JP2005327846A - 基板加熱装置 - Google Patents

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勝 嶋田
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好人 神
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Abstract

【課題】 大口径の基板であっても基板の種類によらず均一に加熱でき、均質な結晶膜や金属膜等を形成できる基板加熱装置を提供する。
【解決手段】 真空装置内で用いられ、通電加熱により発熱する加熱手段により半導体ウェハ等の基板を加熱する基板加熱装置において、加熱手段1を外側加熱部1Aと内側加熱部1Bから構成する。各加熱部1A,1Bはその発熱量が独立に制御され、それぞれの加熱部1A,1BのSiCヒータの抵抗値は、外側加熱部1Aが内側加熱部1Bの1.3倍以上である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、真空内、特定のガス雰囲気内、あるいは大気中等で基板を加熱する基板加熱装置に関するものである。
薄膜形成装置において、基板上に良好な結晶性薄膜、金属膜、金属化合物膜等を形成する成膜では、高温加熱が必要となり、基板加熱を行いながら実施している。真空中で成膜が行われる場合は、接触加熱や対流加熱は難しく、通常、赤外線ランプや各種SiCヒータを用いた輻射による加熱が行われている。
このような加熱成膜を行う場合、基板全面に均質な膜を形成するためには、基板上での温度を均一に高温まで安定に加熱する必要がある。半導体プロセスでは、使用される基板のサイズは大きくなってきており、6〜12インチのサイズが必要とされる。基板加熱装置も基板の大口径化に対応する必要があり、高均一加熱ができる基板加熱装置が望まれている。
SiCヒータを加熱手段として用いた輻射による従来の基板加熱装置の構成を図5に、その加熱手段の平面構成を図6に示す。基板加熱装置全体は成膜室内に設置され、成膜室は真空に排気されている。ヒータ材料としては、近年、高温時でもガス放出が少なく安定なSiCがよく使用されている。11は通電により発熱する1本のSiCヒータからなる加熱手段であり、外側の端子11aと中心の端子11bの間に渦巻き形状にSiCヒータが配設されている。2は成膜するための半導体ウエハ等の基板、3はその基板2を保持するための基板保持部、4は加熱手段11で発生する熱を基板2の方向に反射するためのリフレクタ、5は加熱試料台ケース、6は石英やSiCなどの高温まで安定に使用できる絶縁体からなる熱分散板、7は加熱温度を測定するための熱電対、8は加熱手段11用の加熱電源を含んだ温調器(温度調節器)である。成膜時には、図5の下から上に向かって、スパッタやCVDなどで生成された成膜粒子が移動し、基板2の下面上に薄膜が形成される。
特許第3391699号公報
しかし、このような構造の基板加熱装置では、基板2と基板保持部3の接触部からの熱伝導により、熱が基板2から逃げてしまい、基板2の周辺部の温度が低下する。そのため、基板2の中心部の温度が高くなり、基板2の全面を均一に高温まで加熱することが難しかった。このため、加熱手段11を用いた従来の基板加熱装置では、基板2の全面で均質な結晶膜や金属膜を形成することは難しかった。また、基板2の材料が変わると熱伝導率が異なるため、温度分布が基板2により大きく変化することも問題であった。
本発明の目的は、大口径の基板であっても基板の種類によらず均一に加熱でき、均質な結晶膜や金属膜等を形成できる基板加熱装置を提供することにある。
請求項1にかかる発明の基板加熱装置は、基板を加熱する平板円形の加熱手段を具備する基板加熱装置において、前記加熱手段は、中心点からの距離によって分けられる2つ以上の領域をそれぞれ加熱部として、各加熱部に1以上のヒータを配設し、該各加熱部を前記中心点に対してほぼ対称的な形状としたことを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の基板加熱装置において、前記加熱手段の前記各領域の加熱部の発熱量を制御するための制御手段をもつことを特徴とする。
請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の基板加熱装置において、前記基板の温度を測定する温度測定手段を具備し、前記制御手段は前記温度測定手段で測定した温度に応じて制御され、前記基板の温度分布が制御されるようにしたことを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項1、2又は3に記載の基板加熱装置において、前記中心点からの距離によって分けられた外側の領域の加熱部の発熱量が、該外側の領域より内側の領域の加熱部よりも大きいことを特徴とする。
