JP3998193B2 - 非接触icタグ付き可逆性感熱画像記録シート - Google Patents

非接触icタグ付き可逆性感熱画像記録シート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱エネルギーを制御することにより発色画像の形成と消去が可能な熱可逆性画像記録媒体と、非接触方式でデータの送受信を行なうアンテナ部とデータ情報記憶部(例えばメモリ例えば電気的に書換可能なEEPROMのようなメモリ)、又はこれに加えて更に演算手段(例えばCPU)を有するICモジュールを有するIC回路層を積層構成の内部に持ち、データの書き込みや読み出しが行なえるICラベル(以下「ICタグ」、「IC回路層」とも云う)を具備し、かつ視認可能な画像情報を可逆的に表示する非接触式IC付き情報シートに関するものである。本発明により得られ共に可逆性(更新可能)な視認可能な情報と視認不能なデータ情報とを有するIC付き情報シートは、表面への可視画像情報記録及びICメモリのデータ情報が書き換え可能であり、例えば、入出チケット、冷凍食品用容器、工業製品、各種薬品容器等のステッカー、物流管理用途、製造工程管理用途など多目的に使用可能である。
【0002】
【従来の技術】
近年、一時的な画像形成を行なうことができ、不要となったときにはその画像の消去ができるようにした熱可逆記録媒体が注目されている。その代表的なものとして樹脂母材中に長鎖脂肪族炭化水素基をもつ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物またはフェノール化合物のような顕色剤とロイコ染料のような発色剤を分散した熱可逆記録媒体が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
このような熱可逆性記録媒体(以降、単に「記録媒体」ということがある)は、磁気記録層を持つPETフィルムを支持体としているものが多く、主にポイントカードとして市場で使われている。その一方で、薄手の支持体上に熱可逆性記録層を設け、その支持体の反対面に接着層があり、様々な基材に対して熱と圧力によってラミネートして熱可逆性熱記録媒体として使用する方法も多く見られるようになってきている。例えば特許文献3に記載の接着層付きの可逆性感熱記録シート、特許文献4に記載の接着層付きの可逆性感熱記録媒体、特許文献5に記載の可逆性感熱記録フィルム、特許文献6に記載の可逆性感熱記録カード等が挙げられる。
しかし、これらは、光メモリ、接触式IC、非接触式IC、磁気記録と組み合わせられ、ほとんどの基材が厚く、大きさが制限されているカードであり、カード用途が制限され、入出チケット、冷凍食品用容器、工業製品、各種薬品容器等のステッカー、物流管理用途、製造工程管理用途などの大きな画面、多様な表示には不向きであった。
また、近年、ICモジュールを内包し、外部のリーダ、ライタを介してデータを非接触で送受信するカードが普及し始めている。同様な用途で非接触式ICラベルの提案もなされている。例えば、特許文献7〜9には、非接触ICを各種印刷物に貼り付けた用途が、特許文献10〜12には、非接触式ICラベルの構造と主要な用途が提案されている。しかし、これらの印刷表示には、繰り返し使用できる非接触ICの機能を有効にする繰り返し表示できる機能と組み合わせたものはほとんど利用されていない。
【0003】
そこで、可逆性感熱画像記録シートへICタグラベルを貼ることで、ICタグラベルの繰返し内部情報を書き換えしながら使用できるメリットと可逆性感熱画像記録シートへICタグラベル内に記録されている情報を可視画像として表示することのできるメリットは、上記に挙げた特許文献等で述べられている可逆性感熱画像記録媒体と非接触ICとを組み合わせたカードから考えられるものである。
しかし、この可逆性感熱画像記録シートへICタグラベルを貼り付けて、シートの全面に画像の印字と消去を繰り返し行なうとICタグラベルを貼った部分のみ、印字時には画像にムラが生じる、充分な発色を得られないという現象が現れ、消去時には印字した画像の一部が完全に消去することができない、あるいはICタグラベルの形に消去部分が薄く発色する地肌カブリの現象が発生するという問題が発生してしまう。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−124360号公報
【特許文献2】
特開平6−210954号公報
【特許文献3】
特開2000−94866号公報
【特許文献4】
特開2000−251042号公報
【特許文献5】
特開2001−63228号公報
【特許文献6】
特開2002−103654号公報
【特許文献7】
特開平11−277961号公報
【特許文献8】
特開平11−277963号公報
【特許文献9】
特開2002−123805号公報
【特許文献10】
特開2002−269526号公報
【特許文献11】
特開2000−251046号公報
【特許文献12】
特開平11−134460号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題を解決したICタグラベルを具備した視認可能な可逆性感熱画像記録シート、つまり書換可能なイメージ情報とコードデータ情報(2値化情報)を熱及び機械的圧力がシートに印加されるリーダライタ内で搬送されるシートの歪みや変形、搬送ズレによる方向変化等の支障なしに正確な位地に円滑に搬送、イメージ情報の印字ムラ、消しムラなしに、またICタグラベル内にマウントされているICモジュールの損傷なしに、書換(格納されているコードデータの更新及び画像情報の印字消去)できる機能を持つ、非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートの提供を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記のように、可逆性感熱画像記録シートへICタグラベルを貼り付けて、シートの全面に画像の印字と消去を繰り返し行なうとICタグラベルを貼った部分のみ、印字時には画像にムラが生じる、充分な発色を得られないという現象が現れ、消去時には、印字した画像の一部が完全に消去することができない、あるいはICタグラベルの形に消去部分が薄く発色する地肌カブリの現象が発生するという問題がある。そこで、上記問題について検討した結果、可逆性感熱画像記録シートの一部にICタグラベルを貼ることで、ラベル部分のみが膜厚が厚くなり、印字時や消去時にサーマルヘッドや消去バー、消去ローラーとの接触状態が変化し、また基材厚みの違いによる熱の伝わりの違いによって上記の問題が発生するという原因が判明した。そこで、ICタグラベルと可逆性感熱画像記録シートとの間の段差を少なくすることで上記の課題を解決した非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートが得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、上記課題は、本発明の(1)「単数又は複数の薄層基材で構成した非接触方式でデータの送受信を行なうためのアンテナ部と、目視不能なデータ情報を更新可能に格納でき、かつ視認可能で書換可能な画像情報を表示できる接触式ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートであって、前記データ情報を格納する記憶部を有する非接触ICタグ(B)を、可逆性感熱画像記録フィルム(A)に、少なくとも該非接触ICタグ(B)又は可逆性感熱画像記録フィルム(A)のいずれかの片面に設けられた粘着層若しくは接着層(C)を介して、又は該粘着層若しくは接着層(C)を介さず直接、積層貼合され、かつ該非接触式ICタグラベルを貼り合せたときに該可逆性感熱画像記録フィルムと該非接触ICタグ(B)の間で生じた厚み差をなくすように該非接触ICタグ(B)の周囲に粘着層または接着層を設けた支持体(D)(ダミーラベル(D))