JP3994646B2 - 手乾燥装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水洗い等で濡れた手を乾燥させるために、洗面所やトイレ・キッチン等で使用する手乾燥装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、水洗等によって濡れた手をタオルやハンカチを使用して拭く代わりに、送風された温風に手をかざすことによって、手を衛生的に乾燥する手乾燥装置が実用化されている。例えばヘヤドライヤとしても使用できるもの、あるいは紫外線による殺菌等の付加機能を備えているもの等が開発されている。これらは、誘導電動機によりシロッコタイプの羽根からなる送風手段を回転させて空気流を発生し、電気ヒータからなる加熱手段により空気流を加熱して、手挿入部に温風を吹き出すものであるが、基本的に濡れ手の水分を熱で蒸発乾燥させるため、乾燥完了までに約２０秒〜１分の時間を必要とし、使い勝手が悪い。
【０００３】
これを改善したものも開発されており、例えば、図６に示すように、高圧空気流発生装置６１から上吹出ノズル６２と下吹出ノズル６３を経て送風される空気流を、手の両面に同時に高速噴流として吹き付け、手挿入部３より挿入した手の水分を吹き飛ばして乾燥させるものである。冬季対策として、外付けの加熱装置６４も設けている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記従来例のように誘導電動機によりシロッコタイプの羽根からなる送風手段を回転させて空気流を発生し、電気ヒータからなる加熱手段により空気流を加熱して、手挿入部に温風を吹き出すものは一旦壁に取り付けると壁から外さない限り、メンテナンスが出来ない。高速噴流により水分を吹き飛ばす手乾燥装置は、フロントケース６５がはずれるものがあるが部分的にしか外れないために、結局全体を壁から外さないと高圧空気流発生装置６１の電動送風機などの電装部品を交換メンテナンスが出来ない。そこで本発明は上記問題点を解消し、壁から外さなくても電動送風機などの電装部品の交換メンテナンスをおこなう事が出来るようにすることを目的としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明は、本体外郭の略前部と両側面の一部を形成するフロントケースと裏面を形成する基板と、前記基板に固定されかつ本体の上面から濡れ手が挿入される開放凹部と、開放凹部に配されて電動送風機から送風された空気流を噴出する噴出孔と一部本体外郭の両側面を形成する乾燥室と、電動送風機の送風側と噴出孔を連通する空気室を備えたものであって、フロントケースの上部稜線を支点に前後方向に回転して脱着可能に乾燥室と嵌合構成した物である。
【０００６】
また、第２の構成としてフロントケースの上部稜線を支点に前後方向に回転して脱着可能に乾燥室と嵌合構成するとともに、フロントケース下部にドレンタンクが脱着収納される収納凹部を形成して、この収納凹部に係止部を設け、基板に前面から締結可能に構成したものである。
【０００７】
また、第３の構成として第２の構成にさらにフロントケースの中央部に基板を抱きかかえる係止部を設けた構成とした物である。
【０００８】
【発明の実施の形態】
本発明の構成によれば、フロントケースが本体外郭の略前部と両側面の一部を形成しているためフロントケースの上部稜線を支点に前後方向に回転して脱着可能に乾燥室と嵌合構成しているため、送風機や電装部品のメンテナンスをおこなう場合にフロントケースを外すだけで送風機や電装部品がほとんど露呈するのでのメンテナンスが非常に楽に行える。
【０００９】
第２の構成の場合はフロントケース下部にドレンタンクが脱着収納される収納凹部を形成して、この収納凹部に係止部を設け、基板に前面から締結可能に構成したものであるから、普段はフロントケースが外圧によって容易に外れることがない。しかも、送風機や電装部品のメンテナンスをおこなう場合は、ドレンタンクを外し、フロントケースの収納凹部に設けた係止部のネジを前面から外し、上部稜線を支点に本体前後方向に回転して外すだけで送風機や電装部品がほとんど露呈するのでのメンテナンスが非常に楽に行える。
【００１０】
第３の構成の場合はフロントケース上部と下部が非常に間隔が大きい場合に有効な手段で、フロントケース中央部の側面を前方に引っ張ると乾燥室との間に隙間が生じる場合がある。これは上部支点と下部係止部との間隔が広いために発生するが、本発明はフロントケースの中央部に基板を抱きかかえる係止部を設けているのでこのようなときでも、隙間が生じることがなく、ここからほこりなどを吸い込むことがない。
