JP4000055B2 - セグメントリング内でセグメント桁高を異にするセグメントリング構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2本の平行に伸びるシールドトンネルの間をコンクリート躯体で連結して大断面トンネルを構築する際、コンクリート躯体の剛性をシールドトンネルを構築する複数の鉄系セグメントを連結して構成されるセグメントリングの剛性より大きくし、荷重によるセグメントリングの変形がコンクリート躯体の変形により支配されるセグメントリング構造において、曲げモーメントによる鉄系セグメントの継手部の目開きを抑制するためのセグメントリング構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ここで、鉄系セグメントは、鋼板を溶接で組み立てて鋼殻を構成したものや、鋳造等にて製造したものなどを指す。
2本の平行に伸びるシールドトンネルの間を鉄筋コンクリートまたは鉄筋鉄骨コンクリート製のコンクリート躯体で連結して大断面トンネルを構築する際、コンクリート躯体の剛性はシールドトンネルを構成する鉄系セグメントリングの剛性より大きく、荷重による鋼製セグメントリングの変形はコンクリート躯体の変形に支配され、セグメントリング内で大きな曲げモーメントが発生する継手に目開きが発生する。従来、この継手の目開きに対する対応としては、目開きを許容し、継手の強度を高耐力継手を採用して大きくしたり、継手に弾性ワッシャーを採用して継手に発生する曲げモーメントの大きさを低減するようなことが実施されてきた。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−188398号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
継手の強度を高耐力継手を採用して大きくする対応策は、継手用ボルトの大きさを大きくしたり、引張力に対応するために主桁と継手板との溶接部の強度を高める必要がありコストアップにつながるという問題を有する。また、継手に弾性ワッシャ−を用いる対応策は、弾性ワッシャ−という部品を必要とし、継手の連結作業にも時間を要するという問題がある。
【0005】
本発明は、従来技術の持つ前記課題を解決するセグメントリング構造を提供することを目的とする。
【0006】
【問題を解決するための手段】
本第1発明は、前記課題を解決するために、セグメントリング構造において、
互いに平行な2本のシールドトンネル間を鉄筋コンクリートまたは鉄筋鉄骨コンクリート製のコンクリート躯体で連結したセグメント構造において、コンクリート躯体の剛性をシールドトンネルを構築する複数の鉄系セグメントにより構成されるセグメントリングの剛性より大きくし、荷重によるセグメントリングの変形がコンクリート躯体の変形に支配されるとしたセグメントリング構造であって、鉄系セグメントの継手に発生する曲げモーメントが大きくなる部位の鉄系セグメントの桁高を他の部位より小さくしたことを特徴とする。
【0007】
本第2発明は、本第1発明のセグメントリング構造において、前記セグメントリングのコンクリート躯体と連結する部位の鉄系セグメントが撤去されていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図により説明する。
図1に示されるように、互いに平行な2本のシールドトンネル1、2間を鉄筋コンクリートまたは鉄筋鉄骨コンクリート製のコンクリート躯体3で連結し、大断面のトンネルを構築する。シールドトンネル1、2は、複数の鉄系セグメント4を連結したセグメントリング5により構成される。コンクリート躯体3の剛性はセグメントリング5の剛性より大きく、図2に示されるようにコンクリート躯体3が荷重により変形した場合、セグメントリング5の変形はコンクリート躯体3の変形に支配される。
図2は、コンクリート躯体3の荷重による変形によりセグメントリング5が変形する場合の、曲げモーメントの分布を示すもので、コンクリート躯体3の下部とセグメントリング5の連結部近傍に大きな曲げモーメントが発生していることを示している。
【0009】
部材の曲げ曲率φと発生曲げモーメントMは、次の(1)式の関係がある。
M=EI×φ ・・・・(1)
(Mは曲げモーメント、EIは部材の曲げ剛性、Eは弾性係数、Iは断面2次モーメント)
コンクリート躯体3による鉄系セグメント4の曲げ変形量(部材曲げ曲率φと等価)が変化しない(部材曲げ曲率φが変化しない)と仮定すると、弾性係数Eは鉄系セグメントの材料を同様のものとした場合変化しないから、曲げモーメントの大きさを左右するのは断面2次モーメントIである。断面2次モーメントIは鉄系セグメント4の桁高Hの3乗に比例するから、鉄系セグメント4の桁高を1/2とすれば断面2次モーメントIは1/8となり、発生する曲げモーメントMは1/8となる。すなわち、コンクリート躯体3に支配される鉄系セグメント4の変形が変わらない場合に、鉄系セグメント4の桁高Hを小さくすれば、発生する曲げモーメントMを小さくすることができる。
【0010】
図5及び図6は、鉄系セグメント4の継手に応力が作用し、目開きを起こした状態とその際の継手板の変形状体を示すものである。
鉄系セグメント4の継手の目開きは、継手断面に働く軸力Nと曲げモーメントMと鉄系セグメント4の桁高Hにより決定される。
鉄系セグメント4の継手に目開きを起こさせる曲げモーメントMaの大きさは断面の力学的釣り合いから、次の(2)式の関係がある。
Ma=e×H×N・・・・(2)
(eは偏芯釣り合いの距離で、鉄系セグメントの場合が1/2、RCセグメントの場合は1/6、Hはセグメントの桁高、Nは軸力)