が貼り付けられていることを特徴とする非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シート」、(2)「可逆性感熱画像記録シートの一部にICタグラベルとダミーラベルが貼り付けられていることを特徴とする前記第(1)項に記載の非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シート」、(3)「サーマルヘッドや消去バーや消去ロールがシートに接した際にシートの左右にヘッドやロールの当たりの差が発生しないようにICタグラベルと1枚以上のダミーラベルを貼り付けることを特徴とする前記第(2)項に記載の非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シート」、(4)「ICタグラベルの両側にダミーラベルが貼り付けられ、そのダミーラベルが左右対称に貼り付けられていることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シート」、(5)「ICタグラベルの最大膜厚とダミーラベルの膜厚の差が、ICタグラベルの最大膜厚と最小膜厚の差以内になることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シート」、(6)「ダミーラベルの最表面層が可逆性感熱画像記録シートの貼り付ける面と同じ材料構成であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シート」、(7)「ICタグラベルが、高透磁率コアとアンテナコイル、または高透磁率コア、アンテナコイルと導電性金属から構成されているラベルであり、前記可逆性感熱画像記録シートの搬送開始の先端部かあるいは搬送終了の末端部に貼り付けられていることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シート」、(8)「ICタグラベルとダミーラベルが貼り付けられている範囲と貼り付けられていない範囲で搬送速度を変化させることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項の何れかに記載の非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートの消去印字方式」によって解決される。
【0008】
上記(1)により、消去印字時にサーマルヘッド、消去バー、消去ロール等と非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートが接したとき、媒体の左右の段差がほとんど生じないものとし、サーマルヘッド、消去バー、消去ロール等の当たりムラがないようにするために、可逆性感熱画像記録シートへ非接触式ICタグラベルを貼り合わせたときにシートとラベルの間で生じた厚み差をなくすようにラベルの周囲に粘着層または接着層を設けた支持体(ダミーラベル)を貼り付けることで消去印字時の濃度ムラや消去不良を解決することができる。
また、上記(2)により、ICタグラベルの周囲にダミーラベルを貼り付けると非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートの膜厚が厚くなり、媒体の可撓性がなくなりプリンターでの搬送不良が発生するため、シートの一部、例えばシートの前方部分や後方部分にICタグラベルとダミーラベルを貼り付けることで媒体の可撓性を持たせるとともに消去印字時の濃度ムラや消去不良を解決することができる。
また、上記(3)により、そのICタグラベルとダミーラベルを搬送方向に対して並列に配置することでサーマルヘッド、消去バー、消去ロール等に対して媒体の段差がなくなり消去印字時の濃度ムラや消去不良を解決することができる。
また、上記(4)により、さらに、可逆性感熱画像記録シートにICタグラベルとダミーラベルを貼り付けた場合に、ICタグラベルの両側にダミーラベルを貼り付け、それが搬送方向に対して左右対称である状態であると、サーマルヘッド、消去バー、消去ロール、消去板等の加熱装置が接するときに左右の段差がなくなり、挟まれて中央部分にあるICタグラベル上での段差が更に緩和され、消去印字時の濃度ムラや消去不良を解決することができる。
また、上記(5)により、ICタグラベルとダミーラベルを貼り付けた非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートにおいて、ICタグラベルの最大膜厚とダミーラベルの膜厚の差が、ICタグラベルの最大膜厚と最小膜厚の差以内にすることで段差が少なくなり、消去印字時の濃度ムラや消去不良を低減することができる。ICタグラベルは平滑であり、薄膜であることが好ましいが、部分的に厚みの異なるものもあるため、ICタグラベルの最大膜厚と最小膜厚の差以内に両者の膜厚差を抑えることでシートの平滑性を保つことができ、消去印字時の濃度ムラや消去不良を解決することができる。
また、上記(6)により、ダミーラベルの最表面層とその貼り付ける可逆性感熱画像記録シートの貼り付ける面を同じ材料構成にすることで、シート搬送時の摩擦係数の変動を少なくすることで消去印字時の濃度ムラや消去不良を解決することができる。
また、上記(7)により、非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートを金属体の上に貼り付ける、あるいは添付して使用する場合には、金属体によって磁界失われずICタグラベルの起電力を確保できるようにするため、高透磁率コアとアンテナコイル、または高透磁率コア、アンテナコイルと導電性金属から構成されているタイプを使用することが考えられる。このようなICタグラベルは薄膜化が難しいため、シートに貼り付ける場合には場所を限定する必要があり、シートの搬送開始の先端部かあるいは搬送終了の末端部に貼り付ける必要があり同時にダミーラベルを設けることで消去印字時の濃度ムラや消去不良を解決することができる。
また、上記(8)により、ICタグラベルとダミーラベルが貼り付けられた部分と貼り付けられていない部分で搬送速度を変化させることで印字エネルギーや消去エネルギーを充分に与えることができるようになり、消去印字時の濃度ムラや消去不良を解決することができる。
【0009】
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明の非接触ICタグ(B)は、回路基板上に、IC回路とアンテナ回路を形成して設けられる。IC回路とアンテナ回路は電気的に導通される。回路基板用の基板材は、一般的な紙、フェノール樹脂、ガラスエポキシ樹脂、コンポジット等のリジッドタイプ、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、紙、合成紙等のフレキシブルタイプ、および両者の複合タイプが使用できる。配線回路は金属導線をコイル状にしたものを前記基板材上に接着剤を用いて設置したり、加熱加圧してフィルムを変形させて設置して設ける方法、銅やアルミ等の金属を張った基板材の金属部分をエッチングして設ける方法、銀などの導電性の金属で形成された金属箔を基板上に転写して設ける方法、および導電ペースト塗料を用いてシルクスクリーン印刷で印刷、乾燥して基板上に設ける方法が挙げられる。
【0010】
非接触ICタグ(B)は、上記により配線回路を形成した基板上にIC回路を実装し、アンテナ回路とIC回路を電気的に導通接続して形成される。基板へのIC回路の実装は、TAB(テープ・オートメイテッド・ボンディング)、COB(チップ・オン・ボード)やフリップチップ実装が用いられる。IC回路の実装やアンテナ回路との接続には、通常のはんだ付けや、導電性接着剤が使用できるが、加工の際、回路基板材が耐えうる温度条件のものを採用する必要がある。IC回路層(B)は実装されたIC回路や配線回路の保護のために、エポキシ樹脂などで包埋(パッケージング)して用いることもできる。IC回路層(B)の厚みは、エポキシ樹脂で包埋後150μm〜1mmである。
