JP3823116B2 - 熱転写プリンタのインクリボンの製造方法及び転写方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱転写プリンタのインクリボンの製造方法及び転写方法に関するものである。
図2は、従来の熱転写プリンタのインクリボンとその製造方法を示す模式図である。
この種の熱転写プリンタのインクリボンとなる転写シート20は、インクリボン(例えば、特許文献1)を例にあげれば、帯び状のリボン(基体シート)21と、そのリボンの長手方向の互いに異なる位置に設けられた複数色(イエロー,マゼンタ,シアン)のインク領域(熱転写層)22(22Y,22M,22C)と、そのリボンのインク領域の端部においてそのリボンの長手方向に対して直角に設けられたインク領域の色を示す本数の異なる線(検知マーク)23とを備えている。
この転写シート20は、転写層22の長さの3倍の円周をもつ印刷胴201〜204によってグラビア印刷などの方法で製造される。まず、イエロー(Y)印刷胴201で、Y転写領域22Yを印刷し、ついで、マゼンタ(M)印刷胴202で、M転写領域22Mを印刷し、さらに、シアン(C)印刷胴203で、C転写領域22Cを印刷する。そして、最後に、マーク印刷胴204によって、検知マーク23を一度に印刷する。
前述した従来の転写シートの製造方法では、YMCの各印刷胴で、転写層を1つずつ印刷していたので、生産効率が悪いという問題があった。このために、同一の印刷胴に、転写層の版部を複数設けて(多面付け)、印刷することが考えられる。しかし、同一の印刷胴に複数の版部を形成すると、各版部の製造誤差などによって、製造された転写層の厚み等が微妙に異なり、それを用いで印刷(転写)すると、連続して形成されたフィルムを用いてプリンタに印字する際に色相の違いが発生する不具合があった。特に、フルカラーの画像転写が可能である昇華転写方式を用いた場合には、ハイライトから中間調に関してグレーの色相が画面毎に異なるという不都合が発生する可能性があった。
特公平6−96307号公報
本発明の課題は、生産効率がよく、しかも、転写像の画質を損なうことがない熱転写プリンタのインクリボンの製造方法及び転写方法を提供することである。
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、複数の異なるインクの転写領域が一定の繰り返し単位で少なくとも3色のインクを順に配置された組が、複数組形成され、前記各転写領域の少なくとも1つの領域ごとに、又は、前記転写領域の各組ごとに検知マークが形成された熱転写プリンタのインクリボンを製造する熱転写プリンタのインクリボンの製造方法において、異なる2つ以上の版部を有する前記インキ毎に異なる印刷胴の版部によって、前記各転写領域を複数組印刷し、前記1つの印刷胴に設けられた版部の数に応じて、少なくとも1つは同一でないマークを含む検知マークを1つの検知マーク印刷胴で印刷することを特徴とする熱転写プリンタのインクリボンの製造方法である。
請求項2の発明は、複数の異なるインクの転写領域が一定の繰り返し単位で少なくとも3色のインクを順に配置された組が、複数組形成され、前記各転写領域の少なくとも1つの領域ごとに、又は、前記転写領域の各組ごとに検知マークが形成された熱転写プリンタのインクリボンを製造する熱転写プリンタのインクリボンの製造方法において、異なる2つ以上の版部を有する前記インキ毎に異なる印刷胴の版部よって、前記各転写領域を複数組印刷し、前記1つの印刷胴に設けられた版部の数に応じて、外見上同一形状の繰り返しパターンであり、任意の組に含まれる各転写領域の検知マークの内の少なくとも1つは、検知マークの読み取りに用いる光センサに対して、透過率又は反射率が他の検知マークと異なるマークを含む検知マークを1つの検知マーク印刷胴で印刷することを特徴とする熱転写プリンタのインクリボンの製造方法である。
請求項3の発明は、複数の異なるインクの転写領域が一定の繰り返し単位で少なくとも3色のインクを順に配置された組が、複数組形成され、前記転写領域の各組ごとに検知マークが形成された熱転写プリンタのインクリボンを製造する熱転写プリンタのインクリボンの製造方法において、異なる2つ以上の版部を有する前記インキ毎に異なる印刷胴の版部によって、前記各転写領域を複数組印刷し、前記1つの印刷胴に設けられた版部の数に応じて、外見上同一形状であり、少なくとも1つの組の検知マークを、その検知マークの読み取りに用いる光センサに対して、透過率又は反射率が他の組の検知マークと異なる検知マークを含むように1つの検知マーク印刷胴で印刷することを特徴とする熱転写プリンタのインクリボンの製造方法である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱転写プリンタのインクリボンを用いて転写する転写方法において、前記熱転写プリンタのインクリボンに前記各組の位置関係に関する情報を記録した検知マークを形成しておき、前記検知マークに基づいて、前記各組ごとの特性を補正して転写することを特徴とする転写方法である。
