JP3998533B2 - ワイパ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両、船舶、航空機などのウインドガラスに付着した雨滴を自動的に払拭するワイパ制御装置に関し、特に雨滴検出器により雨滴量を検出してワイパの作動を制御するワイパ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のワイパ制御装置として、ワイパの各払拭周期ごとの雨滴量を雨滴センサにより光学的に検出すると共に、各払拭周期ごとに測定した雨滴量に基づき、ワイパの作動を制御するワイパ制御装置が知られている。しかし、雨が同じような降り方をしているときでも、雨滴量は各測定ごとにばらつきを示すのが一般的であり、そのようなばらつきがそのままワイパ制御に反映されると、ワイパ動作が小刻みに変化し、乗員に違和感を与える問題があった。
【0003】
そこで、複数周期分の雨滴量の平均値を求めてワイパの作動を制御するワイパ制御装置が考えられている。このワイパ制御装置は、雨滴センサが検出した検出雨滴量を平均化処理するため、雨滴センサの雨滴検出面積が小さく、ワイパの各払拭周期ごとの検出雨滴量にばらつきが生じても、平均化の際の標本回数を十分に取れば、そのばらつきを吸収できるため、雨滴センサの雨滴検出面積が小さくても、検出雨滴量のばらつきによる不安定な払拭動作などの問題は生じず、雨滴センサを小型化することができるメリットがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このワイパ制御装置では、雨滴検出量を平均化処理するために、雨滴量が急激に変化した場合、算出した平均雨滴量の値に実際の雨滴量が反映されるまでに少なからず時間がかかり、ワイパの払拭速度や間欠時間の切り替えが遅くなるという不具合が考えられる。例えば、雨の中で車両の走行中に急激に雨量が増加した場合、平均雨滴量が増加するまでの暫くの間は、雨量が増加する前のワイパ速度(間欠時間)でワイパが払拭を行うため、運転者には応答性の悪さによる違和感を与えると共に、多量の雨滴の付着によって前方視界を悪化させてしまう。
【0005】
また、雨の降り始めは、雨滴センサのメモリが前の払拭周期の検出データを持たないために、予め決められた固定値を平均雨滴量として制御に使用するが、この固定値として中間的な基準値を使用すると、ワイパの速度が速くなったり遅くなったり、或いは間欠時間が短くなったり長くなったりを繰り返し、安定した払拭動作ができなくなる。
【0006】
さらに、車両が雨の中を走行中、たとえばトンネルの中に入ったような場合、自動運転モードのワイパは、高速払拭動作または間欠時間の短い払拭動作を継続し、ある程度時間が経過しなければ、低速運転あるいは間欠時間の長い払拭動作に移行せず、運転者に違和感を感じさせると共に、ワイパブレードを劣化させるという問題が予想される。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、雨滴量が急激に変化した場合でも、雨滴量に応じて安定した払拭動作を行うことができるワイパ制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1のワイパ制御装置は、ウインドガラスに付着した雨滴を払拭するワイパと、ワイパの払拭範囲に設置され、ウインドガラスに付着した雨滴量を検出する雨滴量検出手段と、雨滴量検出手段が各払拭周期ごとに検出した検出雨滴量を、複数の払拭周期について平均化処理して平均雨滴量を算出する平均雨滴量算出手段と、平均雨滴量算出手段が算出した平均雨滴量に基づき、ワイパの間欠時間を算出する間欠時間算出手段と、間欠時間算出手段が算出した間欠時間に従って、ワイパの払拭時の間欠時間を制御するワイパ制御手段を備えたワイパ制御装置であって、平均雨滴量算出手段は、算出した平均雨滴量が予め定めた基準値を外れた場合、基準値との差が大きくなるほど、平均化するための標本回数を少なくして平均雨滴量を算出することを特徴とする。
