JP4000003B2 - 可変利得増幅器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、可変利得増幅器に関するもので、特に、利得制御電圧もしくは利得制御電流を加えることにより、利得が変化する可変利得増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、周波数の利用効率がよいCDMA(Code Division Multiple Access)システムの開発が盛んである。CDMAシステムにおいては、遠近問題などの理由により、広範囲で細かい送信電力制御が必要である。そのため、この要求を満たす高精度な可変利得増幅器の実現が望まれている。
【0003】
図12は、ギルバート(Gilbert)乗算器を用いた従来の可変利得増幅器(差動形)を示すものである。この回路は、素子ばらつきによる制御精度の劣化が小さいという特長がある。
【0004】
図12に示す回路において、制御電圧VY に対する電圧利得GV は、下記式(1)のようになる。ただし、Aは定数であり、VT は熱電圧である。expは、指数関数を表す。
【0005】
GV =A/{1+exp(VY /VT )} … (1)
exp(VY /VT )>>1であるような範囲では、分母の“1”を無視することができる。よって、下記式(2)のように表すことができる。
【0006】
GV =Aexp(−VY /VT ) … (2)
一般に、高精度な利得制御を行うには、制御電圧VY と利得GV との関係が、ログリニア(log−linear)であることが望まれる。exp(VY /VT )>>1となる範囲であれば、従来の可変利得増幅器においても、制御電圧VY に対して近似的にログリニアの利得変化を実現できる。しかし、exp(VY /VT )>>1となる範囲では利得がかなり小さいため、消費電流および雑音の面で不利である。CDMAのように、広範囲にわたって高精度の利得制御が求められるような用途においては、より広いログリニアな利得制御範囲をもつ回路が望まれる。
【0007】
広範囲で、高精度のログリニアの制御特性を実現するには、上記式(1)の分母の“1”をキャンセルしなければならない。そのためには、下記式(3)が成り立てばよい。
【0008】
VY =VT ln{exp(KVAGC /VT )−1} … (3)
ここで、K(>0)は比例定数であり、VAGC (≧0)は可変利得増幅器の新たな制御電圧である。また、lnは自然対数関数を表す。このとき、上記式(3)を上記式(1)に代入すると、下記式(4)が成り立つ。すなわち、制御電圧VAGC と利得GV とは最大利得値までログリニアとなる。
【0009】
GV =A/{exp(KVAGC /VT )} … (4)
図13に示す可変利得増幅器において、図の左側に示す回路(利得制御電圧の変換部(VAGC →VY ))は、上記式(3)を実現するためのもので、I0 は定電流であり、I1 (≧0)には制御電圧VAGC に応じて、I0 exp(−KVAGC /VT )という電流が流れる。
【0010】
電流I1 ,I2 (=I0 −I1 )はトランジスタQe ,Qf に流れ、ベース・エミッタ間電圧VBEQe,VBEQfを発生する。これらの差分VY =VBEQf−VBEQeは下記式(6)に示すようになり、上記式(3)の関係を満たす。
【0011】
したがって、図13の回路は、広範囲で、高精度のログリニアの利得制御特性を実現できる(詳細については、特開2000−196386号公報参照)。
【0012】
図14は、図12に示した可変利得増幅器と図13に示した可変利得増幅器の、電圧利得特性を対比して示すものである。なお、図の横軸の制御電圧は規格化を行っている。
【0013】
この図からも明らかなように、図13の可変利得増幅器の方が、極めて広範囲(60dB程度)にログリニアの利得特性が実現されていることが分かる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来においては、線形の利得制御電圧(VAGC )の入力に対して、利得が指数関数的に変化する、つまり指数関数的な利得制御特性G=1/exp(KVAGC /VT )を実現できるものの、利得が大きくなるほど、ダイナミックレンジが小さくなり歪みが発生しやすくなる(悪化しやすくなる)という問題があった。
【0015】
すなわち、出力電圧波形の負の半周期においては、出力負荷の接続されているトランジスタQa のコレクタ・エミッタ間電圧は小さくなる。出力電圧Vout の振幅が大きい場合、このコレクタ・エミッタ間電圧は、コレクタ・エミッタ飽和電圧よりも小さくなる。これにより、トランジスタQa は飽和状態となり、出力波形の歪みが急激に増大する。トランジスタQa のベース電圧は、利得が増加するほど高くなる。そのため、利得が大きくなるほど、ダイナミックレンジが小さくなり歪み特性は悪化しやすくなる。
【0016】
そこで、この発明は、出力のダイナミックレンジが小さくなるのを防ぐことができ、歪み特性を改善することが可能な可変利得増幅器を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本願発明の一態様によれば、利得制御信号に応じて利得を制御することが可能な可変利得増幅器であって、コレクタ端子から出力信号電圧が取り出される一方のトランジスタと、ベース端子およびコレクタ端子に対し、利得を制御するための第1の利得制御信号が供給される他方のトランジスタと、で構成される差動トランジスタ対と、前記一方のトランジスタおよび前記他方のトランジスタの共通エミッタ端子に接続され、入力信号電圧を与える第1の電圧/電流変換器と、前記一方のトランジスタのベース端子に一定のバイアス電圧を印加する電源回路と、前記他方のトランジスタの、少なくともベース端子に接続されたコンデンサとを具備したことを特徴とする可変利得増幅器が提供される。
また、本願発明の一態様によれば、利得制御信号に応じて利得を制御することが可能な可変利得増幅器であって、一方のトランジスタおよび他方のトランジスタによって構成され、前記一方のトランジスタのコレクタ端子から出力信号電圧が取り出され、前記他方のトランジスタを含む入力回路に対し、利得を制御するための第1の利得制御信号が供給される差動トランジスタ対と、前記一方のトランジスタおよび前記他方のトランジスタの共通エミッタ端子に接続され、入力信号電圧を与える第1の電圧/電流変換器と、前記一方のトランジスタのベース端子に一定のバイアス電圧を印加する電源回路と、前記他方のトランジスタの、少なくともベース端子に接続されたコンデンサとを具備し、前記入力回路は、前記他方のトランジスタとなる電流増幅用のNPNトランジスタと電圧/電流変換用のPNPトランジスタおよび電圧増幅用のPNPトランジスタと電流/電圧変換用のNPNトランジスタを含む、インバーテッドダーリントン回路からなる電流ミラー回路であることを特徴とする可変利得増幅器が提供される。
また、本願発明の一態様によれば、利得制御信号に応じて利得を制御することが可能な可変利得増幅器であって、一方のトランジスタおよび他方のトランジスタによって構成され、前記一方のトランジスタのコレクタ端子から出力信号電圧が取り出され、前記他方のトランジスタには利得を制御するための第1の利得制御信号が供給される差動トランジスタ対と、前記一方のトランジスタおよび前記他方のトランジスタの共通エミッタ端子に接続され、入力信号電圧を与える第1の電圧/電流変換器と、前記一方のトランジスタのベース端子に一定のバイアス電圧を印加する電源回路と、前記他方のトランジスタの、少なくともベース端子に接続されたコンデンサと、前記他方のトランジスタに接続され、利得を制御するための第2の利得制御信号が入力される入力回路とを具備し、前記入力回路は、前記第2の利得制御信号をもとに前記第1の利得制御信号を生成する電圧/電流変換用のPNPトランジスタであることを特徴とする可変利得増幅器が提供される。