上記(2)式から発生する曲げモーメントMを目開きを起こさせる曲げモーメントMaより小さくなるように鉄系セグメント4の桁高Hを決定すれば鉄系セグメント4の継手に目開きは起こらないことになる。
【0011】
例えば、桁高Hが0.5mの鉄系セグメントにおいて、軸力Nが3000kN、発生する曲げモーメントMが1200kNmである継手に対して上記(2)式を適用すると、
Ma=1/2×0.5×3000=750kNm<M=1200kNm
となり、発生する曲げモーメントMがMaより大きいので継手目開きが発生する。
【0012】
大きな曲げモーメントの発生する部位のセグメントの桁高Hを0.4mとすれば断面2次モーメントは桁高0.5mのときの約0.5倍となるから、発生する曲げモーメントMは、
M=1200kNm×0.5=600kNm<Ma=750kNm
となり、発生する曲げモーメントMがMaより小さいので、継手に目開きが発生しない。
【0013】
このような状況で、発生応力度σは、次の(3)式の関係となる。
σ=E×H/2×φ ・・・(3)
(Eは弾性係数、Hはセグメントの桁高、φは部材の曲げ曲率)
φは一定であり、Eも鉄系セグメントの材料で決まる値であるからセグメントの桁高Hを少なくするほうが応力度も小さくなり、断面は有利となるため、鉄系セグメントの薄肉化が図れる。
【0014】
図4は、前記考察に基づいて、互いに平行な2本のシールドトンネル1、2間を鉄筋コンクリートまたは鉄筋鉄骨コンクリート製のコンクリート躯体3で連結したセグメント構造において、コンクリート躯体3の剛性をシールドトンネル1、2を構築する複数の鉄系セグメント4により構成されるセグメントリング5の剛性より大きくし、荷重によるセグメントリング5の変形がコンクリート躯体の変形に支配されるとしたセグメントリング構造であって、セグメントの継手部に発生する曲げモーメントが大きくなる部位すなわちコンクリート躯体3とセグメントリング5との連結部近傍の鉄系セグメント4’の桁高を300mmとし、他の部位の鉄系セグメント4の桁高500mmより小さくした例を示すものである。
【0015】
セグメントリング5を構成する鉄系セグメント4の内、コンクリート躯体3との連結部近傍の鉄系セグメント4’の桁高Hをその他の部位の鉄系セグメント4の桁高より小さくし且つ薄肉化が可能であるため、コンクリート躯体3により2つのシールドトンネル1、2を連結する際、コンクリート躯体3との連結部の鉄系セグメント4の切断撤去作業が容易になる。
【0016】
【発明の効果】
本発明の構成により、互いに平行な2本のシールドトンネルをコンクリート躯体で連結して大断面トンネルを構築する際、コンクリート躯体の剛性がシールドトンネルを構成するセグメントリングの剛性より大きく、セグメントリングの変形がコンクリート躯体の変形により支配されるという条件で、コンクリート躯体とセグメントリングの連結部近傍の鉄系セグメントの桁高を他の部位の桁高より小さくすることにより、コンクリート躯体との連結部近傍に発生する曲げモーメントを小さくすることができ、鉄系セグメントの継手の目開きを抑制すると共に、継手に発生する応力度も小さくすることができ、鉄系セグメントの薄肉化が可能となる。
鉄系セグメントのコンクリート躯体との連結部近傍の桁高を小さくし且つ薄肉化により、大断面トンネル構築のためその部分の切断撤去のための作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のシールトンネルとコンクリート躯体との連結構造を示す図。
【図2】 コンクリート躯体の変形によりセグメントリングが変形することを示す図。
【図3】 セグメントリングの変形による曲げモーメントの発生状況を示す図。
【図4】 本発明のシールドトンネルとコンクリート躯体の連結構造を示す図。
【図5】 鉄系セグメントの継手の目開き状態を示す図。
【図6】 鉄系セグメントの継手の目開きの際の継手板の変形状態を示す図。
【符号の説明】
1:シールドトンネル
2:シールドトンネル
3:コンクリート躯体
4:鉄系セグメント
4’:桁高を小さくした鉄系セグメント
5:セグメントリング
Claims (2)
- 互いに平行な2本のシールドトンネル間を鉄筋コンクリートまたは鉄筋鉄骨コンクリート製のコンクリート躯体で連結したセグメント構造において、コンクリート躯体の剛性をシールドトンネルを構築する複数の鉄系セグメントにより構成されるセグメントリングの剛性より大きくし、荷重によるセグメントリングの変形がコンクリート躯体の変形に支配されるとしたセグメントリング構造であって、セグメントの継手部に発生する曲げモーメントが大きくなる部位の鉄系セグメントの桁高を他の部位より小さくしたことを特徴とするセグメントリング構造。
- 前記セグメントリングのコンクリート躯体と連結される部位の鉄系セグメントが撤去されていることを特徴とする請求項1に記載のセグメントリング構造。
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JP2002374671A JP4000055B2 (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | セグメントリング内でセグメント桁高を異にするセグメントリング構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002374671A JP4000055B2 (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | セグメントリング内でセグメント桁高を異にするセグメントリング構造 |
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