JP3998228B2 - 光ファイバ多孔質母材、光ファイバガラス母材並びにこれらの製造方法 - Google Patents

光ファイバ多孔質母材、光ファイバガラス母材並びにこれらの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、VAD法によりターゲットの周囲にスート(ガラス微粉末、SiO2 )を堆積させた光ファイバ多孔質母材およびこれを焼結・ガラス化した光ファイバガラス母材(プリフォーム)並びにこれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ファイバ多孔質母材は、VAD法(Vapor−phase Axial Deposition、気相軸付法)によれば、例えば酸水素火炎中にけい素の塩素化合物である原料ガスとドーパント材のガスを流し、加水分解反応によって生成したスートを、軸回転しながら引上げられるターゲットの下端に堆積させて棒状に形成される。
【0003】
すなわち、より具体的には、先ず、ターゲットの下端にコア用バーナで棒状のコアスートを堆積させ、次にこのコアスートの周囲にクラッド用バーナで円柱状のクラッドスートを堆積させて光ファイバ多孔質母材を作製する。そしてこの多孔質母材を加熱・脱水してOH基を除去し、焼結・透明ガラス化して光ファイバガラス母材を得る。次いで、これを溶融・延伸し、線引きして細い光ファイバを製造する。
【0004】
近年、この光ファイバ多孔質母材の大型化が進み、特にクラッド用バーナは複数本使用するのが一般的になってきた。そしてバーナ本数をさらに増設することが検討されてきたが、バーナが増えるにつれて、母材両端の非有効部となるテーパ部が大きくなり母材の収率が悪くなる。そこで、各クラッドスートの堆積厚さを厚くしてテーパ部を小さくするようになってきた。
【0005】
しかし、クラッドスートの堆積厚さが厚くなるにつれて、図2に示すように多孔質母材を焼結・ガラス化した光ファイバガラス母材10のクラッド12中に細かい気泡がスパイラル状に発生し(スパイラル状気泡13)、その発生が頻発するようになってきた。特に、ターゲット1に続いて成長したコア11に隣接する第1クラッド層(不図示)と第2クラッド層(不図示)の間に発生することが多く、この気泡の存在は光ファイバの諸特性の悪化を招き、光ファイバガラス母材の歩留りを低下させることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、複数のクラッド層を有する光ファイバガラス母材のクラッド中にスパイラル状の微少気泡が発生することを防止し、大口径、長尺、高重量のスートを堆積した光ファイバ多孔質母材並びに気泡のない品質に優れた光ファイバガラス母材を高い歩留りで得ることを主たる目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、VAD法により製造された複数のクラッド層を有する光ファイバ多孔質母材において、各クラッド層間の密度差が0.2g/cm3 以下に制御されたものであることを特徴とする光ファイバ多孔質母材である。
【0008】
このように、複数のクラッド層を有する光ファイバ多孔質母材の各クラッド層間の密度差を、0.2g/cm3 以下に制御されたものとすれば、これを焼結・ガラス化したガラス母材内の各クラッド層間に微少気泡がスパイラル状に発生するのを防止できる光ファイバ多孔質母材となる。その結果、光ファイバ多孔質母材の製造歩留り、生産性の向上を図ることができると共に、品質を高め、製造コストを著しく低減することができる。
【0009】
この場合、多孔質母材の直径が100mm以上とすることができる。これは、光ファイバガラス母材の各クラッド層間に見られるスパイラル状気泡の発生が、近年要求される直径100mm以上といった大口径の多孔質母材を焼結・ガラス化した場合に見られることが多く、前記のように多孔質母材の各クラッド層間の密度差を0.2g/cm3 以下に制御すれば効果的に作用し、大口径のガラス母材中のスパイラル状気泡の発生を防止することができるからである。
【0010】
そして、本発明は、前記の光ファイバ多孔質母材から作製されたことを特徴とする光ファイバガラス母材である。
このように、例えば複数のクラッド層を有し、母材直径が100mm以上の光ファイバ多孔質母材の各クラッド層間の密度差を0.2g/cm3 以下に制御されたものとし、これを焼結・ガラス化したガラス母材は、ガラス母材内の各クラッド層間にスパイラル状微少気泡の発生が殆どないものとすることができる光ファイバガラス母材となる。その結果、光ファイバガラス母材の製造歩留り、生産性の向上を図ることができると共に、品質を高め、製造コストを著しく低減することができる。
【0011】
