JP3995512B2 - 燃焼検知電極およびそれを用いた燃焼装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は燃焼検知電極およびそれを用いた燃焼装置に係り、特に給湯器などのガス燃焼器具等において長期間使用した場合においても酸化による腐食が少なく、かつ電気抵抗値の変化が少ないために燃焼ガスの火炎の状態を長期間にわたって高精度に検知することが可能な燃焼検知電極及びそれを用いた安全な燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、石油分解ガス,気化ガス,天然ガスなどの可燃ガスを燃焼させる各種燃焼装置が給湯器や暖房機等に広く装備されている。図1はこの種の燃焼装置の概略構成を示す系統図である。すなわち、従来の燃焼装置1は、燃料ガス供給配管2を経由して供給された燃料ガスと助燃空気(一次空気)とを混合する混合器3と、空気と混合した燃料ガスを噴出し燃焼させるバーナヘッド4と、この燃料ガスの燃焼炎と接触するように配置された燃焼検知電極5と、この燃焼検知電極5を保持する非導電性磁器6と、上記バーナヘッドと燃焼検知電極との間に印加された電圧により燃焼炎を介して流れる電流値を検出し、燃焼炎の異常や失火による電流値の低下または消失に応じて燃料遮断弁7に閉信号を送信し燃料ガスの供給を遮断する検出回路8とを備えて構成される。従来、上記燃焼検知電極5は一般には鉄クロム合金等の耐熱性金属材料やLa−Cr−O系酸化物等から成り棒状に形成されている。この燃焼検知電極5は、磁器等から成る非導電性部材で保持された状態で、燃焼炎に近接するようにバーナヘッド4の上部に固定される。
【0003】
上記燃焼装置1において、燃焼検知電極5と対抗電極としてのバーナヘッド4との間に一定の電圧を印加しておけば、燃焼炎の火炎状態に応じたイオン電流が燃焼炎を介して燃焼検知電極5とバーナヘッド4との間に流れる。このイオン電流値を検出回路8で検知することにより、燃焼炎の火炎状態を常時検出することができ、この電流値に基づいて燃焼装置を制御することが可能である。
【0004】
すなわち、燃焼中には燃焼炎を介して対抗電極間に微小電流が流れるため、燃焼が正常に進行していることが検出回路によって感知され、電流が流れなくなることで、異常が発生しガス漏れ状態となることが検知され、燃料遮断弁7を閉止するという安全装置としての機能も有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の燃焼装置については以下のような解決すべき技術的課題が提起されている。すなわち、近年、給湯機などの燃焼装置をコンパクト化するという要請にともないバーナヘッドの配設密度が上昇し熱的条件がより苛酷な状態になっているが、従来材料で構成された燃焼検知用電極では高温時での耐酸化性が不十分であったため、燃焼状態を長期間に渡って正確に把握することが困難であった。すなわち、鉄クロム合金や導電性金属酸化物等で形成された従来の燃焼検知用電極では、高温度の燃焼炎によって短時間のうちに表面に酸化層が形成され易く、電極の表面抵抗値が上昇し、イオン電流が流れにくくなり電流値の低下が起こる。そのため、着火時における炎の燃焼状態の検出感度が低下し、高精度の燃焼制御が困難になり、燃焼装置の安全性も低下するなどの問題を抱えており、これらの技術的課題の未解決が燃焼装置のコンパクト化への障害となっている。
【0006】
一方、La−Cr−O系酸化物等から成る従来の燃焼検知電極5は、脆弱であり、僅かな衝撃力によって割れや欠けを生じ易く、取扱性及び耐久性が低い難点がある。
【0007】
なお特開平3−7805号公報には、導電性を有するセラミック材料でバーナヘッドを形成した燃焼装置が開示されているが、上記燃焼検知電極に関する課題を解決するものではない。
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、特に給湯器などのガス燃焼器具等において長期間使用した場合においても酸化による腐食が少なく、耐久性が良好であり、かつ電気抵抗値の変化が少ないために、燃焼ガスの火炎の状態を長期間にわたって高精度に検知することが可能な燃焼検知電極およびそれを用いた安全な燃焼装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決するため、耐火性および導電性を有する種々のセラミックス材料からなる燃焼検知電極を作製し、その組成や導電性が燃焼検知電極の耐酸化性や耐久性および検知精度に及ぼす影響を比較検討した。その結果、特に炭化けい素(SiC),モリブデンシリサイド(MoSi2),Mo−Si−C化合物などの導電性付与物を所定量含有させた窒化けい素焼結体で燃焼検知電極を形成したときに、高温時での耐酸化性に優れ、長期間使用した場合においても酸化による腐食が少なく、かつ電気抵抗値の変化が少ないために、燃焼ガスの火炎の状態を長期間にわたって高精度に検知することが可能な燃焼検知電極が得られ、上記従来の問題点を効果的に解決できるという知見を得た。本発明は上記知見に基づいて完成されたものである。