本発明によれば、各転写層を多面付けすることによって、転写シートを効率よく製造することができる。また、転写シートの検知マークによって、多面付された各転写層の組の
多面付された各転写層の組の位置関係を知ることができるので、その特性を補正した転写を行うことによって、良好な画像を形成することができる。
以下、図面などを参照しながら、本発明の実施例をあげて、さらに詳細に説明する。
(第1実施例)
図1は、本発明による転写シートとその製造方法の第1実施例を示す模式図である。この実施例の転写シート10は、図1の下側に示すように、基体シート11と、熱転写層12と、検知マーク13(13a,13b)等を備えている。
基体シート11は、この転写シート10の担体となるものであって、所定の耐熱性と強度を有すればよく、例えば、紙、PET等のプラスチックシート,金属箔などを使用することができる。その厚みは、0.5〜50μm、好ましくは、3〜10μmである。
熱転写層12は、基体シート11上に形成され、イエロー,マゼンタ,シアンの各色の転写領域12Y,12M,12Cの順に1つの組を形成しており、各組が長手方向に複数設けられている。熱転写層12は、加熱により、溶融若しくは昇華して移行する染料を含有する樹脂からなる層であり、その染料は、好ましくは、熱昇華性の分散染料、油性染料、若しくは、塩基性染料であって、分子量が150〜800、好ましくは、310〜700のものである。これらの内から、熱昇華温度、色相、耐候性、インキ組成中若しくはバインダー中への溶解性などを考慮して選択される。この熱転写層12は、選択した染料を樹脂と共に溶剤を用いて溶解し、インキ組成物としたのちに、グラビア印刷などの適宜な印刷方式で厚み0.3〜2μmに印刷する。
検知マーク13は、熱転写シート10に関する情報を検出するためのマークであって、光学的、電気的又は磁気的な検知手段により、マークの存在が確認できるものであれば、いかなる素材によって形成されていてもよい。熱転写シート10に関する情報は、例えば、熱転写シート10の表裏の区別、記録開始位置、頭と尻尾の区別(方向)、種類、グレード、1巻の熱転写シートで印字できる駒数、終端の予告、各色の熱転写層境界、又は、メーカー名、プリンターのバージョン、真性品か否かの判定などがあげられる。
検知マーク13としては、検知手段との関係で、例えば、使用する光源により区別可能な顔料若しくは染料を樹脂中に含有する組成物によるマークであって光学的に検知するもの、金属粉やカーボンを樹脂中に含有する導電性樹脂又は金属箔によるマークであって電気的に検知するもの、磁性金属若しくは化合物を樹脂含有する磁気組成物又は磁性金属の蒸着膜によるマークであって磁気的に検知するもの、などがある。検知手段としては、いずれのものも利用可能であるが、装置的に簡略化可能なものは光学的に検知する手段である。
各色の熱転写層12と検知マーク13とが同一区域に重なっている場合に、検知マーク13中の染料若しくは顔料が一般的な色相であるときには、適当な色フィルターを使用する必要が生じるが、熱転写層12中の染料として、赤外線透過性のものを選択し、検知マーク13を赤外線遮光性のマークとして、赤外線により検知すれば、熱転写層12の色相にかかわらず検知ができる。
赤外線遮光性のマークは、赤外線遮光性物質を樹脂中に含有させた組成物により形成でき、赤外線遮光性物質として最適なものは、赤外線を最も吸収しやすいカーボンブラックである。赤外線遮光性物質を含有させる樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、もしくは塩化ビニル/アクリル共重合体樹脂、セルロースアセテートブチレートなどが適しており、これらは、単独若しくは混合して用いることができる。これらの樹脂は、更にポリイソシアネート化合物により架橋させてもよい。
