JP4000156B2 - ガラス状炭素製誘導発熱体及び加熱装置 - Google Patents

ガラス状炭素製誘導発熱体及び加熱装置 Download PDF

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Description

本発明は、シリコンウェハなどの被加熱物を加熱処理する際に、電磁誘導によって誘導発熱させる発熱体として用いられるガラス状炭素製誘導発熱体、及び、このガラス状炭素製誘導発熱体を用いた加熱装置に関するものである。
高周波誘導コイルへの通電により発熱体を誘導発熱させ、発熱体の誘導発熱によって被加熱物を加熱する誘導加熱方式は、半導体集積回路製造プロセスでのシリコンウェハの加熱処理をはじめとして、急速な昇温、均一な加熱、及び優れた温度応答性(制御性)などが要求される用途によく用いられている。このような電磁誘導によって誘導発熱する発熱体に求められる一般的な特性は、一定の導電率を有すること、発熱状態(加熱状態)においても化学的、物理的に安定なこと、熱膨張係数が小さいことなどである。さらに、半導体集積回路製造プロセスでのシリコンウェハの加熱処理に用いる場合、発熱体には金属などの不純物発生が極めて少ないことが要求される。
従来使用されて来た誘導発熱体の材料は、金属系材料と黒鉛をはじめとする炭素材料とに大別できる。このうち、金属材料は、加工が容易で比較的安価という特長があるものの、金属不純物を発生する懸念や、耐食性の問題があるため、半導体集積回路製造プロセスには適さない。また、黒鉛をはじめとする炭素材料は、金属材料よりも耐食性が高く、金属不純物を発生する問題も少ないが、それ自体が炭素微粉などのパーティクルを発することは避けがたい。そのため、表面に炭化珪素(SiC)、あるいはガラス状炭素(GLC)をコーティングした発熱体が使用されることが多い。しかし、この発熱体については、そのコーティングが剥れてパーティクルとなったり、コーティングの欠陥を通して内部からパーティクルが生じたりするという問題が指摘されている。
一方、ガラス状炭素は、導電性を備えており、誘導発熱体の材料として使用可能であるとともに、耐熱性、耐食性、ガス不透過性及び低発塵性などに優れている。
そのため、従来より、半導体集積回路製造プロセスで用いられるガラス状炭素製の誘導発熱体が知られている(例えば、特開平8−181150号公報、特開2003−151737号公報)。
しかしながら、従来のガラス状炭素製誘導発熱体では、加熱効率の点で必ずしも満足のいく結果は得られていなかった。
特開平8−181150号公報(第3頁、図2) 特開2003−151737号公報(第2頁、図1)
そこで本発明の課題は、シリコンウェハなどの被加熱物の誘導加熱による加熱処理に用いられる加熱効率に優れたガラス状炭素製誘導発熱体及び加熱装置を提供することにある。
前記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
請求項1の発明は、電磁誘導によって誘導発熱するガラス状炭素製誘導発熱体において、被加熱物との対向面及び被加熱物との非対向面の表面粗さを調整することにより、被加熱物との非対向面の赤外線放射強度(E2)に対する被加熱物との対向面の赤外線放射強度(E1)の比(E1/E2)が、1.2を超える赤外線放射特性を有することを特徴とするガラス状炭素製誘導発熱体である。
請求項2の発明は、請求項1記載のガラス状炭素製誘導発熱体と、このガラス状炭素製誘導発熱体の外方に配置され、該ガラス状炭素製誘導発熱体を誘導発熱させるための高周波誘導コイルとを備え、前記高周波誘導コイルへの通電により前記ガラス状炭素製誘導発熱体から放射される赤外線によって被加熱物を加熱することを特徴とする加熱装置である。