また、保護のために、IC回路露出面に、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム等の保護フィルムで接着することもできる。
ICタグ(B)に用いられているICモジュールは、メモリ回路、又はマイコン回路(更にCPUをも有する)であることができ、メモリ回路である場合、該メモリ回路はメモリ及びこれにバスラインを介してつながるメモリ制御回路を有するものであり、メモリは不揮発性メモリであることが好ましく、現場プログラミング可能なPROM、紫外線で書換可能なEPROM、電気的書換可能なEEPROMが好ましく使用され、特に、シート発行後に使用現場で書換可能なEEPROMはより好ましく使用される。また、このようなICタグ(B)に用いられるICモジュールがマイコン回路である場合には、例えばCPU及びその専用処理回路から成る部分、EEPROM部分、ROM部分、RAM部分、EEPROMにバスラインで連結せるメモリ制御回路、これら各部分とCPUを結ぶアドレスライン及びデータラインを有するものであり得る。これらイメージ情報とコード情報の両者を有する非接触ICタグ(B)付き可逆性感熱画像記録フィルム(A)は、リーダライタで処理されるが、ICモジュールがマイコン回路である場合と、単なるメモリ回路である場合とではリーダライタの仕様を変えることができる。即ち、ICモジュールがマイコン回路である場合は、単なるメモリ回路である場合に比し、当然、リーダライタが担う負担を軽減できる。このリーダライタには人間が視認するためのイメージ情報とコンピュータが認識可能(当然演算可能)なコード情報との間の、処理プログラムを含む相方向変換手段を付属させることができる。
【0011】
非接触ICタグ(B)を可逆性感熱画像記録フィルム(A)を接着する、または、保護フィルムを接着する接着剤層は、本製造工程中の積層貼合時に接着力を保有するものが使用できる。通常は常温もしくは加熱した状態で加圧接着できるものである。EVA系接着剤など一般的なヒートシーラーが使用できる。接着剤としては、例えば液状のアンカーコート剤、例えばポリウレタン系アンカーコート剤として東洋モートン(株)製のEL−150(商品名)、又はBLS−2080AとBLS−2080Bの混合物が、ポリエステル系アンカーコート剤として同社製のAD−503(商品名)を適用することができる。アンカーコート剤は秤量が0.5〜25g/mとなるように塗布される。
非接触ICタグ(B)を可逆性感熱画像記録フィルム(A)を粘着する粘着剤層の種類や厚さ(塗工層)は、被着体の種類や使用される環境、接着の強度等により種々選択が可能である。一般に用いられる水系もしくは溶剤系の粘着剤を塗工、乾燥して形成でき、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル系等が使用でき、これらの合成高分子粘着剤は、有機溶媒溶液や、ディスパージョンやエマルジョンといった水に分散された形態で使用可能である。
IC回路の凹凸の影響を受けないようにするため、接着層もしくは粘着層は、IC回路側に設ける。
【0012】
接着層もしくは粘着層の主成分としては天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、S−I−S−ブロックポリマー系、EVA系の材料であることが好ましい。これらは、用途に応じて混合して使用したり、各種添加剤を加えてもよい。さらに、その接着強度も、必要に応じて設定することができ、基材表面の微細な襞の部分である程度の接着強度を確保し得るようにできるものであれば、非接触ICタグの脱着が容易で、繰り返し使用することができるようになる。また、接着強度が大で、取り付け後の剥離が困難なものであれば、半永久的に使用が可能となる。本発明の可逆性の情報の視認可能な非接触式ICシートは、必要に応じて粘着性もしくは接着性を有する面の上面に型紙等の剥離可能なシートを積層してもよい。
また、接着面以外の面を易接着、撥水、撥油、帯電防止等、必要に応じて各種処理を施してもよい。
【0013】
ICタグラベルは、可逆性感熱画像記録シートに貼り付けて使用するため、シート形状であることが好ましい。また、アンテナ部とICチッブの突起部がなく平滑面であることが望ましい。また、一般的なアンテナ部とICチッブからなるICタグを金属面に貼り合せて使用すると磁束が金属により遮断されてしまい、充分な起電力を確保できないということもあり、ICタグラベルが高透磁率コアとアンテナコイル、または高透磁率コア、アンテナコイルと導電性金属から構成されているタイプを用いても良い。このようなタイプでは、薄膜化が困難であるが金属面に使用しても充分な起電力を得ることができるためシートに用いる利点が大きい。
【0014】
<ダミーラベル>
支持体としては、紙、樹脂フィルム、合成紙、金属箔、樹脂板、金属板、ガラスまたはこれらの複合体から構成されたシート状、または板状になったものが挙げられる。
ダミーラベルを非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートに貼り付けるため、ダミーラベルの片面に粘着層あるいは接着層を設ける必要がある。
粘着剤あるいは接着剤の材料として、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢ビ系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メタクリル酸エステル系共重合体、天然ゴム、合成ゴム、シアノアクリレート系樹脂、シリコン系樹脂等が挙げられる。これらは、用途に応じて混合して使用したり、各種添加剤を加えてもよい。さらに、その接着強度も、必要に応じて設定することができ、基材表面の微細な襞の部分である程度の接着強度を確保し得るようにできるものであれば、非接触ICタグの脱着が容易で、繰り返し使用することができるようになる。また、接着強度が大で、取り付け後の剥離が困難なものであれば、半永久的に使用が可能となる。
粘着層または接着層は、ICタグラベルとの関係で両者の段差を少なくすることから同様な材料や同等の膜厚であることが望ましいが、ICタグラベルとダミーラベルの間の段差がないように設定するため特に限定されるものではない。
ダミーラベルの粘着層又は接着層を設けた反対面については、必要に応じて樹脂膜を設けても良い。更にバック層と同様の層を設けることにより、非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートの裏面における摩擦係数の変化が少なくなる。
【0015】
<可逆性感熱画像記録シート>
以下、本発明の可逆性熱記録媒体について詳しく説明する。
本発明の可逆性感熱画像記録フィルム(A)に用いられる「色調が可逆的に変化する感熱層」とは、温度変化によって目に見える変化を可逆的に起こす材料である。目に見える変化は色の状態の変化と形状の変化に分けられるが、本発明では主に色の状態の変化を起こす材料を使用する。色の状態の変化には、透過率、反射率、吸収波長、散乱度などの変化があり、実際の熱可逆記録材料はこれらの変化の組み合わせで表示を行なっている。より具体的には、熱により透明度や色調が可逆的に変化するものならばなんでも良いが、例えば、常温より高い第一の特定温度で第一の色の状態となり、第一の特定温度よりも高い第二の特定温度で加熱し、その後冷却することにより第二の色の状態となるもの、等が挙げられる。特に第一の特定温度と第二の特定温度で色の状態が変化するものが好適に用いられる。
【0016】
これらの例としては、第一の特定温度で透明状態となり、第二の特定温度で白濁状態となるもの(特開昭55−154198号公報)、第二の特定温度で発色し、第一の特定温度で消色するもの(特開平4−224996号、特開平4−247985号、特開平4−267190号などの公報)、第一の特定温度で白濁状態となり、第二の特定温度で透明状態となるもの(特開平3−169590号公報)、第一の特定温度で黒、赤、青等に発色し、第二の特定温度で消色するもの(特開平2−188293号、特開平2−188294号公報)等が挙げられる。この中で特に樹脂母材中に高級脂肪酸のような有機低分子物質を分散した系とロイコ染料と長鎖アルキル顕色剤を用いた系が好ましい。
