JP3994917B2 - アンテナモジュール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、GPS受信機(Global Positioning System;全地球測位システム)等の携帯用通信機器への利用に好適な、パッチアンテナを有するアンテナモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
パッチアンテナの同調周波数(共振周波数)は、本来、その設計値としてのパッチの大きさ、および絶縁体基板の誘電率により定まり、円形パッチについては、
f=1.84c/(2πaε1/2) ・・・・(式1)
で与えられる。ここで、fは同調周波数、cは光速、aはパッチの半径、およびεは絶縁体基板の誘電率である。しかしながら、パッチアンテナが筐体に収納された後、あるいは応用機器に組み込まれた後には、筐体等の影響により同調周波数あるいはその幅(共振のQ値)などの同調特性が変動する場合があり、変動を補償するための微調整が必要とされていた。微調整は、パッチの面積(例えば円形パッチであれば半径)を変えたり、あるいはパッチに切り欠きを設けることにより行われるのが、従来一般的であった。パッチの面積を大きくすれば同調周波数は低くなり、小さくすれば高くなる。また、切り欠きを大きくすれば、同調周波数の幅が広がり(すなわち、共振のQ値が低下し)、小さくすれば狭くなる(Q値が高くなる)。
【0003】
しかしながら、パッチの面積を変える従来技術は、筐体の形状ごと、応用機器ごと、あるいは応用機器に組み込まれる位置ごとに、いわばアンテナを異なる仕様に製造し直すに等しく、変動する同調特性を補償する技術としては不便なものであった。また、パッチに切り欠きを設ける工程は、手間を要するものであり、同様に不便であった。この問題を解消する技術として、例えば特許文献1に開示されるものが知られている。この従来技術は、絶縁体基板のパッチとは反対側に設けられた導体板に孔を設けておき、この孔を埋めるように別の導体で被覆することにより、同調周波数の微調整を行うものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−204436公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示の従来技術においてもなお、導体で被覆するという一種の製造工程を要するため、不便さの問題は残されていた。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、筐体、応用機器等の条件による変動を補償するためのパッチアンテナの同調特性の微調整を、容易に行うことを可能にするアンテナモジュールを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、アンテナモジュールであって、絶縁体基板の一方主面にパッチを有し他方主面に導体板を有するパッチアンテナと、前記パッチアンテナの同調周波数帯域において前記導体板と実質的に等電位になるよう電気的に結合した導体片と、前記導体片を動かすことにより前記パッチと前記導体片との間の距離を調整する距離調整手段と、前記パッチアンテナの受信信号の強度を検出する受信信号強度検出回路とを備え、前記距離調整手段は、前記受信信号検出回路が検出する前記強度が最も高くなるように前記距離を調整するものである。
【0008】
この発明によれば、パッチアンテナの同調周波数帯域において導体板と実質的に等電位になるよう電気的に結合した導体片が備わり、さらに導体片とパッチとの間の距離を調整する距離調整手段が備わるので、筐体、応用機器等の条件による変動を補償するために、パッチアンテナの同調特性を微調整することが容易に行い得る。なお、導体板と実質的に等電位になるように電気的に結合する、とは、電気的に導体接続される態様のみならず、交流成分が導体板と実質的に等電位になるように容量結合された態様をも包含する趣旨である。
【0009】
また、この発明によれば、パッチアンテナの受信信号の強度が最も高くなるように導体片とパッチとの間の距離が調整されるので、手動で距離の調整を行う必要がない。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアンテナモジュールであって、前記距離調整手段が、モータと、前記モータの動きを前記導体片の動きへと伝達する伝達機構と、前記受信信号検出回路が検出する前記強度が最も高くなるように前記モータを駆動するモータ駆動回路と、を備えるものである。