請求項3の発明は、請求項2記載の加熱装置において、内側に前記ガラス状炭素製誘導発熱体を収容するとともに、外側に前記高周波誘導コイルが配置される反応容器を備えていることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項3記載の加熱装置において、前記反応容器の外周面を覆う炭素繊維低密度成形物からなる被覆材を備えていることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項2〜4のいずれか1項に記載の加熱装置において、前記ガラス状炭素製誘導発熱体が円筒状をなし、内側に被加熱物が収容されるものであることを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項3記載の加熱装置において、前記ガラス状炭素製誘導発熱体が平板状をなし、それに近接して被加熱物が配置されるものであることを特徴とするものである。
このように、前記の請求項1の発明は、ガラス状炭素製誘導発熱体に係るものである。
また、前記の請求項2〜6の発明は、請求項1の発明によるガラス状炭素製誘導発熱体を備えた加熱装置に係るものである。
本願発明のガラス状炭素製誘導発熱体は、被加熱物との非対向面の赤外線放射強度(E2)に対する被加熱物との対向面の赤外線放射強度(E1)の比(E1/E2)が、1.2を超える赤外線放射特性を有するように形成されている。
これにより、加熱装置に誘導発熱体として適用されることで、ガラス状炭素製誘導発熱体自体の昇温と、該誘導発熱体にとっては放熱となるところの、該誘導発熱体11の被加熱物との対向面による被加熱物に対する赤外線の放射とをバランス良く行うことができ、同一投入電力において、前記赤外線放射特性((E1/E2)>1.2)を有しないものに比べて、高い加熱効率を得ることができる。
また、本願発明の加熱装置によれば、前記の赤外線放射特性が付与されたガラス状炭素製誘導発熱体を備え、高周波誘導コイルへの通電によりこのガラス状炭素製誘導発熱体から放射される赤外線によって被加熱物を加熱するようにしたものであるから、優れた加熱効率を発揮することができる。
また、本願発明の加熱装置において、内側にガラス状炭素製誘導発熱体を収容するとともに、外側に高周波誘導コイルが配置される反応容器を備え、この反応容器の外周面を覆う炭素繊維低密度成形物からなる被覆材を備えているものでは、反応容器表面からの放熱をも防止して、前記被覆材を有しないものに比べてより高い加熱効率を得ることができる。
本発明のガラス状炭素製誘導発熱体及びそれを用いた加熱装置について説明する。
従来、誘導加熱方式における加熱効率は、誘導発熱体に与えられる高周波磁界のパワー、高周波誘導コイルの配置、及び高周波誘導コイルと誘導発熱体との距離など、装置パラメーターの最適化により達成されると考えられていた。しかしながら、本発明者は、加熱効率に影響する因子を種々検討した結果、前記の装置パラメーターだけでなく、ガラス状炭素製発熱体自体の赤外線放射率(赤外線放射強度)が大きく影響することを突き止め、本発明をなしたものである。
すなわち、炭素材料は一般に赤外線放射率(赤外線放射強度)の高い材料として知られているが、本発明者によると、ガラス状炭素製部材の赤外線放射率は、表面粗さ状態によっては40%以下と小さいことがあり、しかも表面粗さ状態によって大きく変動するということがわかった。この性質のために、ガラス状炭素製部材にある高周波磁界を与えて、所定の温度まで加熱しても、そのガラス状炭素製部材からの放熱量は赤外線放射率(赤外線放射強度)によって大きく異なることになる。
本発明のガラス状炭素製誘導発熱体は、被加熱物との対向面及び被加熱物との非対向面の表面粗さを調整することにより、被加熱物に対向する対向面の赤外線放射強度(E1)を、被加熱物に対向しない非対向面の赤外線放射強度(E2)より1.2を超えるように大きくすることによって、加熱効率を大幅に改善したものである。つまり、本発明のガラス状炭素製誘導発熱体は、表面粗さを調整することで被加熱物に対していわば選択的に赤外線を放射するようにしたものであり、これにより、ガラス状炭素製誘導発熱体自体の昇温と、該誘導発熱体にとっては放熱となるところの、該誘導発熱体の被加熱物との対向面による被加熱物に対する赤外線の放射とをバランス良く行うことができ、同一投入電力において、このような表面粗さ調整による赤外線放射特性((E1/E2)>1.2)を有しないものに比べて、高い加熱効率を得ることができる。