【００１１】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図１〜図５を参照して説明する。図１は本実施例の手乾燥装置の全体構成を概略して示す斜視図、図２はその縦断正面図、図３は図２のＡ−Ａ断面図、図４は着脱可能部品を分解して示す斜視図、図５はスリット状ノズルの外観形状を示す図である。
【００１２】
以下の説明では空気を循環させて手を乾燥する手乾燥装置の構成で説明する。
【００１３】
１は空気流を送風する電動送風機である。２は本体、３は手を乾燥する乾燥室４の上面が開放した開放凹部、乾燥室４の入口部（内面上方）４ａに電動送風機１が送風する空気流を噴出する噴出孔５を、また奥部（内面下方）４ｂに噴出孔５から噴出した空気流を回収する吸気口６を有している。
【００１４】
７は乾燥室４の下方には電動送風機１及び電動送風機１へ空気を供給する送風流路（電動送風機１の左側の流路）、８は吸気口６から電動送風機１へ空気を環流するための循環流路で、循環流路８は吸気口６から下へ延び、空気と水滴の両方を含んだ回収部８ａと、回収部８ａから電動送風機１への環流部８ｂと、送風流路７とにわかれ、回収部８ａからドレインタンク９へ水滴を回収するための水滴回収口１０が設けてある。
【００１５】
１１は電動送風機１を収納する電動送風機ケース１１で、内部は仕切り部１２により高圧部１３にあるファン１４と低圧部１５にあるモーター１６に分離してあり、送風流路７からファン１４の中心へ空気を吸引し、円周状に送風するようになっている。
【００１６】
そして、送風の一部空気流がファン１４の内部からモーター１６へ空気を逃がす構成にしてある。１７はファン吸気口吸音材、１８は電動送風機ケース１１の高圧部１３の内側に設けた吸音材、１９は電動送風機吹出し口、２０は電動送風機ケース１１の電動送風機吹出し口１９に設けたリブである。
【００１７】
次に図２および図３の断面図により電動送風機１から出たあとの空気の流れにそって構成を説明する。２１は空気室で前空気室２１ａと後空気室２１ｂがあり、互いに連通している。空気室２１は本体２内で左右幅ほぼ全体を占め、十分広い断面積（噴出孔５の約１０倍以上）を確保している。空気は電動送風機吹出し口１９から空気室吸入口２２に入る。電動送風機吹出し口１９と空気室吸入口２２はシール部材２３とリブ２０により漏れないように構成してある。空気室吸入口２２から入った空気は内部を通過し、送風口２４に設けたノズルユニット２５に行く。ノズルユニット２５は乾燥室４の上方に設けたノズルユニット開口部２６に挿入するようになっている。
【００１８】
前空気室２１ａにはスリット状ノズル２７、後空気室２１ｂには丸孔ノズル２８が対応している。なお、スリット状ノズル２７は使用者側に位置するようにしてあり、手の平に対応させ、丸孔ノズル２８は奥側で手の甲に当たるように構成してある。
【００１９】
図４は各主要部品を分解した概略図で、この図を元に構成を説明する。
【００２０】
ドレンタンク９の上に装着した循環流が通過するための流路をドレインタンク９の中に設けてある中箱体２９で構成してある（循環流路の具体的構成）。
【００２１】
中箱体２９の電動送風機１側へ入る部分にはフィルター３０を設けてある。２９ａはドレンタンク９へ水滴を落とすためのドレン用開口部である。ドレンタンク９は本体２から着脱可能で、なおかつ中箱体２９、フィルター３０の各々は分離可能である。
【００２２】
次に、乾燥室４は、略断面Ｕ字形状に一体成形してあり、その側面開放部には２枚の側板３１が設けてある。側板３１は下側に固定用フランジ３２があり、凹部３３のところで乾燥室４の奥部４ｂにビス締めしてある。また、側板上部付近では浮き上がり防止部３４によりノズルユニット２６の入角部３５に引っかかるようになっている。
【００２３】
３６は側板３１上部に設けた飛び散り防止部３６で内側に出っ張りを設けてある。側板３１は採光のできる光透過体（半透明、スケルトンなども含む）で構成してあり、外側はシボ加工してある。そして、形状として緩やかに外側に丸みを帯びさせてある。これら側板３１は、乾燥室４の前後面に設けた溝等に沿って挿入・離脱ができ、乾燥室４より着脱することも可能である。
【００２４】
３７はセンサ（手検知手段）で、発光部３８と受光部３９と制御手段４０へ行く信号線４１とで構成してある。４２はセンサカバーである。
【００２５】
４３は表示部で、ここでは三角形をした電源ランプとして記載してある。表示部４３は操作状態を表示するものでもかまわない。
【００２６】