【0017】
ロイコ染料としては、この種の可逆感熱記録媒体に用いられる化合物を1種または2種以上用いることができ、たとえば、フタリド化合物、アザフタリド化合物、フルオラン化合物など公知の染料前駆体である。
長鎖アルキル顕色剤としては、代表例としては、たとえば特開平5−124360号公報、特開平6−210954号公報、特開平10−95175号公報などに記載の記録層に用いられているものである。
ここで用いる顕色剤は、分子内にロイコ染料を発色させる顕色能をもつ構造、たとえばフェノール性水酸基、カルボン酸基、リン酸基などと分子間の凝集力を制御する構造、たとえば長鎖炭化水素基が連結した構造を一つ以上もつ化合物である。連結部分にはヘテロ原子を含む2価以上の連結基を介していても良く、また長鎖炭化水素基中にも同様の連結基および/または芳香族基が含まれていても良い。このような可逆性顕色剤の具体例は、たとえば特開平9−290563号公報、特開平11−188969号公報に記載に示され、1種または2種以上を混合して用いても良い。
【0018】
可逆感熱記録層には、必要に応じて塗布特性や発色消色特性を改善したり制御するための添加剤を用いることができる。これらの添加剤には、たとえば界面活性剤、導電剤、充填剤、酸化防止剤、発色安定化剤、消色促進剤などがある。
【0019】
可逆感熱記録層は、ロイコ染料、顕色剤、種々の添加剤をバインダー樹脂とともに形成する。このとき用いられる樹脂は支持体上にこれらの材料を結着できれば良く、従来公知の樹脂が1種または2種以上を混合して用いられる。なかでも、繰り返し時の耐久性を向上させるため、熱や紫外線、電子線などによって硬化可能な樹脂が好ましく用いられ、特にイソシアネート系化合物などを架橋剤として用いた熱硬化型の樹脂、例えばアクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなど架橋剤と反応する基を持つ樹脂、または架橋剤と反応する基を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂などがとくに好ましく用いられる。しかし、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。また、架橋をさせた場合、記録層のゲル分率は30%以上であることが好ましい。これよりも低いと架橋状態が充分でなく耐久性に劣る。この値は50%以上であると更に好ましく、特に好ましくは70%以上である。記録層中の発色成分と樹脂の割合は、発色成分1に対して0.1から10が好ましく、これより少ないと記録層の熱強度が不足し、これより多い場合には発色濃度が低下して問題となる。また、本発明におけるバインダー樹脂が架橋状態にあるのか非架橋状態にあるのかを区別する方法として、塗膜を溶解性の高い溶媒中に浸すことによって区別することができる。すなわち、非架橋状態にあるバインダー樹脂は、溶媒中に該樹脂が溶け出し、溶質中には残らなくなるためである。
【0020】
硬化剤は、特に限定されるものではないが、好ましくはイソシアネート系硬化剤が用いられる。イソシアネート系硬化剤の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)等、およびこれらのトリメチロールプロパンなどによるアダクトタイプ、ビュレットタイプ、イソシアヌレートタイプ及びブロック化イソシネート類等が挙げられる。中でも特にヘキサメチレンジイソシアネートが好ましく、このアダクトタイプ、ビュレットタイプ、イソシアヌレートタイプが好ましく用いられる。ただし、硬化剤は添加した全量が架橋反応をしていても、していなくても良い。すなわち、未反応硬化剤が存在していても良い。この種の架橋反応は経時的に進行するため、未反応の硬化剤が存在していることは架橋反応が全く進行していないことを示すのではなく、未反応の硬化剤が検出されることにより架橋状態にある樹脂が存在することが示唆されるからである。また更に、架橋促進剤としてこの種の反応に用いられる触媒を用いてもよい。
【0021】
可逆性感熱記録層は、ロイコ染料、顕色剤、種々の添加剤、バインダー樹脂ならびに塗液溶媒よりなる混合物を均一に混合分散させて調製した塗液を用いて形成する。塗液調製に用いられる溶媒の具体例としてはアルコール類、ケトン類、エーテル類、グリコールエーテル類、エステル類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類等を例示することができるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
塗液調製はペイントシェーカー、ボールミル、アトライター、三本ロールミル、ケディーミル、サンドミル、ダイノミル、コロイドミル等公知の塗液分散装置を用いて行なうことができる。また、上記塗液分散装置を用いて各材料を溶媒中に分散しても良いし、各々単独で溶媒中に分散して混ぜ合わせても良い。更に加熱溶解して急冷または除冷によって析出させても良い。
塗工方法については特に制限はなく、ブレード塗工、ワイヤーバー塗工、スプレー塗工、エアナイフ塗工、ビード塗工、カーテン塗工、グラビア塗工、キス塗工、リバースロール塗工、ディップ塗工、ダイ塗工等公知の方法を用いることができる。
【0022】
保護層(厚さ0.1〜10μm)の材料としては、熱や紫外線、電子線(特開平2−566号公報に記載)などによって硬化可能な樹脂が好ましく用いられる。その中でも紫外線により硬化可能な樹脂を用いることが望ましい。紫外線や電子線にて硬化させる樹脂としては、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ビニル系、不飽和ポリエステル系のオリゴマーや各種単官能、多官能のアクリレート、メタクリレート、ビニルエステル、エチレン誘導体、アリル化合物等のモノマーが挙げられる。また、紫外線を用いて架橋させる場合には光重合開始剤、光重合促進剤を用いる。また、熱によって架橋する場合ではイソシアネート系化合物などを架橋剤として用いた熱硬化型の樹脂、例えばアクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなど架橋剤と反応する基を持つ樹脂、または架橋剤と反応する基を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂などが挙げられる。
また、バック層には上記樹脂の他に希釈溶剤、有機/無機フィラーや滑剤、着色顔料、帯電防止剤等を用いても良い。
【0023】
これらの中には、有機若しくは無機のフィラー紫外線吸収剤、滑剤、着色顔料などを含有することができる。無機フィラーの具体例としては、炭酸塩、ケイ酸塩、金属酸化物、硫酸化合物等が挙げられ、有機フィラーの具体例としては、シリコーン樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ホルムアルデヒド系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等が挙げらる。紫外線吸収剤の具体例としては、サリシレート構造、シアノアクリレート構造、ベンゾトリアゾール構造、ベンゾフェノン構造などを有する化合物が挙げられる。滑剤の具体例としては、合成ワックス類、植物性ワックス類、動物性ワックス類、高級アルコール類、高級脂肪酸類、高級脂肪酸エステル類、アミド類などが挙げられる。ただし本発明は、これらの化合物に限定されるものではない。
上記記載の分散装置、塗工方法を用いて塗膜を作製することができる。
【0024】
