JP4002703B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原稿から読み取られ、又は、PC等から入力された画像データをメモリに蓄積して画像形成する機能を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高性能なデジタル複写機やプリンタ装置等では、原稿から読み取った画像データをハードディスク等のメモリに記憶させ、メモリに記憶させた画像データに基づき画像形成動作(印刷動作)を行う電子ソート機能を備えたものがある。即ち、一度読み取った原稿の画像データはメモリに蓄積されるため、メモリに蓄積された画像データを必要な部数分読み出すことにより複数部数分の画像形成処理が可能となる。特に、このような電子ソート機能を備えた画像形成装置では、その一例として、例えば、特開平10−178510号公報中に記載されているように、1部目では原稿の画像データを読み込みメモリに蓄積させながら画像形成動作を行い、2部目以降についてはメモリに蓄積させた画像データを読み出して画像形成動作を行わせる逐次方式を採り得るものもある。
【0003】
このような電子ソート機能を持たせた画像形成装置では、必要な画像形成部数をテンキー等で設定してから画像形成動作を開始させることになるが、従来にあっては、電子ソート機能による画像形成動作が開始された後は、その途中で画像形成部数を増減変更することはできない構成とされている。この結果、例えば最初に設定した画像形成部数での画像形成動作が全て終了した後、さらに必要な部数分について最初から同じ動作(原稿の読み取り等)をやり直す必要があり、面倒である等の不具合がある。
【0004】
この点、例えば、特開平7−74903号公報に示されるように、記録動作中にコピー部数が変更された場合にメモリ部に格納されているコピー部数をその変更されたコピー部数に再設定する変更入力部を備えることで、記録動作中断中にコピー部数の変更を可能とした提案例がある。
【0005】
また、前述した特開平10−178510号公報に示されるように、画像形成動作開始後、設定部数分の画像形成動作完了前に設定部数の変更入力を行う変更入力手段を備えることで、画像形成動作開始後であっても部数の変更を可能とした提案例もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、これらの提案例によると、画像形成動作開始後であっても画像形成部数の変更が指定された場合には一律にその部数変更を受け付けてしまうため、その時点の画像形成モード、コピー生産性、エラー処理等の実使用上の観点からは却って不具合を生じてしまうものであり、不十分である。
【0007】
一例として、例えば画像形成動作を1部ずつページ順に行わせるソートモードは広く採用されているが、ソートモードにおいて画像形成部数が1の場合であっても画像形成動作開始後の画像形成部数の変更を受け付けるとなると、このような画像形成部数の変更に備えて原稿から読み取った全ての画像データを一連のジョブ終了まで常時メモリに蓄積させておく必要がある。この結果、例えばいわゆるSADFモード(原稿継ぎ足しモード)等で画像形成動作を行わせると、その途中でメモリ容量に達してしまいメモリマックスによるジョブ中断という現象が発生しやすく、生産性を低下させてしまうという不具合を生ずる。
【0008】
そこで、本発明は、中断時点で設定されている画像形成モード、生産性、エラー処理等を考慮した適正な画像形成動作開始後の画像形成部数の変更が可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、画像形成動作開始前に画像形成部数を設定する第1の部数設定手段と、画像形成動作開始後・終了前に画像形成部数を変更設定する第2の部数設定手段と、画像形成する画像データを入力する画像入力手段と、この画像入力手段により入力された画像データをメモリに記憶する記憶手段と、前記第1又は第2の部数設定手段により設定された部数分だけ前記メモリに記憶された画像データに基づき被画像形成媒体に画像を形成する画像形成手段と、前記メモリに記憶されている全画像データを、一連のジョブ終了時まで消去せず、かつ該ジョブ終了後に消去する処理を伴う画像形成モードを指定する第1モード指定手段と、前記メモリに記憶されている全画像データを、一連のジョブ終了時までに消去する処理を伴う画像形成モードを指定する第2モード指定手段と、この画像形成手段による画像形成動作の開始を指示する開始指示手段とを備え、前記第1モード指定手段により画像形成モードが指定されている場合には前記第2の部数設定手段を有効とし、前記第2モード指定手段により画像形成モードが指定されている場合には前記第2の部数設定手段を無効とする。
【0022】
従って、一連のジョブ終了時までメモリに記憶されている全画像データを消去せず、ジョブ終了後に消去する処理を伴う画像形成モード、例えば、ステープルモードが指定されている場合には、部数設定値に関係なくそのジョブ完了までジョブリカバリーのために全ての画像データをメモリに蓄積させておく必要があり、一連のジョブ終了後に全ての画像データが消去されるので、部数設定値に関係なく画像形成動作開始後の部数設定値の変更を許容することにより利便性の高い部数設定値の変更が可能となる。
【0039】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図10に基づいて説明する。本発明の画像形成装置は、その一実施の形態として、図1に示すようなデジタル複写機に適用されている。このデジタル複写機の基本的な構成及びその作用を図1により説明する。このデジタル複写機は、構造的には、画像入力手段として機能する読取ユニット1と画像形成手段として機能する作像ユニット2とを主体として構成されている。
【0040】
まず、読取ユニット1はコンタクトガラス3上に載置された原稿の画像を走査光学系4により光学的に読み取るものである。この走査光学系4は露光ランプ5、第1ミラー6、第2,3ミラー7,8、結像レンズ9及びイメージセンサ、例えばライン型のCCD10により構成されている。露光ランプ5と第1ミラー6とは第1キャリッジ(図示せず)上に搭載され、第2,3ミラー7,8は第2キャリッジ(図示せず)上に搭載され、原稿画像読取時には光路長が変わらないように第1キャリッジと第2キャリッジとは2:1の速度比で同一方向に機械的に走査される。これらの第1,2キャリッジの駆動はスキャナ駆動モータ(図示せず)により行われる。ここに、コンタクトガラス3上の原稿画像は走査光学系4による読取走査を受けることにより、CCD10上に縮小結像され、光電変換処理を経て電気信号となるように読み取られる。
【0041】