次に、本発明は、VAD法によりクラッド用バーナを複数本使用して光ファイバ多孔質母材を製造する方法において、各クラッド用バーナによって形成される各クラッド層間の密度差を0.2g/cm3 以下に制御することを特徴とする光ファイバ多孔質母材の製造方法である。
【0012】
このように、複数のクラッド層を有する光ファイバ多孔質母材の各クラッド層間の密度差を、0.2g/cm3 以下に制御するようにすれば、これを焼結・ガラス化したガラス母材内の各クラッド層間に微少気泡がスパイラル状に発生するのを防止することができる。その結果、光ファイバ多孔質母材の製造歩留り、生産性の向上を図ることができると共に、品質を高め、製造コストを著しく低減することができる。
【0013】
この場合、各クラッド用バーナの火力を制御することにより、各クラッド層間の密度差を制御することができる。
このように、各クラッド層間の密度差を制御するには、各クラッド用バーナの火力を制御することで達成できる。
【0014】
そして、この場合、多孔質母材の直径が100mm以上の場合に適用することが望ましい。これは、光ファイバガラス母材の各クラッド層間に見られるスパイラル状気泡の発生が、直径100mm以上の大口径の多孔質母材を焼結・ガラス化した場合に見られることが多く、前記のように多孔質母材の各クラッド層間の密度差を0.2g/cm3 以下に制御すれば、大口径ガラス母材中のスパイラル状気泡の発生を有効に防止することができるからである。
【0015】
また、本発明は、前記した製造方法により製造された光ファイバ多孔質母材を焼結・ガラス化することを特徴とする光ファイバガラス母材の製造方法である。
このように、複数のクラッド層を有し、例えば母材直径が100mm以上の光ファイバ多孔質母材の各クラッド層間の密度差を、0.2g/cm3 以下に制御し、できた多孔質母材を焼結・ガラス化すれば、光ファイバガラス母材の各クラッド層間にスパイラル状気泡が発生することを防止することができる。その結果、光ファイバガラス母材の製造歩留り、生産性の向上を図ることができると共に、品質を高め、製造コストを改善することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意調査、検討した結果、光ファイバガラス母材の各クラッド層間に存在するスパイラル状気泡の発生を防止するには、多孔質母材の製造時における各クラッド層間の密度差が大きく影響を及ぼしていることを見出し、諸条件を精査して本発明を完成させた。
【0017】
先ず、図1に本発明に関わるVAD法光ファイバ多孔質母材の製造装置の一つの実施の形態を示す。
図1において、ターゲット1は種棒であって、これはチャンバ(不図示)内に回転自在に収納されると共に、その片端はチャック等により回転引上げ装置7で吊り下げられており、一定速度で回転しながら、所定速度で引上げられるようになっている。そして、ターゲット1の周囲にはコア用バーナ5cからの火炎が吹き付けられて、生成したスート(ガラス微粉末)2が堆積され、コア部3が成長するようになっている。
【0018】
そして、上記コア用バーナ5cの上部には第1クラッド用バーナ5aが、その上には第2クラッド用バーナ5bが配置されており、それぞれ第1クラッド層2a、第2クラッド層2bを形成するようになっている。
コア用バーナ5c、第1クラッド用バーナ5a、第2クラッド用バーナ5bにはそれぞれ原料・燃料ガス供給装置6からスート用原料ガス(例えば、四塩化けい素SiCl4 等の珪素化合物)および燃料ガス(例えば、水素H2 、酸素O2 等)が供給されるようになっている。
【0019】
そして、不図示のチャンバには、未反応ガスや反応生成ガス、未堆積のガラス微粉末などを排気するための排気口が設けてあり、この排気口からチャンバ内を所定の吸引力(排気引圧)で吸引しながら堆積するようになっている。
【0020】
次に、VAD法による光ファイバ多孔質母材の製造方法を説明する。
図1に示すように、ターゲット1を一定速度で回転させながら所定速度で引上げ、その周囲にスート2を堆積させる。ターゲット1を回転させることによりスート2を均一に堆積させることができる。回転速度は、適宜選択されるが、例えば10〜50rpmの範囲がよい。
【0021】
そしてターゲット1を回転させながら且つ火炎バーナ5a、5b、5cから火炎をターゲット1の周囲に吹き付ける。燃料ガスによる酸水素火炎中において原料ガスが加水分解してスート2が生成し、この生成したスート2がターゲット1の周囲に吹き付けられて堆積する。中心にはコア用バーナ5cからのスートが均一に堆積し、棒状のコア部3が形成される。そして、コア部3の回りには第1クラッド用バーナ5aからのスートを堆積し、第1クラッド層2aが形成される。さらに第1クラッド層2aの回りには、第2クラッド用バーナ5bからのスートを堆積し、第2クラッド層2bを形成させる。
