JP4001883B2 - 熱転写プリンタのインクリボンとその製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、この形態であると、各転写領域ごとに検知マークを設けなければならず、これによるインク領域の縮小は、コストアップにつながっていた。
また、本発明では、前記検知マークの内で、部分的に透過率又は反射率が異なる部分を含むマークに関して、透過率又は反射率が高い部分は、800nm〜950nmのいずれの波長においても、透過率又は反射率を測定した場合に、1%以上10%以下であり、かつ、透過率又は反射率が低い部分は、800nm〜950nmのいずれの波長においても、透過率又は反射率を測定した場合に、1%以下であることを特徴とする熱転写プリンタのインクリボンとするようにしてもよい。
さらに、異なる特性の検知マークを転写領域に設けたので、各組及び各色の転写領域を明確に区別することができる。
図1は、本発明による熱転写プリンタのインクリボンの実施例1を示す模式図であって、図1(A)は、平面図、図1(B)は、図1(A)のB部拡大図である。
この実施例の転写シート10は、基体シート11と、熱転写層12(121Y,121M,121C、122Y,122M,122C、123Y,123M,123C)と、検知マーク13等を備えている熱転写プリンタのインクリボンである。
熱転写層12は、加熱により、溶融若しくは昇華して移行する染料を含有する樹脂からなる層であり、その染料は、好ましくは、熱昇華性の分散染料、油性染料、若しくは、塩基性染料であって、分子量が150〜800、好ましくは、310〜700のものである。これらの内から、熱昇華温度、色相、耐候性、インキ組成中若しくはバインダー中への溶解性などを考慮して選択される。
この熱転写層12は、選択した染料を樹脂と共に溶剤を用いて溶解し、インキ組成物としたのちに、グラビア印刷などの適宜な印刷方式で厚み0.3〜2μmに印刷する。
検知マーク13の形成個数は、各群の先頭であるイエロー(Y)の転写領域121Yのみの先頭部分での形成で十分であり、これにより同じ群内の他のY、M、Cに形成する必要がなく、この転写シート10は、従来のものと比べても短くて済み、大幅なコストダウンにつながるというメリットがある。
熱転写シート10に関する情報は、例えば、熱転写シート10の表裏の区別、記録開始位置、頭と尻尾の区別(方向)、種類、グレード、1巻の熱転写シートで印字できる駒数、終端の予告、各色の熱転写層境界、又は、メーカー名、プリンターのバージョン、真性品か否かの判定などがあげられる。
検知手段としては、いずれのものも利用可能であるが、装置的に簡略化可能なものは光学的に検知する手段である。
赤外線遮光性物質を含有させる樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、もしくは塩化ビニル/アクリル共重合体樹脂、セルロースアセテートブチレートなどが適しており、これらは、単独若しくは混合して用いることができる。これらの樹脂は、更にポリイソシアネート化合物により架橋させてもよい。
赤外線遮光性の検知マーク13を検出する装置の構成は、例えば、走行する熱転写シート10の一方の面に配置された赤外線発光ダイオードなどの赤外線投光器と、赤外線センサー、並びに、熱転写シート10の他方の面に配置された反射板と、赤外線センサーに接続されたコンピュータとからなっており、赤外線センサーからの信号に基づいて、種々の動作をプリンターに指示するものである。
従って、熱転写層12中の染料としては、上記範囲の波長の赤外線を実質上透過するものを選んで使用するのがよい。
透過率(又は反射率)が高い部分の光学特性が、800nm〜950nmのいずれの波長においても透過率(又は反射率)を測定した場合に、10%以下であることが、誤検出が起こりにくく好ましい。例えば、マークインキがもっとも一般的なカーボンブラック練り込みの黒のマークであり、汎用のIRセンサを用いて検知する場合に、IR領域の透過率が10%以上であると検知が安定しない。
異なる部分13a,13bの検知は、マークの読み取り感度を最も透過率などの低い部位にあわせて、その部分で検知すればよい。例えば、真性品を判断する場合には、目視では、透過率( 又は反射率) などの判別がしにくいために、複雑なパターンにしておけば、容易に判定することができる。
また、例えば、バージョンの異なるプリンタに使用された場合、真性品でない転写シートのカセットが装着された場合などに、検知マーク13が異なるので、エラーの表示をして、使用できなくすることができる。
ここで、各検知マーク13は、実施例1と同様に、透過率(又は反射率)の異なる部分を有している。
実施例5による検知マーク13Aは、図3(A)に示すように、幅方向に透過率の異なる部分13c,13dが形成されている。