記録層と保護層の接着性向上、保護層の塗布による記録層の変質防止、保護層中の添加剤の記録層への移行を防止する目的で、両者の間に中間層を設けることが好ましく(特開平1−133781号公報に記載)、これによって発色画像の保存性が改善できる。また、記録層の上に設置される保護層、中間層には、酸素透過性の低い樹脂を用いることにより記録層中の発色剤および顕色剤の酸化を防止または低減することが可能になる。
中間層は主に樹脂からなり、下記のような熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、UV硬化樹脂、EB硬化樹脂が使用可能である。即ち、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、飽和ポリエステル、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等が挙げられ、必要に応じてフィラーを含んでいてもよい。また、紫外線吸収剤を含んでいてもよい。
中間層の膜厚は0.1〜20μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜3μmである。また、中間層中のフィラーの含有量は体積分率で1〜95%、より好ましくは5〜75%である。中間層中に前記保護層中に用いられた有機紫外線吸収剤を含有しても良く、その含有量はバインダー100重量部に対して0.5〜10重量部の範囲が好ましい。
中間層の塗液に用いられる溶媒、塗液の分散装置、中間層の塗工方法、中間層の乾燥・硬化方法等は、前記記録層、保護層で用いられた公知の方法を用いることができる。
【0025】
また、発色感度の向上、接着性の向上のためにアンダー層を設けても良い。
また、レーザー記録が可能にするためレーザー光を吸収して光を熱に変換する光熱変換層を設けても良い。
また、可逆性感熱記録フィルムは、カールの問題から記録層面とは反対の裏面にバック層を設けても良い。バック層は記録層面側の樹脂の収縮によるカールを抑えるために設けるもので、熱や紫外線、電子線などによって硬化可能な樹脂が好ましく用いられる。その中でも紫外線により硬化可能な樹脂を用いることが望ましい。紫外線や電子線にて硬化させる樹脂としては、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ビニル系、不飽和ポリエステル系のオリゴマーや各種単官能、多官能のアクリレート、メタクリレート、ビニルエステル、エチレン誘導体、アリル化合物等のモノマーが挙げられる。また、紫外線を用いて架橋させる場合には光重合開始剤、光重合促進剤を用いる。また、熱によって架橋する場合ではイソシアネート系化合物などを架橋剤として用いた熱硬化型の樹脂、例えばアクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなど架橋剤と反応する基を持つ樹脂、または架橋剤と反応する基を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂などが挙げられる。
また、バック層には上記樹脂の他に希釈溶剤、有機/無機フィラーや滑剤、着色顔料、帯電防止剤等を用いても良い。
バック層はシートの記録層面の収縮を抑えるために設けるもので表面層とバック層面の収縮のバランスが取れるように塗布することが望ましく、表面層とバック層を塗布後にシートが平らになるように塗布されていることが望ましい。
【0026】
本発明の非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートを用いて発色画像を形成させるためには、いったん発色温度以上に加熱したのち急冷されるようにすればよい。具体的には、例えばサーマルヘッドやレーザー光で短時間加熱すると感熱記録層が局部的に加熱されるため、直ちに熱が拡散し急激な冷却が起こり、発色状態が固定できる。
一方、消色させるためには適当な熱源を用いて比較的長時間加熱し冷却するか、発色温度よりやや低い温度に一時的に加熱すればよい。長時間加熱すると記録媒体の広い範囲が昇温し、その後の冷却は遅くなるため、その過程で消色が起きる。この場合の加熱方法には、熱ローラー、熱スタンプ、熱風などを用いてもよいし、サーマルヘッドを用いて長時間加熱してもよい。
また、感熱記録層を消色温度域に加熱するためには、例えばサーマルヘッドへの印加電圧やパルス幅を調節することによって、印加エネルギーを記録時よりやや低下させればよい。この方法を用いれば、サーマルヘッドだけで記録・消去ができ、いわゆるオーバーライトが可能になる。もちろん、熱ローラー、熱スタンプによって消色温度域に加熱して消去することもできる。
【0027】
本発明の非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートは、可逆性感熱イメージ情報記録部とコード情報記憶部(メモリ)の両方を設けることにより、コード情報記憶部に演算可能及び他装置に出入力可能に格納されコンピュータが解読可能(演算可能)なコード情報を可逆性感熱記録部の一部に、例えばコード情報とイメージ情報との間の情報変換装置を用いて人間が目視可能なイメージ情報に変換し表示することで、前記情報変換手段以外の特別な装置がなくても情報内容を確認することができ、利便性が向上する。その際に用いられる記憶部は非接触IC方式が好ましく用いられる。磁気記録方式は、磁気によるエラー、低メモリ、改ざん問題があり、接触式IC方式は、接点の劣化の問題があり、光メモリは、可撓性の問題があり非接触IC方式が好ましく用いられる。
【0028】
そこで、本発明の可逆性感熱記録媒体は、ロール状、シート状に加工され、可逆性感熱画像記録フィルム(A)として、非接触IC回路部(B)を貼り合わせ加工または、エッチングなどの2次加工される。加工されたものは、入出チケット、冷凍食品用容器、工業製品、各種薬品容器等のステッカー、物流管理用途、製造工程管理、文書管理用途などのA4サイズなど一般文書サイズに加工されたシート状のものとして広く用いることができる。
【0029】
<非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シート>
本発明では上記ICタグラベルとダミーラベル、可逆性感熱画像記録シートの3点から構成される。ICタグラベルを可逆性感熱画像記録シートに貼り付けたものは、シートの全面に画像の印字と消去を繰り返し行なうとICタグラベルを貼った部分のみ、印字時には画像にムラが生じる、充分な発色を得られないという現象が現れ、消去時には、印字した画像の一部が完全に消去することができない、あるいはICタグラベルの形に消去部分が薄く発色する地肌カブリの現象が発生するという問題が発生してしまう。これは、消去印字を行なう際にサーマルヘッドや消去バー、消去ローラー、消去板等をICタグラベル付き可逆性感熱画像記録シートに押し当てるが、このとき、シートの中でICタグラベルの部分だけ膜厚が厚くなってしまうため、上記加熱装置の接する部分にムラができてしまう。つまり、媒体を均一に加熱することができなくなってしまうため、印字時にはその当たりムラにより、熱の伝わり方が異なり記録した画像にムラが生じてしまう。同様に、消去時にも加熱装置の接する部分にムラが生じるため、消去不良や当たりムラにより、ICタグラベルの部分だけの地肌濃度が薄く発色した地肌カブリ現象が発生してしまう。更にこのシートに消去印字を繰返し行なうことで、濃度ムラや消去カブリの程度が悪くなる、あるいは段差の部分から物理的に剥がれや傷などの発生が観察される。
つまり、ICタグラベルと可逆性感熱画像記録シートが加熱装置に接するときに段差を生じさせない構成にすることで上記問題を解決することができる。そこでICタグラベルとダミーラベル、可逆性感熱画像記録シートの3点から構成される必要がある。
【0030】
以下、図面を用いて本発明を説明する。図1〜6は、本発明の可逆性感熱画像記録シート例を示す図である。