このような読取ユニット1のコンタクトガラス3上には自動原稿送り装置(ADF)11が搭載されている。このADF11は、原稿台12と、給紙ローラ13と、コンタクトガラス3上に位置する給紙搬送ベルト14と、排紙ローラ15と、原稿排紙トレイ16とにより構成されている。原稿台12の入り口付近には原稿セット検知センサ17が設けられている。これにより、原稿台12上に画像面を上向きにして積載された原稿束は、後述する操作部上のプリントキーが押下されると、最下位の原稿から給紙ローラ13、給紙搬送ベルト14によりコンタクトガラス3上の所定位置に給紙搬送されて停止する。この際、原稿の給紙搬送完了毎に原稿枚数を計数するカウント機能を有している。コンタクトガラス3上に給紙搬送された原稿は、読取ユニット1による読取に供された後、読取が終了すると、給紙搬送ベルト14及び排紙ローラ15により原稿排紙トレイ16上に排紙される。この際、原稿セット検知センサ17が後続の原稿を検知していれば、先行した原稿の場合と同様に、原稿台12上の原稿をコンタクトガラス3上に給紙搬送させる。ここに、ADF11における給紙ローラ13、給紙搬送ベルト14及び排紙ローラ15は、後述する搬送モータによって駆動される。
【0042】
次に、画像形成手段の中心となる作像ユニット2について説明する。この作像ユニット2はドラム状の感光体21を中心とし、この感光体21の周囲に電子写真プロセスに従い、帯電チャージャ(図示せず)、書込ユニット22、現像装置23、転写チャージャ(図示せず)等のプロセス部材・手段を順に配設させることにより構成されている。前記書込ユニット22はレーザ出力ユニット(レーザダイオード、ポリゴンミラー等を内蔵)24、結像レンズ25、ミラー26等によるレーザ書込光学系として構成されている。
【0043】
また、作像ユニット2内の下部側には、各々被画像形成媒体となる転写紙27を収納した第1〜3トレイ28〜30が引出自在に装着されている。各トレイ28〜30の給紙側には第1〜3給紙装置31〜33が設けられており、共通な縦搬送ユニット34を介して感光体21の転写位置側に転写紙27を給紙搬送可能とされている。さらに、感光体21の転写位置よりも搬送方向下流側には、搬送ベルト35、定着装置36、排紙ローラ37を含む排紙ユニット38、後処理装置としてフィニッシャ装置39が順に設けられている。また、第1トレイ28の上方には両面トレイ40を含む両面給紙ユニット41が配設されており、排紙ユニット38中には転写紙27の搬送経路を前記排紙トレイ39側とこの両面トレイ40側とで切り替える切替爪42が設けられている。両面給紙ユニット41の再給紙側は縦搬送ユニット34に連通している。
【0044】
これにより、第1〜3トレイ28〜30に収納された転写紙27は、第1〜3給紙装置31〜33によって選択的に給紙され、縦搬送ユニット34により感光体21の転写位置まで搬送される。一方、感光体21側では書込ユニット22による光書込を受けて静電潜像が形成され、現像装置23による現像を受けてトナー像が形成される。縦搬送ユニット34により搬送された転写紙27はこのトナー像先端と同期を取りながら、感光体21と同速で駆動される搬送ベルト35によって搬送され、トナー像の転写を受ける。転写後の転写紙27は定着装置36による定着を受けた後、排紙ローラ37によってフィニッシャ装置39側に排紙される。
【0045】
フィニッシャ装置39は、排紙ローラ37によって搬送された転写紙27を、通常のスタッカ搬送ローラ43の方向とステープル処理部方向とに切替板44の切替えにより導くことができる。切替板44を上向きに切替えることにより、通常のスタッカ排紙ローラ45を経て通常のスタッカトレイ46側に排紙させることができる。一方、切替板44を下向きに切替えることにより、ステープル用搬送ローラ47及びステープル用排紙ローラ48を経てステープル台49上に搬送させることができる。ステープル台49上に積載された転写紙27は1枚排紙される毎に紙揃え用ジョガ50によって紙端面が揃えられ、一部のコピー(画像形成)が完了した時点でステープラ51によって綴じられる。ステープラ51により綴じられた転写紙群はその自重によってステープル完了トレイ52に収納される。このようなステープラ51は後述するようなステープルモードが指定された場合に用いられる。
【0046】
一方、通常のスタッカトレイ46は紙面前後方向に移動可能な排紙トレイであり、原稿毎或いは画像メモリによって電子ソーティングされたコピー部毎に前後に移動させることにより、排紙されてくるコピー済み転写紙27を簡易的に仕分けし得る機能を有する。
【0047】
また、転写紙27の両面に画像を形成する両面コピーモード時には、そのおもて面コピー終了後に切替爪42が切り替えられて転写紙27が両面トレイ40側に一旦排紙され、うら面側のコピーのための再給紙に供される。再給紙後の処理は片面コピーモード時と同様である。
【0048】
次に、図2により操作部53の構成について説明する。この操作部53は開始指示手段として機能するプリントキー54、第1の部数設定手段として機能するテンキー(♯キーを含む)55、クリアストップキー56、モードクリアキー57、初期設定キー58等のキー類を備えている他、液晶タッチパネル59を備えている。この液晶タッチパネル59には、例えば図3に示す如く画面毎に適宜出現する機能キー60を含む入力操作部61と、設定された部数や装置状態等をメッセージ表示する表示部62とを併せ持つ。
【0049】
図3は、液晶タッチパネル59の基本画面の表示例を示す。図示例の如く、液晶タッチパネル59の基本画面上には、“等倍キー”“用紙指定変倍キー”“片面→両面キー”等の機能キー60が出現する。機能キー60に関しては、キー機能表示部分を押下することにより、そのキー部分が黒く反転する。また、機能の詳細を指定しなければならない場合は、該当するキー機能表示部分を押下することにより、詳細機能の設定画面が表示される。何れにしても、液晶タッチパネル59は、ドット表示器を使用しているので、その時の最適な表示をグラフィカルに行うことができる。ここに、本実施の形態では、このような機能キー60の中には画像形成動作を1部ずつページ順に行わせるソートモードを指定するソートモード指定手段として機能するソートキー60a、ページ毎に仕分け排紙させるスタックモードを指定するスタックキー60b、ソート処理された転写紙27についてステープル処理を行わせるステープルモードを指定するための特定モード指定手段としてのステープルキー60c等を有する。この他、特殊なモードとして連結モードを指定する連結モード指定手段としての連結コピーキー60dも表示部62中に出現するように構成されている。
【0050】
次に、デジタル複写機全体を制御するメインコントローラ(図示せず)に操作部53やADF11等とともに接続されたIPU(イメージ・プロセシング・ユニット=画像処理ユニット)のハードウェア構成を図4により説明する。このIPUには、前述した読取ユニット1や書込ユニット22の制御を行うCPU70が設けられている。このCPU70にはバスラインを介して、制御用のプログラム等を格納したROM71や各種データを記憶するRAM72やI/Oポート73が接続されている他、画像メモリコントローラ74が接続されている。この画像メモリコントローラ74には画像メモリ75が接続されている。これにより、CPU70はこの画像メモリコントローラ74を介して画像メモリ75へのデータの書き込みや画像メモリ75からのデータの読み出し、及び、大容量記憶装置(HD)76への書き込みや読み出しが可能とされている。従って、本実施の形態では画像メモリ75、HD76がメモリであり、画像メモリコントローラ74が記憶手段として機能する。
