JP4001765B2 - 車両用表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用表示装置に関し、より詳細には、運転者前方の投影部材に投影させる画像を表示する表示源を備え、車両のアイポイントからフロントガラスを透して視認される前記車両の前景と前記表示源の表示により前記投影部材に投影される前記画像の虚像とを重畳視認させる車両用表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、運転者が運転に際して求める情報の増加や多角化に伴って、メータユニット内ではスペースの関係上表示しきれない情報を、フロントガラス上に虚像を表示させ、それを透して視認させる車両の前景と重畳視認させる、ヘッドアップディスプレイ装置(HUD)と呼ばれる投影型表示ユニットが採用されている。
【0003】
上述したHUDの一般的な構成の一例としては、表示源、該表示源の画像を拡大する凸レンズ等の拡大系ミラー、該拡大系ミラーで拡大された画像をフロントガラス側に反射させる反射ミラー、保護カバー、ケース等を有している。このようなHUDで特徴的なところは、表示源からの光が通る光路(空間)があることで、特に、遠方表示を行う場合、表示歪みなどを考慮すると、表示源から拡大系ミラーまでの距離を離した方が有利となるため、HUDは大型化していた。
【0004】
ところで、上述したHUDは、装置自体を運転席側のインストルメントパネル内部に配置する構造となっているが、車両の運転席側にはステアリングコラムが存在するとともに、インストルメントパネル内部には運転に必要な装置とその配線、エアダクト、スピーカなどの多くの部品で占められているため、HUDをインストルメントパネル内部に配置することが困難であった。特に、上述したように遠方表示を行う場合は、HUDが大型化してしまうため、インストルメントパネル内部にHUDを配置することがより一層困難となっていた。
【0005】
このような問題を解決する方法としては、実開昭61−120625公報の車両用ヘッドアップディスプレイ装置が開示されている。この技術は、インストルメントパネル内部に設けられたエアダクト内の空間を前記光路として利用することで省スペース化を図るという発想である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エアダクトは暖/冷風が通るため、HUDに対して様々な悪影響を及ぼす可能性があった。例えば、温風の場合、エアダクト内は高温となるため、通常の耐熱温度をクリアした部品では故障等の問題が発生する可能性があった。また、エアダクト内にHUDを配置する場合、HUDの部品によって空気の通る音等の異音を作らないか否かを検討、試験等を行う必要があるため、容易に配置することができない。
【0007】
特に、冷風時においてはエアダクト内に水滴が生じ、表示源等の構成部品に電気的な不具合、表示像への影響、錆の発生等の悪影響を及ぼす可能性がある。また、HUDは上述した各種ミラー等の角度を調整するために回動させる軸、ギア、モータ等の可動機構を設けていることから、錆が発生するような場所に可動機構を配置することは好ましくない。
【0008】
よって本発明は、上述した問題点に鑑み、インストルメント内の空間を有効利用することができる車両用表示装置を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項1記載の車両用表示装置は、運転者前方の投影部材に投影させる画像を表示する表示源を備え、車両のアイポイントからフロントガラスを透して視認される前記車両の前景と前記表示源の表示により前記投影部材に投影される前記画像の虚像とを重畳視認させるために、前記車両のインストルメントパネル内に設けられて当該車両の剛性を高める中空状の車両用補強部材の内部に少なくとも一部が収容されて前記車両に搭載される車両用表示装置であって、前記表示源にて表示された前記画像の像光を前記投影部材側に反射させる第1反射部材と、該第1反射部材と前記表示源との間に介在して前記像光を前記第1反射部材側に反射させる第2反射部材と、少なくとも前記表示源と前記第2反射部材が前記車両用補強部材の内部に配置されるように前記車両用補強部材の一部として組み込まれる装置側補強部材と、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記請求項1に記載した本発明の車両用表示装置によれば、車両用表示装置には車両用補強部材の一部が設けられ、該装置側補強部材が車両のインストルメントパネル内に設けられた車両用補強部材の一部となるように車両用表示装置が当該車両用補強部材に収容されて車両に搭載される。そして、車両用表示装置は、少なくとも表示源と第2反射部材が車両用補強部材の内部に組み込まれ、表示源にて表示された画像の像光は車両用補強部材の内部の第2反射部材に到達すると、該第2反射部材にて車両用補強部材の内部若しくは外部に位置する第1反射部材に反射され、該第1反射部材にてフロントガラス、コンバイナ等の投影部材に反射されることで、画像の虚像と車両の前景とをアイポイントから重畳視認させる。
