JP3994746B2 - バックドア装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バックドア装置に関し、特に、横開きのバックドアのヒンジ側下部におけるドアと車体の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、横開きのバックドア装置において、バックドアが全閉位置で、ヒンジ部材のドア回転軸がバックドア外表面よりも室内側に配置されて、ヒンジ部材が外部に露出しないようにした装置が知られている。
さらに、このようなバックドア装置において、開口を下方に広く確保するためにバックドアの下部を、リアバンパの左右上端よりも下方まで延在したものが知られている。
このようにバックドア下端部がリアバンパの左右上端よりも下がった形状では、バックドアを開閉回動させたときに、リアバンパよりも上方の部分は車体後端部の後方位置で回動するが、リアバンパは、車体一般部よりも後方に突出しているため、バックドア下端部とリアバンパとが干渉する。そこで、バックドア下端部がリアバンパと干渉することなく全開角度を大きく(約90°)するための技術として、以下に述べる2つの技術がある。
【0003】
まず、第1の技術は、図8の断面図に示すように、バックドア02を全開としたときに、バックドア02の外表面がリアバンパ03と干渉しないように、バックドア02においてヒンジ取付側のドア端部を内側にえぐった形状のえぐり部04を設けた技術である。
すなわち、図において、01はドア回転軸であり、このドア回転軸01はバックドア02の外表面よりも内側に配置されている。これによりヒンジ部材が車体外側に現れることが無く、外観品質に優れるとともに、風切り音の発生も抑えることができる。
この構造においてバックドア02の外表面を、リアバンパ03の外表面と同一面となる形状に形成すると、バックドア02を図において想像線で示すように略90°の角度まで回動させようとした場合、バックドア02がリアバンパ03と干渉することになる。そこで、ドア回転中心01に近い部位に、えぐり部04を設けることで、上記干渉を防止している。
【0004】
しかしながら、第1の技術にあっては、本来、ヒンジ部材の回転中心01をバックドア02の外表面よりも内側に配置しているのは、車体側とバックドア側との外表面が連続して見えるようにして、見栄えを良くする目的があるのに対し、バックドア02にえぐり部04を形成すると、バックドア02とバンパ03などの車体側との外面が滑らかに連続する面の途中に大きな凹みができることになり、見栄えを良くするという目的が達成できなくなるという問題があった。
【0005】
そこで、本願発明者達は、この第1の記述の問題を解決するために、下記の第2の技術を考えた。
この第2の技術は、バックドアの外形形状を、その下端部のヒンジ取付部近傍をクランク形状に形成する技術である。
すなわち、この第2の技術を、後述する本発明の実施の形態のバックドア装置の正面図である図1により説明すると、車両後方から見て、バックドア1のロアヒンジ4の取付部の近傍においてドア回転軸RSよりも車外側の位置に第1縦辺PT1を形成し、この第1縦辺PT1に連続してロアヒンジ4の下方に横辺PT2を横方向に延在し、さらに横辺PT2に連続してドア回転軸RSよりも車体中心に配置させて第2縦辺PT3を縦方向に延在させた外形形状とする。
このようにすれば、バックドア1の下端部の第2縦辺PT3は、バックドア1を開くときにリアバンパの外側を通過して、両者が干渉することがない。
【0006】
このように、第2技術では、バックドアにえぐり部04を形成しないため、見栄えは確保することができる。
しかしながら、この第2の技術において、バックドアの横辺PT2の下方に対向して横方向に延在した車体側対向面にあっては、冬季にバックドアが閉じている状態で、車体上部から流れ落ちてきた水や雪が、この車体側対向面で受け止められたときに凍って固まる場合がある。この状態でバックドアを開くと、バックドアの第1縦辺PT1がこの固まりにぶつかって、バックドアを全開位置まで開くことができなかったり、あるいはバックドア端部を傷付けたりするおそれがあった。
