JP4001679B2 - 用紙搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、インクジェット記録装置等の画像記録装置に使用される用紙搬送装置に関し、特に、給紙部から送られたきた用紙を記録部へ搬送し、記録部で画像が記録された用紙を排出部へと搬送する用紙搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、画像記録装置としては、電子写真方式、静電記録方式、インクジェット方式など様々な方式のものがあり、商品化も多くなされてきている。その中でもインクジェット方式の画像記録装置は、記録ヘッドからブラック単色あるいは、ブラックに加えてシアン、マゼンタ、イエロー等の複数色のインク滴を噴射し、記録用紙に直接画像を記録するものであるため、装置の小型化、低コスト化、カラー化が容易であり、主にパーソナルコンピュータ等のパーソナルな画像記録装置として急激に普及してきている。
【0003】
かかるインクジェット方式の画像記録装置は、記録ヘッドのノズルから微少なインク滴を噴射し、記録用紙に非接触状態で直接画像を記録するため、記録ヘッドと用紙との距離は、1mm前後と小さく設定される。そのため、画像の記録動作に伴って搬送される記録用紙に撓み等が発生すると、記録用紙が記録ヘッドと接触してしまい、記録用紙の表面が汚れてしまうというトラブルが発生する虞れを有している。
【0004】
そこで、この問題点を解決し得る技術としては、例えば、特開平8−192544号公報や特開平9−58897号公報等に開示されているように、記録用紙を裏面側から吸引することにより、当該記録用紙をプラテン側に引き付けるように構成したものが既に提案されている。
【0005】
上記特開平8−192544号公報に開示されたシリアルインクジェットプリンタの紙送り構造は、図9に示すように、記録ヘッド100に対向するように平坦なプラテン板101を配置し、この平坦なプラテン板101に複数の孔102を穿設して、当該プラテン板101の下部に配置されたダクト103を介してファン104によって吸引し、プラテン板101の前後に配置されたローラ対105、106によって記録用紙107を搬送しつつ、プラテン板101に複数穿設された孔102によって記録用紙107を吸着するように構成したものである。
【0006】
また、上記特開平8−192544号公報に開示された他の紙送り構造は、図10に示すように、搬送用ロール110の表面に周方向及び軸方向に沿って複数の孔111a〜111kを設け、この搬送用ロール110の表面に設けられた複数の孔111a〜111kから、図11に示すように、当該搬送用ロール110の回転軸112内に開口された吸引口113を介して、図示しない吸引ファンにより空気を吸引しながら、図12に示すように、搬送用ロール110に複数設けられた孔111a〜111kによって記録用紙114を吸着しつつ、記録ヘッド115によって記録用紙114に画像を記録するように構成したものである。なお、図12中、116〜118は搬送用ロール110の外周に接触するように配設された搬送ロールをそれぞれ示している。
【0007】
さらに、上記特開平9−58897号公報に係る吸着搬送装置は、図13に示すように、複数本の幅広の搬送用平ベルト120に複数の孔121を設けて、当該搬送用平ベルト120の内部からダクト122を介してファン123によって吸引することにより、複数本の搬送用平ベルト120によって搬送される図示しない記録用紙を吸着しつつ搬送するように構成したものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記特開平8−192544号公報に開示されたシリアルインクジェットプリンタの紙送り構造の場合には、図9に示すように、プラテン板101に複数の孔102を設け、この複数の孔102から空気を吸引して記録用紙107をプラテン板101上に吸着しながら搬送するように構成したものであるため、記録用紙107の幅が広くなると吸着力が不十分となり、プラテン板101から記録用紙107が浮きやすい状態となって、記録用紙107に濃淡のムラや汚れが発生する虞れがあるという問題点を有している。