実施形態1に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態(第1形態)における外観斜視図
実施形態1に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態(第1形態)における六面図
実施形態1に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態(第2形態)における外観斜視図
実施形態1に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態(第2形態)における六面図
実施形態1に係るポインティングデバイスの入力ユニットを取り外した状態の本体ユニットの外観斜視図
実施形態1に係るポインティングデバイスの入力ユニットを取り外した状態の本体ユニットの六面図
実施形態1に係るポインティングデバイスの入力ユニットの外観斜視図
実施形態1に係るポインティングデバイスの入力ユニットの六面図
実施形態1に係るポインティングデバイスにおいて、デバイス不使用形態からデバイス使用形態へ変形する過程を説明する図
実施形態1に係るデバイス使用形態におけるポインティングデバイスの中央付近のyz断面図
実施形態1に係るポインティングデバイスの機能構成を示すブロック図
実施形態1の第1変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態1の第2変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における外観斜視図
実施形態1の第2変形例に係るポインティングデバイスの機能構成の一例を示すブロック図
実施形態1の第2変形例に係るポインティングデバイスの機能構成の一例を示すブロック図
実施形態1の第2変形例に係るポインティングデバイスの機能構成の一例を示すブロック図
実施形態1の第3変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における外観斜視図
実施形態1の第3変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
スクロール操作入力部の具体的構成の一例を示す斜視図
実施形態1の第4変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における外観斜視図
実施形態1の第4変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態1の第4変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における外観斜視図
実施形態1の第4変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態1の第5変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における外観斜視図
実施形態1の第5変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態1の第5変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における外観斜視図
実施形態1の第5変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態1の第5変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における外観斜視図
実施形態1の第5変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態1の第5変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における外観斜視図
実施形態1の第5変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態1の第6変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における外観斜視図
実施形態1の第6変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態1の第6変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における外観斜視図
実施形態1の第6変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態2に係るポインティングデバイスの連結部分付近の断面図
実施形態2に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態とデバイス使用形態における連結部分付近の断面図
実施形態3に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における外観斜視図
実施形態3に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態3に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における外観斜視図
実施形態3に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
デバイス不使用状態及びデバイス使用状態における長手方向中央付近の断面図
実施形態3に係るポインティングデバイスの入力ユニットを取り外した状態の本体ユニットの外観斜視図
実施形態3に係るポインティングデバイスの入力ユニットの外観斜視図
実施形態3の変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における外観斜視図
実施形態3の第2の変形例に係るポインティングデバイスの入力ユニットを外した状態の本体ユニットの外観斜視図
実施形態3の第2の変形例に係るポインティングデバイスの入力ユニットの後方側からの外観斜視図
実施形態3の第3変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における外観斜視図
実施形態3の第3変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態3の第3変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における外観斜視図
実施形態3の第3変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態3の第3の変形例に係るポインティングデバイスの入力ユニットを外した状態の本体ユニットの外観斜視図
実施形態3の第3の変形例に係るポインティングデバイスの入力ユニットの後方側からの外観斜視図
実施形態3の第4の変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態3の第4の変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態4に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における外観斜視図
実施形態4に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態4に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における外観斜視図
実施形態4に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態5に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における外観斜視図
実施形態5に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態5に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における外観斜視図
実施形態5に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態5に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態からデバイス使用形態へ移行する各段階における左側面図
実施形態6に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における外観斜視図
実施形態6に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態6に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における外観斜視図
実施形態6に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態6に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態からデバイス使用形態へ移行する各段階における左側面図
実施形態7に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における外観斜視図
実施形態7に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態7に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における外観斜視図
実施形態7に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態7に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態からデバイス使用形態へ移行する各段階における左側面図
実施形態7に係るポインティングデバイスの本体ユニットの外観斜視図
実施形態7に係るポインティングデバイスの入力ユニットの後方からの外観斜視図
実施形態7の第1変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における外観斜視図
実施形態7の第1変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態7の第1変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における外観斜視図
実施形態7の第1変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態7の第2変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における外観斜視図
実施形態7の第3変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における外観斜視図
実施形態7の第3変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態7の第3変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における外観斜視図
実施形態7の第3変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態8に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における外観斜視図
実施形態8に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態8に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における外観斜視図
実施形態8に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態8に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態からデバイス使用形態へ移行する各段階における左側面図
実施形態8の第1変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態8の第1変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態9に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における外観斜視図
実施形態9に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態9に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における外観斜視図
実施形態9に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態9に係るポインティングデバイスの本体ユニット及び入力ユニットの前方斜め下方向からの分解斜視図
実施形態9に係るポインティングデバイスの本体ユニット及び入力ユニットの後方斜め上方向からの分解斜視図
実施形態9の第1変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態9の第1変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態9の第2変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における外観斜視図
実施形態9の第2変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における外観斜視図
実施形態9の第3変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における外観斜視図
実施形態9の第3変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態9の第3変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における外観斜視図