【0009】
これにより、雨量が急に増加したり、急に減少した場合には、平均雨滴量を演算する際の標本回数を通常時より少なくして平均雨滴量を算出するから、より実際の雨滴量に近い平均雨滴量に基づき間欠時間を決定することになり、雨量の変化に対してワイパの払拭動作の応答性を改善することができると共に、雨量の急変時にワイパの間欠時間が増加したり減少したりを繰り返す不具合を改善することができる。
【0012】
また、請求項2のワイパ制御装置は、ウインドガラスに付着した雨滴を払拭するワイパと、ワイパの払拭範囲に設置され、ウインドガラスに付着した雨滴量を検出する雨滴量検出手段と、雨滴量検出手段が各払拭周期ごとに検出した検出雨滴量を、複数の払拭周期について平均化処理して平均雨滴量を算出する平均雨滴量算出手段と、平均雨滴量算出手段が算出した平均雨滴量と予め設定した基準値に基づき、ワイパの間欠時間を算出する間欠時間算出手段と、間欠時間算出手段が算出した間欠時間に従って、ワイパの払拭時の間欠時間を制御するワイパ制御手段を備えたワイパ制御装置であって、自動運転モードに入って初めて雨滴検出手段が雨滴を検出したとき、基準値より上のレベルの固定値を平均雨滴量として設定する初回平均雨滴量設定手段が設けられたことを特徴とする。
【0013】
これにより、雨の降り始めは、雨滴量検出手段のメモリが前の払拭周期の検出データを持たないために、通常、予め決められた中間的な基準値が平均雨滴量として制御に使用されるが、本発明では、基準値より上のレベルの固定値を平均雨滴量として設定するため、雨の降り始めで雨滴量が少ない場合でも、ワイパの速度を高めにまたは間欠時間を短めに制御して、ウインドガラス面の雨滴を迅速に払拭し、雨の降り始めに生じやすいワイパの払拭遅れを防止することができる。
【0014】
また、請求項3のワイパ制御装置は、ウインドガラスに付着した雨滴を払拭するワイパと、ワイパの払拭範囲に設置され、ウインドガラスに付着した雨滴量を検出する雨滴量検出手段と、雨滴検出手段が各払拭周期ごとに検出した検出雨滴量を、複数の払拭周期について平均化処理して平均雨滴量を算出する平均雨滴量算出手段と、平均雨滴量算出手段が算出した平均雨滴量と予め設定した基準値及び閾値に基づき、ワイパの払拭速度を決定する払拭速度決定手段と、払拭速度決定手段が決定した払拭速度に従って、ワイパの払拭動作を制御するワイパ制御手段を備えたワイパ制御装置であって、払拭速度決定手段は、平均雨滴量算出手段が算出した平均雨滴量が基準値より上の高速払拭領域の閾値を超えたとき、閾値を平均雨滴量として閾値より上の雨滴量をカットし、ワイパの払拭速度を決定することを特徴とする。
【0015】
車両が大雨の中を走行中、ワイパ制御装置で算出される平均雨滴量は、高速払拭領域の閾値を超えて上昇しやすいが、このような状態で、たとえばトンネルの中に入ったような場合、自動運転モードのワイパは、高速払拭動作または間欠時間の短い払拭動作を継続し、ある程度時間が経過しなければ、低速運転あるいは間欠時間の長い払拭動作に移行しない。しかし、上記構成のワイパ制御装置によれば、算出した平均雨滴量が基準値より上の高速払拭領域の閾値を超えたとき、閾値を平均雨滴量として閾値より上の雨滴量をカットするから、雨滴量が急激に減少した場合、迅速に低速払拭あるいは間欠時間の長い間欠運転に移行させ、運転者に違和感を感じさせず、ワイパブレードの劣化を防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は車両用のワイパ制御装置の概略構成図を示している。このワイパ制御装置は、車両のウインドガラス9に配設されたワイパWの払拭領域の内側に装着された雨滴検出器1を備えている。雨滴検出器1は上記雨滴量検出手段であって、各払拭動作毎にウインドガラス9に付着した雨滴量を検出し、その検出信号を出力する。
【0017】
