JP3997642B2 - 一酸化炭素濃度検出装置および一酸化炭素濃度検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一酸化炭素濃度検出装置および一酸化炭素濃度検出方法に関し、詳しくは、水素を含有する水素含有ガス中の一酸化炭素の濃度を検出する一酸化炭素濃度検出装置および水素を含有する水素含有ガス中の一酸化炭素の濃度を検出する一酸化炭素濃度検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の一酸化炭素濃度検出装置としては、一酸化炭素を選択的に吸着および吸収する金属複合酸化物を用いて被検出ガス中の一酸化炭素濃度を検出するものが提案されている(特開平6−258210号公報など)。この装置は、圧電基板の中央に酸素欠陥構造を持つ金属複合酸化物としてのイットリウムバリウム同酸化物(YBa2Cu3O7)を膜状に形成し、この膜状の金属複合酸化物を挟んで圧電基板に高周波を印加する櫛形電極を取り付けて構成されており、金属複合酸化物が一酸化炭素を吸着すると印加された高周波の周波数を小さくすることに基づいて被検出ガス中の一酸化炭素濃度を検出する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした金属複合酸化物を用いて一酸化炭素濃度を検出する装置では、酸素共存下の被検出ガス中の一酸化炭素濃度を検出するものであり、水素共存下の被検出ガス中の一酸化炭素濃度は検出できないおそれがある。また、金属複合酸化物は、水素共存下の被検出ガス中に置かれると、還元されて一酸化炭素の吸着能を失い、被検出ガス中の一酸化炭素濃度を検出できない場合が生じる。
【0004】
本発明の一酸化炭素濃度検出装置および一酸化炭素濃度検出方法は、水素を含有する水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を検出することを目的の一つとする。また、本発明の一酸化炭素濃度検出装置および一酸化炭素濃度検出方法は、水素含有ガス中の広範囲な一酸化炭素濃度を検出することを目的の一つとする。さらに、本発明の一酸化炭素濃度検出装置および一酸化炭素濃度検出方法は、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を連続的に検出することを目的の一つとする。
【0005】
なお、水素を含有する水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を検出する装置として、出願人は、固体高分子型燃料電池の単位セルに所定の負荷を接続し、単位セルに水素含有ガスを供給したときに水素含有ガス中の一酸化炭素がその濃度に応じて単位セルを被毒して単位セルの電極間の電位差を低下させることに基づいて水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を検出する装置を提案している(特開平8−327590号公報)。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の一酸化炭素濃度検出装置および一酸化炭素濃度検出方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の一酸化炭素濃度検出装置は、
水素を含有する水素含有ガス中の一酸化炭素の濃度を検出する一酸化炭素濃度検出装置であって、
前記水素含有ガスが供給されたとき、該水素含有ガスに含まれる一酸化炭素を吸着すると共に該吸着した一酸化炭素の量に応じて該水素含有ガスに含まれる水素に対する酸化活性を変化させる触媒と、
前記触媒の水素に対する酸化活性の程度を検出する酸化活性程度検出手段と、
該検出された酸化活性の程度に基づいて前記水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を判定する濃度判定手段と
を備えることを要旨とする。
【0008】
この本発明の一酸化炭素濃度検出装置では、触媒は、水素含有ガスが供給されたときには、水素含有ガスに含まれる一酸化炭素を吸着すると共に吸着した一酸化炭素の量に応じて水素含有ガスに含まれる水素に対する酸化活性を変化させる。濃度判定手段は、酸化活性程度検出手段により検出された触媒の水素に対する酸化活性の程度に基づいて水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を判定する。したがって、本発明の一酸化炭素濃度検出装置によれば、水素を含有するガス中の一酸化炭素濃度を検出することができる。
【0009】
こうした本発明の一酸化炭素濃度検出装置において、前記触媒は、白金,ルテニウム,ロジウム,パラジウム,金のいずれかであるものとすることもできる。
【0010】
また、本発明の一酸化炭素濃度検出装置において、前記酸化活性程度検出手段は、前記触媒に酸素を含有する酸素含有ガスを供給する酸素供給手段と、前記触媒および/または該触媒の周囲の物理量を前記触媒活性の程度の一つとして検出する物理量検出手段とを備えるものとすることもできる。こうすれば、触媒上で水素の酸化反応を促進することができるから、触媒の水素に対する酸化活性の程度をより正確に検出することができる。
【0011】
こうした酸化活性程度検出手段が酸素供給手段と物理量検出手段とを備える本発明の一酸化炭素濃度検出装置において、前記濃度判定手段は、前記水素含有ガス中の一酸化炭素濃度と該一酸化炭素濃度に対応する物理量とを関連するデータとして記憶するデータ記憶手段と、該記憶された前記データから前記物理量検出手段により検出された物理量に関連する一酸化炭素濃度を導出する濃度導出手段とを備えるものとすることもできる。こうすれば、一酸化炭素濃度を迅速にかつ容易に判定することができる。
