JP6214582B2 - アンテナ及びアンテナ特性調整方法 - Google Patents

アンテナ及びアンテナ特性調整方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグ通信装置に用いられるアンテナ及びアンテナ特性調整方法に関する。
近年、RFIDタグ通信装置のアンテナに対し、高感度化の要求が高まりつつある。反面、アンテナの感度を高めると、その分、ノイズを拾い易くなることが知られている。ノイズの影響をできるだけ小さくして高感度アンテナを製造するには、アンテナ特性をできるだけ設計値に近付ける必要がある。
このため、高感度アンテナを製造する場合、部品の寸法精度を高めるとともに組立誤差をできるだけ少なくする必要がある。
特開2013−70341号公報
しかし、市場が要求するレベルの高感度アンテナを製造しようとした場合、寸法精度を満足のいくレベルまで高くして組立誤差を満足のいくレベルまで少なくすることは困難であり、製品の歩留まりを満足のいくレベルまで高めることはできていない。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、アンテナ特性を簡易に調整でき、製品の歩留まりを改善することができるアンテナ及びアンテナ特性調整方法を提供することである。
一実施形態に係るアンテナは、グランド板金と、放射器と、給電部材と調節機構とを備える。グランド板金は、底壁とこの底壁の周縁を同じ側に折り曲げた複数の側壁を有する。放射器は、底壁に対向して複数の側壁の内側に配置される。給電部材は、底壁と放射器との間に配置され、高周波信号を受けて放射器を励振させる。調節機構は、複数の側壁のうちの少なくとも1つの側壁を放射器に向けて移動させてアンテナ特性を調節する。また、調節機構は、複数の側壁の外側に巻き回される帯部材及び帯部材を締める締め部材を有する。
図1は、実施形態に係るパッチアンテナを含むRFIDタグ通信装置の斜視図である。 図2は、図1のパッチアンテナの背面カバーを取り外した状態を示す斜視図である。 図3は、図1のパッチアンテナの前面及び背面カバーを取り外し、第1の実施形態に係る調節手段を取り付けた状態を示す斜視図である。 図4は、図3のパッチアンテナをF4からみた状態を示す図である。 図5は、図2のパッチアンテナの電圧反射係数(S11)と周波数との関係を示す図である。 図6は、図1に示すパッチアンテナのアンテナ特性の調整方法を示すフローチャートである。 図7は、第2の実施形態に係る調節機構を示す図である。 図8は、図7に示す調節機構の一部拡大図である。 図9は、第3の実施形態に係る調節機構を示す図である。
以下、本発明に係るアンテナの第1の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本実施形態は、RFIDタグ通信装置に備えられるパッチアンテナを例示し、詳細を説明する。
まず初めに、RFIDタグ通信装置1について説明する。図1は、RFIDタグ通信装置1の全体斜視図である。
RFIDタグ通信装置1は、例えば、店舗や倉庫に置いてある商品の棚卸をする場合において、個々の商品に添付されたRFID(Radio Frequency Identification)タグと無線通信し、RFIDタグのEPC(Electronic Product Code)データを読取る装置である。
RFIDタグ通信装置1は、ハンドル2と、パッチアンテナ100と、クリップ3と、端末Sとを有する。
ハンドル2は、略筒状の棒状部材である。ハンドル2は、一箇所で折り曲げられ肩部21を形成する。ハンドル2の先端には、パッチアンテナ100が、所定の角度回動可能に取り付けられている。パッチアンテナ100は、略方形の所定の厚みを有する板状の部材である。具体的には、パッチアンテナ100は、前面カバー110と背面カバー120と後述するアンテナ部200とを有している。前面カバー110及び背面カバー120は、アンテナ部200の両面を覆うように配置され、アンテナ部200を外部環境から保護する。
クリップ3は、ハンドル2の肩部21に取り付けられる。クリップ3は、ハンドル2の長手方向に沿って離間して配置される2つの爪31を有する。2つの爪31は、互いに離接可能に設けられる。
