JP2006002054A - 末端イソシアネート基含有プレポリマーおよびそれを用いたウレタンの製造方法ならびにロール用ポリウレタン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機ポリイソシアネート化合物(c)に対してポリエーテルポリオール(b1)を反応させ、さらにポリオキシテトラメチレングリコール(b2)を反応させて末端イソシアネート基含有プレポリマー(A)を製造する。ここで、前記(b1)は不飽和度が0.05meq/g以下、数平均分子量が4500〜20000、および平均官能基数が1.5〜6.0であり、かつ前記(b2)は数平均分子量が500〜4000、および平均官能基数が2であり、さらに(b1の質量):(b2の質量)=5:95〜95:5となるように(b1)および(b2)を用いる。さらに、前記プレポリマー(A)および平均分子量500以下のポリオール(D)を反応させてポリウレタンを製造する。
Description
前記ポリエーテルポリオール(b1)は不飽和度が0.05meq/g以下、数平均分子量が4500〜20000、および平均官能基数が1.5〜6.0であり、かつ前記ポリオキシテトラメチレングリコール(b2)は数平均分子量が500〜4000、および平均官能基数が2であり、
さらに(b1の質量):(b2の質量)=5:95〜95:5となるように前記ポリエーテルポリオール(b1)およびポリオキシテトラメチレングリコール(b2)を用いることを特徴とするものである。
上述のとおり、本発明においては、水酸基に対してイソシアネート基が過剰の条件下で、まず有機ポリイソシアネート化合物(c)に対してポリエーテルポリオール(b1)を反応させてイソシアネート基含有反応混合物を得る。さらに、得られたイソシアネート基含有反応生成物とポリオキシテトラメチレングリコール(b2)とを水酸基に対してイソシアネート基過剰の条件下で反応させることにより、プレポリマー(A)を製造する。イソシアネート基と水酸基とが反応してウレタン結合等を生じる反応は公知である。
プレポリマー(A)の製造に用いる有機ポリイソシアネート化合物(c)としては、ポリウレタン系エラストマーの製造に一般に用いることができるいずれの化合物も使用することができる。本発明に用いることができる有機ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(以下、2,4−TDIと略す)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4'−MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、4,4'−MDIと略す)、および4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(クルードMDI)等の芳香族ポリイソシアネート化合物;1,3−キシレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、およびテトラメチルキシレンジイソシアネート等のアラルキルポリイソシアネート化合物;トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、および2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート等の脂肪族ポリイソシアネート化合物;1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソアネート、および1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ポリイソシアネート化合物;ならびに、前記ポリイソシアネート化合物のカルボジイミド変成体、ビウレット変成体、アロファネート変成体、二量体、三量体等が挙げられる。 これらのうち本発明においては、芳香族ポリイソシアネート化合物を用いることが好ましく、2,4−TDI、2,6−TDI、および4,4'−MDIから選ばれる少なくとも一種を用いることがさらに好ましい。有機ポリイソシアネート化合物は単独で、または2種以上混合して用いることができる。
本発明で用いるポリエーテルポリオール(b1)は、ポリオキシアルキレンポリオールが好ましく、ポリオキシプロピレンポリオールが特に好ましい。ポリエーテルポリオール(b1)は、不飽和度が0.05meq/g(ミリ当量/g)以下であることが好ましく、0.01meq/g以下であることがさらに好ましい。不飽和度が0.05meq/g以下のものを用いることにより、最終的に得られるウレタン硬度を低くした場合でも、圧縮永久歪みが小さいウレタンを製造することができ、このウレタンはロール用として特に好ましい。また、硬度および圧縮永久歪み等の物性のバランスが非常に優れたウレタンが得られることから、ポリエーテルポリオール(b1)の数平均分子量は4500〜20000であることが好ましく、5000〜10000であることがさらに好ましい。また、ポリエーテルポリオール(b1)の1分子当たりの平均官能基数は1.5〜6.0であることが好ましく、2〜4であることがさらに好ましい。