４４は電源ＳＷで防水カバー４５で覆われ、フロントケース４６の側部４７に設けてある。フロントケース４６は上部４８、側部４７を有し、前部４９と上部４８と側部４７との間は曲面になっており、前から見た場合、中の部材等との固定するビスなどは見えない構成となっている。フロントケース４６の上部４８と側部４７の一部は乾燥室４と勘合するようになっており、内部で固定するための突き出し部５０を設けてある。また、フロントケース４６は上部稜線５５を支点に前後方向に回転して脱着可能に乾燥室４と嵌合構成するとともに、フロントケース４６下部にドレンタンク９が脱着収納される収納凹部５６を形成して、この収納凹部５６に係止部５２ａを設け、基板５１に前方からねじで締結可能に構成してある。
【００２７】
また、さらにフロントケース４６中央部の側部４７に基板５１を抱きかかえる係止部５２ｂを設けてある。
【００２８】
なお、本体２は置き台（図示せず）に載せて運転させることも可能であり、その場合、ドレンタンク９は取り外しできるようになっている。
【００２９】
また、外観として構成されるフロントケース４６、乾燥室４、ドレンタンク９、側板３１、センサカバー４２、さらにフィルター３０、中箱体２９はポリプロピレン樹脂で成形してある。
【００３０】
次に上記構成の動作について説明する。
【００３１】
手が開放凹部３より乾燥室４内に挿入されると、センサ３７が手を検出して電動送風機１を駆動する。すると吸気口６から吸い込まれた空気流は循環流路８（８ａ、８ｂ）及び送風流路７を通り電動送風機１の高圧部１３に吸い込まれ、ファン１４の中心からファンのはねを通り円周状に空気を吐き出す。なお、電動送風機ケース１１のファン１４の吸込み部分は負圧になるため、ファン吸気口吸音材１７を介して電動送風機ケース１１に吸い付くようになり、高圧部１３から空気流が漏れることはない。
【００３２】
一方、ファン１４からモーター１６へは一部の空気が低圧部１５にあるモーター１６へ流れ、モーター１６の冷却を行う。冷却用に使用された空気は電動送風機ケース１１の下側又は後側へ放出され、本体２外へ出て行く。
【００３３】
電動送風機ケース１１内にある吸音材１８は高圧部の内周にファンと対向するように貼られてある。従って、電動送風機ケース１１内で高速に回転しているファンからでる音はここで相当程度吸収される。
【００３４】
電動送風機１から出た空気は空気室２１の両前空気室２１ａ、後空気室２１ｂを通って噴出孔５があるノズルユニット２６に導かれる。前空気室２１ａ、後空気室２１ｂでは、上述のように噴出孔５に比べて断面積が十分広く確保されているため、ほぼ均等な圧縮状態となり、噴出孔５から安定した高速噴流を噴出することができる。噴出孔５は、手の平と手の甲の両面同時に噴流を吹き付けるよう対峙して設けられており、その噴出方向を、乾燥室４の奥方向、すなわち図では下方向（挿入された手の指の方向：手は図示せず）にわずか（５〜１０゜）に傾けている。前空気室２１ａからはスリット状ノズル２７にて、後空気室２１ｂからは丸孔ノズル２８にて、それぞれ手の平と、手の甲に当たる。
手の平は水滴を付けた時両手でこすって洗うため、たくさんの水が付着している。一方手の甲は多くの水は付着していないが、手のしわなどに水滴が付着している。
【００３５】
従って、手の平にはスリット状ノズルから多くの空気を噴射し、手の甲には丸孔ノズルにてスポット的に手のしわの部分の水滴を吹き飛ばすようにしてある。
【００３６】
ここで手の平にあたるように構成したスリット状ノズルの面積は丸孔ノズルの２倍以上の面積にしている。そのため多くの空気流が手の平にあたる。但し、スリット状ノズルの面積は丸孔ノズルの１０倍以下の面積にしないと、丸孔ノズルからの噴射する空気が少なすぎて手の甲の乾燥が十分にできない。
【００３７】
また、スリット状ノズルの長手方向の中心位置１０mm〜５０mmの間を閉塞して、両手の間には無駄な空気を噴出させずに、手の部分のみに空気を噴出するようにしてある。
【００３８】
このことにより真中の一番風量が多くなるところを出ない状態にしているため、両ノズルから出てきた空気流がぶつかって出るうなり音を防止することができる。
【００３９】
その後、空気流は吸気口６に吸い込まれる。その空気流は循環流路８を通って電動送風機１を経て噴出側風路１２から再び空気流として送風される。この送風された空気流は、電動送風機１を繰り返し通過することと、空気室２１で繰り返し圧縮されることにより昇温され、別途加熱手段を設けなくても温かい風を噴出孔５から供給することができる。
【００４０】
