JP3993986B2 - 入力装置および情報処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マウスと同様な入力機能を有した入力装置、および、この入力装置を備えた情報処理装置に関する。特に、入力装置を折りたたみ可能にして、その収納性、携帯性を向上する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、デスクトップ型のパーソナル・コンピュータの補助入力手段としてマウスが用いられる。通常マウスは、なだらかな曲線で構成された半卵型形状を有し、掌で包み込むことができる程度の寸法となっている。GUI(graphical user interface)を取り入れたパーソナル・コンピュータの操作は、ほとんどの操作をマウスで行えるようになっている。
【0003】
一方、ノート型のパーソナル・コンピュータでは、マウスを用いずにマウスを用いた場合と同様な操作が行えるポインティングデバイスが用いられる。たとえば、コンピュータ本体にパッド部を備え、このパッド部を指でなぞることにより矢印等のポインタを移動し、パッド部の近辺に配置したボタンをクリックすることによりあるいはパッドをダブルクリックすることにより選択その他の操作を行う。また、キーボードの配列内に突起を設け、この突起に力を加えることにより力の印加方向にポインタが移動するように構成したものもある。これらポインティングデバイスによってノート型パーソナル・コンピュータへの収納性を高め、マウスをシステムと一緒に持ち運ぶ面倒さからユーザを解放する。
【0004】
しかし、これらのポインティングデバイスの機能は、マウスの使いやすさには及ばないため、ノート型コンピュータでもマウスを使いたいと望むユーザが存在する。ノート型コンピュータと共にマウスを利用するにはマウスの可搬性を高める必要がある。マウスを持ち運ぶことの面倒を解決するアイデアとして、たとえば特開平09−244805号公報あるいは特開2000−105631号公報に記載の技術、すなわち、ノート型パーソナル・コンピュータの筐体の一部にマウスを組み込んで収納できるようにした構造が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記公報に記載の技術は、利用されるマウス自体は従来構造のマウスであり、ノート型コンピュータシステムの内部に収納できるような構成にはなっていない。このためノート型コンピュータとは別にマウスを持ち運ぶ必要がある。一方、従来型のマウスを小型化および薄型化が進んでいるノート型のパーソナル・コンピュータに収納するには、そのスペースを確保することが困難である。
【0006】
本発明の目的は、従来のマウスと同様な機能を有し、持ち運ぶことの面倒がなく、あるいは低減され、さらに操作性の高い入力装置を提供することにある。また本発明の他の目的は、そのような入力装置を備えた情報処理装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願の発明の概略を説明すれば、以下の通りである。すなわち、本発明の入力装置は、位置の変位を検出するセンサーと、前記センサーを備えた平板状の本体と、前記本体にその一端が軸支された指支持部材とを有し、前記指支持部材を折りたたむことで平板形状になることを特徴とする。この場合、前記本体にその一端が軸支された開閉部材と、前記開閉部材に備えられたスイッチとをさらに有し、前記指支持部材と前記開閉部材とを折りたたむことで、平板形状になる構成とすることができる。さらにこの場合、前記開閉部材が2つ備えられ、前記指支持部材を2本の指の間に挟んだ状態において、前記開閉部材のそれぞれのスイッチを操作することが可能とすることができる。あるいは前記開閉部材が複数配置され、前記複数の開閉部材は入力操作を行う指に対応して配置することができる。
【0008】
また、本発明の入力装置は、前記本体にスイッチが設けられ、前記本体と開いた状態の前記指支持部材との間に指先を挟み込み、前記スイッチの操作が行われるように構成できる。この場合、前記指支持部材が単一であり、前記指先が前記指支持部材の軸支方向にほぼ垂直に挿入される第1の構成、または前記指支持部材が複数設けられ、前記指先が前記指支持部材の軸支方向にほぼ平行に挿入される第2の構成、の何れかの構成を採用できる。
