JP4000192B2 - 硬化ポリウレタンロール - Google Patents

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本発明は、熱硬化性ポリウレタン用プレポリマー組成物を硬化させて成る印刷ロールや絞液ロール、搬送ロール等のポリウレタンロール(以下、硬化ポリウレタンロールと言う。)に関するものである。
ロール母体に熱硬化性ポリウレタン用プレポリマー組成物を適用したウレタンロールは公知である(例えば、特許文献1と2参照)。
ウレタンプレポリマーを重合したウレタンエラストマーは機械的特性に優れ、それを使用して表面に傷の付き難い高硬度の硬化ポリウレタンロールを得ることが出来る。又、ウレタンエラストマーには耐溶剤性に優れたものもある。しかし、ウレタンプレポリマーには粘度が高く流動性の悪いものがあり、その熱硬化性ポリウレタン用プレポリマー組成物の注型加工時に金型に注入するときの流れ(以下、「型流れ」と言う。)が悪く、熱硬化性ポリウレタン用プレポリマー組成物の攪拌混練時にウレタンプレポリマーに混入した異物の金型注型ラインに設けたストレーナー(微細開口)による捕捉が困難になり、又、注入したキャビティ(金型内部)に熱硬化性ポリウレタン用プレポリマー組成物の未充填部分が生じたり、攪拌混練時に生じた気泡が残留し、品質の安定した高硬度のロール等硬化物が得難くなる。
特開平2−325512号公報。 特開2002−37839号公報。
勿論、可塑剤を配合して高粘度のウレタンプレポリマーを低粘度にすることは出来るが、それでは硬化ポリウレタンロールの硬度その他の物性が低下し、特に、有機溶剤を含むインキや洗浄液に触れて使用される印刷ロールでは可塑剤が抽出されて物性が変化し、有機溶剤に触れない金属板や紙、フィルム等の搬送ロールではブリード(滲み出し)した可塑剤によって金属板や紙、フィルム等が汚染される。
ウレタンプレポリマーを低粘度にする他の方法として、ウレタンプレポリマーの温度を高くする方法もあるが、そのためには原料タンク内でウレタンプレポリマーを高温且つ均一に加熱しなければならず、その加熱によって反応性の高いイソシアネート基が反応してゲル化現象、つまり、粘度が高くなる現象が起き、高温加熱するにも限度がある。
また、硬化ポリウレタンロールには、補強材として、或いは、保湿性や吸湿性、制電性、耐摩擦性等の機能性を付与するために、シリカやカーボンブラック等の機能性充填剤の配合を必要とするものもあるが、その充填剤の配合によってウレタンプレポリマーの粘度が益々高まり、その型流れが更に悪化し、機能性に富み、硬く、傷付き難い高硬度の硬化ポリウレタンロールは得難くなる。
そこで本発明は、可塑剤を配合したり、成型温度を高くしたりせずに、熱硬化性ポリウレタン用プレポリマー組成物の型流れをよくし、キャビティ内に未充填部が発生したり、気泡が残留したりせず、ストレーナーによる異物の除去が可能な低粘度の熱硬化性ポリウレタン用プレポリマー組成物を硬化して高品質の硬化ポリウレタンロールを効率的に得ることを目的とする。
本発明に係る硬化ポリウレタンロールは、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、そのウレタンプレポリマーに対して反応性を有しないイソシアネート化合物に成る稀釈剤と、そのウレタンプレポリマーとイソシアネート化合物に成る稀釈剤との双方に対して反応性を有するオールまたはポリアミンに成る硬化剤を組成分とする熱硬化性ポリウレタン用プレポリマー組成物を硬化させて構成され、そのオールまたはポリアミンに成る硬化剤の有する水酸基(OH)とアミン基(NH 2 )と熱硬化性ポリウレタン用プレポリマー組成物の有するイソシアネート基(NCO)との当量比(OH+NH 2 )/NCOが0.85〜1.1であり、その硬化物の表面のJIS−K−6253に規定の硬度測定法(デュロメーター・タイプA)によるJIS−A硬度が65〜99°であることを第1の特徴とする。
本発明に係る硬化ポリウレタンロールの第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、ウレタンプレポリマーのJIS−K−7301に規定の粘度測定法による80℃での粘度が350〜30000mPa・sである点にある。
本発明に係る硬化ポリウレタンロールの第3の特徴は、上記第1と第2の何れかの特徴に加えて、イソシアネート化合物に成る稀釈剤がJIS−K−7301に規定の粘度測定法による25℃での粘度が3〜1000mPa・sのイソシアネート化合物である点にある。
本発明に係る硬化ポリウレタンロールの第4の特徴は、上記第1と第2と第3の何れかの特徴に加えて、ウレタンプレポリマーの配合量Aとイソシアネート化合物に成る稀釈剤の配合量Bとの配合比B/Aが0.05〜1.50(B/A=0.05〜1.50)である点にある。
