JP3998324B2 - 監視用カメラシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、道路等の監視画像の収集に用いる監視用カメラシステムに関し、詳しくは、既設の照明ポールを利用してカメラ装置を取り付けることで画像の収集を行う監視用カメラシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、道路や鉄道、河川等においては、監視必要個所にITVカメラを設置し、該ITVカメラで撮像した画像を収集することにより該道路や鉄道、河川等の状態を監視することが行われている。このITVカメラの設置に際しては、従来、専用のポール等を立てて、この専用のポール等にITVカメラを取り付けている。
【0003】
しかし、ITVカメラの設置のために専用のポール等を立てると、その費用が大きなものになり、さらに、美観的にも好ましくないばかりか、歩行者や他の設備等の邪魔にもなるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く、従来、道路や鉄道、河川等の監視のためのITVカメラの設置に際しては、専用のポール等を立てることにより行われていたので、その費用が大きなものになり、さらに、美観的にも好ましくないばかりか、歩行者や他の設備等の邪魔にもなるという問題があった。
【0005】
そこで、この発明は、照明ポールにカメラ装置を組み込むことにより美観を損なうことなくかつ他の設備等の邪魔にもならずに監視画像を収集することのできる監視用カメラシステムを安価に提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、先端に照明灯を有する照明ポールの所定の位置に取り付けられたカメラ装置と、前記照明ポールに実装され、前記カメラ装置で撮像した画像の伝送および前記カメラ装置の制御を行う伝送制御装置とを具備する監視用カメラシステムにおいて、前記カメラ装置を前記照明ポールの2次の振動の節となる部分の近傍に取り付けたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記照明ポールは、該照明ポールの振動を制振する制振手段を有することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記伝送制御装置は、前記カメラ装置で撮像した撮像画像を光信号に変換して光ファイバ伝送路に出力する電気−光変換手段を具備することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記伝送制御装置は、前記照明ポールの安定器ボックス内に実装されることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る監視用カメラシステムの一実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は、この発明に係る監視用カメラシステムの一実施の形態を示す外観図である。
【0018】
図1において、この監視用カメラシステムは、道路等を照明するための既存の照明ポール50を利用して監視対象を撮像するカメラ装置1を設置する。
【0019】
すなわち、図1において、この監視用カメラシステムの監視対象を撮像するカメラ装置1は、既存の照明ポール50の所定の高さ位置に取り付けられ、このカメラ装置1で撮像された画像の伝送およびカメラ装置1を制御する伝送装置は、この既存の照明ポール50の下部に取り付けられたこの照明ポール50の照明灯51を駆動するための安定器ボックス60内に実装される。
【0020】
図2は、図1に示したカメラ装置の正面図であり、図3は該カメラ装置の上面図である。
【0021】
図2および図3において、カメラ装置1は、筐体上部2と筐体下部3、回転部4、取付金具5、取付ベルト6−1、6−2を具備して構成され、取付ベルト6−1、6−2によって照明ポール50に取り付けられる。
【0022】
筐体上部2と筐体下部3は、ともに半球状の形状であり、両者を結合して得られる球状の筐体に後述するカメラを収納する。また、筐体下部3は、例えばアクリル樹脂、ガラス等の透明度の高い若しくは半透明の材質により作成されている。
【0023】
回転部4は、筐体上部2と筐体下部3を鉛直方向を軸として回転させる。取付金具5は、筐体上部2と筐体下部3、回転部4を懸垂し、取付ベルト6−1、6−2により照明ポール50に取り付けられる。
【0024】
図4は、上記筐体上部2および筐体下部3から構成される球状の筐体内に収納されるカメラ部を説明する図である。
【0025】
図4において、この監視用カメラシステムの監視対象を撮像するカメラ部10は、筐体上部2および筐体下部3から構成される球状の筐体部内に収容され、このカメラ部10は図示しないモータ若しくは手動で軸部11を中心に回転することで視野12を可変することができるように構成されている。
【0026】
ここで、このカメラ部10は、レンズを中心とする必要最小限の部品のみを含む構成としてもよく、この場合には、他の構成部品は図1に示した照明ポール50の下部の安定器ボックス60内に実装するように構成してもよい。
【0027】
また、カメラ部10は、映像出力をNTSC信号(アナログ電気信号)として例えば、同軸ケーブルを介して出力してもよいが、照明ポール50が設置されている位置に光ファイバ網が敷設されている場合などには、映像出力(NTSC信号)を光ファイバケーブルを介して直接光信号として出力するように構成してもよい。
【0028】