【0009】
なお、前記入力装置において、前記指支持部材および開閉部材を折りたたんだ状態で、ICカードスロット等の情報処理装置の空きスペースに収納可能とすることができる。
【0010】
このような入力装置によれば、平板状の本体と引き起こされた指支持部とによって指が立体的に束縛されるので、入力装置を移動させている最中に指が滑ってしまうことがなく、移動操作が行いやすい。また、平板状に折りたたむことで、情報処理装置への収納や持ち運びが容易となる。さらに、折りたたむことで、例えばノート型パーソナル・コンピュータ等に備えられたICカードの収納スペース等の空きスペースに収納させることができ、持ち運びの面倒から開放される。
【0011】
なお、本発明は、マウスが利用できる情報処理装置に広く利用することができる。例えば、デスクトップ型パーソナル・コンピュータ、ノート型パーソナル・コンピュータ、携帯型情報処理端末、携帯電話、電子ブック、携帯型GPSレシーバおよび情報処理機能を有するテレビ受像機およびゲーム機等に利用することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施可能であり、本実施の形態の記載内容に限定して解釈すべきでない。なお、実施の形態を通じて同じ要素には同じ番号を付与するものとする。
【0013】
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施の形態である入力装置の使用状態の概要を示した斜視図である。図2は、本実施の形態の入力装置の折りたたんだ状態の概要を示した斜視図である。図3は、本実施の形態の入力装置の断面構造の概略を示した断面図である。図4は、本実施の形態の入力装置を折り畳み、ケースに収納した状態を示す図である。図5は、本実施の形態の入力装置を収めたケースをノート型パーソナル・コンピュータのICカード装着スロットに収納する状態を示す図である。
【0014】
図1に示す入力装置は、平板状の本体101と、前記本体に軸支された指支持部102と、平板上の本体101に軸支された開閉部材103および104を備えている。指支持部102と開閉部材103および104を折りたたむことで、図1の状態から図2に示すような全体が平板状の形状へと変化する。
【0015】
平板状の本体101は、たとえば樹脂で構成され、裏面側に図3に示すように光学式センサーを備えている。光学式センサーは、発光素子114から照射された光を被照射面115で反射させ、その反射光を受光素子116で捕らえ、平板状の本体101の被照射面115に対する相対的な動きを検出する。図3には、発光素子と受光素子が一組示されているが、実際には90度異なる方向の動きを検出するためにもう一組の発光素子と受光素子が配置されていたり、受光側で画像処理をしたりしている。被照射面としては、反射光の読み取り精度を高めるためにメッシュがプリントされた専用のパット等が使用されるがこれに限られない。机面、紙、適当な凹凸や網目模様のある面状のもの、布、掌や体の一部等相対的な動きが検出可能な光散乱を生じる模様が形成されているものであればどのようなものでも構わない。
【0016】
指支持部102は、樹脂で構成され、平板状の本体101に設けられた軸支部材108によって軸支され、平板状の本体101に対して開閉可能な状態で固定されている。即ち、軸支部材108からは図示しない軸が指支持部102の軸支部分107の方向に突出しており、この突出した軸が指支持部102の軸支部分107の内部において相対的に軸回転可能な状態となっている。なお、指支持部102は、平板状の本体101に対して開いた際に、その開き角度が自由な角度たとえば75度程度で止まるようになっている。
【0017】