端末Sは、商品に付されたRFIDタグから受信したデータを表示するディスプレーS1を備えた、タブレット端末やスマートフォンを用いることができる。端末Sは、クリップ3の2つの爪31の間に挟まれて固定される。
次に、パッチアンテナ100の構造について、図2乃至図4を用いて説明する。図2は、図1のRFIDタグ通信装置1のパッチアンテナ100の背面カバー120を取り外した状態を示している。なお、図2においては、パッチアンテナ100の内部構造を見やすくするため、後述するグランド板金300の輪郭を破線で示している。なお、図2は、後述する調節機構600を取り付ける前の状態を示している。図3は、アンテナ部200を前面カバー110側から見た構造を示す斜視図である。図4は、図3に示すアンテナ部200をF4から見た場合の構造を示す図である。
アンテナ部200は、図2及び図3に示すように、グランド板金300と、放射器400と、給電部材500と、調節機構600と、を備えている。
グランド板金300は、金属板を折り曲げて形成される一面が開放した箱状の部材である。具体的には、グランド板金300は、後述する放射器400等が固定される略矩形板状の底壁320と、底壁320の周縁に曲げ加工により形成された複数の側壁310と、を備える。グランド板金300の側壁310の内側には、放射器400及び給電部材500が配置される。そして、グランド板金300は、側壁310の底壁320から離間した縁により形成される開口部330を塞ぐように前面カバー110に取り付けられる。
放射器400は、図2及び図3に示すように略円環状の薄板である。放射器400は、その外周の互いに対向する位置に2つの切欠き部410を備える。なお、2つの切欠き部410を有することにより、放射器400は、円偏波を放射することができる。放射器400の前面カバー110側の面を第1面420とし、その裏側面を第2面440とする。放射器400は、グランド板金300の底壁320と略平行に配置される。放射器400は、グランド板金300の略中心に放射器400の中心が重なるように配置され、複数のスペーサ430を介してグランド板金300の底壁320に固定される。本実施形態においては、放射器400は、3ヶ所に配置したスペーサ430を介して底壁320に固定される。スペーサ430は、放射器400のアンテナ性能に影響を与えない樹脂製のものを用いた。
給電部材500は、帯状の薄板形状を有している。給電部材500は、図2に示すように、グランド板金300の底壁320と放射器400との間に配置される。給電部材500の放射器400側の面を第1面530とし、その裏側面を第2面540とする。給電部材500は、放射器400の外周の外側から中心へ向かって延び、放射器400と給電部材500の一部が重なる位置に配置される。
すなわち給電部材500は、グランド板金300の内側において、グランド板金300の一つの角から底壁320の対向する角に向かって延設される。そして、給電部材500の長手方向の両端部は、グランド板金300の底壁320にスペーサ510を介して、それぞれネジで固定される。
また、給電部材500は、第2面540の放射器400の外周の外側に給電点520を有する。なお、給電点520は、ケーブル(図示せず)を介してRFIDタグ通信装置1の給電回路(図示せず)と接続され、給電部材500に電力を供給する。そして、給電部材500は、給電点520から給電された高周波信号により放射器400を励振させる。
第1の実施形態に係る調節機構600は、帯部材610と、締め部材630と、を備えている。帯部材610は、図3に示すように、グランド板金300の側壁310の外周に巻きつけられる。帯部材610の幅は、側壁310の短手方向の長さよりも狭い。締め部材630は、例えば、帯部材610の一方の端部に設けられる。締め部材630は、側壁310の外周に巻きつれられた帯部材610の他端を取り込む。この状態で、締め部材630のネジ631を回動することにより、側壁310に帯部材610を締め付け固定する。
調節機構600は、例えば、ベルトのようなものであってもよい。すなわち、帯部材610には、長手方向に沿って所定の間隔で複数の孔が設けられている。また、締め部材630は、この孔を挿通可能に設けられたピン(図示せず)と、帯部材610の他端を挿通可能なバックルと、を有する。そして、作業者は、帯部材610を緩めずに引張り、帯部材610の他端をバックルへ通し、所定の孔へピンを通し固定する方法が考えられる。