【0011】
よって、インストルメントパネル内には車両の剛性を高める車両用補強部材が設けられていると、この車両用補強部材、運転に必要な装置とその配線、エアダクト、スピーカなどの多くの部品によってインストルメントパネル内の空間の多くが占有されてしまうが、 車両用表示装置には車両用補強部材の一部が設けられ、該装置側補強部材が車両用補強部材の一部となるように車両用表示装置を当該車両用補強部材に収容して車両に搭載するため、インストルメントパネル内の空間を有効利用することができる。また、エアダクト内に車両用表示装置を配置する必要がなくなるので、車両用表示装置に対する様々な悪影響が発生することもない。さらに、装置側補強部材を車両用表示装置に設けているので、車両用補強部材の内部に車両用表示装置を収容するための開口、取付部等を車両用補強部材に大きく設けることができる。また、車両用補強部材の内部に表示源と第2反射部材を設けることで、表示源から第2反射部材を経て第1反射部材に至る光路(空間)を長くすることができる。また、表示源から第1反射部材までの距離を離すことができるため、第1反射部材によって画像を拡大させる場合は、表示歪みを低減させて遠方表示を行うことができる。従って、インストルメント内の空間を有効利用することができる車両用表示装置を提供することができる。また、車両用表示装置を車両用補強部材に容易に組み込むことができるため、組立工程における作業効率の向上を図ることができる。さらに、遠方表示を行うために車両用表示装置が大型化しても、車両用補強部材の内部空間を有効利用することで、インストルメントパネル内部に配置することができる。
【0012】
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項2記載の車両用表示装置は、運転者前方の投影部材に投影させる画像を表示する表示源を備え、車両のアイポイントからフロントガラスを透して視認される前記車両の前景と前記表示源の表示により前記投影部材に投影される前記画像の虚像とを重畳視認させる車両用表示装置であって、前記車両の剛性を高める中空状の車両用補強部材を補強するように前記車両のインストルメントパネル内に設けられた中空状の補助補強部材を備え、当該車両用表示装置は、前記車両用補強部材と前記補助補強部材との内部にわたって収容されて前記車両に搭載されることを特徴とする。
【0013】
上記請求項2に記載した本発明の車両用表示装置によれば、車両のインストルメントパネル内に設けられた車両用補強部材を補強するように補助補強部材に設け、車両用表示装置は車両用補強部材と補助補強部材との内部にわたって収容されて車両に搭載される。そして、補助補強部材及び車両用補強部材に収容されて組み込まれた車両用表示装置の表示源が表示する画像がフロントガラス、コンバイナ等の投影部材に投影され、この画像の虚像と車両の前景とをアイポイントから重畳視認させる。よって、インストルメントパネル内に車両の剛性を高める車両用補強部材が設けられていると、この車両用補強部材、運転に必要な装置とその配線、エアダクト、スピーカなどの多くの部品によってインストルメントパネル内の空間の多くが占有されてしまうが、車両用表示装置を車両用補強部材と補助補強部材との内部にわたって収容して車両に搭載するため、インストルメントパネル内の空間を有効利用することができる。また、車両用表示装置を収容するための空間を十分に確保することができるため、表示源からの光路を長くするために車両用表示装置が大型化しても容易に収容することができる。さらに、エアダクト内に車両用表示装置を配置する必要がなくなるので、車両用表示装置に対する様々な悪影響が発生することもない。従って、インストルメントパネル内の空間を有効利用することができる車両用表示装置を提供することができる。また、遠方表示を行うために車両用表示装置が大型化しても、車両用補強部材及び補助補強部材の内部空間を有効利用することで、インストルメントパネル内部に配置することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両用表示装置の一実施の形態を、図1〜図8の図面を参照して説明する。
【0015】
[第1の実施の形態]
まず、本発明に係る車両用表示装置を用いた第1の実施の形態を、図1〜図3の図面を参照して以下に説明する。