赤外線遮光性物質を用いるときに、検知マーク中の赤外線遮光性物質と樹脂の重量比は、赤外線遮光性物質/樹脂=1/10〜10/1であり、厚みは、0.5〜5μm程度である。赤外線遮光性の検知マーク13を検出する装置の構成は、例えば、走行する熱転写シート10の一方の面に配置された赤外線発光ダイオードなどの赤外線投光器と、赤外線センサー、並びに、熱転写シート10の他方の面に配置された反射板と、赤外線センサーに接続されたコンピュータとからなっており、赤外線センサーからの信号に基づいて、種々の動作をプリンターに指示するものである。
波長が900〜2500nm、特に900〜1000nmの赤外線を発することのできる赤外線投光器と、同様の波長領域に感光する赤外線センサーとを使用すると、熱転写層12中の染料は、この波長範囲の赤外線を吸収しないので、色相にかかわらず、赤外線が熱転写層12中を透過して、赤外線遮光性の検知マーク13の検出効率を増すことができる。従って、熱転写層12中の染料としては、上記範囲の波長の赤外線を実質上透過するものを選んで使用するのがよい。なお、このような熱転写シートは、本出願人により提案されている特開平1−202491号に、各部の詳しい組成等が開示されているので、詳細な説明は省略する。
この実施例では、検知マーク13は、図1の右端に示すように、YMCの組ごとに、異なる検知マーク13a,13bが印刷されている。
次に、この実施例による転写シート10の製造方法を説明する。この実施例では、YMCの各印刷胴101,102,103は、転写層12の長さの6倍の円周をもつものであり、YMCの各転写層12Y,12M,12Cの版部が2つずつ設けられている(2面付け)。また、マーク印刷胴104は、同じ円周をもち、1組目の転写層の繰り返し単位と、2組目の転写層の繰り返し単位とでは、異なるマークになるように、2組の検知マークの版部が設けられている。
まず、Y印刷胴101で、2つのY転写領域12Yを同時に印刷し、ついで、M印刷胴102で、2つのM転写領域12Mを同時に印刷し、さらに、C印刷胴103で、2つのC転写領域12Cを同時に印刷する。そして、最後に、マーク印刷胴204によって、異なる検知マーク13aと検知マーク13bとを一度に印刷する。
この検知マーク13aと13bは、従来のYMCの色を表す情報の他に、製造時の版部に対する位置関係を表す情報が記録されており、製造した転写シート10の各転写層12の特性を予め測定しておき、プリンタで印字するときに、その特性の補正値を入力することによって、色合いの補正を行うことができる。
本実施例によれば、各転写層を2面付けすることによって、転写シート10を効率よく製造することができる。また、転写シート10の検知マーク13a,13bによって、2面付された各転写層の組の位置関係を知ることができるので、その特性を補正した転写を行うことによって、むらのない良好な画像を形成することができる。
以上説明した実施例では、検知マーク13a,13bは、同一のマーク印刷胴104の異なる版部で印刷され、多面付けの組ごとに外見上異なるパターン又はマークであったが、以下に示す各実施例では、各組の検知マークは、外見上同一形状のパターンであり、任意の組に含まれる各転写領域の検知マークの内の少なくとも1つが、他の検知マークと異なる特性を有したり、各組の検知マークは、外見上同一形状であり、少なくとも1つの組の検知マークの特性が、他の組の検知マークの特性と異なるものである。そこで、検知マークの付与の仕方を比較例としてあげて、以下の実施例との差異を明確にしながら説明する。
図3は、転写シートの比較例を示す平面図である。以下の比較例では、検知マーク42は、マーク自体は均一な特性であるものとする。転写シート40Aは、各組の先頭にある転写領域42Yのみに、検知マーク43Yを設けたものである。この場合には、光学センサは、1個で済む利点がある。しかし、転写領域42Yの先頭の検知マーク43Yだけを読み、転写領域42M,42Cの開始位置については、転写シートを送っているモータのパルス数など時間的な計測で判断しているので、誤差が大きい。このために、特に、誤差が集積される最終領域42Cは、印画がはみ出さないように、長さを実印画エリアよりも十分に長くとる必要があり、材料費の上昇につながる。
転写シート40Bは、各組の先頭にある転写領域42Yに、2本の検知マーク43YYを設け、その他の転写領域42M,42Cには、1本の検知マーク43M,43Cをそれぞれ設けたものである。この場合に、光学センサは、1個で済む利点がある。しかし、2本の検知マーク43YYを設けた分だけ、基材シートが長くなり、コストアップとなる。