また、本願発明の一態様によれば、利得制御信号に応じて利得を制御することが可能な可変利得増幅器であって、一方のトランジスタおよび他方のトランジスタによって構成され、前記一方のトランジスタのコレクタ端子から出力信号電圧が取り出され、前記他方のトランジスタには利得を制御するための第1の利得制御信号が供給される差動トランジスタ対と、前記一方のトランジスタおよび前記他方のトランジスタの共通エミッタ端子に接続され、入力信号電圧を与える第1の電圧/電流変換器と、前記一方のトランジスタのベース端子に一定のバイアス電圧を印加する電源回路と、前記他方のトランジスタの、少なくともベース端子に接続されたコンデンサと、前記他方のトランジスタに接続され、利得を制御するための第2の利得制御信号が入力される入力回路とを具備し、前記入力回路は、前記第2の利得制御信号をもとに前記第1の利得制御信号を生成する、電流増幅用のNPNトランジスタおよび電圧/電流変換用のPNPトランジスタを含む、インバーテッドダーリントン回路であることを特徴とする可変利得増幅器が提供される。
また、本願発明の一態様によれば、利得制御信号に応じて利得を制御することが可能な可変利得増幅器であって、一方のトランジスタおよび他方のトランジスタによって構成され、前記一方のトランジスタのコレクタ端子から出力信号電圧が取り出され、前記他方のトランジスタには利得を制御するための第1の利得制御信号が供給される差動トランジスタ対と、前記一方のトランジスタおよび前記他方のトランジスタの共通エミッタ端子に接続され、入力信号電圧を与える第1の電圧/電流変換器と、前記一方のトランジスタのベース端子に一定のバイアス電圧を印加する電源回路と、前記他方のトランジスタの、少なくともベース端子に接続されたコンデンサと、前記他方のトランジスタに接続され、利得を制御するための第2の利得制御信号が入力される入力回路とを具備し、前記入力回路は、前記第2の利得制御信号をもとに前記第1の利得制御信号を生成する、電流増幅用のPNPトランジスタおよび電流/電圧変換用のPNPトランジスタを含む電流ミラー回路、および、第2の電圧/電流変換器を含むことを特徴とする可変利得増幅器が提供される。
さらに、本願発明の一態様によれば、利得制御信号に応じて利得を制御することが可能な可変利得増幅器であって、一方のトランジスタおよび他方のトランジスタによって構成され、前記一方のトランジスタのコレクタ端子から出力信号電圧が取り出され、前記他方のトランジスタには利得を制御するための第1の利得制御信号が供給される差動トランジスタ対と、前記一方のトランジスタおよび前記他方のトランジスタの共通エミッタ端子に接続され、入力信号電圧を与える第1の電圧/電流変換器と、前記一方のトランジスタのベース端子に一定のバイアス電圧を印加する電源回路と、前記他方のトランジスタの、少なくともベース端子に接続されたコンデンサと、前記他方のトランジスタに接続され、利得を制御するための第2の利得制御信号が入力される入力回路とを具備し、前記入力回路は、前記第2の利得制御信号をもとに前記第1の利得制御信号を生成する、電流増幅用のNPNトランジスタと電圧/電流変換用のPNPトランジスタおよび電圧増幅用のPNPトランジスタと電流/電圧変換用のNPNトランジスタを含む、インバーテッドダーリントン回路からなる電流ミラー回路、および、第2の電圧/電流変換器を含むことを特徴とする可変利得増幅器が提供される。
【0018】
この発明の可変利得増幅器によれば、利得の大きさにかかわらず、出力トランジスタのベース電圧を一定に保つことができるようになる。これにより、広い利得範囲で低歪みに動作することが可能となるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる可変利得増幅器の基本的な回路構成例を示すものである。なお、ここでは利得制御電圧によって利得制御を行う電圧制御方式の単相形可変利得増幅器を例に説明する。
【0021】
この可変利得増幅器は、利得制御電圧(第2の利得制御信号)VAGC によって利得が制御される回路であり、差動トランジスタ対(利得制御回路部)を構成するNPNトランジスタ(一方,他方のトランジスタ)Q1 ,Q2 を有している。両トランジスタQ1 ,Q2 の共通エミッタ端子には、入力信号電圧Vinが供給されている。出力トランジスタであるトランジスタQ1 のコレクタ端子より、出力信号電圧Vout が取り出される。
【0022】
トランジスタQ1 のベース端子には、基準バイアス電圧VBIASが供給されている。また、トランジスタQ1 のコレクタ端子には、負荷素子(第1の負荷素子)Z1 を介して、電源ラインより電源電圧が供給されている。
【0023】
トランジスタQ2 のベース端子およびコレクタ端子は共通接続され、コンデンサC1 を介して接地電位に接続されている。また、トランジスタQ2 のベース端子およびコレクタ端子は、利得制御信号変換部をなす電圧/電流変換用のPNPトランジスタQ3 のコレクタ端子に接続されている。
【0024】
トランジスタQ3 のエミッタ端子には、上記電源ラインより電源電圧が供給されている。また、トランジスタQ3 のベース端子には、上記利得制御電圧VAGC が供給されるようになっている。
【0025】
このような構成の可変利得増幅器は、電源電圧を基準とする正(または、負)の利得制御電圧VAGC が、PNPトランジスタQ3 のベース端子に加えられる。すると、PNPトランジスタQ3 のコレクタ電流が生成されて、NPNトランジスタQ2 のコレクタに入力される。これにより、NPNトランジスタQ2 のベース端子に、制御電圧(NPNトランジスタQ1 ,Q2 のベース間電圧)VY が発生する。その結果、利得を可変できる。
【0026】
すなわち、この回路の場合、基準バイアス電圧VBIASが変化したとしても、利得制御電圧VAGC が変化しない限り、利得は変化しない。このため、基準バイアス電圧VBIASは必ずしも一定である必要はない。しかし、大出力の回路においては、基準バイアス電圧VBIASを一定に保つことにより、出力のダイナミックレンジを一定に保つことができるため、回路の歪みが悪化するのを防ぐことが可能となる。
【0027】
また、利得制御電圧VAGC は、基準バイアス電圧VBIASとは完全に無関係に決められる。このため、図12に示した従来の可変利得増幅器に比べ、制御電圧の自由度が高い、高周波用の可変利得増幅器とすることができる。
【0028】
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態にかかる可変利得増幅器の基本的な回路構成例を示すものである。なお、ここでは利得制御電流によって利得制御を行う電流制御方式の単相形可変利得増幅器を例に説明する。
【0029】
この可変利得増幅器は、上述の図1に示した可変利得増幅器において、PNPトランジスタQ3 ,Q4 からなる電流ミラー回路が追加されて、利得制御電流(第1の利得制御信号)IAGC による利得の制御が行われるように構成されている。