開閉部材103と104は、たとえば樹脂で構成され、それぞれたとえば圧力センサーでなるスイッチ105と106を備え、平板状の本体101に設けられた軸支部材110および112によって軸支され、平板状の本体101に対して開閉可能な状態で固定されている。即ち、軸支部材110からは図示しない軸が開閉部材103の軸支部分109の方向に突出しており、この突出した軸が軸支部分109の内部において相対的に軸回転可能な状態となっている。また同様に、軸支部材112からは図示しない軸が開閉部材104の軸支部分111の方向に突出しており、この突出した軸が軸支部分111の内部において相対的に軸回転可能な状態となっている。開閉部材103は、自由な角度たとえば190度程度開くようになっており、開いた状態において、平板状の本体101を適当な面に押し付けた場合に先端が面に接触するようになっている。
【0018】
図1に示す入力装置を使用するには、指支持部102と開閉部材103および104を開いた状態(図1の状態)において、2本の指(通常は右手の人差し指と中指)で指支持部102を挟み込むようにし、さらに一方の指(例えば右手人差し指)の指先をスイッチ106の上に置き、他方の指(例えば右手の中指)の指先をスイッチ105の上に置いて行う。入力装置の移動は、平板状の本体101を適当な面に接触させた状態で2本の指で指支持部を挟みながら面に平行な方向に平板状の本体101を面に対して滑らせることで行われる。この際、指支持部を2本の指で挟んでいるので、入力装置の移動は円滑に行われ、操作上の不便はない。入力装置の左クリックと右クリックは、指先からスイッチ106と105に圧力を加えることで実行される。このように手のひらに固定するような状態で入力装置の操作が可能なので、特に入力装置を握って保持する必要がない。このため操作性を向上するだけでなく入力装置を固定した掌(例えば右手)がほぼ自由に使用でき、たとえば入力装置を保持したままキーボードの操作等が行える。また、掌を膝等からだの一部に置き、リラックスした体勢で入力装置の操作が可能になる。
【0019】
入力装置からの信号は、接続ケーブル113を介してパーソナル・コンピュータ等の情報処理装置に伝送される。
【0020】
図1に示す入力装置を使用しない時は、図2に示すように指支持部102と開閉部材103および104を折り畳み、図4に示すようにケース117に収めることができる。なお、図4には、入力装置を情報処理装置に接続するためのUSBコネクター118が接続ケーブル113の他端に取り付けられた状態が示されている。
【0021】
また、ケース117は、ICカードスロットに収納できる寸法に設定され、図5に示すように、ノート型パーソナル・コンピュータ119のICカードスロット120にケース117ごと収納可能となっている。ICカードスロット120が未使用の場合には、本体の強度維持のためにダミーのカードが挿入される場合がある。本実施の形態の入力装置は、このようなダミーカードに代えて挿入することができ、未使用スロット部分の筐体強度の維持にも寄与できる。
【0022】
なお、上記説明では、ICカードスロットに収納する例を示したがこれに限られない。その他にノート型パーソナル・コンピュータに別途収納スペースを設け、そこに収納させてもよい。また、ケース117に収納させた状態でケース117を持ち運んでも良い。
【0023】
また、上記説明では、入力装置の移動を検出するセンサーとして、光学式センサーを用いる例を示したがこれに限られない。その他に、小型のトラックボールの回転を検出する機械式の構造や加速度センサーを用いた構造といった他の機構を採用することもできる。
【0024】
さらに、入力装置からの信号の伝送方法としては、無線手段を用いることもできる。例えば、赤外線伝送方式やマイクロ波帯の電磁波を用いた伝送方式を用いることができる。
【0025】
また、スイッチ105および106として、クリック機構のあるスイッチを用いてもよい。
【0026】
本実施形態の他の使用方法としては、掌上に入力装置を持った状態で板状の本体101の裏面側(机面等に接触する面)側を空いている手の指先でなぞり、カーソルの操作を行う方法も例示できる。
【0027】
(実施の形態2)
図6は、本発明の他の実施の形態である入力装置の概要を示した斜視図である。図6に示す入力装置は、たとえば樹脂で構成される、裏面に図示しない光学センサーが配置された平板状の本体101の1辺に、同じくたとえば樹脂で構成される平板状の開閉部材(指支持部材)121が軸支され、蝶番のように開閉できる構造となっている。
