などの焼成粉末、アルカリ土類金属の酸化物または水酸化物、あるいは水酸化ナトリウム(以下、これらを「アルカリ剤」という)の1種以上との組成物を用いて接着品を得るものである。しかし、これらの組成物は水と接触することにより急速にゲル化するため、加工に要する接着作業猶予時間を充分取れず満足する接着力が得られないこと、また取扱いが容易な水溶液または水分散液として保存することができないことから、量産に向かないという問題を含んでいる。
本発明が対象とする生肉片は、焼成、蒸し、ボイル等の熱処理をほとんど受けていない魚介類及び畜肉であり、規格外品、あるいは、水・畜産の加工工程で発生する不定形、小型の残肉などが対象となる。
これらアルカリ剤の中では、焼成カルシウムを用いたものが、接着力、風味の点で優れた効果を示す。
本発明の組成物は、上述のアルカリ剤と塩化ナトリウムを必須成分とする塩類を基本構成成分とすることにより接着作業猶予時間を確保でき、かつ、後述するように接着作業猶予時間を制御できる点においても優れた特徴を有する。
以下に、生肉片の接着製造試験により、比較例及び実施例をあげてアルカリ剤および塩化ナトリウムを必須成分とする塩類の有効な量について詳細に述べる。
〔接着製造試験〕
3〜5cm角にカットした豚腿生肉片を用い、アルカリ剤として代表的な貝殻焼成カルシウムを、また、塩化ナトリウムを必須成分とする塩類として食塩を選びそれらの混合量を変えて接着製造試験を行った。
初めに、組成物を、60gの水に分散して豚腿生肉片2kgと10秒間混合し、8cm×8cm×30cmリテーナーに充填した後、室温にて2時間放置して接着させた。これを1cm厚にスライスしてスライス肉とし、接着力を評価する。別途スライス肉をフライパンにて油焼きしたものについても接着力を評価し、さらに食味評価を行った。作業性については、生肉片と接着剤溶液の混合物を放置したときに、接着成型作業が可能なゲル化時間を接着作業猶予時間として測定した。また、組成物を水に分散後1ヶ月間放置したものを用いて接着・成型作業を行い、同様に評価した。これらの評価結果を比較例及び実施例として表1に示す。
なお、接着剤溶液に用いる水の量は、組成物が流動性を保持する量であるが、組成物0.5〜2.5重量部に対し1〜10重量部が適量である。
(製造例1)豚腿肉を用いた接着成形品
貝殻焼成カルシウム8gと食塩6gによる生肉片用接着組成物を水60gに分散し、3〜5cm角にカットした豚腿生肉2kgとミキサーにて10秒間混合した。この混合物は均一で成型作業に十分耐えうる状態であったため、これを8cm×8cm×30cmリテーナーに充填し、常温にて2時間放置して接着を完了させた(ミキサーによる混合を開始してからリテーナーの充填作業が終了するまでの時間は16分であった)。得られた成型肉を1cm厚にスライスして接着力を評価し、別にフライパンにて油焼きした後接着力を評価するとともに、官能評価を行ったところ、いづれのスライス肉も指で摘み、軽く振っても剥がれることなく接着力は充分であり、油焼きしたスライス肉の風味も良好であった。
水酸化カルシウム10gと食塩4g及び塩化カルシウム2gによる生肉片用接着組成物を水60gに分散し、3〜5cm角にカットした皮なし鶏胸生肉2kgとミキサーにて10秒間混合した。この混合物は均一で成型作業が充分可能な状態であったため、これを8cm×8cm×30cmリテーナーに充填し、常温にて2時間放置して接着を完了させた(ミキサーによる混合を開始してからリテーナーの充填作業が終了するまでの時間は24分であった)。得られた成型肉を1cm厚にスライスして接着力を評価し、別にフライパンにて油焼きした後接着力を評価するとともに、官能評価を行ったところ、いずれのスライス肉も指で摘み、軽く振っても剥がれることなく接着力は充分であり、油焼きしたスライス肉の風味も良好であった。
卵殻焼成カルシウム8gと食塩3g及び炭酸ナトリウム3gによる生肉片用接着組成物を水60gに分散し、3〜5cm角にカットした牛腿生肉2kgとミキサーにて10秒間混合した。この混合物は均一で成型作業が充分可能な状態であったため、これを8cm×8cm×30cmリテーナーに充填し、常温にて2時間放置して接着を完了させた(ミキサーによる混合を開始してからリテーナーの充填作業が終了するまでの時間は15分であった)。得られた成型肉を1cm厚にスライスして接着力を評価、別にフライパンにて油焼きした後接着力を評価するとともに、官能評価を行ったところ、いずれのスライス肉も指で摘み、軽く振っても剥がれることなく接着力は充分であり、油焼きしたスライス肉の風味も良好であった。
貝殻焼成カルシウム100重量部にパルミチン酸20重量部を被覆したアルカリ剤10gと食塩6gによる生肉片用接着組成物を、水60gに分散し、3〜5cm角にカットした鮭生肉2kgとミキサーにて10秒間混合した。この混合物は均一で成型作業が充分可能な状態であったため、これを8cm×8cm×30cmリテーナーに充填し、常温にて2時間放置して接着を完了させた(ミキサーによる混合を開始してからリテーナーの充填作業が終了するまでの時間は23分であった)。得られた成型肉を1cm厚にスライスして接着力を評価し、別にフライパンにて油焼きした後接着力を評価するとともに、官能評価を行ったところ、いずれのスライス肉も指で摘み、軽く振っても剥がれることなく接着力は充分であり、油焼きしたスライス肉の風味も良好であった。
水酸化ナトリウム10gと食塩10gによる生肉片用接着組成物を水60gに分散し、3〜5cm角にカットした鮭生肉2kgとミキサーにて10秒間混合した。この混合物は均一で成型作業が充分可能な状態であったため、これを8cm×8cm×30cmリテーナーに充填し、常温にて2時間放置して接着を完了させた(ミキサーによる混合を開始してからリテーナーの充填作業が終了するまでの時間は9分であった)。得られた成型肉を1cm厚にスライスして接着力を評価し、別にフライパンにて油焼きした後接着力を評価するとともに、官能評価を行ったところ、いずれのスライス肉も指で摘み、軽く振っても剥がれることなく接着力は充分であったが、油焼きしたスライス肉は苦味と塩味が強いものであった。
Claims (1)
- 焼成カルシウム、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、または水酸化ナトリウムから選ばれる少なくとも1種のアルカリ剤100重量部に対し、中性塩及び塩基性塩の1種又は2種以上の塩であって該塩は塩化ナトリウムを必須成分として含む塩を40〜100重量部配合した、生肉片用接着組成物。
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