【0030】
すなわち、差動トランジスタ対を構成するNPNトランジスタQ1 ,Q2 の共通エミッタ端子には、入力信号電圧Vinが供給されている。トランジスタ(出力トランジスタ)Q1 のコレクタ端子より、出力信号電圧Vout が取り出される。
【0031】
トランジスタQ1 のベース端子には、基準バイアス電圧VBIASが供給されている。また、トランジスタQ1 のコレクタ端子には、負荷素子Z1 を介して、電源ラインより電源電圧が供給されている。
【0032】
トランジスタQ2 のベース端子およびコレクタ端子は、コンデンサC1 に接続されている。また、トランジスタQ2 のベース端子およびコレクタ端子は、PNPトランジスタQ3 のコレクタ端子に接続されている。
【0033】
トランジスタQ3 のエミッタ端子には、上記電源ラインより電源電圧が供給されている。また、トランジスタQ3 のベース端子は、電流/電圧変換用のPNPトランジスタQ4 のベース端子およびコレクタ端子に接続されている。
【0034】
そして、このトランジスタQ4 のベース端子およびコレクタ端子に対し、利得制御電流IAGC が供給されるようになっている。なお、トランジスタQ4 のエミッタ端子には、上記電源ラインより電源電圧が供給されている。
【0035】
この可変利得増幅器の場合、PNPトランジスタQ3 ,Q4 よって電流/電圧変換用の電流ミラー回路が構成されており、利得制御電流IAGC によって回路の利得が制御される以外、上述の図1に示した可変利得増幅器の場合と同様に動作する。
【0036】
すなわち、トランジスタQ4 のベース端子およびコレクタ端子に対して、利得制御電流IAGC が供給される。すると、トランジスタQ3 のベース電圧が発生され、それにより、トランジスタQ3 のコレクタ電流が生成される。このコレクタ電流がトランジスタQ2 のコレクタ端子に入力されることで、制御電圧(NPNトランジスタQ1 ,Q2 のベース間電圧)VY が発生する。
【0037】
このような構成によっても、トランジスタQ1 のベース電圧(基準バイアス電圧VBIAS)を一定に保つことにより、回路のダイナミックレンジを一定に保つことができるので、歪みの悪化を防ぐことができる。したがって、利得制御電流IAGC を加えることにより、可変利得増幅器を大出力の高周波用回路とすることも容易に可能であり、しかも、広い範囲で、かつ、低歪みにより動作する回路とすることができる。
【0038】
(第3の実施形態)
図3は、本発明の第3の実施形態にかかる可変利得増幅器の基本的な回路構成例を示すものである。なお、ここでは利得制御電圧によって利得制御を行う電圧制御方式の単相形可変利得増幅器を例に説明する。
【0039】
この可変利得増幅器は、上述の図1に示した可変利得増幅器において、PNPトランジスタQ3 に代えて、インバーテッドダーリントン接続された回路を用いるようにした場合の例である。
【0040】
すなわち、電圧/電流変換用のPNPトランジスタQ3Pと電流増幅用のNPNトランジスタQ3Nとによって、上記PNPトランジスタQ3 に相当する、インバーテッドダーリントン回路が構成されるとともに、上記NPNトランジスタQ3NとNPNトランジスタ(出力トランジスタ)Q1 とによって差動トランジスタ対が構成されている。
【0041】
両トランジスタQ3N,Q1 の共通エミッタ端子には、入力信号電圧Vinが供給されている。トランジスタQ1 のコレクタ端子より、出力信号電圧Vout が取り出される。
【0042】
トランジスタQ1 のベース端子には、基準バイアス電圧VBIASが供給されている。また、トランジスタQ1 のコレクタ端子には、負荷素子Z1 を介して、電源ラインより電源電圧が供給されている。
【0043】
トランジスタQ3Nのベース端子は、上記PNPトランジスタQ3Pのコレクタ端子、および、コンデンサC1 を介して電源ラインに接続されている。また、トランジスタQ3Nのコレクタ端子は、上記PNPトランジスタQ3Pのエミッタ端子および上記電源ラインに接続されている。
【0044】
そして、トランジスタQ3Pのベース端子に対し、利得制御電圧VAGC が供給されるようになっている。すると、利得制御電圧VAGC によって、トランジスタQ3Nのエミッタ電流(I2 )が生成され、同時に、トランジスタQ3Nのベース・エミッタ電圧が決まる。これにより、制御電圧VY が発生する。
【0045】
トランジスタQ3Nのエミッタ接地電流増幅率をβ3Nとすると、トランジスタQ3Nのコレクタ電流は図3における電流I2 であることから、トランジスタQ3Nのベース電流はI2 /β3Nとなり、トランジスタQ3Pのコレクタ電流はI2 /β3Nとなる。
【0046】
トランジスタQ1 ,Q2 に流れる電流の合計を同じとして図1,図3を比較したとき、図1のPNPトランジスタQ3 のコレクタ電流と、図3のNPNトランジスタQ3Nのコレクタ電流はほぼ同じであるが、図3のPNPトランジスタQ3Pのコレクタ電流は、図1のPNPトランジスタQ3 のコレクタ電流の1/β3Nとなる。β3Nは、通常、数十〜数百という値であるから、図3のPNPトランジスタQ3Pのコレクタ電流は非常に小さくなる。
【0047】
IC製造プロセスのうちのいくつかのものでは、同じコレクタ電流を流すために必要なチップ面積に関して、NPNトランジスタよりもPNPトランジスタの方が非常に大きい。このため、このようなICの製造プロセスにおいては、PNPトランジスタに大電流を流すとチップ面積が非常に増大するため、図1の回路は大電流大出力の用途には不向きである。しかし、図3は、電流のほとんどがNPNトランジスタに流れるため、大電流大出力の用途においてはチップ面積の面で有利となる。
【0048】
このような構成によれば、トランジスタQ1 のベース電圧(基準バイアス電圧VBIAS)を一定に保つことにより、回路のダイナミックレンジを一定に保つことができるので、歪みの悪化を防ぐことができる。したがって、利得制御電圧VAGC を加えることによって、可変利得増幅器を大電流大出力回路とした場合においても、小面積化が可能で、しかも、広い範囲で、かつ、低歪みにより動作する回路とすることができる。
【0049】
また、安定な基準電圧を必要としないなど、素子数の削減が可能であるとともに、高周波用の可変利得増幅器としても有用である。
【0050】
(第4の実施形態)
図4は、本発明の第4の実施形態にかかる可変利得増幅器の基本的な回路構成例を示すものである。なお、ここでは利得制御電圧によって利得制御を行う電圧制御方式の単相形可変利得増幅器を例に説明する。
【0051】
この可変利得増幅器は、上述の図3に示した可変利得増幅器において、インバーテッドダーリントン回路を構成するPNPトランジスタQ3Pのエミッタ端子とNPNトランジスタQ3Nのコレクタ端子とに、負荷素子(第2の負荷素子)Z2 を介して、電源ラインより電源電圧が供給されるように構成した場合の例である。
【0052】
この例の可変利得増幅器の場合、上記負荷素子Z2 が、インバーテッドダーリントン回路のばらつき防止用素子として機能する。そのため、より安定した動作が可能となるものである。
【0053】
(第5の実施形態)
図5は、本発明の第5の実施形態にかかる可変利得増幅器の基本的な回路構成例を示すものである。なお、ここでは利得制御電圧によって利得制御を行う電圧制御方式の単相形可変利得増幅器を例に説明する。
【0054】