【0016】
ここで、図1は第1の実施の形態における車両の運転席部分を示す透視斜視図であり、図2は図1における車両用表示装置の概観を示す透視斜視図であり、図3はリンホースに対する車両用表示装置の組付を説明するための図である。
【0017】
図1において、破線図で示す10はインストルメントパネルを示し、このインストルメントパネル10は車室内の運転席前方に設けられ、車両の走行速度を示す速度計やエンジンの単位時間当りの回転数を示す回転計などの各種表示装置を運転席に着座した運転者がステアリングホイールを介して視認できるように配置している。
【0018】
インストルメントパネル10の内部、かつ、フロントガラス3の下方には、車両のねじれ、振動などを抑止したり、外部からの衝撃に対する車体の剛性を高めるリンホース(補強部材)20を設けている。このリンホース20は、剛性を得て、大きさ、重量を抑えるために筒状に形成している。そして、リンホース20の一端を運転席側、その他端を助手席側の各々のボディ部材5にねじ等の固定部材によって固定することで、リンホース20をインストルメントパネル10の内部の運転席側から助手席側に渡って設けている。
【0019】
なお、本実施の形態では、前記一端側、つまり運転席側のリンホース20の径の方が助手席側より大きくなっているが、本発明はこれに限定するものではなく、運転席側と助手席側との径を同一としても差し支えない。しかし、本実施の形態のようにリンホース20を形成することで、リンホース20の軽量化を図ることができる。
【0020】
30は本発明に係る車両用表示装置を示し、投影型の車両用表示装置30は、図2に示すように、フロントガラス(投影部材に相当)3の投影エリアEに投影させる画像を表示する表示デバイス(表示源に相当)31と、該表示デバイス31にて発光表示された画像の像光を拡大して投影エリアEに対して反射させる凹面ミラー等の第1反射ミラー(第1反射部材)32と、該第1反射ミラー32と表示デバイス31との間に介在して前記像光を第1反射ミラー32に反射させる第2反射ミラー(第2反射部材)33と、第1反射ミラー32で反射した前記像光を車両用表示装置30の外部に出射させる開口部34と、表示デバイス31に表示させる画像の内容をコントロールするコントロールユニット(図示せず)と、を有している。
【0021】
表示デバイス31は、自発光デバイス(例えば、FE〔フィールドエミッション〕ディスプレイ、蛍光表示管、EL〔エレクトロルミネッセンス〕ディスプレイ等)や、バックライト付きの液晶ディスプレイ等からなっており、フロントガラス3の投影エリアEに投影させる、例えばナビゲーション装置の進行方向情報や走行速度といった、運転に必要な補助情報等の画像を発光表示している。
【0022】
また、車両用表示装置30は、リンホース20に収容して組み込んだときに、一方側がリンホース20の内部に配置され、他方側がリンホース20から突出するように、略L字状の箱状に形成している。そして、一方側の端部に表示デバイス31を配置し、他方側に第1反射ミラー32を配置し、表示デバイス31にて表示している画像の像光が第1反射ミラー32に反射されるように一方側に第2反射ミラー33を配置している。また、他方側の上面には開口部34を配置しており、この開口部34に対面するインストルメントパネル10の上面11には、開口12を設けている。
【0023】
車両用表示装置30はさらに、リンホース20の一部として組み込まれ、その外壁の一部である装置側補強部材35を有し、この装置側補強部材35が前記一方側を覆うように車両用表示装置30の上部に設けている。また、リンホース20は車両用表示装置30が組み付けられる位置に、装置側補強部材35の形状に応じた組付開口22を形成しており、車両用表示装置30が突出するリンホース20の側壁には、車両用表示装置30が嵌合される嵌合部(図示せず)を組付開口22から連設している。
【0024】
リンホース20の取付開口22に対面するその外壁にはさらに、ボディ部材5に当接する当接部21を設けており、この当接部21によって車両用表示装置30が組み込まれたリンホース20を補助している。なお、当接部21については、リンホース20に予め一体的に形成したり、組付作業時にリンホース20に取り付けるなど種々異なる実施の形態とすることができる。
【0025】
また、アイポイントIの位置を調整するために第1反射ミラー32はその反射角度が調整可能な構造となっており、第1反射ミラー32を回動させるための軸、ギア、モータ等を有する図示しない可動機構を車両用表示装置はさらに有している。
【0026】
次に、リンホース20に対する車両用表示装置30の収容例を説明する。