【0028】
開閉部材121は、平板状の本体101に設けられた軸支部122によって軸支されている。即ち、軸支部122から図示しない軸が突出しており、この軸が開閉部材121の軸支部123の部分に相対回転可能状態で嵌まり込んでいる。また、平板状の本体101は、圧力センサーであるスイッチ125と124を備えている。また、平板状の本体101と開閉部材121との開き角度は、最大で45度程度となるようになっている。
【0029】
入力装置の操作は、図6に示すように開閉部材(指支持部材)121を開いた状態で、平板状の本体101と、開いた開閉部材(指支持部材)121との間に2本の指(例えば、人差し指と中指)の指先を挟み込んでおこなう。即ち、V字型に開いた平板状の本体101と開閉部材121との間に2本の指先を突っ込み、指の腹部分が板状の本体101に接触し、指の爪側が開閉部材121に接触した状態で入力装置の操作を行う。入力装置を移動させるに際しては、指先が平板状の本体101と開閉部材121とによってある程度固定されるので、操作が行いやすい。また、右クリックと左クリックは、右側の指でスイッチ125を押すこと、および左側の指でスイッチ124を押すことで行われる。
【0030】
この構造においても開閉部材(指支持部材)121を折りたたむことで、全体が平板状になり、実施の形態1の場合と同様にケースに収納し、ノート型パーソナル・コンピュータのPCカードスロットに収納することができる。もちろん、折りたたんでそのまま持ち歩くことができる。その他のバリエーションに関しては、実施形態1の場合と同じである。
【0031】
(実施の形態3)
図7は、本発明のさらに他の実施の形態である入力装置の概要を示した斜視図である。図7に示す入力装置は、たとえば樹脂で構成される裏面に図示しない光学センサーが配置された平板状の本体101の対向する辺に、同じくたとえば樹脂で構成される平板状の開閉部材(指支持部材)126と128が軸支され、蝶番のように両開きに開閉できる構造となっている。
【0032】
開閉部材(指支持部材)126は軸支部127において、平板状の本体101に軸支され、開閉部材(指支持部材)128は軸支部129において、平板状の本体101に軸支されている。平板状の本体101には、圧力センサーでなるスイッチ131と132が備えられている。また、中央に前後に横断する凸部130を備えている。開閉部材126と128は、折りたたむことで、凸部130と高さがそろい、同一平面となるようになっている。
【0033】
本入力装置の操作は、2つの開閉部材(指支持部材)126と128とを開いた図7の状態において、2本の指の一方を平板状の本体101と開閉部材(指支持部材)126とで構成される断面V字空間の開閉軸方向に沿わして位置させ、他方の指を平板状の本体101と開閉部材128とで構成される断面V字空間の開閉軸方向に沿わして位置させることで行う。
【0034】
この構造においては指が平板状の本体101と開閉部材(指支持部材)126および128に立体的に接触し、入力装置の移動が行いやすい。また、凸部130に指が接触することも操作性の高さに寄与する。また、開閉部材126と128を折りたたむことで、全体が平板形状となり、実施形態1と同様な優位性を得ることができる。
【0035】
なお、本実施形態のバリエーションに関しては、実施の形態1に示したものと同じである。
【0036】
(実施の形態4)
本実施の形態は、少なくとも2つ以上のスイッチを備え、1つのスイッチに異なる機能を付与しており、さらに指支持部が複数配置されている入力装置に関する。
【0037】
図8は、10キー入力が可能な入力装置の一例を示す斜視図である。図8に示す入力装置は、平板状の本体133、平板状の本体に軸支された指支持部134および13、平板状の本体133に軸支された開閉部材135、136および142、平板状本体に配置されたスイッチ138および139、開閉部材135に配置されたスイッチ140、開閉部材136に配置されたスイッチ141、開閉部材137に配置されたスイッチ142、パーソナル・コンピュータ等に接続される接続ケーブル113を備えている。この入力装置は、指支持部134および13と、開閉部材135、136および137を折り畳み、平板状の本体133と重ねることで、全体が平板状になる。