この可変利得増幅器は、上述の図4に示した可変利得増幅器において、インバーテッドダーリントン回路を構成するPNPトランジスタQ3Pのエミッタ端子に、負荷素子Z2 を介して、電源ラインより電源電圧が供給されるように構成した場合の例である。
【0055】
この例の場合も、上記負荷素子Z2 が、インバーテッドダーリントン回路のばらつき防止用素子として機能する。そのため、可変利得増幅器として、より安定した動作が可能となるものである。
【0056】
(第6の実施形態)
図6は、本発明の第6の実施形態にかかる可変利得増幅器の基本的な回路構成例を示すものである。なお、ここでは利得制御電流によって利得制御を行う電流制御方式の単相形可変利得増幅器を例に説明する。
【0057】
この可変利得増幅器は、上述の図2に示した可変利得増幅器において、PNPトランジスタQ3 ,Q4 からなる電流ミラー回路に代えて、インバーテッドダーリントン接続された電流ミラー回路を用いるようにした場合の例である。
【0058】
すなわち、PNPトランジスタQ3PとNPNトランジスタQ3NおよびPNPトランジスタQ4PとNPNトランジスタQ4Nによって、上記PNPトランジスタQ3 ,Q4 に相当する、インバーテッドダーリントン回路による電流ミラー回路が構成されるとともに、上記NPNトランジスタQ3NとNPNトランジスタ(出力トランジスタ)Q1 とによって差動トランジスタ対が構成されている。
【0059】
両トランジスタQ3N,Q1 の共通エミッタ端子には、入力信号電圧Vinが供給されている。トランジスタQ1 のコレクタ端子より、出力信号電圧Vout が取り出される。
【0060】
トランジスタQ1 のベース端子には、基準バイアス電圧VBIASが供給されている。また、トランジスタQ1 のコレクタ端子には、負荷素子Z1 を介して、電源ラインより電源電圧が供給されている。
【0061】
トランジスタQ3Nのベース端子は、上記PNPトランジスタQ3Pのコレクタ端子、および、コンデンサC1 を介して電源ラインに接続されている。また、トランジスタQ3Nのコレクタ端子は、上記PNPトランジスタQ3Pのエミッタ端子および上記電源ラインに接続されている。
【0062】
トランジスタQ3Pのベース端子は、上記PNPトランジスタQ4Pのベース端子、および、定電圧発生用素子としてのPNPトランジスタQ5 のエミッタ端子に接続されている。
【0063】
トランジスタQ4Pのエミッタ端子は、上記NPNトランジスタQ4Nのコレクタ端子、および、電源ラインに接続されている。また、トランジスタQ4Pのコレクタ端子は、上記NPNトランジスタQ4Nのベース端子に接続されている。
【0064】
トランジスタQ4Nのエミッタ端子は、上記トランジスタQ5 のベース端子に接続されている。
【0065】
トランジスタQ5 のコレクタ端子は接地されている。
【0066】
そして、トランジスタQ5 のベース端子およびトランジスタQ4Nのエミッタ端子に対し、利得制御電流IAGC が供給されるようになっている。すると、利得制御電流IAGC によって、トランジスタQ4Pのベース電圧が発生し、それによりトランジスタQ3Nのエミッタ電流(I2 )が生成され、同時に、トランジスタQ3Nのベース・エミッタ電圧が決まる。これにより、制御電圧VY が発生する。
【0067】
この例の場合も、上述の図3に示した可変利得増幅器の場合とほぼ同様の効果が期待できる。すなわち、トランジスタQ1 のベース電圧(基準バイアス電圧VBIAS)を一定に保つことにより、回路のダイナミックレンジを一定に保つことができるので、歪みの悪化を防ぐことができる。したがって、利得制御電流IAGC を加えることによって、可変利得増幅器において、PNPトランジスタQ3Pに小面積のトランジスタを使用でき、大電流大出力回路とした場合においても、小面積化が可能で、しかも、広い範囲で、かつ、低歪みにより動作する、高周波用の可変利得増幅器とすることができる。
【0068】
(第7の実施形態)
図7は、本発明の第7の実施形態にかかる可変利得増幅器の基本的な回路構成例を示すものである。なお、ここでは利得制御電流によって利得制御を行う電流制御方式の単相形可変利得増幅器を例に説明する。
【0069】
この可変利得増幅器は、上述の図6に示した可変利得増幅器において、インバーテッドダーリントン回路による電流ミラー回路を構成する、PNPトランジスタQ3Pのエミッタ端子とNPNトランジスタQ3Nのコレクタ端子とに、負荷素子Z2 を介して、また、PNPトランジスタQ4Pのエミッタ端子とNPNトランジスタQ4Nのコレクタ端子とに、負荷素子(第3の負荷素子)Z3 を介して、それぞれ電源ラインより電源電圧が供給されるように構成した場合の例である。
【0070】
この例の可変利得増幅器の場合、上記負荷素子Z2 ,Z3 が、インバーテッドダーリントン回路のばらつき防止用素子として機能する。そのため、より安定した動作が可能となるものである。
【0071】
(第8の実施形態)
図8は、本発明の第8の実施形態にかかる可変利得増幅器の基本的な回路構成例を示すものである。なお、ここでは利得制御電流によって利得制御を行う電流制御方式の単相形可変利得増幅器を例に説明する。
【0072】
この可変利得増幅器は、上述の図7に示した可変利得増幅器において、インバーテッドダーリントン回路による電流ミラー回路を構成する、PNPトランジスタQ3Pのエミッタ端子に、負荷素子Z2 を介して、また、PNPトランジスタQ4Pのエミッタ端子に、負荷素子Z3 を介して、それぞれ電源ラインより電源電圧が供給されるように構成した場合の例である。
【0073】
この例の場合も、上記負荷素子Z2 ,Z3 が、インバーテッドダーリントン回路のばらつき防止用素子として機能する。そのため、可変利得増幅器として、より安定した動作が可能となるものである。
【0074】
(第9の実施形態)
図9は、本発明の第9の実施形態にかかる可変利得増幅器の基本的な回路構成例を示すものである。なお、ここでは利得制御電圧によって利得制御を行う電圧制御方式の単相形可変利得増幅器を例に説明する。
【0075】
この可変利得増幅器は、利得制御回路11と利得制御信号変換回路12とからなり、上記利得制御信号変換回路12に利得制御電圧VAGC を与えることによって、上記利得制御回路11の利得が制御されるように構成されている。
【0076】
上記利得制御回路11は、差動トランジスタ対を構成するNPNトランジスタQ11,Q12を有している。両トランジスタQ11,Q12の共通エミッタ端子には、入力信号電圧Vinが供給されている。トランジスタ(出力トランジスタ)Q11のコレクタ端子より、出力信号電圧Vout が取り出される。
【0077】
トランジスタQ11のコレクタ端子には、負荷素子Z1 を介して、電源ラインより電源電圧が供給されている。また、トランジスタQ11のベース端子は、NPNトランジスタQ13のベース端子に接続されている。両トランジスタQ11,Q13の共通ベース端子には、基準バイアス電圧VBIASが供給されている。
【0078】
トランジスタQ12のコレクタ端子には、上記電源ラインより電源電圧が供給されている。また、トランジスタQ12のベース端子は、NPNトランジスタQ14のベース端子およびコレクタ端子に接続されている。
【0079】
一方、上記利得制御信号変換回路12は、差動トランジスタ対を構成する、上記NPNトランジスタQ13,Q14を有している。両トランジスタQ13,Q14の共通エミッタ端子は、NPNトランジスタQ19のコレクタ端子に接続されている。