【0007】
本発明は、上述のような従来の問題点に着目して成されたものであり、横開きバックドアの全開角度を大きくしながら、リアバンパを含む車体側の外表面とバックドア外表面とを滑らかに連続させることを可能とし、しかも、全開時のバックドア回動軌跡上に水・雪などが凍って溜まらないようにすることができるバックドア装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために本発明のバックドア装置では、
バックドア(1)が車体側部に設けられたヒンジ部材(3,4)により横方向に開閉可動可能に支持され、
前記ヒンジ部材(3,4)は、バックドア(1)を全閉状態としたときに、バックドア(1)および車体(2)の外表面よりも室内側に配置され、
前記バックドア下部における、ヒンジ取付部近傍の車体後方から見た外形形状が、ドア回転軸(RS)よりも車外側に配置されて縦方向に延在された第1縦辺(PT1)と、この第1縦辺(PT1)に連続してヒンジ部材(4)の下方に配置されて横方向に延在された横辺(PT2)と、ドア回転軸(RS)よりも車体中心側に配置されて前記横辺(PT2)に連続して縦方向に延在された第2縦辺(PT3)と、を有したクランク状に形成され、
前記横辺(PT2)の下方に対向して、車体パネルと着脱可能なバンパフェイシャ(81)の上面(81u)が設けられ、
前記上面(81u)を貫通して水抜き孔(81w)が設けられ、
この水抜き孔(81w)は、その上方に設けられた車体側縦壁の排水用の溝(21)とバンパフェイシャ(81)の上面(81u)とが交わる位置から、バックドア(1)の第1縦辺(PT1)の開閉回動軌跡を含む位置まで開けられていることを特徴とする手段とした。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のバックドア装置において、前記排水用の溝として、水抜き孔(81w)に流れ込む第1流路(21)と隣接してバンパフェイシャ(81)の表面に流れる第2流路(22)を形成し、
この第2流路(22)は、その断面積を第1流路(21)の断面積よりも大きく形成するとともに、この流路を流れる水や雪を、バンパフェイシャ(81)の表面においてバックドア(1)を全閉状態から開くときにバックドア(1)が離れる方向の相対移動となる部位(81y)へ導くよう形成したことを特徴とする手段とした。
【0010】
【発明の作用および効果】
本発明のバックドア装置にあっては、バックドア下部のヒンジ取付部近傍の外形形状を、第1縦辺と横辺と第2縦辺とが連続するクランク形状としたため、バックドアよりも内側のドア回転軸を中心に回動させたときに、後方から見てドア回転軸よりも外側に配置された第1縦辺は、車体と干渉することなくドア回転軸と車体との間を移動する。
それに対して、後方から見てドア回転軸よりも車体内側の第2縦辺は、車体と干渉することなく車体の外側を移動する。
このように、本発明では、バックドア表面に「えぐり」を設けることなく、車体と干渉しないようにできるものであり、見栄えを向上させることができる。
【0011】
また、車体の上方から排水用の溝を通って流れ落ちる水や雪は、バックドアの横辺に対向するバンパフェイシャの上面に導かれるが、この上面に溜まることなく水抜き孔から下方に排出される。
したがって、バックドアの横辺に対向するバンパフェイシャの上面に水や雪が凍って固まるということが無く、バックドアを開いたときに、このバンパフェイシャの上面の上方を通過する第1縦辺の部分は、上面に溜まって凍った水や雪の固まりと干渉することがない。
よって、バックドアの開度が十分に得られなかったり、バックドアの先端部が傷付いたりすることが無いという効果が得られる。
また、上記効果を得るにあたり車体側側壁の付け根部分に水抜き孔を開けているが、この水抜き穴は車体強度に寄与しないバンパフェイシャに設けているため、水抜き孔を開けることによる車体強度の低下はない。