請求項5にかかる発明は、請求項1に記載の基板加熱装置において、前記加熱手段の各加熱部は通電加熱ヒータからなり、前記各加熱部に同じ電流を流したときに、前記中心点からの距離によって分けられた外側の領域の加熱部の発熱量が、該外側の領域より内側の領域の加熱部の発熱量よりも大きいことを特徴とする。
請求項6にかかる発明は、請求項1,2又は3に記載の基板加熱装置において、前記加熱部の前記中心点からの距離によって分けられた領域は2つであって、外側の領域の加熱部の発熱量は、内側の領域の加熱部の発熱量のほぼ1.3倍以上であることを特徴とする。
請求項7にかかる発明は、請求項1に記載の基板加熱装置において、前記加熱手段の各加熱部は通電加熱ヒータからなり、前記加熱部の前記中心点からの距離によって分けられた領域は2つであって、外側と内側の領域の加熱部に同じ電流を流したとき、外側の領域の加熱部の発熱量は内側の領域の加熱部の発熱量のほぼ1.3倍以上であることを特徴とする。
本発明によれば、大口径の基板を基板の種類によらず均一に加熱することができる基板加熱装置を提供でき、この装置を用いて均質な結晶膜や金属膜を形成できる。
本発明の基板加熱装置の実施例を図面を参照して以下に説明する。図1はその実施例の基板加熱装置を示す図、図2は加熱手段の平面を示す図である。1はSiCヒータからなる加熱手段であり、外周部に配設した外側加熱部1Aとその内周部に配設した内側加熱部1Bからなる。2は成膜するための半導体ウエハ等の基板、3はその基板2を保持するための基板保持部、4は加熱手段1で発生する熱を基板2の方向に反射するためのリフレクタ、5は加熱試料台ケース、6は石英やSiCなどの高温まで安定に使用できる絶縁体からなる熱分散板、7は加熱温度を測定するための熱電対、8は外側加熱部1A用の加熱電源を含んだ温調器、9は内側加熱部1B用の加熱電源を含んだ温調器、10は温調器8の出力に対してある割合rで温調器9の出力を制御するための制御器である。
加熱手段1の外側加熱部1Aは、端子1Aaから内側を半周してからその外側を半周折り返しこれを図2の左上側で繰り返して最外側でほぼ1周し、右下側で外側から内側にかけて半周ずつ折り返しを繰り返して端子1Abに至るよう1本のSiCヒータが配設されている。また、内側加熱部1Bは、端子1Baから外側を半周してからその内側を半周折り返しこれを図2の左上側で繰り返して最内側で右下側に移り、内側から外側にかけて半周ずつ折り返しを繰り返して端子1Bbに至るよう1本のSiCヒータが配設されている。すなわち、加熱手段1の外側加熱部1Aおよび内側加熱部1Bは、同心円状に直径の異なる円環状のSiCヒータを配置して次々に連結していく形状とし、加熱の対称性(円周方向への均一加熱特性)が保たれるようにしてある。本実施例では、6インチ基板の加熱用として、外側加熱部1Aの外径は約18cm、両加熱部1A,1BのSiCヒータ幅は約4mmとしてある。リフレクタ4は高温まで耐えられるようにモリブデン製である。
さて、基板加熱に当たっては、加熱手段1の外側加熱部1Aに温調器8により電流を流し基板2を加熱する。制御器10により外側加熱部1Aに流れる電流に対してある比率rで電流が内側加熱部1Bに流れるように、温調器9に制御信号を出力する。熱電対7で外側加熱部1Aの温度を測定し、温調器8にその測定信号をフイードバックしてある目標の温度になるように制御する。加熱した両加熱部1A,1Bからの輻射により、熱分散板6が加熱され、熱分散板6からの再輻射により基板2が加熱される。
前記した比率rは、測定用の基板上に埋め込んだ複数の熱電対(図示せず)を基板2の箇所に設置して温度分布を測定し、最も均一になる比率rを選択する。このようにして各設定温度で最適な比率rを求めておく。実際の成膜時には設定温度に対応した比率rを用いて加熱すると均一に基板を加熱できる。
通常、基板保持部3からの熱伝導による熱の逃げが最も大きく、基板2の周辺部の温度が下がりやすい。このため、基本的には、基板2の周辺部への加熱量を基板2の中心部より大きくする必要がある。同じ電流量を流した場合(前記比率r=1)に、外側加熱部1Aの発熱量が内側加熱部1Bの発熱量より大きくなるように作製しておく(例えば、外側加熱部1Aと内側加熱部1Bとで単位長当りの発熱量が同じSiCヒータを使用するときは、外側加熱部1AのSiCヒータの全長を内側加熱部1BのSiCヒータの全長より長くする)と、同じ容量の電源を使用できる。また、各加熱部1A,1Bに流す電流を同じにできるため、各加熱部1A,1Bへの負荷を同じにでき長期間安定に使用できる。
外側加熱部1Aへ流す電流と内側加熱部1Bへ流す電流がほぼ同じ場合に、均一性の良い基板加熱を実現するためには、外側加熱部1AのSiCヒータの抵抗値を内側加熱部1BのSiCヒータの抵抗値の1.3倍(長さが1.3倍)以上にすればよいことがわかった。