また、別の調節機構600としては、例えば、結束バンドのような部材を用いてもよい。すなわち、調節機構600は、帯部材610と、締め部材630と、を備える。帯部材610は、側壁310の高さよりも狭い幅を有し、長手方向に沿ってその一面にギア歯状の突起を複数有する。
締め部材630は、帯部材610の一端に固定され、帯部材610の他端を挿通可能な筒状の構造を有している。また、この筒状の構造の内側には、帯部材610のギア歯と係合する突起を有する。
そして、作業者は、側壁310の外周に帯部材610を巻きつけた後、帯部材610の他端を締め部材630の開口へ通して締め付ける。すると、締め部材630の内周面に設けられた突起と帯部材610のギア歯とが係合し、帯部材610が逆方向に抜けることが防止され、帯部材610が側壁310を締め付ける。
いずれにしても、帯部材610及び締め部材630の材料は、特に限定されないがアンテナ特性に影響を与えない樹脂等の材料で作製することが好ましい。
続いて、組み立て後のパッチアンテナ100のアンテナ特性の調整手順を図5に示すフローチャートに沿って説明する。なお、以下、組み立て後のパッチアンテナ100とは、図2に示すようにアンテナ部200と前面カバー110が組み付けられた状態をいう。言い換えれば、組み立て後のパッチアンテナ100とは、背面カバー120を取り付ける前のパッチアンテナ100のことである。
図4は、図3に示すアンテナ部200をF4の方向から見た図である。図6は、図2のパッチアンテナのS11と周波数との関係を示す図である。
まず、作業者は、組み立て後のパッチアンテナ100を計測装置(例えば、ネットワークアナライザ)に取り付けてS11を測定する(Act1)。測定結果は、図示しないモニターに表示する。測定結果の3つの例を図6に示す。図6は、縦軸をS11、横軸を高周波信号の周波数として表示している。
例えば、本実施形態のパッチアンテナ100のアンテナ特性は、2つの周波数でS11のピークを有する波形で表される。アンテナ特性を示す波形は、例えば、部品の寸法誤差や取付精度のばらつき等により、組み立て後のパッチアンテナ100毎に微妙に異なる。図6においては、例として、3つの波形パターン、波形O、波形P、波形Qを示している。波形Oは、本実施形態における設計上の理想的なアンテナ特性を示す波形である。すなわち、組み立て後のパッチアンテナ100のアンテナ特性を示す波形が波形Oの形状を示している場合には、当該アンテナのアンテナ特性が適正値(Act2においてYes)であると判断し、アンテナ特性の調整作業を終了する。
具体的には、作業者は、モニターに表示されたアンテナ特性を示す波形の2つのピークが、図6において破線で示すS11の下限値Xと上限値Yとの間の領域に収まっているか否かに基づいて、当該アンテナのアンテナ特性が適正範囲内であるか否かを判断する。
ここで言う、適正範囲とは、所望するアンテナ特性の許容範囲であり、S11の下限値Xと上限値Yとの間の領域を示す。
なお、この適正範囲は、任意に設定可能であり、ユーザーが要求するアンテナ特性に応じて予め設定される。
次に、組み立て後のパッチアンテナ100のアンテナ特性を示す波形が波形Pの場合には、作業者は、側壁310の調整をする(Act3)。波形Pとなる原因としては、例えば、プレス加工により曲げ加工されたグランド板金300の側壁310が、いわゆるスプリングバックにより底壁320に対してやや外側に広がることが考えられる。一方、グランド板金300の側壁310は、底壁320に対して直角に折り曲げられているものとして設計される。この設計値と実際のグランド板金の折り曲げ角度との差がアンテナ特性に影響を与える。
Act3で側壁310を調整する場合、作業者は、まず図3に示すように、調節機構600をグランド板金300の側壁310の外周に沿って取り付ける。次に、作業者は、締め部材630のネジ631を締め付けて、外側に広がっている側壁310b、側壁310dを帯部材610の押圧力によって放射器400へ向かって移動させる。
側壁310の調整が終わると、作業者は、再度アンテナ特性を計測する(Act1)。モニターに表示されたアンテナ特性を示す波形の2つのピークが上述した適正範囲内に収まっている場合には、作業者は、当該アンテナのアンテナ特性が適正値に調整されたと判断し、アンテナ特性の調整作業を終了する。なお、再度の計測においても、アンテナ特性を示す波形の2つのピークが適正範囲から外れ、締め付けが足りないと判断できる場合には、作業者は、アンテナ特性を示す波形の2つのピークが適正範囲内に収まるまで、側壁310の調整(Act3)を繰り返す。