また、幅の広い記録用紙107を安定して搬送可能とするためには、ファン104の吸引力を強く設定する必要があるが、このようにファン104の吸引力を強くすると、搬送される記録用紙107の状態は安定するが、逆に記録用紙107の搬送抵抗が増大するという問題点が生じる。このように、記録用紙107の搬送抵抗が増大すると、記録用紙107の送り精度に悪影響を与え、印字画像に白筋や黒筋等が発生し、画質を劣化させてしまうという問題点があった。
【0009】
また、上記特開平8−192544号公報に開示されたシリアルインクジェットプリンタの紙送り構造の場合には、図9に示すように、記録ヘッド100のノズルの数を多く設定してプリントスピードを上げると、記録ヘッド100のサイズが大きくなり、プラテン板101の上流側と下流側に配設される搬送ロール対105と106の間隔も広がる。そのため、記録用紙107を押さえるロール対105、106の間隔が広がると、記録用紙107がインクにより膨潤して波打ち状の変形を起こし易くなり、プラテン板101からの浮きが増長されることになる。
【0010】
さらに、上記特開平8−192544号公報に開示された他の紙送り構造のごとく、図10乃至図12に示すように、搬送用ロール110の表面に複数の吸引用孔111a〜111kを設ける方法では、搬送用ロール110自身の構造が複雑となり、高価となる。特に、この特開平8−192544号公報に開示された他の紙送り構造の場合には、図11に示すように、搬送用ロール110の回転軸113から吸引を行なう必要があるため、構造が複雑となり、大幅なコスト高を招くという問題点があった。
【0011】
また更に、上記特開平9−58897号公報に係る吸着搬送装置は、図13に示すように、搬送用平ベルト120に複数の孔121を設けように構成したものであるため、やはり装置の構造が複雑になり、しかも弾性体であり変形し易い搬送用平ベルト120によって記録用紙の送り精度を満足させるには、搬送用平ベルト120の製造や駆動機構等に非常に高い精度が要求され、コストの高いものとなってしまうという問題点を有していた。
【0012】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、用紙の搬送精度を高く維持することができ、記録画像の画質を劣化させることがなく、しかも簡単な構成であって低コスト化が可能な用紙搬送装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明は、インク滴が噴射されるノズルを複数配列させた記録部を有する記録ヘッドと、用紙が走行する用紙走行部に開口された用紙吸引用の開口部を有するプラテン部材と、前記記録部に対向する位置であって前記用紙吸引用の開口部の内部に配設された用紙搬送用のロールと、前記開口部を介して空気を吸引する吸引手段と、を備え、前記用紙吸引用の開口部から周囲の空気を吸引する吸引手段を、用紙に画像を記録する画像記録動作のタイミングに合わせて制御するように構成したものである。
【0017】
【作用】
この発明は、上記の如く用紙が走行する用紙走行部に開口された用紙吸引用の開口部と、前記用紙吸引用の開口部の内部に配設された用紙搬送用のロールとを備えるように構成したので、用紙吸引用開口部からの吸引力が増大すると、その吸引力fは、用紙吸引用開口部内に配設された用紙搬送用ロールの方向にかかることになり、その力が大きくなるほど開口部内の用紙搬送用ロールの搬送力が増し、吸引による搬送抵抗を打ち消す力となって用紙の送り精度に悪影響を与えることがない。しかも、用紙が走行する用紙走行部に開口された用紙吸引用の開口部と、前記用紙吸引用の開口部の内部に配設された用紙搬送用のロールとを備えるように構成したので、構成が簡単であり、低コスト化が可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