【0010】
すなわち、本発明に係る燃焼検知用電極は、バーナヘッドから噴出する燃料ガスの燃焼炎と接触するように配置される燃焼検知電極であり、上記バーナヘッドと燃焼検知電極との間に印加された電圧により燃焼炎を介して電流を流す燃焼検知電極において、上記燃焼検知電極が導電性付与物を含有した窒化けい素焼結体から成り、上記導電性付与物が、けい化モリブデンおよびMo−Si−C化合物の少なくとも一方と炭化けい素とから成り、かつこの導電性付与物の含有量が15〜35質量%の範囲であることを特徴とする。
【0011】
また上記燃焼検知電極において、前記導電性付与物が炭化けい素、けい化モリブデン,Mo−Si−C化合物から選択された少なくとも1種の材料から成ることが好ましい。さらに、前記導電性付与物が、けい化モリブデンおよびMo−Si−C化合物の少なくとも一方と炭化けい素との複合体から成ることがより好ましい。また、前記導電性付与物の含有量が15〜35質量%の範囲であることが好ましい。また、前記窒化けい素焼結体の電気抵抗値(体積抵抗値)が常温(25℃)で104〜108Ω・cmの範囲であることが好ましい。
【0012】
また本発明に係る燃焼装置は、燃料ガスを噴出し燃焼させるバーナヘッドと、この燃料ガスの燃焼炎と接触するように配置された燃焼検知電極と、上記バーナヘッドと燃焼検知電極との間に印加された電圧により燃焼炎を介して流れる電流値を検出し、燃焼炎の異常や失火による上記電流値の低下または消失に応じて燃料ガスの供給を遮断する検出回路とを備えた燃焼装置において、上記燃焼検知電極が導電性付与物を含有した窒化けい素焼結体から成り、上記導電性付与物が、けい化モリブデンおよびMo−Si−C化合物の少なくとも一方と炭化けい素とから成り、かつこの導電性付与物の含有量が15〜35質量%の範囲であることを特徴とする。
【0013】
なお上記燃焼装置において、前記燃焼検知電極を直接燃焼炎と接触するように配置することが好ましい。特に本発明の燃焼検知電極を構成する窒化けい素焼結体は、耐酸化性に優れているため、燃焼検知電極を燃焼炎と直接接触するように配置した場合においても劣化せず、腐食により電気抵抗値が変化することが少ない。さらに直接接触可能であるため、燃焼炎の燃焼状態を的確に検知できる。
【0014】
本発明に係る燃焼検知電極を構成する窒化けい素焼結体に含有される導電性付与物としては、特に炭化けい素(SiC),モリブデンシリサイド(MoSi2),Mo−Si−C化合物が好ましい。上記化合物の少なくとも1種を所定量添加することにより、燃焼検知電極を構成する窒化けい素焼結体に好適な導電性が付与されるとともに、耐酸化性に優れた結晶体組成が得られ、燃焼炎検知電極としての優れた機能が実現する。特に耐酸化性の観点からは、Moけい化物が最適である。
【0015】
なお、タングステン(W),ニオブ(Nb),タンタル(Ta)などの化合物(WSi2など)では、導電性は付与されても高温時に電極表面がぼろぼろに劣化しやすく耐酸化性が不十分であり、電気抵抗値も経時的に大きく変化し易いため、本発明の燃焼検知電極に用いる導電性付与物としては必ずしも好適であるとは言えない。
【0016】
窒化けい素焼結体に含有される上記導電性付与物の含有量は、15〜35質量%の範囲であることが好ましい。上記導電性付与物の含有量が15質量%未満の範囲では、電気抵抗値が高く窒化けい素焼結体に十分な導電性を付与することが困難であり、燃焼検知電極としての使用が困難である。一方、上記含有量が35質量%を超えるように多量に導電性付与物を添加した場合には、初期の電気抵抗値が低く良好だが、焼結性が不十分になり、高強度の焼結体が得られず、耐久性が悪く燃焼検知電極としての使用が困難である。
【0017】
窒化けい素焼結体に対する導電性付与物としての炭化けい素を単独で添加した場合においても、導電性付与効果は十分に発揮されるが、けい化モリブデン,Mo−Si−C化合物の少なくとも一種と炭化けい素とを複合的に添加すると、炭化けい素の添加量を相対的に減少させることが可能であり、且つ、さらに優れた強度特性を発揮するため好ましい。
【0018】
上記導電性付与物として上記炭化けい素を単独で用いる場合には、その含有量は18〜35質量%の範囲、好ましくは20〜30質量%の範囲が好適である。また、けい化モリブデンまたはMo−Si−C化合物と炭化珪素との複合体として用いる場合には,炭化けい素の含有量を10〜25質量%の範囲、好ましくは12〜20質量%とする一方、けい化モリブデンおよびMo−Si−C化合物の少なくとも一種の含有量を4〜15質量%の範囲、好ましくは5〜10質量%の範囲とすることが好適である。