実施形態9の第3変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態9の第4変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態9の第4変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態9の第5変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態9の第5変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態9の第6変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態9の第6変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態9の第7変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態9の第7変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態9の第8変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態9の第8変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態9の第9変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態9の第9変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態9の第9変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態及びデバイス不使用形態におけるAA断面図及びBB断面図
実施形態9の第10変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態9の第10変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態9の第10変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態及びデバイス不使用形態におけるAA断面図及びBB断面図
実施形態10に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における外観斜視図
実施形態10に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態における六面図
実施形態10に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における外観斜視図
実施形態10に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態における六面図
実施形態10に係るポインティングデバイスの中央付近の断面図
本発明の第1変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態の外観図
本発明の第2変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態の六面図
本発明の第2変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態の六面図
本発明の第2変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態からデバイス使用形態への途中の2段階における六面図
本発明の第3変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態の六面図
本発明の第3変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態の六面図
本発明の第3変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態からデバイス使用形態への途中の2段階における六面図
本発明の第4変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態の六面図
本発明の第4変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態の六面図
本発明の第4変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態からデバイス使用形態への途中の2段階における六面図
本発明の第5変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態の六面図
本発明の第5変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態の六面図
本発明の第6変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態の六面図
本発明の第6変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態の六面図
本発明の第7変形例に係るポインティングデバイスのデバイス不使用形態の六面図
本発明の第7変形例に係るポインティングデバイスのデバイス使用形態の六面図
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。以下の説明において同一の符号が付された部分は実質的に同一の機能を有している。また、発明の明確化のため重複部分は適宜説明が省略されている。
(実施形態1)
図1、図2、図3、図4は、それぞれ本発明の実施形態1に係るポインティングデバイス100の第1形態と第2形態における外観斜視図と六面図を表している。
ここで、第1形態とは、入力ユニット150を回動又はスライドさせることで本体ユニット110側に引き寄せた形態を言い、デバイスの携帯性が高められている形態を言う。本実施形態1において、当該第1形態は、入力ユニット150を使用しない形態であり、本明細書では、当該第1形態のことを、折り畳み形態、入力ユニット不使用形態、デバイス不使用形態、第1デバイス形態等と称する。但し、後続の実施形態では、当該第1形態において、タッチセンサや移動検出部など、ポインティングデバイスの一部の機能や入力ユニット150の一部の機能を使用し続ける場合がある。従って、以下の説明で第1形態をデバイス不使用形態と称する場合において、直ちにポインティングデバイスの全機能が停止している形態を言及しているのではなく、ポインティングデバイスの一部の機能が停止しているか、又は全機能が停止しているかは各実施形態に依存する。
ここで、第2形態とは、入力ユニット150を回動又はスライドさせることで、本体ユニット110の前方に突き出した形態を言い、デバイスの操作性、より具体的には、左クリックや右クリックと言った入力操作における操作性が高められている形態を言う。本実施形態1において、当該第2形態は入力ユニット150を使用する形態であり、本明細書では、当該第2形態のことを、展開形態、入力ユニット使用形態、デバイス使用形態、第2デバイス形態等と称する。但し、後続の実施形態では、当該第2形態において、本体ユニット110側に配置されているタッチセンサなど、ポインティングデバイスの一部の機能が停止している場合がある。従って、以下の説明で第2形態をデバイス使用形態と称する場合において、直ちにポインティングデバイスの全機能が作動している形態を言及しているのではなく、ポインティングデバイスの全機能が作動しているか、又は一部の機能が停止しているかは各実施形態に依存する。
各実施形態のポインティングデバイスにおいて、第1形態は第2形態と比較して携帯性が高い形態であることを特徴とする。ここで、複数の形態を比較する上で、携帯性が高い形態とは、頂点の数が少ない形態であるか、又はポインティングデバイスの大きさ(容積)が小さい形態であることを言う。
頂点の数が少ないことで、手に持った場合に引っ掛かりが減り、持ちやすくなるため携帯性が高いと言える。また、大きさ(容積)が小さいことで、ポケットやカバンの中で嵩張らず、携帯性が高いと言える。ここで言うデバイスの大きさ(容積)とは、デバイスの横方向の長さ×前後方向の長さ×高さで表される量である。
本実施形態1に係るポインティングデバイス100は、本体ユニット110と、入力ユニット150の2つの部材が回動可能な状態で接続されており、入力ユニット150を回動させることで第1形態と第2形態の2つの形態をとることができる構成となっている。
第1形態では、入力ユニット150が本体ユニット110と一体となるように折り畳まれることで、デバイス全体としてみた場合に略長方形形状になるように設計されている。一方、第2形態では、入力ユニット150が前方に倒されるようにして展開されることで本体ユニット110の前方に入力ユニット150が突き出した状態で固定されるように設計されている。
第1に本体ユニット110について説明する。図5、図6は、入力ユニット150が分離された状態における本体ユニット110の外観斜視図と六面図を表している。
本体ユニット110の筐体は、底面111と、上面112と、左側面113と、右側面114と、後方側面115と、前方側面116とを有しており、当該左側面113と右側面114がデバイス操作の際に親指と薬指又は小指で両側から挟み込まれることでデバイス100が把持される。ユーザは、左側面113及び右側面114をそれぞれ親指及び薬指で把持した状態でデバイス本体をデスク上で移動させることにより、外部コンピュータのディスプレイで表示されるカーソルを移動させることができる。前方側面116下方の左右部分には軸受部117a、117bが突き出した状態で配置されている。
軸受部117a、117bを含まない底面部分において、長手方向(横方向)の長さが40mm≦Lx≦100mmに設計されており、より好ましくは、50mm≦Lx≦80mmに設計されている。本実施形態1では、長手方向の長さLxが55mmに設計されているとして説明する。
軸受部117a、117bを含まない底面部分において、短手方向(縦方向)の長さが4mm≦Ly<40mmに設計されており、より好ましくは10mm≦Ly≦25mmに設計されている。本実施形態1では、短手方向の長さLyが15mmに設計されているとして説明する。
本実施形態1では軸受部117a、117bは、一辺の長さが5mmである立方体形状であり、本体ユニット110の前方から突き出した状態で本体ユニット110に一体成型されている。従って、本実施形態1のデバイス100において、当該軸受部117a、117bまで含めた底面101における縦方向の長さは20mmとなる。同様に、左側面103、右側面104におけるデバイス前後方向の長さLyもそれぞれ軸受部117a、117bの突き出している部分を除いて15mm、軸受部117a、117bの突き出している部分を含めて20mmとなる。
軸受部117a、117bの縦方向の長さ、すなわち突き出している長さは、入力ユニット150の高さと同一に設計されている。軸受部117a、117bの内側にはそれぞれ入力ユニット150に設けられた軸部材159a、159bを受ける軸受孔118a、118bが形成されている。軸受孔118a、118bの内径は、軸部材159a、159bの外径よりも僅かに大きく設計されている。
軸受孔118a、118bの奥には、軸部材159a、159bと嵌合する軸受部材119a、119bが配置されている。軸受孔118a、118bに差し込まれる軸部材159a、159bが当該軸受部材119a、119bと嵌合し、本体ユニット110と入力ユニット150とが回動可能な状態で組み合わされる。
軸受部材119a、119bは、軸受部117a、117bの内側に、90度回動可能な状態で設置されている。回転角度が0度である状態、すなわち、入力ユニット150が折り畳まれた状態である第1形態である場合(以下、発明の実施形態とデバイスの実施形態との混同を避けるため、当該第1状態をデバイス不使用形態と称して説明する。)と、回転角度が90度である状態、すなわち、入力ユニット150が前方に90度押し倒されている状態である第2形態である場合(以下、当該第2形態をデバイス使用形態と称する。)において、入力ユニット150を固定するように、軸受部材119a、119bには係止機構が設けられている。例えば、軸受部材119a、119bの裏側に突起部(爪部)が設けられており、回転角度が0度と90度の場合に、当該突起部が本体ユニット110の筐体内側に設けられている窪み部と噛合って固定される構成とすることで、入力ユニット150が本体ユニット110に対して収納又は展開された状態で固定される。
また、軸受部材119a、119bは、それぞれ軸受部117a、117b内で上下方向及び前後方向に僅かに移動可能な状態で設置されている。軸受部材119a、119bにはそれぞれ弾性体(バネ)120a、120bが接続されており、軸受部材119a、119bは、当該弾性体120a、120bによって、それぞれデバイス100の下方(底面方向)でかつ後方(後方側面方向)、すなわち斜め後ろ方向に付勢された状態で配置されている。
左側面103及び右側面104の高さLzは、6mm≦Lz≦30mm程度の高さに設計されている。より好ましくは、10mm≦Lz≦25mmの高さに設計されている。本実施形態1では、ポインティングデバイス100の高さLzが20mmに設計されているとして説明する。
底面111と上面112は、上記高さLzの距離離れた状態で略平行に設計され、左側面113、右側面114、後方側面115、前方側面116はそれぞれ当該底面111及び上面112に略垂直な状態で立設されている。
底面111には、光学読み取り用の開口121が設けられている。開口121から取り込まれた光は後述する移動検出部においてデバイス本体の移動方向及び移動距離の検出に用いられる。開口121は、底面111における横方向の中央付近であって、縦方向の中央付近か又はやや前方よりの位置に設けられている。これは、デバイス100の使用時には入力ユニット150が前方に倒されて展開されることにより、デバイス使用時におけるデバイス中心は収納時と比べて前方に寄るためである。実施形態1に係るデバイス100では、開口121は、後方側面105側からみて10mm、左右側面103、104からみてそれぞれ27.5mmの位置を中心にもつ直径5mmの円形の開口である。
後方側面115には、外部コンピュータとケーブル接続し、当該外部コンピュータとの通信やデバイス内部に配置されたバッテリーの充電に用いられる電気端子(コネクタ)122が配置されている。電気端子122としては、例えばUSB端子(Universal Serial Bus)端子や、FireWire端子などとすると充電及び通信を同時に行えるため良好である。なお、電気端子122は、後方側面115ではなく底面111や入力ユニット150側に配置される構成であっても良い。
次に、入力ユニット150について説明する。図7、図8は、当該分離された入力ユニット150の外観斜視図と六面図とを表している。入力ユニット150の筐体は、底面151と、上面152と、左側面153と、右側面154と、後方側面155と、前方側面156とを有する。入力ユニット150の後方部分には、軸受部117a、117bの形状に合わせて切欠き部157a、157bが設けられており、当該切欠き部分に軸部材159a、159bを突出させるための軸出孔158a、158bが設けられている。