一方、図２に示すように、空気流とともに吸気口６に吸入された水滴は、循環流路８の回収部８ａで空気流にのって下方に加速し、環流部８ｂへの屈曲位置において、慣性により水滴回収口１０の位置に落下分離され、ドレンタンク９に回収される。フィルター３０は主に電動送風機１に塵埃が流入するのを防いでいる。
【００４１】
清掃時は電源スイッチ４４を一旦ＯＦＦにして清掃を行うが、側板３１、ドレンタンク９、中箱体２９、フィルター３０の全てあるいはいずれかを、本体２から取り外して分離し、流水にさらして物理力を与えながら洗浄することができる。清掃終了後は取り外した上記部品を再び本体２に装着し、電源スイッチ４４をＯＮにする。
【００４２】
メンテナンス時にはフロントケース４６の上部稜線５５を支点に前後方向に回転して外す構成としているため、電動送風機１など電装部品のメンテナンスをおこなう場合に、フロントケース４６の収納凹部５６に設けた係止部５２ａのネジを前面から外すだけで部品がほとんど露呈するのでの部品の交換メンテナンスが非常に楽に行える。
【００４３】
また、フロントケース４６の上部と下部が非常に間隔が大きい場合に、中央部の側面４７を前方に引っ張ると乾燥室４との間に隙間が生じる場合があるがフロントケース４６の中央部の側面４７に基板５１を抱きかかえる係止部５２ｂを設けているのでこのようなときでも容易に隙間が生じることがない。
【００４４】
フロントケース４６、乾燥室４、ドレンタンク９、側板３１、センサカバー４２、さらにフィルター３０、中箱体２９はポリプロピレン樹脂で成形してあるため、耐薬品性があり、トイレで使用しても割れにくい。また、耐候性もあり、変色しないという効果がある。
【００４５】
【発明の効果】
上述のように本実施形態によれば、フロントケースが本体外郭の略前部と両側面の一部を形成しているためフロントケースの上部を支点に前後方向に回転して脱着可能に乾燥室と嵌合構成し手いるため、送風機や電装部品のメンテナンスをおこなう場合にフロントケースを外すだけで電動送風機などの電装部品が露呈するので部品の交換メンテナンスが非常に楽に行える。
【００４６】
また、フロントケース下部にドレンタンクが脱着収納される収納凹部を形成して、この収納凹部に係止部を設け、基板に前面から締結可能に構成したものであるから、普段はフロントケースが外圧によって容易に外れることがない。しかし、送風機や電装部品のメンテナンスをおこなう場合は、ドレンタンクを外し、フロントケースの凹部の奥に設けた係止部のネジを前面から外すだけで電動送風機などの電装部品が露呈するのでの部品の交換メンテナンスが非常に楽に行える。
【００４７】
また、フロントケース上部と下部が非常に間隔が大きい場合にフロントケースの中央部の側面を前方に引っ張ると乾燥室との間に隙間が生じる場合があるがフロントケースの中央部の側面に基板を抱きかかえる係止部を設けているのでこのようなときでも容易に隙間が生じることがなく、そこからほこりなどを吸い込むこともないなど数多くの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態の手乾燥装置の全体構成を示す斜視図
【図２】同実施形態を示す縦断正面図
【図３】図２のＡ−Ａ断面図
【図４】同実施形態における着脱可能部品を分解して示す斜視図
【図５】同実施形態におけるスリット状ノズルの外観図
【図６】従来の手乾燥装置の構成を示す縦断側面図
【符号の説明】
１ 電動送風機
２ 本体
３ 開放凹部
４ 乾燥室
５ 噴出孔
６ 吸気口
７ 送風流路
８ 循環流路
９ ドレンタンク
１２ 空気室
４６ フロントケース
５１ 基板
５２ａ、５２ｂ 係止部
５５ 上部稜線
５６ 収納凹部
５７ ドレン穴
【発明の属する技術分野】
本発明は、水洗い等で濡れた手を乾燥させるために、洗面所やトイレ・キッチン等で使用する手乾燥装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、水洗等によって濡れた手をタオルやハンカチを使用して拭く代わりに、送風された温風に手をかざすことによって、手を衛生的に乾燥する手乾燥装置が実用化されている。例えばヘヤドライヤとしても使用できるもの、あるいは紫外線による殺菌等の付加機能を備えているもの等が開発されている。これらは、誘導電動機によりシロッコタイプの羽根からなる送風手段を回転させて空気流を発生し、電気ヒータからなる加熱手段により空気流を加熱して、手挿入部に温風を吹き出すものであるが、基本的に濡れ手の水分を熱で蒸発乾燥させるため、乾燥完了までに約２０秒〜１分の時間を必要とし、使い勝手が悪い。
【０００３】