【0080】
トランジスタQ13のコレクタ端子には、上記電源ラインより電源電圧が供給されている。
【0081】
トランジスタQ14のベース端子およびコレクタ端子は、PNPトランジスタQ21のコレクタ端子に接続されている。
【0082】
トランジスタQ21のエミッタ端子には、上記電源ラインより電源電圧が供給されている。また、トランジスタQ21のベース端子は、PNPトランジスタQ20のベース端子およびコレクタ端子に接続されている。
【0083】
トランジスタQ20のエミッタ端子には、上記電源ラインより電源電圧が供給されている。また、トランジスタQ20のベース端子およびコレクタ端子は、PNPトランジスタQ16のコレクタ端子、および、NPNトランジスタQ18のコレクタ端子に接続されている。
【0084】
トランジスタQ16のエミッタ端子には、上記電源ラインより電源電圧が供給されている。また、トランジスタQ16のベース端子は、PNPトランジスタQ15のベース端子およびコレクタ端子に接続されている。
【0085】
トランジスタQ15のエミッタ端子には、上記電源ラインより電源電圧が供給されている。また、トランジスタQ15のベース端子およびコレクタ端子は、NPNトランジスタQ17のコレクタ端子に接続されている。
【0086】
上記トランジスタQ18,Q19はベース端子が共通に接続され、その共通ベース端子には、基準ベース電圧VB がそれぞれ供給されている(各エミッタ端子は接地されている)。
【0087】
そして、上記トランジスタQ17,Q18のベース端子間にある抵抗Rに対して、上記利得制御電圧VAGC に比例した電流IAGC が与えられるようになっている。したがって、抵抗Rには利得制御電圧VAGC に比例した電圧が与えられる。
【0088】
この可変利得増幅器の場合、NPNトランジスタQ11,Q12,Q13,Q14によって、電流比を複製するための複製回路が構成されている。この複製回路は、トランジスタQ13,Q14を流れる電流I1 ,I2 に対して、トランジスタQ11,Q12に流れる電流をI1 :I2 の比に設定するように構成されている。
【0089】
従来の構成の可変利得増幅器では、図9の電流I1 に相当する利得制御電流をトランジスタQ13のコレクタ電流として加えることにより、利得を制御していた。このため、トランジスタQ11,Q12の差動トランジスタ対のうち、トランジスタQ12のベース電位を基準電位とせざるを得ず、結果的に、トランジスタQ11のベース電位が変化することで、ダイナミックレンジの変化を招き、歪みを悪化させる恐れがあった。
【0090】
しかし、本実施形態にかかる構成の可変利得増幅器では、事前に、利得制御電流の引き算、すなわち、I2 =I0 −I1 の演算を、トランジスタQ16およびトランジスタQ16,Q20を用いて行っており、この引き算を行った後の利得制御電流I2 をトランジスタQ14のコレクタ電流として加えることにより、利得を制御している。
【0091】
このような構成とすることにより、トランジスタQ11,Q12の差動トランジスタ対のうち、トランジスタQ11のベース電位を基準電位とすることが可能となり、結果として、ダイナミックレンジの変化を防ぎ、歪みが悪化するのを抑制することが可能となるものである。
【0092】
ここで、図9において、
上記トランジスタQ19のベース・エミッタ間電圧はVB 、
上記トランジスタQ18のベース・エミッタ間電圧はVB 、
上記トランジスタQ17のベース・エミッタ間電圧はVB −R×IAGC
となり、利得制御電流IAGC が利得制御電圧VAGC に比例しているとすれば(比例定数K)、
上記トランジスタQ17のベース・エミッタ間電圧はVB −K×VAGC
となる。
【0093】
したがって、トランジスタの飽和電流をIS 、熱電圧をVT とすると、
I0 =IS exp(VB /VT )
I1 =IS exp{(VB −K×VAGC )/VT }
=I0 exp{(−K×VAGC )/VT }
となるので、
I2 =I0 −I1
=I0 {1−exp(−K×VAGC /VT )}
となる。
【0094】
上記トランジスタQ14のベース・エミッタ間電圧VBE14は、自然対数をlnとすると、
VBE14=VT ln{I2 /IS }
となる。
【0095】
同様に、上記トランジスタQ13のベース・エミッタ間電圧VBE13は、
VBE13=VT ln{I1 /IS }
となるので、制御電圧VY は、
VY =VBE14−VBE13
=VT ln{I2 /I1 }
=VT ln{exp(K×VAGC /VT )−1}
となる。
【0096】
ここで、上記トランジスタQ11,Q12からなる差動トランジスタ対の利得制御特性は、利得をGV 、比例定数をAとおくと、
GV =A/{1+exp(VY /VT )}
となるから、ここにVY の式を代入することにより、
GV =Aexp(−K×VAGC /VT )
となり、指数関数の利得制御特性が得られることが分かる。
【0097】
したがって、本実施形態では、以上のことから指数関数的な利得制御特性が実現されており、特開2000−196386号公報に示された回路の特長である指数関数的な利得制御特性を保持したまま、トランジスタQ11のベースバイアス電圧を一定に保つことにより、出力のダイナミックレンジが一定に保たれるので、歪みの悪化を防ぐことが可能となる。
【0098】
(第10の実施形態)
図10は、本発明の第10の実施形態にかかる可変利得増幅器の基本的な回路構成例を示すものである。なお、ここでは利得制御電圧によって利得制御を行う電圧制御方式の単相形可変利得増幅器を例に説明する。
【0099】
この可変利得増幅器は、上述の図9に示した可変利得増幅器において、NPNトランジスタQ11,Q12,Q13,Q14からなる電流比の複製回路を用いずに構成した場合の例である。
【0100】
すなわち、この可変利得増幅器は、差動トランジスタ対を構成するNPNトランジスタQ11,Q12を有している。両トランジスタQ11,Q12の共通エミッタ端子には、入力信号電圧Vinが供給されている。トランジスタ(出力トランジスタ)Q11のコレクタ端子より、出力信号電圧Vout が取り出される。
【0101】
トランジスタQ11のコレクタ端子には、負荷素子Z1 を介して、電源ラインより電源電圧が供給されている。また、トランジスタQ11のベース端子には、基準バイアス電圧VBIASが供給されている。
【0102】
トランジスタQ12のコレクタ端子およびベース端子は、電流ミラー回路を構成するPNPトランジスタQ21のコレクタ端子、および、コンデンサC1 に接続されている。
【0103】
トランジスタQ21のエミッタ端子には、上記電源ラインより電源電圧が供給されている。また、トランジスタQ21のベース端子は、電流ミラー回路を構成する、PNPトランジスタQ20のベース端子およびコレクタ端子に接続されている。
【0104】
トランジスタQ20のエミッタ端子には、上記電源ラインより電源電圧が供給されている。また、トランジスタQ20のベース端子およびコレクタ端子は、PNPトランジスタQ16のコレクタ端子、および、NPNトランジスタQ18のコレクタ端子に接続されている。
【0105】
トランジスタQ16のエミッタ端子には、上記電源ラインより電源電圧が供給されている。また、トランジスタQ16のベース端子は、PNPトランジスタQ15のベース端子およびコレクタ端子に接続されている。
【0106】