リンホース20がインストルメントパネル10に配置された後、そのリンホース20の組付開口22の上方から車両用表示装置30を前記嵌合部に嵌合させるとともに、車両用表示装置30の装置側補強部材35とリンホース20の組付開口22を合わせることで位置決めされ、装置側補強部材35と組付開口22がねじ等の固定部材で固定される。
【0027】
次に、上述のように構成された第1の実施の形態における車両用表示装置の動作(作用)について説明する。
【0028】
表示デバイス31にて表示された画像の像光は、第2反射ミラー33で反射され、この反射された像光は第1反射ミラー32で拡大されてフロントガラス3側に反射されると、開口部34から車両用表示装置30の外部に出射される。そして、この像光はインストルメントパネル10の開口12を通過してフロントガラス3上の投影エリアEに投影される。そして、この投影により、フロントガラス3を透して視認される前景と、表示デバイス5に表示された画像の虚像とが、車両の運転者のアイポイントIから重畳視認される。
【0029】
以上説明したように、インストルメントパネル10内には車両の剛性を高めるリンホース(車両用補強部材)20が設けられていると、このリンホース20、運転に必要な装置とその配線、エアダクト、スピーカなどの多くの部品によってインストルメントパネル10内の空間の多くが占有されてしまうが、車両用表示装置30をリンホース20の内部に収容して車両に搭載するため、インストルメントパネル10内の空間を有効利用することができる。従って、インストルメント10内の空間を有効利用することができる車両用表示装置30を提供することができる。
【0030】
また、装置側補強部材35を車両用表示装置30に設けているので、リンホース(車両用補強部材)20の内部に車両用表示装置30を収容して組み込むための取付開口(開口)22を大きくすることができる。従って、車両用表示装置30をリンホース20に容易に組み込むことができるため、組立工程における作業効率の向上を図ることができる。
【0031】
さらに、リンホース(車両用補強部材)20の内部に表示デバイス(表示源)31と第2反射ミラー(部材)33を設けることで、表示デバイス31から第2反射ミラー33を経て第1反射ミラー(部材)32に至る光路(空間)を長くすることができる。また、表示デバイス31から第1反射ミラー32までの距離を離すことができるため、第1反射ミラー32によって画像を拡大させる場合は、表示歪みを低減させて遠方表示を行うことができる。従って、遠方表示を行うために車両用表示装置30が大型化しても、リンホース20の内部空間を有効利用することで、インストルメントパネル10の内部に配置することができる。
【0032】
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係る車両用表示装置を用いた第2の実施の形態を、図4〜図8の図面を参照して以下に説明する。なお、第1の実施の形態のところで説明したものと同一あるいは相当する部分には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0033】
ここで、図4は第2の実施の形態における車両の運転席部分を示す透視斜視図であり、図5は図4における車両用表示装置の概観を示す透視斜視図であり、図6はリンホース及び補助補強部材の形状を説明するための一部破断斜視図であり、図7は図5の直線A−Aを通る矢印方向の断面図であり、図8は車両用表示装置の他の形態を示す図である。
【0034】
図4及び図5に示すように、インストルメントパネル10の内部、かつ、フロントガラス3の下方には、第1の実施の形態と同様に、車両のねじれ、振動などを抑止したり、外部からの衝撃に対する車体の剛性を高めるリンホース(補強部材)20を設けている。このリンホース20は、剛性を得て、大きさ、重量を抑えるために筒状に形成し、リンホース20の一端を運転席側、その他端を助手席側の各々のボディ部材5にねじ等の固定部材によって固定することで、リンホース20はインストルメントパネル10の内部の運転席側から助手席側に渡って設けている。
【0035】
第1の実施の形態と異なる点は、リンホース20を補強する補助補強部材40を新たに設けており、この補助補強部材40によってリンホース20とボディ部材5とを連結している。この補助補強部材40は、図7に示すように、板材によって曲げに強いコの字状に形成した上部部材40aと、該上部部材40aとリンホース20を挟持する下部部材40bと、を有している。なお、上部部材40aの形状については、曲げに強い形状であれば、L字状、中空箱状等の種々異なる形状としても差し支えない。
【0036】