【0012】
この濃度判定手段がデータ記憶手段と濃度導出手段とを備える本発明の一酸化炭素濃度検出装置において、前記物理量検出手段は前記触媒の上流側のガスの温度と該触媒の下流側のガスの温度とを前記物理量の一つとして検出する手段であり、前記データ記憶手段は前記物理量の一つとして前記触媒の上流側のガスの温度と該触媒の下流側のガスの温度とに関係する値を記憶する手段であるものとすることもできる。触媒の水素に対する酸化活性の程度は、触媒上で生じる水素の酸化反応による反応熱として表われるから、水素の酸化反応による反応熱の影響が小さな触媒の上流側のガスの温度と、反応熱の影響が大きな触媒の下流側のガスの温度とにより触媒の水素に対する酸化活性の程度を判断することができ、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を検出することができる。
【0013】
また、濃度判定手段がデータ記憶手段と濃度導出手段とを備える本発明の一酸化炭素濃度検出装置において、前記物理量検出手段は前記触媒の上流側のガスの温度と該触媒の温度とを前記物理量の一つとして検出する手段であり、前記データ記憶手段は前記物理量の一つとして前記触媒の上流側のガスの温度と該触媒の温度とに関係する値を記憶する手段であるものとすることもできる。前述したように、触媒の水素に対する酸化活性の程度は、触媒上で生じる水素の酸化反応による反応熱として表われるから、水素の酸化反応による反応熱の影響が小さな触媒の上流側のガスの温度と反応熱の影響が直接表われる触媒の温度とにより触媒の水素に対する酸化活性の程度を判断することができ、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を検出することができる。
【0014】
さらに、濃度判定手段がデータ記憶手段と濃度導出手段とを備える本発明の一酸化炭素濃度検出装置において、前記物理量検出手段は前記触媒の温度と該触媒から所定距離以上離れたガスの温度とを前記物理量の一つとして検出する手段であり、前記データ記憶手段は、前記物理量の一つとして前記触媒の温度と該触媒から所定距離離れたガスの温度とに関係する値を記憶する手段であるものとすることもできる。こうすれば、水素の酸化反応による反応熱の影響が直接表われる触媒の温度と反応熱の影響が小さな触媒から所定距離以上離れたガスの温度とにより触媒の水素に対する酸化活性の程度を判断することができ、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を検出することができる。
【0015】
あるいは、濃度判定手段がデータ記憶手段と濃度導出手段とを備える本発明の一酸化炭素濃度検出装置において、前記触媒を担持する触媒担持部を備え、前記物理量検出手段は前記触媒担持部のガスの入り口の温度と該ガスの出口の温度とを前記物理量の一つとして検出する手段であり、前記データ記憶手段は前記物理量の一つとして前記触媒担持部のガスの入り口の温度と該ガスの出口の温度とに関係する値を記憶する手段であるものとすることもできる。こうすれば、水素の酸化反応による反応熱の影響が小さな触媒担持部のガスの入り口の温度と反応熱の影響が大きなガスの出口の温度とにより触媒の水素に対する酸化活性の程度を判断することができ、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を検出することができる。
【0016】
これら各態様を含め濃度判定手段がデータ記憶手段と濃度導出手段とを備える本発明の一酸化炭素濃度検出装置において、前記酸素供給手段は前記酸素含有ガスの前記触媒への供給量を少なくとも2段以上に変更可能な手段であり、前記物理量検出手段は前記酸素供給手段により前記触媒へ供給される前記酸素含有ガスの供給量を前記物理量の一つとして検出する手段であり、前記データ記憶手段は前記物理量の一つとして前記酸素含有ガスの前記触媒への供給量に関係する値を記憶する手段であるものとすることもできる。触媒の水素に対する酸化活性の程度は、触媒に吸着する一酸化炭素の量に基づくが、触媒への酸素の供給量を多くすると、触媒上で生じる水素の酸化反応が促進される。この結果、触媒への酸素の供給量を大きくすれば、同じ酸化活性の程度であっても水素の酸化反応が促進されることにより酸化活性の程度を判断しやすくなる。したがって、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度が低いときには、触媒に吸着される一酸化炭素は少なく水素の酸化反応は活発に行なわれるから、触媒への酸素の供給量を少なくすることにより、水素の酸化反応を抑えて低い一酸化炭素濃度をより正確に検出することができる。一方、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度が高いときには、触媒に吸着される一酸化炭素は多く水素の酸化反応は活発に行なわれないから、触媒への酸素の供給量を多くすることにより、水素の酸化反応を促進して触媒の水素に対する酸化活性の程度を判断しやすくして、高い一酸化炭素濃度をより正確に検出することができる。この態様の本発明の一酸化炭素濃度検出装置において、前記データ記憶手段は、前記触媒への前記酸素含有ガスの供給量が大きいほど高濃度の一酸化炭素濃度に対応するよう該供給量と該一酸化炭素濃度とを前記関連するデータの一つとして記憶する手段であるものとすることもできる。
【0017】