軸部材159a、159bの一部は軸出孔158a、158bから突出し、本体ユニット110に設けられた軸受部117a、117bにある軸受孔118a、118bに差し込まれて、軸受部材119a、119bと嵌合される。軸部材159a、159bの一部は、入力ユニット150内部に位置し、軸部材159a、159bの奥にそれぞれ配置されているバネ等の弾性体によって軸出孔158a、158bから突出する方向に付勢されている。入力ユニット150を本体ユニット110に組み合わせるためには、当該突出している軸部材159a、159bを押し込んだ状態で軸受部117a、117bと切欠き部157a、157bとを合わせ、付勢されている軸部材159a、159bが、軸受孔118a、118bに挿し込まれてその奥にある軸受部材119a、119bと嵌合するようにする。
このように組み合わせることで、入力ユニット150側に配置された軸部材159a、159bと本体ユニット側に配置された軸受部材119a、119bとが組み合わされることで、入力ユニット150が本体ユニット110に対して90度回動可能な状態で設置される。
図9は、デバイス不使用状態からデバイス使用状態へ入力ユニット150を展開する場合の各段階を示している。デバイス100の全体形状が略直方体となるように入力ユニット150の上面152が本体ユニット110の前方側面116と接触した状態であるデバイス不使用形態において、当該デバイス100を使用する場合には、ユーザは入力ユニット150をデバイス前方に倒す必要がある。第1にユーザは、入力ユニット150の両側を摘まみ、弾性体120a、120bによる付勢に逆らって入力ユニット150を上方に引き上げ、軸受部材119a、119bに設けられている第1の突起部を本体ユニット110の窪み部から外す。当該突起部が窪み部から外れた状態でそのまま、入力ユニット150を前方に傾斜させることで係止状態が完全に解除される。そのまま、入力ユニット150を前方に押し倒していき、入力ユニット150の底面151と、本体ユニット110の底面111が同一平面となるように、すなわち、90度回動させる。90度回動させた段階で、軸受部材119a、119bに設けられている第2の突起部が上述の窪み部に嵌まり、弾性体120a、120bの付勢により、入力ユニット150が本体ユニット110に係止されてデバイス使用形態となる。なお、デバイス使用形態からデバイス不使用形態に移行させるためには、入力ユニット150を前方方向に引っ張り、上記窪み部から第2の突起部を外して持ち上げる方向に回動させることで係止状態が解除され、そのまま回転角度が0度になるところまで回動させることで、第1の突起部が窪み部に嵌まった状態で係止され、デバイス不使用形態となる。
底面151及び上面152の形状は、本体ユニット110の前方側面116と同一形状である。従って、横方向(長手方向)の長さNxが55mm、縦方向(短手方向)の長さNyが、切欠き部157a、157bが設けられている出っ張り部分も含めて20mmとなる。また、底面151と上面152との間隔、すなわち、入力ユニット150の高さNzは、軸受部117a、117bの前後方向の長さ、すなわち前方側面116より突出している長さと同一となる。従って、本実施形態1では、入力ユニット150の高さNzは5mmに設計されている。
入力ユニット150がこのような形状の筐体を有することで、収納状態において、お互いの突出部分が無くなり、全体として図1に示すように直方体形状に折り畳むことが可能となる。
従って、ポインティングデバイス100におけるデバイス不使用形態の大きさ(容積)は、55mm(Lx=Nx)×20mm(Ly+Nz)×20mm(Lz=Ny)=22立方センチメートルである。一方、ポインティングデバイス100におけるデバイス使用形態の大きさ(容積)は、55mm(Lx=Nx)×35mm(Ly+Ny)×20mm(Lz)=38.5立方センチメートルである。従って、デバイス不使用形態の大きさ(容積)は、デバイス使用形態の大きさ(容積)よりも小さく、携帯性が高いことがわかる。
入力ユニット150の上面152には、少なくとも第1ボタン161と、第2ボタン162とが、長手方向に沿って配置されている。第1ボタン161は、所謂左クリックボタンに相当し、第2ボタン162は、所謂右クリックボタンに相当する。第1ボタン161がクリックされた場合やドラッグされた場合に、送信先であるコンピュータ側でWM_LBUTTONDOWNメッセージやWM_LBUTTONUPメッセージが、OS(Operation System)上で実行されているアプリケーションに渡される。また、第2ボタン162がクリックされた場合に、送信先であるコンピュータ側でWM_RBUTTONDOWNメッセージやWM_RBUTTONUPメッセージが、OS上で実行されているアプリケーションに渡される。第1ボタン161は、選択や決定(指定)の指示の入力を行うためのボタンであり、第2ボタン162は、補助画面(メニュー画面)を開くための指示の入力を行うためのボタンである。
本実施形態1に係るポインティングデバイス100では、第2ボタン162と比較して横方向に長い矩形の第1ボタンが上面152の横方向中央付近に配置されている。ポインティングデバイス100では、左側面153側から2mm、前方側面156側から2mmの距離を置いて、横方向に30mm、縦方向に11mmの大きさを有する矩形のボタンが第1ボタン161として配置されている。また、右側面154側から2mm、前方側面156側から2mmの距離を置いて、横方向に20mm、縦方向に11mmの大きさを有する矩形のボタンが第2ボタン162として配置されている。2つのボタンの間には1mmの隙間が設けられている。
図10は、デバイス使用形態における中央付近の断面図を示している。但し、本体ユニット110内の電子機器等は省略している。
第1ボタン161と第2ボタン162の裏側には第1マイクロボタン161aと、第2マイクロボタン162aとが配置されており、その先である入力ユニット150内部に回路基板163が配置されている。第1ボタン161又は第2ボタン162が押下されることで、その裏側に設置された第1マイクロボタン161a又は第2マイクロボタン162aが押し込まれて回路基板163と接触し、ボタンが押下されたことを示す電気信号を生じる。回路基板163は、電気配線164を介して本体ユニット110内部にあるメイン基板と電気的に接続されている。具体的には、軸部159a、159bの中央には当該電気配線164を通すための電気配線用開口が設けられており、電気配線用開口を通って配置される電気配線164により、本体ユニット110側の回路基板と入力ユニット150側の回路基板163とが電気的に接続され、入力ユニット150でユーザが行った入力操作に対応する操作信号が本体ユニット110へ送られる。
次に、ポインティングデバイス100の機能について説明する。図11は、ポインティングデバイス100の構成を示すブロック図である。ポインティングデバイス100は、ポインティングデバイス100の移動を検出する移動検出部131と、移動検出部131で検出された移動方向及び移動量に関する情報を含む移動情報を生成する移動情報生成処理部132と、第1ボタン161又は第2ボタン162がクリックされたことを示すクリック情報を生成するクリック情報生成処理部133と、移動情報及びクリック情報を無線送信する無線通信部134と、前記各部の機能を実行する電子部品に電力を供給するバッテリー(蓄電池)135と、を少なくとも備える。これらの各部は、ポインティングデバイス100の本体ユニット110内部に格納されている。
移動検出部131は、より具体的には、光源ランプ、レンズ、イメージセンサ、画像処理プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)などから構成される。
光源ランプは、例えばLED(Light Emitting Diode)などの発光体である。光源ランプより放出された光が底面111に設けられた開口121を通ってポインティングデバイス100を載置している机等の接触面を照らす。なお、開口121は、当該光を通過させるための開口であり、物理的な開口が底面111に設けられている必要はなく、底面111を構成する樹脂に設けられた透明部分などが開口121に該当する。
レンズは、光源ランプが照射する机等の接触面からの反射光を集光する。イメージセンサは、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)と言った固体撮像素子であり、で集光された反射光をマトリクス配列された素子で検出して電荷に変換することで、接触面の二次元画像データを取得する。
DSPは、イメージセンサで取得された二次元画像データを時系列で比較する処理を行うことで、ポインティングデバイス100の移動ベクトルを算出し、当該算出した移動ベクトルを移動情報生成処理部132に出力する。
移動情報生成処理部132は、移動検出部131で検出されたデバイス100の移動方向及び移動量に関する情報を含む移動情報として生成する処理を行う。クリック情報生成処理部133は、第1ボタン161又は第2ボタン162がクリックされたことを示すクリック情報を生成する処理を行う。
当該移動情報生成処理部132及びクリック情報生成処理部133は、MPU(Micro
Processing Unit)に所定のプログラムを実行させることで実現することができる。本体ユニット110内部には、上記情報処理を実行するMPUや上記プログラムを格納しているROM(Read Only Memory)や主記憶装置であるRAM(Random Access
Memory)がマウントされている電子基板が配置されている。
無線通信部134は、上記移動情報生成処理部132で生成された移動情報と、クリック情報生成処理部133で生成されたクリック情報とを外部コンピュータ又は対応する無線通信レシーバに送信する。
無線通信部134から無線送信された各種情報は、コンピュータ内で対応するメッセージに変換されてアプリケーションに渡される。例えば、クリック情報は、クリック操作又はドラッグ操作を受けた入力ボタンが第1ボタン161である場合は、WM_LBUTTONDOWNメッセージやWM_LBUTTONUPメッセージに、クリック操作を受けた入力ボタンが第2ボタン162である場合は、WM_RBUTTONDOWNメッセージやWM_RBUTTONUPメッセージに、移動情報は、WM_MOUSEMOVEメッセージにそれぞれ変換されてアプリケーションに渡される。
以上説明したように、本実施形態1に係るポインティングデバイス100は、少なくとも入力ボタン161、162が上面に配置されている入力ユニット150が、移動方向及び移動量を検出する移動検出部131を少なくとも備える本体ユニット110に対して回動可能な状態で接続されている。ポインティングデバイス100は、入力ユニット150を本体ユニット110に対して回動させることで、デバイス使用形態とデバイス不使用形態の2つの形態をとりうる。
当該構成によれば、本体ユニット110を把持して移動操作を行う一方、展開された状態であるデバイス使用形態において入力ユニット150に配置されている入力ボタンに対してクリック操作を行うことができ、窮屈な状態にならないでクリック操作を入力することが可能となる。また、回動操作によって、デバイス不使用時にはデバイス不使用形態にしてコンパクトに収納できるため、デバイス使用時における操作性の向上と、デバイス不使用時における携帯性の向上の両方を実現することができる。
また、ポインティングデバイス100において、入力ユニット150は、本体ユニット110の前方に回動可能な状態で接続され、デバイス不使用形態から入力ユニット150を前方に倒すように回動することでデバイス使用形態に移行し、デバイス使用形態から入力ユニット150を後方に戻すように回動することでデバイス不使用状態に移行する。
デバイス使用時には、入力ボタンが上面151に配置されている入力ユニット150が本体ユニット110の前方に倒されて、入力ボタンが上方を向いた状態となるため、本体ユニット110を把持しながら、前方に位置している入力ボタンに対する入力操作を行うことができるため、入力ボタンを操作する人差し指や中指を折り曲げる距離が緩和され、高い操作性を実現することができる。
また、ポインティングデバイス100において、入力ユニット150の上面152と本体ユニット110の前方側面116は、略同一形状を有し、入力ユニット150を本体ユニット110側に回動させてデバイス不使用形態とした場合における全体の形状が略直方体形状となるように、入力ユニット150の筐体と本体ユニット110の筐体がそれぞれ成型されていることを特徴とする。
携帯性が問題となるのは、デバイスを使用しておらず、鞄やポケットに入れて持ち運ぶ場合である。そこで、ポインティングデバイス100では、デバイス使用形態とデバイス使用形態の2つの形態を相互に移行できる構成とし、デバイス不使用形態時の全体の外観が直方体形状となるように本体ユニット110の前方側面116と入力ユニット150の上面152が略同一形状に設計され、デバイス使用形態において本体ユニット110の前方に突き出した状態で配置される入力ユニット150の上面152と本体ユニット110の前方側面116が合わさるように、入力ユニット150を回動させて畳むことができる。当該構成により、デバイス使用時には高い操作性を持ちつつも、デバイス不使用時にはよりコンパクトな形に変形して携帯性を向上させることができる。
また、デバイス使用状態において、入力ユニット150の底面と本体ユニット110の底面が同一面上に位置するように入力ユニット150が本体ユニット110に接続されている。
当該構成とすることで、デバイス使用時に、平坦なデスク上でデバイス100を走査する場合に、当該デスク表面と接触するデバイス底面の面積が大きくなり、安定して操作を行うことが可能となる。
また、ポインティングデバイス100は、デバイス不使用形態において、入力ユニット150を本体ユニット110に係止させる第1係止手段と、デバイス使用形態において入力ユニット150を本体ユニット110に係止させる第2係止手段と、備えている。
当該2つの係止手段を備えることで、デバイス不使用形態とデバイス使用形態において、安定性を向上させることが可能となる。すなわち、入力ユニット150は本体ユニット110に回動可能な状態で接続されているため、ストッパとしての係止手段を備えていない場合は、持ち運び時に入力ユニット150に回転モーメントがかかった場合に、入力ユニット150が本体ユニット110から容易に回転して携帯性の低下やデバイスの破損に繋がり易くなる。また、デバイス使用時に入力ボタン161、162を押下する際に、本体ユニット110に入力ユニット150が係止されていることが、入力ボタン押下時の入力ユニット150全体の反動を押さえ、操作性の向上に繋がる。