これを改善したものも開発されており、例えば、図６に示すように、高圧空気流発生装置６１から上吹出ノズル６２と下吹出ノズル６３を経て送風される空気流を、手の両面に同時に高速噴流として吹き付け、手挿入部３より挿入した手の水分を吹き飛ばして乾燥させるものである。冬季対策として、外付けの加熱装置６４も設けている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記従来例のように誘導電動機によりシロッコタイプの羽根からなる送風手段を回転させて空気流を発生し、電気ヒータからなる加熱手段により空気流を加熱して、手挿入部に温風を吹き出すものは一旦壁に取り付けると壁から外さない限り、メンテナンスが出来ない。高速噴流により水分を吹き飛ばす手乾燥装置は、フロントケース６５がはずれるものがあるが部分的にしか外れないために、結局全体を壁から外さないと高圧空気流発生装置６１の電動送風機などの電装部品を交換メンテナンスが出来ない。そこで本発明は上記問題点を解消し、壁から外さなくても電動送風機などの電装部品の交換メンテナンスをおこなう事が出来るようにすることを目的としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明は、本体外郭の略前部と両側面の一部を形成するフロントケースと裏面を形成する基板と、前記基板に固定されかつ本体の上面から濡れ手が挿入される開放凹部と、開放凹部に配されて電動送風機から送風された空気流を噴出する噴出孔と一部本体外郭の両側面を形成する乾燥室と、電動送風機の送風側と噴出孔を連通する空気室を備えたものであって、フロントケースの上部稜線を支点に前後方向に回転して脱着可能に乾燥室と嵌合構成した物である。
【０００６】
また、第２の構成としてフロントケースの上部稜線を支点に前後方向に回転して脱着可能に乾燥室と嵌合構成するとともに、フロントケース下部にドレンタンクが脱着収納される収納凹部を形成して、この収納凹部に係止部を設け、基板に前面から締結可能に構成したものである。
【０００７】
また、第３の構成として第２の構成にさらにフロントケースの中央部に基板を抱きかかえる係止部を設けた構成とした物である。
【０００８】
【発明の実施の形態】
本発明の構成によれば、フロントケースが本体外郭の略前部と両側面の一部を形成しているためフロントケースの上部稜線を支点に前後方向に回転して脱着可能に乾燥室と嵌合構成しているため、送風機や電装部品のメンテナンスをおこなう場合にフロントケースを外すだけで送風機や電装部品がほとんど露呈するのでのメンテナンスが非常に楽に行える。
【０００９】
第２の構成の場合はフロントケース下部にドレンタンクが脱着収納される収納凹部を形成して、この収納凹部に係止部を設け、基板に前面から締結可能に構成したものであるから、普段はフロントケースが外圧によって容易に外れることがない。しかも、送風機や電装部品のメンテナンスをおこなう場合は、ドレンタンクを外し、フロントケースの収納凹部に設けた係止部のネジを前面から外し、上部稜線を支点に本体前後方向に回転して外すだけで送風機や電装部品がほとんど露呈するのでのメンテナンスが非常に楽に行える。
【００１０】
第３の構成の場合はフロントケース上部と下部が非常に間隔が大きい場合に有効な手段で、フロントケース中央部の側面を前方に引っ張ると乾燥室との間に隙間が生じる場合がある。これは上部支点と下部係止部との間隔が広いために発生するが、本発明はフロントケースの中央部に基板を抱きかかえる係止部を設けているのでこのようなときでも、隙間が生じることがなく、ここからほこりなどを吸い込むことがない。
【００１１】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図１〜図５を参照して説明する。図１は本実施例の手乾燥装置の全体構成を概略して示す斜視図、図２はその縦断正面図、図３は図２のＡ−Ａ断面図、図４は着脱可能部品を分解して示す斜視図、図５はスリット状ノズルの外観形状を示す図である。
【００１２】
以下の説明では空気を循環させて手を乾燥する手乾燥装置の構成で説明する。
【００１３】
１は空気流を送風する電動送風機である。２は本体、３は手を乾燥する乾燥室４の上面が開放した開放凹部、乾燥室４の入口部（内面上方）４ａに電動送風機１が送風する空気流を噴出する噴出孔５を、また奥部（内面下方）４ｂに噴出孔５から噴出した空気流を回収する吸気口６を有している。
【００１４】
７は乾燥室４の下方には電動送風機１及び電動送風機１へ空気を供給する送風流路（電動送風機１の左側の流路）、８は吸気口６から電動送風機１へ空気を環流するための循環流路で、循環流路８は吸気口６から下へ延び、空気と水滴の両方を含んだ回収部８ａと、回収部８ａから電動送風機１への環流部８ｂと、送風流路７とにわかれ、回収部８ａからドレインタンク９へ水滴を回収するための水滴回収口１０が設けてある。