【0038】
以下にこの入力装置の使用方法を説明する。まず、平板状の本体133から指支持部134と13を持ち上げ、かつすべての開閉部材を開き、図8の状態とする。この状態で、右手人差し指と中指で指支持部134を挟みこみ、中指と薬指で指支持部13を挟みこみ、人差し指がスイッチ140に、中指がスイッチ141に、薬指がスイッチ142に、小指がスイッチ143に、親指がスイッチ138と139の付近に位置するようにする。
【0039】
ここで、親指をスイッチ138および139から離した状態で、人差し指でスイッチ140を押すことで「1」の入力を、中指でスイッチ141を押すことで「2」の入力を、薬指でスイッチ142を押すことで「3」の入力を、小指でスイッチ143を押すことで「4」の入力を行う。さらに、親指でスイッチ138を押した状態で、人差し指でスイッチ140を押すことで「5」の入力を、中指でスイッチ141を押すことで「6」の入力を、薬指でスイッチ142を押すことで「7」の入力を、小指でスイッチ143を押すことで「8」の入力を行う。さらに、親指でスイッチ139を押した状態で、人差し指でスイッチ140を押すことで「9」の入力を、中指でスイッチ141を押すことで「10」の入力を、薬指でスイッチ142を押すことで「,」の入力を、小指でスイッチ143を押すことで「、」の入力を行う。こうして10キー入力が行われる。
【0040】
本実施の形態の入力装置は、各種情報利処理装置に利用できるが、特に携帯電話の10キー操作を片手で効率良くおこなう用途に適する。また、2つの指支持部を3本の指で挟みこむので、片手での操作を安定して行うことができる。
【0041】
なお、本実施の形態の入力装置は、平板状の本体133の裏面側に図示しない光学センサーを配置し、通常のマウスと同様なディスプレイ上のカーソルの移動操作を行うこともできる。この場合、適当な切り替えスイッチを設け、スイッチ140を左クリックボタン、スイッチ141を右クリックボタンとすればよい。
【0042】
また、適当なセンサーを配置し、入力装置の傾きの方向変化によって2つの状態を選択することで、スイッチ138と139のいずれか一方を省略することもできる。また、加速度センサーを配置し、入力装置を置いた状態と持ち上げた状態とで2つの状態を選択することで、スイッチ138と139のいずれか一方を省略することもできる。
【0043】
(実施の形態5)
図9は、本発明の他の実施の形態を示す図である。図9に示す構成では、専用の収納スペース145をノート型パーソナル・コンピュータ119に設け、そこに折りたたんだ入力装置144を収納する。入力装置は、実施の形態1〜4で説明したものを適用できる。この構成では、収納スペース145内にノート型パーソナル・コンピュータ119本体への接続インターフェースを備えており、接続ケーブル113を介して入力装置144はノート型パーソナル・コンピュータ119本体へと接続されている。収納スペース145内部には、接続ケーブル113を巻き取るための図示しない適当な巻き取り機構が設けられてもよい。
【0044】
ノート型パーソナル・コンピュータ119の操作を行わない時には、入力装置144は折りたたまれて収納スペース145に収納されている。ノート型パーソナル・コンピュータ119の操作を行う際には、折りたたまれた入力装置144を収納スペース145から引き出し、たとえば図1に示すような状態に入力装置144を開き、たとえば実施の形態1で示したようにして入力装置144を操作する。
【0045】
収納スペース145は、専用に設けられたものでもよいが、PCカードスロットを利用してもよい。
【0046】
(実施の形態6)
図10は、発明のさらに他の実施の形態を示す斜視図である。図10に示す構成では、入力装置14がノート型パーソナル・コンピュータ119に組み込まれている。入力装置14は、ノート型パーソナル・コンピュータ119の本体に固定された平板状の本体146と、前記本体146に軸支された指支持部147を備えている。指支持部147は、その開き角度によってカーソルの上下方向(ディスプレイ上における上下方向)の移動を操作できる。また、指支持部147を左方向に傾けようとする力を加えることで、カーソルの左方向への移動を、指支持部147を右方向に傾けようとする力を加えることで、カーソルの右方向への移動を操作できる。
