JP4001306B2 - Dcブラシレスモータ - Google Patents

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真一 吉原
太郎 旦野
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸流フアン等を駆動する単相DCブラシレスモータで、特に起動の信頼性の高いDCブラシレスモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
図7及び図8は従来技術に成る軸流フアン駆動用のDCブラシレスモータの例の固定子を透視した正面図とこれに対応する要部断面図である。これに類する平板状のレラクタンスピースを使用したDCブラシレスモータの例は、例えば特開昭57ー69480号公報等に開示されて多くの公知例があるが、図7においては絶縁基板2に固着される対の空芯コイル3の間に平板状で円環部12ー1と該円環部の外周に放射状の腕12ー2が設けられた磁性部材のレラクタンスピース12が併設されている。
【0003】
詳細は省略するが、該レラクタンスピース12は単相駆動で起動時のデッドポイント回避を容易とするためのもので、効率良く起動させるべくその形状や大きさには種々の工夫が見られ、空芯コイル3と同一面上に該レラクタンスピース12が配置されるので、対向する回転子の永久磁石8との間隙は前記空芯コイル3の厚さや固定子と回転子との空隙等製作上の精度にも左右されるのが実状であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如き従来の構造は、自起動可能な単相DCブラシレスモータとして基本性能は備えているが、永久磁石とレラクタンスピースとの間隙が大きく、自起動のためにコギングトルクを発生させる最適条件の設定や形状の簡素化等改善すべき点を多く内包していた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に成るDCブラシレスモータは、使用されるレラクタンスピースが、磁性体薄板より成り軸方向に伸長する円弧形成部が折り曲げ形成され軸受箱外周端部に固着保持され、もしくは磁性体焼結部材より成り軸方向に伸長する円弧形成部が一体形成され軸受箱外周端部に固定保持され、もしくは磁性体部材より成り軸方向に伸長する円弧形成部が軸受箱と一体形成されて、該軸方向に伸長した円弧形成部が前記円板状永久磁石の内周面に空隙を介して対向するように配置され、その円弧形成部が前記空芯コイルの半径方向のコイルサイドに近接/対向する如く構成される。
【0006】
上述のような構成においては、基本的設計要件である円板状永久磁石の構成が決まることで、一元的にレラクタンスピースの形状等を確定できる他、該レラクタンスピースが永久磁石の内周面と直接的に半径方向に対向配置されるので、小空隙での対向となり効率良くデッドポイント位置でのコギングトルク発生を実現することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は軸流フアンに適用した本発明に成るDCブラシレスモータの断面図で図2は図1のA−A線に沿った要部断面図である。
図1において1は取付板、2は空芯コイル3を固着する基板、3は空芯コイル、4は軸受箱、5は軸受、6は回転子ヨーク、7は羽根、8は円板状永久磁石、9は回転軸、10はレラクタンスピースである。
【0008】
図1において取付板1にはその外周近傍に羽根7と対向する位置に複数の窓1ー1が設けられ、この窓1ー1を通して羽根7の回転により生じた空気の流れが外部に通じるようになっており、取付板1の中央部に軸受箱4が固着され、基板2に空芯コイル3が固着され、軸受箱4に装着された軸受5により軸支された回転軸9に、回転子ヨーク6と、永久磁石8と、羽根7とが一体に固着され回転自在に保持されており、軸受箱4の外周に摺動可能に設けられた円環状部材10ー1と一体の軸方向に伸長した円弧状形成部10ー2とより成るレラクタンスピース10の円弧状形成部10ー2が円板状永久磁石8の内周面と空隙を介して対向して配置されている。
【0009】
図1に示す本発明に成るDCブラシレスモータは、図2に示すようにレラクタンスピースの円弧状形成部10ー2を空芯コイル3の半径方向のコイルサイド3ー1に接近して設けられているので、空芯コイル3に通電しないときには永久磁石8の磁極がレラクタンスピース10の円弧状形成部10ー2に吸引されて空芯コイル3と重なる位置に停止する。この停止位置が、固定子巻線3に通電した時に起動が容易となる位置となる。
【0010】
レラクタンスピース10は図3の斜視図に示すように磁性体板状部材に角状伸長部を打ち抜き形成した後、前記円板状永久磁石8の内径より少し小径の外径を有する円弧面形成するように折り曲げ形成されて円環状形成部10ー1と軸方向に伸長する2個の円弧状形成部10ー2とが一体的に形成されている。
【0011】
図4はレラクタンスピース10の第2の実施例の斜視図である。
図4は磁性部材の焼結により形成される例で円環状形成部10ー1と軸方向に伸長する2個の円弧状形成部10ー2とが一体に形成される。
【0012】
図5、図6は前記レラクタンスピース10を軸受箱4と一体に形成した第3の例の部分正面図と要部断面図である。図5,図6において軸受箱は基板2に固着される円筒状の基部4ー1と、該円筒状基部4ー1の中心部に設けられた軸受保持部4ー2と、外周部に設けられた軸方向に伸長する2個の円弧状形成部4ー3とが一体に形成される。そして円弧状形成部4ー3は空芯コイル3の半径方向のコイルサイド3ー1に近接して配置されることは上述の第1の例と同じである。
【0013】
上記レラクタンスピース10の軸方向に伸長する円弧形成部10ー2は、永久磁石8の磁気特性に対応した内周面の漏洩磁束量に応じて軸方向の長さ、空隙長を決める外径寸法を自在に設定でき、従来技術のように固定子巻線等他の部材の寸法や精度の影響を受けることがなく、円板状永久磁石8の内周面と外周面に対向するレラクタンスピースの円弧形成部という同心配置の構成であることから、製作上の精度確保等の面で有利であり、該構成は軸流フアンに限らずDCブラシレスモータ全般に適用可能である。
【発明の効果】
本発明に成るDCブラシレスモータは上記のような構成であるから自起動を容易とするためのレラクタンスピースの構造が簡潔で調整が容易となり安価に提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に成るDCブラシレスモータの断面図である。
【図2】図1の例のA−A線に沿った要部断面図である。
【図3】本発明に成るDCブラシレスモータのレラクタンスピースの第1の例の斜視図である。
【図4】本発明に成るDCブラシレスモータのレラクタンスピースの第2の例の斜視図である。
【図5】本発明に成るDCブラシレスモータのレラクタンスピースの第3の例の正面図である。
【図6】図5の例の要部断面図である。
【図7】従来技術に成るブラシレスモータの要部正面図である。
【図8】図7の例の断面図である。
【符号の説明】
1 取付板
1ー1 取付板の窓
2 固定子巻線を固着する基板
3 空芯コイル
3ー1 空芯コイルの半径方向のコイルサイド
4 軸受箱
4ー1 軸受箱の円筒状基部
4ー2 軸受保持部
4ー3 円弧状形成部
5 軸受
6 回転子ヨーク
7 羽根
8 永久磁石
9 回転子軸
10 レラクタンスピース
10ー1 レラクタンスピースの円環部
10ー2 レラクタンスピースの円弧状形成部
12 平板状レラクタンスピース
12ー1 平板状レラクタンスピースの円環状部
12ー2 平板状レラクタンスピースの腕