また、各態様を含め濃度判定手段がデータ記憶手段と濃度導出手段とを備える本発明の一酸化炭素濃度検出装置において、前記触媒に供給される前記水素含有ガスの温度を調節する温度調節手段を備え、前記データ記憶手段は前記物理量の一つとして前記触媒に供給される前記水素含有ガスの温度に関係する値を記憶する手段であるものとすることもできる。こうすれば、触媒の水素に対する酸化活性の程度は触媒の温度によって変化するから、触媒に供給される水素含有ガスの温度を調節することにより、検出感度を調節することができる。検出感度は、触媒温度が高くなるほど低くなるから、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度が低いときには触媒に供給される水素含有ガスの温度を低くして検出感度を高くし、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度が高いときには触媒に供給される水素含有ガスの温度を高くして検出感度を低くすることにより、広範囲な一酸化炭素濃度を検出することができる。この態様の本発明の一酸化炭素濃度検出装置において、前記データ記憶手段は、前記触媒へ供給される前記水素含有ガスの温度が高いほど高濃度の一酸化炭素濃度に対応するよう該水素含有ガスの温度と該一酸化炭素濃度とを前記関連するデータの一つとして記憶する手段であるものとすることもできる。
【0018】
本発明の一酸化炭素濃度検出装置において、前記触媒に吸着している一酸化炭素を除去可能な除去手段を備えるものとすることもできる。この態様では、触媒に吸着している一酸化炭素を除去することにより、検出感度を回復することができ、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度をより精度よく検出することができる。この態様の本発明の一酸化炭素濃度検出装置において、前記除去手段は前記触媒を所定温度以上に加熱する手段であるものとすることもできるし、前記除去手段は前記触媒に前記酸素含有ガスを所定量以上供給する手段であるものとすることもできる。こうすれば、触媒に吸着している一酸化炭素は、酸化されて触媒から除去される。
【0019】
こうした除去手段を備える本発明の一酸化炭素濃度検出装置において、前記除去手段は、所定時間毎に前記触媒に吸着している一酸化炭素を除去する手段であるものとすることもできる。こうすれば、所定時間毎に検出感度が回復するから、水素含有ガス中の一酸化炭素を常に精度よく検出することができる。
【0020】
また、除去手段を備える本発明の一酸化炭素濃度検出装置において、前記触媒を複数備え、前記除去手段は前記複数の触媒に吸着している一酸化炭素を順番に除去する手段であるものとすることもできる。こうすれば、常に検出感度が回復している触媒を用いることができるから、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を精度よく連続的に検出することができる。
【0021】
本発明の一酸化炭素濃度検出方法は、
水素を含有する水素含有ガス中の一酸化炭素の濃度を検出する一酸化炭素濃度検出方法であって、
(a)一酸化炭素を吸着すると共に該吸着した一酸化炭素の量に応じて前記水素含有ガスに含まれる水素に対する酸化活性を変化させる触媒に前記水素含有ガスを供給し、
(b)該水素含有ガスが供給されたときの前記触媒の水素に対する酸化活性の程度を検出し、
(c)該検出された酸化活性の程度に基づいて前記水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を判定して前記水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を検出する
ことを要旨とする。
【0022】
この本発明の一酸化炭素濃度検出方法によれば、吸着した一酸化炭素の量に応じて水素含有ガスに含まれる水素に対する触媒の酸化活性の程度に基づいて水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を検出することができる。
【0023】
こうした本発明の一酸化炭素濃度検出方法において、前記ステップ(b)は、前記触媒に酸素を含有する酸素含有ガスを供給し、前記触媒および/または該触媒の周囲の物理量を前記酸化活性の程度として検出するステップであるものとすることもできる。また、本発明の一酸化炭素検出方法において、所定時間毎に前記触媒を所定温度以上に加熱および/または前記触媒に所定量以上の酸素を含有する酸素含有ガスを供給して前記触媒に吸着している一酸化炭素を除去するステップを備えるものとすることもできる。こうすれば、所定時間毎に検出感度を回復することができ、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を精度よく検出することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。図1は、本発明の一実施例である一酸化炭素濃度検出装置20の構成の概略を示す構成図である。図示するように、一酸化炭素濃度検出装置20は、水素を含有する水素含有ガス(例えば、燃料電池に供給する燃料ガスなど)を供給する水素ブロワ22と、水素ブロワ22から供給される水素含有ガスの温度を調節する温度調節器24と、酸素を含有する酸化ガス(例えば、空気など)を供給する酸素ブロワ26と、水素含有ガスと酸素含有ガスの供給を受けるセンサ部30と、一酸化炭素濃度検出装置20全体をコントロールする電子制御ユニット40とを備える。
【0025】