本発明のガラス状炭素製誘導発熱体においては、被加熱物との対向面及び非対向面の赤外線放射率(赤外線放射強度)は、前述したように、表面粗さによって調整することができる。ガラス状炭素製誘導発熱体においては、その表面粗さは、原料の種類、成形方法、焼成方法、表面処理方法などによって異なるが、一般に、平滑な面ほど赤外線放射率(赤外線放射強度)は小さく、粗い面ほど赤外線放射率(赤外線放射強度)は大きくなる。そこで、ガラス状炭素製誘導発熱体が平板状をなし、その上に被加熱物が載置されるものである場合、被加熱物に対向する面(表面)を粗面とし、その反対側の面(裏面)を平滑にする。また、ガラス状炭素製誘導発熱体が円筒状をなし、その内側に被加熱物が収容されるものである場合、被加熱物に対向する内周面を粗面とし、被加熱物に対向しない外周面を平滑にする。この場合、赤外線放射率(赤外線放射強度)は発熱体内部の欠陥や気泡の多寡によって多少変動することがあるが、通常は、非対向面に対する対向面の表面粗さの比を2倍以上、好ましくは5倍以上とすることで、非対向面の赤外線放射強度(E2)に対する対向面の赤外線放射強度(E1)の比(E1/E2)を、1.2超とすることができる。
図1は本発明の一実施形態による加熱装置の構成を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、この加熱装置10は、円筒状をなし、内側にシリコンウェハなどの図示しない被加熱物が収容されるガラス状炭素製誘導発熱体11と、内側に円柱状空間を形成する円筒状胴部を有してガラス状炭素製誘導発熱体11を収容する石英製の反応容器13と、反応容器13の円筒状胴部の外周面に巻回され、ガラス状炭素製誘導発熱体11を誘導発熱させるための高周波誘導コイル12と、高周波誘導コイル12に交流高周波電力を供給する図示しない高周波電源とを備え、高周波誘導コイル12への通電によりガラス状炭素製誘導発熱体11から放射される赤外線によって被加熱物を加熱処理するものである。ガラス状炭素製誘導発熱体11と高周波誘導コイル12とは、同心状に配されている。
この加熱装置10のガラス状炭素製誘導発熱体11は、その内周面が被加熱物に対向する対向面をなし、外周面が被加熱物に対向しない非対向面をなしており、内周面及び外周面の表面粗さを調整することにより、外周面(被加熱物との非対向面)の赤外線放射強度(E2)に対する内周面(被加熱物との対向面)の赤外線放射強度(E1)の比(E1/E2)が、1.2を超える赤外線放射特性を有している。
このように構成される加熱装置10によると、ガラス状炭素製誘導発熱体11自体の昇温と、該誘導発熱体11にとっては放熱となるところの、該誘導発熱体11の内周面による被加熱物に対する赤外線の放射とをバランス良く行うことができ、同一投入電力において短時間で被加熱物を昇温することができて、前記赤外線放射特性((E1/E2)>1.2)を有しないものに比べて、高い加熱効率を得ることができる。
図2は本発明の他の実施形態による加熱装置の構成を模式的に示す断面図である。被覆材14が付加されている点以外は、前記図1に示される加熱装置10と同一構成なので、該加熱装置10と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる点について説明する。
図2に示すように、この加熱装置10’は、反応容器13の外周面を覆う炭素繊維低密度成形物からなる被覆材14、例えば炭素繊維フェルトを備えている。これにより、この加熱装置10’によると、ガラス状炭素製誘導発熱体11自体の昇温と、該誘導発熱体11にとっては放熱となるところの、該誘導発熱体11の内周面による被加熱物に対する赤外線の放射とをバランス良く行うことができ、さらに、反応容器13表面からの放熱をも防止して、被覆材14を有しないものに比べてより高い加熱効率を得ることができる。