本発明の熱硬化性ポリウレタン用プレポリマー組成物に配合されるイソシアネート化合物に成る稀釈剤は、可塑剤と同様にウレタンプレポリマーに対する粘度低下剤として機能するが、可塑剤と異なってポオールまたはポリアミンに成る硬化剤と反応するので、可塑剤のようにブリードすることがない。
このため本発明によると、有機溶剤を含むインキや塗料、洗浄液等の有機溶剤含有組成物に触れて使用されるときでも成分(稀釈剤)が抽出されて変形したり物性が変化することがなく、又、金属板や紙、フィルム等に触れて使用されるときでも成分(稀釈剤)がブリード(滲み出し)してそれらを汚染することがなく、シリカやカーボンブラック等の機能性充填剤に補強され、切り取って質量3.5gfの球形状に調製した試料を20℃のトルエンに168時間浸漬して取り出した浸漬前後の質量変化率が10%以下であり、その球形状に調製した試料を20℃のトルエンに168時間浸漬して取り出し乾燥した浸漬乾燥前後の質量変化率が2%以下となる高硬度で機能性に優れた高品質の硬化ポリウレタンロールを得ることが出来る。
本発明において使用する末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーには、80℃での粘度が350〜30000mPa・sのもの、例えば、(1) エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン等のトリオール、エリスリトール、ペンタエリスリトール等のテトラオール、ソルビトール等のヘキサオール、ショ糖等のオクタノール、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン等のジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の3官能以上のポリアミン、ビスフェノールAやレゾルシン等のフェノールとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドとの付加反応によって得られるポリオールとイソシアネートとの反応で得られるポリエーテル系プレポリマー、(2) ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールとイソシアネートとの反応で得られるポリエーテル系プレポリマー、(3) 前記1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の低分子量ジオール、前記1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン等の低分子量トリオールの1種又は2種以上とアジピン酸、シュウ酸、コハク酸、メチルコハク酸、マロン酸、グルタール酸、セバシン酸、その他の脂肪族ジカルボン酸及びこれらのカルボン酸からなる酸無水物、これらのカルボン酸からなる酸ハライドとの反応によって得られるポリエステルポリオール、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトンを開環重合して得られるポリエステルポリオールとイソシアネートとの反応で得られるポリエステル系プレポリマー、(4) 低分子量ジオール、低分子量トリオールを開始剤としてエチレンカーボネートを開環重合して得られるポリカーボネートポリオール、ひまし油等の天然油脂ポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等のポリオレフィンポリオールとイソシアネートとの反応で得られるプレポリマー、(5) その他、市販のプレポリマーが適用される。
粘度が30000mPa・sを超えるウレタンプレポリマーは、その粘度を下げるために余りにも多量の稀釈剤を必要とし、その稀釈剤の多量配合によって硬化物(硬化ポリウレタンロール)の引張強度や破断伸度等の物性の低下を招き、又、粘度が350mPa・s未満のウレタンプレポリマーは、その分子量が小さく、機能性充填剤を配合しても補強効果が少なく、硬化物(硬化ポリウレタンロール)が脆くなるので使用しない。
また、粘度が350〜1000mPa・sのウレタンプレポリマーでは、反発弾性や耐擦傷性、耐溶剤性が充分な硬化物(硬化ポリウレタンロール)が得難く、それらの物性を改善するために機能性充填剤を配合するときは熱硬化性ポリウレタン用プレポリマー組成物の粘度が高くなるので多量のイソシアネート化合物に成る稀釈剤が必要となり、そのイソシアネート化合物に成る稀釈剤の多量配合によって高品質の硬化ポリウレタンロールが得難くなる。
これらの点を考慮すると、ウレタンプレポリマーには、そのJIS−K−7301に規定の粘度測定法による80℃での粘度が600〜15000mPa・sとなるものを使用することが望まれる。