そこで、入力ユニット150の上面152と本体ユニット110の前方側面116が対面して合わさった状態であるデバイス不使用形態、また、入力ユニット150の底面151と本体ユニット110の底面111とが同一平面上に来るところまで回動された状態であるデバイス使用形態にそれぞれなる位置で、入力ユニット150が本体ユニット110に対して係止するための機構が備えつけられている。係止手段が回動に対するストッパの役割を果たすことで、携帯時の安定性と操作時の安定性を向上することが可能となる。
なお、上記係止手段(係止機構)には、バネ等の弾性体が配置され、係止機能が強化されるように、付勢される。係止状態を解除するためには、入力ユニット150を当該付勢に逆らう方向に引っ張って解除する。
なお、ポインティングデバイス100において、本体ユニット110の厚さ(高さ)は入力ユニット150の厚さ(高さ)よりも厚い(高い)ことを特徴とする。入力ユニット150が本体ユニット110よりも厚い場合は、入力ボタン161、162を押下する人差し指、中指を持ち上げなければならず、疲労が増すためである。
また、ポインティングデバイス100は、本体ユニット110の前後方向(縦方向)の長さは、本体ユニット110の左右方向(横方向)の長さよりも短いことを特徴とする。本体ユニット110が上記構成を持つことにより、小型化が可能となり携帯性が向上する一方で、ボタン入力における操作性が低下する。その、操作性の低下を補うため、別途独立している入力ユニット150部分を本体ユニット110の前方に突き出すように変形できることで、デバイス使用時における縦方向の長さを稼ぐことができ、入力ボタン操作時における操作性の低下を防いでいる。
この場合、本体ユニット110の左右方向(横方向)の長さLxは、40mm≦Lx≦100mmであり、本体ユニット110の前後方向(縦方向)の長さLyは、4mm≦Ly<40mmであり、本体ユニット110の厚さ(高さ)Lzは、6mm≦Lz≦30mmであるように本体ユニット110の筐体が設計されると、携帯性と操作性の両方を高い水域で維持できるため好ましい。
また、この場合、入力ユニット150の左右方向(横方向)の長さNxは、40mm≦Nx≦Lxであり、入力ユニット150の前後方向(縦方向)の長さNyは、6mm≦Ny≦Lzとなる。NxがLxよりも長いと、デバイス不使用形態において、入力ユニット150が本体ユニット110の左右から突き出してしまうため、好ましくない。そのため、NxはLxよりも短くなる。Lxは100mm以下であるため、Nxも最大でも100mm以下となる。すなわち、40mm≦Nx≦100mmである。また、NyがLzよりも長いと、デバイス不使用形態において、入旅行ユニット150が本体ユニット110の上方から突き出してしまうため好ましくない。そのため、NyはLzよりも短くなる。Lzは、30mm以下であるため、Nyも最大でも30mm以下となる。すなわち、6mm≦Ny≦30mmである。また、入力ユニット150の厚さ(高さ)Nzは、1mm≦Nz≦Lzであることが好ましい。NzがLzよりも大きいと、デバイス使用時における入力ユニット150の上面152が本体ユニット110の上面112よりも高くなってしまい、入力ボタン161、162を押下する人差し指及び中指を高く持ち上げる必要があるため、指の疲労度が上がってしまうためである。Lzは30mm以下であるため、Nzも最大でも30mm以下となる。すなわち、1mm≦Nz≦30mmである。入力ユニット150の強度を維持するためにも最低の高さとして1mmが確保されている。
ポインティングデバイス100において、入力ユニット150には、左右方向(長手方向)に少なくとも第1ボタン(左クリックボタン)161と第2ボタン(右クリックボタン)162とが並べて配置されている。但し、コンピュータ側のOSに依存し、1つの入力ボタンからの信号を処理するOSである場合には、1つの入力ボタンが入力ユニット150に配置される構成であっても良い。また、3つの入力ボタンからの信号を処理するOSである場合には、入力ユニット150の左右方向に3つの入力ボタンが並べて配置されていても良い。
また、上記ポインティングデバイス100において、第1ボタン(左クリックボタン)161は、第2ボタン(右クリックボタン)162と比較して、入力ユニット150の長手方向に沿って長い形状を有するボタンである場合について説明した。これは、人差し指の可動範囲が中指よりも広く、また、左クリックボタンの使用頻度が右クリックボタンの使用頻度よりも高いため、確実に入力できるように相対的に大きいボタンを配置している。
しかしながら、ポインティングデバイス100における入力ボタンの構成はこれに限定されるものではない。例えば、図12に示すポインティングデバイス100bように、同一の矩形形状の2つの入力ボタン161a、161bが入力ユニット150の長手方向に対称的な位置関係で配置されていても良い。
なお、スクロール操作を入力するためのスクロール手段は、本体ユニット110の上面112に配置されていても良いし、入力ユニット150の上面152に配置されていても良い。
例えば、図13に例示するポインティングデバイス100cのように、本体ユニット110の上面112にはタッチセンサ123が配置され、当該タッチセンサ123で検知されるユーザの接触動作に基づいて、スクロール操作が行われたかを判定する構成を備えても良い。タッチセンサ123は、ユーザからの接触操作を検知する。ユーザが上面112に接触することで、抵抗や静電容量が変化し、当該変化がAD変換器でデジタル信号に変換されて本体ユニット110内部のMPUに送られる。
図14は、当該ポインティングデバイス100cの機能構成を示すブロック図である。本体ユニット110内部には、タッチセンサ123における検知結果に基づいて、スクロール操作が行われたかを判定するスクロール判定処理部136と、スクロール判定処理部136における判定結果に基づいてスクロール方向及びスクロール量に関する情報を含むスクロール情報を生成するスクロール情報生成処理部137が配置されている。スクロール操作判定処理部136は、例えば所定の距離以上のデバイス前後方向(デバイス縦方向)への接触位置の移動がタッチセンサ123で検出された場合にスクロール操作が行われたと判定する。無線通信部134は、移動検出部132で生成される移動情報とクリック情報生成処理部133で生成されるクリック情報に加えてスクロール情報生成処理部137で生成されるスクロール情報を外部コンピュータへ無線送信する。
当該構成とすることでスクロール操作を入力可能なポインティングデバイスとすることができる。また、比較的広い本体ユニット110の上面112をスクロール操作用に利用できることで、容易にスクロール操作を入力することができる。
この場合、図15に示すように、クリック操作判定処理部138、ドラッグ操作判定処理部139、ドラッグ情報生成処理部140、が備えられていても良い。
例えば、クリック操作判定処理部138は、タッチセンサ123における第1領域を叩く操作が行われた場合に、左クリックが行われたと判定し、第2領域を叩く操作が行われた場合に、右クリックが行われたと判定しても良い。例えば、クリック操作判定処理部138は、タッチセンサ123の第1領域に対して閾値T0≦t≦閾値T1となる時間tの間、接触が検知された場合に左クリック操作が行われたと判定する。また、クリック操作判定処理部138は、タッチセンサ123の第2領域に対して閾値T2≦t≦閾値T3となる時間tの間、接触が検知された場合に右クリック操作が行われたと判定する。なお、T0とT2、T1とT3はそれぞれ同一の値でもよい。T0、T2は、例えば0.01秒≦T0、T2<0.09秒の間、より好ましくは0.03秒≦T0、T2≦0.05秒の間であると良く、T1とT3は、例えば0.09秒≦T1、T3<0.3秒、より好ましくは0.1秒≦T1、T3≦0.2秒となる閾値を判定基準として用いると良い。クリック情報生成処理部133は、クリック操作判定処理部138においてタッチセンサ123を介してクリック操作が行われたと判定された場合に、当該判定結果に基づいてクリック情報を生成する処理を行う。
また、ドラッグ操作判定処理部139は、タッチセンサ123における第1領域を押下し続ける操作が行われた場合に、ドラッグ操作が行われたと判定する。例えば、ドラッグ操作判定処理部139は、タッチセンサ123の第1領域に対して閾値T1<tとなる時間tの間、接触が検知され続けている場合にドラッグ操作が行われていると判定する。ドラッグ情報生成処理部140は、ドラッグ操作判定処理部139においてタッチセンサ123を介してドラッグ操作が行われていると判定された場合に、当該判定結果に基づいてドラッグ情報を生成する処理を行う。
当該構成とすることで、本体ユニット110側の上面112に配置されているタッチセンサ123を介してスクロール操作だけではなくクリック操作も入力することができるため、わざわざ入力ユニット150を展開してボタン操作を行うまでもないようなわずかな操作をユーザが欲する場合に、当該上面112をクリック操作に倣って叩くことでクリック操作を入力することが可能となる。
従って、ポインティングデバイス100cの構成であれば、入力ユニット150が畳まれている上述のデバイス不使用形態においても、デバイスの使用が可能である。従って、当該構成を取るデバイスの場合は、入力ユニット150が畳まれている上述のデバイス不使用形態のことを入力ユニット収納形態又は第1形態と、また、入力ユニット150が展開されている上述のデバイス使用形態のことを入力ユニット展開形態又は第2形態と称することがある。
なお、この場合、ドラッグ情報生成処理部140は、入力ユニット150に配置されている第1ボタン161が押下され続けている場合に、ドラッグ情報を生成する構成としても良い。
このように、ポインティングデバイス100cでは、ユーザからの入力系統として入力ユニット150の上面152に配置されている入力ボタン161、162と、本体ユニット110の上面112に配置されているタッチセンサ123の2系統存在する。ここで、あくまで主な入力系統は入力ユニット150に配置されている入力ボタン161、162である。
そこで、ポインティングデバイス100cにおいては、入力ユニット収納形態から入力ユニット展開形態に移行した場合に、タッチセンサ123からのクリック入力を停止する構成とすることも可能である。当該構成とすることで、不意に本体ユニット110の上面112に触れてしまったことにより、誤ったクリック操作が検知されてしまう誤操作を防止することができる。
この場合、図16に例示するように、ポインティングデバイス100cは、デバイス形態切替スイッチ141と、ボタン操作判定停止処理部142とを更に備える。
デバイス形態切替スイッチ141は、例えば軸受部材119a又は119bに取り付けられており、当該軸受部材119a又は119bの回動に連動してスイッチのON−OFFが切替る切替スイッチである。入力ユニット150が本体ユニット110側に引き寄せられている入力ユニット収納形態では、当該切替スイッチ141における電気的接触が切り離されて当該スイッチがOFFになっている。一方、入力ユニット150がデバイス前方に押し倒されて入力ユニット展開形態となっている場合に、当該切替スイッチ141における電気的接触が繋がり、当該スイッチがONになる。
ボタン操作判定停止処理部142は、デバイス形態切替スイッチ141がOFFである場合に、クリック操作判定処理部138及びドラッグ操作判定処理部139の処理機能を停止し、タッチセンサ123からの検出結果に基づくクリック情報及びドラッグ情報がそれぞれクリック情報生成処理部133及びドラッグ情報生成処理部140で生成されないようにする。但し、ボタン操作判定停止処理部142は、スクロール操作判定処理部136の処理は停止しない。
なお、上記説明では、スクロール手段が本体ユニット110側に配置される場合について説明したがこれに限定されるものではない。例えば図17、図18に示すポインティングデバイス100dのように、入力ユニット150の上面152において、スクロール操作入力部165が設けられる構成とすると更に良好である。ポインティングデバイス100dにおいて、スクロール操作入力部165は第1ボタン161と第2ボタン162の間に、上面152から一部突き出した状態で配置されている。
図19は当該スクロール操作入力部165の斜視図である。スクロール操作入力部165は、土台となる土台部165aと、前後に配置された小型スクロールホイール165b−1、165b−2、当該2つのスクロールホイールに取り付けられたスクロールベルト165c、スクロールホイール165b−1又はスクロールベルト165cの回転を検出する回転検出機構165dを備える。また、必要に応じて土台部165aを上方に付勢するスプリング機構や土台部165aが押し下げられた場合に押下されるマイクロスイッチなどを含んでいると更に好ましい。
スクロールベルト165cをなぞる様に操作することで、スクロールホイール165b−1、165b−2が回転し、当該回転が回転検出機構165dで検出される。回転検出機構165dは、LEDと光センサ等で構成できる。回転検出機構165dで検出された回転量及び回転方向が電気信号に変換されて電気配線164で本体ユニット110側に伝送される。スクロール情報生成処理部137は、当該スクロール操作入力部165より伝送されてくる電気信号で示される当該回転量及び回転方向に対応するスクロール量及びスクロール方向に関する情報を含むスクロール情報を生成する。無線通信部134は、当該スクロール情報を無線送信する。
当該構成とすることで、入力ボタンと共にスクロール手段が入力ユニット150に配置されるため、ユーザは手軽にスクロール操作を入力することが可能となり、操作性を向上させることができる。
なお、スクロール操作入力部165は、入力ユニット150の上面152から上方に突き出した状態で配置されているため、デバイス不使用形態に戻す場合に、当該スクロール操作入力部165が本体ユニット110の前方側面116にぶつかり、入力ユニット150を垂直な角度まで戻すことができない。そこで、ポインティングデバイス100dでは、前方側面116であって、デバイス不使用形態においてスクロール操作入力部165が折合わさる部分に、当該スクロール操作入力部165を収納する窪み部124が配置されている。当該構成とすることで、入力ユニット150を本体ユニット110側に畳んだ場合に、上面152より突き出しているスクロール操作入力部165が前方側面116に設けられている窪み部165に収まるため、デバイス不使用形態において、全体として直方体形状とすることが可能となる。
なお、図20〜23に示すポインティングデバイス100eのように、本体ユニット110から前方に突き出した状態の軸受部117a、117bの高さが本体ユニット110の高さの半分の高さよりも高い構成であっても良い。当該構成とすることで、ユーザがデバイスを操作する上で把持する左側面113及び右側面114の面積が広くなり、デバイスの前後方向の長さを短く設計することが可能となる。