本発明のICタグラベル(D)を、可逆性感熱画像記録シートに貼り付けるとともに、その周囲にダミーラベル(E)を貼り付ける構成(図1参照)にすることで、サーマルヘッドや消去バー、消去ローラー、消去板等の加熱装置との当たりが均一となり、上記の消去印字における濃度ムラの発生がなくなる。しかし、シートの裏面全面もしくは裏面の多くにラベルが貼り付けられているため非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートの可撓性がなくなり、プリンター搬送性に問題が発生してしまう。また、ダミーシートを多く使用することとなり、コストも高くなる。
【0031】
そこで、ICタグラベル(D)とダミーラベル(E)を可逆性感熱画像記録シート(A)に貼り付ける際に、シート(A)の一部にICタグラベル(D)とダミーラベル(E)を貼り付け、これを加熱装置が接したときに段差が生じないように並べて配置することが考えられる(図2参照)。このような配置にすることでシートの多くの部分に可撓性を持たせることができ、また使用するダミーラベルの量も少なくなくなる。ICタグラベルとダミーラベルを並べて貼り付ける位置はシートのどこでも良いが搬送方向の段差を考えるとシートの搬送開始部分か搬送終了部分に貼り付けることが好ましい。
【0032】
また、ICタグラベル(D)は媒体の中央部や端部など自由な位置に貼り付けて良く、それに応じてダミーラベル(E)を単数もしくは複数用いても良い(図3参照)。
【0033】
更に、可逆性感熱画像記録シート(A)にICタグラベル(D)とダミーラベル(E)を貼り付けた場合に、ICタグラベル(D)の両側にダミーラベル(E)を貼り付け、それが搬送方向に対して左右対称である状態に貼り付ける(図4参照)と、サーマルヘッド、消去バー、消去ロール、消去板等の加熱装置が接するときに左右の段差がなくなり、その間に挟まれて中央部分にあるICタグラベル上での段差が更に緩和される。例えばICタグラベルとダミーラベルの構成する材質が大きく異なっている場合や、材質が分からない場合などに加熱装置等の圧力により押されたときに段差が生じることが考えられるが、このように貼り付けることでそのような影響をより低減することが可能となり、消去印字時の濃度ムラや消去不良を解決することができる。
【0034】
ICタグラベルとダミーラベルを貼り付けた非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートにおいて、ICタグラベルの最大膜厚とダミーラベルの膜厚の差が、ICタグラベルの最大膜厚と最小膜厚の差以内にすることで段差が少なくなり、消去印字時の濃度ムラや消去不良を低減することができる。ICタグラベルは平滑であり、薄膜であることが好ましいが部分的に厚みの異なるものもあるため、ICタグラベルの最大膜厚と最小膜厚の差以内に両者の膜厚差を抑えることでシートの平滑性を保つことができ、消去印字時の濃度ムラや消去不良を解決することができる。また、膜厚だけでなく加熱装置で加圧される場合の変形も考えられるため、ダミーラベルの硬さや粘着層または接着層の厚みの選定を考える必要がある。ICタグラベルが500μm以下であれば、ダミーラベルには500μm以下のプラスチックフィルムや薄膜金属フィルムや紙等を支持体として好ましく用いられ、500μm以上ではプラスチック板や金属板が好ましく用いられる。粘着層や接着層は材料、膜厚は特に限定されるものではないがICタグラベルと近いものであることがより好ましい。また、ICタグラベルが平滑である場合、ICタグラベルとダミーラベルの膜厚差は少ない方が良いが完全にゼロにすることは難しいため、その膜厚差は100μm以下が好ましく、更に好ましくは80μmであり、更に好ましくは50μm以下である。100μmよりも差が大きくなるとダミーラベルの効果が少なくなり、濃度ムラや消去ムラの発生が発現してしまう。
【0035】
また、ダミーラベルの最表面について支持体そのものである場合には、可逆性感熱画像記録シートのバック層と材質や表面が異なるため、摩擦係数の変化が異なるために搬送不良の原因となることが考えられる。そこでダミーラベルの最表面層とその貼り付ける可逆性感熱画像記録シートの貼り付ける面を同じ材料構成にすることで、シート搬送時の摩擦係数の変動を少なくすることで消去印字時の濃度ムラや消去不良を解決することができる(図5参照)。
【0036】
また、ICタグラベルとダミーラベルが貼り付けられた部分と貼り付けられていない部分で搬送速度を変化させることで印字エネルギーや消去エネルギーを充分に与えることができるようになり、消去印字時の濃度ムラや消去不良を解決することができる。例えば印字速度、消去速度を遅くすることで印字時のムラをなくし、消去にも時間をかけることができるので消去ムラの発生もなくなる。また、ICタグラベルとダミーラベルが厚く平滑である場合には、ラベルのないシート部分と比べて加熱装置の当たりが強くなるので搬送速度を速めて印字消去の時間を短くすることで地肌カブリを低減することができる。
【0037】
非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートを金属体の上に貼り付ける、あるいは添付して使用する場合には、金属体によって磁界が失われずICタグラベルの起電力を確保できるようにするため、高透磁率コアとアンテナコイル、または高透磁率コア、アンテナコイルと導電性金属から構成されているICタグラベルを使用することが考えられる。このようなICタグラベルは薄膜化が難しいため、シートに貼り付ける場合には場所を限定する必要があり、シートの搬送開始の先端部かあるいは搬送終了の末端部に貼り付ける必要があり同時にダミーラベルを設けることで消去印字時の濃度ムラや消去不良を解決することができる(図6参照)。
【0038】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
<可逆性感熱画像記録シート>
(1)塗布する支持体
125μm厚の白濁ポリエステルフィルム(帝人デュポン社製、テトロンフィルムU2L98W)
記録層
・記録層液の調整
1)下記構造式の顕色剤: 3部
【0039】
【化1】
Figure 0003998193
2)ジアルキル尿素(日本化成社製、ハクリーンSB) 1部
3)アクリルポリオール50%溶液
(三菱レイヨン社製、LR327) 9部
4)メチルエチルケトン 70部
上記組成物を、ボールミルを用いて平均粒径約1μmまでなるように粉砕分散した。
5)2−アニリノ−3−メチル−6ジブチルアミノフルオラン 1部
6)イソシアネート(日本ポリウレタン社製、コロネートHL) 3部
顕色剤を粉砕分散した分散液に上記組成物を加え、良く攪拌し記録層塗布液を調製した。
・可逆性感熱記録媒体の作成
上記組成の記録層塗布液を光熱変換層、隠蔽層が塗布されているフィルム上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃2分で乾燥後、60℃24時間キュアーを行なって膜厚約10g/mの記録層を設けた。
(3)中間層
・中間層液の調整
1)アクリルポリオール樹脂50%溶液
(三菱レーヨン社製、LR327) 3部
2)酸化亜鉛微粒子30%分散液
(住友セメント社製、ZS303) 7部
3)イソシアネート
(日本ポリウレタン社製、コロネートHL) 1.5部
4)メチルエチルケトン 7部
上記組成物を加え良く攪拌し中間層塗布液を調整した。
前記記録層塗布済みフィルム上に、中間層塗布液をワイヤーバーにて塗布し90℃1分の加熱乾燥後、60℃48時間加熱し、膜厚約1μmの塗布膜を作成した。
(4)保護層
・保護層液の調整
1)ペンタエリスルトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製、KAYARAD DPHA) 3部
2)ウレタンアクリレートオリゴマー
(根上工業社製、アートレジンUN−3320HA) 3部
3)ジペンタエリスリトールカプロラクトンのアクリル酸エステル
(日本化薬社製、KAYARAD DPCA−120) 3部