【0051】
一方、読取ユニット1中のCCD10と、書込ユニット2との間には、A/Dコンバータ77、シェーディング補正回路78、MTF&γ補正回路79、セレクタ80、変倍回路81が順に接続されている。これにより、CCD10により光電変換されて読み取られた原稿画像の情報は、A/Dコンバータ77によりデジタル信号に変換され、シェーディング補正回路78でシェーディング補正、MTF&γ補正回路79でMTF補正及びγ補正を受けてセレクタ80に入力される。このセレクタ80は画像データの送り先を、変倍回路81と画像メモリコントローラ74とで切り替えるものである。セレクタ80により変倍回路81側が選択された場合には、画像データは変倍回路81で変倍率に合わせて拡大・縮小処理を受けた後、書込ユニット22に送出され、感光体21に対する実際の書き込みに供される。また、セレクタ80と画像メモリコントローラ74との間は画像データを双方向に入出力自在とされている。
【0052】
セレクタ80によりこの画像メモリコントローラ74側が選択された場合には、画像データはこの画像メモリコントローラ74中の画像圧縮回路によって圧縮された後、画像メモリ75に書き込まれる。また、画像データを蓄積する場合は、画像メモリ75からHD76へ画像データを転送して書き込みが行われる。ここで、最大原稿サイズ分の256階調のデータをそのまま画像メモリ75に書き込むことも可能であるが、1枚の原稿画像で画像メモリ75の容量の多くを費やしてしまうことを避け、限られたメモリ容量を有効に利用するため、画像圧縮処理を施してから画像メモリ75に書き込むようにしている。
【0053】
ここに、画像メモリ75には一度に多くの原稿画像のデータを記憶させ得るので、ソート機能として、画像メモリ75に蓄えられた原稿画像のイメージデータをページ順に出力させる機能を持つ。この機能により画像を出力する際には、画像メモリ75上の画像データを画像メモリコントローラ74内の画像伸長回路によって順次伸長しながら書込ユニット22側に出力する。このような機能は一般に、「電子ソート」と称されている。また、HD76から画像メモリ75へ画像データを書き込んでから同様に出力を行う。
【0054】
さらに、このような画像メモリ75の特性を利用して、複数の原稿画像を画像メモリ75中の転写紙一面分のエリアを分割した分割エリアに順次読み込ませることも可能であり、これを利用した画像集約機能も備えている。例えば、4枚の原稿画像を画像メモリ75中の転写紙一面分のエリアを4等分した分割エリアに順次書き込むことで、4枚分の原稿画像が1枚の転写紙27上にイメージ合成されたコピー出力を得ることができる。このような機能は、一般に、「集約コピー」と称されている。
【0055】
また、CPU70にバスラインを介して接続され印字イメージデータを発生する印字ユニット82が設けられている。この印字ユニット82はページ情報印字用のキャラクタ(文字)イメージや任意のスタンプ用イメージなどを発生させる。この印字ユニット82により生成された画像イメージデータは、印字合成1回路83、印字合成2回路84に入力され、原稿画像からのイメージ又は画像メモリ75から読み出されたイメージに対して任意のイメージを合成し得るように構成されている。印字合成1回路83により印字ユニット82からの画像イメージデータを合成した場合には読取ユニット1(CCD10)から読み込まれた画像データに合成印字可能となり、印字合成2回路84により印字ユニット82からの画像イメージデータを合成した場合には画像メモリ75からの画像データに合成印字可能となる。また、印字ユニット82は合成すべき画像イメージデータを出力するだけでなく、発生したイメージデータを原稿画像データ、画像メモリ75からの画像データのどの位置に合成させるかを設定する印字位置制御機能も保有している。
【0056】
ここで、セレクタ80における1ページ分の画像信号について図5を参照して説明する。フレームゲート信号/FGATEは、1ページの画像データの副走査方向の有効期間である。また、1ライン毎の主走査同期信号/LSYNCは、この信号が立ち上がった後の所定クロック(図示例では、8クロック)で画像信号を有効とし、ラインゲート信号/LGATEが立ち下がる。これらの信号は、画素クロックVCLKに同期しており、画素クロックVCLKの1周期に対して1画素8ビット(=256階調)のデータが送られてくる。本実施の形態では、転写紙27への書込密度16dot/mm(=400dpi )、最大画素数は、主走査方向4800画素、副走査方向6800画素とされている。
【0057】
つづいて、図4における画像メモリコントローラ74と画像メモリ75との詳細を図6に示すブロック図を参照して説明する。画像メモリコントローラ74は、入力データセレクタ85、画像合成ブロック86、1次圧縮/伸長ブロック87、出力データセレクタ88及び2次圧縮/伸長ブロック89の各ブロックを有している。各ブロック85〜89への制御データの設定はCPU70により行われる。なお、図4中に示したアドレス、データは画像データ用を意味しており、CPU70に接続されるアドレス、データは図示していない。
【0058】
また、画像メモリ75は1次記憶装置90及び2次記憶装置91からなる。1次記憶装置90は入力される画像データの転送速度にほぼ同期してメモリへのデータ書込みを行い、又は、画像データの出力時にはメモリからのデータ読出しを高速で行えるように、例えば、DRAM等の高速アクセス可能なメモリが使用されている。また、この1次記憶装置90は処理を行う画像データの大きさにより複数のエリアに分割して画像データの入出力を同時に実行可能な構成(メモリコントローラ74とのインタフェース部)をとっている。各分割したエリアに画像データの入力、出力を各々並列に実行可能とするためにメモリコントローラ74とのインタフェースにリード用とライト用との2組のアドレス・データ線で接続されている。これにより、例えばエリア1に画像データを入力(ライト)する間にエリア2より画像データを出力(リード)する、という動作が可能となる。
【0059】
2次記憶装置91は、入力された画像データの合成、ソーティング等の処理を行うために画像データを保存しておく大容量のメモリである。1,2次記憶装置の双方に、高速アクセス可能なメモリ素子を用いれば両者の区別なくデータの処理が行え、制御も比較的簡単となるが、DRAM等の高速対応のメモリ素子は高価なため、2次記憶装置91にはアクセス速度はそれほど速くないが、安価で大容量の記憶媒体を使用し、入出力データの処理を1次記憶装置91を介して行う構成とされている。
【0060】
このような構成の画像メモリ75を用いることにより、大量の画像データの入出力、保存、加工等の処理が可能となる。
【0061】
つづいて、メモリコントローラ74の動作制御の概略について説明する。
【0062】