転写シート40Cは、各組の先頭にある転写領域42Yに、全幅の検知マーク43Yを設け、その他の転写領域42M,42Cには、幅方向の途中までの短い検知マーク43m,43cを設けたものである。この場合に、光学センサは、走行方向の左右に2個必要となるが、転写シートが長くなることはなく、また、検知に要する時間も短縮できる。
転写シート40Dは、各組の先頭にある転写領域42Yに、太い検知マーク43Y1 を設け、その他の転写領域42M,42Cには、通常の太さの検知マーク43M,43Cを設けたものである。この場合に、光学センサは、1つで済み、太い検知マーク43Y1 を検知している時間と、他の検知マーク43M,43Cを検知している時間の差によって、各組の先頭と、各色の先頭を判断することができる。また、転写シートは、検知マーク43Y1 が太くなる分だけ長くなるだけで済む。
(第2,第3実施例)
図4は、本発明による転写シートの第2,第3実施例をそれぞれ示す平面図である。なお、以下に説明する各実施例では、前述した第1実施例と、同様な機能を果たす部分には、同一の符号を付すか、又は、末尾に共通した符号を付して、重複する説明を適宜省略する。第2実施例の転写シート50Aは、3つの異なる色(イエロー,マゼンタ、シアン)の転写領域52Y,52M,52Cが繰り返し単位で配置された2つの組a,bが形成され、各転写領域52Y,52M,52Cの先頭の転写領域52Yに、検知マーク53Ya,53Yb’が形成されている。各組a,bの検知マーク53Ya,53Yb’は、外見上同一形状であるが、組aの検知マーク53Yaの透過率(又は反射率)などの特性が、組bの検知マーク53Ybの透過率(又は反射率)などの特性と異なっている。なお、以下の説明において、検知マークの符号にダッシュ(’)がついていないものは、透過率が低く(光学濃度が高く)、センサ出力がハイレベルであり、つけたものは、透過率が高く(光学濃度が低く)、センサ出力がローレベルものとする。この転写シート50Aは、各印刷胴への2面付け印刷によって、図1と同様に、製造することができる。
この検知マーク53Ya,53Y’bは、その検知マーク53の読み取りに用いる光センサ、ここでは、赤外線(IR)センサに対して、透過率(又は反射率)が異なるようにしている。
検知マーク53Ya,53Y’bに関して、透過率又は反射率の差が、可視領域(400nm〜700nm)のいずれの波長においても、10%以下であることが望ましい。この理由は、目視では、差異がわかりにくく、偽造防止の効果があるからである。
また、検知マーク53Ya,53Y’bに関して、透過率又は反射率が高い検知マークは、800nm〜950nmのいずれの波長においても、透過率又は反射率を測定した場合に、1%以上10%以下であり、かつ、透過率又は反射率が低い検知マークは、800nm〜950nmのいずれの波長においても、透過率又は反射率を測定した場合に、1%以下であることが望ましい。透過率又は反射率が高い検知マークの光学特性が、800nm〜950nmのいずれの波長においても透過率又は反射率を測定した場合に、10%以下であることが、誤検出が起こりにくく好ましい。例えば、マークインキがもっとも一般的なカーボンブラック練り込みの黒のマークであり、汎用のIRセンサを用いて検知する場合に、IR領域の透過率が10%以上であると検知が安定しない。透過率などの異なる検知マーク53Ya,53Y’bは、前述したマーク印刷胴の版の深さを変えることによって、形成することができる。異なる検知マーク53Ya,53Y’bの検知は、マークの読み取り感度を最も高い透過率などのマークにあわせて、その部分で検知すればよい。
本実施例によれば、検知マーク53Ya,53Y’bは、異なる透過率(又は反射率)であるので、2面付された各転写層の組の位置関係を知ることができ、その特性を補正した転写を行うことによって、むらのない良好な画像を形成することができる。
第3実施例の転写シート50Bは、転写領域52Y,52M,52Cは、第2実施例と同様に形成されているが、各組a,bの転写領域52Ya,52Ma,52Ca及び転写領域52Yb,52Mb,52Cbに、検知マーク53Ya,53Ma,53Ca及び検知マーク53Yb,53Mb,53Cbが形成されている。各組a,bの検知マーク53a(53Ya,53Ma,53Ca)及び検知マーク53b(53Yb,53Mb,53Cb)は、全体として外見上同一形状のパターンである。しかし、組aの中でも、検知マーク53Y’aと、検知マーク53Ma,53Caとで、透過率(又は反射率)などの特性が異なる。組bの中でも、検知マーク53Y’b,53M’bと、検知マーク53Cbとで、透過率(又は反射率)などの特性が異なる。さらに、組aと組bを比較した場合にも、検知マーク53Maと検知マーク53M’bとで、透過率(又は反射率)などの特性が異なる。ここで、パターン同士で比較した場合に、特性の異なる検知マーク(53Maと53M’b)は、書き込む情報によっては、すべての検知マーク53a,53bの内で、前記組の中に少なくとも1つ存在するだけでも足りる。