なお、Act3で側壁310を調整した後、アンテナ特性を示す波形の2つのピークが波形Qのように適正範囲の下限値Xを下回った場合には、作業者は、グランド板金300の側壁310が内側に傾き過ぎていると判断し(Act2においてNo)、ネジ631を緩める方向、すなわち帯部材610を緩める方向に調節機構600を調節する。その後、作業者は、アンテナ特性を再計測(Act1)し、アンテナ特性を示す波形の2つのピークが適正範囲内にあることを確認できた場合には、作業者は、当該アンテナのアンテナ特性が適正値に調整されたと判断し、アンテナ特性の調整を終了する。
以上のように、第1の実施形態に係るパッチアンテナ100は、アンテナ特性が適正範囲から外れている場合であっても、調節機構600を用いて、パッチアンテナ100のアンテナ特性を適正範囲内に調節することができる。
また、本実施形態によると、アンテナ特性の計測結果をモニターに表示して、調節ネジ622を回動するだけの簡易な構成で、製品毎のアンテナ特性を適正値へ調整することができ、パッチアンテナ100のアンテナ特性の調整作業を簡単にできる。
次に、第2の実施形態に係るパッチアンテナ100の調節機構600aについて図7及び図8を用いて説明する。なお、第1の実施形態に示すパッチアンテナ100と同じ部材については同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、図7において、締め部材630の図示は省略している。
第1の実施形態に係るパッチアンテナ100の調節機構600と第2の実施形態の調節機構600aとの相違点は、グランド板金300の側壁310の外周に配置された帯部材610に所定の間隔で複数のアジャスタ620が設けられている点である。
各アジャスタ620は、留金具621と調節ネジ622とを有している。図7に示すように、留金具621は、ブロック状の部材であり、帯部材610に固定される。留金具621は、帯部材610に対して直交する方向に貫通するネジ孔を有し、ネジ孔には、調節ネジ622が螺合されている。アジャスタ620は、グランド板金300の各側壁310の略中央部にそれぞれ設けられることが好ましい。本実施形態においては、グランド板金300の4つの側壁310a、310b、310c、310dの夫々に対応して4つのアジャスタ620が帯部材610に固定されている。
続いて、調節機構600aによるアンテナ特性の調整方法について説明する。なお、組み立て後のパッチアンテナ100のアンテナ特性の調整手順の基本的な流れは、図5に示すフローチャートの通りであるため、手順が同じ工程についての詳細な説明は省略し、本実施形態における側壁310の調整(Act3)の工程について以下詳細に説明する。
組み立て後のパッチアンテナ100のアンテナ特性が、適正範囲から外れている場合(Act2においてNo)、作業者は、調節機構600aをグランド板金300の側壁310の外周に沿って取り付ける。このとき作業者は、締め部材630を用いて側壁310に帯部材610を締め付ける。その後、作業者は、アンテナ特性を計測する。モニターに表示されるアンテナ特性を示す波形が適正範囲から外れている場合には、作業者は、アジャスタ620を用いて側壁310の調整をする。以下、アジャスタ620の動作について説明する。
アジャスタ620は、図8に示すように、側壁310を内側へ押圧する機能を有している。具体的には、作業者は、アジャスタ620の調節ネジ622を回動し、調節ネジ622を側壁310へ向かってねじ込む。これにより、調節ネジ622の先端が側壁310と当接する。この状態から、さらに調節ネジ622をねじ込むと、調節ネジ622は、側壁310を内側に押圧する。これにより、帯部材610に固定された留金具621が側壁310から離間する。この動作に伴って、留金具621が固定されている帯部材610も留金具621を力点として側壁310から離間する方向に移動する。言い換えれば、張力が与えられた状態の帯部材610が元の位置に戻ろうとする力が、調節ネジ622を介して側壁310に与えられる。結果、側壁310は、放射器400へ向かって移動される。本実施形態では、側壁310毎にアジャスタ620を設けているため、作業者は、所望する側壁310を独立して移動させることができる。