まず、画像メモリ75へ保存する画像データ入力処理について説明する。入力データセレクタ85は複数の画像データのうちから、画像メモリ75(1次記憶装置90)への書込みを行う画像データの選択を行う。入力データセレクタ85によって選択された画像データは、画像合成ブロック86に供給され、既に画像メモリ75に保存されている画像データとの合成を行う。画像合成ブロック86によって処理された画像データは、1次圧縮/伸長ブロック87によりデータを圧縮し、圧縮後の画像データを1次記憶装置90に書込む。1次記憶装置90に書込まれた画像データは、必要に応じて、2次圧縮/伸長ブロック89によりさらに圧縮を行った後、2次記憶装置91に保存される。
【0063】
次に、画像メモリ75から画像データを読出す画像出力処理について説明する。画像データの出力時には、1次記憶装置90に記憶されている画像データの読出しを行う。出力対象となる画像データが1次記憶装置90に記憶されている場合には、1次圧縮/伸長ブロック87でその画像データの伸長を行い、伸長後の画像データ、若しくは、伸長後の画像データと入力データとの画像合成を行った後のデータを出力データセレクタ88により選択し、出力する。画像合成ブロック86は、1次記憶装置90の画像データと入力データとの合成(画像データの位相調整機能を有する)、合成後のデータの出力先の選択(画像出力、1次記憶装置90へのライトバック、両方の出力先への同時出力も可能)等の処理を行う。出力対象となる画像データが1次記憶装置90に格納されていない場合には、2次記憶装置91に記憶されている出力対象の画像データを2次圧縮/伸長ブロック89で伸長し、伸長後の画像データを1次記憶装置90に書き込んでから、上述した場合と同様に画像出力動作を行う。
【0064】
つづいて、本実施の形態による特徴的な処理制御例について図7に示すフローチャートを参照して説明する。図7は、画像形成条件入力により画像形成動作が開始し、また、中断指示により中断処理を行い、或いは、再開/中止処理を行う際の概要を示したフローチャートである。まず、図2又は図3に示したような操作部53により入力設定される各種画像形成条件の入力処理を行う(ステップS1)。この処理において、何部印刷(画像形成)を行うかの部数設定値がテンキー55を第1の部数設定手段として入力設定されているので、その置数入力データを部数設定値用の変数「置数」に代入する(S2)。この変数「置数」は以降の中断画面における置数変更時にも更新されることになる。この後、開始指示手段としてのプリントキー54が押下されたか否かをチェックする(S3)。プリントキー54の押下が確認されると(S3のY)、ジョブ開始に先立ち、印刷済みの部数データを示す変数「印刷済み部数」を0に初期化する(S4)。
【0065】
引き続き、中断キーが押下されたか否かをチェックする(S5)。実際には、操作部53においてクリア/ストップキー56が押下されたか否かのチェックとなる。このクリア/ストップキー56は2つの機能を有し、ジョブ開始前にはテンキー55で入力されたデータをクリアするために機能するが、ジョブ開始後はそのジョブの中断キーとして機能する。中断キー(クリア/ストップキー56)が検知されなければ(S5のN)、ステップS6以降の画像形成処理が作像ユニット2をハードウェアとして画像形成手段により実行される。ステップS7,S8,S9では、印刷済み部数の管理、ジョブ終了の管理を行う。実際には、ステップS7で1部当たりの印刷が完了したと判定されると、ステップS8にて1部終了毎に変数「印刷済み部数」が1ずつインクリメントされる。そして、設定されている変数「置数(部数設定値)」と変数「印刷済み部数」との比較により(S9)、設定された部数設定値分の部数の印刷が終了したか否かを判定する。ジョブ終了が検知されると、画像形成終了処理が行われ(S10)、次のジョブの受付可能な状態となる。
【0066】
一方、ジョブ開始後に中断キー(クリア/ストップキー56)が検知されると(S5のY)、現在実行中のジョブの中断処理を行う(S11)。そして、ジョブが中断すると、操作部53の液晶タッチパネル59部分に中断確認画面の表示を行う中断メッセージ表示処理を行う(S12)。この処理が設定部数変更可否判定手段の機能による設定部数変更可否判定処理として実行される。この処理においては、判定結果に応じて、図8に示すような部数変更を有効としない(許可しない)設定部数変更キー無しの中断確認画面59a又は図9(a)に示すような部数変更を有効とする(許可する)設定部数変更キー付きの中断確認画面59bを表示させる。
【0067】
中断確認画面59aにおいては、中断確認メッセージ92aとともに、継続キー60e、中止キー60fの機能キー60のみが表示される。中断確認画面9bにおいては、中断確認メッセージ92a、継続キー60e、中止キー60fとともに、部数変更が可能な旨のメッセージ92b及び部数変更キー60gなる機能キー60が表示される。従って、本実施の形態では、部数変更キー60g及びテンキー55が第2の部数設定手段として機能する。何れの中断確認画面59a,59bが表示されるかの処理制御については後述する。
【0068】
何れの中断確認画面59a,59bにおいても、継続キー60eが押下されれば(S13のY)、中断したジョブを継続させるために前述のステップS5〜S9の処理を引き続き行い、中止キー60fが押下された場合には(S13のN、S14のY)、ジョブ中止処理を行い(S17)、再度ステップS1に戻り、画像形成条件の入力を待つ。
【0069】
一方、図9(a)に示す中断確認画面59bにおいて、部数変更キー60gが押下されると(S15のY)、図9(b)に示す部数変更画面59cに切替えられ、テンキーで変更したい部数を入力し♯キーを押すべき旨のガイダンスメッセージ92cの表示とともに、変更前後の部数設定値の表示欄92dの表示がなされる。この部数変更画面59cに伴いテンキー55等が操作され、♯キーにより置数が確定すると、置数データの更新処理として、置数された入力データを変数「置数」に代入する部数設定値の変更更新処理を行う(S16)。♯キーにより置数が確定すると、図9(c)に示す部数変更画面59dに切替えられ、継続キー60eを押下すれば印刷動作が再開(継続)される旨のガイダンスメッセージ92fが表示され、継続キー60eが押下されるのを待つ。ここで、継続キー60eが押下されると(S13のY)、前述した場合と同様に、中断したジョブを継続させるために前述のステップS5〜S9の処理を引き続き行う。この場合の部数設定値は変更更新された値となり、その部数分の画像形成動作を繰り返すことになる。
【0070】
これに対して、中断メッセージ表示処理において図8に示す中断確認画面59aが表示される場合には、部数変更キー60gが出現しないため、部数の変更が許可されない。
【0071】
よって、基本的に、画像形成中断処理を行った場合に(S11)、何れの中断確認画面59a,59bを表示させるかを適正に制御することにより、不具合を生ずるようなケースでの部数変更を禁止させ、不具合を生じない場合のみ部数変更を行わせることができる。
【0072】