稀釈剤には、JIS−K−7301に規定の粘度測定法による25℃での粘度が3〜1000mPa・sのイソシアネート化合物、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、1,3−又は1,4−キシリレンジイソシアネート、若しくは、それらの混合物等の芳香脂肪族ジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプトエート等の脂肪族ジイソシアネート、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート及びカルボジイミド変性MDIのようなジイソシアネートのカルボジイミド変性体、ポリメリックMDIのような多環体、ビウレット変性体、アロファネート変性体2量体、3量体など通常のポリウレタンエラストマーの製造に使用されるポリイソシアネート化合物等が適用される。
これらのイソシアネート化合物は、単独で用いても、その二種類以上を混合して用いてもよい。尚、イソシアネート化合物は上記のものに限定されるものではない。
JIS−K−7301に規定の粘度測定法による25℃での粘度が1000mPa・sを超えるイソシアネート化合物は、それによるウレタンプレポリマーの粘度低下効果が少なく、その粘度が3mPa・s未満のイソシアネート化合物はポオールまたはポリアミンに成る硬化剤を介してウレタンプレポリマーと反応するので硬化ポリウレタンロールが脆いものとなる。
これらの点を考慮すると、JIS−K−7301に規定の粘度測定法による25℃での粘度が30〜700mPa・sとなるイソシアネート化合物を稀釈剤に使用することが望まれる。
ウレタンプレポリマーの配合量Aとイソシアネート化合物に成る稀釈剤の配合量Bとの配合比B/Aは、0.05〜1.50(B/A=0.05〜1.50)とするが、それは、その配合比B/Aが0.05未満となるときはイソシアネート化合物に成る稀釈剤によるウレタンプレポリマーの粘度低下効果が少なく、その配合比B/Aが1.50を超えるときは得られる硬化ポリウレタンロールの引張強度や破断伸度等の物性の低下を招き易くなるためである。
これらの点を考慮すると、その配合比B/Aを0.05〜1.00にすることが好ましい。
硬化剤には、ポリオールとポリアミンが使用される。ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、アルカン(炭素数7〜22)ジオール、シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、キシレングリコール、ビスヒドロキシエチレンテレフタレート等のジオール、および、これらのジオールとエチレンオキサイド、プロピレングリコールなどのアルキレンオキサイドとの付加反応によって得られるポリアルキレンポリオール、グリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノール、トリイソプロパノールアミン、および、これらのジオールとエチレンオキサイド、プロピレングリコールなどのアルキレンオキサイドとの付加反応によって得られるポリアルキレングリコールなどの2価あるいはそれ以上の多価アルコールを適用することが出来、これらは単独又は2種類以上の混合物として用いることが出来、また、これらに限定されるものではない。
ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン等のジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の3官能以上のポリアミン、3,3’−ジメチル−4,4’ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂肪族ポリアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジクロロジフェニルメタン(通称MOCA)、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン等の芳香族ポリアミン等の2価あるいはそれ以上の多価アミン化合物を適用することが出来、これらは単独又は2種類以上の混合物として用いることが出来、また、これらに限定されるものではない。
硬化剤には、上記のポリオール化合物とポリアミン化合物を併用することが出来る。硬化剤の有する水酸基(OH)やアミン基(NH2 )と熱硬化性ポリウレタン用プレポリマー組成物の有するイソシアネート基(NCO)との当量比(OH+NH2 )/NCOは、0.85〜1.15とする。それは、この当量比が1.15を超えると、硬化ポリウレタンロールの圧縮永久歪が増し、過剰のアミン基(NH2 )やポリオールが残留してブリードが起こり、更に条件によっては、未反応の水酸基(OH)やアミン基(NH2 )によって硬化ポリウレタンロールに分解が起こり、その寿命が短くなり、他方、この当量比が0.85よりも小さくなると、未反応のイソシアネート基が反応して完全に無くなるまでに時間がかかり、硬度その他の物性が安定した硬化ポリウレタンロールが効率的に得難くなるからである。