ここで、検知マークの付与の仕方を比較例としてあげて、以下の実施例との差異を明確にしながら説明する。
実施例8の転写シート40Aは、Y,M,Cを1つの組とする転写領域が3つの組で1つの群を形成し、各群の転写領域の先頭にある第1組の421Y,421M,421Cのみにそれぞれ検知マーク431Y' Y',431M, 431Cを設けたものである。検知マーク431Y' Y' は2本の検知マークであり、2本ともが、431M,431Cよりも透過率( 又は反射率) の高い検知マークである。
また、431M,431Cはそれぞれ透過率( 又は反射率) の低い1本の検知マークである。この場合には、光学センサは、1個で済むという利点がある。また431Y' Y' の透過率( 又は反射率) が他の431M,431Cと異なることにより、各群の開始をプリンタ側に知らせることができ、マークを飛ばすなどの誤検出により、各色がずれて検知されるようなことがなくなる。
また、透過率又は反射率が異なる検知マークに関して、透過率又は反射率が高い検知マークは、800nm〜950nmのいずれの波長においても、透過率又は反射率を測定した場合に、1%以上10%以下であり、かつ、透過率又は反射率が低い検知マークは、800nm〜950nmのいずれの波長においても、透過率又は反射率を測定した場合に、1%以下であることが望ましい。なお、透過率又は反射率に関しては、実施例1と同様であるので、詳しい記載は省略する。また、以下の各実施例では、透過率についてのみ説明するが、反射率が異なる場合にも、同様に適用することができる。
このときに、421Cに設けた431C' だけが透過率( 又は反射率) が高く、その他の検知マーク431YY,431Mは透過率( 又は反射率) が低い検知マークとなっている。この場合に、光学センサは、1個で済む利点がある。また、431C' のみが透過率( 又は反射率) が高いために、1つの群の中にあって、第1組の転写領域の終了を知らせる効果もある。しかし、2本の検知マーク431YYを設けた分だけ、基材シートが長くなり、コストアップとなる。
この場合に、光学センサは、1つで済み、431YY' の形態が431M,431Cと異なることにより、各群の開始をプリンタ側に知らせることができる。また、検知に要する時間も短縮できる。
図5( A) 、( B) の各実施例は、図2(B)の転写シート40Bと同じ形態で、異なる種別の転写シート(リボン)を選別することができる。
実施例11の転写シート50Aは、各群の第1組の先頭にある転写領域521Yに、透過率(又は反射率)の高い1本の検知マーク531Y' を設け、その他の転写領域521M,521Cには、幅方向の途中までの短いものであって、かつ、透過率(又は反射率)の低い検知マーク531m,531cをそれぞれ設けたものである。
実施例14の転写シート60Aは、各群第1組の先頭にある転写領域621Yに、透過率( 又は反射率) の高い全幅の検知マーク631Y' を設け、その他の転写領域621M,621Cには、全幅の、かつ、透過率( 又は反射率) の低い検知マーク631M,631Cを設けたものである。
実施例16の転写シート70は、Y,M,Cの3色を1組とした転写領域が5つ連なることで1つの群を形成しており、各群第1組の先頭にある転写領域721Yに、透過率( 又は反射率) の低い1本の検知マーク731Yを設けたものである。
この実施態様では、1個の光学センサによって、各群の開始をプリンタ側に知らせることができ、かつ、転写シートの長さを不必要に長くすることもなく、検知に要する時間も短縮することができる。
実施例17の転写シート80Aは、各群第1組の先頭にある転写領域821Yに、透過率( 又は反射率) の低い全幅の検知マーク831Yを設け、第2組の先頭にある転写領域822Yに透過率(又は反射率)の高い全幅の検知マーク832Y’を設けたものである。
これらの実施例17,18では、1個の光学センサによって、各群の開始をプリンタ側に知らせることができ、かつ、転写シートの長さを不必要に長くすることもなく、検知に要する時間も短縮することができる。
この実施例では光学センサは1つで済み、1つの郡内に二つの検知マークを設けることで各転写領域の位置を正確に検知することができ、誤検出による各色がずれて検知されるようなことがなくなる。
図11は、本発明による転写シートの製造方法の実施例(実施例21)を説明する図である。
この実施例21では、YMCの各印刷胴101,102,103は、1つの群をなす転写層12の略同じ円周をもつものであり、YMCの各転写層12nY,12nM,12nCの版部が、3つずつ(n=1〜3)設けられている(3面付け)。
また、マーク印刷胴104は、同じ円周をもち、1組目のYの転写層121Yの先頭のみに、検知マーク13Yの版部が設けられている。