【0011】
この発明によれば、モータの動きを伝達機構が導体片に伝えることにより導体片とパッチとの間の距離が調整されるので、距離調整手段を容易に構成することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のアンテナモジュールであって、前記距離調整手段が、湾曲する動きが前記導体片の動きへと伝達されるように前記導体片に連結されたバイメタルと、前記受信信号検出回路が検出する前記強度が最も高くなるように前記バイメタルに通電する通電回路と、を備えるものである。
【0013】
この発明によれば、導体片に連結されたバイメタルに通電することより導体片とパッチとの間の距離が調整されるので、距離調整手段を簡便かつコンパクトに構成することができる。
【0014】
請求項に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のアンテナモジュールであって、前記導体片が、前記パッチの周辺部のうち前記パッチの給電点のオフセット方向またはその反対方向の少なくとも一方に配置されているものである。
【0015】
この発明によれば、導体板がパッチの給電点のオフセット方向またはその反対方向の少なくとも一方に配置されているので、パッチアンテナの同調周波数を効果的に微調整することができる。
【0016】
請求項に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のアンテナモジュールであって、前記距離調整手段が、前記導体片を回転させることにより前記距離を調整するものである。
【0017】
この発明によれば、導体片を回転させることにより導体片とパッチとの間の距離が調整されるので、距離調整手段を簡便に構成することができる。
【0018】
請求項に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のアンテナモジュールであって、前記距離調整手段が、前記導体片を並進させることにより前記距離を調整するものである。
【0019】
この発明によれば、導体片を並進させることにより導体片とパッチとの間の距離が調整されるので、距離調整手段を簡便に構成することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
図1は本発明によるアンテナモジュールの第1の実施形態を示す斜視図であり、図2はその縦断面図である。このアンテナモジュール101は、パッチアンテナ10、シールドケース5、回路基板15、回路部品16、距離調整機構11、および筐体20を備えている。パッチアンテナ10は、パッチ1、絶縁体基板2および導体板3を備えている。円形のパッチ1は、例えば金属などの導体板(導体箔を含む)であり絶縁体基板2の一方主面に設けられている。導体板3は接地用電極として機能するものであり、例えば金属板(金属箔を含む)であって絶縁体基板2の他方主面に設けられている。円形のパッチ1の中心から周方向へずれた位置に給電点4があり、線路13が給電点4に接続されている。このように構成されるパッチアンテナ10は、円偏波の受信に適している。説明の便宜上、円形のパッチ1の中心を原点とし、パッチ1の主面に垂直な方向をz軸とし、給電点4がx軸の正方向に位置する座標軸xyzを想定する。
【0021】
パッチ1には、同調周波数帯域をある程度広げるために、切り欠き9を設けてもよい。ただし、アンテナモジュール101では、切り欠き9は、同調特性の微調整のために、後からパッチ1の一部を削り取って形成する必要はなく、あらかじめ切り欠き9を有するパッチ1を絶縁体基板2の上に設けることができる。後述するように、アンテナモジュール101では、同調周波数の微調整のための手段を別途講じているからである。
【0022】
パッチアンテナ10は、導体のシールドケース5の上に取り付けられている。シールドケース5は、例えば金属ケースである。導体板3とシールドケース5とは互いに接触していても良く、それらに絶縁シート等が介在していても良い。後者の場合であっても、アンテナ10の同調周波数帯域では、導体板3とシールドケース5との容量結合により、導体板3の電位の交流成分は実質的にシールドケース5の電位に固定される。シールドケース5は、回路基板15およびその上に搭載された回路部品16を収納している。線路13は回路基板15を通じて回路部品16に接続されている。