ここに、本実施の形態における中断メッセージ表示処理(設定部数変更可否判定)(S12)の一例を図10のフローチャートにより説明する。ここでは、ソートキー60aによりソートモードに設定されている場合には(S20のY)、中断時点において設定されている部数設定値(第1の部数設定手段による当初の設定値であっても、第2の部数設定手段により一旦変更設定された設定値であってもよい)が2以上であることを条件に(S21のY)、部数の変更設定を有効とする設定部数変更キー付きの中断確認画面59bを表示させる表示処理を行い(S22)、ソートモードでない場合(S20のN)(例えば、スタックモード)や、ソートモードであっても、中断時点で設定されている部数設定値が1の場合には(S21のN)、部数の変更設定を許可しない設定部数変更キー無しの中断確認画面59aを表示させる表示処理を行わせる(S23)ものである。
【0073】
即ち、ソートモードにおける部数設定値の変更の条件として、中断時点における部数設定値が2以上であることを規定しているのは、この場合の画像データが大容量のHD76に書込み保存されており、その画像データを利用し得るため、画像形成動作開始後であっても、部数設定値の変更による悪影響を受けないためである。一方、ソートモードにおいて、中断時点の部数設定値が1の場合に、仮に部数設定値の変更を可能にすると、常に部数設定値の変更に備えて原稿から読み取った全ての画像データを一連のジョブ終了まで常時HD76に蓄積させておく必要があり、この結果、例えばいわゆるSADFモード(原稿継ぎ足しモード)等で画像形成動作を行わせると、その途中でメモリ容量に達してしまいメモリマックスによるジョブ中断という現象が発生しやすく、生産性を低下させてしまうという不具合がある。そこで、本実施の形態では、ソートモードであっても、部数設定値が1の場合には、部数設定値の変更を禁止させることで、通常通り、画像データを一連のジョブ終了するまで保持することは行わず、画像データを使用して印刷し終わったら画像メモリ75から逐次消去させることにより、メモリマックスによるジョブ中断が生じないようにしているものである。
【0074】
よって、ソートモード指定時における部数設定値の変更を可能とした上で、部数設定値が1の場合には部数設定値の変更を禁止させることでメモリマックス等に起因する生産性の低下を避けることもできる。
【0075】
本発明の第二の実施の形態を図11に基づいて説明する。図1ないし図9に示した構成はそのまま用いるものとする(以下の実施の形態でも同様とする)。図11は、本実施の形態における中断メッセージ表示処理(設定部数変更可否判定)(S12)の一例を示すフローチャートである。本実施の形態では、一連のジョブ終了時に画像メモリ75に格納されている全ての画像データを消去させる画像形成モード、ここでは、ステープルキー60cによりステープルモードが設定されている場合には(S25のY)、中断時点における部数設定値に関係なく、部数の変更設定を有効とする設定部数変更キー付きの中断確認画面59bを表示させる表示処理を行い(S26)、全ての画像データを消去させる画像形成モードに設定されていない場合には(S25のN)、部数の変更設定を許可しない設定部数変更キー無しの中断確認画面59aを表示させる表示処理を行わせる(S27)ものである。このような処理制御は、画像形成モードに依存した画像データの破棄処理方法に着目したものである。
【0076】
即ち、ステープルモードが設定されている場合には、リカバリのために最終部数分の画像形成動作が終了し、その部数分についてのステープラ51によるステープル処理が終了し、ステープル済みの転写紙群が機外に排出される時点まで、リカバリ処理のために一連の画像データがHD76内に保持されているので、ステープルモード設定時であれば、その部数設定値が1であってもジョブ終了まで画像データの保持が保証されているので、部数設定値の変更を有効としても何ら支障を来たさない。これにより、ステープルモード設定時には任意に部数設定値を変更し得ることとなり、部数設定に関する利便性が向上する。
【0077】
本発明の第三の実施の形態を図12に基づいて説明する。図12は、本実施の形態における中断メッセージ表示処理(設定部数変更可否判定)(S12)の一例を示すフローチャートである。本実施の形態は、画像データの供給形態に着目して部数設定値の変更に関して規定したものである。一般に、画像データの供給形態には、大別すると2通りがある。1つ目は、従来一般の複写機に見られるように、ADFで原稿画像を読み込み、読み込んだ原稿画像データを印刷(画像形成)した後、その画像データを破棄させるテンポラリ的性質なモードである。2つ目は、ADFで原稿画像を読み込み、読み込んだ原稿画像データ又はプリンタ等に見られるようにインタフェースを介して外部よりデータ転送された画像データをHD等のメモリに蓄積し、蓄積された画像データをメモリから読み出して印刷させる蓄積済み印刷モードである。
【0078】
本実施の形態では、蓄積モード指定手段(図示せず)により中断時点で蓄積済み印刷モードが設定されている場合には(S30のY)、中断時点における部数設定値に関係なく、部数の変更設定を有効とする設定部数変更キー付きの中断確認画面59bを表示させる表示処理を行い(S31)、蓄積済み印刷モードが設定されていない場合には(S30のN)、部数の変更設定を許可しない設定部数変更キー無しの中断確認画面59aを表示させる表示処理を行わせる(S32)ものである。蓄積済み印刷モード設定時であれば、その部数設定値が1であっても既に画像データがHD76に保存されているので、部数設定値の変更を有効としても何ら支障を来たさない。これにより蓄積済み印刷モード設定時には任意に部数設定値を変更し得ることとなり、部数設定に関する利便性が向上する。
【0079】
本発明の第四の実施の形態を図13に基づいて説明する。図13は、本実施の形態における中断メッセージ表示処理(設定部数変更可否判定)(S12)の一例を示すフローチャートである。具体的には、図10ないし図12に示した中断メッセージ表示処理をOR条件で組合せたものである。即ち、蓄積済みモード設定時か(S40のY)、又は、ステープルモード設定時か(S41のY)、又は、ソートモードであって(S42のY)、中断時点の部数設定値が2以上であるか(S43のY)の何れかの条件を満たす場合には、部数の変更設定を有効とする設定部数変更キー付きの中断確認画面59bを表示させる表示処理を行わせる(S45)ことで、部数設定値を変更し得る条件がより広範となり、極力、部数変更を行い得るように規定したものである。何れの条件も満たさない場合には、部数の変更設定を禁止する設定部数変更キー無しの中断確認画面59aを表示させる表示処理を行わせる(S44)。よって、画像形成動作開始後の部数設定値の変更に関する利便性が一層向上する。
【0080】
本発明の第五の実施の形態を図14に基づいて説明する。図14は、本実施の形態における中断メッセージ表示処理(設定部数変更可否判定)(S12)の一例を示すフローチャートである。特に、本実施の形態は、連結モード時における部数設定値の変更に関して規定したものである。
【0081】