図1はこの発明の一実施の形態に係る用紙搬送装置を適用したインクジェット記録装置を示すものである。
【0020】
図1において、1は記録ヘッドを示すものであり、この記録ヘッド1は、その下端部に幅方向に沿って記録密度に応じて複数個配置されたノズルを備えている。また、上記記録ヘッド1は、カラーの画像を記録するものである場合、その下端部に幅方向に沿って記録密度に応じて複数個配置されたノズル列を、図面に垂直な方向に沿って例えばブラック、シアン、マゼンタ、イエローというように複数列備えるように構成される。そして、上記記録ヘッド1は、図示しない駆動機構によって図面に垂直な方向に移動しつつ、当該記録ヘッド1に設けられた複数のノズルからインク滴を下方に噴射することによって、用紙搬送装置2により搬送される記録用紙3上に画像を記録するようになっている。
【0021】
上記用紙搬送装置2では、図1の右側に示すように、図示しない給紙カセットから記録用紙3が1枚ずつ送り出され、この記録用紙3は、記録ヘッド1の下方位置である記録部4の上流側に位置し、当該記録用紙3の主要な搬送を行なう第一搬送ロール5へと送られる。この第一搬送ロール5は、記録用紙3の搬送精度を支配する重要な部品である。そのため、上記第一搬送ロール5は、記録用紙3との間にスリップを起こさないように表面の摩擦係数が高く、かつ搬送精度を決める加工精度も高く、しかも温度変化の影響を受け難い等の条件が考慮され、駆動方法もロールの回転角速度の変動が少ない方法が選択されている。この第一搬送ロール5は、例えば、ステンレスやアルミニウム等の金属材料によって形成され、その表面は、微細な金属粉が溶着等の手段によって固着され、所定の表面粗さを有するように構成される。なお、上記第一搬送ロール5の表面には、記録用紙3を上方から押圧するピンチロール6が接触するように配置されている。このピンチロール6は、支持用ロッド7の先端に回転自在に支持されており、記録用紙3の浮き上がりを防止するため、第一搬送ロール5の上端部より僅か記録部4側に接触するように配置されている。
【0022】
このように、搬送精度が高く設定された第一搬送ロール5によって、記録用紙3は、図1及び図2に示すように、記録部4の記録開始位置へと搬送される。この記録開始位置では、記録ヘッド1が記録用紙3の上方を1〜1.5mmの間隔Gをおいて走査するように設定されている。上記記録用紙3の下側には、記録ヘッド1の上流側の端部から記録部4の下流にまで渡って、記録部4における記録用紙3を裏面側から平坦に支持するプラテン部材8が配置されている。
【0023】
また、上記記録部4の下流側には、第二搬送ロール9が設けられており、画像が記録された記録用紙3を排紙部側へ搬送するようになっている。この排紙部には、画像が記録された記録用紙3を排出する排紙ロール10が設けられており、記録用紙3を排紙トレイ11上に送り出すように構成されている。なお、上記第二搬送ロール9の表面には、記録用紙3を上方から押圧するロールとして拍車12が接触するように配置されている。この記録用紙3を上方から押圧するロールとして拍車12を用いているのは、画像記録直後のインクが十分乾燥していない記録用紙3の表面に、ロールの全面が接触して画像を乱すのを防止するためである。この拍車12も記録用紙3の浮き上がりを防止するため、第二搬送ロール9の上端部より僅か記録部4側に接触するように配置されている。また、上記排紙ロール10の表面にも、従動ロール13が接触するように配置されている。
【0024】
ところで、この実施の形態に係る用紙搬送装置は、用紙が走行する用紙走行部に開口された用紙吸引用の開口部と、前記用紙吸引用の開口部の内部に配設された用紙搬送用のロールとを備えるように構成されてるいる。
【0025】
すなわち、この実施の形態に係る用紙搬送装置2は、図1及び図2に示すように、第一搬送ロール5と第二搬送ロール9の間に、記録用紙3が走行する用紙走行部を形成するプラテン部材8を配設して、このプラテン部材8の上面に、図3に示すように、用紙吸引用の開口部14を設け、当該用紙吸引用の開口部14の内部に吸引部搬送用ロールを配置するように構成されている。なお、上記用紙搬送装置2は、その幅方向の一端部(図3中、右側の端部)を基準にして、記録用紙3を搬送するように構成されている。