【００１５】
１１は電動送風機１を収納する電動送風機ケース１１で、内部は仕切り部１２により高圧部１３にあるファン１４と低圧部１５にあるモーター１６に分離してあり、送風流路７からファン１４の中心へ空気を吸引し、円周状に送風するようになっている。
【００１６】
そして、送風の一部空気流がファン１４の内部からモーター１６へ空気を逃がす構成にしてある。１７はファン吸気口吸音材、１８は電動送風機ケース１１の高圧部１３の内側に設けた吸音材、１９は電動送風機吹出し口、２０は電動送風機ケース１１の電動送風機吹出し口１９に設けたリブである。
【００１７】
次に図２および図３の断面図により電動送風機１から出たあとの空気の流れにそって構成を説明する。２１は空気室で前空気室２１ａと後空気室２１ｂがあり、互いに連通している。空気室２１は本体２内で左右幅ほぼ全体を占め、十分広い断面積（噴出孔５の約１０倍以上）を確保している。空気は電動送風機吹出し口１９から空気室吸入口２２に入る。電動送風機吹出し口１９と空気室吸入口２２はシール部材２３とリブ２０により漏れないように構成してある。空気室吸入口２２から入った空気は内部を通過し、送風口２４に設けたノズルユニット２５に行く。ノズルユニット２５は乾燥室４の上方に設けたノズルユニット開口部２６に挿入するようになっている。
【００１８】
前空気室２１ａにはスリット状ノズル２７、後空気室２１ｂには丸孔ノズル２８が対応している。なお、スリット状ノズル２７は使用者側に位置するようにしてあり、手の平に対応させ、丸孔ノズル２８は奥側で手の甲に当たるように構成してある。
【００１９】
図４は各主要部品を分解した概略図で、この図を元に構成を説明する。
【００２０】
ドレンタンク９の上に装着した循環流が通過するための流路をドレインタンク９の中に設けてある中箱体２９で構成してある（循環流路の具体的構成）。
【００２１】
中箱体２９の電動送風機１側へ入る部分にはフィルター３０を設けてある。２９ａはドレンタンク９へ水滴を落とすためのドレン用開口部である。ドレンタンク９は本体２から着脱可能で、なおかつ中箱体２９、フィルター３０の各々は分離可能である。
【００２２】
次に、乾燥室４は、略断面Ｕ字形状に一体成形してあり、その側面開放部には２枚の側板３１が設けてある。側板３１は下側に固定用フランジ３２があり、凹部３３のところで乾燥室４の奥部４ｂにビス締めしてある。また、側板上部付近では浮き上がり防止部３４によりノズルユニット２６の入角部３５に引っかかるようになっている。
【００２３】
３６は側板３１上部に設けた飛び散り防止部３６で内側に出っ張りを設けてある。側板３１は採光のできる光透過体（半透明、スケルトンなども含む）で構成してあり、外側はシボ加工してある。そして、形状として緩やかに外側に丸みを帯びさせてある。これら側板３１は、乾燥室４の前後面に設けた溝等に沿って挿入・離脱ができ、乾燥室４より着脱することも可能である。
【００２４】
３７はセンサ（手検知手段）で、発光部３８と受光部３９と制御手段４０へ行く信号線４１とで構成してある。４２はセンサカバーである。
【００２５】
４３は表示部で、ここでは三角形をした電源ランプとして記載してある。表示部４３は操作状態を表示するものでもかまわない。
【００２６】
４４は電源ＳＷで防水カバー４５で覆われ、フロントケース４６の側部４７に設けてある。フロントケース４６は上部４８、側部４７を有し、前部４９と上部４８と側部４７との間は曲面になっており、前から見た場合、中の部材等との固定するビスなどは見えない構成となっている。フロントケース４６の上部４８と側部４７の一部は乾燥室４と勘合するようになっており、内部で固定するための突き出し部５０を設けてある。また、フロントケース４６は上部稜線５５を支点に前後方向に回転して脱着可能に乾燥室４と嵌合構成するとともに、フロントケース４６下部にドレンタンク９が脱着収納される収納凹部５６を形成して、この収納凹部５６に係止部５２ａを設け、基板５１に前方からねじで締結可能に構成してある。
【００２７】
また、さらにフロントケース４６中央部の側部４７に基板５１を抱きかかえる係止部５２ｂを設けてある。
【００２８】
なお、本体２は置き台（図示せず）に載せて運転させることも可能であり、その場合、ドレンタンク９は取り外しできるようになっている。
【００２９】
また、外観として構成されるフロントケース４６、乾燥室４、ドレンタンク９、側板３１、センサカバー４２、さらにフィルター３０、中箱体２９はポリプロピレン樹脂で成形してある。
