JP3995706B2 - 静電チャック装置 - Google Patents
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Description
詳しくは、ワークと対向して面状に配置された電極に、電圧を印加することでワークを静電吸着する静電チャック装置に関する。
そこで、これらの問題を解決するため、大型基板に対応するために、複数の静電チャックを並べて配置した静電チャック装置がある。
このような静電チャック装置の一例として、大型のワーク(被吸着体)を吸着できる面積の台座(ベース板)に、2枚以上の静電チャックを面一に接合して固定すると共に、各静電チャックの内部電極に導通する電極端子が、ベース板の貫通穴を通じて台座の裏側から相互に電気配線されることにより、静電チャックユニットを構成したものもある(例えば、特許文献1参照)。
静電チャックの膜面が一部分でも破壊すると、この静電チャック全体の機能が停止すると共に、高電圧がかかる電極が露出するため、特に真空中貼り合わせ機のような真空に近い状態で用いられる場合には、金属製台座のアース部との間でアーク放電したり、或いは真空引きの際のパッシェン領域においてプラズマ放電するなど、過電流を引き起こす不具合が生ずる恐れがあった。
この点において、特許文献1の場合には、2枚以上の静電チャックが配置されるため、膜面が破壊された静電チャックを除いてそれ以外の静電チャックは使用可能であるが、膜面の一部分が破壊された静電チャックは現場での修理ができないため、上述した放電を防止するには、膜面の一部分が破壊された静電チャック自体を交換しなければならず、コストアップになると共に、この交換作業が完了するまでライン全体の稼働を再開できないことから、稼働率が低下するという問題があった。
このような静電チャックの交換に要する時間を短縮化するには、予め静電チャックの予備品を設置場所近くに常時保有しなければならず、トータルコストが高くなるという問題があった。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明の目的に加えて、給電部の切断処理に伴って部分的に突出してもワークへの悪影響を抑制することを目的としたものである。
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の発明の目的に加えて、選択的な切断部分と金属台座との放電を防止することを目的としたものである。
請求項4記載の発明は、請求項1、2または3に記載の発明の目的に加えて、簡便で且つ確実な封止処理を短時間に行えると共に封止部材の再使用を可能にすることを目的としたものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、前記給電部と対向する台座に凹部を形成した構成を加えたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成に、前記給電部の選択的に切断された任意の切断部分を台座の凹部内で封止した構成を加えたことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1、2または3記載の発明の構成に、前記給電部の選択的に切断された任意の切断部分を囲むように環状シール材を配置して封止した構成を加えたことを特徴とする。
従って、簡単な処理で短時間にワークを吸着可能に復帰させることができる。
その結果、膜面破壊による放電を防止するには膜面が破壊された静電チャック自体を交換する必要がある従来のものに比べ、膜面の一部分が破壊しても放電防止のためにその静電チャック全体を交換する必要がなくなって、数回の補修が可能となり、トータルコストを低減できると共に、静電チャックの予備品の保有数も低減できる。
特に本発明の静電チャック装置を液晶ディスプレーの生産ラインなどに用いた場合には、膜面の一部分が破壊しても放電を確実に防止できると共に、ライン全体の稼働を短時間で再開できるから、稼働率が低下せず、安定した生産量を期待できる。
更に、複数の給電部を、相互に接近させて平行に並べると共に、これら給電部に隣接する誘電層部分に、該給電部に沿って平行なスリットを切欠形成することにより、スリットからカッターやハサミなどの刃物を挿入すれば、狙った給電部の一つが切断可能になると共に、その切断端縁から電極を構成するフィルムなどに裂け目が発生することもない。