この上にさらにクラッド層を設ける場合には、第2クラッド用バーナ5bの上部に第3クラッド用バーナ(不図示)を設けてスートを生成させ、第3クラッド層を形成させることができる。
【0022】
上記のようにして製造した光ファイバ多孔質母材は、次工程で溶融ガラス化して光ファイバガラス母材を得る。具体的には、上記光ファイバ多孔質母材を例えば電気炉内等に入れ、必要に応じ塩素ガス等により脱水工程を行いつつ、例えば1300〜1700℃に加熱することにより光ファイバガラス母材を製造する。
【0023】
次に、本発明の光ファイバ多孔質母材の製造方法において、各クラッド層間の密度差が小さくなるように各クラッド用バーナの火力を制御することにより、光ファイバガラス母材中のスパイラル状気泡の発生を防止することが可能となる作用について説明する。
【0024】
先ず、従来の製造条件で作製された光ファイバ多孔質母材から作製されるガラス母材中にスパイラル状の気泡が発生する原因を追及すべく、多孔質母材の径方向の密度分布を調査した結果、クラッド用バーナにより形成される各クラッド層間には、図3に示すような密度差が存在していることが判った。そしてこのような密度差がある多孔質母材を焼結・ガラス化すると光ファイバガラス母材中のクラッド層間にスパイラル状の気泡が発生することが判ってきた。
【0025】
その理由は、以下のように考えられる。
従来、クラッド用バーナの内、コア部に隣接する第1クラッド層を堆積させる第1クラッド用バーナは、クラッド層を堆積させることと、コア部のサイドを焼くことによる屈折率分布を調整することの二つの役割を担っており、その外側の第2クラッド用バーナに比べると、火力が小さい。そのため多孔質母材が、大型化するにつれ、第1クラッド層が厚くなり、第2クラッド用バーナの火炎が届かない部分が生じ、そのため第1クラッド層が低密度化し、第2クラッド層との間に密度差が生ずることになる。
【0026】
このように、クラッド内部で密度差が大きい多孔質母材を脱水、焼結した時、外側の高密度部分(第2クラッド層)が先にガラス化し、内側の低密度部分(第1クラッド層)のガラス化が遅いため、脱泡が十分になされず、気泡がスパイラル状に発生するものと考えられる。
【0027】
あるいは、低密度部分は、柔らかくて、不安定であるため、多孔質母材内部で焼結前に微少なクラックが発生しており、この部分の脱泡が不十分で気泡がスパイラル状に発生しているとも考えられる。
以上の考察から、クラッド内部での各クラッド層間密度差を小さくすれば、クラッド内部のスパイラル状気泡の発生を防止できることに想到し、次のような実験・調査を行った。
【0028】
(実 験)
図1に示したような2本のクラッド用バーナを持つVAD法光ファイバ多孔質母材製造装置を用い、クラッドが2層からなる多孔質母材の製造を試みた。
先ず、従来の製造方法である第2クラッド用バーナの火力が第1クラッド用バーナの火力よりも強い条件でテストした。その結果は、図3に示したように第2クラッド層は高密度になり、この多孔質母材を焼結・ガラス化したガラス母材のクラッド層間には図2のようなスパイラル状気泡が発生していた。
【0029】
続いて第2クラッド用バーナの火力を小さくし、第2クラッド層の密度を第1クラッド層の密度(低密度)に近づけた。火力の調整は、燃焼ガスの流量またはバーナの位置を移動することで行うことができる。こうして得られた多孔質母材を焼結・ガラス化し、第1クラッド層と第2クラッド層の間に発生するスパイラル状気泡の発生の有無を調査した。
このような方法を繰り替えすことにより、第2クラッド層の密度を種々に変更し、得られた結果を表1に示した。
【0030】
【表1】
Figure 0003998228
【0031】
表1から判るように、第1クラッドの低密度層と第2クラッドの高密度層の密度差が0.2g/cm3 以下になる場合にスパイラル状気泡が発生しないことが判った。
【0032】
こうして本発明の光ファイバ多孔質母材の製造方法においては、各クラッド層間の密度差を0.2g/cm3 以下に制御することにした。
上記クラッド内部での各クラッド層間密度差を制御するには、上記したようにクラッドスート用原料ガス及び燃料ガスの流量を制御することにより行うことができる。すなわち、上記クラッド層間密度差に直接関係があると考えられる各クラッド用バーナの火力(燃焼エネルギー)に相当する燃料ガス中の水素ガスと酸素ガスの流量を原料ガスに対し制御することで各クラッド層間密度差を制御することができる。例えば、原料ガスに対し燃料ガスの流量を多くして水素ガス及び酸素ガスを多く流せば、燃焼エネルギーが大きくなってスートの密度は高くなる。逆に、原料ガスに対し燃料ガスの流量を少なくすれば燃焼エネルギーが小さくなってスートの密度は低くなる。
【0033】
上記の他、バーナの火力の制御は、燃焼ガス(原料ガス+燃料ガス)の流量を変えてもよいし、バーナの位置を移動しても可能である。