【0019】
また、本発明に係る燃焼検知電極を構成する窒化けい素焼結体の電気抵抗値は常温で104〜108Ω・cmの範囲であることが好ましい。上記電気抵抗値が104Ω・cm未満の場合は、上記導電性付与物の含有量が相対的に増大することになり、焼結性が不十分になり、高強度の焼結体が得られず、耐久性が悪く燃焼検知電極としての使用が困難になる。一方、上記電気抵抗値が108Ω・cmを超える場合には、燃焼中に電極を流れるイオン電流を高精度で測定することが困難になり、燃焼炎(火炎)の燃焼状態を検知する精度が低下してしまう。そのため、窒化けい素焼結体の電気抵抗値は常温で104〜108Ω・cmの範囲に設定される。
【0020】
本発明に係る燃焼検知電極を構成する窒化けい素焼結体としては、前記のような導電性付与物を含有し、電気抵抗値が低い窒化けい素焼結体が使用される。具体的な仕様としては、下記のような窒化けい素焼結体も好適に使用できる。すなわち、窒化けい素を55〜75質量%、炭化けい素を10〜25質量%、Moをけい化物換算で4〜15質量%および希土類元素−Si−Al−O−Nからなる粒界相を5〜15質量%で構成される窒化けい素焼結体からなり、電気抵抗値が104〜108Ω・cm、気孔率が1%以下、3点曲げ強度が900MPa以上である窒化けい素焼結体が好適に使用できる。
【0021】
また上記窒化けい素焼結体の破壊靭性値が6.0MPa・m1/2以上であることが好ましい。さらに、上記窒化けい素焼結体が、Ti,Hf,Zrからなる群より選択される少なくとも1種を酸化物に換算して5質量%以下含有することも好ましい。
【0022】
上記窒化けい素焼結体は、例えば下記のような製造方法によって調製される。すなわち、酸素を1.7質量%以下、α相型窒化けい素を90質量%以上含有する平均粒径1.0μm以下の窒化けい素粉末に、炭化けい素を10〜25質量%、Moの炭化物、けい化物、酸化物からなる群より選択される少なくとも1種をけい化物換算で4〜15質量%、希土類元素を酸化物に換算して2〜10質量%、アルミニウムを酸化物に換算して2〜10質量%、必要により、Ti,Hf,Zr、からなる群より選択される少なくとも1種を酸化物に換算して5質量%以下添加した原料混合体を成形して成形体を調製し、得られた成形体を脱脂後、非酸化性雰囲気下で1850℃以下の温度で焼結して製造される。
【0023】
本発明において使用される窒化けい素焼結体の主成分となる窒化けい素粉末としては、焼結性、曲げ強度および破壊靭性値を考慮して、酸素含有量が1.5質量%以下、好ましくは0.5〜1.2質量%であるα相型窒化けい素を75〜97質量%、好ましくは80〜95質量%含有し、平均粒径が1.0μm以下、好ましくは0.4〜0.8μm程度の微細な窒化けい素粉末を使用することが好ましい。
【0024】
また、不純物酸素量が1.5質量%を超えるような窒化けい素粉末を用いると、焼結体全体としての酸素濃度が増加し、気孔率が増大するなどして窒化けい素焼結体が低強度化し易い。窒化けい素原料粉末のより好ましい酸素含有量は0.5〜1.2質量%の範囲である。
【0025】
なお、窒化けい素原料粉末としてはα相型のものとβ相型のものとが知られているが、α相型の窒化けい素原料粉末はβ相型と比較して焼結時にαからβへの粒成長を伴うため焼結後にアスペクト比が高いβ相型窒化けい素結晶粒子が複雑に入り組んだ高強度の焼結体が得られる。したがって、本発明においてはα相型窒化けい素原料粉末を高温度で焼成してβ相型の窒化けい素結晶粒子を主成分とする焼結体としている。
【0026】
本発明に係る燃焼検知電極において、窒化けい素の含有量は55〜75質量%の範囲とされる。この理由は、55質量%以上の範囲で焼結体の曲げ強度および破壊靭性値が格段に向上し、窒化けい素焼結体の優れた特性が顕著となるためである。一方、焼結体の電気抵抗値を考慮すると、75質量%までの範囲とする。好ましくは60〜70質量%の範囲とすることが好ましい。
【0027】
その結果、窒化けい素の出発原料粉末としては、焼結性、曲げ強度、破壊靭性値を考慮して、酸素含有率が1.5質量%以下、好ましくは0.5〜1.2質量%であり、α相型窒化けい素を90質量%以上含有し、平均粒径が1.0μm以下、好ましくは0.4〜0.8μm程度の微細な窒化けい素粉末を使用することが好ましい。
【0028】
特に平均粒径が0.7μm以下の微細な原料粉末を使用することにより、少量の焼結助剤であっても気孔率が0.5%以下の緻密な焼結体を形成することが可能である。この焼結体の気孔率はアルキメデス法により容易に計測できる。
【0029】