トランジスタQ15のエミッタ端子には、上記電源ラインより電源電圧が供給されている。また、トランジスタQ15のベース端子およびコレクタ端子は、NPNトランジスタQ17のコレクタ端子に接続されている。
【0107】
上記トランジスタQ18のベース端子には、基準ベース電圧VB が供給されている(エミッタ端子は接地されている)。
【0108】
そして、上記トランジスタQ17,Q18のベース端子間にある抵抗Rに対して、上記利得制御電圧VAGC に比例した電流IAGC が与えられるようになっている。したがって、抵抗Rには利得制御電圧VAGC に比例した電圧が与えられる。
【0109】
ここで、図10において、
上記トランジスタQ18のベース・エミッタ間電圧はVB 、
上記トランジスタQ17のベース・エミッタ間電圧はVB −R×IAGC
となり、利得制御電流IAGC が利得制御電圧VAGC に比例しているとすれば(比例定数K)、
上記トランジスタQ17のベース・エミッタ間電圧はVB −K×VAGC
となる。
【0110】
したがって、トランジスタの飽和電流をIS 、熱電圧をVT とすると、
I0 =IS exp(VB /VT )
I1 =IS exp{(VB −K×VAGC )/VT }
=I0 exp{(−K×VAGC )/VT }
となるので、
I2 =I0 −I1
=I0 {1−exp(−K×VAGC /VT )}
となる。
【0111】
ここで、トランジスタQ20,Q21からなる電流ミラー回路のミラー比を1:Dとすると、上記トランジスタQ12のベース・エミッタ間電圧VBE12は、自然対数をlnとすると、
VBE12=VT ln{DI2 /IS }
となる。
【0112】
同様に、上記トランジスタQ11のベース・エミッタ間電圧VBE11は、
VBE11=VT ln{DI1 /IS }
となるので、上記トランジスタQ12,Q11のベース・エミッタ間電圧(制御電圧)をVY とすると、
VY =VBE12−VBE11
=VT ln{I2 /I1 }
=VT ln{exp(K×VAGC /VT )−1}
となる。
【0113】
ここで、上記トランジスタQ11,Q12からなる差動トランジスタ対の利得制御特性は、利得をGV 、比例定数をAとおくと、
GV =A/{1+exp(VY /VT )}
となるから、ここにVY の式を代入することにより、
GV =Aexp(−K×VAGC /VT )
となり、指数関数の利得制御特性が得られることが分かる。
【0114】
したがって、本実施形態では、以上のことから指数関数的な利得制御特性が実現されており、特開2000−196386号公報に示された回路の特長である指数関数的な利得制御特性を保持したまま、トランジスタQ11のベースバイアス電圧を一定に保つことにより、出力のダイナミックレンジが一定に保たれるので、歪みの悪化を防ぐことが可能となる。
【0115】
このような構成の可変利得増幅器によっても、図9に示した可変利得増幅器の場合と同様に、指数関数的な利得制御特性を保ったままで、歪み特性を改善することが可能となる。
【0116】
しかも、この可変利得増幅器の場合、直接、NPNトランジスタQ12に制御電流DI2 が供給されるように構成されている。これにより、第9の実施形態に示した可変利得増幅器における複製回路(図9参照)を不要とすることができる。よって、コンデンサC1 が必要にはなるものの、全体として、回路の部品点数を削減できる。
【0117】
(第11の実施形態)
図11は、本発明の第11の実施形態にかかる可変利得増幅器の基本的な回路構成例を示すものである。なお、ここでは利得制御電圧によって利得制御を行う電圧制御方式の単相形可変利得増幅器を例に説明する。
【0118】
この可変利得増幅器は、上述の図10に示した可変利得増幅器において、PNPトランジスタQ20,Q21からなる電流ミラー回路に代えて、インバーテッドダーリントン接続された電流ミラー回路を用いるようにした場合の例である。
【0119】
すなわち、PNPトランジスタQ20P とNPNトランジスタQ20N およびPNPトランジスタQ21P とNPNトランジスタQ21N とによって、上記PNPトランジスタQ20,Q21に相当する、インバーテッドダーリントン回路による電流ミラー回路が構成されるとともに、上記NPNトランジスタQ21N とNPNトランジスタQ11とによって差動トランジスタ対が構成されている。
【0120】
両トランジスタQ21N ,Q11の共通エミッタ端子には、入力信号電圧Vinが供給されている。トランジスタ(出力トランジスタ)Q11のコレクタ端子より、出力信号電圧Vout が取り出される。
【0121】
トランジスタQ11のベース端子には、基準バイアス電圧VBIASが供給されている。また、トランジスタQ11のコレクタ端子には、負荷素子Z1 を介して、電源ラインより電源電圧が供給されている。
【0122】
トランジスタQ21N のベース端子は、上記PNPトランジスタQ21P のコレクタ端子、および、コンデンサC1 を介して電源ラインに接続されている。また、トランジスタQ21N のコレクタ端子は、上記PNPトランジスタQ21P のエミッタ端子および上記電源ラインに接続されている。
【0123】
トランジスタQ21P のベース端子は、上記PNPトランジスタQ20P のベース端子、および、定電圧発生用素子としてのPNPトランジスタQ22のエミッタ端子に接続されている。
【0124】
トランジスタQ20P のエミッタ端子は、上記NPNトランジスタQ20N のコレクタ端子、および、電源ラインに接続されている。また、トランジスタQ20P のコレクタ端子は、上記NPNトランジスタQ20N のベース端子に接続されている。
【0125】
トランジスタQ20N のエミッタ端子は、上記トランジスタQ22のベース端子、PNPトランジスタQ16のコレクタ端子、および、NPNトランジスタQ18のコレクタ端子に接続されている。
【0126】
トランジスタQ22のコレクタ端子は接地されている。
【0127】
トランジスタQ16のエミッタ端子には、上記電源ラインより電源電圧が供給されている。また、トランジスタQ16のベース端子は、PNPトランジスタQ15のベース端子およびコレクタ端子に接続されている。
【0128】
トランジスタQ15のエミッタ端子には、上記電源ラインより電源電圧が供給されている。また、トランジスタQ15のベース端子およびコレクタ端子は、NPNトランジスタQ17のコレクタ端子に接続されている。
【0129】
上記トランジスタQ18のベース端子には、基準ベース電圧VB が供給されている(エミッタ端子は接地されている)。
【0130】
そして、上記トランジスタQ17,Q18のベース端子間にある抵抗Rに対して、上記利得制御電圧VAGC に比例した電流IAGC が与えられるようになっている。したがって、抵抗Rには利得制御電圧VAGC に比例した電圧が与えられる。
【0131】
この可変利得増幅器の場合、インバーテッドダーリントン回路のトランジスタQ21N のベース端子に、コンデンサC1 を接続することによって、高周波の可変利得増幅器が実現されている。
【0132】
ここで、図11において、
上記トランジスタQ18のベース・エミッタ間電圧はVB 、
上記トランジスタQ17のベース・エミッタ間電圧はVB −R×IAGC
となり、利得制御電流IAGC が利得制御電圧VAGC に比例しているとすれば(比例定数K)、
上記トランジスタQ17のベース・エミッタ間電圧はVB −K×VAGC
となる。
【0133】