なお、図24〜27に示すポインティングデバイス100fのように、入力ユニット150の左右方向(横方向)の長さが本体ユニット110の左右方向(横方向)の長さよりも短い構成としても良い。当該構成とすることで、本体ユニット110の前方部分に設けられた切欠き部分に入力ユニット150を収納することができ、左側面113と右側面114の面積を広く取ることができる。ポインティングデバイス100fは、本体ユニット110の横方向の長さが55mm、入力ユニット150の横方向の長さが45mmである。
ポインティングデバイス100fでは、本体ユニット110の前方に入力ユニット150を収納する窪み部が設けられ、当該窪み部に入力ユニット150を収納することでデバイス不使用形態の略直方体形状となる。
なお、図28〜31に示すポインティングデバイス100gように、デバイス使用形態において中間の高さに入力デバイス150が配置される構成としても良い。この場合、入力ユニット150の底面151には、展開可能な脚部166と、当該脚部166を収納する脚部収納部167が設けられている。デバイス使用状態では、展開された脚部166がデスク表面と接触することで入力ユニット150の上面が平行な状態となり、安定的に入力ユニット150が支えられる。
入力ユニット150の前方が転回された脚部166で支えられ、後方が本体ユニット110に支えられることで、入力ユニット150がデスクに平行に支えられる。
また、図32〜35に示すポインティングデバイス100hのように、デバイス不使用状態で上面となる本体ユニット110の上面112と、入力ユニット150の前方側面156が一体とした斜面が形成されている構成としても良い。すなわち、底面111と上面112、後方側面155と前方側面156は、平行ではなく所定の角度φで対向している。φは、0°<φ≦30°であると良い。
なお、上述のポインティングデバイスでは、デバイス不使用形態から入力ユニット150を前方に倒す方向に90度回動させることでデバイス使用形態となる構成を取る。しかしながら、本実施形態1に係るポインティングデバイス100は、当該構成に限定されるものではなく、本体ユニット110における前方側面116と底面111の角度に依存する。
例えば、前方側面116と底面111との角度θとして、180−θの角度分、回動させることでデバイス使用形態とデバイス不使用形態とを相互に移行可能な構成としても良い。角度θは30°≦θ≦90°である。例えば、θが60度となるように本体ユニット110の筐体が形成されている場合、入力ユニット150を120度分、デバイス前方に倒す方向に回動させることで、入力ユニット150の上面152と本体ユニット110の前方側面116とがデバイス不使用形態からデバイス使用形態に移行することが可能となる。
回動機構としては、本体ユニット110の前方に突起した状態の軸受部117a、117bが設けられ、軸受部117a、117b内に回動可能な状態で配置された軸受部材119a、119bが配置され、入力ユニット150の後方に配置される軸部材159a、159bが、本体ユニット110側の軸受部材119a、119bと嵌合するように接続されることで、入力ユニット150が本体ユニット110に回動可能な状態で接続される。
なお、ポインティングデバイス100において、入力ユニット150と本体ユニット110とを接続する軸部には、入力ユニット150に配置されている入力ボタン161、162に対する操作が行われたことを示す操作信号を本体ユニット110側に伝送する電気配線を通す配線穴が設けられている。当該構成とすることで、入力ユニット150に対して行われる各種入力を示す電気信号が本体ユニット110側に伝送されて、本体ユニット110側で適切にパケット化や無線送信等の処理が行われる。なお、入力ユニット150と本体ユニット110の別の部分に電気的な接点を配置し、デバイス使用時にこれらの接点が接触する構成とすることで、電気信号が本体ユニット110側へ送られ、また本体ユニット110内のバッテリーからの電力が入力ユニット150内の基板回路に給電される構成としても良い。
(実施形態2)
ポインティングデバイス100は、本体ユニット110内部に配置されているバッテリーからの電力を消費して機能する。ここで、ポインティングデバイス100を使用していない場合には、バッテリーと各電子部品が電気的に切り離されてバッテリーからの給電が遮断される構成とすることが、消費電力低減の観点から好ましい。そこで、デバイス本体に電源切替スイッチを底面等に別途配置し、ユーザがデバイスを使用しない場合に、当該スイッチを押下又はスライドさせることで電源のON―OFFを切り替えられる機能を有していることが好ましい。
しかしながら、デバイスを使用しない場合にその都度、電源スイッチを切り替える作業は煩雑に絶えず、この作業を怠るユーザが後を絶たない。そのため、デバイスを使用しようとした時にバッテリーが切れてしまっており、デバイスを使用できないと言った不便が度々発生し、ユーザにフラストレーションを溜まらせる原因となっていた。
本実施形態2に係るポインティングデバイスは、入力ユニットの展開・折り畳みを電源のON−OFFと連動させることにより、別途デバイスの電源のON−OFFの切替操作を不要としている点を特徴とする。以下、図面を参照して詳細に説明する。但し、実施形態1で既に説明した部分については一部説明を省略する。
図36は、軸受部117a付近の断面図を示している。軸受部材119aに軸部159aが嵌合されることで入力ユニット150が本体ユニット110に対して回動可能な状態で接続されている。
軸受部材119aは、弾性体(バネ)120aによって斜め下方向に付勢されている。軸受部材119aには第1突起部211aと第2突起部212aが回転角度に対応する90度の角度異なる位置に取り付けられている。このうち、第2突起部212aは、金属で鍍金されている。
また、本体ユニット110には窪み部213aが配置されている。窪み部213aの内側には第1電極213aと第2電極213bとが配置されており、当該第1電極213aはバッテリー135と接続されており、第2電極213bは各電子部品に接続されている。
図37に示すようにデバイス不使用状態では、第1突起部211aが窪み部213aに嵌合して係止されているため、弾性体120aによる付勢も相まって軸受部材119aの回動が制限される。一方、第1突起部211aは外部が鍍金されていないため、第1電極213aと第2電極213bとは電気的に接続されず、従って各電子部品とバッテリーとが電気的に遮断されているため電源はOFF状態となる。
一方、入力ユニット150に所定の大きさ以上の回転の力が加えられて90度回転されることで、軸受部材119aも90度回転されることにより、窪み部213に嵌合する突起部が第1突起部211aから第2突起部212aに切り替わる。この場合、第2突起部212aが金属鍍金されているため、第1電極213aと第2電極213bが電気的に導通する。従って、バッテリー135からの電力がMPU等の電子部品に供給されることになり、電源がONとなる。
以上のように、本実施形態2に係るポインティングデバイス200では、デバイス不使用形態から入力ユニット150を前方に倒す方向に所定の角度回動させることでデバイス使用形態となる。ここで、ポインティングデバイス200は、入力ユニット150の回動操作に基づいて少なくとも移動検出部や無線通信部など、本体ユニット110が有する各部に対するバッテリー135らの給電状態を切り替える給電切替手段を備える。
より具体的には、ポインティングデバイス200は、デバイス不使用形態において入力ユニット150を本体ユニット110に係止させる第1係止手段と、デバイス使用形態において入力ユニット150を本体ユニットに係止させる第2係止手段と、を備える。上記給電切替手段は、当該第1係止手段によって入力ユニット150が係止される場合に、電気を消費して所定の機能を実現する各部をバッテリー135から電気的に切断し、第2係止手段によって係止される場合に、電気を消費して所定の機能を実現する各部をバッテリー135に電気的に接続するように切り替える。
当該構成とすることで、デバイスの使用を終えたユーザが入力ユニット150を折り畳むことに連動してバッテリーが電気的に切り離されることで、デバイス不使用時に不要な電力が消費されることを防ぐことができる。
なお、上記構成とは別に第2の電源切替スイッチを底面等に配置しておいても良い。両方の切替スイッチがONになっている場合にのみ電源が投入される構成とすることで、ちょっとした離席時などでは、第2の電源切替スイッチを切っておくことで不要な電力消費を抑えることができる。
(実施形態3)
実施形態1に係るポインティングデバイス100は、本体ユニット110の前方側面116側に軸受部117a、117bを有する構成であった。一方、本実施形態3に係るポインティングデバイスは、本体ユニットと入力ユニットが連結部材で回動可能な状態で接続されていることを特徴とする。以下、図面を参照して詳細に説明する。但し、実施形態1、2で既に説明した部分については一部説明を省略する。
図38〜41は、本実施形態3に係るポインティングデバイス300におけるデバイス不使用形態(入力ユニット折り畳み状態)と、デバイス使用状態(入力ユニット展開状態)の外観斜視図及び六面図を表している。また、図42は、中央付近の断面図を示している。また、図43は、入力ユニット150を取り外した状態の本体ユニット110の外観斜視図であり、図44は入力ユニット150を示している。但し、本体ユニット110内の内部の構成の一部は省略している。
図38〜41に示す本実施形態3に係るポインティングデバイス300において、本体ユニット110は、高さLzが20mm、横方向の長さLxが55mm、縦方向の長さLyが18mmに設計されており、入力ユニット150は、高さNzが7mm、横方向の長さNxが55mm、縦方向の長さNyが20mmに設計されている。
本体ユニット110の前方側面116下方には、連結部材301を通す連結用開口部311が設けられており、入力ユニット150には、当該連結部材301と回動可能な状態で取り付ける連結結合部(連結用切欠き部)351が設けられている。
入力ユニット150の上面152には、入力ボタン161、162と、スクロール操作入力部165が設けられており、本体ユニット110の前方側面116には、当該スクロール操作入力部165を収納する窪み部(収納部)124が設けられている。
連結部材301は、バネ等の弾性体312により、デバイス後方方向に付勢されている。デバイスを使用する場合は、入力ユニット150を前方に引きながら回転させることで、デバイス使用形態に移行する。
本実施形態3において、連結部材301は、例えば厚さが3mm、横幅が20mm、奥行きが10mmの部材であり、入力ユニット150側の両端部分には軸部が配置されている。
入力ユニット150の連結結合部351は、切欠き状になっており、当該切欠きの両端部分には、連結部材301の軸部を受ける軸受け孔352−1、352−2がそれぞれ配置されている。当該軸受孔352−1、352―2に連結部材301の軸部が回動可能な状態で嵌合する。連結部材301は、弾性体312により、デバイス後方に引き寄せられるため、当該連結部材301に回動可能な状態で連結されている入力ユニット150も本体ユニット110側に引き寄せられる。従って、デバイス不使用形態及び90度回転させたデバイス使用形態の両形態において入力ユニット150が安定的に本体ユニット110に連結される。
以上説明したように、本実施形態3に係るポインティングデバイス300は、入力ボタン161、162が上面に配置されている入力ユニットが、移動方向及び移動量を検出する移動検出部を少なくとも備える本体ユニットに対して連結部材301を介して回動可能な状態で接続されている。入力ユニット150を本体ユニット110に対して回動させることで、デバイス使用形態とデバイス不使用形態の2つの形態をとりうるポインティングデバイスである。
入力ユニット150は、本体ユニット110の前方に回動可能な状態で連結部材301を介して接続され、デバイス不使用形態から入力ユニット150を前方に倒すように回動することでデバイス使用形態に移行し、デバイス使用形態から入力ユニット150を後方に戻すように回動することで前記デバイス不使用形態に移行する。
当該構成とすることで、入力ユニット150の上面152が広がり、ボタン配置等で柔軟性を向上させることが可能となる。また、比較的面積の大きい上面152と前方側面116との間で連結部材301を用いることで、連結部材301も比較的大きい連結部材を用いることができる。従って、入力ユニット150と本体ユニット110との連結を強固にすることができ、デバイス不使用形態及びデバイス使用形態の両方の形態で安定性を向上させることができる。
なお、ポインティングデバイス300においても、実施形態2と同様、入力ユニット150を倒してデバイス使用形態とすることでバッテリー135からの給電が切り替えられる行える構成とすると更に良好である。例えば、図42で例示するように、デバイス使用形態の方が、デバイス不使用形態と比較して連結部材301が前方方向に引き寄せられる。連結部材301の付近には電源切替スイッチ313が配置されており、デバイス不使用形態では、連結部材301が電源切替スイッチ313から離れることでバッテリー135と電子回路等の電子部品との接続が切り離され、電源がOFFとなる。一方、デバイス使用形態では、連結部材301がより前方に引き寄せられるため、弾性体312がより圧縮されて反発力が上がると共に、連結部材301が電源切替スイッチ313を押し込むように作用し、バッテリー135と電子部品とが電気的に接続されて給電される。電子部品には、MPU、ROM、RAM、移動検出用に用いられるLED、インジゲーター用のLED、無線通信回路、入力ボタン用電子基板、などがある。
なお、図45に例示するポインティングデバイス300bように、複数の連結部材301a〜301cによって、入力ユニット150が本体ユニット110に回動可能な状態で連結されていても良い。
また、図46、図47に例示するポインティングデバイス300cように、本体ユニット110の前方側面116に係止用の突起部(係止用凸部)314a、314bが配置されており、前記入力ユニット150の上面152の第1窪み部(第1形態時係止用凹み部)353a、353bが後方側面155に第2窪み部(第2形態時係止用凹み部)354a、354bが配置されている構成とすると更に良好である。
ここでは、突起部314a、314bは同一形状であり、高さ2mmの先細っている突起が、前方側面116の左右両側であって底面151より3mmの高さに配置されている。第1窪み部353及び第2窪み部354は共に同一形状であり、突起部314と略同一形状の凹みである。
デバイス不使用形態では、本体ユニット110の前方側面116と入力ユニット150の上面152とが接触した状態で対向する。従って、デバイス不使用形態では、突起部314a、314bは、それぞれ第1窪み部353a、353bに嵌合する。一方、デバイス使用形態では、本体ユニット110の前方側面116が入力ユニット150の後方側面155と接触した状態で対向する。従って、デバイス使用形態では、突起部314a、314bは、それぞれ第2窪み部354a、354bと嵌合する。