ここに、連結モードとは、例えば2台の画像形成装置(デジタル複写機)を連結I/Fを介して接続し、一方の画像形成装置から他方の画像形成装置へ画像データ等の転送を行うことで、画像データを2台の画像形成装置で協同して印刷を行わせるためのモードをいう。特に図示しないが、連結I/Fは、画像データの送受信のため、図4に示した画像メモリコントローラ74と画像メモリ75との間のデータバスに接続され、データの入出力が可能な構成とされている。2台の画像形成装置間のデータ転送速度に応じて、画像データは画像メモリ75を介して転送される。即ち、画像出力時には画像メモリコントローラ74から画像メモリ75に画像データを格納した後、画像形成装置間のデータ転送速度に応じて順次画像メモリ75から画像データを読み出して連結I/Fに画像データを転送する。画像入力時には、連結I/Fより転送された画像データを画像メモリ75に格納した後、画像メモリ75から画像メモリコントローラ74を介して装置内部で画像データの処理を行う。このような連結構成により、画像形成装置の機能の制約を受けることなく、連結モードの動作が実現可能となる。
【0082】
このような連結モードの指定が可能なシステム構成下において(連結モードの指定は、図3に示す操作部53の液晶タッチパネル59における連結コピーキー60dの押下により可能)、連結モードか指定されている場合には(S50のY)、中断時点での部数設定値が2以上であることを条件に(S54のY)、部数の変更設定を有効とする設定部数変更キー付きの中断確認画面59bを表示させる表示処理を行わせる(S56)ようにしたものである。逆にいえば、連結モードであっても(S50のY)、中断時点での部数設定値が1であれば(S54のN)、部数の変更設定を許可しない設定部数変更キー無しの中断確認画面59aを表示させる表示処理を行わせる(S55)ものである。
【0083】
これは、連結モードが指定された状態で印刷開始要求が発生すると、連結された2台の画像形成装置のうちの一方が親機、他方が子機となり、親機から子機に対して画像データ等が連結I/Fを介して転送される。このとき、部数設定値が1であれば、連結モードが指定されていても親機のみで印刷を完了させることが可能であるので、親機から子機に対する画像データの転送処理は行わない(連結モードではあるが、連結動作を行わない状態)。このため、中断時点で部数設定値が1の場合に、仮に、部数設定値の変更を許可すると、画像データの存在する親機のみで画像形成動作を行うか(これでは、連結モードのメリットが発揮されない)、連結動作を行わせるために子機に対して改めて画像データを転送する処理を行って親機と子機とで画像形成動作を行わなければならなくなる。この点、本実施の形態によれば、このような連結モードの場合には、元々親機と子機との両方に画像データを有して双方で画像形成動作を行うことになる部数設定値が2以上の場合に部数設定値の変更を許容しているので、連結モードのメリットを損なうことなく、部数設定値の変更が可能となる。
【0084】
本発明の第六の実施の形態を図15に基づいて説明する。図15は、本実施の形態における中断メッセージ表示処理(設定部数変更可否判定)(S12)の一例を示すフローチャートである。特に、本実施の形態は、連結モード及びナンバリングモード時における部数設定値の変更に関して規定したものである。
【0085】
ここに、連結モードとは、第五の実施の形態で説明した通りである。一方、ナンバリングモードとは、印刷時(画像形成時)にナンバの地紋を付けて印刷するモードである。例えば、ソートモードで画像形成部数を5として、10枚の原稿をADF11にセットして印刷を行わせる場合を考えると、この場合、1部目の全て(10枚)の転写紙27に原稿画像とともに1なるナンバ(管理番号)の地紋が印刷され、2部目の全て(10枚)の転写紙27には2なるナンバの地紋が印刷され、…、最終部数である5部目の全て(10枚)の転写紙27には5なるナンバの地紋が印刷されることとなる。このナンバリングモードの指定は、操作部53の液晶タッチパネル59におけるナンバリングモード指定手段としてのナンバリングモードキー(図示せず)の押下により可能である。
【0086】
従って、連結モードであってナンバリングモード時による処理を考えると、親機と子機とで各々独立に印刷を行い、親機と子機との印刷済み部数の合計が設定された画像形成部数に達したところで、連結モードによるジョブが完了することとなる。ナンバリングモードを伴う場合には、画像形成部数をNとすると、親機側では1部目側から画像形成を行うため1部目ではその全てに1なるナンバを付し、印刷済み部数が増える度に2,3のように地紋に振るナンバを増加させる一方、子機側ではN部目側から画像形成を行うためN部目ではその全てにNなるナンバを付し、印刷済み部数が増える度に(N−1),(N−2)のように地紋に振るナンバを減少させる。
【0087】
このような連結モード及びナンバリングモードの指定が可能なシステム構成下において、連結モードか指定され(S60のY)、かつ、ナンバリングモードが指定されている場合には(S61のY)、無条件に、部数の変更設定を無効とする設定部数変更キー無しの中断確認画面59aを表示させる表示処理を行わせる(S62)ようにしたものである。逆にいえば、ナンバリングモードでなければ(S61のN)、部数の変更設定を許可する設定部数変更キー付きの中断確認画面59bを表示させる表示処理を行わせる(S63)ものである(実際に変更可能かは他のモード設定状況等の条件による)。
【0088】
連結モードであっでナンバリングモード時に、画像形成動作開始後にその画像部数変更を許容すると、例えば、画像形成部数が少なくなる方向に変更された場合には子機側において既にナンバリング済みで排紙された分がミスコピーとなってしまい、かといって、画像形成部数が多くなる方向に変更された場合でも出力順が滅茶苦茶になってしまい全ての画像形成終了後に手作業でナンバリング順に並び替える作業が必要となってしまう。この点、本実施の形態によれば、連結モードであってナンバリングモード時には無条件に第2の部数設定手段を無効とし、画像形成部数の変更を行えないようにしているので、上記の不具合を未然に防止することができ、連結モードであってナンバリングモード時にはそのモード通りの動作を行わせることができる。
【0089】
本発明の第七の実施の形態を図16ないし図18に基づいて説明する。図16は画像形成条件入力により画像形成動作が開始し、また、中断指示により中断処理を行い、或いは、再開/中止処理を行う際の概要を示したフローチャートであり、基本的には第一の実施の形態における図7に示した場合の処理に順ずるが(このため、同一処理部分は同一ステップSを用いて示す)、本実施の形態では、印刷部数(画像形成部数)の上限値LimitSetを設定する部数上限値設定手段と、現在印刷中の印刷部数(画像形成部数)RepeatCountを検出する形成中部数検出手段と、第2の部数設定手段により画像形成部数が変更される場合にその変更される入力置数データ(変更部数データ)Nを適正値に規制する部数変更データ規制手段との機能が付加されており、これに応じて、ステップS2に代えてステップS71〜S73があり、ステップS6,S7の処理間にステップS74,S75が付加され、かつ、ステップS16に代えてステップS76がある。
【0090】