センサ部30は、水素含有ガスと酸素含有ガスの混合ガスが通過する流路31と、流路31に取り付けられた白金触媒32と、白金触媒32の温度TCを検出する触媒温度センサ34と、触媒温度センサ34と触媒の温度変化の影響の少ない位置に設置され流路31を流れる水素含有ガスと酸素含有ガスの混合ガスの温度TGを検出するガス温度センサ36とを備える。
【0026】
電子制御ユニット40は、CPU42を中心として構成されたワンチップマイクロプロセッサとして構成されており、処理プログラムやマップなどを記憶したROM44と、一時的にデータを記憶するRAM46と、入出力ポート(図示せず)とを備える。この電子制御ユニット40には、センサ部30に取り付けられた触媒温度センサ34により検出される触媒温度TCや同じくセンサ部30に取り付けられたガス温度センサ36により検出されるガス温度TGなどが入力ポートを介して入力されている。また、電子制御ユニット40からは、水素ブロワ22への駆動信号や温度調節器24への駆動信号,酸素ブロワ26への駆動信号,LED48への出力信号などが出力ポートを介して出力されている。
【0027】
次に、こうして構成された実施例の一酸化炭素濃度検出装置20の動作について説明する。図2は、実施例の一酸化炭素濃度検出装置20の電子制御ユニット40により実行される一酸化炭素濃度検出ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、一酸化炭素濃度検出装置20が起動された直後から所定時間毎(例えば、10ms毎)に繰り返し実行される。
【0028】
一酸化炭素濃度検出ルーチンが実行されると、CPU42は、まず、センサ部30に供給される水素含有ガス供給量QHと酸素含有ガス供給量QOとを読み込む処理を実行する(ステップS110)。実施例では、図示しない供給量演算ルーチンにより水素ブロワ22や酸素ブロワ26へ出力した駆動信号に基づいて水素含有ガス供給量QHや酸素含有ガス供給量QOを計算してRAM46の所定アドレスに記憶しておき、本ルーチンのステップS110の処理ではRAM46の所定アドレスに記憶された水素含有ガス供給量QHや酸素含有ガス供給量QOを読み込むものとした。続いて、こうして読み込んだ酸素含有ガス供給量QOを水素含有ガス供給量QHで割ってガスの供給量比Rを計算する(ステップS112)。
【0029】
次に、触媒温度センサ34により検出される触媒温度TCとガス温度センサ36により検出される混合ガスの温度TGを読み込み(ステップS114)、読み込んだ触媒温度TCとガス温度TGとの温度差ΔTを計算する(ステップS116)。白金触媒32上では、水素の酸化反応が行なわれ、この反応が発熱反応であることから、触媒温度TCはガス温度TGより高くなる。白金は、水素の共存下で一酸化炭素を吸着する特性を有し、吸着した一酸化炭素は白金上で行なわれる水素の酸化反応を阻害する。したがって、白金触媒32上で反応する水素の量は白金触媒32に吸着した一酸化炭素の量によって変動する。一方、水素の酸化反応により生じる熱と反応する水素の量はリニアな関係にあるから、温度差ΔTは、一酸化炭素濃度によって変動する白金触媒32の水素に対する酸化活性を反映することになる。
【0030】
そして、ガス温度TGとガスの供給量比Rと温度差ΔTとに基づいて一酸化炭素濃度COを導出する処理を実行する(ステップS118)。白金の水素に対する酸化活性は一酸化炭素濃度やガス中の酸素の量,ガスの温度により変化するから、予め一酸化炭素濃度COとガス中の酸素の量を反映するガスの供給量比Rとガス温度TGと白金の水素に対する酸化活性を反映する温度差ΔTとの関係を実験などにより求めてマップとしてROM44に記憶しておけば、ガス温度TGとガスの供給量比Rと温度差ΔTとに基づいて一酸化炭素濃度COを導出することができる。図3に一酸化炭素濃度COと温度差ΔTとガスの供給量比Rとの関係の一例を、図4に一酸化炭素濃度COと温度差ΔTとガス温度TGとの関係の一例を示す。なお、図3および図4では、水素含有ガスとしてメタノールを改質して得られる水素リッチガスを用い、酸素含有ガスとして空気を用いた。この場合、実験では、一酸化炭素濃度COは1ppm〜10%程度まで有効に検出できた。
【0031】
次に、導出した一酸化炭素濃度COに基づいて一酸化炭素濃度COの検出感度が適正範囲内にあるかを判定する(ステップS120)。図3や図4に例示するように、一酸化炭素濃度COが低いと、ガスの供給量比Rが大きいときやガス温度TGが高いときには検出感度が低くなり正確な一酸化炭素濃度COが得られなくなり、逆に一酸化炭素濃度COが高いと、ガスの供給量比Rが低いときやガス温度TGが低いときには一酸化炭素濃度COを検出することができなくなる。したがって、一酸化炭素濃度COが低いときにはガスの供給量比Rを小さくすると共にガス温度TGも低くし、逆に一酸化炭素濃度COが高いときにはガスの供給量比Rを大きくすると共にガス温度TGも高くする必要がある。ステップS120では、このことに基づいて検出感度が適正な範囲にあるかを判定するのである。
【0032】
一酸化炭素濃度COの検出感度が適正範囲にあるときには、導出した一酸化炭素濃度COをLED48に表示して(ステップS122)、本ルーチンを終了し、一酸化炭素濃度COの検出感度が適正範囲にないときには、一酸化炭素濃度COに基づいて検出感度が適正範囲となるよう酸素含有ガス供給量QOやガス温度TGを調節して(ステップS124)、本ルーチンを終了する。なお、ガス温度TGの調節は、温度調節器24によって水素含有ガスの温度を調節することにより行なわれる。
【0033】