【0047】
指支持部147の軸支部には、指支持部147の開閉角度を計測するセンサーと、指支持部147に加わる左右方向の力を検出するセンサーが配置されている。また、指支持部147の軸支部分左右前方部分に図示しないスイッチがそれぞれ位置されている。
【0048】
ノート型パーソナル・コンピュータ119を使用しない状況では、指支持部147は折りたたまれる。ノート型パーソナル・コンピュータを使用するには、引き起こした指支持部147を右手の人差し指と中指で挟み、さらに人差し指と中指にそれぞれ前述したスイッチが位置するようにする。そして、指支持部147の開閉動作および左右への力の加え加減でカーソルの移動を行い、人差し指および中指で図示しないスイッチを押すことで、左クリックと右クリックを行う。
【0049】
なお、実施の形態2〜4で説明したような構成の入力装置が前記同様に組み込まれても良い。
【0050】
(実施の形態7)
図11は、発明の他の実施の形態を示す斜視図である。図11に示す構成では、入力装置148が、ノート型パーソナル・コンピュータ119の収納スペース152にスライドして収められるようになっている。この構造では、入力装置148は、ノート型パーソナル・コンピュータ119から取り外すことはできず、その一部となっている。
【0051】
入力装置148は、平板状の本体149、前記本体に軸支された指支持部150および開閉部材151を備えている。入力装置148の基本的な構造は、図1に示す入力装置と同じである。なお、右側の開閉部材151に対して指支持部150を挟んで図示しない左側の開閉部材が設けられている。各開閉部材には、スイッチが配置されている。また、入力装置148を収納スペース152から引き出した際に机等の置き面に安定して接触させるために接触部材153が配置されてもよい。
【0052】
ノート型パーソナル・コンピュータ119の未使用時には、指支持部150、開閉部材151、図示しない開閉部材を折りたたんで板状の本体149と重ね、入力装置148の全体は収納スペース152に収められる。
【0053】
ノート型パーソナル・コンピュータ119の使用時には、入力装置148は収納スペースからスライドして引き出され、指支持部150、開閉部材151、図示しない開閉部材が引き起こされる。そして、指支持部150を右手人差し指と中指で挟み、人差し指が図示しない開閉部座(図面の指支持部150の後ろ側に位置する)のスイッチに位置し、中指が開閉部材151のスイッチに位置するようにする。この状態で、指支持部150の開閉状態によってカーソルの上下方向の移動を操作し、指支持部に加える左右方向の力によってカーソルの左右方向の移動を操作する。
【0054】
入力装置の操作時において、接触部材153の下面とノート型パーソナル・コンピュータとの下面とが、机等の置き面に対して同一面となるようになっている。こうすることで、操作時に入力装置に無理な力が加わることがないようになっている。
【0055】
なお、前記実施の形態2〜4の入力装置が適用されても良いことは勿論である。
【0056】
(実施の形態8)
図12は、本発明の他の実施の形態を示す上面図である。図12に示す入力装置は、図1に示す入力装置において、平板状の本体101の指支持部102が設けられた面の反対側の面に文字入力キーが設けられたものである。即ち、図1に示す入力装置をひっくり返した平板状の本体101の裏面側(入力装置の置き面に接触する面)に文字入力キーが配置されている。 この構成では、平板状の本体101の裏面側に入力装置の移動を検出する光学センサー12と10キー入力スイッチが配置されている。
【0057】
図12に示す入力装置は、図1に示す入力装置のように通常のマウスと同様な入力装置として使用することができ、さらに全体をひっくり返すし、裏面側で10キー入力操作を行うことができる。
【0058】