図3は本発明の他の実施形態による加熱装置の構成を模式的に示す断面図である。
図3に示すように、この加熱装置20は、平板状をなし、その上にスペーサー24を介してシリコンウェハなどの被加熱物Wが載置されるガラス状炭素製誘導発熱体21と、内側に直方体状空間を有してガラス状炭素製誘導発熱体21を収容する石英製の反応容器23と、ガラス状炭素製誘導発熱体21の下方、かつ、反応容器23の外側に配され、ガラス状炭素製誘導発熱体21を誘導発熱させるための渦巻き状の高周波誘導コイル22と、高周波誘導コイル22に交流高周波電力を供給する図示しない高周波電源とを備え、高周波誘導コイル22への通電によりガラス状炭素製誘導発熱体21から放射される赤外線によって被加熱物Wを加熱処理するものである。
この加熱装置20のガラス状炭素製誘導発熱体21は、その表面が被加熱物Wに対向する対向面をなし、裏面が被加熱物Wに対向しない非対向面をなしており、表面及び裏面の表面粗さを調整することにより、裏面(被加熱物との非対向面)の赤外線放射強度(E2)に対する表面(被加熱物との対向面)の赤外線放射強度(E1)の比(E1/E2)が、1.2を超える赤外線放射特性を有している。
このように構成される加熱装置20によると、ガラス状炭素製誘導発熱体21自体の昇温と、該誘導発熱体21にとっては放熱となるところの、該誘導発熱体21の表面による被加熱物Wに対する赤外線の放射とをバランス良く行うことができ、同一投入電力において短時間で被加熱物Wを昇温することができて、前記赤外線放射特性((E1/E2)>1.2)を有しないものに比べて、高い加熱効率を得ることができる。
次に、本発明のガラス状炭素製誘導発熱体及びそれを用いた加熱装置の実施例について、以下に説明する。
はじめに、ガラス状炭素製誘導発熱体についての、被加熱物との対向面及び被加熱物との非対向面の赤外線放射強度として、赤外線放射率を測定することについて説明する。赤外線放射率の測定には、装置:日本電子製JIR−5500型のフーリエ変換型赤外分光光度計及び赤外放射測定ユニットIRR−200、試料:3cm角の基板(発熱体自体を装置に装着できない場合は、適宜切り出す)を用いた。赤外線放射率の測定方法は、黒体炉2点(160℃、80℃)及び試料の分光放射強度[実測値]を測定し、これらの強度と黒体の分光放射強度[理論値]とから、試料の分光放射率を求め、求めたその値から積分放射率を算出して、これを赤外線放射率とした。測定条件は、分解能:16cm−1、測定温度:200℃(試料加熱ステージの温度)、波長範囲:4.5〜15.4μmとした。この赤外線放射率の測定を測定対象のガラス状炭素製誘導発熱体の有効発熱面積中における任意の3点に対して行い、それら3点の平均値を採用した。
さて、まず、ガラス状炭素の原料樹脂については、市販の液状フェノール樹脂である群栄化学製PL4804を、減圧下100℃で1時間熱処理して水分率を調整し、これをガラス状炭素原料樹脂とした。
次に、フェノール樹脂製円筒体の成形には、内径60mm、長さ600mmのステンレス製円筒形遠心成形金型を備えた遠心成形機を用いた。なお、前記遠心成形金型は、表面粗さの異なるものを複数用意して、ガラス状炭素製円筒体の外周面の表面粗さを変えられるようにした。そして、遠心成形金型に液状の前記原料樹脂520gを投入し、毎分600回の速度で遠心成形金型を回転させながら金型表面温度80℃にて24時間保持して原料樹脂を硬化させ、フェノール樹脂製円筒体を得た。次いで、このフェノール樹脂製円筒体を250℃で50時間加熱して完全硬化させた後、さらに、窒素雰囲気中にて1000℃で5時間熱処理して炭素化させることにより、外径48mm、肉厚3.2mm、長さ480mmのガラス状炭素製円筒体を得た。