こうした一酸化炭素濃度COの検出を行なっているうちに、吸着した一酸化炭素により白金触媒32の水素に対する酸化活性は低下し、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度COを正確に検出できなくなるおそれがある。実施例の一酸化炭素濃度検出装置20では、白金触媒32の一酸化炭素による被毒を定期的に除去する処理として図5に例示する触媒回復処理ルーチンを実行する。このルーチンは、一酸化炭素濃度検出装置20が起動されてから所定時間毎(例えば、1時間毎)に実行される。
【0034】
触媒回復処理ルーチンが実行されると、CPU42は、酸素ブロワ26からセンサ部30に供給される酸素含有ガス供給量QOを所定値Qsetまで増加する処理を実行する(ステップS130)。白金触媒32上に吸着されている一酸化炭素は、十分な酸素を供給することにより酸化されて白金触媒32から離脱していく。したがって、白金触媒32上の一酸化炭素を酸化するのに十分な酸素含有ガス供給量として設定された所定値Qsetまで酸素含有ガス供給量QOを増加することにより、白金触媒32に吸着している一酸化炭素を除去できるのである。
【0035】
続いて、酸素含有ガス供給量QOを増加してから白金触媒32に吸着している一酸化炭素を除去するのに十分な時間として設定された所定時間を経過しているかを判断し(ステップS132)、所定時間経過しているときには、酸素含有ガス供給量QOを元の値に戻して(ステップS134)、本ルーチンを終了する。
【0036】
以上説明した実施例の一酸化炭素濃度検出装置20によれば、水素を含有するガスに含まれる一酸化炭素の濃度を検出することができる。しかも、検出感度が適正範囲内となるよう酸素含有ガス供給量QOやガス温度TGを調節するから、ppmオーダーから10%オーダーの広い範囲の一酸化炭素濃度COを検出することができる。また、実施例の一酸化炭素濃度検出装置20によれば、定期的に白金触媒32に吸着している一酸化炭素を除去するから、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度COを連続的により正確に検出することができる。
【0037】
実施例の一酸化炭素濃度検出装置20では、触媒として白金を用いたが、水素の共存下で一酸化炭素濃度に応じて一酸化炭素を吸着する特性を有すると共に吸着した一酸化炭素の量に応じて水素に対する酸化活性を変化させるものであれば如何なるものでも触媒として用いることができる。例えば、白金に代えて、ルテニウムやロジウム,パラジウム,金などを触媒として用いることができる。
【0038】
また、実施例の一酸化炭素濃度検出装置20では、一酸化炭素濃度COに基づいて酸素含有ガス供給量QOを変更可能なものとすると共にガス温度TGを調節可能なものとして構成したが、センサ部30に供給される水素含有ガス中の一酸化炭素濃度COが所定範囲内にあるときには、酸素含有ガス供給量QOやガス温度TGをその所定範囲に応じた値に固定してもよいから、ガス温度TGや酸素含有ガス供給量QOが変更できない構成としてもかまわない。勿論、ガス温度TGは調節できないが酸素含有ガス供給量QOは変更できる構成としてもよく、逆に酸素含有ガス供給量QOは変更できないがガス温度TGは調節できる構成としてもよい。これらの構成は、被検出ガスである水素含有ガス中の一酸化炭素濃度COの変化する範囲などによって定めればよい。
【0039】
さらに、実施例の一酸化炭素濃度検出装置20では、白金触媒32の温度TCと白金触媒32から所定距離離れた混合ガスの温度TGに基づいて白金触媒32の水素に対する酸化活性を反映させたが、図6に例示する変形例のセンサ部30Bのように白金触媒32Bの上流側のガスの温度と下流側のガスの温度とに基づいて白金触媒32Bの水素に対する酸化活性を反映させてもよいし、図7に例示する変形例のセンサ部30Cのように白金触媒32Cの上流側のガスの温度と白金触媒32Cの温度とに基づいて白金触媒32Cの水素に対する酸化活性を反映させてもよい。図6のセンサ部30Bの更に変形例として、センサ部30Bのガスの入り口の温度とガスの出口の温度とに基づいて白金触媒32Bの水素に対する酸化活性を反映させてもよい。
【0040】
実施例の一酸化炭素濃度検出装置20では、酸素含有ガス供給量QOを増加して白金触媒32に吸着している一酸化炭素を除去したが、白金触媒32を加熱することにより白金触媒32に吸着している一酸化炭素を除去するものとしてもよい。この場合、触媒回復処理ルーチンの一例を図8に示す。このルーチンは、図5の触媒回復処理ルーチンと同様に一酸化炭素濃度検出装置20が起動されてから所定時間毎に繰り返し実行される。以下、図8の触媒回復処理ルーチンについて説明する。
【0041】
このルーチンが実行されると、CPU42は、まず、温度調節器24により水素含有ガスを加熱する処理を実行する(ステップS140)。続いて、ガス温度センサ36により検出されるガス温度TGを読み込み(ステップS142)、読み込んだガス温度TGを所定値Tsetと比較し(ステップS144)、ガス温度TGが所定値Tsetを越えるまでステップS142およびS144の処理を繰り返し実行する。ここで、所定値Tsetは、白金触媒32に吸着している一酸化炭素が白金触媒32から離脱するのに十分な温度として設定されるものである。そして、ガス温度TGが所定値Tsetを越えると、温度調節器24による水素含有ガスの加熱を停止して(ステップS146)、本ルーチンを終了する。
【0042】