本実施例によれば、熱転写シート50Bに関するより多くの情報を記録することが可能となる。
なお、透過率などの特性が異なる検知マークは、後述するように、幅や本数を適宜設定することができ、検出時のパルスの幅や個数によって、その情報を検知することができる。例えば、真性品を判断する場合には、目視では、透過率などの判別がしにくいために、複雑なパターンにしておけば、容易に判定することができる。
また、例えば、バージョンの異なるプリンタに使用された場合、真性品でない転写シートのカセットが装着された場合などに、検知マークが異なるので、エラーの表示をして、使用できなくすることができる。なお、プリンタ側の検知の方法は、特公平2−21951号などに詳しく説明されているので、ここでは、その説明を省略する。
(第4〜第7実施例)
図5は、本発明による転写シートの第4〜第7実施例をそれぞれ示す平面図である。図5の各実施例は、各組の先頭の検知マークは2本線であり、それ以外の転写領域に付けた検知マークは1本線であるというように、外見上同一形状のパターンを有する検知マークである。
第4実施例の転写シート60Aは、各組a,bの先頭の検知マーク63YYaと、検知マーク63Y’Y’bとが透過率が異なる。第5実施例の転写シート60Bは、YMCの各印刷胴及びマーク印刷胴に、各転写層及び検知マークの版部が3つずつ設けられたもの(3面付け)であって、各組a,b,cの先頭の検知マーク63YYa、検知マーク63YY’b及び検知マーク63Y’Y’cは、それぞれ透過率が異なる。
第6実施例の転写シート60Cは、YMCの転写層の他に、オーバープロテクト層OPが設けられたものである以外は、第5実施例の転写シート60Bと同じである。
第6実施例の転写シート60Dは、各組a,bの先頭の検知マーク63Yは同じであるが、各組a,b内のマゼンタの転写層の検知マーク63Maと、検知マーク63M’bとは、それらの透過率が異なる点で、第4実施例の転写シート60Aと相違する。また、第7実施例の転写シート60Eは、第6実施例の転写シート60Dのパターンを、3面付けにしたものである。この場合には、各組a,b,c内のマゼンタ又はシアンの転写層の検知マークが、組aの検知マーク63Ma,63Caに対して、組bの検知マーク63M’bと、組cの検知マーク63C’cとが、それぞれ透過率を異にする。
(第8〜第10実施例)
図6は、本発明による転写シートの第8〜第10実施例をそれぞれ示す平面図である。図6の各実施例は、各組の先頭の検知マークは、全幅の1本線であり、それ以外の転写領域に付けた検知マークは、幅方向の中間までの短い1本線であるというように、外見上同一形状のパターンを有する検知マークである。なお、図6の各実施例では、検知マークの読み取りに、走行方向の左右に、2個の光センサが必要である。
第8実施例の転写シート70Aは、各組a,bの先頭の検知マーク73Yaと、検知マーク73Y’bとが透過率を異にする。第9実施例の転写シート70Bは、第8実施例の転写シート70Aを3面付けにした例であって、各組a,b,cの先頭の検知マーク73Ya、検知マーク63yy’b及び検知マーク63Y’cは、それぞれ透過率が異なる。検知マーク63yy’bは、幅方向の半分が透過率が低く、残りの半分が透過率が高い1本の線である。
第10実施例の転写シート70Cは、第9実施例の転写シート70Bと同様に3面付けの例であるが、第6実施例の転写シート60Cと同様に、オーバープロテクト層OPが設けられたものである。この場合には、組aの先頭の検知マーク73Yaに対して、組b,cの先頭の検知マーク73y’yb及び検知マーク73yy’cは、それぞれ透過率が異なる。検知マーク73y’ybと検知マーク73yy’cとは、幅方向の半分が透過率が低く、残りの半分が透過率が高い1本の線であるが、幅方向の配置が逆になっている。