このガラス状炭素製円筒体を複数個用意し、それぞれの内周面に番手の異なるサンドペーパーをかけて表面粗さ(算術平均粗さRa)を調整することにより、図1に示す加熱装置10のガラス状炭素製誘導発熱体11として、実施例1の1〜1の4のガラス状炭素製誘導発熱体を得た。また、比較例1〜3のガラス状炭素製誘導発熱体を作製した。高周波誘導コイル12は、外径6mmφの水冷銅管を内径70mm、コイルピッチ10mmで螺旋状に5回巻いたものである。
加熱試験では、反応容器13内を窒素ガス雰囲気に保持し、高周波誘導コイル12に周波数430kHz、出力1.2kW、電流6Aの条件で高周波電力を供給し、ガラス状炭素製誘導発熱体内側の中心部の温度(熱電対にて測定)が600℃に到達するのに要する時間を測定した。ここでは、ガラス状炭素製誘導発熱体の内側に被加熱物を配置することを想定している。表面粗さ調整方法、ガラス状炭素製誘導発熱体の外周面と内周面についての表面粗さ(算術平均粗さRa)と赤外線放射率、及び加熱試験の結果を表1に示す。
Figure 0004000156
比較例1では、ガラス状炭素製誘導発熱体の外周面は、内面が並み仕上げの遠心成形金型を使用したときの表面粗さとし、内周面は、サンドペーパーをかけず液状樹脂由来の表面粗さとした。このガラス状炭素製誘導発熱体では、被加熱物に対向する内周面の赤外線放射強度(E1)の、被加熱物に対向しない外周面の赤外線放射強度(E2)に対する比(E1/E2)は、本発明の規定を外れた0.95であり、このガラス状炭素製誘導発熱体内側の中心部の温度(≒被加熱物の温度)が600℃に到達するのに52秒を要した。
実施例1の1では、ガラス状炭素製誘導発熱体の外周面は、内面が並み仕上げの遠心成形金型を使用したときの表面粗さとし、内周面は、400番のサンドペーパーをかけて粗面化した表面粗さとした。このガラス状炭素製誘導発熱体では、被加熱物に対向する内周面の赤外線放射強度(E1)の、被加熱物に対向しない外周面の赤外線放射強度(E2)に対する比(E1/E2)は、1.24であり、600℃到達時間は16秒であった。
実施例1の2では、ガラス状炭素製誘導発熱体の外周面は、内面が並み仕上げの遠心成形金型を使用したときの表面粗さとし(実施例1の1と同様)、内周面は、240番のサンドペーパー処理による表面粗さとした。このガラス状炭素製誘導発熱体では、被加熱物に対向する内周面の赤外線放射強度(E1)の、被加熱物に対向しない外周面の赤外線放射強度(E2)に対する比(E1/E2)は、1.41であり、600℃到達時間は13秒であった。
実施例1の3では、ガラス状炭素製誘導発熱体の外周面は、内面が研磨処理された遠心成形金型を使用したときの表面粗さとし、内周面は、実施例1の2と同様に240番のサンドペーパー処理による表面粗さとした。このガラス状炭素製誘導発熱体では、被加熱物に対向する内周面の赤外線放射強度(E1)の、被加熱物に対向しない外周面の赤外線放射強度(E2)に対する比(E1/E2)は、1.51であり、600℃到達時間は11秒であった。
実施例1の4では、ガラス状炭素製誘導発熱体の外周面は、内面が研磨処理された遠心成形金型を使用したときの表面粗さとし(実施例1の3と同様)、内周面は、80番のサンドペーパー処理による表面粗さとした。このガラス状炭素製誘導発熱体では、被加熱物に対向する内周面の赤外線放射強度(E1)の、被加熱物に対向しない外周面の赤外線放射強度(E2)に対する比(E1/E2)は、1.74であり、600℃到達時間は8秒であった。
比較例2では、ガラス状炭素製誘導発熱体の外周面は、内面が80番のブラストで処理された遠心成形金型を使用したときの表面粗さとし、内周面は、400番のサンドペーパー処理による表面粗さとした。このガラス状炭素製誘導発熱体では、被加熱物に対向する内周面の赤外線放射強度(E1)の、被加熱物に対向しない外周面の赤外線放射強度(E2)に対する比(E1/E2)は、本発明の規定を外れた1.05であり、600℃到達時間は46秒であった。
比較例3では、ガラス状炭素製誘導発熱体の外周面は、内面が80番のブラストで処理された遠心成形金型を使用したときの表面粗さとし、内周面は、80番のサンドペーパー処理による表面粗さとした。このガラス状炭素製誘導発熱体では、被加熱物に対向する内周面の赤外線放射強度(E1)の、被加熱物に対向しない外周面の赤外線放射強度(E2)に対する比(E1/E2)は、本発明の規定を外れた1.14であり、600℃到達時間は39秒であった。
