JP4000172B2 - GaN系半導体発光素子の製造方法 - Google Patents
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そこで本発明者らは、大面積で高品質でありかつ安価な結晶基板を用いることに着目し、この要件に合致した結晶基板として、Si基板に着目した。Si基板は、シリコンウエハとして知られるように、融液からの結晶引き上げ法で得られる高品質なバルク結晶から大量に生産できる、高品質でかつ安価な結晶基板である。
またさらに、本発明者等がSi基板を用いてGaN系発光素子を実際に製作したところ、高品質なGaN系結晶が成長し難いという問題だけでなく、GaN系結晶が発する緑色〜紫外の短波長光がSi基板に吸収されるために、外部への光の取り出し量がさらに低くなっているということがわかった。
(1)全反射角の制限が緩められた凹凸状の光の取出し面を有するGaN系半導体発光素子の製造方法であって、
表面に凹凸が所定のパターンにて形成された基板上に、バッファ層を介してまたは直接的に該凹凸を覆うようにGaN系結晶を成長させて、GaN系結晶層からなる積層構造を形成した後、該基板だけを選択的に除去し得るエッチングにて、上記バッファ層および/または積層構造を、上記パターンを反転させたパターンの凹凸を呈すように露出させることにより、上記の光の取出し面を得ることを特徴とする、製造方法。
(2)上記積層構造の形成に際して、上記凹凸の凹部内にもGaN系結晶を成長させる、上記(1)記載の製造方法。
(3)上記積層構造の形成に際して、GaN系結晶を上記凹凸の凹部内に空洞が残らないように成長させる、上記(1)または(2)記載の製造方法。
(4)上記基板がSi基板である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
本発明によるGaN系発光素子は、図1(a)の素子構造の断面図、図1(b)の素子下面を見せた斜視図に示すように、Si基板1上にGaN系結晶層からなる積層構造Sを成長させてなる構造を有する。以下、Si基板を単に「基板」ともいう。積層構造Sは、p型層3と、n型層5と、これらの間に位置する発光層4とを有し、さらにn型電極(下部電極)P1、p型電極(上部電極)P2が設けられ、電流注入によって発光可能な発光素子構造となっている。Si基板1には開口mが設けられ、該開口の内部には、バッファ層及び/又は積層構造(図1の例ではバッファ層の下面)が露出する構成となっている。
残存するSi基板は、フリップチップ実装であれば発光層から発せられた光のうちの一部の光の取出しを阻害する危惧が、また通常姿勢の実装であれば発光層から発せられた光の一部を吸収する危惧が若干はある。しかし、残存するSi基板と対向する部分にp電極を形成せず、Si基板が残存しない部分と対向する発光層部分を発光させることなどによってかかる危惧は容易に解消することができる。
図1の例では、積層構造Sの構成は、下側から順に、GaN系n型コンタクト層3(n型クラッド層と兼用)、GaN系発光層4、GaN系p型コンタクト層6が気相成長によって積層されたものとなっている。コンタクト層やクラッド層などは、専用の層として設けてもよい。電極P1、P2は、電流注入が可能なように、基板を含めた素子構造全体のp型側、n型側に適宜設けてよい。
GaN系低温成長(高温成長)バッファ層の材料、形成方法、形成条件は、公知技術を参照すればよい。当該GaN系発光素子をフリップチップ実装し、開口から光を取り出す場合、バッファ層を除去しないのであれば、該バッファ層の材料は、発光層のGaN系材料よりも大きいバンドギャップのものを選択するのが好ましい。
図2(a)は、開口を、基板の下面中央の穴として形成した態様である。この態様は、開口が1つの大面積の通過口であり得ると共に、基板の機械的強度も確保され、好ましい態様である。開口形状は、素子分断されたベアチップの外周形状が通常方形であることから、同図のように方形状とすることが好ましいが、他の多角形、円形、楕円形など、任意の形状であってもよい。
また、図2(b)は、図2(a)の態様からさらに基板の側壁部を除去した態様であり、図2(c)は、開口を基板下面の中央には設けず、基板側部を切り欠いた態様を例示している。これらの態様は、電極面積は、図2(a)の態様に比べて小さいが、光が側方に広がりやすいという利点がある。
より具体的な一例をあげると、図2(a)の態様では、基板下面の形状が1mm×1mmの方形の場合、開口形状は(0.9mm×0.9mm)〜(0.8mm×0.8mm)程度の方形が好ましい例である。
当該製造方法では、図3(a)に示すように、Si基板1上に、バッファ層を介してまたは直接的に、GaN系結晶層からなる上記積層構造Sを気相成長によって形成し、該工程の後に、図3(b)に示すように、Si基板に、該基板の下面の側から開口mを加工し、該開口内にバッファ層および/または積層構造を露出させる。同図の例では、バッファ層の下面が露出している。電極の加工時期は限定されないが、基板下面の下部電極については、基板の下面全面に電極を形成した後に、開口を加工する手順が容易であり、開口内への電極の入り込みも抑制される。図3では、電極は図示していない。