当該構成とすることで、デバイス使用形態とデバイス不使用形態の両形態において、入力ユニット150と本体ユニット110との結合を強めることができ、デバイス不使用時に入力ユニット150が勝手に開いてしまうと言った事態や、デバイス使用時にボタン操作の度に入力ユニット150がぐらついてしまうと言った事態を防ぐことができる。
また、図48〜53に示すポインティングデバイス300dのように、底面側に連結気候を備える構成としても良い。ポインティングデバイス300dにおいて、本体ユニット110の底面111と前方側面116とに跨る領域に連結用切欠き部311a、311b、311cが設けられている。連結用切欠き311a〜311cは、横幅が4mm、高さ(奥行き)が4mm、縦幅(デバイス前後方向)が8mmに設計されている。連結部材301a〜301cは、当該連結用切欠き部311a〜311cを前後方向にスライド可能な状態で本体ユニット110と入力ユニット150にデバイス後方に付勢された状態で連結されている。
入力ユニット150の後方には、連結用切欠き部351a、351b、351cが設けられている。連結用切欠き部351a、351b、351cは、後方側面155に設けられた切欠きであり、横幅が4mm、縦幅(デバイス高さ方向)が7mm、奥行き(デバイス前後方向)が4mmの切欠きである。連結用切欠き部351a〜351cには、入力ユニット150が本体ユニット110に対して回動可能なように、連結部材301a〜301cに設けられている軸部を受ける軸受孔352a−1,352a−2、352b−1、352b−2、352c−1、352c−2が設けられている。これらの軸受孔は、連結用切欠き部の内側の下方両端にそれぞれ設けられている。
当該軸受孔に連結部材が回動可能な状態で嵌合することで、入力ユニット150を回転させ、デバイス使用形態とデバイス不使用形態とを相互に移行することが可能となる。デバイス不使用形態からデバイス使用形態に移行させるためには、まず、入力ユニット150を前方に1mm程度引っ張り出す。連結部材301a〜301cは、連結用切欠き部311a〜311cにスライド可能な状態で嵌まっているため、連結部材301a〜301cが前方にスライドする。この状態で、入力ユニット150を前方に倒す方向に力を加えると、入力ユニット150が連結部材301a〜301cに対して回動する。90度倒した段階で入力ユニット150から手を放すと、各連結部材301a〜301cがデバイス後方に付勢された状態で本体ユニット110と接合されているため、入力ユニット150が本体ユニット110側に引き寄せられてデバイス使用形態となる。
なお、この場合においても、ポインティングデバイス300cのように、デバイス使用形態とデバイス不使用形態で安定させるためにストッパ機構が設けられていると更に良好である。
その他、図54、図55に示すように、デバイス不使用形態時に現れる8つの角部分について面取りがされていると更に良好である。当該8つの角とは、本体ユニット110の後方側の4つの角と、入力ユニット150の底面側の4つの角である。本体ユニット110の前方側の4つの角と入力ユニット150の上面側の4つの角は、デバイス不使用形態においてお互い合わさり、平らな上面、左右側面、底面となることで直方体形状を形成するものであるため、面取りはされていないことが好ましいか、若しくは、面取りの角度(大きさ)が小さいことが好ましい。
なお、入力ユニット150内のボタン基盤と本体内部の電子部品やバッテリーとを接続するための電気配線が、連結部材301を通っていても良いし、前方側面116の下部と後方側面155に電気パッド等の端子がデバイス使用状態で相互に接触するように配置されていても良い。また、ポインティングデバイス300cの突起部314a、314bに電気端子を配置し、当該電子端子と本体ユニット110内の電子部品とバッテリーとが電気的に接続されている。この場合、入力ユニット150の第2形態係止用窪み部354a、354b内部にデバイス使用形態において突起部314a、314bの電気端子と接触する電気端子が配置されている。当該電気端子は回路基盤163と電気的に繋がっている。
(実施形態4)
実施形態1〜3で示したポインティングデバイス100〜300では、入力ユニット150の上面152と前方側面116が合わさる構成であることから、デバイスの高さを高くするほど、入力ユニット150の縦の長さが長くなり、ユーザはボタン入力の際に人差し指と中指を折り曲げる割合を減らせることができ、操作性が向上する。
しかしながら、当該操作性を向上させることだけを目的としてデバイスの高さを高くし、携帯性を低下させることは、携帯性を向上させるという本デバイスの基本コンセプトから逸脱するため好ましくない。
そこで、本実施形態4に係るポインティングデバイスは、デバイスにおける本体ユニット110の高さを高くすることなく、入力ユニット150の長さを長くすることで操作性を向上させるポインティングデバイスとすることを目的とする。以下、図面を参照して詳細に説明する。但し、実施形態1〜3で既に説明した部分については一部説明を省略する。
図56〜59は、それぞれ本実施形態4に係るポインティングデバイス400のデバイス不使用形態の外観図、六面図、デバイス使用形態の外観図、六面図を示している。本体ユニット110と入力ユニット150は、連結部材301で回動可能な状態で接続されている。
本体ユニット110の前方にはデバイス不使用形態及びデバイス使用形態の2つの形態において入力ユニット150を係止させるための係止手段を備える。当該係止手段として突起部314a、314bが前方側面116の下方に配置されている。
当該突起部314a、314bには内部の各電子部品と電気的に接続されている電気端子が配置されている。従って、突起部314aは一種の電子コネクタとして機能する。
入力ユニット150は、第1入力ユニット(スライド基盤部)450と、当該第1入力ユニット450にスライド可能な第2入力ユニット(ボタン配置部)470とで構成される。
第1入力ユニット450は、連結部材301と回動可能な状態で連結する連結結合部451と、スライドレール452a、452bとを備える。より具体的には、第1入力ユニット450の底面の後方部分に連結部材301を受ける切欠きである連結結合部451が設けられている。スライドレール452a、452bは、高さ5mm、横幅6mm、奥行き14mmの2本のレールであり、第1入力ユニット450の前方側面から更に前方に突き出した状態で配置されている。
第1入力ユニット450の上面及び後方側面には、それぞれデバイス不使用形態及びデバイス使用形態で突起部314a、314bを収納する窪み部453a、453b、454a、454bが配置されている。
デバイス使用形態で突起部314a、314bと嵌合する窪み部454a、454bには、突起部314a、314bに配置されている電気端子と接触する電気端子が配置されている。
また、第1入力ユニット450は、第2入力ユニット470をスライド前後において係止させるための係止手段を備える。このような係止手段として、第1入力ユニット450の前方側面には、突起部455a、455bが配置されている。突起部455a、455bが第2入力ユニット470の後方側面に配置されている窪み部と嵌合することで第2入力ユニット450がスライド前において第1入力ユニットに係止される。
また、スライドレール452a、452bの先端部分には、電気端子が配置されており、第2入力ユニット470を前方にスライドさせたデバイス使用状態で第2入力ユニット470に配置された電気端子と接触する。スライドレール452a、452b内部には電気配線用の貫通孔が配置されており、スライドレール452a、452b部分に配置されている電気端子と窪み部454a、454b内に配置されている電気端子と伝的に接触している。
第2入力ユニット470の底面側にはスライドレール受け部471a、471bが配置されており、第1入力ユニット450のスライドレール452a、452bと前後方向にスライド可能な状態で嵌合する。
第2入力ユニット470の上面には、入力ボタン161、162、スクロール操作入力部165などが配置されている。入力ボタン161、162の背後にはマイクロスイッチ161a、162aが配置され、その背後に回路基板163が配置されている。回路基板163で生じた電気信号は、スライドレール部分に配置された電気端子からスライドレール452a、452b内部の電気配線を通り、窪み部454a、454b内の電気端子から本体ユニットの突起部314a、314bの電気端子を介して本体ユニット110内の電気部品に送られる。
第2入力ユニット470の後方側面には、第1入力ユニット450の前方に配置されている突起部455a、455bと嵌合する窪み部472a、472bが配置されており、スライドされていない状態で窪み部472aと472bが突起部455a、455bに嵌合して第2入力ユニット470が第1入力ユニット450に係止される。その他、スライド受け部471a、471bにはスライド後のデバイス使用形態において係止させるための係止手段が設けられている。
以上のように、本実施形態4に係るポインティングデバイスは、デバイス使用形態において、本体ユニット110に対して回動可能な状態で接続される第1入力ユニット450と、第1入力ユニット450に対して前後方向にスライド可能な第2入力ユニット470と、を備え、入力ボタン161、162は、第2入力ユニット470に配置されていることを特徴とする。当該構成とすることで、親指と薬指又は小指で支えている本体ユニットから入力ボタンまでの距離をスライドさせて離すことができ、操作性を向上させることができる。
なお、上記説明では、第1入力ユニット450と第2入力ユニット470の2つの部材が相互にスライドする構成について説明したがこれに限定されるものではない。例えば、更に多くの部材がスライド可能な状態で連結されており、多段的に入力ボタンが配置されているユニットを前方に引き出せる構成としても良い。
(実施形態5)
実施形態5に係るポインティングデバイスも実施形態4に係るポインティングデバイス400と同様、入力ボタンを本体ユニットよりも大きく前方に突き出した位置にくるようにしたことを特徴とする。以下、図面を参照して詳細に説明する。但し、実施形態1〜4で既に説明した部分については一部説明を省略する。
図60、図61は、それぞれ本実施形態5に係るポインティングデバイス500のデバイス不使用形態における外観斜視図及び六面図を示しており、図62、図63はデバイス使用形態における外観斜視図及び六面図を示している。また、図64は、デバイス不使用形態からデバイス使用形態へ移行する際の途中段階を表した左側面図である。
図60、図61からもわかるようにデバイス不使用形態において入力ユニット150の上面152に配置されている入力ボタン161、162がデバイス前方方向を向いている。デバイス不使用形態では、入力ユニット150の底面151が本体ユニット110の前方側面116と接触した状態で対向している。
本体ユニット110と入力ユニット150は、連結アーム501を介して回動可能な状態で接続されている。連結アーム501は、本体ユニット110の高さよりも短い板状の連結部材であり、両端がそれぞれ本体ユニット110と入力ユニット150に対して回動可能な状態で連結されている。図60〜図63に示すポインティングデバイス500では、横幅10mm、縦幅20mm、高さ(厚さ)3mmの板状の連結アーム501a、502bが前方側面116の下方、ここでは底面から2mmの高さの部分に回動可能な状態で取り付けられている。
本体ユニット110の前方側面116には、デバイス不使用形態において連結アーム501a、501bを収納する連結アーム収納用の切欠き部511a、511bが設けられている。なお、当該連結アーム501をデバイス不使用形態において収納する切欠き部は入力ユニット150の底面151に配置されていても良い。
連結アーム501の一端は、本体ユニット110の前方側面116の下方部分に90度回動可能な状態で接続されており、他端が入力ユニット150の後方部分に180度回動可能な状態で接続されている。また、連結アーム501内部には、入力ユニット150で生じる電気信号を本体ユニット110に伝送するための電気配線が通されている。
また、連結アーム501と本体ユニット110及び入力ユニット150の間か、または本体ユニット110と入力ユニット150の間には、係止手段が備え付けられている。
図64に示すように、デバイス不使用形態からデバイス使用形態に移行する場合には、入力ユニット150を前方方向に引き出す。そうすると、係止が外れて連結アーム501a、501bが本体ユニット110に対して反時計回りに回動する。同時に入力ユニット150が連結アーム501a、501bに対して時計回りに回動する。
このまま、入力ユニット150を引き続けると、入力ユニット150が連結アーム501a、501bに対して180度回動し、連結アーム501と入力ユニット150が一直線に並び、係止手段(ストッパ)により入力ユニット150と連結アーム501a、501bがロックされる。
連結アーム501を本体ユニット110に対して90度回動させることで、連結アーム501と本体ユニット110が係止手段(ストッパ)で係止され、入力ユニット150の底面151、連結アーム501a、501bの底面、本体ユニット110の底面111が同一平面に位置するようになりデバイス使用形態となる。
以上説明したように、本実施形態5に係るポインティングデバイス500は、入力ボタンが上面に配置された入力ユニット150と、少なくともバッテリーが配置される本体ユニット110が連結アーム(連結部材)501を介して回動可能な状態で接続される。デバイス不使用形態では、入力ユニット150の底面151と本体ユニット110の前方ユニット116が接触した状態で対向し、当該入力ユニット150の底面151と本体ユニット110の間に収納されている。デバイス不使用形態からデバイス使用形態に移行する際に、連結アーム501は、本体ユニット110に対して第1の方向に略90度回動し、入力ユニット150は、連結アーム501に対して第2の方向(第1の方向の反対方向)に略180度回動することで、デバイス使用形態となる。
(実施形態6)
実施形態4、5に示すポインティングデバイスは、デバイス使用形態において、本体ユニットの高さの2倍程度の距離前方に突き出した位置に入力ボタンを配置することが可能となる。
しかしながら、当該構成では、本体ユニットの高さを低く設計する場合には、入力ユニットを前方に展開しても、さほど本体ユニットから入力ボタンまでの距離が離れないことになり、操作性向上に寄与する割合が相対的に低くなる。
本実施形態6に係るポインティングデバイスは、本体ユニットの高さを低く抑えつつも、デバイス使用形態において入力ユニットに配置されている入力ボタンの位置が本体ユニットから更に前方に離れた位置に配置されることを可能とする点を特徴としている。以下、図面を参照して詳細に説明する。但し、実施形態1〜5で既に説明した部分については一部説明を省略する。