10キー入力操作は、以下のようにして行う。まず、図1に示す状態の入力装置の指支持部102を右手あるいは左手の適当な2本の指の間に挟む。この時、掌の面が板状の本体101の上面(指支持部102が設けられた面)に接触するようにする。そして掌を返し、掌の上で図12に示す入力装置の裏面側が上となるようにする。この状態でもう一方の空いた手で10キー入力を行う。この時、入力装置はしっかりと指支持部が2本の指によって固定されるので、10キー入力操作が行いやすい。
【0059】
図12に示す状態では、10キー入力の際、スイッチ105と106は利用されないので、開閉部材103と104は折りたたんだ状態でもよい。
【0060】
なお、入力装置を普通のマウスとして使用する場合と10キー入力操作を行う場合を切り替えるため、たとえば重力スイッチによって通常のマウスとしてだけ使用する場合に、10キー入力機能がOFFとなるようにすることができる。
【0061】
また、図12に示す状態において、空いている方の片方の手で平板状の本体101の裏面に露出した光学センサー12をなぞることで、カーソルの操作を行うことができる。左クリックと右クリックは、スイッチ105、106の裏面部分をそれぞれ押せばよい。
【0062】
図12には、10キー入力の例が示されているが、携帯電話や携帯型情報処理端末に配置されているような、10キー入力を基本としたアルファベットあるいは50音入力を行えるようにしてもよい。また、入力スイッチを増やすために開閉部材103,104の裏面側にさらにスイッチを設けてもよい。
【0063】
キーの数、入力文字の種類、入力記号の種類、キーの配列方式は、ここで示したものに限定されず、使用目的に合わせて適宜設定可能である。
【0064】
ここで示した構成を採用することで、折り畳み式のマウスとしての優位性に加えて、10キー入力や文字入力機能を有する入力装置が提供される。
【0065】
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更することが可能である。
【0066】
たとえば、前記実施の形態では、主にノート型パーソナル・コンピュータに本発明の入力装置を適用した例を説明したが、図13に示すような携帯型情報処理端末に本入力装置を適用してもよい。図13は、発明の実施の形態である入力装置を携帯型情報処理端末に利用した例を示す図である。図13において、入力装置144は、接続ケーブル113によって携帯型情報処理端末154に接続されている。本入力装置は、従来のマウスに比較して携帯し易いので、携帯型情報処理端末と組み合わせて利用することにも適している。
【0067】
また、前記実施の形態では、入力装置とコンピュータとの接続にUSB端子を例示したが、これに限られない。その他任意の規格の端子を用いることができる。また、有線に限らず、無線手段を用いて入力装置とコンピュータとが接続できることも勿論である。
【0068】
【発明の効果】
本願で開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果は、以下の通りである。すなわち、従来のマウスと同様な機能を有し、持ち運ぶことの面倒がなく、あるいは低減され、さらに操作性の高い入力装置が提供できる。また、そのような入力装置を備えた情報処理装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である入力装置の使用状態の概要を示した斜視図である。
【図2】本実施の形態の入力装置の折りたたんだ状態の概要を示した斜視図である。
【図3】本実施の形態の入力装置における断面構造の概略を示した断面図である。
【図4】本実施の形態の入力装置を折り畳み、ケースに収納した状態を示す図である。
【図5】本実施の形態の入力装置を収めたケースをノート型パーソナル・コンピュータのICカード装着スロットに収納する状態を示す図である。
【図6】本発明の他の実施の形態である入力装置の概要を示した斜視図である。
【図7】本発明のさらに他の実施の形態である入力装置の概要を示した斜視図である。
【図8】本発明の他の実施の形態である入力装置の概要を示した斜視図である。
【図9】本発明の一実施の形態であるノート型パーソナル・コンピュータの一例を示す斜視図である。