【0023】
距離調整機構11は、導体片6、軸7、および軸受け8を備えている。導体片6は、例えば金属板(金属箔を含む)であり、軸7に取り付けられている。軸7は導体軸であり、例えば金属軸であって、シールドケース5に設けられた同じく導電性の軸受け8に回転可能に支持されている。これにより、軸7を回転させることにより、導体片6とパッチ1との間の距離を調整することが可能となっている。導体片6は、シールドケース5の上面に直立した姿勢からこの上面に平行に沿う姿勢まで、0°〜90°の範囲で回転させることができる。
【0024】
また、導体片6は軸7および軸受け8を通じてシールド5に電気的に接続されている。導体片6は、パッチアンテナ10の周辺部、すなわちパッチアンテナ10に隣接ないし近接する部位であって、給電点4のオフセット方向の反対方向、すなわちx軸の負方向に配置されている。好ましくは、図3の外観図が示すように、軸7は筐体20の外部に設けられたダイヤル21に連結しており、筐体20の外部からダイヤル21を手動操作することにより、導体片6を回転させることが可能となっている。
【0025】
アンテナモジュール101は、以上のように構成されているので、軸7を回転させることにより、パッチアンテナ10の同調周波数を微調整することが可能である。図4は、その原理を説明する説明図である。図4(a)はパッチアンテナ10を平面図に描いており、図4(b)は縦断面図に描いている。パッチアンテナ10が図4のΨ1またはΨ2の方向に進行する電波を受信すると、図4が示すような電界E、磁界H、等価磁流M1,M2が発生する。このとき、図4(a)に点線で示す位置に導体片6が設置されると、磁流M1およびM2の流れが導体片6により妨げられ、共振長が等価的に短くなる。その結果、共振周波数(同調周波数)が高くなる。導体片6は、パッチ1に近いほどその影響が大きく、遠いほど影響は小さい。したがって、導体片6を動かすことによって、パッチ1と導体片6との間の距離を変えることにより、パッチアンテナ10の同調周波数を調整することが可能となる。
【0026】
出願人は導体片6の効果を実証するための実験を行った。図5は、その実験方法を示す説明図である。パッチアンテナ10の寸法については、直方体の絶縁基板2のx方向、y方向およびz方向の各辺の長さが、それぞれ20mm、20mmおよび4mmになるように設定された。シールドケース5には回路基板15の代わりに、測定用の接地基板25として22mm×22mmの正方形の金属板が収納された。シールドケース5の輪郭も正方形であり、その大きさは接地基板25をほぼ隙間無く収納し得るものであった。
【0027】
パッチアンテナ10の導体板3とシールドケース5とは、粘着剤つきのセロファンテープと両面に粘着剤が付された不織布テープ(いわゆる「両面テープ」)とを用いて固着された。また、シールドケース5と接地基板25との間は、粘着剤つきのビニールテープで電気的に絶縁された。このように、パッチアンテナ10の導体板3、シールドケース5および接地基板25の間は、フィルム状のプラスチック等により電気的に絶縁されているが、パッチアンテナ10の同調周波数帯域においては、容量結合により交流成分については、それらは互いに実質的に等電位となる。すなわち、これらの絶縁の有無は、実験の結果を大きく左右するものではない。
【0028】
また、導体片6の効果を実証するために、導体片6がシールドケース5の側面(図5において下方に向いている面)に取り付けられた。導体片6は、シールドケース5に面接触するように固着された。したがって、導体片6の電位は、シールドケース5と等電位に固定される。導体片6は、図1に示した位置、すなわちパッチアンテナ10に近接し、かつ給電点4のオフセット方向の反対方向、すなわちx軸の負方向に配置された。導体片6には容易に折り曲げ可能な金属箔が用いられた。したがって、導体片6をシールドケース5の上面(図5において左側を向いた面)に直立させ、あるいは当該上面に沿うように折り曲げることにより、図1に示した軸7に支持され回転可能な導体片6を模擬することができた。また、図5が示すように、直立したときの導体片6の高さは、パッチ1と同一に設定された。
【0029】