雨滴検出器1は、赤外線などの光を投光する投光素子と、投光された赤外線を受光する受光素子、及びプリズム、集光レンズなどの光学系、及び検出演算回路を小型のケース内に収納して構成され、投光素子から投光された光をプリズム、集光レンズを通してウインドガラス9に向けて投光・反射させ、その反射光をプリズム、集光レンズを通して受光素子に受光させる。ウインドガラス9の外側表面に雨滴が付着していないときは、ガラス面に入射した光は略全反射され、受光素子に受光されるが、ガラス9の外側表面に雨滴が付着すると、その雨滴によって全反射が損なわれ、受光素子が受光する受光量が雨滴量に応じて低下する。この雨滴量に応じて低下した受光素子の出力信号が雨滴量の検出信号としてワイパ制御用のマイクロコンピュータ3に送られる。
【0018】
ワイパWは、運転席側と助手席側のワイパブレード7、8を備え、このワイパブレード7、8をワイパモータ5によって扇状に揺動させ、運転席側と助手席側のウインドガラス面を払拭する。ワイパモータ5はモータ駆動回路4によって、低速、高速、または間欠運転で駆動され、特に自動モードにおけるそれらの切り替え及び間欠運転時の間欠時間は、ワイパスイッチ8とマイクロコンピュータ3によって制御される。ワイパスイッチ8は運転者が操作するスイッチで、自動モード、低速運転、高速運転、感度調整を手動で切り替える。本実施形態では、このワイパスイッチ8が自動モードになっているとき、マイクロコンピュータ3がワイパWの自動制御を実行する。
【0019】
マイクロコンピュータ3は、概略的には、雨滴量検出器1からの検出信号を、所定の払拭動作後のタイミングでサンプリングして取り込み、このサンプリングデータを順にRAMに記憶し、各払拭動作毎に複数回の標本回数における移動平均値つまり平均雨滴量を算出する。移動平均雨滴量であるから、各回の平均雨滴量の算出は、各回のサンプリング値から所定の標本回数だけ過去の標本のサンプリング値を積算し、それを標本回数でして平均値を算出する。
【0020】
ここで、雨滴検出のタイミングが間欠時間終了時に設定される場合、検出される総雨滴量は、間欠時間中に降った雨滴量を意味し、例えばワイパの高速運転においては0.2〜0.3秒の間欠時間が存在し、低速運転においては0.4〜0.5秒の間欠時間が存在するため、間欠時間終了時のタイミングで検出された雨滴量は、間欠時間に応じた値となる。なお、雨滴量の検出は、必ずしも間欠時間終了時或いは間欠時間中に測定する必要はなく、雨滴量を各払拭周期の任意の時間に測定することもできる。
【0021】
そして、図3のグラフ図に示すように、その平均雨滴量と予め設定した複数の閾値を比較し、その比較結果に基づき、間欠運転時の間欠時間を算出する。また、その平均雨滴量に応じて、次の払拭周期における平均雨滴量の計算のための標本回数が決定される。
【0022】
図3のグラフ図に示すように、算出された移動平均雨量について、まず、制御の基準となる基準値SMが略中央のレベルで設定され、基準値SMの上に閾値SU1が、その上に閾値SU2が所定の幅で設定され、その上に閾値SU3が、その上に閾値SU4が所定の幅で設定される。さらに、基準値SMの下側に、閾値SL1が所定の幅で設定され、その下に閾値SL2が設定され、その下に閾値SL3が所定の幅で設定される。
【0023】
基準値SMを含む閾値SU1と閾値SL1との間は基本領域Mであり、ここでは間欠時間調整値が0%に設定され、閾値SU1と閾値SU2との間は上第一領域U1であり、ここでは間欠時間調整値が−10%に設定され、閾値SU2と閾値SU3との間は上第二領域U2であり、ここでは間欠時間調整値が−30%に設定され、閾値SU3と閾値SU4との間は上第三領域U3であり、ここでは間欠時間調整値が−70%に設定され、閾値SU4より上は連続高速運転用に設定される。
【0024】
一方、下側は、閾値SL1と閾値SL2との間は下第一領域D1であり、ここでは間欠時間調整値が+10%に設定され、閾値SL2と閾値SL3との間は下第二領域D2であり、ここでは間欠時間調整値が+30%に設定され、閾値SL3より下は下第三領域D3であり、ここでは間欠時間調整値が+70%に設定される。
【0025】