これらの点を考慮すると、この当量比が0.9〜1.1となるように硬化剤を使用することが好ましい。
熱硬化性ポリウレタン用プレポリマー組成物には、必要に応じてレベリング剤、艶消し剤、難燃剤、揺変剤、粘着付与剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、反応遅延剤、脱水剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、耐候安定剤、染料、有機顔料、無機顔料、各種強化剤等を適宜配合することが出来る。勿論、これらはイソシアネート基とは反応性を有しないものとする。
熱硬化性ポリウレタン用プレポリマー組成物に配合される補強性、保湿性、吸湿性、制電性、耐摩擦性等の機能性を有するシリカ、カーボンブラック等の機能性充填剤は、硬化ポリウレタンロールの成形時に熱硬化性ポリウレタン用プレポリマー組成物の異物除去のためのストレーナーを通過する程度に微細なものとする。
熱硬化性ポリウレタン用プレポリマー組成物による硬化ポリウレタンロールは、公知の注型方法によって形成される。例えば金型を使用する常圧における注型の場合、金型温度を30〜160℃に設定し、金型に熱硬化性ポリウレタン用プレポリマー組成物を注入して10分から6時間加熱して硬化させ、その後80〜140℃で3〜20時間加熱し、必要に応じ常温で1〜10日間エージングを行う。その硬化過程における温度が30℃よりも低くなると反応が遅過ぎて硬化ポリウレタンロールの硬化不良が起き、その温度が160℃よりも高いと反応が急速に進んで硬化ポリウレタンロールの表面状態が悪くなり、又、その硬化過程で硬化ポリウレタンロールに気泡が生じるので好ましくない。
以下、実施例と比較例によって本発明を具体的に説明するが、その実施例や比較例は、本発明の範囲を限定するものではない。尚、以下の実施例と比較例において、「%」と「部」は重量基準(重量%と重量部)を意味する。
〔熱硬化性ポリウレタン用プレポリマー組成物の組成分〕
実施例と比較例のウレタンプレポリマーには、(A−1)パンデックス370E(大日本インキ工業株製品名;80℃粘度6,000mPa・s)、(A−2)パンデックス330(大日本インキ工業株製品名;80℃粘度6,000mPa・s)、(A−3)パンデックス394E(大日本インキ工業株製品名;80℃粘度2,000mPa・s)を使用する。
実施例と比較例の稀釈剤には、(B−1)カルボジイミド変性MDI(三井武田ケミカル株製品名;コスモネートLL,25℃粘度47mPa・s)、(B−2)カルボジイミド変性MDI(三井武田ケミカル株製品名;コスモネートLK,25℃粘度72mPa・s)、(B−3)ポリメリックMDI(大日本インキ工業株製品名;ハイプロックス1225,25℃粘度180mPa・s)、(B−4)ポリメリックMDI(大日本インキ工業株社製品名;ハイプロックス1222,25℃粘度600mPa・s)、(B−5)トリレンジイソシアネート(三井武田ケミカル株製品名;コスモネートT−80,25℃粘度3mPa・s)を使用する。
実施例と比較例の硬化剤には、(C−1)1,4−ブタンジオール(試薬1級)、(C−2)トリイソプロパノールアミン(試薬1級)、(C−3)3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミンと3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミンの混合物(アルベマール・コーポレーション社製品名;エタキュアー300)、(C−4)1,6−ヘキサンジオール(試薬1級)、(C−5)ポリエチレングリコール#200(試薬1級)を使用する。
〔実施例1〜6と比較例1〜5〕
表1・2・3に示す通り、熱硬化性ポリウレタン用プレポリマー組成物を組成し、その粘度と流動性等の評価を行った。
〔粘度の測定方法〕
ウレタンプレポリマーを80℃に加熱した後、ポリウレタンプレポリマーと稀釈剤を〔表1・2・3〕に示す割合で計量し、ヘラで攪拌し混合する。その混合物を80℃に調整した後、600〜1,200Pa(4.5〜9mmHg)の減圧下で脱泡する。
脱泡後、300mlのビーカーに移し、オーブンに入れて水銀温度計で温度を確認しながら85℃になるまで加熱する。
その85℃の混合物をオーブンから取り出し、単一円筒形回転粘度計(リオン社製VT−04E型)によって混合物の温度80℃の時の粘度を測定する。