4)シリカ(水澤化学工業社製、P−526) 1部
5)光重合開始剤
(日本チバガイギー社製、イルガキュア184) 0.5部
6)イソプロピルアルコール 11部
上記組成物を加え良く攪拌して保護層塗布液を作成した。
前記、記録層、中間層塗布済みフィルム上に、保護層塗布液をワイヤーバーにて塗布し加熱乾燥後、80W/cmの紫外線ランプで架橋させ、膜厚約4.5μmの塗布膜を作成した。
(5)バック層
・バック層液の調整
保護層液と同様の組成物で作成し、バック層塗布液とした。
前記、記録層、中間層、保護層塗布済みフィルムの逆面に、バック層塗布液をワイヤーバーにて塗布し加熱乾燥後、80W/cmの紫外線ランプで架橋させ、膜厚約9μmの塗布膜を作成し、A4シートに仕上げ加工した。
【0040】
<ダミーラベル>
250μmと50μmのPETフィルム(帝人デュポン社製)をポリエステル系接着剤によって貼り合せて350μmの支持体を作成した。この支持体の上に厚さ30μmのゴム系粘着層を設けてダミーラベルを作成した。
【0041】
<非接触ICタグラベル>
25μmの基材となるポリエステルフィルム(帝人デュポン社製、テトロンフィルムHPE)上に厚さ35μmの電解銅箔をボンディングシートで接着し、エッチングにてA4サイズの形成したアンテナ回路(又は導電塗料をシルク印刷してA4サイズの形成したアンテナ回路)を形成した。表面研磨、水洗、乾燥の後、該アンテナ面にIC回路(厚み200μm)を実装し、エポキシ樹脂で表面を包埋し、このIC回路上に、厚さ300μmのEVA系接着性シートおよび厚さ25μmのポリエステルフィルム(帝人デュポン社製、テトロンフィルムHPE)で保護層を形成する。このポリエステルフィルム上に厚さ30μmのゴム系粘着層を設けた可逆性の情報の視認可能な非接触式ICタグラベルを作製した。
【0042】
<非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シート>
上記可逆性感熱画像記録シートのバック層面側の中央部分にICタグラベルを貼り付け、その周囲にダミーラベルを貼り付けシートの裏面全体に段差のない非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートを作成した(図1参照)。
このシートにサーマルヘッドと消去ローラーを兼ね備えた専用プリンターにて消去印字を行なったところICタグラベルの貼り付けた部分とダミーラベルの貼り付けた部分で印字画像のムラや消去残りや地肌カブリの発生はほとんど見られなかった。
【0043】
実施例2
実施例1の可逆性感熱画像記録シート、ダミーラベル、ICタグラベルを使用し、A4サイズのシートの下方部にICタグラベルとダミーラベルを並べて貼り付け、搬送方向と水平方向には膜厚の段差がない状態になるようにして非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートを作成した(図2参照)。
このシートにサーマルヘッドと消去ローラーを兼ね備えた専用プリンターにて消去印字を行なったところICタグラベルの貼り付けた部分とダミーラベルの貼り付けた部分、両ラベルのない部分で印字画像のムラや消去残りや地肌カブリの発生はほとんど見られなかった。
【0044】
実施例3
実施例1の可逆性感熱画像記録シート、ダミーラベル、ICタグラベルを使用し、A4サイズのシートの上方部にICタグラベルを貼り付け、その両側に段差がなくなるようにダミーラベルを並べて貼り付け、さらにその下方にもダミーラベルを貼り付け、搬送方向と水平方向には膜厚の段差がない状態にして非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートを作成した(図3参照)。
このシートにサーマルヘッドと消去ローラーを兼ね備えた専用プリンターにて消去印字を行なったところICタグラベルの貼り付けた部分とダミーラベルの貼り付けた部分、両ラベルのない部分で印字画像のムラや消去残りや地肌カブリの発生はほとんど見られなかった。
【0045】
実施例4
実施例1の可逆性感熱画像記録シート、ダミーラベル、ICタグラベルを使用し、A4サイズのシートの上方部の中央にICタグラベルを貼り付け、その両側に段差がなくなるようにダミーラベルを並べて貼り付け、更にそのダミーラベルがICタグラベルを中心として左右対称に貼り付け、搬送方向と水平方向には膜厚の段差がない状態にして非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートを作成した(図4参照)。
このシートにサーマルヘッドと消去ローラーを兼ね備えた専用プリンターにて消去印字を行なったところICタグラベルの貼り付けた部分とダミーラベルの貼り付けた部分、両ラベルのない部分で印字画像のムラや消去残りや地肌カブリの発生はほとんど見られなかった。
【0046】
実施例5
実施例1の可逆性感熱画像記録シートとICタグラベルを使用し、ダミーラベルのみ以下の構成とする。
<ダミーラベル>
250μmと50μmのPETフィルム(帝人デュポン社製)をポリエステル系接着剤によって貼り合せて340μmの支持体を作成した。この支持体の一方の面にバック層塗布液をワイヤーバーにて塗布し加熱乾燥後、80W/cmの紫外線ランプで架橋させ、膜厚約10μmの塗布膜を作成した。また、もう一方の面に厚さ30μmのゴム系粘着層を設けてダミーラベルを作成した。
上記3点を使用し、実施例2と同様の構成(図2参照)の非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートを作成した(図5参照)。
このシートにサーマルヘッドと消去ローラーを兼ね備えた専用プリンターにて消去印字を行なったところICタグラベルの貼り付けた部分とダミーラベルの貼り付けた部分、両ラベルのない部分で印字画像のムラや消去残りや地肌カブリの発生はほとんど見られなかった。更に異音の発生などがなく搬送性が更に良好となった。
【0047】
実施例6
実施例1の可逆性感熱画像記録シートとダミーラベルを使用し、ICタグラベルについては以下のものを使用する。
<非接触ICタグラベル>
ICチッブを埋め込んだ部分のみに出っ張りのあるICタグラベルで最大膜厚が450μm、最小膜厚が350μmのICタグラベルを用意した。
上記3点を使用し、実施例2と同様の構成(図2)の非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートを作成した。最大膜厚とのダミーラベルとの膜厚差は70μmであり、ICタグラベルの膜厚差は100μmである。
このシートにサーマルヘッドと消去ローラーを兼ね備えた専用プリンターにて消去印字を行なったところ印字画像のムラや消去残りや地肌かぶりはおおむね良好であるが、僅かに突起している部分のみに点状の発色部が観察されたが、シート全体の印字品質に影響を与えないレベルであった。
【0048】
実施例7
実施例6の非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートを使用し、サーマルヘッドと消去ローラーを兼ね備えた専用プリンターを用い、ICタグラベルとダミーラベルの部分のみの消去スピードがない部分に比べて20%速度を遅くする設定で消去を行なったところ突起部分の発色部分が消去され、印字画像のムラや消し残りや地肌カブリの発生がほとんど見られなかった。
【0049】
実施例8
実施例1の可逆性感熱画像記録シートを使用し、以下のダミーラベルとICタグラベルを使用する。
<ダミーラベル>
厚みが1.8mmのアクリル板上に厚さ50μmのゴム系粘着層を設けてダミーラベルを作成した。
<非接触ICタグラベル>
高透磁率コア、アンテナコイルと導電性金属から構成されているシート状ICタグ(縦18.5mm、横47mm、膜厚1.8mm)上に厚さ50μmのゴム系粘着層を設けてICタグラベルを作成した。