さらに、上記基本領域Mは、平均化演算の標本回数が16、つまり移動平均を算出する際のサンプリング数が16に設定され、上記上第一領域U1と上第二領域U2は、平均化演算の標本回数が8に設定され、上記上第三域領域U3とその上の領域は、平均化演算の標本回数が4に設定される。一方、上記下第一領域D1と下第二領域D2は、平均化演算の標本回数が8に設定され、上記下第三域領域D3とその下の領域は、平均化演算の標本回数が4に設定される。
【0026】
次に、上記構成のワイパ制御装置の動作を図2のフローチャートを参照して説明する。ワイパスイッチ8が自動運転モードにセットされている状態で、マイクロコンピュータ3は、まずステップ100で、平均化演算のための標本回数の設定値を初期化し、次にステップ110で、雨滴検出器1から検出信号をサンプリングして、このサンプリングデータを取り込む。ワイパWが払拭動作を行っている場合は、各回の払拭動作ごとに、所定のタイミングでサンプリングを行って雨滴量のサンプリングデータを取り込む。
【0027】
次に、ステップ120で、検出された雨滴量における所定標本回数の移動平均雨滴量を算出する。この際の標本回数は、上記のように前回の移動平均雨滴量に基づき決定されたものである。そして、今回の検出雨滴量から前の標本回数までの検出雨滴量が積算され、それを標本回数で除算することにより、移動平均雨滴量が算出される。
【0028】
次に、ステップ130からステップ170にて、上記ステップ120で算出した移動平均雨滴量の値に基づき、次回の平均値算出時の標本回数を決定する。例えば、今回の移動平均雨滴量が図3のグラフ図の略中央の基本領域M内にある場合は、ステップ130からステップ160に進み、標本回数を例えば最大標本回数の16に決定する。
【0029】
一方、移動平均雨滴量が多く上第一領域U1から上第三領域U3にある場合は、ステップ150に進み、平均化演算の標本回数を8に決定し、移動平均雨滴量が極めて多く上第三領域U3より上の第四領域U4にある場合は、ステップ140に進み、標本回数は4に決定される。そして、今回の移動平均雨滴量が極めて多く次回の標本回数が4より上に決定された場合は、ステップ140からステップ220に進み、ワイパWの駆動を高速運転とする。
【0030】
また、今回の移動平均雨滴量が、少し多く次回の標本回数が8に決定された場合は、ステップ150からステップ175に進み、間欠運転時の間欠時間を算出する。この間欠時間は、今回の移動平均雨滴量が閾値SU1と閾値SU2との間の上第一領域U1にある場合、間欠時間調整値として−10%を用いて短縮して算出され、閾値SU2と閾値SU3との間の上第二領域U2にある場合は、間欠時間調整値の−30%を用いて算出される。また、今回の移動平均雨滴量が閾値SU3と閾値SU4との間の上第三領域U3にある場合は、間欠時間調整値の−70%を用いて間欠時間が算出される。
【0031】
一方、今回の移動平均雨滴量が、基準値SM付近で、今回の標本回数が例えば16に決定された場合は、ステップ160からステップ180に進み、間欠運転時の間欠時間調整値を0%として、間欠時間を算出する。
【0032】
また、今回の移動平均雨滴量が少なく、下第一領域D1以下の場合、次回の標本回数が例えば8または4に決定されると、ステップ170からステップ190に進み、間欠運転時の間欠時間を算出する。この間欠時間は、今回の移動平均雨滴量が閾値SL1と閾値SL2との間の下第一領域D1にある場合は、間欠時間調整値として+10%を用いて延長して算出され、閾値SL2と閾値SL3との間の下第二領域D2にある場合は、間欠時間調整値の+30%を用いて算出される。また、今回の移動平均雨滴量が閾値SL3より上の下第三領域D3にある場合は、間欠時間調整値の+70%を用いて間欠時間が延長して算出される。
【0033】
一方、今回の平均雨滴量が非常に少なく、雨滴量なしと判断した場合、ステップ130からステップ215に進み、次回の標本回数を最小の4に決定し、そして次にステップ240に進み、払拭動作を停止する。
【0034】