まず、図2又は図3に示したような操作部53により入力設定される各種画像形成条件の入力処理を行う(S1)。この処理において、何部印刷(画像形成)を行うかの部数設定値がテンキー55を第1の部数設定手段として入力設定されているので、その置数入力データを部数設定値用の変数「置数」に代入する(S71)。この変数「置数」は以降の中断画面における置数変更時にも更新されることになる。このとき、印刷中の部数データの初期化(即ち、印刷中部数=0)も併せて行う。引き続き、モード指定情報及びユーザによって設定されている印刷部数指定制限値に基づき印刷部数上限値(画像形成部数の上限値)を決定する処理を行う(S72)。
【0091】
部数上限値設定手段の機能として実行されるこのステップS72の処理例を図17に示すフローチャートを参照して説明する。まず、この処理においては、基本的には、操作部53の液晶タッチパネル59等を通じてユーザにより設定された印刷部数指定制限値(UP設定データ)がそのまま印刷部数上限値として設定されるが(S81)、このとき、例えば、非ソートモードであって表紙モードが指定されている場合や(S82のY)、OHP合紙モードが指定されている場合には(S83)、モードに応じた制限として、これらのモード処理時には複数部数の印刷処理を行っても希望通りの仕上がりを期待できないので、印刷部数上限値を強制的に1とする処理を行う(S84)。
【0092】
ついで、このような入力操作に伴う部数に関する入力置数データNの範囲が妥当であるか否かのチェック処理を行う(S73)。部数変更データ規制手段の機能として実行されるこのステップS73の処理例を図18に示すフローチャートを参照して説明する。この処理は、上限値LimitSetと現在印刷中の部数RepeatCountとを用いて処理される。まず、基本的に、入力置数データNが上限値LimitSetを超えている場合には(S91のN)、入力置数データNは上限値LimitSetに置き換えられる(S92)。即ち、仮に上限値LimitSetよりも大きな入力置数データNが入力されたとしても上限値LimitSetで収まるように規制される。
【0093】
また、入力置数データNが上限値LimitSet以下の場合であって(S91のY)、下限データ以上であれば(S94のY,S95のY)、元々適正値なる設定値として入力置数データNが置数データ(画像形成部数データ)として設定される(S96)。
【0094】
一方、入力置数データNが上限値LimitSet以下の場合であって(S91のY)、かつ、下限データ以下でもあれば(S94のN又はS95のN)、入力置数データNは下限値に置き換えられる(S97又はS98)。即ち、仮に下限値を下回るような入力置数データNが入力されたとしても下限値で収まるように規制される。ここに、下限値としては、印刷中の部数RepeatCount分の印刷が完了しているか否かに応じて(S93)、印刷中の部数RepeatCount自身か(S95,S98)、又は、(RepeatCount+1)(S94,S97)が用いられる。即ち、印刷中の部数RepeatCount分の印刷が丁度完了して区切りのよい場合には(S93のY)、(RepeatCount+1)を用い、RepeatCount分の印刷途中である場合には(S93のN)、印刷部数の変更可能な下限値を(RepeatCount)を用いることで、印刷途中分も含ませることにより、より適正な変更下限値を規定でき、適正な部数変更が可能となる。何れにしても、印刷済みの部数となるような置数入力は受け付けられない。この他、フローチャート中には、図示しないが、印刷途中の部数RepeatCountの値を用いると、制御上、不都合を生ずる場合(例えば、現在処理中の部数時に次の部数用の前処理等を並行して行うような場合)も、変更下限値としては、(RepeatCount+1)が用いられる。
【0095】
数式的に示すと、入力置数データNは、(RepeatCount)≦N≦(LimitSet)又は(RepeatCount+1)≦N≦(LimitSet)なる範囲を満足するような適正値に変更規制されることとなる。これは、以降の中断画面における置数変更時にも更新されることになる。
【0096】
この後、開始指示手段としてのプリントキー54が押下されたか否かをチェックする(S3)。プリントキー54の押下が確認されると(S3のY)、ジョブ開始に先立ち、印刷済みの部数データを示す変数「印刷済み部数」を0に初期化する(S4)。
【0097】
引き続き、中断キーが押下されたか否かをチェックする(S5)。中断キーが検知されなければ(S5のN)、ステップS6以降の画像形成処理が実行される。ステップS7,S8,S9では、印刷済み部数の管理、ジョブ終了の管理を行う。実際には、画像形成処理において(S6)、部の最初の印刷処理であると判定すると(S74のY)、変数「印刷中の部数データ」を1だけインクリメントし(S75)、1部当たりの印刷が完了したと判定すると(S7のY)、変数「印刷済み部数」を1だけインクリメントする(S8)。ステップS74,S75の処理が形成中部数検出手段の機能として実行されるが、このインクリメントのタイミングは部毎の最初の1枚目の印刷処理が行われた時である。
【0098】
そして、設定されている変数「置数(部数設定値)」と変数「印刷済み部数」との比較により(S9)、設定された部数設定値分の部数の印刷が終了したか否かを判定する。ジョブ終了が検知されると、画像形成終了処理が行われ(S10)、次のジョブの受付可能な状態となる。
【0099】
一方、ジョブ開始後に中断キーが検知されると(S5のY)、現在実行中のジョブの中断処理を行う(S11)。そして、ジョブが中断すると、操作部53の液晶タッチパネル59部分に中断確認画面の表示を行う中断メッセージ表示処理を行う(S12)。この後、継続キー60eが押下されれば(S13のY)、中断したジョブを継続させるために前述のステップS5〜S9の処理を引き続き行い、中止キー60fが押下された場合には(S13のN、S14のY)、ジョブ中止処理を行い(S17)、再度ステップS1に戻り、画像形成条件の入力を待つ。また、部数変更キー60gが押下され、置数変更があった場合には(S15のY)、ステップS73の場合と同様にその入力置数データの範囲が妥当であるか否かのチェックが行われる(S76)。このステップS76の処理も、部数変更データ規制手段の機能として実行される
従って、本実施の形態によれば、第2の部数設定手段により印刷部数が変更される場合にその変更される変更部数データNを所定の上限値と下限値とで規定される適正値に収まるように規制するようにしたので、第2の部数設定手段による印刷部数の変更設定時に不適正な部数変更データとなってしまう設定を未然に防止することができる。
【0100】