【0026】
上記プラテン部材8は、図2及び図3に示すように、合成樹脂等によって、最大サイズの記録用紙3の搬送方向と直交する方向の幅、例えば、A3サイズの記録用紙3の幅よりも若干長く形成された平面略長方形の箱体状に形成されている。このプラテン部材8の上端部分には、図3に示すように、その幅方向の略中央部に複数の用紙吸引用の開口部14A、14B、14C、14D、14E、14Fが長方形状に設けられている。これら複数の用紙吸引用開口部14A、14B、14C、14D、14E、14Fは、図3に示すように、用紙搬送方向の基準となる端部側の3つの開口部14A、14B、14Cが長く設定されているとともに、他の3つの開口部14D、14E、14Fは、順次長さが短くなるように設定されている。
【0027】
上記プラテン部材8は、図3に示すように、複数の用紙吸引用開口部14A、14B、14C、14D、14E、14Fの周縁部15、及びこれら複数の用紙吸引用開口部14A、14B、14C、14D、14E、14Fの間の部分16a、16b、16c、16d、16eが、記録用紙3の裏面側と接触する同一の平面部を形成している。
【0028】
また、上記プラテン部材8の用紙搬送方向に沿った上流側には、図2及び図3に示すように、第一搬送ロール5によって搬送される記録用紙3の裏面を支持する支持用の平板部17が設けられている。この平板部17の上面には、記録用紙3との接触抵抗を低減させるため、所定の間隔をおいて配置された複数本の長いリブ18と、これら複数本の長いリブ18の間に一定の間隔で配置された複数本の短いリブ19とが突設されている。上記平板部17の上面に突設された複数本の長いリブ18と短いリブ19は、図2に示すように、その第一搬送ロール5側の端部18a、19aが下方へ向けて傾斜するように形成されており、当該複数本の長いリブ18と短いリブ19は、その全長に渡って記録用紙3の裏面と接触するのではなく、当該第一搬送ロール5側の端部18a、19aを除いた他の部分18b、19bのみが記録用紙3の裏面と接触するように構成されている。その結果、上記複数本の長いリブ18と短いリブ19は、第一搬送ロール5側の端部18a、19aを除いた他の部分18b、19bが、複数の用紙吸引用開口部14A、14B、14C、14D、14E、14Fの周囲15、及びこれら複数の用紙吸引用開口部14A、14B、14C、14D、14E、14Fの間の部分16a、16b、16c、16d、16eと、同一平面を形成するようになっている。
【0029】
さらに、上記プラテン部材8の用紙搬送方向に沿った下流側には、図2及び図3に示すように、搬送される記録用紙3の裏面を支持する支持用の平板部20が設けられている。この平板部20の上面には、記録用紙3との接触抵抗を低減させるため、所定の間隔をおいて配置された複数本のリブ21が突設されている。上記平板部20の上面に突設された複数本のリブ21は、図3に示すように、その略全長に渡って記録用紙3の裏面と接触するように構成されている。
【0030】
又、上記プラテン部材8には、その複数の用紙吸引用開口部14A、14B、14C、14D、14E、14Fの内部に、図2及び図4に示すように、複数本の吸引部搬送用ロール22A、22B、22C、22D、22E、22Fが、第一搬送用ロール5と同一の駆動手段によって第一搬送ロール5と等しい速度で回転駆動されるように配置されている。上記複数の用紙吸引用開口部14A、14B、14C、14D、14E、14Fとしては、例えば、金属性の芯金の表面にゴム層を被覆したものが用いられる。これらの複数本の吸引部搬送用ロール22A、22B、22C、22D、22E、22Fは、図2に示すように、その上端部がプラテン部材8の上端面と一致するように配置されている。なお、吸引開口部縁であるプラテン部材8の上端面15と吸引部搬送ロール22の頂点の高さ関係は、必ずしも一致させる必要はなく、記録用紙3の吸着性及び搬送性を考慮すると、吸引部搬送ロール22の頂点を基準に吸引開口部縁15の高さは、+0.5〜−1mmの範囲内で設定するのが望ましい。