数平均分子量=(56100/OHv)×1分子当たりの平均官能基数
を用いて計算した値をいう。ここで、水酸基価とは、JIS K1557 6.4に準拠して測定した値である。
本発明に用いるポリオキシテトラメチレングリコール(b2)は、数平均分子量が500〜4000であることが好ましく、650〜3000であることがさらに好ましい。また、ポリオキシテトラメチレングリコール(b2)の1分子当たりの平均官能基数は2であることが好ましい。
本発明のプレポリマー(A)の製造方法においては、ポリエーテルポリオール(b1)およびポリオキシテトラメチレングリコール(b2)の使用量が、(b1の質量):(b2の質量)=5:95〜95:5であることが好ましく、20:80〜60:40であることがさらに好ましく、20:80〜50:50であることが特に好ましい。プレポリマー(A)を製造する場合に、ポリエーテルポリオール(b1)を用いずにポリオキシテトラメチレングリコール(b2)のみを用いて得られるポリウレタンは、テーバー摩耗量が低くなるものの、圧縮永久歪みは高くなり、摩擦係数が低いものになりやすい。一方、プレポリマー(A)を製造する場合に、ポリオキシテトラメチレングリコール(b2)を用いずにポリエーテルポリオール(b1)のみを用いて得られるポリウレタンは、圧縮永久歪みが低く、摩擦係数は高くなるが、テーバー摩耗量が多くなる傾向にある。本発明のように、プレポリマー(A)を製造する場合にポリエーテルポリオール(b1)およびポリオキシテトラメチレングリコール(b2)を併用することにより、圧縮永久歪み、摩擦係数、およびテーバー摩耗量の間のバランスが優れたウレタンを製造することができる。
プレポリマー(A)は、具体的には以下のように製造することが好ましい。
有機ポリイソシアネート化合物(c)に、まずポリエーテルポリオール(b1)を反応させ、さらにポリオキシテトラメチレングリコール(b2)を反応させる。有機ポリイソシアネート化合物(c)に含まれるイソシアネート基(NCO)の当量と、ポリエーテルポリオール(b1)およびポリオキシテトラメチレングリコール(b2)の水酸基(OH)の合計の当量とをNCO当量/OH当量=1.2〜4.0とすることが好ましく、1.5〜2.5とすることがさらに好ましい。また、得られるプレポリマー(A)のイソシアネート基含有量(NCO含量)は0.3〜35質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%がさらに好ましく、1〜10質量%がさらに好ましい。
本発明においては、上記プレポリマー(A)とポリオール(D)を反応させることにより、ウレタンを製造することが好ましい。ここで、ポリオール(D)は、プレポリマー(A)のいわゆる架橋硬化剤として作用するものであり、平均分子量500以下のポリオールまたはポリオールの混合物であることが好ましい。本発明に用いることができるポリオール(D)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、並びにこれらのポリオールへのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加物、およびビスフェノールAへのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加物等が挙げられる。好ましいポリオール(D)としては、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、およびこれらの混合物からなる群から選ばれるポリオールである。ここで、上記のポリオールへのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加物、および上記のビスフェノールAへのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加物の平均分子量とは、それら付加物の水酸基価(OHv、単位はmgKOH/g)に基づいて以下の式:
平均分子量=(56100/OHv)×1分子当たりの平均官能基数
を用いて計算した値をいい、ここで1分子当たりの平均官能基数とはエチレンおよび/またはプロピレンオキシド付加のための開始剤として用いた原料化合物1分子当たりの平均活性水素原子数をいう。
本発明においては、上記プレポリマー(C)とポリオール(D)を反応させてポリウレタンを製造する。この場合、イソシアネート基と水酸基の当量比(NCO/OH)が好ましくは0.8〜1.5となるような割合で、プレポリマー(C)とポリオール(D)とを混合することによってウレタンを製造することが好ましい。プレポリマー(C)とポリオール(D)がともに常温で固体や高粘度である場合は予めこれらを加熱して液状とした後、混合攪拌することが好ましい。この混合物を例えば約80℃〜150℃に加熱硬化させてウレタンを得ることができる。この硬化反応の際にも、所望により公知のウレタン化触媒や三量化触媒を用いることができる。