出願人は、このように配置したパッチアンテナ10の反射率を、ネットワークアナライザ30を用いて測定した。測定のために、ネットワークアナライザ30に同軸ケーブルで接続されたプローブ31が、給電線13と接地基板25とに接続された。ネットワークアナライザ30として、ヒューレットパッカード社製の「HP8753C」が用いられた。また、ネットワークアナライザ30は、コネクタ接続面で校正(キャリブレーション)がなされた。校正は、ケーブルとコネクタによる影響を補償(キャンセル)して測定するために行うものである。コネクタには、3.5mmKitが使用された。測定のための入力周波数は1525〜1625MHzの範囲であり、入力パワーは0dBmであった。
【0030】
図6および図7は、実験結果を示すスミスチャート(Smith Chart)である。上記のネットワークアナライザ30は、計測結果をこのようなスミスチャート上に自動的に表示する。図6は、導体片6をシールドケース5の上面に沿うように折り曲げたときの実験結果を示しており、図7は、導体片6をシールドケース5の上面に対して直立させたときの実験結果を示している。スミスチャートは、反射率ρを複素平面上に表示するものである。すなわち、図6および図7において、u軸およびv軸は、それぞれ反射率ρ=u+jvの実数成分および虚数成分に対応する。
【0031】
入力周波数を1525MHzから1625MHzまで上昇させるのに伴い、計測結果としての反射率ρは、スミスチャート上で点P1、P2、P3、P4およびP5を順に辿るような軌跡を描く。軌跡の始点である点P1は、1525MHzに対応し、終点である点P5は、1625MHzに対応する。軌跡上の点P2から点P3を経て点P4へ至るセグメントは略円形を描く。このセグメントは、共振が生じる帯域に該当する。点P2に対応する周波数と点P4に対応する周波数の中央値が共振周波数(同調周波数)であり、点P3に対応する。略円形のセグメントの半径が大きいほど、共振のQ値が低く、同調周波数帯域が広いことを意味する。
【0032】
導体片6が折り曲げられたときには、図5が示すように、略円形のセグメントの中心はuv−平面の略原点に位置している。点P3に対応する同調周波数は、1575MHzである。導体片6が折り曲げられることにより、導体片6の効果はほとんど見られず、パッチアンテナ10の本来の特性がそのまま現れている。これに対して、導体片6を直立させたときには、図6が示すように、略円形のセグメントの中心はuv−平面の第2象限(u<0、v>0の領域)へ変位している。また、点P3に対応する同調周波数は、1600MHzである。すなわち、同調周波数が、図5の場合に比べて、20〜25MHz程度上昇している。なお、図5の点P3に対応する同調周波数と同一の1575MHzの周波数に対応する図6のグラフ上の点は、点Q1である。
【0033】
このように、導体片6をパッチ1へ近接させることにより、同調周波数を高めることができることが実証された。図6では、共振のセグメント(点P2〜点P4の略円形の部分)の中心はuv−平面の第2象限(u<0、v>0の領域)へ変位し、同調周波数が図5のものより高くなっているが、このことは、パッチアンテナ10が筐体20へ収納されたり、応用機器へ適用されたりすることにより、共振のセグメントがuv−平面の第4象限(u>0、v<0の領域)へ変位し、同調周波数が図5のものより低くなったときに、導体片6をパッチ1へ近接させることにより、図5の特性と同等の特性へと補償することができることを示している。
【0034】
このように、アンテナモジュール101では、筐体20の形状ごと、応用機器ごと、あるいは応用機器に組み込まれる位置ごとに、パッチアンテナ10を設計し直したり、切り欠き9を形成したりすることなく、導体片6の回転位置を変更するだけで、多様な筐体20、応用機器に対応することができる。特に、図3が示すように筐体20の外部に露出するダイヤル21が設けられる形態では、パッチアンテナ10等を筐体20に収納した後に、筐体20あるいは応用機器による同調特性の変動を、手動操作によって補償することが可能である。また、応用機器のユーザが調整をすることも可能となる。不用意に同調周波数が変動することのないよう、ダイヤル21は、ドライバを用いて回転させるネジ頭部の形態であってもよい。
【0035】