従って、各エリアの切断作業を容易にしながら切断作業に伴う裂け目の拡散による電極の二次的な被害を防止することができる。
従って、給電部の切断処理に伴って部分的に突出してもワークへの悪影響を抑制することができる。
従って、選択的な切断部分と金属台座との放電を防止することができる。
従って、簡便で且つ確実な封止処理を短時間に行えると共に封止部材の再使用を可能にすることができる。
この基板貼り合わせ機は、上下一対配備された保持板11の対向面にワークWとして2枚の基板を夫々保持させ、それらの周囲に区画形成された閉空間(図示せず)内が所定の真空度に達してから、上下保持板を相対的にXYθ方向へ調整移動し、基板同士の位置合わせが行われ、その後、上保持板から上基板を強制的に剥離して下基板上の環状接着剤又はシール材(図示せず)へ瞬間的に圧着することにより、両者間を封止して重ね合わせ、その後は、両基板の内外に生じる気圧差で両基板の間を所定のギャップまで加圧して貼り合わせ工程が完了するものである。
図示例では、略平行に並べられた給電部1cの間に複数のスリット(切れ目)1dを略平行に切欠形成している。
以下、本発明の各実施例を図面に基づいて説明する。
基板などのワークWの静電吸着時に、例えばガラスのカレット(破片)を静電チャック装置Aの静電チャック機能面1′との間に噛み込むなどの理由で、該静電チャック機能面1′の膜面に相当する誘電層2と特定箇所のエリア1aに配置された電極パターン1bが部分的に破壊して故障すると、この電極パターン1bに対応したエリア1aには過電流により他の静電吸着領域も機能しなくなるため、この破壊したエリア1aの電極パターン1bに連通する給電部1cの切断処理を行って、該電極パターン1bへの給電を部分的に停止させる。
それにより静電吸着機能が低下することから、最適な分割数が要求される。
その結果、エリア1aの分割数を増やして静電吸着機能させない領域を減らす際に、前記図1〜図3に示した実施例1よりも最適な分割数が要求されず、対応が容易であると共に、静電吸着機能を比較的低下させずに給電部1cの占有スペースを確保できるという利点がある。
また、ワークWとして上下一対の基板を真空中で貼り合わせる基板貼り合わせ機を説明したが、これに限定されず、大気中で上下一対の基板を貼り合わせる基板貼り合わせ機でも良く、この場合でも、上述した真空貼り合わせ機と同じ作用効果が得られる。
また、複数の給電部1c又は全ての給電部1cを集めて配置する場合を示したが、これに限定されず、全ての給電部1cを夫々適宜箇所に分散させて配置することも可能である。
1 電極 1′ 静電チャック機能面
1a エリア 1b 電極パターン
1c 給電部 1c′ 切断部分
1d スリット 2 誘電層
3 台座 3a 裏面
3b 凹部 3c 表面
3d 側面 4 絶縁体
4a,4b ブロック 4c 締結部材
5 被覆材 6 環状シール材
11 保持板 11a 基板側表面
Claims (4)
- ワーク(W)と対向して面状に配置された電極(1)に、電圧を印加することでワーク(W)を静電吸着する静電チャック装置において、
前記電極(1)をワーク(W)と平行な平面内で複数のエリア(1a)に分割し、これらエリア(1a)毎に独立する電極パターン(1b)を夫々設けると共に、各電極パターン(1b)への給電部(1c)をエリア(1a)毎に夫々設け、前記複数の給電部(1c)を、相互に接近させて平行に並べると共に、これら給電部(1c)に隣接する誘電層(2)部分に、該給電部(1c)に沿って平行なスリット(1d)を切欠形成し、各スリット(1d)から刃物で任意の給電部(1c)を選択的に切断処理可能にして、破壊したエリアに配置された電極パターン(1b)への給電を部分的に停止させたことを特徴とする静電チャック装置。 - 前記給電部(1c)と対向する台座(3)に凹部(3b)を形成した請求項1記載の静電チャック装置。
- 前記給電部(1c)の選択的に切断された任意の切断部分(1c′)を台座(3)の凹部(3b)内で封止した請求項2記載の静電チャック装置。
- 前記給電部(1c)の選択的に切断された任意の切断部分(1c′)を囲むように環状シール材(6)を配置して封止した請求項1、2または3記載の静電チャック装置。
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