本発明のポリウレタンには、所望により、可塑剤、消泡剤、レベリング剤、艶消し剤、難燃剤、揺変剤、粘着付与剤、増粘剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、反応遅延剤、脱水剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、耐候安定剤、染料、無機顔料、有機顔料、および体質顔料等から選ばれる公知の添加剤を適宜配合することができる。
123gの2,4−TDIに、ポリオキシプロピレントリオール(PPG−2)を219g加え、窒素雰囲気下で、90℃×3時間攪拌して反応させた。反応途中のイソシアネート基含量を滴定により測定し、イソシアネート基含量の減少が止まってから、次にポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG2000)を658g加え、窒素雰囲気下、90℃で更に1.5時間攪拌して反応させた。反応途中のイソシアネート基含有量を滴定により測定し、イソシアネート基含有量の減少が止まった時点で加熱を停止して、イソシアネート含有量2.85質量%のプレポリマー(p1)を合成した。
実施例1と同様の方法を用いてイソシアネート基含有プレポリマー(p2〜p9)を製造した。ただし、実施例1で用いた原料に代えて、表1の実施例2〜7、比較例1〜2に示す各原料を用いた。得られたプレポリマー(p2〜p9)のイソシアネート含量の結果を表1に示した。また、実施例3においては、PPG−2の代わりに、PPG−1とPPG−3の混合物を用いた。
(実施例8〜14、および比較例3〜4)
上記合成例で合成したプレポリマー(p1〜p9)のそれぞれ100質量部に対し、表2に示した質量部の1,4−ブタンジオール(分子量90.12)とトリメチロールプロパン(分子量134.0)を1:1(モル比)で混合した混合物を架橋硬化剤として添加し、硬化させてポリウレタンを得た。具体的には、プレポリマー(p1〜p9)の100質量部を60℃に予備加熱し、表2に示した量の架橋硬化剤を加え、均一になるように攪拌混合した。これをすばやく減圧脱泡した後、130℃に予備加熱しておいたJIS K6262に準じた圧縮永久歪み測定用サンプルの成型用金型およびシート成型用金型に注ぎ、130℃で20分間加熱した。その後、各金型からポリウレタンを脱型し、さらに、125℃で16時間加熱硬化させた。これをさらに、7日間常温に静置して熟成させ、各種物性測定用試料を得た。このとき、プレポリマー(p1〜p9)と架橋硬化剤との混合比は、いずれの場合もイソシアネート基/水酸基の当量比が1.05となるようにした。
上記のようにして得られた物性測定用試料を用いて物性評価を行った。A硬度の測定は、JIS K6253に準拠して行った。摩擦係数は、JIS K7312に準拠して測定した。テーバー摩耗量(耐摩耗性の指標)は、JIS K6264に準拠し、荷重4.9Nで、試験回数1000回で測定した値を示した。圧縮永久歪みは、JIS K6262に準拠し、圧縮永久歪み測定用サンプルの成型用金型とシート成型用金型を用いて作成したポリウレタンシートを用いて測定した。得られた評価結果を表2に示した。
このような優れた特性は特にロール用に用いるポリウレタンとして好ましい。
Claims (3)
- 水酸基に対しイソシアネート基過剰の条件下で、有機ポリイソシアネート化合物(c)に対してポリエーテルポリオール(b1)を反応させた後さらにポリオキシテトラメチレングリコール(b2)を反応させることを特徴とする、末端イソシアネート基含有プレポリマー(A)の製造方法であって、
前記ポリエーテルポリオール(b1)は不飽和度が0.05meq/g以下、数平均分子量が4500〜20000、および平均官能基数が1.5〜6.0であり、かつ前記ポリオキシテトラメチレングリコール(b2)は数平均分子量が500〜4000、および平均官能基数が2であり、
さらに(b1の質量):(b2の質量)=5:95〜95:5となるように前記ポリエーテルポリオール(b1)およびポリオキシテトラメチレングリコール(b2)を用いる末端イソシアネート基含有プレポリマー(A)の製造方法。 - 請求項1記載の前記末端イソシアネート基含有プレポリマー(A)、および平均分子量500以下のポリオール(D)を反応させることを特徴とするポリウレタンの製造方法。
- 請求項2に記載の製造方法を用いて製造されたポリウレタンからなるロール用ポリウレタン。
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JP2008013764A (ja) * | 2006-07-01 | 2008-01-24 | Bayer Materialscience Ag | 高融点ポリイソシアネートベース発泡固体ポリウレタンエラストマー並びにその製造方法および使用 |
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