導電性付与物として含有される炭化けい素(SiC)粒子は窒化けい素結晶組織中に単独で分散し所定の電気抵抗値を付与する役目を果すものである。この炭化けい素の含有量が15質量%未満では効果が不十分である一方、含有量が35質量%を超える過量となる場合には、焼結性の低下や焼結体の曲げ強度および破壊靭性値や摺動特性の劣化が発生しやすいため、含有量は15〜35質量%の範囲とする。好ましくは18〜35質量%の範囲とすることが望ましい。さらに好ましくは20〜30質量%の範囲である。また、この炭化けい素にもα型とβ型とがあるが、双方とも同一の作用効果を有する。
【0030】
他の導電性付与物としてのけい化モリブデン(MoSi2)やMo−Si−C化合物は、炭化けい素(SiC)と併用して焼結体に含有させると、焼結体に所定の電気抵抗を付与するのに著しい効果を発揮する化合物である。また、これらの化合物は炭化けい素の含有量を相対的に減少させることができるので、炭化けい素の添加による焼結性の低下や焼結体の曲げ強度および破壊靭性値の劣化を防止して改善を図るに際して大きな作用効果を合わせ持つものである。
【0031】
上記の炭化けい素(SiC)とけい化モリブデン(MoSi2)とを併用して添加する場合において、その合計添加量が10質量%未満の場合では、その添加効果が不十分である一方、含有量が25質量%を超える過量となる場合には、焼結性の低下や焼結体の曲げ強度および破壊靭性値の劣化が起こるため含有量は10〜25質量%の範囲とする。好ましくは12〜20質量%の範囲とすることが望ましい。
【0032】
また上記のけい化モリブデン(MoSi2)とMo−Si−C化合物とを併用して添加する場合において、その合計添加量は4〜15質量%の範囲とする。好ましくは5〜10質量%の範囲とすることが望ましい。
【0033】
なお、本発明に係る燃焼検知電極において、Mo元素はけい化物として存在するが、原料段階では各種化合物として添加することが可能である。上記けい化物になるものとしてはMo元素のけい化物の他、炭化物、酸化物、硼化物があげられ、これらの化合物を窒化けい素粉末に添加し、焼結することにより窒化けい素のけい素成分と反応してけい化物となる。上記した化合物の中では、特にMoけい化物が顕著な改善効果を有し好適である。
【0034】
焼結助剤として希土類酸化物等を使用した場合には、窒化けい素焼結体組織に希土類元素−Si−Al−O−Nからなる粒界相が形成される。この粒界相は窒化けい素の焼結助剤として希土類酸化物、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを使用した場合の希土類元素−Si−Al−O−N系ガラスあるいは結晶化合物で構成されるものあり、窒化けい素焼結体組織を緻密化して燃焼検知電極の特性を改善する。これらの粒界相の形成量が5質量%未満では、窒化けい素の緻密化が不十分である一方、15質量%を超える過量となる場合には、焼結体の曲げ強度および破壊靭性値の劣化が起こるため、その含有量は5〜15質量%の範囲とされる。好ましくは7〜13質量%の範囲とすることが望ましい。
【0035】
上記窒化けい素原料粉末に焼結助剤として添加する希土類元素としては、Y,Ho,Er,Yb,La,Sc,Pr,Ce,Nd,Dy,Sm,Gdなどの酸化物もしくは焼結操作により、これらの酸化物となる物質が単独で、または2種以上の酸化物を組み合せたものを含んでもよい。これらの焼結助剤は、窒化けい素原料粉末と反応して液相を生成し、焼結促進剤として機能する。
【0036】
上記焼結助剤の添加量は、酸化物換算で原料粉末に対して2〜10質量%の範囲とする。この添加量が2質量%未満の場合は、焼結体の緻密化あるいは高強度化が不十分であり、特に希土類元素がランタノイド系元素のように原子量が大きい場合には、比較的に低強度の焼結体が形成される。一方、添加量が10質量%を超える過量となると、過量の粒界相が生成し、気孔の発生量が増加したり、強度が低下し始めるので上記範囲とする。特に同様の理由により2〜8質量%の範囲とすることが望ましい。
【0037】
また上記窒化けい素焼結体において、選択的な添加成分として使用するアルミニウム(Al)の酸化物(Al2O3)は、前記希土類元素の焼結促進剤としての機能を促進し低温での緻密化を可能にし結晶組織において粒成長を制御する機能を果し、Si3N4焼結体の曲げ強度および破壊靭性値などの機械的強度を向上させるために5質量%以下の範囲で添加される。このAlの添加量が酸化物換算で0.2質量%未満の場合においては添加効果が不十分である一方、5質量%を超える過量となる場合には酸素含有量の上昇が起こり、気孔が発生しやすくなるため、添加量は5質量%以下、好ましくは0.2〜5質量%の範囲とする。特に0.5〜3質量%とすることが望ましい。