こうした図8の触媒回復処理ルーチンを行なう一酸化炭素濃度検出装置20でも、定期的に白金触媒32に吸着している一酸化炭素を除去するから、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度COを連続的により正確に検出することができる。なお、図8の触媒回復処理ルーチンでは、ガス温度TGに基づいて白金触媒32に吸着している一酸化炭素の除去を判断したが、触媒温度TCに基づいて判断するものとしてもよい。また、図8の触媒回復処理ルーチンでは、水素含有ガスを加熱したが、直接白金触媒32を加熱するものとしてもよい。
【0043】
実施例の一酸化炭素濃度検出装置20では所定時間毎に白金触媒32に吸着している一酸化炭素を除去する処理を行なったが、不定期に白金触媒32に吸着している一酸化炭素を除去する処理を行なうものとしてもよく、また、図2の一酸化炭素濃度検出ルーチンを実行する毎にこのルーチンの前に白金触媒32に吸着している一酸化炭素を除去する処理を行なうものとしてもよい。また、一酸化炭素の白金触媒32への吸着の程度に応じて白金触媒32に吸着している一酸化炭素を除去する処理を行なうものとしてもよく、一酸化炭素濃度COが低く一酸化炭素の白金触媒32への吸着が少ないときには、白金触媒32に吸着している一酸化炭素を除去する処理を行なうものとしてもよい。
【0044】
次に、本発明の第2の実施例である一酸化炭素濃度検出装置120について説明する。図9は、第2実施例の一酸化炭素濃度検出装置120の構成の概略を示す構成図である。図示するように、第2実施例の一酸化炭素濃度検出装置120は、二つのセンサ部130A,130Bを備える点およびこれに付随する点を除いて第1実施例の一酸化炭素濃度検出装置20と同一の構成をしている。したがって、第2実施例の一酸化炭素濃度検出装置120の構成のうち第1実施例の一酸化炭素濃度検出装置20の構成と同一の構成については100を加えた符号を付し、その説明は省略する。
【0045】
二つのセンサ部130A,130Bは、共に第1実施例のセンサ部30と同一の構成をしており、水素ブロワ122から温度調節器124を介して水素を含有する水素含有ガスが供給され、酸素ブロワ126A,126Bから酸素を含有する酸素含有ガスが供給されるようになっている。水素含有ガスの供給管には、三方弁125が取り付けられており、三方弁125により温度調節器124から選択的に二つのセンサ部130A,130Bに水素含有ガスを供給するようになっている。
【0046】
電子制御ユニット140には、二つのセンサ部130A,130Bにそれぞれ取り付けられた触媒温度センサ134A,134Bからの白金触媒132A,132Bの温度やガス温度センサ136A,136Bからの混合ガスの温度などが入力ポートを介して入力されており、電子制御ユニット140からは、三方弁125のアクチュエータ125aへの駆動信号や酸素ブロワ126A,126Bへの駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。
【0047】
次に、こうして構成された第2実施例の一酸化炭素濃度検出装置120の動作について説明する。図10は第2実施例の一酸化炭素濃度検出装置120の電子制御ユニット140により実行される一酸化炭素濃度検出ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、一酸化炭素濃度検出装置120が起動された直後から所定時間毎(例えば、10ms毎)に繰り返し実行される。
【0048】
一酸化炭素濃度検出ルーチンが実行されると、CPU142は、まず有効触媒判定フラグFCの値を読み込む処理を実行する(ステップS200)。ここで、有効触媒判定フラグFCは、二つのセンサ部130A,130Bのうち現在どちらが有効に一酸化炭素濃度COを検出できるかの情報を持つフラグであり、後述の図11に例示する触媒回復処理ルーチンにより設定される。有効触媒判定フラグFCは、センサ部130Aが有効のときには値0、センサ部130Bが有効のときには値1を持つ。
【0049】
続いて、読み込んだ有効触媒判定フラグFCに基づいて有効酸素ブロワと有効温度センサとを設定する(ステップS202)。具体的には、有効触媒判定フラグFCが値0のときには、センサ部130Aが有効であるから、酸素ブロワ126Aを有効酸素ブロワとして設定すると共に触媒温度センサ134Aとガス温度センサ136Aとを有効温度センサとして設定し、有効触媒判定フラグFCが値1のときには、逆にセンサ部130Bが有効であるから、酸素ブロワ126Bを有効酸素ブロワとして設定すると共に触媒温度センサ134Bとガス温度センサ136Bとを有効温度センサとして設定するのである。
【0050】
そして、有効酸素ブロワと有効温度センサとを用いて図2の一酸化炭素濃度検出ルーチンのステップS110ないしS124の処理と同一の処理であるステップS210ないしS224の処理を実行する。これらの処理についての説明は重複するから、その説明は省略する。
【0051】
第2実施例の一酸化炭素濃度検出装置120でも白金触媒132A,132Bに吸着している一酸化炭素を除去する処理を行なう。この処理は、図11に例示する触媒回復処理ルーチンにより実行される。このルーチンは、第1実施例の一酸化炭素濃度検出装置20と同様に、一酸化炭素濃度検出装置120が起動されてから所定時間毎に繰り返し実行される。
【0052】
触媒回復処理ルーチンが実行されると、CPU142は、まず、有効触媒判定フラグFCの値を変更すると共に(ステップS230)、アクチュエータ125aに駆動信号を出力して三方弁125を駆動して水素含有ガスの供給されるセンサ部を変更する処理を実行する(ステップS232)。こうした処理により有効なセンサ部が変更される。なお、この変更により有効となったセンサ部は、有効触媒判定フラグFCが変更されるまでは無効なセンサ部であり、後述する処理により白金触媒から一酸化炭素が除去された状態で運転が停止されている。したがって、有効となったセンサ部により、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度COを精度よく検出することができるようになる。