【図10】本発明の他の実施の形態であるノート型パーソナル・コンピュータの一例を示す斜視図である。
【図11】本発明のさらに他の実施の形態であるノート型パーソナル・コンピュータの一例を示す斜視図である。
【図12】本発明の他の実施の形態である入力装置の一例を示す上面図である。
【図13】本発明の実施の形態である入力装置を携帯型情報処理端末に利用した例を示す図である。
【符号の説明】
101…本体、102…指支持部、103…開閉部材、104…開閉部材、105…スイッチ、106…スイッチ、106…利用、107…軸支部分、108…軸支部材、109…軸支部分、110…軸支部材、111…軸支部分、112…軸支部材、113…接続ケーブル、114…発光素子、115…被照射面、116…受光素子、117…ケース、118…USBコネクター、119…ノート型パーソナル・コンピュータ、120…ICカードスロット、121…開閉部材、122…軸支部、123…軸支部、124…スイッチ、125…スイッチ、126…開閉部材、127…軸支部、128…開閉部材、129…軸支部、13…指支持部、130…凸部、131…スイッチ、133…本体、134…指支持部、135…開閉部材、136…開閉部材、137…開閉部材、138…スイッチ、139…スイッチ、14…入力装置、140…スイッチ、141…スイッチ、142…スイッチ、143…スイッチ、144…入力装置、145…収納スペース、146…本体、147…指支持部、148…入力装置、150…指支持部、151…開閉部材、152…収納スペース、153…光学センサー、153…接触部材、154…携帯型情報処理端末。
Claims (11)
- 位置の変位を検出するセンサーと、
前記センサーを備えた平板状の本体と、
指間に挟んで支持するに好適な部分を備えたT字型の部材であって、前記指間に挟んで支持するに好適な部分の一端が前記本体に軸支された指支持部材と、を有し、
前記指支持部材を折りたたむことで平板形状になる入力装置。 - 前記本体にその一端が軸支された開閉部材と、
前記開閉部材に備えられたスイッチと、をさらに有し、
前記指支持部材と前記開閉部材とを折りたたむことで、平板形状になる請求項1記載の入力装置。 - 前記開閉部材が2つ備えられ、
前記指間に挟んで支持するに好適な部分を2本の指の間に挟んだ状態において、前記開閉部材のそれぞれのスイッチを操作することが可能な請求項2記載の入力装置。 - 前記開閉部材が複数配置され、
前記複数の開閉部材は入力操作を行う指に対応して配置されている請求項2記載の入力装置。 - 前記指支持部材および開閉部材を折りたたんだ状態で、ICカードスロットまたは情報処理装置の空きスペースに収納可能な請求項1〜4の何れか一項に記載の入力装置。
- 位置の変位を検出するセンサーと、
前記センサーを備えた平板状の本体と、
指間に挟んで支持するに好適な部分を備えたT字型の部材であって、前記指間に挟んで支持するに好適な部分の一端が前記本体に軸支された指支持部材と、を有し、
前記指支持部材を折りたたむことで平板形状になる入力装置を備えた情報処理装置。 - 前記本体にその一端が軸支された開閉部材と、
前記開閉部材に備えられたスイッチと、をさらに有し、
前記指支持部材と前記開閉部材とを折りたたむことで、平板形状になる入力装置を備えた請求項6記載の情報処理装置。 - 前記開閉部材が2つ備えられ、
前記指間に挟んで支持するに好適な部分を2本の指の間に挟んだ状態において、前記開閉部材のそれぞれのスイッチを操作することが可能な入力装置を備えた請求項7記載の情報処理装置。 - 前記開閉部材が複数配置され、
前記複数の開閉部材は入力操作を行う指に対応して配置されている入力装置を備えた請求項7記載の情報処理装置 - 前記入力装置の前記指支持部材および開閉部材を折りたたんだ状態で、前記入力装置がそのICカードスロットに収納可能な請求項6〜9の何れか一項に記載の情報処理装置。
- 前記入力装置の前記指支持部材および開閉部材を折りたたんだ状態で、前記入力装置がその情報処理装置の空きスペースに収納可能な請求項6〜9の何れか一項に記載の情報処理装置。
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