さらに、水抜き孔は、バックドアの第1縦辺の回動軌跡を含む位置まで開けているため、仮に、水抜き孔の周辺に水が付着して凍ったとしても、この凍った固まりに当たるのはバックドアの第1縦辺の先端部分よりも内側となり、車外に現れる部分が傷付くことがない。
【0012】
請求項2に記載の発明は、車体の上部から排水用の溝を通って流れる殆どの水や雪は、大きな断面積の第2流路を流れることになり、第1流路における流量は少ない。
したがって、バックドアの横辺に対向するバンパフェイシャ上面に向かう流量が少なく、この上面に水や雪が溜まり、さらに凍って固まる可能性は、さらに低くなる。
また、第2流路を流れる水や雪は、バンパフェイシャの表面に流れるが、バンパフェイシャ表面においてこの第2流路により導かれる部位は、バックドアを開くときにバックドアが離れる方向の移動となる部位としている。
したがって、この部位に導かれた水や雪がバンパフェイシャ表面で凍って固まったとしても、バックドアを開く際に、バックドア下部はその部位に対して離れる方向に移動するため、この水や雪の固まりにバックドアの下端部が干渉することが無い。
よって、この場合も、バックドアが水や雪の固まりと干渉して、バックドアの開度が十分に得られなかったり、バックドアの下端部が傷付いたりするということが防止される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は実施の形態のバックドア装置を示す車両後方から見た正面図である。
このバックドア装置は、バックドア1が車体2に、アッパヒンジ3とロアヒンジ4との2つのヒンジにより、ドア回転軸RSを中心に水平方向に回動可能に支持されている。また、このバックドア1は、車両後方から見て中央部が低くなるように湾曲した形状に形成され、かつ、窓5とアウトサイドハンドル6とキーシリンダ7とが設けられている。
【0014】
また、前記車体2には、リアバンパ8が取り付けられている。このリアバンパ8は、例えば、P.Pなどの樹脂を素材として形成されたバンパフェイシャ81が車体2に着脱可能に取り付けられている。そして、このバンパフェイシャ81は、図示のように、前記バックドア1の下端と対向して車両中央部が低くなる湾曲形状に形成され、かつ、左右両端部には、上方に立ち上がった立ち上がり部81tが形成されている。
【0015】
さらに、前記バックドア1の下端部には、前記バンパフェイシャ81と同一の樹脂素材により形成されたフィニッシャ1fが取り付けられている。このフィニッシャ1fは、図7の断面図に示すように、前記バンパフェイシャ81と連続した外面を形成するように外方に膨らんで形成され、バックドア1の下端部にビス止めされている。また、フィニッシャ1fの上端面は、図1に示すように、前記バンパフェイシャ81の立ち上がり部81tの上面と同じ高さに一直線状に形成されている。すなわち、バンパフェイシャ81とフィニッシャ1fとで、1本のバンパが略水平方向に延在している外観形状となるように形成されている。
ここで、図7により説明を加えると、前記バンパフェイシャ81は、一般部において、後方下がりに僅かに傾斜した一般部上面81xと、この一般部上面81xの前端部から上方に立ち上がった起立片81yとを有した形状に形成されている。
また、前記バックドア1は、アウタパネル1bとインナパネル1cとを外周部で接合させて形成され、その下端部1kは、前記バンパフェイシャ81の起立片81yと前後方向で重なる位置まで延在されている。
また、前記車体2も、アウタパネル2bとインナパネル2cとを接合させて形成されている。さらに、前記起立片81yの上端よりも上方位置において両パネル2b,2cの接合部分に、バックドア1の内周に当接して車室内を車外とシールするウエザストリップ9が設けられている。
さらに、インナパネル2cの車室内側は樹脂製の室内トリム10により覆われており、バックドア1もインナパネル1cが樹脂製のドアトリム11により覆われている。
【0016】