【0031】
また、第一搬送ロール5と第二搬送ロール9のそれぞれのロール頂点高さと吸引部搬送ロール22の頂点の高さ関係は、第一搬送ロール5と第二搬送ロール9のそれぞれのロール頂点高さを結んだ線に対して、吸引部搬送ロール22の頂点の高さが、±0.5mmの範囲内となるように設定するのが望ましい。
【0032】
さらに、上記第一搬送ロール5と吸引搬送ロール22の周速の関係は、
第一搬送ロール5の周速≒吸引部搬送ロール22の周速
となるように設定するのが望ましい。
【0033】
又、上記プラテン部材8には、複数の用紙吸引用開口部14A、14B、14C、14D、14E、14Fの下部に、これら複数の用紙吸引用開口部14A、14B、14C、14D、14E、14Fと略同一の幅で、その全長に渡って平面長方形状に形成された筒部23が下方に向けて設けられており、この筒部23内に複数本の吸引部搬送用ロール22A、22B、22C、22D、22E、22Fが収容されている。
【0034】
上記筒部23の上部と複数本の吸引部搬送用ロール22との間には、図2に示すように、略一定の間隙が形成されている。また、上記筒部23の上端部に連続した複数の用紙吸引用開口部14A、14B、14C、14D、14E、14Fの周縁部15のうち、上流側の周縁部15aは、吸引部搬送用ロール22の外周面に沿って傾斜するように形成されている。一方、上記筒部23の下流側の上端部23bは、複数の用紙吸引用開口部14A、14B、14C、14D、14E、14Fの周縁部15のうち、下流側の周縁部15bから吸引部搬送用ロール22側へ向けて傾斜した傾斜部23b’と、この傾斜部23b’の下方に連続して吸引部搬送用ロール22と一定の間隙を形成するように形成された円弧部23b”とから構成されている。
【0035】
また、上記プラテン部材8の複数の用紙吸引用開口部14A、14B、14C、14D、14E、14Fと略同一の幅で、その全長に渡って平面長方形状に形成された筒部23には、図1及び図2に示すように、下端部が正方形又は円形状に絞られたロート状のダクト24が接続されている。このダクト24の下端部には、負圧発生手段としての吸引用ファン25が接続されており、この吸引用ファン25によって、複数の用紙吸引用開口部14A、14B、14C、14D、14E、14Fと、複数本の吸引部搬送用ロール22A、22B、22C、22D、22E、22Fとの間隙から、空気を例えば10mmH2 Oの圧力で吸引するようになっている。
【0036】
以上の構成において、この実施の形態に係る用紙搬送装置では、次のようにして、簡単な構成であって低コスト化が可能であり、しかも、用紙の搬送精度を高く維持することが可能となっている。
【0037】
すなわち、この実施の形態に係る用紙搬送装置を適用したインクジェット記録装置では、図1に示すように、図示しない給紙カセットから記録用紙3が1枚ずつ送り出され、この記録用紙3は、記録部4の上流側に位置する第一搬送ロール5によって、記録ヘッド1の下方に位置する記録部4へ搬送される。その際、上記記録用紙3は、その先端部が記録開始位置に到達した状態で搬送が停止される。
【0038】
次に、上記インクジェット記録装置では、ホームポジションに移動していた記録ヘッド1が図示しない駆動手段によって、記録用紙3の端部に位置する記録開始位置へと移動され、当該記録ヘッド1によって記録用紙3上に所定の記録幅に渡って画像が記録される。その後、上記記録用紙3は、第一搬送ロール5、複数本の吸引部搬送用ロール22A、22B、22C、22D、22E、22F、及び第二搬送ロール9によって、所定の幅に渡って順次搬送され、画像が記録される。そして、全面に画像が記録された記録用紙3は、第二搬送ロール9及び排紙ロール10によって、排紙トレイ11上へと排紙され、画像の記録動作を終了する。
【0039】