アジャスタ620を用いて所望の側壁310を調整した後、作業者は、再度、アンテナ特性を計測(Act1)する。アンテナ特性を示すS11の波形が適正範囲内に収まっている場合に、作業者は、アンテナの調整作業を終了する。なお、計測されたアンテナ特性を示す波形が適正値内に無い場合には、作業者は、アンテナ特性を示す波形の2つのピークが適正範囲内に収まるまで、側壁310の調整(Act3)を繰り返す。
以上のように、第2の実施形態に示すパッチアンテナ100は、アンテナ特性を示すS11の波形が適正範囲から外れている場合であっても、調節機構600aを用いてパッチアンテナ100のアンテナ特性を適正範囲内に調節することができる。
本実施形態に係る調節機構600aは、グランド板金300の各側壁310の歪みが異なっている場合に有用である。すなわち、調節機構600aのアジャスタ620は、側壁310a、310b、310c、310dごとに異なる圧力を与えることができる。このため、作業者は、例えば、側壁310bが大きく傾いている場合に、側壁310bに対して、その他の側壁310a、310c、310dよりも大きな押圧力をかけて、側壁310bの角度を調節することができる。なお、本実施形態においては、4つの側壁310a、310b、310c、310dにアジャスタ620を設けているが、調整が必要な側壁310にのみアジャスタ620を設けることも可能であり、アジャスタ620の数、取り付け位置は特に限定されない。
例えば、本実施形態の調節機構600aは、円偏波を放射するパッチアンテナ100に用いることでさらに有効に機能する。
すなわち、円偏波を放射するパッチアンテナ100に組み込まれた放射器400は、図3に示すように、2つの切欠き410を有し、2つの切欠き410の間の距離と、切欠き410の無い箇所における放射器400の直径とが異なることで、周波数特性の異なる2種類の電波を発生させている。このため、側壁310の放射器400方向への移動がアンテナ特性に与える影響は、切欠き410と対向している側壁310a、310cとそれ以外の側壁310b、310dとで異なる。このため、作業者は、モニターに表示されるアンテナ特性を示すS11の波形を見て、調整が必要な側壁310を選んで調整することができる。
加えて、本実施形態の調節機構600aは、側壁310a、310b、310c、310dに対応させてアジャスタ620を取り付けているため、S11の計測結果に応じて、調節が必要と判断した側壁310に対応するアジャスタ620を個別に調節でき、簡易な構成で、アンテナ特性を調整することができる。このため、本実施形態によると、上述した第1の実施形態と比較して、アンテナ特性を適正値により近づけることができる。
次に、第3の実施形態に係るパッチアンテナ100の調節機構600bについて図9を用いて説明する。なお、第1の実施形態に示すパッチアンテナ100と同じ部材については同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第1の実施形態に係るパッチアンテナ100の調節機構600と第3の実施形態の調節機構600bとの相違点は、グランド板金300の側壁310の外周に配置された帯部材610aが輪状の弾性体である点である。
帯部材610aは、例えば、ゴム製の無端ベルトである。帯部材610aの伸長前の長さは、グランド板金300の側壁310に沿った外周よりも短く、側壁310の外周にはめ込まれた場合に、側壁310を放射器400へ向かって押圧できる長さに設計されている。
続いて、第3の実施形態に係る調節機構600bによるアンテナ特性の調整方法について説明する。なお、組み立て後のパッチアンテナ100のアンテナ特性の調整手順の基本的な流れは、図5に示すフローチャートの通りであるため、手順が同じ工程についての詳細な説明は省略し、本実施形態における側壁310の調整(Act3)の工程について以下詳細に説明する。
始めに、作業者は、組み立て後のパッチアンテナ100のアンテナ特性を計測する(Act1)。計測したアンテナ特性が、適正範囲から外れている場合(Act2においてNo)、作業者は、調節機構600bをグランド板金300の側壁310の外周に沿って取り付ける。側壁310は、帯部材610aの収縮力によって放射器400へ向かって押圧され、放射器400へ向かってわずかに移動する。