また、パッチ1と導体片6との間の距離を調整するための距離調整機構11が、軸7と軸受け8とによって簡便に構成されるので、距離調整機構11をアンテナモジュール101に組み込むための製造コストを低く抑えることができる。
【0036】
アンテナモジュール101では、導電片6は、パッチ1の給電点4のオフセット方向の反対方向、すなわちx軸の負方向に配置されたが、パッチ1の給電点4のオフセット方向、すなわちx軸の正方向に配置しても、同等の効果が得られる。なぜなら、図4に示したように、電界Eおよび磁界H等の強度分布はx軸の正側と負側とで、互いに対称となるからである。また、導電片6をx軸の正方向と負方向との双方に配置してもよい。それにより、同調周波数の可変範囲が倍増する。
【0037】
また、導電片6をx軸の正方向あるいは負方向からずれた位置に配置することも可能である。この場合には、同調周波数を調整する効果は弱まり、代わりに、同調周波数帯域(すなわち共振のQ値)を調整する効果が強まる。出願人は、図5に示した方法において、導体片6の取り付け位置をy軸方向に変更した場合に、導体片6を直立させたときと折り曲げたときとの間で、同調周波数には変化がなく、同調周波数帯域のみが変化すること、すなわち共振のQ値のみが変化することを確認している。
【0038】
[第2の実施形態]
図8は、本発明によるアンテナモジュールの第2の実施形態を示す斜視図であり、図9はその縦断面図である。このアンテナモジュール102は、距離調整機構11が、歯付き板41および歯車42を備え、軸7の回転にともなって導体片6が回転する代わりに並進するように構成されている点において、第1の実施形態によるアンテナモジュール101とは特徴的に異なっている。シールドケース5に軸支される軸7には歯車42が固定されており、軸7の回転にともなって歯車42が回転する。歯付き板41は、その上面が平坦であり、下面には歯車41に噛み合う歯列が刻設されている。歯付き板41の上面には導体片6が直立するように固定されている。導体片6は、第1の実施の形態によるアンテナモジュール101と同様にx軸の負方向に配置されている。
【0039】
歯付き板41の上面は、シールドケース5の天井面に摺動可能に接触している。したがって、軸7を回転させることにより、歯車42に噛み合う歯付き板41がx軸の正方向および負方向に摺動する。それにともない、導体片6が並進運動することにより、導体片6がパッチ1へ近接したり、逆にパッチから遠く離れたりする。また、歯付き板41は、導電性であり例えば金属を材料とする。このため、導体片6は、歯付き板41を通じてシールドケース5に電気的に接続される。
【0040】
アンテナモジュール102は以上のように構成されるので、軸7を回転させることにより、パッチ1と導体片6との間の距離を調整することができ、それによりパッチアンテナ10の同調周波数を微調整することができる。また、パッチ1と導体片6との間の距離を調整するための距離調整機構11が、軸7と歯車42と歯付き板41とによって比較的簡便に構成されるので、距離調整機構11をアンテナモジュール102に組み込むための製造コストを比較的低く抑えることができる。
【0041】
なお、本実施の形態によるアンテナモジュール102においても、図3のように、筐体2の外部に露出するダイヤル21(あるいはネジ頭部の形状のもの)を軸7に連結させるのが望ましい。それにより、筐体20の外部からダイヤル21等を手動操作することにより、導体片6を並進させることが可能となる。
【0042】
[第3の実施形態]
図10は、本発明によるアンテナモジュールの第3の実施形態を示すブロック図である。このアンテナモジュール103は、パッチアンテナ10の受信信号の強度を検出し、この強度が最も高くなるようにパッチ1と導体片6との間の距離を自動的に調整するように構成されている点において、第1および第2の実施形態のアンテナモジュール101および102とは特徴的に異なっている。すなわち、アンテナモジュール103では、例えば図1に示したアンテナモジュール101あるいは図8に示したアンテナモジュール102に、バンドパスフィルタ51、増幅器52、および受信信号強度検出回路53が更に設けられている。また距離調整機構11には、更に、モータ駆動回路61およびモータ62が設けられている。
【0043】