次に、図1のS3−S3線による断面図である図3によりロアヒンジ4の取付部分について説明すると、車体2には、前記バックドア1の左右に配置されたピラー20が設けられている。このピラー20は、前記アウタパネル2bとインナパネル2cとの後端を、厚板のピラーバックアウタ2dで連結して上下に延びる箱状に形成されている。
また、前記ピラー20には、上方に設けられた排水用溝23に連続した、排水用の溝としての第1流路21と第2流路22とが形成されている。ここで、前記排水用溝23について説明を加えると、図1のS6−S6線による断面図である図6に示すように、車体2のルーフ24の後端部において下方に下がるように形成された段部にウエザストリップ25が取り付けられて前記排水用溝23が形成されている。この排水用溝23は、車幅方向に延在され、その左右両端部で前記ピラー20に形成された第1流路21と第2流路22の上端部に連通されている。さらに、第2流路22は、図3に示すように、第1流路21よりもその断面積が大きな形状に形成されている。加えて、第2流路22は、図2に示すように、その下端が、バンパフェイシャ81の立ち上がり部81tよりも車幅方向で車両中央側の位置に配置され、図7に示したウエザストリップ9によるシール位置よりも外側の位置においてバンパフェイシャ81の起立片81yから一般部上面81xに水を導くように形成されている。この起立片81yは、図7に示すように、バックドア1を全閉状態から開くときに、下端部1kが離れる方向に相対移動する位置関係となっている。
【0017】
ここでロアヒンジ4の部位の説明に戻ると、図3に示すように、このロアヒンジ4の位置において、バックドア1のアウタパネル1bと車体2のアウタパネル2bとは、連続的な外表面を形成するように形成されている。
そして、前記ロアヒンジ4はバックドア1にボルトにより固定されたドア側部材4bと、車体2のピラーバックアウタ2dにボルトにより固定された車体側部材4cとを備え、両者4b,4cは回転部4dにおいてドア回転軸RSを中心に略水平方向に回動可能に連結されている。また、前記ドア回転軸RSは、バックドア1および車体2の外表面の内側に配置されている。
【0018】
図1に戻り、前記バックドア1を後方から見て、その右下端部であるロアヒンジ4の近傍において、その外形形状が、車両後方から見て、ドア回転軸RSよりも車外側に配置された第1縦辺PT1と、この第1縦辺PT1に連続して、ロアヒンジ4の下方に配置された横辺PT2と、この横辺PT2に連続してドア回転軸RSよりも車体中心側に配置された第2縦辺PT3と、を有したクランク状に形成されている。
このようにバックドア1の外形形状をクランク形状に形成したため、バンパフェイシャ81よりも上方に位置する第1縦辺PT1の部位は、図3および図4に示すように、開閉の際の回動軌跡は車体2と干渉することなく、第1流路21の前方に形成されることになる。それに対して、車体2の一般部よりも車両後方に膨らんだバンパ8の部分にあっては、第3縦辺PT3を形成する部位の開閉の際の回動軌跡は、図5に示すように、バンパフェイシャ81と干渉することなくバンパフェイシャ81の外側に形成されることになる。
【0019】
また、前記横辺PT2の下方には、図2に示す、前記バンパフェイシャ81の立ち上がり部81tの上面81uが対向して配置され、また、前記第2縦辺PT3の車外側には、前記バンパフェイシャ81の立ち上がり部81tの側面81sが対向して配置されている。
前記バンパフェイシャ81の立ち上がり部81tの上面81uは、前記ピラー20に形成した第1流路21の下方に重なって設けられ、この上面81uには、水抜き孔81wが貫通して形成されている。
この水抜き孔81wは、図1のS4−S4線による断面図である図4に示すように、前記ピラー20の第1流路21と上面81uとが交わる位置から、バックドア1の第1縦辺PT1の開閉回動軌跡Rを含む位置まで開けている。
【0020】
次に、実施の形態の作用について説明する。