帯部材610aをグランド板金300に取り付けた後、作業者は、再度、パッチアンテナ100のアンテナ特性を計測する。そして、作業者は、パッチアンテナ100のアンテナ特性が適正範囲内に収まっていることを確認したら、調整作業を終了する。計測されたアンテナ特性を示す波形が適正範囲内に収まっていない場合には、作業者は、帯部材610aを取り外し、弾性力(収縮力)の少し強い帯部材610aを代わりに取り付ける。そして、作業者は、アンテナ特性を示す波形が適正範囲内に収まるまで、帯部材610aを付け替えて側壁310の調整(Act3)を繰り返す。
このように、第3の実施形態に示すパッチアンテナ100は、アンテナ特性を示すS11の波形が適正範囲から外れている場合であっても、調節機構600bを用いてパッチアンテナ100のアンテナ特性を示すS11の波形を適正範囲内に調節することができる。
また、本実施形態によると、作業者は、帯部材610aを側壁310へ取り付けるのみで細かな調整を必要としない。このため、作業者は、製造現場においてアンテナ特性の調整作業に熟練を要する必要もない。
なお、本実施形態では、1つの帯部材610aのみ取り付けた場合について説明したがこれに限らず、例えば、複数本の帯部材610aを同時に取り付けても良い。この場合、複数本の帯部材610aは、弾性力の異なるものであっても良く、同一の弾性を有するものであってもよい。いずれにしても、作業者は、グランド板金300の側壁310の外周に取り付ける帯部材610aの種類や数を変えることで、アンテナ特性を自在に調整することができる。
また、例えば、本実施形態の帯部材610aに、第2の実施形態のアジャスタ620を取り付けても良い。この場合、側壁310a、310b、310c、310dを別々に調整する機能を付加することができる。
また、本実施形態では、帯部材610aとして、帯状の無端ベルトを用いたが、帯部材610aの形状はこれに限られず、例えば、無端ベルトの周上に所定の間隔を設けて山状の突起を設ける構成(図示せず)とすることも可能である。例えば、各側壁310の中央に対向して山状の突起を設けることにより、各側壁310を効果的に押圧することができる。
これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、本実施形態に示すRFIDタグ通信装置1のパッチアンテナ100は、円偏波を発生させるタイプのアンテナであるが、放射器400の切欠き410の無い垂直偏波を発生させるアンテナに本発明を適用することもできる。
また、本実施形態においては、アンテナ特性を測る指標として、S11を用いているが、アンテナ特性を測る指標はこれに限らず例えば、反射率やVSWR(電圧定在波比)であってもよい。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]底壁とこの底壁の周縁を同じ側に折り曲げた複数の側壁を有するグランド板金と、
前記底壁に対向して前記複数の側壁の内側に配置された放射器と、
前記底壁と前記放射器との間に配置され、高周波信号を受けて前記放射器を励振させる
給電部材と、
前記複数の側壁のうちの少なくとも1つの側壁を前記放射器に向けて移動させてアンテ
ナ特性を調節する調節機構と、
を有するアンテナ。
[2]前記調節機構は、
前記複数の側壁の外側に巻き回される帯部材と、
この帯部材を締める締め部材と、
を有する[1]に記載のアンテナ。
[3]前記調節機構は、
前記複数の側壁をつなげた外周の長さより短い弾性を有する無端状の帯部材を有する[1]に記載のアンテナ。
[4]前記調節機構は、
前記帯部材と、
前記複数の側壁に対応して前記帯部材に取り付けられ、対応する側壁を前記帯部材から
離間する方向に押圧する少なくとも1つのアジャスタと、
を有する[2]または[3]に記載のアンテナ。
[5]底壁とこの底壁の周縁を同じ側に折り曲げた複数の側壁を有するグランド板金と、前記底壁に対向して前記複数の側壁の内側に配置された放射器と、前記底壁と前記放射器との間に配置され、高周波信号を受けて前記放射器を励振させる給電部材と、前記複数の側壁のうちの少なくとも1つの側壁を前記放射器に向けて移動させる調節機構と、を有するアンテナのアンテナ特性を調節する方法であって、