上記インクジェット記録装置に適用された用紙搬送装置2では、第一搬送ロール5と第二搬送ロール9の間隔が狭い場合には、記録部4での記録用紙3の浮き量が少なく、記録ヘッド1と記録用紙3との接触は殆ど発生しない。
【0040】
ところで、上記インクジェット記録装置においてプリントスピードを上げるために、記録ヘッド1のノズル数を多く設定し、当該記録ヘッド1が1回走査する際に記録する記録幅を広くすると、その分だけ記録ヘッド1のサイズが大きくなり、それと共に第一搬送ロール5と第二搬送ロール9の間隔も広く設定する必要がある。このような状態で、記録ヘッド1からインク滴を吐出することにより、記録用紙3に画像を記録すると、記録用紙3は、インクによって膨潤し、波打ち状の変形を起こすことは周知であり、記録用紙3を押さえる第一搬送ロール5と第二搬送ロール9の間隔が広がることで、図5(a)に示すように、そのままの状態ではプラテン部材8からの記録用紙3の浮き上がりが増長される。
【0041】
ここで、上記記録ヘッド1と記録用紙3との距離は、1〜1.5mmと短いため、そのままの状態では、記録用紙3が記録ヘッド1に接触して記録面の汚れや用紙のジャムといったトラブルが発生し易くなる。
【0042】
そこで、この実施の形態に係る用紙搬送装置2では、用紙が走行する用紙走行部に開口された用紙吸引用の開口部と、前記用紙吸引用の開口部の内部に配設された用紙搬送用のロールとを備えるように構成されているので、図2に示すように、複数の用紙吸引用開口部14A、14B、14C、14D、14E、14Fの位置に、記録用紙3の先端部が到達した状態で、当該複数の用紙吸引用開口部14A、14B、14C、14D、14E、14Fにダクト24を介して接続された吸引用のファン25を駆動する。すると、上記複数の用紙吸引用開口部14A、14B、14C、14D、14E、14Fの内部に配置された、複数本の吸引部搬送用ロール22A、22B、22C、22D、22E、22Fの周囲からは、図2及び図5(b)に示すように、周囲の空気が吸引され、当該複数本の吸引部搬送用ロール22A、22B、22C、22D、22E、22Fの上部を通過する記録用紙3は、これら複数本の吸引部搬送用ロール22A、22B、22C、22D、22E、22F上に吸着される。そして、上記複数本の吸引部搬送用ロール22A、22B、22C、22D、22E、22Fの回転に伴って、記録用紙3は、図5(c)に示すように、当該複数本の吸引部搬送用ロール22A、22B、22C、22D、22E、22F側に押し付けられた状態で搬送される。
【0043】
このように、記録用紙3は、第一搬送ロール5と第二搬送ロール9によって搬送されると、同一の駆動部に連結されている複数本の吸引部搬送用ロール22A、22B、22C、22D、22E、22Fも用紙を吸着した状態で回転し、記録用紙3の搬送を助けるようになっている。
。
【0044】
ここで、この実4の形態に係る用紙搬送装置の吸引作用を、図5と図6に基づいて説明する。図5(a)は記録部4で印字した記録用紙3が浮いている状態を示している。この記録用紙3の幅方向に沿った浮き量を測定してグラフに表したものが図6(a)である。図6では環境を変えたときの状態をも示している。Aの記号が高温高湿,Cの記号が低温低湿を示し、Labは通常の実験室での状態を示すものである。
【0045】
図5(b)は(a)の状態から吸引しはじめた状態で、画像が記録された記録用紙3がプラテン部材8側に引き付けられている状態を示すものである。図5(c)はさらに吸引されて記録用紙3がプラテン部材8に密着した状態を示す。このとき、記録用紙3は、吸引搬送ロール22にも密着し矢印fの密着力が働く。そのため、この状態で吸引搬送ロール22が回転すると、記録された用紙3が吸引時の抵抗に勝って吸引搬送ロール22の搬送力によって搬送されるため、用紙3の搬送精度に悪影響を与えることがなく、高画質の印字が可能である。
【0046】