【0038】
さらに他の選択的な添加成分としての窒化アルミニウム(AlN)は、焼結過程における窒化けい素の蒸発などを抑制するとともに、上記希土類元素の焼結促進剤としての機能をさらに助長する役目を果すものであり、5質量%以下の範囲で添加されることが望ましい。
【0039】
AlNの添加量が0.1質量%未満の場合においては、より高温度での焼結が必要になる一方、5質量%を超える過量となる場合には過量の粒界相を生成したり、または窒化けい素に固溶し始め、気孔が増加し気孔率の上昇が起こるため、添加量は5質量%以下の範囲とする。特に焼結性、強度共に良好な性能を確保するためには添加量を0.1〜3質量%の範囲とすることが望ましい。
【0040】
本発明に係る燃焼検知電極において、Ti,Hf,Zrの化合物を、必要に応じて他の添加成分として使用するとよい。上記Ti,Hf,Zrの酸化物、炭化物、窒化物、けい化物から成る群から選択される少なくとも1種の化合物は、上記の希土類酸化物等の焼結促進剤としての機能をさらに促進し焼結体の機械的強度を向上させる機能を有する。これらの化合物の添加量が酸化物換算で0.5質量%未満では添加効果が不十分である一方、5質量%を超える過量となる場合には焼結体の強度の低下が起こるため、添加量は5質量%以下の範囲とする。特に1〜3質量%とすることが望ましい。
【0041】
また焼結体の気孔率は耐摩耗性部材の強度に大きく影響するため1.0%以下となるように製造する。気孔率が1.0%を超えると、疲労破壊の起点となる気孔が急増して、焼結体の強度低下が起こる。好ましくは0.5%以下とする。
【0042】
本発明に係る燃焼検知電極を構成する窒化けい素焼結体は、例えば以下のようなプロセスを経て製造される。すなわち前記所定の微細粒径を有し、また酸素含有量が少ない微細な窒化けい素粉末に対して所定量の焼結助剤、導電性付与物(炭化けい素、Mo化合物、Mo−Si−C化合物)、有機バインダ等の必要な添加剤および必要に応じてAl2O3,AlN,Ti等の化合物を加えて原料混合体を調製し、次に得られた原料混合体を成形して所定形状の成形体を得る。
【0043】
原料混合体の成形法としては、燃焼検知電極の形状に応じて、汎用の射出成形法、押出し成形法、一軸プレス法、金型プレス法、ラバープレス法、CIP法のような公知の成形法が適用できる。
【0044】
上記成形操作に引き続いて、成形体を非酸化性雰囲気中で温度600〜800℃、または空気中で温度400〜500℃で1〜2時間加熱して、予め添加していた有機バインダ成分を十分に除去し、脱脂する。
【0045】
次に脱脂処理された成形体を、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気中で1650〜1850℃の温度で所定時間、常圧焼結または加圧焼結を行う。加圧焼結法としては、雰囲気加圧焼結、ホットプレス、HIP処理など各種の加圧焼結法が用いられる。焼結工程としては、常圧焼結と加圧焼結との組み合わせ、または複数の加圧焼結法を組み合わせて用いても良い。
【0046】
上記製法によって製造された窒化けい素製燃焼検知電極は、気孔率が1.0%以下であり、また三点曲げ強度が常温で900MPa以上と機械的特性にも優れている。また、破壊靭性値が6.0MPa・m1/2以上である窒化けい素製燃焼検知電極を得ることもできる。
【0047】
上記のように導電性付与物を15〜35質量%含有した窒化けい素焼結体素材(燃焼検知電極素材)について、温度1000℃の大気中雰囲気で加熱処理した場合には、加熱初期に焼結体の表面層に酸化皮膜が形成され、若干の抵抗変化を起こす。しかしながら、それ以後は安定した抵抗特性を示し、焼結体の電気抵抗値の変化は少ない。また、これらの燃焼検知電極を実際に燃焼装置の安全設備として組み込んだ後に繰り返して高温度での燃焼操作を実施した場合においても、初期のガス着火時に若干の抵抗値の変化は生じるものの、その後のガス燃焼中においては、一定で安定した抵抗特性を示すことが確認されている。この傾向は、導電性付与物などの組成成分の添加量を種々代えて焼結体を作製し、低電気抵抗から高電気抵抗までの各種抵抗値を有する燃焼検知電極とした場合においても同様に確認されており、このような優れた耐酸化性に基づく抵抗値の安定性は,従来の鉄クロム合金系から成る燃焼検知電極とは全く異なった特性である。
【0048】