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
例えば、検知マークの異なる部分、又は、異なる検知マークは、光センサに対する透過率又は反射率の異なるものとして説明したが、電気的センサに対する特性(導電率)や、磁気的センサに対する特性(透磁率)などを異ならせるようにしてもよい。
また、転写シートは、受容層をもつシート等にも適用することができる。
さらに、検知マークをバーコードにして、それ自体に多くの情報を持たせるようにしてもよい。
さらにまた、異なる検知マーク(実施例8〜実施例20)は、部分的に異なる部分(実施例1〜実施例7)を含むようにしてもよい。
11 基体シート
12,42,52,62,72,82,92,102 熱転写層
13,43,53,63,73,83,93,103 検知マーク
13a〜13i 透過率の異なる部分
Claims (7)
- 複数の異なるインクの転写領域が順に並んで形成された組が、複数形成され、
形成された同一の組が、3つ以上連なることで1つの群を形成し、この群1つごとに、検知マークが2つ以上形成されており、
前記検知マークの1つは前記群のうちの先頭の組の先頭の転写領域の先端に形成され、前記検知マークの残りは前記先頭の組において前記先頭の転写領域以外の転写領域の先端に形成されていること、
を特徴とする熱転写プリンタのインクリボン。 - 複数の異なるインクの転写領域が順に並んで形成された組が、複数形成され、
形成された同一の組が、3つ以上連なることで1つの群を形成し、この群1つごとに、検知マークが2つ以上形成されており、
前記検知マークの個数は前記群中の組の個数未満であり、前記検知マークは前記群の先頭に形成されるとともに前記群の先頭の組を除く組のいずれかにおいて転写領域の組のいずれかに形成されていること、
を特徴とする熱転写プリンタのインクリボン。 - 請求項1又は2に記載の熱転写プリンタのインクリボンにおいて、
前記検知マークは、その検知マークの読み取りに用いる光センサに対して、部分的に透過率又は反射率が異なる部分を含むこと
を特徴とする熱転写プリンタのインクリボン。 - 請求項3に記載の熱転写プリンタのインクリボンにおいて、
前記検知マークの内で、部分的に透過率又は反射率が異なる部分を含むマークに関して、透過率又は反射率が高い部分と透過率又は反射率が低い部分との透過率又は反射率の差が、可視領域(400nm〜700nm)のいずれの波長においても、10%以下であること
を特徴とする熱転写プリンタのインクリボン。 - 請求項3に記載の熱転写プリンタのインクリボンにおいて、
前記検知マークの内で、部分的に透過率又は反射率が異なる部分を含むマークに関して、透過率又は反射率が高い部分は、800nm〜950nmのいずれの波長においても、透過率又は反射率を測定した場合に、1%以上10%以下であり、かつ、透過率又は反射率が低い部分は、800nm〜950nmのいずれの波長においても、透過率又は反射率を測定した場合に、1%以下であること
を特徴とする熱転写プリンタのインクリボン。 - 複数の異なるインクの転写領域が順に並んで形成された組が、複数形成され、形成された同一の組が、3つ以上連なることで1つの群を形成し、この群1つごとに、検知マークが2つ以上形成された熱転写プリンタのインクリボンを製造する熱転写プリンタのインクリボンの製造方法において、
前記異なる転写領域の版部がそれぞれ多面付けされた複数の転写層印刷胴によって、前記各転写領域を前記1つの群毎に印刷し、
前記1つの群の中で、2つ以上の検知マークを検知マーク印刷胴で印刷して、前記検知マークの1つを前記群のうちの先頭の組の先頭の転写領域の先端に形成し、前記検知マークの残りを、前記先頭の組において前記先頭の転写領域以外の転写領域の先端に形成すること、
を特徴とする熱転写プリンタのインクリボンの製造方法。 - 複数の異なるインクの転写領域が順に並んで形成された組が、複数形成され、形成された同一の組が、3つ以上連なることで1つの群を形成し、この群1つごとに、検知マークが2つ以上形成された熱転写プリンタのインクリボンを製造する熱転写プリンタのインクリボンの製造方法において、
前記異なる転写領域の版部がそれぞれ多面付けされた複数の転写層印刷胴によって、前記各転写領域を前記1つの群毎に印刷し、
前記1つの群の中で、2つ以上の検知マークを検知マーク印刷胴で印刷して、前記検知マークの個数を前記群中の組の個数未満とし、前記検知マークを前記群の先頭に形成するとともに前記群の先頭の組を除く組のいずれかにおいて転写領域の組のいずれかの先端に形成すること、
を特徴とする熱転写プリンタのインクリボンの製造方法。
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