その他、ガス流量比、原料ガスの種類あるいは、ターゲットの回転数等の操業条件等を制御することにより、スートの密度の制御を行うこともでき、各クラッド層間の密度差を小さくできる方法であれば、いずれの方法を用いてもよい。
【0034】
このように、例えば各クラッド用バーナの火力を制御して各クラッド層の密度を所望の値に制御し、各クラッド層間の密度差を0.2g/cm3 以下に制御された多孔質母材とすれば、これを焼結・ガラス化したガラス母材内の各クラッド層間にスパイラル状気泡が発生するのを防止することができる。その結果、光ファイバ多孔質母材の製造歩留り、生産性の向上を図ることができると共に、品質を高め、製造コストを著しく低減することができる。
【0035】
そして、この各クラッド層間の密度差を制御することは、多孔質母材の直径が100mm以上といった大口径の場合に適用することが望ましい。これは、各クラッド層間のスパイラル状気泡の発生が、直径100mm以上の大口径の多孔質母材を焼結・ガラス化した場合に見られることが多く、前記のように多孔質母材の各クラッド層間の密度差を0.2g/cm3 以下に制御すれば、大口径ガラス母材内にスパイラル状気泡を発生させることは殆どないからである。
【0036】
そして、本発明により製造した光ファイバ多孔質母材は、次工程で溶融ガラス化して光ファイバガラス母材を得る。
その後上記のようにして製造された光ファイバガラス母材を、通常の方法、例えば溶融延伸等した後、線引きして光ファイバとされる。このようにして製造された光ファイバは、気泡、OH基等が残留せず、従ってこれらによる光学的吸収や散乱損失等が殆どなく、伝送損失の非常に小さい光学的に非常に優れた光ファイバとすることができる。
【0037】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数のクラッド層を有する光ファイバ多孔質母材において、各クラッド層間の密度差を小さく制御した光ファイバ多孔質母材を製造することができる。そのため、この多孔質母材を焼結・ガラス化してもスパイラル状気泡が発生することはなく、長尺、大口径、高重量のスートを堆積した光ファイバ多孔質母材および気泡のない高品質な光ファイバガラス母材を得ることがてきる。従って、光ファイバ多孔質母材、光ファイバガラス母材の製造歩留りや生産能力を向上させることができ、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ターゲット上にスートを堆積しているところを示す光ファイバ多孔質母材製造装置の概略図である。
【図2】従来の光ファイバガラス母材の全体概略図である。
【図3】光ファイバ多孔質母材の部分概略図である。
【符号の説明】
1…ターゲット、 2…スート、 2a…第1クラッド層、
2b…第2クラッド層、 3…コア部、 5a…第1クラッド用バーナ、
5b…第2クラッド用バーナ、 5c…コア用バーナ、
6…原料・燃料ガス供給装置、 7…回転引上げ装置、
10…光ファイバガラス母材、 11…コア、 12…クラッド、
13…スパイラル状気泡。

Claims (7)

  1. VAD法により製造された複数のクラッド層を有する光ファイバ多孔質母材において、外側のクラッド層の密度が隣接する内側のクラッド層の密度より高く、かつ各クラッド層間の密度差が0.2g/cm3 以下に制御されたものであることを特徴とする光ファイバ多孔質母材。
  2. 前記多孔質母材の直径が100mm以上であることを特徴とする請求項1に記載した光ファイバ多孔質母材。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光ファイバ多孔質母材から作製されたことを特徴とする光ファイバガラス母材。
  4. VAD法によりクラッド用バーナを複数本使用して光ファイバ多孔質母材を製造する方法において、外側のクラッド層の密度が隣接する内側のクラッド層の密度より高いときに、各クラッド用バーナによって形成される各クラッド層間の密度差を0.2g/cm3 以下に制御することを特徴とする光ファイバ多孔質母材の製造方法。
  5. 前記各クラッド用バーナの火力を制御することにより、各クラッド層間の密度差を制御することを特徴とする請求項4に記載した光ファイバ多孔質母材の製造方法。
  6. 前記多孔質母材の直径が100mm以上の場合に適用されることを特徴とする請求項4または請求項5に記載した光ファイバ多孔質母材の製造方法。
  7. 請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載した製造方法により製造された光ファイバ多孔質母材を焼結・ガラス化することを特徴とする光ファイバガラス母材の製造方法。
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