本発明に係る窒化けい素製燃焼検知電極およびそれを用いた燃焼装置によれば、燃焼検知電極を構成する窒化けい素焼結体を調製する際に、所定の窒化けい素原料粉末に導電性付与物としての炭化けい素とMo化合物等とを所定量添加した後に焼結して形成されているため、耐酸化性に優れ、窒化けい素焼結体結晶組織中に導電成分としての炭化けい素等が分散して、所定の電気抵抗値(104〜108Ω・cm)が得られ、安定した導電性が付与される。そのため、特に給湯器などのガス燃焼器具等において長期間使用された場合においても酸化による腐食が少なく、耐久性が良好であり、かつ電気抵抗値の変化が少ないために、燃焼ガスの火炎の状態を長期間にわたって高精度に検知することが可能であり、安全な燃焼装置を提供することが可能になる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る窒化けい素焼結体製燃焼検知電極およびそれを用いた燃焼装置の実施形態について、以下に示す実施例および比較例を参照してより具体的に説明する。
【0050】
【実施例】
[実施例1〜20]
酸素量が1.1質量%であり、α相型窒化けい素を97質量%含む平均粒径0.55μmのSi3N4(窒化けい素)原料粉末に対して、導電性付与材として平均粒径0.6μmのβ型炭化けい素(SiC)粉末、平均粒径1μmのけい化モリブデン(MoSi2)粉末および平均粒径0.8μmのMo−Si−C化合物(Mo4.8Si3C0.6)粉末の少なくとも一種を表1に示すような割合で添加し、さらに焼結助剤としての平均粒径0.9μmのY2O3(酸化イットリウム)粉末を4質量%と、平均粒径0.7μmのAl2O3(アルミナ)粉末を3質量%と、平均粒径1.0μmのAlN(窒化アルミニウム)粉末を2質量%と、平均粒径0.5μmのTiO2(酸化チタン)粉末を1質量%とを添加し、エチルアルコール中で窒化けい素ボールを用いて96時間湿式混合したのち乾燥して原料混合体をそれぞれ調製した。なお、表1に示す各材料組成の左欄においては窒化けい素粉末と焼結助剤などの添加物の合計量として示している。
【0051】
次に得られた各原料粉末混合体に有機バインダを所定量添加し調合造粒粉としたのち、98MPaの成形圧力で押出し成形して、直径3mm×長さ70mmの円柱成形体をそれぞれ多数製作した。
【0052】
次に得られた各成形体を温度450℃の空気気流中において4時間脱脂した後、窒素ガス雰囲気中で加圧力0.7MPaにて1800℃で4時間焼結することにより、実施例1〜20に係る窒化けい素焼結体製燃焼検知電極をそれぞれ調製した。
【0053】
比較例1〜9
比較例1として従来材であるFe−10質量%Cr合金からなり、実施例1〜20と同一寸法を有する金属製燃焼検知電極を調製した。
【0054】
また比較例2としてSiC粉末を添加せずMoSi2粉末のみを導電性付与材として含有する点以外は実施例1と同一条件で処理することにより、比較例2に係る窒化けい素焼結体製燃焼検知電極を調製した。
【0055】
さらに比較例3として、SiC粉末を添加せずMo−Si−C化合物粉末のみを導電性付与材として含有する点以外は実施例1と同一条件で処理することにより、比較例3に係る窒化けい素焼結体製燃焼検知電極を調製した。
【0056】
また比較例4として、導電性付与材としてのSiC粉末とともにWSi2を添加した点以外は実施例1と同一条件で処理することにより、比較例4に係る窒化けい素焼結体製燃焼検知電極を調製した。
【0057】
さらに比較例5として、導電性付与材としてのSiC粉末を過少量(12質量%)添加した点以外は実施例1と同一条件で処理することにより比較例5に係る窒化けい素焼結体製燃焼検知電極を調製した。
【0058】
また比較例6として、導電性付与材としてのSiC粉末を過剰量(40質量%)添加した点以外は実施例1と同一条件で処理することにより比較例6に係る窒化けい素焼結体製燃焼検知電極を調製した。
【0059】
さらに比較例7として、導電性付与材としてのSiC粉末とMoSi2粉末との合計含有量を本発明で規定した好ましい範囲よりも過剰に設定し、またSiC粉末添加量を過少に設定した点以外は実施例1と同一条件で処理することにより比較例7に係る窒化けい素焼結体製燃焼検知電極を調製した。
【0060】
また比較例8として、導電性付与材としてのSiC粉末とMoSi2粉末との合計含有量を本発明で規定した好ましい範囲よりも過剰に設定した点以外は実施例1と同一条件で処理することにより比較例8に係る窒化けい素焼結体製燃焼検知電極を調製した。
【0061】
さらに比較例9として、導電性付与材としてのSiC粉末とMo−Si−C化合物粉末との合計含有量を本発明で規定した好ましい範囲よりも過剰に設定した点以外は実施例1と同一条件で処理することにより比較例9に係る窒化けい素焼結体製燃焼検知電極を調製した。
【0062】
こうして得られた実施例1〜20および比較例2〜9に係る窒化けい素製燃焼検知電極およびFe−Cr合金製燃焼検知電極(比較例1)について、温度1000℃の大気中雰囲気で5時間加熱処理した後に室温になるまで放置し、その加熱処理前後における各電極表面の電気抵抗値(体積抵抗値)の変化を室温で測定した。なお電気抵抗値は各電極の上下面を研削加工し同一平面上に2ケ所電極を設置し、室温にて電極間の抵抗を絶縁抵抗計で測定した。