【0053】
続いて、有効触媒判定フラグFCに基づいて有効でない酸素ブロワ(無効酸素ブロワ)を設定し(ステップS234)、無効酸素ブロワとして設定された酸素ブロワからの酸素含有ガス供給量QOを所定値Qsetまで増加する(ステップS236)。そして、酸素含有ガス供給量QOの増加により有効でないセンサ部の白金触媒に吸着している一酸化炭素が完全に除去されるのを待って(ステップS238)、無効酸素ブロワの運転を停止し(ステップS240)、本ルーチンを終了する。
【0054】
以上説明した第2実施例の一酸化炭素濃度検出装置120によれば、二つのセンサ部130A,130Bを備え、交互に有効なセンサ部として用いるから、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度COを連続的に精度よく検出することができる。もとより、検出感度が適正範囲内となるよう酸素含有ガス供給量QOやガス温度TGを調節するから、ppmオーダーから10%オーダーの広い範囲の一酸化炭素濃度COを検出することができる。
【0055】
第2実施例の一酸化炭素濃度検出装置120では、二つのセンサ部130A,130Bを備え、交互に用いたが、三以上のセンサ部を備え、順番に用いるものとしてもよい。
【0056】
第2実施例の一酸化炭素濃度検出装置120でも第1実施例の一酸化炭素濃度検出装置20で説明した種々の変形例、例えば、白金に代えてルテニウムやロジウム,パラジウム,金などを触媒として用いる構成や、酸素含有ガス供給量QOを変更しない構成,ガス温度TGを調節しない構成,二つのセンサ部130A,130Bに代えて図6や図7のセンサ部を用いる構成,白金触媒132A,132Bを加熱することにより吸着している一酸化炭素を除去する構成,不定期に白金触媒132A,132Bに吸着している一酸化炭素を除去する構成,白金触媒132A,132Bに吸着している一酸化炭素を除去しない構成などとしてもよい。
【0057】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である一酸化炭素濃度検出装置20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】 実施例の一酸化炭素濃度検出装置20の電子制御ユニット40により実行される一酸化炭素濃度検出ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図3】 一酸化炭素濃度COと温度差ΔTとガスの供給量比Rとの関係の一例を示すマップである。
【図4】 一酸化炭素濃度COと温度差ΔTとガス温度TGとの関係の一例を示すマップである。
【図5】 実施例の一酸化炭素濃度検出装置20の電子制御ユニット40により実行される触媒回復処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図6】 変形例のセンサ部30Bの構成の概略を示す構成図である。
【図7】 変形例のセンサ部30Cの構成の概略を示す構成図である。
【図8】 変形例の触媒回復処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図9】 第2実施例の一酸化炭素濃度検出装置120の構成の概略を示す構成図である。
【図10】 第2実施例の一酸化炭素濃度検出装置120の電子制御ユニット140により実行される一酸化炭素濃度検出ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図11】 第2実施例の一酸化炭素濃度検出装置120の電子制御ユニット140により実行される触媒回復処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
20,120 一酸化炭素濃度検出装置、22,122 水素ブロワ、24,124 温度調節器、26,126A,126B 酸素ブロワ、30,30B,30C,130A,130B センサ部、32,32B,32C,132A,132B 白金触媒、34,34B,34C,134A,134B 触媒温度センサ、36,36B,36C,136A,136B ガス温度センサ、40,140 電子制御ユニット、42,142 CPU、44,144 ROM、46,146 RAM、48,148 LED、125 三方弁、125a アクチュエータ。
Claims (20)
- 水素を含有する水素含有ガス中の一酸化炭素の濃度を検出する一酸化炭素濃度検出装置であって、
前記水素含有ガスが供給されたとき、該水素含有ガスに含まれる一酸化炭素を吸着すると共に該吸着した一酸化炭素の量に応じて該水素含有ガスに含まれる水素に対する酸化活性を変化させる触媒と、
前記触媒の水素に対する酸化活性の程度を検出する酸化活性程度検出手段と、該検出された酸化活性の程度に基づいて前記水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を判定する濃度判定手段と
を備える一酸化炭素濃度検出装置。 - 前記触媒は、白金,ルテニウム,ロジウム,パラジウム,金のいずれかである請求項1記載の一酸化炭素濃度検出装置。
- 請求項1または2記載の一酸化炭素濃度検出装置において、
前記酸化活性程度検出手段は、
前記触媒に酸素を含有する酸素含有ガスを供給する酸素供給手段と、