また、車両用表示装置30は、上述した第1の実施の形態と同一の形状及び構成になっており、表示デバイス31と第2反射ミラー33を設けた部分がリンホース20の内部に収容されて組み込まれ、第1反射ミラー32が設けられた部分が補助補強部材40の内部に収容されるように、第2の実施の形態では配置している。
【0037】
車両用表示装置30の開口部34に対面する補助補強部材40の上部部材40aには、開口部34の形状に対応した補助側開口41を設けている。そして、車両用表示装置30の開口部34と補助補強部材40の補助側開口41とを結ぶ延長線上のインストルメントパネル10の上面11に開口12を配置している。
【0038】
次に、リンホース20及び補助補強部材40に対する車両用表示装置30の収容例を説明する。
【0039】
リンホース20が補助補強部材40の下部部材40bに係止され、ボディ本体5に固定された状態でインストルメントパネル10に配置された後、車両用表示装置30の表示デバイス31が設けられた一方側から第2反射ミラー33がリンホース20の内部に配置されるように、リンホース20の組付開口22から挿入されて固定される。そして、図7に示すように、リンホース20から突出した車両用表示装置30の他方側を覆うように補助補強部材40の上部部材40aを組み付ける。そして、補助補強部材40の上部部材40aと下部部材40bが固定されるとともに、上部部材40aがボディ部材5に固定される。
【0040】
次に、上述のように構成された第2の実施の形態における車両用表示装置の動作(作用)について説明する。
【0041】
表示デバイス31にて表示された画像の像光は、第2反射ミラー33で反射され、この反射された像光は第1反射ミラー32でフロントガラス3側に拡大されて反射されると、開口部34から車両用表示装置30の外部に出射される。そして、この像光は補助補強部材40の補助側開口41、インストルメントパネル10の開口12を通過してフロントガラス3上の投影エリアEに投影される。そして、この投影により、フロントガラス3を透して視認される前景と、表示デバイス5に表示された画像の虚像とが、車両の運転者のアイポイントIから重畳視認される。
【0042】
以上説明したように、インストルメントパネル10内に車両の剛性を高めるリンホース(車両用補強部材)20と該リンホース20を補強する補助補強部材40が設けられていると、この補助補強部材40、リンホース20、運転に必要な装置とその配線、エアダクト、スピーカなどの多くの部品によってインストルメントパネル10内の空間の多くが占有されてしまうが、車両用表示装置30をリンホース20と補助補強部材40との内部にわたって収容して車両に搭載するため、インストルメントパネル10内の空間を有効利用することができる。また、収容するための空間を十分に確保することができるため、表示デバイス(表示源)31からの光路を長くするために車両用表示装置30が大型化しても容易に組み込むことができる。従って、第1の実施の形態と同様に、インストルメントパネル10内の空間を有効利用することができる車両用表示装置30を提供することができる。また、遠方表示を行うために車両用表示装置30が大型化しても、リンホース20及び補助補強部材40の内部空間を有効利用することで、インストルメントパネル10の内部に配置することができる。
【0043】
なお、上述した第1及び第2の実施の形態では、L字状に形成した車両用表示装置30について説明したが、リンホース20や補助補強部材40等に対する組付性に問題がある場合は、図8に示すように、車両用表示装置30を形成することもできる。つまり、リンホース20に組み込まれる一方側30aと、リンホース20から突出する、若しくは、補助補強部材40に収容される他方側30bと、を着脱自在に形成することもできる。このように車両用表示装置30を形成すれば、一方側30aと他方側30bとを分離した状態で組付作業を行うことができるため、組付性を向上させることができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載した本発明の車両用表示装置によれば、インストルメントパネル内には車両の剛性を高める車両用補強部材が設けられていると、この車両用補強部材、運転に必要な装置とその配線、エアダクト、スピーカなどの多くの部品によってインストルメントパネル内の空間の多くが占有されてしまうが、車両用表示装置を車両用補強部材の内部に収容して車両に搭載するため、インストルメントパネル内の空間を有効利用することができる。また、エアダクト内に車両用表示装置を配置する必要がなくなるので、車両用表示装置に対する様々な悪影響が発生することもない。