一方、ステップ175で、間欠時間調整値として−10%、−30%、または−70%を用いて短縮する側に間欠時間が算出された場合、次に、ステップ210に進み、ステップ175で算出された間欠時間に基づき、間欠時間が0秒になったか否かを判定する。そして、間欠時間が実質的に0秒になるまではステップ210からステップ235に進み、間欠運転を実施し、間欠時間が実質的に0秒になったとき、次にステップ230に進み、低速運転を実施する。また、同様に、ステップ180で、間欠運転時の間欠時間調整値を0%として、間欠時間を算出した場合、次に、ステップ210で、算出された間欠時間に基づき、間欠時間が0秒になったか否かを判定する。そして、このステップ210では、間欠時間が実質的に0秒になるまではステップ235に進み、間欠運転を実施し、間欠時間が実質的に0秒になったとき、次にステップ230に進み、低速運転を実施する。
【0035】
一方、ステップ190で、間欠時間調整値として+10%、+30%、または+70%を用いて延長する側に間欠時間が算出された場合、次に、ステップ200に進み、間欠時間が最大値の12秒以下であるか否かを判定し、12秒以下であるとき、次にステップ210に進み、ステップ190で算出された間欠時間に基づき、間欠時間が0秒になったとき、次にステップ230で、低速運転を実施する。ステップ200で、間欠時間が12秒を超えていると判定した場合、次にステップ215に進み、次回の標本回数を最小の4に決定し、そして次にステップ240に進み、払拭動作を停止する。
【0036】
このように、上記ステップ110からステップ240が繰り返されることにより、雨滴検出器1の検出雨滴量に基づき算出された移動平均雨滴量が、基準値SMより上の領域U1〜U3にある場合には、図3のグラフ図に示すごとく、上の領域に行くほど、間欠調整時間が−10%、−30%、または−70%と短縮するように制御するため、ワイパWは間欠運転時の間欠時間が短縮するように駆動制御される。このような間欠時間の短縮を伴うワイパの払拭動作によってウインドガラス面の雨滴量が減少し、移動平均雨滴量も、徐々に低下し、基準値SMに近づく。
【0037】
同様に、移動平均雨滴量が、基準値SMより下の領域D1〜D3にある場合には、下の領域に行くほど、間欠調整時間が+10%、+30%、または+70%と延長するように制御されるため、ワイパWは間欠運転時の間欠時間が延長するように駆動制御される。これによってウインドガラス面の雨滴量が増加し、移動平均雨滴量も、徐々に増加し、基準値SMに近づく。したがって、ワイパWの駆動は、移動平均雨滴量が、間欠調整時間0%の基準値SM近傍で制御されるため、安定した払拭動作を行うことができる。
【0038】
さらに、図3のグラフ図に示すように、移動平均雨滴量は、基準値SMから上の領域にあるいは下の領域に離れるほど、次回の平均化処理時の標本回数が8回、4回と少なくなるため、算出する移動平均雨滴量の変化が大きくなり、急に雨が激しくなり急激に雨滴量が増加した場合、或いはトンネルなどに入って急激に雨滴量が減少した場合、短時間で迅速に間欠時間を現在の雨滴量に合わせるように制御することができる。
【0039】
図4は他の実施形態のフローチャートを示している。この例では、雨の降り始めに間欠運転の間欠時間が不必要に長くなることを防止し、また、大雨の際などに移動平均雨滴量が増大し、ワイパWが高速運転を行う際、その雨が急激に減少したときには、迅速に低速運転に戻すようにする。
【0040】
図4のフローチャートにおいて、マイクロコンピュータ3は、まず、ステップ300で初期化を行った後、ステップ305で雨滴検出を行い、自動運転モード時、ステップ310及び315で、ワイパ停止モードか否かと雨滴ありか否かを判定し、雨滴検出器1が初めて雨滴量を検出したか否かを判定する。ここで、初回の雨滴検出である場合、次に、ステップ320に進み、初回の平均雨滴量を、基準値SMより上の固定値、例えば上第二領域SU2内の値に設定する。初回の雨滴検出の場合、前回以前の平均雨滴量データがないため、固定値として通常、基準値SMが初回の平均雨滴量として設定されるが、ここでは、初回の平均雨滴量を基準値SMより上の上第二領域SU2内に設定する。