【００３０】
次に上記構成の動作について説明する。
【００３１】
手が開放凹部３より乾燥室４内に挿入されると、センサ３７が手を検出して電動送風機１を駆動する。すると吸気口６から吸い込まれた空気流は循環流路８（８ａ、８ｂ）及び送風流路７を通り電動送風機１の高圧部１３に吸い込まれ、ファン１４の中心からファンのはねを通り円周状に空気を吐き出す。なお、電動送風機ケース１１のファン１４の吸込み部分は負圧になるため、ファン吸気口吸音材１７を介して電動送風機ケース１１に吸い付くようになり、高圧部１３から空気流が漏れることはない。
【００３２】
一方、ファン１４からモーター１６へは一部の空気が低圧部１５にあるモーター１６へ流れ、モーター１６の冷却を行う。冷却用に使用された空気は電動送風機ケース１１の下側又は後側へ放出され、本体２外へ出て行く。
【００３３】
電動送風機ケース１１内にある吸音材１８は高圧部の内周にファンと対向するように貼られてある。従って、電動送風機ケース１１内で高速に回転しているファンからでる音はここで相当程度吸収される。
【００３４】
電動送風機１から出た空気は空気室２１の両前空気室２１ａ、後空気室２１ｂを通って噴出孔５があるノズルユニット２６に導かれる。前空気室２１ａ、後空気室２１ｂでは、上述のように噴出孔５に比べて断面積が十分広く確保されているため、ほぼ均等な圧縮状態となり、噴出孔５から安定した高速噴流を噴出することができる。噴出孔５は、手の平と手の甲の両面同時に噴流を吹き付けるよう対峙して設けられており、その噴出方向を、乾燥室４の奥方向、すなわち図では下方向（挿入された手の指の方向：手は図示せず）にわずか（５〜１０゜）に傾けている。前空気室２１ａからはスリット状ノズル２７にて、後空気室２１ｂからは丸孔ノズル２８にて、それぞれ手の平と、手の甲に当たる。
手の平は水滴を付けた時両手でこすって洗うため、たくさんの水が付着している。一方手の甲は多くの水は付着していないが、手のしわなどに水滴が付着している。
【００３５】
従って、手の平にはスリット状ノズルから多くの空気を噴射し、手の甲には丸孔ノズルにてスポット的に手のしわの部分の水滴を吹き飛ばすようにしてある。
【００３６】
ここで手の平にあたるように構成したスリット状ノズルの面積は丸孔ノズルの２倍以上の面積にしている。そのため多くの空気流が手の平にあたる。但し、スリット状ノズルの面積は丸孔ノズルの１０倍以下の面積にしないと、丸孔ノズルからの噴射する空気が少なすぎて手の甲の乾燥が十分にできない。
【００３７】
また、スリット状ノズルの長手方向の中心位置１０mm〜５０mmの間を閉塞して、両手の間には無駄な空気を噴出させずに、手の部分のみに空気を噴出するようにしてある。
【００３８】
このことにより真中の一番風量が多くなるところを出ない状態にしているため、両ノズルから出てきた空気流がぶつかって出るうなり音を防止することができる。
【００３９】
その後、空気流は吸気口６に吸い込まれる。その空気流は循環流路８を通って電動送風機１を経て噴出側風路１２から再び空気流として送風される。この送風された空気流は、電動送風機１を繰り返し通過することと、空気室２１で繰り返し圧縮されることにより昇温され、別途加熱手段を設けなくても温かい風を噴出孔５から供給することができる。
【００４０】
一方、図２に示すように、空気流とともに吸気口６に吸入された水滴は、循環流路８の回収部８ａで空気流にのって下方に加速し、環流部８ｂへの屈曲位置において、慣性により水滴回収口１０の位置に落下分離され、ドレンタンク９に回収される。フィルター３０は主に電動送風機１に塵埃が流入するのを防いでいる。
【００４１】
清掃時は電源スイッチ４４を一旦ＯＦＦにして清掃を行うが、側板３１、ドレンタンク９、中箱体２９、フィルター３０の全てあるいはいずれかを、本体２から取り外して分離し、流水にさらして物理力を与えながら洗浄することができる。清掃終了後は取り外した上記部品を再び本体２に装着し、電源スイッチ４４をＯＮにする。
【００４２】
メンテナンス時にはフロントケース４６の上部稜線５５を支点に前後方向に回転して外す構成としているため、電動送風機１など電装部品のメンテナンスをおこなう場合に、フロントケース４６の収納凹部５６に設けた係止部５２ａのネジを前面から外すだけで部品がほとんど露呈するのでの部品の交換メンテナンスが非常に楽に行える。
【００４３】
また、フロントケース４６の上部と下部が非常に間隔が大きい場合に、中央部の側面４７を前方に引っ張ると乾燥室４との間に隙間が生じる場合があるがフロントケース４６の中央部の側面４７に基板５１を抱きかかえる係止部５２ｂを設けているのでこのようなときでも容易に隙間が生じることがない。