上記可逆性感熱画像記録シートの下方の隅に上記ICタグラベルを貼り付け、その横にダミーラベルを貼り付け非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートを作成した(図6参照)。
このシートにサーマルヘッドと消去ローラーを兼ね備えた専用プリンターにて消去印字を行なったところICタグラベルの貼り付けた部分とダミーラベルの貼り付けた部分は印字範囲に入らず消去のみとなってしまったが、消去ロールがあたっても消去残りや地肌カブリの発生はほとんど見られなかった。
【0050】
比較例1
実施例1で用いた可逆性感熱画像記録シートとICタグラベルの2点を使用し実施例2のようにICタグラベルを貼り付け、ダミーラベルのあった部分は可逆性感熱画像記録シートのバック層がある状態の非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートを作成した。
このシートにサーマルヘッドと消去ローラーを兼ね備えた専用プリンターにて消去印字を行なったところICタグラベルの貼り付けた部分に印字した画像にムラが生じ、消去を行なうと消去ムラが発生し、エッジ部分に地肌カブリ現象が観察された。
【0051】
比較例2
実施例6で用いた非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートにおいて、ダミーラベルのあった部分は可逆性感熱画像記録シートのバック層がある状態の非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートを作成した。
このシートにサーマルヘッドと消去ローラーを兼ね備えた専用プリンターにて消去印字を行なったところICタグラベルの貼り付けた部分に印字した画像にムラが生じ、特に突起部分のムラが目立ち、消去を行なうと消去ムラが発生し、同様に突起部分の消去ムラが目立ち、エッジ部分に地肌カブリ現象が観察された。
【0052】
比較例3
実施例8で用いた非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートにおいて、ダミーラベルのあった部分は可逆性感熱画像記録シートのバック層がある状態の非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートを作成した。
このシートにサーマルヘッドと消去ローラーを兼ね備えた専用プリンターにて消去印字を行なったところICタグラベルのある部分に消去ムラや地肌カブリ現象が観察され、特にエッジ部分が著しい。
【0053】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明より明らかなように、本発明の可逆性感熱画像記録シートにICタグラベルを貼り付けた非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートにおいて、シートとラベルの段差が生じることで印字時に画像ムラが生じる、充分な発色を得られないという現象が現れ、消去時には、印字した画像の一部が完全に消去することができない、あるいはICタグラベルの形に消去部分が薄く発色する地肌カブリの現象が発生するという問題に対して、ダミーラベルを設け、段差をなくすことでこのような問題が解決でき、優れた非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートの提供が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆性感熱画像記録シート例を示す図である
【図2】本発明の他の可逆性感熱画像記録シート例を示す図である
【図3】本発明の他の可逆性感熱画像記録シート例を示す図である
【図4】本発明の他の可逆性感熱画像記録シート例を示す図である
【図5】本発明の他の可逆性感熱画像記録シート例を示す図である
【図6】本発明の他の可逆性感熱画像記録シート例を示す図である
【図7】本発明の可逆性感熱画像記録シートの断面図である
【図8】本発明のICタグラベルの構成例を示す図である。
【図9】本発明のダミーラベルの構成例を示す図である。
【図10】本発明に用いられるプリンタの概略図である。
【符号の説明】
1 保護層
2 中間層
3 可逆性感熱記録層
4 可逆性感熱記録層用基材フィルム
5 バック層
6 情報記憶部(ICチップ)
7 アンテナ部
8 IC回路用基材フィルム
9 樹脂膜
10 支持体
11 粘着層/接着層
12 サーマルヘッド
13 セラミックバー(消去バー)
14 搬送ローラー
15 入り側
16 出側
17 熱ロール(消去ロール)
A 可逆性感熱画像記録フィルム
B 非接触ICタグ
C 粘着層/接着層
D ICタグラベル
E ダミーラベル

Claims (8)

  1. 単数又は複数の薄層基材で構成した非接触方式でデータの送受信を行なうためのアンテナ部と、目視不能なデータ情報を更新可能に格納でき、かつ視認可能で書換可能な画像情報を表示できる非接触式ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートであって、前記データ情報を格納する記憶部を有する非接触ICタグ(B)を、可逆性感熱画像記録フィルム(A)に、少なくとも該非接触ICタグ(B)又は可逆性感熱画像記録フィルム(A)のいずれかの片面に設けられた粘着層若しくは接着層(C)を介して、又は該粘着層若しくは接着層(C)を介さず直接、積層貼合され、かつ該非接触式ICタグラベルを貼り合せたときに該可逆性感熱画像記録フィルムと該非接触ICタグ(B)の間で生じた厚み差をなくすように該非接触ICタグ(B)の周囲に粘着層または接着層を設けた支持体(D)(ダミーラベル(D))が貼り付けられていることを特徴とする非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シート。
  2. 可逆性感熱画像記録シートの一部にICタグラベルとダミーラベルが貼り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シート。
  3. サーマルヘッドや消去バーや消去ロールがシートに接した際にシートの左右にヘッドやロールの当たりの差が発生しないようにICタグラベルと1枚以上のダミーラベルを貼り付けることを特徴とする請求項2に記載の非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シート。
  4. ICタグラベルの両側にダミーラベルが貼り付けられ、そのダミーラベルが左右対称に貼り付けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シート。
  5. ICタグラベルの最大膜厚とダミーラベルの膜厚の差が、ICタグラベルの最大膜厚と最小膜厚の差以内になることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シート。
  6. ダミーラベルの最表面層が可逆性感熱画像記録シートの貼り付ける面と同じ材料構成であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シート。
  7. ICタグラベルが、高透磁率コアとアンテナコイル、または高透磁率コア、アンテナコイルと導電性金属から構成されているラベルであり、前記可逆性感熱画像記録シートの搬送開始の先端部かあるいは搬送終了の末端部に貼り付けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シート。
  8. ICタグラベルとダミーラベルが貼り付けられている範囲と貼り付けられていない範囲で搬送速度を変化させることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の非接触ICタグ付き可逆性感熱画像記録シートの消去印字方式。
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