本発明の第八の実施の形態を図19に基づいて説明する。図19は、本実施の形態における中断メッセージ表示処理(設定部数変更可否判定)(S12)の一例を示すフローチャートである。特に、本実施の形態は、図16に示した処理制御における中断メッセージ表示処理(S12)の一例を示すものである。ここで、第1の部数設定手段又は第2の部数設定手段により設定済みの部数(置数データ)をNowSetとする。この処理においては、図18の場合と同様に、入力置数下限値として、印刷中の部数RepeatCount自身が用いられるケースか、(RepeatCount+1)が用いられるケースかによって処理が異なる。まず、最初に入力置数下限値として、(RepeatCount+1)が用いられるケースであるか否かを判定する(S100)。入力置数下限値が(RepeatCount+1)である場合には(S100のY)、(RepeatCount+1)=(LimitSet)=(NowSet)であれば、この条件だけで、部数の変更設定を許可しない設定部数変更キー無しの中断確認画面59aを表示させる表示処理を行わせる(S104)。
【0101】
一方、入力置数下限値がRepeatCountである場合には(S100のN)、(RepeatCount)=(LimitSet)であれば、この条件だけで、部数の変更設定を許可しない設定部数変更キー無しの中断確認画面59aを表示させる表示処理を行わせる(S104)。
【0102】
何れにも該当しない場合(S101のN,S102のN)、部数の変更設定を許可する設定部数変更キー付きの中断確認画面59bを表示させる表示処理を行わせる(S103)(実際に変更可能かは他のモード設定状況等の条件による)。
【0103】
このように、本実施の形態によれば、現在形成中の画像形成部数(RepeatCount+1)と設定された画像形成部数の上限値LimitSetと既に設定された画像形成部数NowSetとの関係、或いは、現在形成中の画像形成部数RepeatCountと設定された画像形成部数の上限値LimitSetとの関係から、画像形成動作開始後の画像形成部数の変更を無効とする条件を明らかにすることにより、変更操作を行えるか否かを事前に判定することができる。よって、この無効とする条件を満たす時点で部数の変更設定を許可する画面表示が行われることはないので、一旦、第2の部数設定手段による変更操作を有効にしてその入力時に入力チェックを行い、その入力データに応じてそのデータが有効であるか否かを判定するような不要かつ無駄となる処理を未然に回避することができる。
【0104】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、基本的には画像形成動作開始後の第2の部数設定手段による画像形成部数の変更を可能とするが、一律に可能とはせず、次の場合だけに限定することにより、却って生産性が低下する等の不具合が生ずるようなケースでの部数変更を未然に回避することができる。
【0106】
すなわち、一連のジョブ終了時にメモリに記憶されている全画像データを消去する処理を伴う画像形成モード、例えば、ステープルモードが指定されている場合には、部数設定値に関係なくそのジョブ完了までジョブリカバリーのために全ての画像データをメモリに蓄積させておく必要があり、一連のジョブ終了後に全ての画像データが消去されるので、部数設定値に関係なく画像形成動作開始後の部数設定値の変更を許容することにより利便性の高い部数設定値の変更が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態を示すデジタル複写機の概略構成図である。
【図2】その操作部の構成例を示す平面図である。
【図3】その液晶タッチパネルの基本画面の表示例を示す平面図である。
【図4】IPUのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】1ページ分の画像信号の一例を示すタイムチャートである。
【図6】画像メモリコントローラ及び画像メモリの構成例を示すブロック図である。
【図7】全体的な処理制御例を示す概略フローチャートである。
【図8】設定部数変更キー無しの中断確認画面の表示例を示す平面図である。
【図9】設定部数変更キー付きの中断確認画面の表示例及び部数変更に伴う表示例を示す平面図である。
【図10】中断メッセージ表示処理例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第二の実施の形態の中断メッセージ表示処理例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第三の実施の形態の中断メッセージ表示処理例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第四の実施の形態の中断メッセージ表示処理例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第五の実施の形態の中断メッセージ表示処理例を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第六の実施の形態の中断メッセージ表示処理例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第七の実施の形態の全体的な処理制御例を示す概略フローチャートである。
【図17】その印刷部数上限設定処理を示すフローチャートである。
【図18】その入力置数データの範囲チェック処理を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第八の実施の形態の中断メッセージ表示処理例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 画像入力手段
2 画像形成手段
27 被画像形成媒体
54 開始指示手段
55 第1の部数設定手段
55,60g 第2の部数設定手段
60a ソートモード指定手段
60c 特定モード指定手段
60d 連結モード指定手段
74 記憶手段
75,76 メモリ
S12 設定部数変更可否判定手段
S72 部数上限値設定手段
S73,S76 部数変更データ規制手段
S74,S75 形成中部数検出手段

Claims (1)

  1. 画像形成動作開始前に画像形成部数を設定する第1の部数設定手段と、
    画像形成動作開始後・終了前に画像形成部数を変更設定する第2の部数設定手段と
    像形成する画像データを入力する画像入力手段と、
    この画像入力手段により入力された画像データをメモリに記憶する記憶手段と、
    前記第1又は第2の部数設定手段により設定された部数分だけ前記メモリに記憶された画像データに基づき被画像形成媒体に画像を形成する画像形成手段と、
    前記メモリに記憶されている全画像データを、一連のジョブ終了時まで消去せず、かつ該ジョブ終了後に消去する処理を伴う画像形成モードを指定する第1モード指定手段と、
    前記メモリに記憶されている全画像データを、一連のジョブ終了時までに消去する処理を伴う画像形成モードを指定する第2モード指定手段と、
    この画像形成手段による画像形成動作の開始を指示する開始指示手段とを備え
    前記第1モード指定手段により画像形成モードが指定されている場合には前記第2の部数設定手段を有効とし、前記第2モード指定手段により画像形成モードが指定されている場合には前記第2の部数設定手段を無効とする画像形成装置。
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