また、上述したカメラ装置1の形状は、一例を示したもので、多角形形状、かまぼこ形状等でもよい。
【0029】
図5は、図1に示した伝送装置を実装する安定器ボックス60の詳細を示した図である。
【0030】
図5において、図5(a)は、上述したこの照明ポール50の照明灯51を安定駆動するための安定器ボックス60の既存のボックス部を示すもので、このボックス部は、ボックス枠部61とその開口部を塞ぐ蓋部63から構成されている。このボックス枠部61の内部には、上記照明ポール50の照明灯51を安定駆動するための安定器62が実装されている。
【0031】
この実施の形態においては、この安定器が実装された既存のボックス部(安定器ボックス)を利用して、この監視用カメラシステムの伝送装置を実装する。
【0032】
すなわち、図5(b)に示すように、この既存のボックス部のボックス枠部61からその蓋部63を外し、このボックス枠部61とその外周形状が同一の大きさからなり、その内部にこの監視用カメラシステムの伝送装置64が収容されたボックス枠部65を重ねて取り付け、このボックス枠部65の開口部に上記蓋部63を取り付ける。
【0033】
図5(c)は、このようにしてこの監視用カメラシステムの伝送装置64を実装した後の状態を示すもので、このような実装手法によると、図5(c)に示すように、既存のボックス部の厚さがこの監視用カメラシステムの伝送装置64を収容するボックス枠部65の厚さ分だけ厚くなるだけなので、照明ポールの全体の美観を損なうことなくこの監視用カメラシステムの伝送装置64の設置が可能になる。
【0034】
なお、伝送装置64は、照明ポール50の安定器ボックス60内に実装する代わりに、図6に示すように照明ポール50の下部の安定器ボックス60の近傍に取り付けるように構成してもよい。
【0035】
すなわち、図6において、伝送装置64を収容するボックス枠部65は、照明ポール50の安定器ボックス60の上に、例えば、ベルトにより照明ポール50に取り付けられる。なお、この伝送装置64を収容するボックス枠部65の取り付けはベルト以外の他の固定具を用いてもよい。
【0036】
ここで、伝送装置64を照明ポール50の下部に取り付けるのは、美観的理由と、強度的理由による。すなわち、後に説明するように、伝送装置64は照明ポール50の下部に取り付けた方が強度的に問題なく、また照明ポール50の振動は、照明ポール50の下部が一番小さい。
【0037】
図7は、この実施の形態の監視用カメラシステムの配線の一例を示した図である。
【0038】
図7において、照明ポール50の安定器ボックス60内には、上述したようにして、この照明ポール50の照明灯51を駆動するための安定器62およびこのこの監視用カメラシステムの伝送装置64が実装される。そして、安定器62は、地下に敷設された電力線ケーブル71からの給電を受け、安定化電源を電力供給ケーブル66を介してこの照明ポール50の照明灯51に供給する。
【0039】
ここで、照明ポール50の照明灯51は、地下に敷設された電力線ケーブル71から給電を受ける代わりに、空中等に配設された外部電力線ケーブルから給電を受けるものでもよい。
【0040】
また、伝送装置64は、カメラ装置1で撮像した画像に対応する画像信号を信号ケーブル67を介して入力し、この画像信号を図示しない電気−光変換部で光信号に変換して、地下に敷設された光ファイバケーブル72に光コネクタ73を介して伝送する。
【0041】
なお、伝送装置64による光ケーブル72に対する光信号の送信は所定のプロトコルに基づき行われるが、この詳細についてはこの発明の要旨と関係がないのでこの明細書ではその詳細説明を省略する。
【0042】
また、カメラ装置1を直接光信号として出力するように構成した場合は、図7に示した信号ケーブル67を光ファイバケーブルに置き換えることができる。
【0043】
また、図7においては、カメラ装置1と伝送装置64を接続する信号ケーブル67および伝送装置64と光コネクタ73を接続する光ファイバケーブルを照明ポール50の内部に内装するように構成したが、これらを照明ポール50の外側に配線するように構成してもよい。
【0044】
図8は、この発明の監視用カメラシステムの全体構成をブロック図で示したものである。
【0045】
すなわち、図8において、照明ポール50に取り付けられたカメラ装置1で撮像された画像信号は、図7に示したように照明ポール50に取り付けられた送信側の伝送装置64を介して光ファイバケーブル72に送出される。この光ファイバケーブル72に送出された画像信号は、センタ装置等に配設された受信側の伝送装置80で受信され、受像機90に画像として表示される。
【0046】
ここで、センタ装置等に配設された受信側の伝送装置80は、複数の個所に配設された照明ポール50のカメラ装置1からの画像信号を受信できるように構成されており、また、受像機90は、複数の個所に配設された照明ポール50のカメラ装置1からの画像信号に対応する画像を分割若しくは切換えて表示するように構成されている。
【0047】
ところで、上述した既存の照明ポール50を利用してカメラ部1および伝送装置63を取り付けた監視用カメラシステムにおいては、以下のような問題がある。
【0048】
すなわち、この既存の照明ポール50は、この発明の監視用カメラシステムのようなカメラ部1の取り付けを前提として設計されていないため、この照明ポール50の設置場所によっては、その振動によりカメラ部1から監視対象物の監視に耐え得る画像信号が得られない場合がある。
【0049】