バンドパスフィルタ51は、パッチアンテナ10が受信した信号のうち、同調周波数帯域の信号を選択的に通過させるフィルタである。これにより、受信信号から雑音成分が除去される。増幅器52は、バンドパスフィルタ51を通過した受信信号を増幅する。増幅された受信信号は、例えば回路基板15(図2)に搭載されている復調回路へ入力される。増幅された受信信号は、同時に受信信号強度検出回路53へ入力される。受信信号強度検出回路53は、入力された受信信号の強度を検出する。受信信号強度検出回路53の検出値は、モータ駆動回路61へ入力される。受信信号強度検出回路53は、検出値として例えばパルス信号を出力する。モータ駆動回路61は、モータ62を駆動する回路である。
【0044】
モータ62の回転軸は、図1または図8に描かれる軸7に直結されるか、または図示しない歯車等の伝達機構を媒介することにより、軸7に回転の動きが伝えられる。いずれであっても、モータ62の動きが軸7等の伝達機構を通じて導体片6に伝えられる。したがって、モータ62がいずれかの方向に回転することにより、導体片6がパッチ1に近接または離間するように動く。モータ62は、いずれの方向にも回転可能であり、例えば高効率のステッピングモータあるいは静電モータを用いることができる。パッチアンテナ10の特性に影響しないように、バンドパスフィルタ51、増幅器52、受信信号強度検出回路53、モータ駆動回路61およびモータ62は、例えばシールドケース5の中に収納される等によりシールドされている(図示を略する)。
【0045】
モータ駆動回路61は、受信信号強度検出回路53が出力する検出値が最高値となるように、モータ62を駆動する。それにより、パッチアンテナ10の同調周波数が、受信信号の周波数に一致するように自動的に微調整される。したがって、筐体20の形状ごと、応用機器ごと、あるいは応用機器に組み込まれる位置ごとに、パッチアンテナ10を設計し直したり、切り欠き9を形成したりすることなく、さらに手動操作でパッチ1と導体片6との間の距離を調整することもなく、筐体20あるいは応用機器による同調特性の変動が自動的に補償される。モータ駆動回路51等を起動してパッチ1と導体片6との間の距離を調整する時期としては、例えば、応用機器への組み込みが終了したとき、あるいは応用機器のユーザがその応用機器を起動したときなどに設定することが可能である。あるいは、適時繰り返しモータ駆動回路51を起動して、同調周波数の再調整を行ってもよい。
【0046】
[第4の実施形態]
図11は、本発明によるアンテナモジュールの第4の実施形態を示す斜視図であり、図12はそのブロック図である。このアンテナモジュール104は、距離調整機構11に、モータ駆動回路61とモータ62と(図10)に代えて、通電回路71とバイメタル72とが設けられている点において、第3の実施形態によるアンテナモジュール103とは特徴的に異なっている。このアンテナモジュール104では、導体片6は、回路基板15(図2)に直立する2枚のバイメタル72に取り付けられている。通電回路71は、2枚のバイメタル72に通電する。通電回路71が供給する電流Iは、一方のバイメタル72、導体片6、および他方のバイメタル72を経由して通電回路71へ戻る。この電流Iにより、バイメタル72にジュール熱が生じ、バイメタル72の温度が上昇する。バイメタル72は、熱膨張率の異なる2種類の薄板を互いに圧着させた構造を有している。したがって、電流Iの大きさを加減することにより、シールドケース5の上面に対して直立した状態から、平行に沿う状態まで、0°から90°の範囲で導体片6の姿勢を変えることができる。
【0047】
バイメタル72には、例えばパッチアンテナ10に近い側に熱膨張率の大きい合金が用いられ、遠い側に熱膨張率の小さい合金が用いられる。この場合には、電流Iがゼロの時には、導体片6は直立し、電流Iを大きくするほど、導体片はパッチ1から遠のくように傾く。逆に、パッチアンテナ10に近い側に熱膨張率の小さい合金を用い、遠い側に熱膨張率に大きい合金を用いることもできる。この場合には、電流Iがゼロの時には導体片6はシールドケース5の上面に沿うようにパッチ1から遠のいており、電流Iを大きくするほど、導体片6は直立状態に近づく。
【0048】
なお、導体片6およびバイメタル72は、回路基板15を通じてシールドケース5と等電位に保持されている。あるいは、導体片6およびバイメタル72は、容量結合を通じて、電位の交流成分のみがシールドケース5と実質的に等電位に保たれていてもよい。また、パッチアンテナ10の特性に影響しないように、バンドパスフィルタ51、増幅器52、受信信号強度検出回路53および通電回路71は、例えばシールドケース5の中に収納される等によりシールドされている(図示を略する)。