【0063】
また各実施例に係る燃焼検知電極の気孔率をアルキメデス法にて測定したところ、0.01〜0.1vol.%の範囲であった。また室温での3点曲げ強度は、950〜1120MPaの範囲であった。さらにマイクロインデンテーション法における新原方式による破壊靭性値は、6.0〜6.7MPa・m1/2の範囲であった。
【0064】
また得られた実施例1〜20および比較例2〜9に係る窒化けい素製燃焼検知電極およびFe−Cr合金製燃焼検知電極(比較例1)を、図1に示すような燃焼装置1の燃焼検知電極5aとして組み込み、各実施例及び比較例に係る燃焼装置1を調製した。
【0065】
この燃焼装置1は、燃料ガス供給配管2を経由して供給された燃料ガスと助燃空気(一次空気)とを混合する混合器3と、空気と混合した燃料ガスを噴出し燃焼させるバーナヘッド4と、この燃料ガスの燃焼炎と接触するように配置された燃焼検知電極5aと、この燃焼検知電極5aを保持する非導電性部材6と、上記バーナヘッド4と燃焼検知電極5aとの間に印加された電圧により燃焼炎を介して流れる電流値を検出し、燃焼炎の異常や失火による電流値の低下または消失に応じて燃料遮断弁7に閉信号を送信し燃料ガスの供給を遮断する検出回路8とを備えて構成される。上記燃焼検知電極5aは、磁器等から成る非導電性部材6で保持された上で、その先端部が燃焼炎と直接接触するようにバーナヘッド4の上部に固定される。
【0066】
上記燃焼装置1において、燃焼検知電極5と対抗電極としてのバーナヘッド4との間に一定の電圧を印加しておけば、燃焼炎の火炎状態に応じたイオン電流が燃焼検知電極5とバーナヘッド4との間に流れる。このイオン電流値を検出回路8で検知することにより、燃焼炎の火炎状態を常時検出することができ、この電流値に基づいて燃焼装置1を制御することが可能である。
【0067】
すなわち、燃焼中には燃焼炎を介して対抗電極間に微小電流が流れるため、燃焼が正常に進行していることが検出回路8によって感知される一方、電流が流れなくなることで、異常が発生しガス漏れ状態となることが検知され、燃料遮断弁7を閉止するという安全装置としての機能も有する。
【0068】
そして図1に示す燃焼装置1に組み込んだ各実施例及び比較例に係る燃焼検知電極5aの耐久性を評価するために、以下のような耐久性試験(耐酸化性試験)を実施した。すなわち、図1に示す各燃焼装置1を10時間運転した後、10時間運転を5回繰り返した後、および10時間運転を50回繰り返した後における燃焼検知電極の電気抵抗値の変化を測定し、各電極の繰り返しの耐久性を評価し、下記表1に示す結果を得た。
【0069】
【表1】
【0070】
上記表1に示す結果から明らかなように、導電性付与物としての炭化けい素粉末、けい化モリブデンおよびMo−Si−C化合物粉末の少なくとも1種を15〜35質量%含有した各実施例に係る燃焼検知電極においては、温度1000℃の大気中雰囲気で加熱処理した時の電極表面の電気抵抗値の変化は、初期に表面層に酸化皮膜が形成されるため、若干の変化を生じるが、それ以後は安定した特性を示している。また、繰り返してガス燃焼炎中に晒された場合でも初期において若干の抵抗値の変化は生じても、その後は安定した抵抗特性を示していることが確認できる。
【0071】
したがって、各実施例に係る燃焼検知電極をガス燃焼器具等の燃焼装置において長期間使用した場合においても酸化による腐食が少なく、耐久性が良好であり、かつ電気抵抗値の変化が少ないために、燃焼ガスの火炎の状態を長期間にわたって高精度に検知することが可能である。したがって、長期にわたり信頼性が高く安全な燃焼装置を提供することが可能になることが判明した。
【0072】
一方、従来のFe−10質量%Cr合金からなる比較例1に係る金属製燃焼検知電極の場合には、初期の電気抵抗値は良好であるものの、燃焼炎に繰り返して接触することにより酸化が急速に進行し電気抵抗値が無限大になり通電能力(導電性)が喪失し、耐久性が低いことが再確認された。
【0073】
またSiC粉末を添加せずMoSi2粉末またはMo−Si−C化合物粉末のみを導電性付与材として含有する比較例2および比較例3に係る窒化けい素焼結体製燃焼検知電極では、焼結後においても導電性が全く得られず、燃焼検知電極としての機能が得られないことが判明した。
【0074】
さらに導電性付与材としてのSiC粉末とともにWSi2を添加した比較例4に係る窒化けい素焼結体製燃焼検知電極では、焼結後においても電気抵抗値が高く、WSi2成分が酸化され易いため、燃焼検知電極としての機能および耐久性が得られていない。
【0075】