〔流動性(濾過性)の評価方法〕
直径30cmの容器に120メッシュの金網をはり、80℃のオーブンに入れ予め80℃に加熱したウレタンプレポリマーと稀釈剤の混合物を1,000gを流し込み、最初の45秒間にその70%以上が濾過された混合物の流動性(濾過性)を「濾過容易」、最初の45秒間にその70〜50%が濾過された混合物の流動性(濾過性)を「濾過可能」、最初の45秒間にその50%以下が濾過された混合物の流動性(濾過性)を「濾過困難」と評価する。
硬化ポリウレタンロールの試料作成〕
ウレタンプレポリマーを80℃に加熱した後、ウレタンプレポリマーと稀釈剤を〔表1・2・3〕に示す割合で計量し、ヘラで攪拌し混合する。
その混合物を80℃に調整した後、600Pa〜1,200Pa(4.5〜9mmHg)の減圧下で脱泡する。
脱泡後、その混合物を80℃に調整し、その混合物に〔表1・2・3〕に示す硬化剤を加えてヘラで攪拌し混合して熱硬化性ポリウレタン用プレポリマー組成物を構成する。
その熱硬化性ポリウレタン用プレポリマー組成物を再び600〜1,200Pa(4.5〜9mmHg)の減圧下で脱泡した後、130℃のオーブンで6時間加温(一次硬化)する。
その一次硬化後に熱硬化性ポリウレタン用プレポリマー組成物の硬化物(硬化ポリウレタンロール)を容器から取り出し、110℃で20時間エージング(二次硬化)して硬化物の試料を作成する。
〔硬度の測定〕
上記二次硬化後の硬化物(硬化ポリウレタンロール)の試料の表面硬度を、JIS−K−6253に規定の硬度測定法に従ってデュロメーター・タイプA(JIS−A硬度)で測定する。
〔耐膨潤性試験〕
上記二次硬化後の硬化物から切り取って質量3.5gfの球形状に作成した試験試料を20℃(室温)のトルエンに168時間浸漬して取り出した試験試料の質量を、浸漬前の試験試料の質量で除した膨潤変化率を算出する。
〔形状安定性試験〕
上記二次硬化後の硬化物から切り取って質量3.5gfの球形状に作成した試験試料を20℃(室温)のトルエンに168時間浸漬して取り出し、80℃で72時間乾燥させた試験試料の質量を、浸漬前の試験試料の質量で除した乾燥変化率を算出する。
表1と2に示す通り、本発明実施例に係る硬化物(硬化ポリウレタンロール)は、比較例に係る硬化物(硬化ポリウレタンロール)に比して、硬度が高く、耐膨潤性試験における膨潤変化率と形状安定性試験における乾燥変化率の低いものであった。
また、表3に示す比較例4の硬化物(硬化ポリウレタンロール)は、エージング(二次硬化)過程で溶融変形し、耐膨潤性試験と形状安定性試験でトルエンに浸漬したとき変形し、比較例5の硬化物(硬化ポリウレタンロール)にはエージング(二次硬化)過程で内部に空洞が発生した。
Figure 0004000192
Figure 0004000192
Figure 0004000192

Claims (4)

  1. 末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、そのウレタンプレポリマーに対して反応性を有しないイソシアネート化合物に成る稀釈剤と、そのウレタンプレポリマーとイソシアネート化合物に成る稀釈剤との双方に対して反応性を有するポリオールまたはポリアミンに成る硬化剤を組成分とする熱硬化性ポリウレタン用プレポリマー組成物を硬化させて構成され、そのポリオールまたはポリアミンに成る硬化剤の有する水酸基(OH)とアミン基(NH 2 )と熱硬化性ポリウレタン用プレポリマー組成物の有するイソシアネート基(NCO)との当量比(OH+NH 2 )/NCOが0.85〜1.1であり、その硬化物の表面のJIS−K−6253に規定の硬度測定法(デュロメーター・タイプA)によるJIS−A硬度が65〜99°である硬化ポリウレタンロール
  2. 前掲請求項1に記載のウレタンプレポリマーのJIS−K−7301に規定の粘度測定法による80℃での粘度が350〜30000mPa・sである前掲請求項1に記載の硬化ポリウレタンロール
  3. 前掲請求項1に記載のイソシアネート化合物に成る稀釈剤がJIS−K−7301に規定の粘度測定法による25℃での粘度が3〜1000mPa・sのイソシアネート化合物である前掲請求項1と請求項2の何れかに記載の硬化ポリウレタンロール
  4. 前掲請求項1に記載のウレタンプレポリマーの配合量Aとイソシアネート化合物に成る稀釈剤の配合量Bとの配合比B/Aが0.05〜1.50である前掲請求項1と請求項2と請求項3の何れかに記載の硬化ポリウレタンロール
JP2004118466A 2004-04-14 2004-04-14 硬化ポリウレタンロール Expired - Lifetime JP4000192B2 (ja)

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