このように、同一投入電力において、実施例1の1〜1の4では、比較例1〜3に比べて短時間で温度600℃に到達することができ、高い加熱効率が得られた。ガラス状炭素製誘導発熱体自体の昇温速度は、投入電力と放熱(排熱)速度によって決まると考えられる。ここで、ガラス状炭素製誘導発熱体自体の温度が同じ(一定)であれば、被加熱物との対向面の赤外線放射率が高いガラス状炭素製誘導発熱体の方が、被加熱物は速く昇温する(対向面の赤外線放射率の効果)。一方、ガラス状炭素製誘導発熱体自体の昇温過程を考えると、外部(被加熱物の存在しない側)への放射は、熱の逃げに相当し、ガラス状炭素製誘導発熱体自体は、被加熱物との非対向面の赤外線放射率が小さい方が速く昇温する(非対向面の赤外線放射率の効果)。比較例1〜3に対する実施例1の1〜1の4による温度600℃到達時間の違いは、前記ふたつの要因により内外周面の赤外線放射率(赤外線放射強度)の効果があらわれるものと考えられる。
図2に示す加熱装置10’において、ガラス状炭素製誘導発熱体11として前記実施例1の1と同じガラス状炭素製誘導発熱体を用い、被覆材14として、厚み3mmの炭素繊維フェルト(呉羽化学工業製「クレカFR」)を反応容器13の外周面に巻きつけた。そして、実施例1と同じ条件で加熱試験を行った。その結果、ガラス状炭素製誘導発熱体内側の中心部の温度が600℃に到達するのに要した時間は12秒であった。反応容器13表面からの放熱をも防止して、被覆材14を有しない実施例1の1に比べて、より高い加熱効率を得ることができた。
本発明の一実施形態による加熱装置の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の他の実施形態による加熱装置の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の他の実施形態による加熱装置の構成を模式的に示す断面図である。
符号の説明
10,10’…加熱装置
11…ガラス状炭素製誘導発熱体
12…高周波誘導コイル
13…反応容器
14…被覆材
20…加熱装置
21…ガラス状炭素製誘導発熱体
22…高周波誘導コイル
23…反応容器

Claims (6)

  1. 電磁誘導によって誘導発熱するガラス状炭素製誘導発熱体において、被加熱物との対向面及び被加熱物との非対向面の表面粗さを調整することにより、被加熱物との非対向面の赤外線放射強度(E2)に対する被加熱物との対向面の赤外線放射強度(E1)の比(E1/E2)が、1.2を超える赤外線放射特性を有することを特徴とするガラス状炭素製誘導発熱体。
  2. 請求項1記載のガラス状炭素製誘導発熱体と、このガラス状炭素製誘導発熱体の外方に配置され、該ガラス状炭素製誘導発熱体を誘導発熱させるための高周波誘導コイルとを備え、前記高周波誘導コイルへの通電により前記ガラス状炭素製誘導発熱体から放射される赤外線によって被加熱物を加熱することを特徴とする加熱装置。
  3. 内側に前記ガラス状炭素製誘導発熱体を収容するとともに、外側に前記高周波誘導コイルが配置される反応容器を備えていることを特徴とする請求項2記載の加熱装置。
  4. 前記反応容器の外周面を覆う炭素繊維低密度成形物からなる被覆材を備えていることを特徴とする請求項3記載の加熱装置。
  5. 前記ガラス状炭素製誘導発熱体が円筒状をなし、内側に被加熱物が収容されるものであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の加熱装置。
  6. 前記ガラス状炭素製誘導発熱体が平板状をなし、それに近接して被加熱物が配置されるものであることを特徴とする請求項3記載の加熱装置。
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