実施の形態のバックドア装置にあっては、バックドア1の下部のロアヒンジ4の取付部近傍の外形形状を、第1縦辺PT1と横辺PT2と第2縦辺PT3とが連続するクランク形状としたため、バックドア1よりも内側のドア回転軸RSを中心に回動させたときに、車両後方から見てドア回転軸RSよりも外側に配置された第1縦辺PT1は、図3に示すように車体2と干渉することなくドア回転軸RSと車体2との間を移動する。
それに対して、車両後方から見てドア回転軸RSよりも車体内側の第2縦辺PT3は、図5に示すように、車体2の一般部後端よりもさらに後方に突出したバンパフェイシャ81の立ち上がり部81tと干渉することなく、この立ち上がり部81tの外側を移動する。
このように、実施の形態のバックドア装置は、バックドア1の表面に「えぐり」を設けることなく、開閉の際に車体2と干渉しないようにできるものであり、見栄えを向上させることができる。
【0021】
また、車体2に降った雨や雪は、ルーフ24の後端の排水用溝23から、その左右に流れ、ピラー20に設けた排水用の溝としての第1流路21および第2流路22を通って流れ落ちる。
ここで、第1流路21を流れ落ちた水や雪は、バックドア1の横辺PT2に対向するバンパフェイシャ81の立ち上がり部81tの上面81uに導かれるが、この上面81uに溜まることなく水抜き孔81wから下方に排出される。
したがって、バックドア1の横辺PT2に対向するバンパフェイシャ81の上面81uに水や雪が凍って固まるということが無く、バックドア1を開いたときにこのバンパフェイシャ81の上面81uの上方を通過する第1縦辺PT1の部分は、上面81uに溜まって凍った水や雪の固まりと干渉することがない。
よって、バックドア1の開度が十分に得られなかったり、バックドア1の先端部が傷付いたりすることが無いという効果が得られる。
また、水抜き孔81wは、バックドア1の第1縦辺PT1の回動軌跡を含む位置まで開けているため、仮に、水抜き孔81wの周辺に水が付着して凍ったとしても、この凍ったか溜まりに当たるのはバックドア1の第1縦辺PT1の先端部分よりも内側となり、車外に現れる部分が傷付くことがない。
【0022】
さらに、上記効果を得るにあたり車体側に水抜き孔81wを開けているが、この水抜き孔81wは車体強度に寄与しないバンパフェイシャ81に設けているため、水抜き孔81wを開けることによる車体強度の低下はない。
加えて、水抜き孔81wは、上方の排水用溝23の断面積と同じ断面積に形成したため、第1流路21を流れる水は、上面81uにおいてオーバフローすることなく、効率良く排水できるものであり、水抜き孔81wの大きさを必要最小限の大きさとして、孔を開口することによる見栄えの悪化を抑えることができる。
【0023】
また、上述のように排水用溝23から流れ落ちる水や雪の殆どは、大きな断面積の第2流路22を流れることになり、第1流路21における流量は少ない。
したがって、バックドア1の横辺PT2に対向するバンパフェイシャ81の上面81uに向かう流量が少なく、この上面81uに水や雪が溜まり凍って固まる可能性は、さらに低くなる。
また、第2流路22を流れる水や雪は、まず、バンパフェイシャ81の起立片81yに導かれ、そこから一般部上面81xを伝って流れるが、バックドア1を開いたときに、バックドア1は起立片81yに対して前方に離れる動きとなる。また、一般部上面81xも、僅かに後方に下がって傾斜した形状となっているため、バックドア1の下端部1kは、この一般部上面81xに対して平行移動よりも僅かに離れる動きとなる。
したがって、第2流路22からバンパフェイシャ81の起立片81yおよび一般部上面81xに導かれた水や雪が、この部位で凍って固まったとしても、バックドア1を開く際に、バックドア1の下端部1kは、これらの部位に対して離れる方向に移動するため、この水や雪の固まりに干渉することが無い。
よって、この場合も、バックドア1が水や雪の固まりと干渉して、バックドア1の開度が十分に得られなかったり、バックドア1の下端部が傷付いたりするということが防止される。
【0024】