【0041】
このように、図3のグラフ図に示すごとく、移動平均雨滴量が基準値SMより上の上第二領域SU2内に設定されることによって、次回の平均化演算のための標本回数は基準値の場合の16より少なく8と設定され、また、間欠調整時間も−30%に設定される。したがって、雨の降り始めに間欠運転の間欠時間が不必要に長くなることは防止される。なお、上記ステップ315で、雨滴なしと判断した場合、ステップ305に戻り、ワイパ停止のまま雨滴が検出されるまで、これら一連のステップを繰り返す。
【0042】
一方、ステップ310で、ワイパ停止モードでない、つまり高速、低速、間欠運転の何れかと判定した場合は、次に、ステップ330に進み、前回設定された平均化の標本回数に基づき、その回の平均雨滴量を算出する。次に、ステップ340に進み、上記で算出した平均雨滴量がワイパWの高速運転に対応した平均雨滴量つまり図3のグラフ図で閾値SU4を越えた平均雨滴量であるか否かを判定する。ここで、算出した平均雨滴量がワイパWの高速運転に対応した平均雨滴量を超えていると判定した場合、次にステップ350に進み、今回の平均雨滴量を上第三領域の上限値である閾値SU4に設定する。
【0043】
一方、ステップ340で、算出した平均雨滴量がワイパWの高速運転に対応した平均雨滴量(閾値SU4)以下であると判定した場合、そのままステップ360に進む。そして、ステップ360では、上記ステップで設定された平均雨滴量に基づき、ワイパWの運転が、高速運転または低速運転、間欠運転の何れかに設定され、間欠運転の場合は、次のステップ370で、間欠時間が、上記実施例と同様に、図3のグラフ図に示すごとく、その移動平均雨滴量が位置する領域に基づき、例えば上第一領域U1にある場合、間欠時間調整値として−10%を用いて間欠時間が短縮して算出され、閾値SU2と閾値SU3との間の上第二領域U2にある場合は、間欠時間調整値の−30%を用いて間欠時間が算出される。そして、次のステップ375で、払拭停止か否かを判定し、間欠時間が所定時間以上の場合、払拭停止と判断して、ワイパ停止モードに移行し、払拭停止でない場合、次のステップ380で、算出された間欠時間を用いてワイパWの駆動制御が実行される。そして、ステップ380から再びステップ305に戻り、以下上述のステップを繰り返す。
【0044】
このように、初回の平均雨滴量を基準値SMより上の例えば上第二領域U2内に設定することによって、次回の平均化演算のための標本回数が基準値SMの場合の例えば16より少ない8に設定されるから、間欠調整時間も例えば−30%と間欠時間が短くなるように設定され、雨の降り始めに間欠運転の間欠時間が不必要に長くなることは防止され、払拭遅れをなくして良好な視界を確保することができる。また、算出した平均雨滴量がワイパWの高速運転に対応した平均雨滴量の閾値を越えた大雨時の値である場合、今回の平均雨滴量を高速運転の閾値にその上限をカットして設定するから、例えば、大雨の中を車両が走行時にトンネル内に入ったような場合、ワイパWの高速運転を迅速に間欠運転へと移行するような制御を行うことができ、運転者には違和感を感じさせずに、払拭動作をおこない、雨滴量が少ないにも係わらずワイパWが高速運転されることがなく、ワイパブレードの劣化を防止することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1のワイパ制御装置によれば、雨量が急に増加したり減少した場合、平均雨滴量を演算する際の標本回数を通常時より少なくして平均雨滴量を算出するから、より実際の雨滴量に近い平均雨滴量に基づき間欠時間を決定することになり、雨量の変化に対してワイパの払拭動作の応答性を改善し、雨量の急変時にワイパが間欠時間の増減を繰り返す不具合を改善することができる。
【0047】