前記アンテナ特性を計測する計測工程と、
この計測工程における計測結果に基づいて、前記調節機構により少なくとも1つの側壁
を移動させる調節工程と、
を有するアンテナ特性調節方法。
[6]前記調節工程は、前記少なくとも1つの側壁の前記底壁に対する角度を調節する工程を含む[5]に記載のアンテナ特性調節方法。
1…RFIDタグ通信装置、2…ハンドル、3…クリップ、21…肩部、31…爪、100…パッチアンテナ、110…前面カバー、111…裏面、120…背面カバー、200…アンテナ部、300…グランド板金、310…側壁、310a,310b,310c,310d…側壁、320…底壁、330…開口部、400…放射器、410…切欠き部、420…第1面、430…スペーサ、第2面…440、500…給電部材、510…スペーサ、520…給電点、530…第1面、540…第2面、600…調節機構、600a…調節機構、600b…調節機構、610…帯部材、610a…帯部材、620…アジャスタ、621…留金具、622…調節ネジ

Claims (6)

  1. 底壁とこの底壁の周縁を同じ側に折り曲げた複数の側壁を有するグランド板金と、
    前記底壁に対向して前記複数の側壁の内側に配置された放射器と、
    前記底壁と前記放射器との間に配置され、高周波信号を受けて前記放射器を励振させる給電部材と、
    前記複数の側壁のうちの少なくとも1つの側壁を前記放射器に向けて移動させてアンテナ特性を調節する調節機構と、を備え、
    前記調節機構は、前記複数の側壁の外側に巻き回される帯部材及び前記帯部材を締める締め部材を有するアンテナ。
  2. 底壁とこの底壁の周縁を同じ側に折り曲げた複数の側壁を有するグランド板金と、
    前記底壁に対向して前記複数の側壁の内側に配置された放射器と、
    前記底壁と前記放射器との間に配置され、高周波信号を受けて前記放射器を励振させる給電部材と、
    前記複数の側壁のうちの少なくとも1つの側壁を前記放射器に向けて移動させてアンテナ特性を調節する調節機構と、を備え
    前記調節機構は、前記複数の側壁をつなげた外周の長さより短い弾性を有する無端状の帯部材を有するアンテナ。
  3. 前記調節機構は、
    前記帯部材と、
    前記複数の側壁に対応して前記帯部材に取り付けられ、対応する側壁を前記帯部材から離間する方向に押圧する少なくとも1つのアジャスタと、
    を有する請求項1または請求項2に記載のアンテナ。
  4. 底壁とこの底壁の周縁を同じ側に折り曲げた複数の側壁を有するグランド板金と、前記底壁に対向して前記複数の側壁の内側に配置された放射器と、前記底壁と前記放射器との間に配置され、高周波信号を受けて前記放射器を励振させる給電部材と、前記複数の側壁のうちの少なくとも1つの側壁を前記放射器に向けて移動させる調節機構と、を備え、前記調節機構は、前記複数の側壁の外側に巻き回される帯部材及び前記帯部材を締める締め部材を有するアンテナのアンテナ特性を調節する方法であって、
    前記アンテナ特性を計測する計測工程と、
    この計測工程における計測結果に基づいて、前記調節機構により少なくとも1つの側壁を移動させる調節工程と、
    を有するアンテナ特性調節方法。
  5. 底壁とこの底壁の周縁を同じ側に折り曲げた複数の側壁を有するグランド板金と、前記底壁に対向して前記複数の側壁の内側に配置された放射器と、前記底壁と前記放射器との間に配置され、高周波信号を受けて前記放射器を励振させる給電部材と、前記複数の側壁のうちの少なくとも1つの側壁を前記放射器に向けて移動させる調節機構と、を備え、前記調節機構は、前記複数の側壁をつなげた外周の長さより短い弾性を有する無端状の帯部材を有するアンテナのアンテナ特性を調節する方法であって、
    前記アンテナ特性を計測する計測工程と、
    この計測工程における計測結果に基づいて、前記調節機構により少なくとも1つの側壁を移動させる調節工程と、
    を有するアンテナ特性調節方法。
  6. 前記調節工程は、前記少なくとも1つの側壁の前記底壁に対する角度を調節する工程を含む請求項4または請求項5に記載のアンテナ特性調節方法。
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