GaN系材料には影響を与えずSi基板だけを選択的にエッチングできるウエットエッチング方法は、開口深さを制御する必要が無いので好ましい。一方、Si基板のみならず意図的にバッファ層や積層構造の最下層の一部までも除去してもよく、その場合には、両材料系に対して無差別的にエッチング可能な物理的エッチング性の強いドライエッチング方法を採用すればよい。
Si基板上へのGaN系結晶成長にこのような成長手法を取り入れることによって、GaN系結晶の横方向(ラテラル)成長や、ファセット成長が可能になり、成長するGaN系結晶層の転位密度を有効に低減することができる。
この結果、図4(a)に示すように、凹部底面、凸部上面に、三角形断面を呈するGaN系結晶3aを成長させることができる。2はバッファ層である。GaN系結晶をいったん三角形断面を呈するように成長させた時点で、成長温度を上昇させるなど成長条件を変えることによって、図4(b)に示すように、上面が平坦化された結晶層3へと成長させることができる。この一連の操作によって、図4(a)の結晶内にあった転位(C軸方向に伝播する)は、ファセット面(三角形の斜面)で横方向に曲げられ、GaN系結晶層3の上面には転位密度の低い領域が生じ、発光層での高出力化に寄与する。以下、この成長法を「凹凸ファセット成長法」と呼ぶ。
図4(c)の例では、開口内に現われた凹凸の表面はバッファ層2であって、一部にGaN系結晶層3が露出しているが、最初の基板凹凸へのバッファ層の形成状態によっては、開口内にバッファ層だけが露出する場合もある。また、バッファ層を介さない成長では、当然にGaN系結晶層3だけが凹凸を呈して露出する。従って、これらの露出態様から、「開口の内部には、バッファ層および/または積層構造が露出している」と言うことができる。開口内に露出したバッファ層は、エッチングによって除去してもよい。
また、この場合に重要な点は、開口による光吸収低減効果、基板凹凸による転位密度の低減効果という個々の効果のみならず、開口加工によって凹凸面を露出させた結果、光取出し効率が著しく向上する効果がある。即ち、通常実装の場合は、界面が空気層(或いは反射防止膜、樹脂)と接するため反射率が向上する。また、全反射角の制限でLEDチップから脱出できなかった光が、凹凸の効果で光の進行方向がランダム化され、LEDチップの外部に取出され易くなる。フリップチップ実装の場合は、光の取出し面が凹凸上になるため、上記全反射角の制限が緩み、光取出し効率が向上する。
これらの態様によって、発光層から上方に向かった光L1は下方に反射され、、さらに、開口内露出面での反射が抑制され、出力がより向上する。
本実施例では、フリップチップ実装用の発光素子として、図2(a)に示す開口形状、図4(c)に示す開口断面形状を有するGaN系発光素子を形成した。
Si(111)基板の面にフォトレジストによるストライプ状のパターニング(幅3μm、周期6μm、ストライプ方位:ストライプの長手方向が、その上に成長するGaN結晶にとって〈11−20〉方向)を行い、1.5μmの深さまで断面方形となるよう湿式エッチングし、表面がストライプ状パターンの凹凸となったSi基板を得た。
上記で得られたLED素子をフリップチップ実装し、エポキシ樹脂で封止し、20mA通電にて波長400nmでの出力および駆動電圧を測定したところ、それぞれ18mWおよび3.8Vであった。
本実施例では、通常実装用の素子とすべく、p型GaNコンタクト層表面には透明p型電極(反射防止膜と兼用)を形成し、開口内に露出したAlN低温成長バッファ層の表面に反射コーティングを形成したこと以外は、上記実施例1と同様にして、GaN系LEDを実際に製作した。
実施例1と同様の条件でLEDを評価したところ、出力は16mW、駆動電圧は3.8Vであった。
本比較例では、Si基板の表面に凹凸を設けずに、上記実施例1と同様のGaN系結晶からなる素子構造を成長させて、フリップチップ実装用のGaN系発光素子を製作した。また、基板の下面には開口を設けず、基板の下面全面に透明電極を形成した。
実施例1と同様の条件でLEDを評価したところ、駆動電圧は3.8Vであったが、出力は5mWと低く、また、n型GaN層上面の転位密度は1×109cm-2であった。
2 バッファ層
S GaN系結晶層からなる積層構造
P1 電極
P2 電極
m 開口
Claims (4)
- 全反射角の制限が緩められた凹凸状の光の取出し面を有するGaN系半導体発光素子の製造方法であって、
表面に凹凸が所定のパターンにて形成された基板上に、バッファ層を介してまたは直接的に該凹凸を覆うようにGaN系結晶を成長させて、GaN系結晶層からなる積層構造を形成した後、該基板だけを選択的に除去し得るエッチングにて、上記バッファ層および/または積層構造を、上記パターンを反転させたパターンの凹凸を呈すように露出させることにより、上記の光の取出し面を得ることを特徴とする、製造方法。 - 上記積層構造の形成に際して、上記凹凸の凹部内にもGaN系結晶を成長させる、請求項1に記載の製造方法。
- 上記積層構造の形成に際して、GaN系結晶を上記凹凸の凹部内に空洞が残らないように成長させる、請求項1または2に記載の製造方法。
- 上記基板がSi基板である、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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