したがって、トランジスタの飽和電流をIS 、熱電圧をVT とすると、
I0 =IS exp(VB /VT )
I1 =IS exp{(VB −K×VAGC )/VT }
=I0 exp{(−K×VAGC )/VT }
となるので、
I2 =I0 −I1
=I0 {1−exp(−K×VAGC /VT )}
となる。
【0134】
ここで、トランジスタQ20N ,Q20P ,Q21N ,Q21P からなる電流ミラー回路のミラー比を1:Dとすると、上記トランジスタQ21N のベース・エミッタ間電圧VBE21N は、自然対数をlnとすると、
VBE21N =VT ln{DI2 /IS }
となる。
【0135】
同様に、上記トランジスタQ11のベース・エミッタ間電圧VBE11は、
VBE11=VT ln{DI1 /IS }
となるので、上記トランジスタQ21N ,Q11のベース・エミッタ間電圧をVY とすると、
VY =VBE21N −VBE11
=VT ln{I2 /I1 }
=VT ln{exp(K×VAGC /VT )−1}
となる。
【0136】
ここで、上記トランジスタQ11,Q21N からなる差動トランジスタ対の利得制御特性は、利得をGV 、比例定数をAとおくと、
GV =A/{1+exp(VY /VT )}
となるから、ここにVY の式を代入することにより、
GV =Aexp(−K×VAGC /VT )
となり、指数関数の利得制御特性が得られることが分かる。
【0137】
したがって、本実施形態では、以上のことから指数関数的な利得制御特性が実現されており、特開2000−196386号公報に示された回路の特長である指数関数的な利得制御特性を保持したまま、トランジスタQ11のベースバイアス電圧を一定に保つことにより、出力のダイナミックレンジが一定に保たれるので、歪みの悪化を防ぐことが可能となる。
【0138】
トランジスタQ21N のエミッタ接地電流増幅率をβ21N とすると、トランジスタQ21N のコレクタ電流は図11における電流DI2 であることから、トランジスタQ21N のベース電流はDI2 /β21Nとなり、トランジスタQ21P のコレクタ電流はDI2 /β21N となる。
【0139】
トランジスタQ1 ,Q2 に流れる電流の合計を同じとして図1,図11を比較したとき、図1のPNPトランジスタQ3 のコレクタ電流と、図11のNPNトランジスタQ21N のコレクタ電流はほぼ同じであるが、図11のPNPトランジスタQ21P のコレクタ電流は、図1のPNPトランジスタQ3 のコレクタ電流の1/β21N となる。β21N は、通常、数十〜数百という値であるから、図11のPNPトランジスタQ21P のコレクタ電流は非常に小さくなる。
【0140】
IC製造プロセスのうちのいくつかのものでは、同じコレクタ電流を流すために必要なチップ面積に関して、NPNトランジスタよりもPNPトランジスタの方が非常に大きい。このため、このようなICの製造プロセスにおいては、PNPトランジスタに大電流を流すとチップ面積が非常に増大するため、図1の回路は大電流大出力の用途には不向きである。しかし、図11は、電流のほとんどがNPNトランジスタに流れるため、大電流大出力の用途においてはチップ面積の面で有利となる。
【0141】
したがって、利得が指数関数的に変化する可変利得増幅器において、PNPトランジスタQ21P に小面積のトランジスタを使用でき、大電流大出力回路とした場合においても、小面積化が可能で、しかも、広い範囲で、かつ、低歪みにより動作する、高周波用の可変利得増幅器とすることができる。
【0142】
上記したように、利得の大きさにかかわらず、出力トランジスタのベース電圧を一定に保つことができるようにしている。すなわち、差動トランジスタ対を構成するNPNトランジスタQ11のベース端子には、基準バイアス電圧VBIASが供給されるようになっている。これにより、トランジスタQ11のベース電圧を、利得の大きさにかかわらず、一定に制御することが可能となる。したがって、指数関数的な利得制御特性を保ったままで、歪み特性を改善できるようになるものである。
【0143】
その他、本発明は、上記(各)実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、上記(各)実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。たとえば、(各)実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも1つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも1つ)が得られる場合には、その構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0144】
【発明の効果】
以上、詳述したようにこの発明によれば、出力のダイナミックレンジが小さくなるのを防ぐことができ、歪み特性を改善することが可能な可変利得増幅器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる可変利得増幅器の基本構成を示す回路図。
【図2】本発明の第2の実施形態にかかる可変利得増幅器の基本構成を示す回路図。
【図3】本発明の第3の実施形態にかかる可変利得増幅器の基本構成を示す回路図。
【図4】本発明の第4の実施形態にかかる可変利得増幅器の基本構成を示す回路図。
【図5】本発明の第5の実施形態にかかる可変利得増幅器の基本構成を示す回路図。
【図6】本発明の第6の実施形態にかかる可変利得増幅器の基本構成を示す回路図。
【図7】本発明の第7の実施形態にかかる可変利得増幅器の基本構成を示す回路図。
【図8】本発明の第8の実施形態にかかる可変利得増幅器の基本構成を示す回路図。
【図9】本発明の第9の実施形態にかかる可変利得増幅器の基本構成を示す回路図。
【図10】本発明の第10の実施形態にかかる可変利得増幅器の基本構成を示す回路図。
【図11】本発明の第11の実施形態にかかる可変利得増幅器の基本構成を示す回路図。
【図12】従来技術とその問題点を説明するために示す、ギルバート乗算器を用いた可変利得増幅器の回路図。
【図13】同じく、従来の可変利得増幅器の他の構成例を示す回路図。
【図14】同じく、従来の可変利得増幅器の電圧利得特性を対比して示す特性図。
【符号の説明】
11…利得制御回路
12…利得制御信号変換回路
Q1 ,Q2 ,Q3N,Q4N,Q11,Q12,Q13,Q14,Q17,Q18,Q19,Q20N ,Q21N …NPNトランジスタ
Q3 ,Q3P,Q4 ,Q4P,Q5 ,Q15,Q16,Q20,Q20P ,Q21,Q21P ,Q22…PNPトランジスタ
Vin…入力信号電圧
Vout …出力信号電圧
VAGC …利得制御電圧
IAGC …利得制御電流
IS…飽和電流
VBIAS…基準バイアス電圧
VB …基準ベース電圧
VT …熱電圧
Z1 ,Z2 ,Z3 …負荷素子
C1 …コンデンサ
DI2 ,DI0 …制御電流
R…抵抗
Claims (16)
- 利得制御信号に応じて利得を制御することが可能な可変利得増幅器であって、
コレクタ端子から出力信号電圧が取り出される一方のトランジスタと、ベース端子およびコレクタ端子に対し、利得を制御するための第1の利得制御信号が供給される他方のトランジスタと、で構成される差動トランジスタ対と、
前記一方のトランジスタおよび前記他方のトランジスタの共通エミッタ端子に接続され、入力信号電圧を与える第1の電圧/電流変換器と、