さらに導電性付与材としてのSiC粉末のみを過少量(12質量%)添加した比較例5に係る窒化けい素焼結体製燃焼検知電極では、焼結後においても十分な導電性が得られず、燃焼検知電極としての機能が得られていない。
【0076】
また導電性付与材としてのSiC粉末のみを過剰量(40質量%)添加した比較例6に係る窒化けい素焼結体製燃焼検知電極では、初期の電気抵抗値は良好であるものの、燃焼炎に繰り返して接触するにつれて電気抵抗値が急上昇し、燃焼検知電極としての機能が低下することが確認された。
【0077】
さらに導電性付与材としてのSiC粉末とMoSi2粉末との合計含有量を本発明で規定した好ましい範囲よりも過剰に設定し、またSiC粉末添加量を過少に設定した比較例7に係る窒化けい素焼結体製燃焼検知電極では、焼結後においても電気抵抗値が高く燃焼検知電極としての機能が得られていない。
【0078】
また導電性付与材としてのSiC粉末とMoSi2粉末またはMo−Si−C化合物粉末との合計含有量を本発明で規定した好ましい範囲よりも過剰に設定した比較例8および比較例9に係る窒化けい素焼結体製燃焼検知電極でも、初期の電気抵抗値は良好であるものの、燃焼炎に繰り返して接触することにより電気抵抗値が上昇し、燃焼検知電極としての機能が低下することが判明した。
【0079】
【発明の効果】
以上説明の通り、本発明に係る窒化けい素製燃焼検知電極およびそれを用いた燃焼装置によれば、燃焼検知電極を構成する窒化けい素焼結体を調製する際に、窒化けい素原料粉末に導電性付与物としての炭化けい素とMo化合物等とを所定量添加した後に焼結して形成されているため、耐酸化性に優れ、窒化けい素焼結体結晶組織中に炭化けい素等が分散して、所定の電気抵抗値(104〜108Ω・cm)が得られ、安定した導電性が付与される。そのため、特に給湯器などのガス燃焼器具等において長期間使用された場合においても酸化による腐食が少なく、耐久性が良好であり、かつ電気抵抗値の変化が少ないために、燃焼ガスの火炎の状態を長期間にわたって高精度に検知することが可能であり、安全な燃焼装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃焼検知電極を配設した燃焼装置の概略構成を示す系統図。
【符号の説明】
1 燃焼装置
2 燃料ガス供給配管
3 混合器
4 バーナヘッド
5,5a 燃焼検知電極
6 非導電性部材
7 燃料遮断弁
8 検出回路
Claims (11)
- バーナヘッドから噴出する燃料ガスの燃焼炎と接触するように配置される燃焼検知電極であり、上記バーナヘッドと燃焼検知電極との間に印加された電圧により燃焼炎を介して電流を流す燃焼検知電極において、上記燃焼検知電極が導電性付与物を含有した窒化けい素焼結体から成り、上記導電性付与物が、けい化モリブデンおよびMo−Si−C化合物の少なくとも一方と炭化けい素とから成り、かつこの導電性付与物の含有量が15〜35質量%の範囲であることを特徴とする燃焼検知電極。
- 前記窒化けい素焼結体の電気抵抗値が常温で104〜108Ω・cmであることを特徴とする請求項1記載の燃焼検知電極。
- 前記炭化けい素の含有量が10〜25質量%であることを特徴とする請求項1記載の燃焼検知電極。
- 前記窒化けい素焼結体の気孔率が1vol%以下であることを特徴とする請求項1記載の燃焼検知電極。
- 前記窒化けい素焼結体の三点曲げ強度が常温で900MPa以上であることを特徴とする請求項1記載の燃焼検知電極。
- 燃料ガスを噴出し燃焼させるバーナヘッドと、この燃料ガスの燃焼炎と接触するように配置された燃焼検知電極と、上記バーナヘッドと燃焼検知電極との間に印加された電圧により燃焼炎を介して流れる電流値を検出し、燃焼炎の異常や失火による上記電流値の低下または消失に応じて燃料ガスの供給を遮断する検出回路とを備えた燃焼装置において、上記燃焼検知電極が導電性付与物を含有した窒化けい素焼結体から成り、上記導電性付与物が、けい化モリブデンおよびMo−Si−C化合物の少なくとも一方と炭化けい素とから成り、かつこの導電性付与物の含有量が15〜35質量%の範囲であることを特徴とする燃焼装置。
- 前記燃焼検知電極を直接燃焼炎と接触するように配置したことを特徴とする請求項6記載の燃焼装置。
- 前記炭化けい素の含有量が10〜25質量%であることを特徴とする請求項6記載の燃焼装置。
- 前記窒化けい素焼結体の気孔率が1vol%以下であることを特徴とする請求項6記載の燃焼装置。
- 前記窒化けい素焼結体の三点曲げ強度が常温で900MPa以上であることを特徴とする請求項6記載の燃焼装置。
- 前記窒化けい素焼結体の電気抵抗値が常温で10 4 〜10 8 Ω・cmであることを特徴とする請求項6記載の燃焼装置。
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