図65、図66は、本実施形態6に係るポインティングデバイス600のデバイス不使用形態における外観斜視図及び六面図であり、図67、図68は、デバイス使用形態における外観斜視図及び6面図をそれぞれ示している。図69は、デバイス不使用形態からデバイス使用形態に移行する際の途中段階におけるポインティングデバイス600の左側面図である。
入力ユニット150は、第1入力ユニット650及び第2入力ユニット670が第2連結部材692で連結されている。第2連結部材692は例えばゴムのようなフレキシブルな弾性体であり、第1入力ユニット650の前方側面656と、第2入力ユニット670の後方側面675とを連結する。
第1入力ユニット650の前方側面656と第2入力ユニット670の後方側面675には、デバイス使用形態で嵌合して係止するための係止手段が配置されている。例えば、前方側面656の背後にN極の磁石が配置され、後方側面675にS極の磁石が配置されており、これらの2つの面が接触することで引き合い、係止される。
第1入力ユニット650は、本体ユニット110と第1連結部材691で連結されている。第1連結部材691も、第2連結部材692と同様、例えばゴムのようなフレキシブルな弾性体であり、第1入力ユニット650の後方側面655と本体ユニット110の前方側面116下方部分とを連結する。
第2連結部材692の両端は、例えば第1入力ユニット650の内部と第2入力ユニット670の内部とに接合されており、第1入力ユニット650の前方側面656には当該第2連結部材692を露出させる開口が設けられ、第2入力ユニット670の後方側面675にも第2連結部材692を露出させる開口が設けられている。
第1連結部材691の両端も、例えば第1入力ユニット650の内部と本体ユニット110の内部とに接合されており、第1入力ユニット650の後方側面655には当該第1連結部材691を露出させる開口が設けられ、本体ユニット110の前方側面116にも第1連結部材691を露出させる開口が設けられている。
第2入力ユニット670の上面672と本体ユニット110の上面112には、係止するための係止手段が配置されている。例えば、本体ユニット110の上面112に爪などの突起部が配置されており、第2入力ユニット670の上面672には当該突起部と嵌合する窪み部が設けられていても良いし、本体ユニット110の上面112と第2入力ユニット670の上面672にそれぞれS/N極の磁石が配置されていても良い。
入力ユニット150は、本体ユニット110の前方側面116と上面112に渡って巻きつくように収納されることでデバイス不使用形態となる。第2入力ユニット670を引っ張りながら本体ユニット110の上面112の突起部に引っ掛けることで係止される。
当該構成によれば、デバイス不使用形態においては全体の形状が略直方体形状を維持して高い携帯性を有する一方、デバイス使用形態においては、本体ユニット110の上面112の縦幅と前方側面116の縦幅(デバイスの高さ)を合計した長さ分デバイス前方に入力ユニット150が突き出す構成となるため、デバイスの高さが低くても前後方向の長さを長くすることで、デバイスから離れた位置に入力ボタンを配置することが可能となる。
(実施形態7)
実施形態6に係るポインティングデバイスでは、デバイスの高さが低くても、前後方向の長さが長い場合に、デバイス使用形態において入力ボタンを本体ユニットから離れた位置に配置することが可能となる。
しかしながら、入力ユニット150が折れ曲がって2つの面に跨るため、構造が複雑となると言った問題が発生していた。本実施形態7に係るポインティングデバイスは、デバイスの高さを十分確保できない場合であっても、デバイス使用時に本体ユニットから離れた位置に入力ボタンを配置することを可能とすることで、操作性を向上させる点を特徴としている。以下、図面を参照して詳細に説明する。
図70、図71は、それぞれ本実施形態7に係るポインティングデバイス700のデバイス不使用形態における外観斜視図及び六面図を示しており、図72、図73はそれぞれポインティングデバイス700のデバイス使用形態における外観斜視図及び六面図を示している。また、図74は、デバイス不使用形態からデバイス使用形態に移行する際の途中段階の左側面図を示している。図75、図76は、それぞれ入力ユニット150を外した状態の本体ユニット110の外観斜視図と入力ユニット150の後方側からの外観斜視図を示している。
本実施形態7に係るポインティングデバイス700において、本体ユニット110は、横方向(デバイス左右方向)の長さLxが40mm≦Lx≦100mm、より好ましくは、50mm≦Lx≦80mmに設計される。縦方向(デバイス前後方向)の長さが4mm≦Ly≦50mm、より好ましくは10mm≦Ly≦25mmに設計される。高さLzは、6mm≦Lz≦30mm、より好ましくは8mm≦Lz≦20mmに設計される。本実施形態7に係るポインティングデバイス700では、具体的に、本体ユニット110は、横の長さ(左右方向)の長さLxが55mm、縦(前後方向)の長さLyが20mm、高さ(厚さ)Lzが10mmに設計されている。
入力ユニット150は、横方向の長さNxはLxと略同一であり、縦方向の長さNyもLyと略同一である。高さNzは6mm≦Nz≦Lzとなる。Lzが30mm以下であるため、Nzも30mm以下である。具体的に、入力ユニット150の横の長さNxが55mm、縦の長さNyが20mm、高さNzが7mmに設計されているとする。
従って、本実施形態7に係るポインティングデバイス700において、デバイス不使用形態における容積は、55mm(Lx=Nx)×20mm(Ly=Ny)×17mm(Lz+Nz)=18.7立方センチメートルであり、デバイス使用形態における容積は55mm(Lx=Nx)×40mm(Ly+Ny)×10mm(Lz)=22.0mmとなる。従って、デバイス不使用形態の容積はデバイス使用形態の容積よりも小さく、携帯性が比較的高いことを示している。
本体ユニット110と入力ユニット150は、連結部材701で回動可能な状態で連結されている。本体ユニット110の前方側面116と底面111に跨る部分には、連結部材701a、701bを受ける切欠き部711a、711bが設けられている。具体的には、本体ユニット110の底面111と前方側面116の間にある2つの角からそれぞれ5mm内側の位置に5mm立方の切欠き部711a、711bが設けられている。
当該切欠き部711a、711bの内側には連結部材701a、701bと回動可能な状態で接続するための軸受孔が設けられている。必要に応じて軸受孔の内側はシリコンなどの弾性体が配置されており、連結部材701a、701bとの密着性を高めて摩擦係数を向上させ、緩やかに回動するように構成されている。また、弾性体を配置することで連結部材701a、701bが僅かに上下方向に移動可能となり、入力ユニット150の回動の際に角が引っ掛からないように構成されている。
入力ユニット150の後方側面155と底面151に跨る部分には、連結部材701a、701bを受ける切欠き部751a、751bが設けられている。具体的には、入力ユニット150の底面151と後方側面155の間にある2つの角からそれぞれ5mm内側の位置に5mm立方の切欠き部751a、751bが設けられている。
当該切欠き部751a、751bの内側には連結部材701a、701bと回動可能な状態で接続するための軸受孔が設けられている。必要に応じて軸受孔の内側はシリコンなどの弾性体が配置されており、連結部材701a、701bとの密着性を高めて摩擦係数を向上させ、緩やかに回動するように構成されている。また、弾性体を配置することで連結部材701a、701bが僅かに上下方向に移動可能となり、入力ユニット150の回動の際に角が引っ掛からないように構成されている。
デバイス不使用形態において、本体ユニット110の底面111と入力ユニット150の底面151が合わさる形で入力ユニット150が本体ユニット110に係止されている。本体ユニット110と入力ユニット150の平面が同一形状であるため、デバイス不使用形態において全体の形状は高さ17mm、横の長さが55mm、縦の長さが20mmの略直方体形状となる。
本体ユニット110の底面111と入力ユニット150の底面151とが合わさった状態で係止するための第1の係止手段が、本体ユニット110及び入力ユニット150にそれぞれ配置されている。
ここでは、具体的に、本体ユニット110の底面111の表面又は裏側(デバイス内側)に磁石712が配置されている。当該磁石712は、少なくとも底面111の後方領域に配置されていることが好ましく、複数の磁石712が配置されていることが好ましい。
ポインティングデバイス700では、縦の長さが50mm、横の長さが20mm、厚さが2mである磁石712が、デバイス後方側がN極、デバイス前方側がS極となるように底面111の後方側面側から3mmの距離の位置であって左右方向中央付近に埋め込まれる形で配置されている。すなわち、磁石712は、底面111の長手方向に対称な位置であって、短手方向に非対称な位置に配置されている。
また、入力ユニット150の底面151にも磁石752が配置されている。磁石712と略同一形状の磁石752が、デバイス後方側がN極、デバイス前方側がS極となるように底面151の前方側面側から3mmの距離の位置であって左右方向中央付近に埋め込まれる形で配置されている。すなわち、磁石752は、底面151の長手方向に対称な位置であって、短手方向に非対称な位置に配置されている。
デバイス不使用形態において、磁石712と磁石752が同一位置となる場所に配置されているため、デバイス不使用形態において、これらの磁石が引き合い、デバイス不使用形態において入力ユニット150が本体ユニット110に係止される。
本体ユニット110の前方側面116の下方部分と、入力ユニット150の後方側面155には、本体ユニット110の前方側面116と入力ユニット150の後方側面155とが合わさった状態で係止するための第2の係止手段が配置されている。具体的には、本体ユニット110の前方側面116の下方部分の表面又は裏側(デバイス内側)には磁石713a、713b、713cがそれぞれ配置されており、入力ユニット150の後方側面155の表面又は裏側(入力ユニット内部)には、それぞれ磁石753a、753b、753cがそれぞれ配置されている。
ここでは磁石713a、713b、713cは、S極が入力ユニット150側に向いており、磁石753a、753b、753cは、N極が本体ユニット110側に向いている。デバイス使用形態においてこれらの相対する磁石が引き合い、入力ユニット150が本体ユニット110に係止される。
底面同士が接触した状態で係止されている状態であるデバイス不使用形態から、入力ユニット150に力を加えること係止が外れ、左側面側から見た場合に時計回りに入力ユニット150が回動する。入力ユニット150を前方に引っ張りながら180度回動させることで、上面152が上方を向き、後方側面155が前方側面116の下方と接触して係止され、デバイス使用形態となる。
なお、他の実施形態と同様、連結部材701内に入力ユニット150と本体ユニット110を繋ぐ電気配線が設けられていても良いし、入力ユニット150の後方側面155と本体ユニット110の前方側面116の相対する位置に電気パッド等の電気端子が配置されており、デバイス使用形態時に相互に接触する構成としても良い。
以上のように、本実施形態7に係るポインティングデバイス700は、入力ユニット150が本体ユニット110に連結部材701を介して回動可能な状態で接続されている。本体ユニット110の前方側面116と底面111に跨る領域に連結部材701と接続する切欠き部(本体ユニット側連結部)711が設けられ、入力ユニット150の後方側面155と底面151に跨る領域に切欠き部751が設けられている。デバイス不使用形態において、本体ユニット110の底面111と入力ユニット150の底面が接触して対向した状態で係止され、デバイス使用形態において、入力ユニット150が本体ユニット110に対して180度回動し、本体ユニット110の前方側面116と入力ユニット150の後方側面155が接触した状態で係止される。
当該構成とすることで、デバイスの高さ方向を低く抑えつつも、デバイス使用形態において入力ボタン161、162をデバイス前方の比較的遠い位置に配置することが可能となる。
また、本体ユニットの筐体形状と入力ユニットの筐体形状が略同一であるため、デバイス不使用形態において、デバイス全体の形状が略直方体形状とすることができ、携帯性が向上する。
また、本実施形態7に係るポインティングデバイス700は、少なくとも入力ボタンが上面側に配置された入力ユニット150の底面と、少なくともバッテリーが内部に配置された本体ユニットの底面とが接触した状態で入力ユニット150を本体ユニット110に係止させる第1の係止手段と、入力ユニット150の後方側面と本体ユニット110の前方側面とが接触した状態で入力ユニット150を本体ユニット110に係止させる第2の係止手段とを備える。
ポインティングデバイス700において、少なくともバッテリーを内部に有する本体ユニット110の底面の表面又は裏側の所定の位置に磁石712が配置され、前方側面の表面又は裏側の所定の位置に磁石713が配置される。また、少なくとも入力ボタンが上面側に配置された入力ユニット150の底面の表面又は裏側の所定の位置に磁石752が配置され、後方側面側の表面又は裏側の所定の位置に磁石753が配置される。デバイス不使用形態(第1形態)において、磁石711と磁石751が磁力によって引き合うことで入力ユニット150が本体ユニット110に係止され、デバイス使用形態(第2形態)において、磁石712と磁石752が磁力によって引き合うことで入力ユニット150が本体ユニット110に係止される。
ここで、磁石712、磁石752は、それぞれデバイス不使用形態で相互に結合するため外部からは見えない。そのため、底面111、151の表面にむき出しで配置されていても、デバイスの外観を損ねることが無く、また、むき出しであるため、対向する磁石と結合する力が強くなるためむき出しに配置しておくと良い。これに対し、磁石713、753は、デバイス不使用形態でデバイスの外観に影響を与えるため、それぞれ前方側面116、後方側面155の表面にむき出しで配置するのではなく、当該前方側面116、後方側面155の内部又は裏側に配置されている構成とすることが好ましい。
当該磁石の引力を用いて入力ユニット150を本体ユニット110の第1の位置と第2の位置に係止できることで、爪部や突起部を設けることなく係止することができるため、全体の形状や外観を損なうことが無いと共に、突起部等の破損に繋がることが無く、耐久性が向上するため好ましい。なお、当該磁石を用いた係止方法は、他の実施形態においても転用可能である。