前記一方のトランジスタのベース端子に一定のバイアス電圧を印加する電源回路と、
前記他方のトランジスタの、少なくともベース端子に接続されたコンデンサと
を具備したことを特徴とする可変利得増幅器。 - 前記一方のトランジスタのコレクタ端子には、負荷素子を介して、電源ラインより電源電圧が供給されていることを特徴とする請求項1に記載の可変利得増幅器。
- 前記第1の利得制御信号は、入力回路を介して、前記他方のトランジスタのベース端子およびコレクタ端子に供給されることを特徴とする請求項1に記載の可変利得増幅器。
- 利得制御信号に応じて利得を制御することが可能な可変利得増幅器であって、
一方のトランジスタおよび他方のトランジスタによって構成され、前記一方のトランジスタのコレクタ端子から出力信号電圧が取り出され、前記他方のトランジスタを含む入力回路に対し、利得を制御するための第1の利得制御信号が供給される差動トランジスタ対と、
前記一方のトランジスタおよび前記他方のトランジスタの共通エミッタ端子に接続され、入力信号電圧を与える第1の電圧/電流変換器と、
前記一方のトランジスタのベース端子に一定のバイアス電圧を印加する電源回路と、
前記他方のトランジスタの、少なくともベース端子に接続されたコンデンサと
を具備し、
前記入力回路は、前記他方のトランジスタとなる電流増幅用のNPNトランジスタと電圧/電流変換用のPNPトランジスタおよび電圧増幅用のPNPトランジスタと電流/電圧変換用のNPNトランジスタを含む、インバーテッドダーリントン回路からなる電流ミラー回路であることを特徴とする可変利得増幅器。 - 前記入力回路は、さらに、定電圧発生用のPNPトランジスタを含むことを特徴とする請求項4に記載の可変利得増幅器。
- 利得制御信号に応じて利得を制御することが可能な可変利得増幅器であって、
一方のトランジスタおよび他方のトランジスタによって構成され、前記一方のトランジスタのコレクタ端子から出力信号電圧が取り出され、前記他方のトランジスタには利得を制御するための第1の利得制御信号が供給される差動トランジスタ対と、
前記一方のトランジスタおよび前記他方のトランジスタの共通エミッタ端子に接続され、入力信号電圧を与える第1の電圧/電流変換器と、
前記一方のトランジスタのベース端子に一定のバイアス電圧を印加する電源回路と、
前記他方のトランジスタの、少なくともベース端子に接続されたコンデンサと、
前記他方のトランジスタに接続され、利得を制御するための第2の利得制御信号が入力される入力回路と
を具備し、
前記入力回路は、前記第2の利得制御信号をもとに前記第1の利得制御信号を生成する電圧/電流変換用のPNPトランジスタであることを特徴とする可変利得増幅器。 - 前記一方のトランジスタのコレクタ端子には、負荷素子を介して、電源ラインより電源電圧が供給されていることを特徴とする請求項6に記載の可変利得増幅器。
- 利得制御信号に応じて利得を制御することが可能な可変利得増幅器であって、
一方のトランジスタおよび他方のトランジスタによって構成され、前記一方のトランジスタのコレクタ端子から出力信号電圧が取り出され、前記他方のトランジスタには利得を制御するための第1の利得制御信号が供給される差動トランジスタ対と、
前記一方のトランジスタおよび前記他方のトランジスタの共通エミッタ端子に接続され、入力信号電圧を与える第1の電圧/電流変換器と、
前記一方のトランジスタのベース端子に一定のバイアス電圧を印加する電源回路と、
前記他方のトランジスタの、少なくともベース端子に接続されたコンデンサと、
前記他方のトランジスタに接続され、利得を制御するための第2の利得制御信号が入力される入力回路と
を具備し、
前記入力回路は、前記第2の利得制御信号をもとに前記第1の利得制御信号を生成する、電流増幅用のNPNトランジスタおよび電圧/電流変換用のPNPトランジスタを含む、インバーテッドダーリントン回路であることを特徴とする可変利得増幅器。 - 前記一方のトランジスタのコレクタ端子には、負荷素子を介して、電源ラインより電源電圧が供給されていることを特徴とする請求項8に記載の可変利得増幅器。
- 前記電流増幅用のNPNトランジスタのコレクタ端子および前記電圧/電流変換用のPNPトランジスタのエミッタ端子には、負荷素子を介して、電源ラインより電源電圧が供給されていることを特徴とする請求項8に記載の可変利得増幅器。
- 前記電圧/電流変換用のPNPトランジスタのエミッタ端子には、負荷素子を介して、電源ラインより電源電圧が供給されていることを特徴とする請求項8に記載の可変利得増幅器。
- 利得制御信号に応じて利得を制御することが可能な可変利得増幅器であって、
一方のトランジスタおよび他方のトランジスタによって構成され、前記一方のトランジスタのコレクタ端子から出力信号電圧が取り出され、前記他方のトランジスタには利得を制御するための第1の利得制御信号が供給される差動トランジスタ対と、
前記一方のトランジスタおよび前記他方のトランジスタの共通エミッタ端子に接続され、入力信号電圧を与える第1の電圧/電流変換器と、
前記一方のトランジスタのベース端子に一定のバイアス電圧を印加する電源回路と、
前記他方のトランジスタの、少なくともベース端子に接続されたコンデンサと、
前記他方のトランジスタに接続され、利得を制御するための第2の利得制御信号が入力される入力回路と
を具備し、
前記入力回路は、前記第2の利得制御信号をもとに前記第1の利得制御信号を生成する、電流増幅用のPNPトランジスタおよび電流/電圧変換用のPNPトランジスタを含む電流ミラー回路、および、第2の電圧/電流変換器を含むことを特徴とする可変利得増幅器。 - 前記一方のトランジスタのコレクタ端子には、負荷素子を介して、電源ラインより電源電圧が供給されていることを特徴とする請求項12に記載の可変利得増幅器。
- 利得制御信号に応じて利得を制御することが可能な可変利得増幅器であって、
一方のトランジスタおよび他方のトランジスタによって構成され、前記一方のトランジスタのコレクタ端子から出力信号電圧が取り出され、前記他方のトランジスタには利得を制御するための第1の利得制御信号が供給される差動トランジスタ対と、
前記一方のトランジスタおよび前記他方のトランジスタの共通エミッタ端子に接続され、入力信号電圧を与える第1の電圧/電流変換器と、
前記一方のトランジスタのベース端子に一定のバイアス電圧を印加する電源回路と、
前記他方のトランジスタの、少なくともベース端子に接続されたコンデンサと、
前記他方のトランジスタに接続され、利得を制御するための第2の利得制御信号が入力される入力回路と
を具備し、
前記入力回路は、前記第2の利得制御信号をもとに前記第1の利得制御信号を生成する、電流増幅用のNPNトランジスタと電圧/電流変換用のPNPトランジスタおよび電圧増幅用のPNPトランジスタと電流/電圧変換用のNPNトランジスタを含む、インバーテッドダーリントン回路からなる電流ミラー回路、および、第2の電圧/電流変換器を含むことを特徴とする可変利得増幅器。 - 前記一方のトランジスタのコレクタ端子には、負荷素子を介して、電源ラインより電源電圧が供給されていることを特徴とする請求項14に記載の可変利得増幅器。
- 前記入力回路は、さらに、定電圧発生用のPNPトランジスタを含むことを特徴とする請求項14に記載の可変利得増幅器。
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