また、装置側補強部材を車両用表示装置に設けているので、車両用補強部材の内部に車両用表示装置を組み込むための開口、取付部等を車両用補強部材に大きく設けることができる。さらに、車両用補強部材の内部に表示源と第2反射部材を設けることで、表示源から第2反射部材を経て第1反射部材に至る光路(空間)を長くすることができる。また、表示源から第1反射部材までの距離を離すことができるため、第1反射部材によって画像を拡大させる場合は、表示歪みを低減させて遠方表示を行うことができる。従って、インストルメント内の空間を有効利用することができる車両用表示装置を提供することができるという効果を奏する。また、車両用表示装置を車両用補強部材に容易に組み込むことができるため、組立工程における作業効率の向上を図ることができるという効果を奏する。さらに、遠方表示を行うために車両用表示装置が大型化しても、車両用補強部材の内部空間を有効利用するこ とで、インストルメントパネル内部に配置することができるという効果を奏する。
【0045】
以上説明したように請求項2に記載した本発明の車両用表示装置によれば、インストルメントパネル内に車両の剛性を高める車両用補強部材と該車両用補強部材を補強する補助補強部材が設けられていると、この補助補強部材、車両用補強部材、運転に必要な装置とその配線、エアダクト、スピーカなどの多くの部品によってインストルメントパネル内の空間の多くが占有されてしまうが、車両用表示装置を車両用補強部材と補助補強部材との内部にわたって収容して車両に搭載するため、インストルメントパネル内の空間を有効利用することができる。また、エアダクト内に車両用表示装置を配置する必要がなくなるので、車両用表示装置に対する様々な悪影響が発生することもない。また、収容するめの空間を十分に確保することができるため、表示源からの光路を長くするために車両用表示装置が大型化しても容易に組み込むことができる。従って、インストルメントパネル内の空間を有効利用することができる車両用表示装置を提供することができるという効果を奏する。また、遠方表示を行うために車両用表示装置が大型化しても、車両用補強部材及び補助補強部材の内部空間を有効利用することで、インストルメントパネル内部に配置することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態における車両の運転席部分を示す透視斜視図である。
【図2】 図1における車両用表示装置の概観を示す透視斜視図である。
【図3】 リンホースに対する車両用表示装置の組付を説明するための図である。
【図4】 第2の実施の形態における車両の運転席部分を示す透視斜視図である。
【図5】 図4における車両用表示装置の概観を示す透視斜視図である。
【図6】 リンホース及び補助補強部材の形状を説明するための一部破断斜視図である。
【図7】 図5の直線A−Aを通る矢印方向の断面図である。
【図8】 車両用表示装置の他の形態を示す図である。
【符号の説明】
3 フロントガラス
5 ボディ部材
10 インストルメントパネル
20 車両用補強部材(リンホース)
30 車両用表示装置
40 補助補強部材
E 投影エリア
I アイポイント
Claims (2)
- 運転者前方の投影部材に投影させる画像を表示する表示源を備え、車両のアイポイントからフロントガラスを透して視認される前記車両の前景と前記表示源の表示により前記投影部材に投影される前記画像の虚像とを重畳視認させるために、前記車両のインストルメントパネル内に設けられて当該車両の剛性を高める中空状の車両用補強部材の内部に少なくとも一部が収容されて前記車両に搭載される車両用表示装置であって、
前記表示源にて表示された前記画像の像光を前記投影部材側に反射させる第1反射部材と、
該第1反射部材と前記表示源との間に介在して前記像光を前記第1反射部材側に反射させる第2反射部材と、
少なくとも前記表示源と前記第2反射部材が前記車両用補強部材の内部に配置されるように前記車両用補強部材の一部として組み込まれる装置側補強部材と、
を備えることを特徴とする車両用表示装置。 - 運転者前方の投影部材に投影させる画像を表示する表示源を備え、車両のアイポイントからフロントガラスを透して視認される前記車両の前景と前記表示源の表示により前記投影部材に投影される前記画像の虚像とを重畳視認させる車両用表示装置であって、
前記車両の剛性を高める中空状の車両用補強部材を補強するように前記車両のインストルメントパネル内に設けられた中空状の補助補強部材を備え、
当該車両用表示装置は、前記車両用補強部材と前記補助補強部材との内部にわたって収容されて前記車両に搭載される
ことを特徴とする車両用表示装置。
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