【００４４】
フロントケース４６、乾燥室４、ドレンタンク９、側板３１、センサカバー４２、さらにフィルター３０、中箱体２９はポリプロピレン樹脂で成形してあるため、耐薬品性があり、トイレで使用しても割れにくい。また、耐候性もあり、変色しないという効果がある。
【００４５】
【発明の効果】
上述のように本実施形態によれば、フロントケースが本体外郭の略前部と両側面の一部を形成しているためフロントケースの上部を支点に前後方向に回転して脱着可能に乾燥室と嵌合構成し手いるため、送風機や電装部品のメンテナンスをおこなう場合にフロントケースを外すだけで電動送風機などの電装部品が露呈するので部品の交換メンテナンスが非常に楽に行える。
【００４６】
また、フロントケース下部にドレンタンクが脱着収納される収納凹部を形成して、この収納凹部に係止部を設け、基板に前面から締結可能に構成したものであるから、普段はフロントケースが外圧によって容易に外れることがない。しかし、送風機や電装部品のメンテナンスをおこなう場合は、ドレンタンクを外し、フロントケースの凹部の奥に設けた係止部のネジを前面から外すだけで電動送風機などの電装部品が露呈するのでの部品の交換メンテナンスが非常に楽に行える。
【００４７】
また、フロントケース上部と下部が非常に間隔が大きい場合にフロントケースの中央部の側面を前方に引っ張ると乾燥室との間に隙間が生じる場合があるがフロントケースの中央部の側面に基板を抱きかかえる係止部を設けているのでこのようなときでも容易に隙間が生じることがなく、そこからほこりなどを吸い込むこともないなど数多くの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態の手乾燥装置の全体構成を示す斜視図
【図２】同実施形態を示す縦断正面図
【図３】図２のＡ−Ａ断面図
【図４】同実施形態における着脱可能部品を分解して示す斜視図
【図５】同実施形態におけるスリット状ノズルの外観図
【図６】従来の手乾燥装置の構成を示す縦断側面図
【符号の説明】
１ 電動送風機
２ 本体
３ 開放凹部
４ 乾燥室
５ 噴出孔
６ 吸気口
７ 送風流路
８ 循環流路
９ ドレンタンク
１２ 空気室
４６ フロントケース
５１ 基板
５２ａ、５２ｂ 係止部
５５ 上部稜線
５６ 収納凹部
５７ ドレン穴
Claims (3)
- 本体外郭の略前部と両側面の一部を形成するフロントケースと裏面を形成する基板と、前記基板に固定されかつ本体の上面から濡れ手が挿入される開放凹部と、前記開放凹部に配されて電動送風機から送風された空気流を前記濡れ手に向け噴出する噴出孔と一部本体外郭の両側面を形成してなる乾燥室と、前記電動送風機の送風側と前記噴出孔を連通する空気室を備え、前記フロントケースは上部稜線を支点に前後方向に回転して脱着可能に前記乾燥室と嵌合構成したことを特徴とする手乾燥装置。
- 本体外郭の略前部と両側面の一部を形成するフロントケースと裏面を形成する基板と、前記基板に固定されかつ本体の上面から濡れ手が挿入される開放凹部と、前記開放凹部に配されて電動送風機から送風された空気流を前記濡れ手に向け噴出する噴出孔と排水を導くドレン穴と一部本体外郭の両側面を形成する乾燥室と、前記電動送風機の送風側と前記噴出孔を連通する空気室を備え、前記フロントケースは上部稜線を支点に前後方向に回転して脱着可能に乾燥室と嵌合構成するとともに、フロントケース下部に排出される水滴を回収するドレンタンクが脱着収納される収納凹部を形成すると共に前記収納凹部に前記基板に前面から締結可能な係止部を設けたことを特徴とする手乾燥装置。
- 本体外郭の略前部と両側面の一部を形成するフロントケースと裏面を形成する基板と、前記基板に固定されかつ本体の上面から濡れ手が挿入される開放凹部と、前記開放凹部に配されて電動送風機から送風された空気流を噴出する噴出孔と排水を導くドレン穴と一部本体外郭の両側面を形成する乾燥室と、前記電動送風機の送風側と前記噴出孔を連通する空気室を備え、前記フロントケースはポリプロピレン樹脂で成形し上部稜線を支点に前後方向に回転して脱着可能に乾燥室と嵌合構成するとともに、フロントケース下部に排出される水滴を回収するドレンタンクが脱着収納される収納凹部を形成すると共に前記収納凹部に前記基板に前面から締結可能な係止部を、フロントケース中央部に前記基板を抱きかかえる係止部を設けたことを特徴とする手乾燥装置。
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