以上、図面により実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、実施の形態では、バックドア1の下端部の第2縦辺PT3の外側には、バンパフェイシャ81の立ち上がり部81tを配置させたが、この部分を構成する部材は、要は車体を構成するものであればよいものであり、バンパフェイシャに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態のバックドア装置を車両後方から見た正面図である。
【図2】実施の形態のバックドア装置におけるバンパフェイシャの要部を示す斜視図である。
【図3】実施の形態のバックドア装置の要部を示す(図1のS3−S3線による)断面図である。
【図4】実施の形態のバックドア装置の要部を示す(図1のS4−S4線による)断面図である。
【図5】実施の形態のバックドア装置の要部を示す(図1のS5−S5線による)断面図である。
【図6】実施の形態のバックドア装置の要部を示す(図1のS6−S6線による)断面図である。
【図7】実施の形態のバックドア装置の要部を示す(図1のS7−S7線による)断面図である。
【図8】従来技術を示す断面図である。
【符号の説明】
1 バックドア
1b アウタパネル
1c インナパネル
1f フィニッシャ
1k 下端部
2 車体
2b アウタパネル
2c インナパネル
2d ピラーバックアウタ
3 アッパヒンジ
4 ロアヒンジ
4b ドア側部材
4c 車体側部材
4d 回転部
5 窓
6 アウトサイドハンドル
7 キーシリンダ
8 リアバンパ
81 バンパフェイシャ
81x 一般部上面
81w水抜き孔
81u 上面
81s 側面
81t 立ち上がり部
81y 起立片
9 ウエザストリップ
10 室内トリム
11 ドアトリム
20 ピラー
21 第1流路(排水用の溝)
22 第2流路(排水用の溝)
23 排水用溝
24 ルーフ
25 ウエザストリップ
PT1 第1縦辺
PT2 横辺
PT3第2縦辺
R 開閉回動軌跡
RS ドア回転軸

Claims (2)

  1. バックドア(1)が車体側部に設けられたヒンジ部材(3,4)により横方向に開閉可動可能に支持され、
    前記ヒンジ部材(3,4)は、バックドア(1)を全閉状態としたときに、バックドア(1)および車体(2)の外表面よりも室内側に配置され、
    前記バックドア下部における、ヒンジ取付部近傍の車体後方から見た外形形状が、ドア回転軸(RS)よりも車外側に配置されて縦方向に延在された第1縦辺(PT1)と、この第1縦辺(PT1)に連続してヒンジ部材(4)の下方に配置されて横方向に延在された横辺(PT2)と、ドア回転軸(RS)よりも車体中心側に配置されて前記横辺(PT2)に連続して縦方向に延在された第2縦辺(PT3)と、を有したクランク状に形成され、
    前記横辺(PT2)の下方に対向して、車体パネルと着脱可能なバンパフェイシャ(81)の上面(81u)が設けられ、
    前記上面(81u)を貫通して水抜き孔(81w)が設けられ、
    この水抜き孔(81w)は、その上方に設けられた車体側縦壁の排水用の溝(21)とバンパフェイシャ(81)の上面(81u)とが交わる位置から、バックドア(1)の第1縦辺(PT1)の開閉回動軌跡を含む位置まで開けられていることを特徴とするバックドア装置。
  2. 請求項1に記載のバックドア装置において、
    前記排水用の溝として、水抜き孔(81w)に流れ込む第1流路(21)と隣接してバンパフェイシャ(81)の表面に流れる第2流路(22)を形成し、
    この第2流路(22)は、その断面積を第1流路(21)の断面積よりも大きく形成するとともに、この流路を流れる水や雪を、バンパフェイシャ(81)の表面においてバックドア(1)を全閉状態から開くときにバックドア(1)が離れる方向の相対移動となる部位(81y)へ導くよう形成したことを特徴とするバックドア装置。
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