また、請求項2のワイパ制御装置によれば、自動運転モードに入って初めての雨滴検出時には、基準値より上のレベルの固定値を平均雨滴量として設定するため、雨の降り始めで雨滴量が少ない場合でも、ワイパの速度を高めにまたは間欠時間を短めに制御して、ウインドガラス面の雨滴を迅速に払拭し、雨の降り始めに生じやすいワイパの払拭遅れを防止することができる。
【0048】
また、請求項3のワイパ制御装置によれば、算出した平均雨滴量が基準値より上の高速払拭領域の閾値を超えたとき、閾値を平均雨滴量として閾値より上の雨滴量をカットするから、雨滴量が急激に減少した場合、迅速に低速払拭に或いは間欠時間の長い間欠運転に移行させ、運転者に違和感を感じさせず、ワイパブレードの劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すワイパ制御装置のブロック構成図である。
【図2】ワイパ制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】移動平均雨滴量の変化、各閾値、間欠調整時間、ワイパ動作を示すグラフ図である。
【図4】他の実施形態のワイパ制御装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1−雨滴検出器
3−マイクロコンピュータ
4−モータ駆動回路
5−ワイパモータ
7,8−ワイパブレード
9−ウインドガラス
Claims (3)
- ウインドガラスに付着した雨滴を払拭するワイパと、
該ワイパの払拭範囲に設置され、該ウインドガラスに付着した雨滴量を検出する雨滴量検出手段と、
該雨滴量検出手段が各払拭周期ごとに検出した検出雨滴量を、複数の払拭周期について平均化処理して平均雨滴量を算出する平均雨滴量算出手段と、
該平均雨滴量算出手段が算出した平均雨滴量に基づき、前記ワイパの間欠時間を算出する間欠時間算出手段と、
該間欠時間算出手段が算出した間欠時間に従って、該ワイパの払拭時の間欠時間を制御するワイパ制御手段、
を備えたワイパ制御装置であって、
前記平均雨滴量算出手段は、算出した平均雨滴量が予め定めた基準値を外れた場合、該基準値との差が大きくなるほど、該平均化するための標本回数を少なくして平均雨滴量を算出することを特徴とするワイパ制御装置。 - ウインドガラスに付着した雨滴を払拭するワイパと、
該ワイパの払拭範囲に設置され、該ウインドガラスに付着した雨滴量を検出する雨滴量検出手段と、
該雨滴量検出手段が各払拭周期ごとに検出した検出雨滴量を、複数の払拭周期について平均化処理して平均雨滴量を算出する平均雨滴量算出手段と、
該平均雨滴量算出手段が算出した平均雨滴量と予め設定した基準値に基づき、前記ワイパの間欠時間を算出する間欠時間算出手段と、
該間欠時間算出手段が算出した間欠時間に従って、該ワイパの払拭時の間欠時間を制御するワイパ制御手段、
を備えたワイパ制御装置であって、
自動運転モードに入って初めて前記雨滴検出手段が雨滴を検出したとき、前記基準値より上のレベルの固定値を平均雨滴量として設定する初回平均雨滴量設定手段が設けられたことを特徴とするワイパ制御装置。 - ウインドガラスに付着した雨滴を払拭するワイパと、
該ワイパの払拭範囲に設置され、該ウインドガラスに付着した雨滴量を検出する雨滴量検出手段と、
該雨滴検出手段が各払拭周期ごとに検出した検出雨滴量を、複数の払拭周期について平均化処理して平均雨滴量を算出する平均雨滴量算出手段と、
該平均雨滴量算出手段が算出した平均雨滴量と予め設定した基準値及び閾値に基づき、前記ワイパの払拭速度を決定する払拭速度決定手段と、
該払拭速度決定手段が決定した払拭速度に従って、ワイパの払拭動作を制御するワイパ制御手段、
を備えたワイパ制御装置であって、
前記払拭速度決定手段は、前記平均雨滴量算出手段が算出した平均雨滴量が前記基準値より上の高速払拭領域の閾値を越えたとき、該閾値を平均雨滴量として該閾値より上の雨滴量をカットし、前記ワイパの払拭速度を決定することを特徴とするワイパ制御装置。
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