前記触媒および/または該触媒の周囲の物理量を前記触媒活性の程度の一つとして検出する物理量検出手段とを備える
一酸化炭素濃度検出装置。 - 請求項3記載の一酸化炭素濃度検出装置であって、
前記濃度判定手段は、
前記水素含有ガス中の一酸化炭素濃度と該一酸化炭素濃度に対応する物理量とを関連するデータとして記憶するデータ記憶手段と、
該記憶された前記データから前記物理量検出手段により検出された物理量に関連する一酸化炭素濃度を導出する濃度導出手段とを備える
一酸化炭素濃度検出装置。 - 請求項4記載の一酸化炭素濃度検出装置であって、
前記物理量検出手段は、前記触媒の上流側のガスの温度と該触媒の下流側のガスの温度とを前記物理量の一つとして検出する手段であり、
前記データ記憶手段は、前記物理量の一つとして前記触媒の上流側のガスの温度と該触媒の下流側のガスの温度とに関係する値を記憶する手段である
一酸化炭素濃度検出装置。 - 請求項4記載の一酸化炭素濃度検出装置であって、
前記物理量検出手段は、前記触媒の上流側のガスの温度と該触媒の温度とを前記物理量の一つとして検出する手段であり、
前記データ記憶手段は、前記物理量の一つとして前記触媒の上流側のガスの温度と該触媒の温度とに関係する値を記憶する手段である
一酸化炭素濃度検出装置。 - 請求項4記載の一酸化炭素濃度検出装置であって、
前記物理量検出手段は、前記触媒の温度と該触媒から所定距離離れたガスの温度とを前記物理量の一つとして検出する手段であり、
前記データ記憶手段は、前記物理量の一つとして前記触媒の温度と該触媒から所定距離以上離れたガスの温度とに関係する値を記憶する手段である
一酸化炭素濃度検出装置。 - 請求項4記載の一酸化炭素濃度検出装置であって、
前記触媒を担持する触媒担持部を備え、
前記物理量検出手段は、前記触媒担持部のガスの入り口の温度と該ガスの出口の温度とを前記物理量の一つとして検出する手段であり、
前記データ記憶手段は、前記物理量の一つとして前記触媒担持部のガスの入り口の温度と該ガスの出口の温度とに関係する値を記憶する手段である
一酸化炭素濃度検出装置。 - 請求項4ないし8いずれか記載の一酸化炭素濃度検出装置であって、
前記酸素供給手段は、前記酸素含有ガスの前記触媒への供給量を少なくとも2段以上に変更可能な手段であり、
前記物理量検出手段は、前記酸素供給手段により前記触媒へ供給される前記酸素含有ガスの供給量を前記物理量の一つとして検出する手段であり、
前記データ記憶手段は、前記物理量の一つとして前記酸素含有ガスの前記触媒への供給量に関係する値を記憶する手段である
一酸化炭素濃度検出装置。 - 前記データ記憶手段は、前記触媒への前記酸素含有ガスの供給量が大きいほど高濃度の一酸化炭素濃度に対応するよう該供給量と該一酸化炭素濃度とを前記関連するデータの一つとして記憶する手段である請求項9記載の一酸化炭素濃度検出装置。
- 請求項4ないし8いずれか記載の一酸化炭素濃度検出装置であって、
前記触媒に供給される前記水素含有ガスの温度を調節する温度調節手段を備え、
前記データ記憶手段は、前記物理量の一つとして前記触媒に供給される前記水素含有ガスの温度に関係する値を記憶する手段である
一酸化炭素濃度検出装置。 - 前記データ記憶手段は、前記触媒へ供給される前記水素含有ガスの温度が高いほど高濃度の一酸化炭素濃度に対応するよう該水素含有ガスの温度と該一酸化炭素濃度とを前記関連するデータの一つとして記憶する手段である請求項11記載の一酸化炭素濃度検出装置。
- 前記触媒に吸着している一酸化炭素を除去可能な除去手段を備える請求項1ないし12いずれか記載の一酸化炭素濃度検出装置。
- 前記除去手段は、前記触媒を所定温度以上に加熱する手段である請求項13記載の一酸化炭素濃度検出装置。
- 前記除去手段は、前記触媒に前記酸素含有ガスを所定量以上供給する手段である請求項13記載の一酸化炭素濃度検出装置。
- 前記除去手段は、所定時間毎に前記触媒に吸着している一酸化炭素を除去する手段である請求項13ないし15いずれか記載の一酸化炭素濃度検出装置。
- 請求項13ないし16いずれか記載の一酸化炭素濃度検出装置であって、
前記触媒を複数備え、
前記除去手段は、前記複数の触媒に吸着している一酸化炭素を順番に除去する手段である
一酸化炭素濃度検出装置。 - 水素を含有する水素含有ガス中の一酸化炭素の濃度を検出する一酸化炭素濃度検出方法であって、
(a)一酸化炭素を吸着すると共に該吸着した一酸化炭素の量に応じて前記水素含有ガスに含まれる水素に対する酸化活性を変化させる触媒に前記水素含有ガスを供給し、
(b)該水素含有ガスが供給されたときの前記触媒の水素に対する酸化活性の程度を検出し、
(c)該検出された酸化活性の程度に基づいて前記水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を判定して前記水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を検出する
一酸化炭素濃度検出方法。 - 前記ステップ(b)は、前記触媒に酸素を含有する酸素含有ガスを供給し、前記触媒および/または該触媒の周囲の物理量を前記酸化活性の程度として検出するステップである請求項18記載の一酸化炭素濃度検出方法。
- 所定時間毎に前記触媒を所定温度以上に加熱および/または前記触媒に所定量以上の酸素を含有する酸素含有ガスを供給して前記触媒に吸着している一酸化炭素を除去するステップを備える請求項18または19記載の一酸化炭素濃度検出方法。
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