【0049】
通電回路71は、受信信号強度検出回路53が出力する検出値が最高値となるように、電流Iの大きさを加減する。それにより、パッチアンテナ10の同調周波数が、受信信号の周波数に一致するように自動的に微調整される。したがって、本実施形態によるアンテナモジュール104においても、第3の実施形態によるモジュール103と同様の利点が得られる。さらに、距離調整機構11がモータ62および軸7等の機械的な駆動機構ないし伝達機構を用いる必要がないので、製造コストが節減されるとともに、モジュールの小型化を図ることができる。
【0050】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、筐体、応用機器等の条件による変動を補償するためのパッチアンテナの同調特性の微調整を、容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態によるアンテナモジュールの斜視図である。
【図2】 図1のアンテナモジュールの縦断面図である。
【図3】 図1のアンテナモジュールの筐体を含めた外観図である。
【図4】 図1のアンテナモジュールの原理を説明する説明図である。
【図5】 図1のアンテナモジュールの実証実験の方法の説明図である。
【図6】 図5の方法による実証実験の結果を示すスミスチャートである。
【図7】 図5の方法による実証実験の結果を示すスミスチャートである。
【図8】 本発明の第2の実施形態によるアンテナモジュールの斜視図である。
【図9】 図8のアンテナモジュールの縦断面図である。
【図10】 本発明の第3の実施形態によるアンテナモジュールのブロック図である。
【図11】 本発明の第4の実施形態によるアンテナモジュールの斜視図である。
【図12】 図11のアンテナモジュールのブロック図である。
【符号の説明】
1 パッチ
2 絶縁体基板
3 導体板
4 給電点
6 導体片
7 軸(伝達機構)
8 軸受け(伝達機構)
10 パッチアンテナ
11 距離調整手段
20 筐体
21 ダイヤル(手動操作部材)
41 歯付き板(伝達機構)
42 歯車(伝達機構)
53 受信信号強度検出回路
62 モータ
61 モータ駆動回路
72 バイメタル
71 通電回路
101,102,103,104 アンテナモジュール

Claims (6)

  1. 絶縁体基板の一方主面にパッチを有し他方主面に導体板を有するパッチアンテナと、
    前記パッチアンテナの同調周波数帯域において前記導体板と実質的に等電位になるよう電気的に結合した導体片と、
    前記導体片を動かすことにより前記パッチと前記導体片との間の距離を調整する距離調整手段と、
    前記パッチアンテナの受信信号の強度を検出する受信信号強度検出回路とを備え、
    前記距離調整手段は、前記受信信号検出回路が検出する前記強度が最も高くなるように前記距離を調整するアンテナモジュール。
  2. 前記距離調整手段が、
    モータと、
    前記モータの動きを前記導体片の動きへと伝達する伝達機構と、
    前記受信信号検出回路が検出する前記強度が最も高くなるように前記モータを駆動するモータ駆動回路と、を備える請求項1に記載のアンテナモジュール
  3. 前記距離調整手段が、
    湾曲する動きが前記導体片の動きへと伝達されるように前記導体片に連結されたバイメタルと、
    前記受信信号検出回路が検出する前記強度が最も高くなるように前記バイメタルに通電する通電回路と、を備える請求項1に記載のアンテナモジュール
  4. 前記導体片が、前記パッチの周辺部のうち前記パッチの給電点のオフセット方向またはその反対方向の少なくとも一方に配置されている請求項1ないし3のいずれかに記載のアンテナモジュール。
  5. 前記距離調整手段が、前記導体片を回転させることにより前記距離を調整する請求項1ないし4のいずれかに記載のアンテナモジュール。
  6. 前記距離調整手段が、前記導体片を並進させることにより前記距離を調整する請求項1ないし4のいずれかに記載のアンテナモジュール。
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