図7は、第10実施例による転写シートの検知マーク及びその変形例を示した図である。第10実施例の検知マーク73y’ybは、図7(A)に示すように、幅方向の半分が透過率が低い半分の線73y’であり、残りの半分が透過率が高い半分の線73yであるが、図7(B)の変形例では、長手方向に透過率の異なる3つの部分73y,73y’,73yが形成されている。このようにすれば、さらに多くの情報を記録することができる。なお、透過率の異なる部分は、2つでも、4つ以上であってもよい。
図7(C)の変形例では、透過率の異なる部分73y,73y’が、一方を他方が囲むように形成されている。なお、囲まれている部分73yは、2つ以上あってもよい。
(変形例)
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
例えば、2面付け,3面付けの例で説明したが、4面以上であってもよい。転写シートは、表面保護層(OP層)の他に、受容層をもつシート等にも適用することができる。
本発明による転写シートとその製造方法の実施例を示す模式図である。 従来の転写シートとその製造方法を示す模式図である。 転写シートの比較例を示す平面図である。 本発明による転写シートの第2,第3実施例を示す平面図である。 本発明による転写シートの第4〜第7実施例を示す平面図である。 本発明による転写シートの第8〜第10実施例を示す平面図である。 第10実施例による転写シートの検知マーク及びその変形例を示した図である。
符号の説明
10,50,60,70 転写シート
11 基体シート
12 熱転写層
13a,13b,53,63,73 検知マーク

Claims (4)

  1. 複数の異なるインクの転写領域が一定の繰り返し単位で少なくとも3色のインクを順に配置された組が、複数組形成され、前記各転写領域の少なくとも1つの領域ごとに、又は、前記転写領域の各組ごとに検知マークが形成された熱転写プリンタのインクリボンを製造する熱転写プリンタのインクリボンの製造方法において、
    異なる2つ以上の版部を有する前記インキ毎に異なる印刷胴の版部によって、前記各転写領域を複数組印刷し、
    前記1つの印刷胴に設けられた版部の数に応じて、少なくとも1つは同一でないマークを含む検知マークを1つの検知マーク印刷胴で印刷すること
    を特徴とする熱転写プリンタのインクリボンの製造方法。
  2. 複数の異なるインクの転写領域が一定の繰り返し単位で少なくとも3色のインクを順に配置された組が、複数組形成され、前記各転写領域の少なくとも1つの領域ごとに、又は、前記転写領域の各組ごとに検知マークが形成された熱転写プリンタのインクリボンを製造する熱転写プリンタのインクリボンの製造方法において、
    異なる2つ以上の版部を有する前記インキ毎に異なる印刷胴の版部よって、前記各転写領域を複数組印刷し、
    前記1つの印刷胴に設けられた版部の数に応じて、外見上同一形状の繰り返しパターンであり、任意の組に含まれる各転写領域の検知マークの内の少なくとも1つは、検知マークの読み取りに用いる光センサに対して、透過率又は反射率が他の検知マークと異なるマークを含む検知マークを1つの検知マーク印刷胴で印刷すること
    を特徴とする熱転写プリンタのインクリボンの製造方法。
  3. 複数の異なるインクの転写領域が一定の繰り返し単位で少なくとも3色のインクを順に配置された組が、複数組形成され、前記転写領域の各組ごとに検知マークが形成された熱転写プリンタのインクリボンを製造する熱転写プリンタのインクリボンの製造方法において、
    異なる2つ以上の版部を有する前記インキ毎に異なる印刷胴の版部によって、前記各転写領域を複数組印刷し、
    前記1つの印刷胴に設けられた版部の数に応じて、外見上同一形状であり、少なくとも1つの組の検知マークを、その検知マークの読み取りに用いる光センサに対して、透過率又は反射率が他の組の検知マークと異なる検知マークを含むように1つの検知マーク印刷胴で印刷すること
    を特徴とする熱転写プリンタのインクリボンの製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱転写プリンタのインクリボンを用いて転写する転写方法において、
    前記熱転写プリンタのインクリボンに前記各組の位置関係に関する情報を記録した検知マークを形成しておき、
    前記検知マークに基づいて、前記各組ごとの特性を補正して転写すること
    を特徴とする転写方法。
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