したがって、外側加熱部1AのSiCヒータの抵抗値を内側加熱部1BのSiCヒータの抵抗値の1.3倍以上に設定した上で、設定温度および基板2の種類に応じて前記比率rを制御することにより、両加熱部1A,1Bに供給する電流量の差をあまり大きくすることなく、均一加熱することができ、両加熱部1A,1B用の電源容量をほぼ同じにできる。
図3に、基板2として6インチのSi基板を用いたときの、基板2上での各設定温度での温度分布(850℃以外は100℃ステップ)を実測した図を示す。ここでは、半径方向に20mm間隔で7個熱電対を埋め込んだ基板を用いている。基板位置0(mm)は中心点である。本実施例では外側加熱部1AのSiCヒータの抵抗値を、内側加熱部1BのSiCヒータの抵抗値の1.4倍になるように設計し、各設定温度に応じて比率rを制御した。100〜850℃までの各温度において、バラツキが±1%と非常に高い精度で均一加熱が実現されていることがわかる。図4に、設定温度に対する基板中心実測温度を示す。ほぼ直線的に増加しており、高温まで安定に温度制御ができている。
なお、上記の説明では、基板2としてSi基板を用いたが、他の基板の場合も同様の手順で各温度で比率rを測定すれば、均一な温度加熱ができる。Si基板より熱伝導率の良い基板の場合は外周部の温度がより低下するため比率rを下げる必要があり、熱伝導率の悪い基板は比率rを上げる必要がある。
また、加熱手段1の加熱部1A,1BのヒータとしてSiCヒータを用いたがこれに限られるものではなく、各種材質のヒータが使用可能である。
また、加熱手段1の加熱部の個数は外側と内側の2個としたが、中心点からの距離によって分けられる2つ以上の領域(つまり、中心部が円形でその外側が順次直径の大きなドーナツ形状)をそれぞれ加熱部として、各加熱部に1本のヒータを配設した加熱手段としても良い。この場合は、各加熱部の発熱量を互いに異ならせる手法として、各加熱部のヒータの抵抗値を互いに異ならせ、さらに最外周の加熱部以外の各加熱部毎に図1における温調器9と制御器10の組をそれぞれ設ければ良い。なお、各加熱部のヒータは2本以上でもよい。
また、以上では薄膜成膜用の基板を加熱する場合に適用した場合について説明したが、他の全ての基板の均一加熱用として使用可能であり、また、真空雰囲気以外に、特定のガス雰囲気内、あるいは大気中等での基板加熱にも使用可能である。
本発明の一実施例の基板加熱装置の説明図である。 図1の加熱手段の平面図である。 基板加熱温度分布の特性図である。 基板加熱特性図である。 従来の基板加熱装置の説明図である。 図5の加熱手段の平面図である。
符号の説明
1:加熱手段、1A:外側加熱部、1Aa,1Ab:端子、1B:内側加熱部、1Ba,1Bb:端子
2:基板
3:基板保持部
4:リフレクタ
5:加熱試料台ケース
6:熱分散板
7:熱電対
8,9:温調器
10:制御器
11:加熱手段

Claims (7)

  1. 基板を加熱する平板円形の加熱手段を具備する基板加熱装置において、
    前記加熱手段は、中心点からの距離によって分けられる2つ以上の領域をそれぞれ加熱部として、各加熱部に1以上のヒータを配設し、該各加熱部を前記中心点に対してほぼ対称的な形状としたことを特徴とする基板加熱装置。
  2. 請求項1に記載の基板加熱装置において、
    前記加熱手段の前記各領域の加熱部の発熱量を制御するための制御手段をもつことを特徴とする基板加熱装置。
  3. 請求項2に記載の基板加熱装置において、
    前記基板の温度を測定する温度測定手段を具備し、前記制御手段は前記温度測定手段で測定した温度に応じて制御され、前記基板の温度分布が制御されるようにしたことを特徴とする基板加熱装置。
  4. 請求項1、2又は3に記載の基板加熱装置において、
    前記中心点からの距離によって分けられた外側の領域の加熱部の発熱量が、該外側の領域より内側の領域の加熱部よりも大きいことを特徴とする基板加熱装置。
  5. 請求項1に記載の基板加熱装置において、
    前記加熱手段の各加熱部は通電加熱ヒータからなり、前記各加熱部に同じ電流を流したときに、前記中心点からの距離によって分けられた外側の領域の加熱部の発熱量が、該外側の領域より内側の領域の加熱部の発熱量よりも大きいことを特徴とする基板加熱装置。
  6. 請求項1,2又は3に記載の基板加熱装置において、
    前記加熱部の前記中心点からの距離によって分けられた領域は2つであって、外側の領域の加熱部の発熱量は、内側の領域の加熱部の発熱量のほぼ1.3倍以上であることを特徴とする基板加熱装置。
  7. 請求項1に記載の基板加熱装置において、
    前記加熱手段の各加熱部は通電加熱ヒータからなり、前記加熱部の前記中心点からの距離によって分けられた領域は2つであって、外側と内側の領域の加熱部に同じ電流を流したとき、外側の領域の加熱部の発熱量は内側の領域の加熱部の発熱量のほぼ1.3倍以上であることを特徴とする基板加熱装置。
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