このように、この実施の形態に係る用紙搬送装置2は、記録用紙3の吸引力を同時に吸引搬送ロール22の搬送力に変えて記録用紙3を搬送するものであるため、記録用紙3の吸引力をある程度大きく設定して、記録用紙3をプラテン部材8上に平坦に保持した場合でも、記録用紙3の吸引力に比例して吸引搬送ロール22による搬送力を高めることができるので、記録用紙3を常に高い精度で搬送することができ、記録用紙3が記録ヘッド1と接触したり、記録ヘッド1との距離が変動することによって濃淡等が現れることがなく、高画質の画像記録が可能となる。
【0047】
しかも、この実施の形態では、記録用紙3が走行するプラテン部材8に開口された用紙吸引用の開口部14と、前記用紙吸引用の開口部14の内部に配設された用紙搬送用のロール22とを備えるように構成したので、搬送用ロール自体に吸引用の孔を穿設するといった複雑な構成を採用する必要がなく、簡単な構成であって、低コストにて実現することができる。
【0048】
なお、前記実施の形態では、図4で示すように、吸引搬送ロール22を複数個に分割した場合について説明したが、図7に示すように、分割しない一本のロール22でも良い。この場合でも、プラテン部材8の開口部縁15は図3、図7の斜線部で示すように同一高さとし用紙の吸引性を良くしている。
【0049】
なお、図8に示すように、吸引部搬送ロール22の下流側に、補助の吸引部搬送ロール30を設け、この補助吸引部ロール30からもロール22と同様に、吸引しつつ搬送するように構成しても良い。この場合には、記録部4の幅を更に広く設定した装置において効果的である。
【0050】
また、用紙搬送装置の稼働中における騒音低減及び消費電力抑制を目的として、記録用紙3が記録開始位置に到達するまでは吸引用ファン25をONしないかまたは最大吸引に満たない弱い吸引力とし、記録開始直前に最大吸引となるように制御することも可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、用紙の搬送精度を高く維持することができ、記録画像の画質を劣化させることがなく、しかも簡単な構成であって低コスト化が可能な用紙搬送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の実施の形態に係る用紙搬送装置を適応したインクジェット記録装置を示す一部破断の構成図である。
【図2】 図2はこの発明の実施の形態に係る用紙搬送装置を適応したインクジェット記録装置を示す要部拡大断面図である。
【図3】 図3はプラテン部材を示す平面図である。
【図4】 図4は用紙搬送装置を示す平面図である。
【図5】 図5(a)〜(c)は用紙の吸引搬送状態をそれぞれ示す断面説明図である。
【図6】 図6(a)(c)は用紙の吸引状態をそれぞれ示すグラフである。
【図7】 図7は用紙搬送装置の他の実施の形態に係るプラテン部材を示す平面図である。
【図8】 図8は用紙搬送装置の他の実施の形態を示す構成図である。
【図9】 図9は従来の用紙搬送装置を示す斜視図である。
【図10】 図10は従来の用紙搬送装置に使用される搬送ロールを示す斜視図である。
【図11】 図11は同搬送ロールの要部を示す構成図である。
【図12】 図12は従来の用紙搬送装置を示す側面図である。
【図13】 図13は従来の用紙搬送装置を示す斜視図である。
【符号説明】 2:用紙搬送装置、3:記録用紙、5:第一搬送ロール、8:プラテン部材(用紙走行部)、9:第二搬送ロール、14A、14B、14C、14D、14E、14F:用紙吸引用開口部、22A、22B、22C、22D、22E、22F:吸引部搬送ロール、25:吸引用ファン。
Claims (1)
- インク滴が噴射されるノズルを複数配列させた記録部を有する記録ヘッドと、
用紙が走行する用紙走行部に開口された用紙吸引用の開口部を有するプラテン部材と、
前記記録部に対向する位置であって前記用紙吸引用の開口部の内部に配設された用紙搬送用のロールと、
前記開口部を介して空気を吸引する吸引手段と、を備え、
前記用紙吸引用の開口部から周囲の空気を吸引する吸引手段を、用紙に画像を記録する画像記録動作のタイミングに合わせて制御することを特徴とする用紙搬送装置。
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