Claims (5)

  1. 固定子ヨークを構成する基板上に固定される空芯コイルを有する固定子と、前記空芯コイルに小空隙を介して面対向する円板状永久磁石を回転自在に軸支した回転子とを有すると共に、不起動回避のためのレラクタンスピースをも備えるアキシャルギャップ形DCブラシレスモータにおいて、前記レラクタンスピースは軸方向に伸長した円弧形成部を有し該円弧形成部が前記円板状永久磁石の内周面に対向するように配置されていること、を特徴とするDCブラシレスモータ。
  2. 前記レラクタンスピースは、磁性体薄板より成り軸方向に伸長する円弧形成部が折り曲げ形成され軸受箱外周端部に固定保持されていること、を特徴とする請求項1に記載のDCブラシレスモータ。
  3. 前記レラクタンスピースは、磁性体焼結部材により成り軸方向に伸長する円弧形成部が一体形成され軸受箱外周端部に固定保持されていること、を特徴とする請求項1に記載のDCブラシレスモータ。
  4. 前記レラクタンスピースは、磁性体部材より成り軸方向に伸長する円弧形成部と共に軸受箱とも一体形成されていること、を特徴とする請求項1に記載のDCブラシレスモータ。
  5. 前記レラクタンスピースは、その円弧形成部が前記空芯コイルの半径方向のコイルサイドに近接して設けられていること、を特徴とする請求項1、2、3及び4に記載のDCブラシレスモータ。
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