すなわち、この種の照明ポール50は、一般に屋外に設置されるのが普通であり、風等の影響により揺れる場合があり、また、道路、橋梁等に設置された場合には、道路等を通行する車両の影響で揺れる場合がある。
【0050】
この場合、この照明ポール50に取り付けられたカメラ装置の撮像画像もぶれことになり、この結果、監視対象物の監視を行うに充分な画像信号を得られない場合が生じる。
【0051】
そこで、この実施の形態の監視用カメラシステムでは以下に示す対策の1つまたは複数の対策を採用する。
【0052】
1)カメラ装置1にその撮像画像のぶれを電気的に補正する補正回路を内蔵する。
【0053】
2)カメラ装置1にカメラ装置自体の振動を機械的に制振する制振装置を取り付ける。
【0054】
3)照明ポール50に照明ポール50自体の振動を機械的に制振する制振装置を取り付ける。
【0055】
4)カメラ装置1の取り付け高さ位置を照明ポール50の実際の揺れの測定からその揺れ幅の最小の位置にする。
【0056】
ここで、上記第1の手法であるカメラ装置1の撮像画像のぶれを電気的に補正する補正回路としては、カメラ装置1の撮像画像の一部を切り出し、この切り出した画像を基に画像信号を処理することにより画像信号の揺れ成分を電気的に除去する手法を採用することができる。この手法は、応答性が速く、機械的な可動部がないため信頼性がある。また、撮像画像のブレを光学的に補正してもよい。
また、第2の手法であるカメラ装置1にカメラ装置自体の振動を機械的に制振する制振装置としては、カメラ装置1の台座にジャイロ機構を取り付ける手法を採用することができる。これにより、照明ポール50がある程度揺れてもこれを吸収し、また、監視方向の位置補正をすることができる。
【0057】
また、第3手法である照明ポール50に照明ポール50自体の振動を機械的に制振する制振装置としては周知のダンパ機構等を採用することができる。これにより、照明ポール50自体の振動を減衰させることができる。
【0058】
また、第4の手法は、照明ポール50が設置する環境下で、照明ポール50の各高さ位置での揺れ幅を測定またはシュミレーションにて確認する。そして、撮像対象物の撮像が可能な高さ位置の中でその揺れ幅が最小となる位置を選択、またはシュミレーションで検証し、該揺れ幅が最小となる高さ位置にカメラ装置1を取り付ける。
【0059】
すなわち、照明ポール50の振動には、図9(a)に示す1次の振動と図9(b)に示す2次およびこれ以上の高次の振動が含まれる。ここで、撮像対象の撮像が可能な高さ位置の中でその揺れ幅が最小となる位置は、図9(b)に示す主たる2次の振動の節となる部分の近傍に求めることができる。
【0060】
上記構成により、照明ポール50の揺れが発生する環境下においても監視対象物の監視を行うに充分な画像信号を得ることが可能になる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、先端に照明灯を有する照明ポールの所定の位置に取り付けられたカメラ装置と、照明ポールに実装され、カメラ装置で撮像した画像の伝送およびカメラ装置の制御を行う伝送制御装置とを具備する監視用カメラシステムにおいて、カメラ装置を照明ポールの2次の振動の節となる部分の近傍に取り付けるように構成したので、カメラ装置の振動を最小限に抑えて道路や鉄道、河川等の監視画像を容易に収集することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る監視用カメラシステムの一実施の形態を示す外観図。
【図2】図1に示したカメラ装置の正面図。
【図3】図1に示したカメラ装置の上面図。
【図4】図2および図3に示した筐体上部および筐体下部から構成される球状の筐体内に収納されるカメラ部を説明する図。
【図5】図1に示した伝送装置を実装する安定器ボックスの詳細を説明する図。
【図6】図1に示した照明ポールに対する伝送装置の実装の他の例を説明する図。
【図7】図1に示した監視用カメラシステムの配線の仕方を示した図。
【図8】図1に示した監視用カメラシステムの全体構成を示すブロック図。
【図9】図1に示した照明ポールの振動を説明する図。
【符号の説明】
1 カメラ装置
2 筐体上部
3 筐体下部
4 回転部
5 取付金具
6−1、6−2 取付ベルト
10 カメラ部
11 軸部
12 視野
50 照明ポール
60 安定器ボックス
61 ボックス枠部
62 安定器
63 蓋部
64 伝送装置
65 ボックス枠部
66 電力供給ケーブル
67 信号ケーブル
71 電力線ケーブル
72 光ファイバケーブル
73 光コネクタ
Claims (4)
- 先端に照明灯を有する照明ポールの所定の位置に取り付けられたカメラ装置と、前記照明ポールに実装され、前記カメラ装置で撮像した画像の伝送および前記カメラ装置の制御を行う伝送制御装置とを具備する監視用カメラシステムにおいて、
前記カメラ装置を前記照明ポールの2次の振動の節となる部分の近傍に取り付けたことを特徴とする監視用カメラシステム。 - 前記照明ポールは、
該照明ポールの振動を制振する制振手段
を有することを特徴とする請求項1記載の監視用カメラシステム。 - 前記伝送制御装置は、
前記カメラ装置で撮像した撮像画像を光信号に変換して光ファイバ伝送路に出力する電気−光変換手段
を具備することを特徴とする請求項1記載の監視用カメラシステム。 - 前記伝送制御装置は、
前記照明ポールの安定器ボックス内に実装される
ことを特徴とする請求項1記載の監視用カメラシステム。
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