また、上記説明では入力ユニット150の高さNzが7mmに設計され、本体ユニット110の高さが10mmに設計されているため、デバイス使用形態において、本体ユニット110と入力ユニット150との間に不連続の段差ができてしまう。そこで、図77〜図80に示すポインティングデバイス700bのように、本体ユニット110は、本体ユニット110の前方側面116と上面112の間にNzとLzの差分に対応する幅の面取りが行われている設計としても良い。ここでは、NzとLzの差分が3mmであるため、当該3mmの幅で45度の角度の面取りが行われて斜面714が形成されている。従って、デバイス使用形態において、入力ユニット150の上面152と本体ユニット110の上面112が斜面714で連続的に接続される。従って、面取りしていない場合と比較して本体ユニット110の前方側面116と上面112との間の角に指が当たってしまい、操作性が落ちると言った問題を回避することができる。
なお、図81に示すポインティングデバイス700cのように本体ユニット110の上面112の前後方向両側が本体ユニット110と入力ユニット150の高さの差分面取りされており、デバイス不使用形態において前後方向及び左右方向に対称的な形状となるように構成されても良い。
また、図82〜図85に示すポインティングデバイス700dのように、入力ユニット150の高さNzと本体ユニット110の高さLzが同一であっても良い。この場合、デバイス使用形態において本体ユニット110の上面112と入力ユニット150の上面152が同一平面となり、入力ボタン161、162をデバイス前方で操作することができる。ポインティングデバイス700dにおいて、入力ユニット150の上面152に平面型のタッチセンサのスクロール操作入力部165が配置されている。スクロール操作入力部165は入力ボタン161の後方に配置され、人差し指で操作できる構成となっている。タッチセンサであるスクロール操作入力部165において、デバイス前後方向への接触が検知された場合に、本体ユニット110内のプロセッサでスクロール情報が生成されて無線通信部よりコンピュータへ無線送信される。
なお、ポインティングデバイス700dでは、デバイス不使用形態における容積は55mm(Lx=Nx)×20mm(Ly=Ny)×20mm(Lz+Nz)=22.0立方センチメートルであり、デバイス使用形態における容積は55mm(Lx=Nx)×40mm(Ly+Ny)×10mm(Lz=Nz)=22.0立方センチメートルで同一である。しかしながら、デバイス不使用形態において前後方向及び高さ方向の辺の比が1:1であるのに対し、デバイス使用形態では4:1と比較的大きい。従って、デバイス不使用形態の方が、小さく纏まっているため携帯性が高い。
なお、ポインティングデバイス700cや700dでは、デバイス使用形態において本体ユニット110の上面112と入力ユニット150の上面152が連続的に接続されるため、スクロール操作入力部165は、斜面714に配置されていても良いし、上面112に配置されていても良い。また、ポインティングデバイス700cにおいて斜面714と上面112又は上面152に跨る領域にスクロール操作入力部165が配置されていても良いし、ポインティングデバイス700dにおいて、上面112と上面152に跨る領域に当該sクロール入力部165が配置されていても良い。当該斜面714や上面112であって、入力ユニット150の上面152に配置されている左クリックに対応する第1ボタン161の後方部分にスクロール操作入力部165を設けることで、通常のスクロール操作と同様人差し指で自然に操作することが可能となる。
なお、上述した係止用の各磁石としては、例えば小型で磁束密度の高いネオジム磁石等を用いると良い。
(実施形態8)
実施形態1〜7に係るポインティングデバイスは、本体ユニットに対して入力ユニットを回動することでデバイス使用形態とデバイス不使用形態とを切り替える構成であったのに対し、本実施形態8に係るポインティングデバイスは、入力ユニットを本体ユニットに対してスライドさせることでこれら2つの形態を切り替える点を特徴としている。以下、図面を参照して詳細に説明する。
図86、図87は、本実施形態8に係るポインティングデバイス800のデバイス不使用形態における外観斜視図及び六面図であり、図88、図89はデバイス使用形態における外観斜視図及び六面図を示している。図90は、デバイス不使用形態からデバイス使用形態へ移行する各段階における左側面図を示している。ポインティングデバイス800は、本体ユニット110と入力ユニット150とが連結部材801a、801bで連結されている。
デバイス不使用形態において、本体ユニット110の底面112と入力ユニット150の上面152が接触した状態で対向している。ポインティングデバイス800において本体ユニット110の左右側面113、114には、スライドレール811a、811bが設けられ、当該スライドレール811a、811bを連結部材801a、801bが前後方向にスライド可能に構成されている。
連結部材801a、801bの他端は入力ユニット150の左右側面153、154と90度回動可能な状態で連結されている。具体的には、左右側面153、154には連結孔851a、851bが設けられており、連結部材801a、801bが当該連結孔851a、851bと90度回動可能な状態で接続されている。
本体ユニット110の底面112には、デバイス不使用形態における係止用の磁石812a、812bが設けられている。磁石812aは、例えば、N極が表面側に、磁石812bはS極が表面側にそれぞれ向けられている。
本体ユニット110の前方側面116の下方部分には、デバイス使用形態における係止用の磁石813a、813b、813cが配置されている。磁石813a、813b、813cは、例えばN極が表面側に向けられている。
入力ユニット150の上面152には、デバイス不使用形態における係止用の磁石852a、852bが設けられている。磁石852aは、例えば、N極が表面側に、磁石852bはS極が表面側にそれぞれ向けられている。
入力ユニット150の後方側面155には、デバイス使用形態における係止用の磁石853a、853b、853cが配置されている。磁石853a、853b、853cは、例えばS極が表面側に向けられている。
デバイス不使用形態において、各ユニットの対応する位置にそれぞれ配置されている磁石812aと852a、812bと852bが引き合って係止され、デバイス使用形態において磁石813a、813b、813cがそれぞれ磁石853a、853b、853cと引き合って係止される。
以上のように、本実施形態8に係るポインティングデバイス800は、少なくとも入力ボタン161、162が上面に配置されている入力ユニット150が、移動方向及び移動量を検出する移動検出部又はバッテリーを少なくとも備える本体ユニット110に対してスライド可能な状態で接続されることを特徴としている。入力ユニット150を本体ユニット110に対してスライドさせることで、デバイス使用形態とデバイス不使用形態の2つの形態をとりうる。
本体ユニット110と入力ユニット150の縦方向及び横方向の長さは、それぞれ略同一であり、デバイス不使用形態において、入力ユニット150の上面152と本体ユニット110の底面111とが対向した状態で合わさることにより、全体として略直方体形状となることを特徴としている。
本体ユニット110の底面111と入力ユニット150の上面152には磁石のような係止手段によって係止されており、当該デバイス不使用形態から入力ユニット150を前方方向にスライドさせることで係止が解かれる。
そのまま、入力ユニット150を本体ユニット110の前方まで引っ張り出したうえで、前方側面116に沿って上方にスライドさせることで、本体ユニット110の底面111と入力ユニット150の底面151とが同一平面となり、デバイス使用形態となる。
本体ユニット110の前方側面116と入力ユニット150の後方側面155にはそれぞれ磁石などの係止手段が設けられ、デバイス使用形態の状態を維持できるように構成されている。
なお、スライドレールの構成は上述した構成に限定されるものではない。例えば、図91、図92に示すポインティングデバイス800bのように、本体ユニット110の底面111にスライドレール811a、811bが設けられ、入力ユニット150の上面152と後方側面155に跨る領域に連結孔851a、851bが設けられ、当該部分が金属等の連結部材でスライド可能な状態で接続されていても良い。
この場合、入力ユニット150をデバイス前方方向に引っ張ることで、当該入力ユニット150の連結孔851a、851bにそれぞれ連結されている連結部材が本体ユニット110の底面111に前後方向に渡って設けられているスライドレール811a、811bを滑り、最前部まで来た段階で90度回転して当該連結部材が前方側面116から突出する形となる。この場合において、当該連結部材は、入力ユニット150の上面152と後方側面155に跨る部分に配置されている連結孔851a、851bと接続されているため、入力ユニット150の後方側面155と本体ユニット110の前方側面116とが接触する形となり、デバイス使用形態となる。
その他、本体ユニット110と入力ユニット150とを電気的に繋ぐ電気端子がそれぞれ本体ユニット110の前方側面116と入力ユニット150の後方側面155に設けられていても良い。
(実施形態9)
実施形態8に係るポインティングデバイスでは、本体ユニットの外部に入力ユニットが係止され、使用時にスライドされる形で引き出されることにより入力ユニットを本体ユニットの前方に位置するように変形できる点を特徴としていた。これに対し、本実施形態9に係るポインティングデバイスは、本体ユニットの一部に入力ユニットを収納する収納スペースが設けられている点を特徴としている。以下、図面を参照して詳細に説明する。但し、実施形態1〜8で既に説明した部分については一部説明を省略する。
図93、図94は、それぞれ本実施形態9に係るポインティングデバイス900のデバイス不使用形態における外観斜視図及び六面図を示しており、図95、図96は、それぞれデバイス使用形態における外観斜視図及び六面図を示している。また、図97、図98は、ポインティングデバイス900の前方下方からの分解斜視図及び後方上方からの分解斜視図を示している。
本体ユニット110の高さ中央付近には、入力ユニット150を収納する入力ユニット収納スペース(入力ユニット収納部)911が設けられている。入力ユニット収納部911は、入力ユニット150と略同一形状の窪み(切欠き)であり、入力ユニット収納部911には、入力ユニット150をデバイス前後方向にスライドさせるためのスライドレール912a、912b、912cが設けられている。
具体的には、入力ユニット収納部911の上面と下面にそれぞれスライドレール912a、912b、912cが設けられており、入力ユニット150が当該スライドレールに沿って前後に移動することでデバイス使用形態とデバイス不使用形態とを入れ替えることができる。入力ユニット150には、当該スライドレールに嵌まってスライドするためのスライド突起部952a、952b、952cが配置されている。スライド突起部952a、952b、952cがスライドレール912a、912b、912cに嵌まった状態で前後にスライドできる一方、左右方向にはスライドできない構成となる。
本体ユニット110に入力ユニット150と略同形の入力ユニット収納部911が設けられているため、デバイス不使用形態における全体の形状は略直方体形状となる。ポインティングデバイス900では、本体ユニット110の高さLzが20mm、左右方向の長さLxが55mm、前後方向の長さLyが20mmに設計されており、入力ユニット150は、高さNzが5mm、左右方向の長さNxが55mm、前後方向の長さNyが18mmに設計されている。但し、入力ユニット150の前方には厚さ2mm、高さ5mmの脚部951が設けられている。
従って、入力ユニット150は、左側面113側から見た場合にL字型である。本体ユニット110には、当該脚部951の高さから入力ユニット150の本体の高さNzの高さまでがくり抜かれており、当該部分が入力ユニット収納部911となる。すなわち、脚部の高さ5mmから入力ユニット150の高さNzである5mmを足した10mmまでの高さ部分が、前方側面116より入力ユニット150の前後方向の長さNyである18mmに渡ってくり抜かれている。本体ユニット110の前後方向の長さLyが20mmであるため、当該入力ユニット収納部911が設けられている5mm〜10mmの高さ部分については、本体ユニット110の後方が2mmの壁となっており、入力ユニット収納部911で上下に分断されている本体ユニット110が当該壁部分によって接続されている。但し、当該壁部分には、入力ユニット収納部911の上方内部に配置されている電子部品等と下方内部に収納されている電子部品等とを電気的に接続するための配線が埋め込まれている。
また、脚部951の厚さ分、本体ユニットの下方部分がデバイス後方側に凹んでおり、脚部951を含む入力ユニット150全体が本体ユニット110に収納できるように形成されている。ポインティングデバイス900において脚部911は、厚さが2mm、高さが5mm、左右方向の長さが55mmであるため、本体ユニット110の前方側面116において、底面111から高さ5mmまで2mm切りかかれている。従って、入力ユニット収納部911で上下に分断されている本体ユニット110において、上方部分の前後方向の長さは20mmであるのに対し、下方部分の前後方向の長さは、20mmから脚部951の厚さ2mmを差し引いた18mmとなる。入力ユニット収納部911の高さにおける本体ユニット110の前後方向の長さは、上述したように、本体ユニット110の前後方向の長さ20mmから入力ユニット150の前後方向の長さ18mmを差し引いた2mmである。
本体ユニット110及び入力ユニット150には、入力ユニット150を入力ユニット収納部911に完全に挿し込んだ状態、すなわちデバイス不使用形態で相互に係止するための係止手段が設けられている。ポインティングデバイス900では、入力ユニット収納部911の上面及び下面に係止用の磁石914a、914bが配置されており、入力ユニット150の後方の対応する位置には係止用の磁石954a、954bが配置されている。例えば、磁石914a、914bはN極が表面側に、磁石954a、954bはS極が表面側に来るように設置されている。
なお、入力ユニット150の後方に配置されている磁石954a、954bは、入力ユニット150の後方を上下方向に貫通する形の磁石を用いても良い。この場合、入力ユニット150の上面152側と底面151側の磁性は、N/S極かS/N極であるため、これに対応する本体ユニット110における入力ユニット収納部911の上面及び仮面に配置される対となる磁石914a、914bの表面の磁性は、それぞれ上面がS極及び下面がN極であるか、又は上面がN極及び下面がS極となるように配置されていると良い。
デバイス不使用形態で本体ユニット側の磁石914a、914bが入力ユニット側の磁石954a、954bに合わさって引き合うことにより、入力ユニット150が本体ユニット110に係止される。
また、ポインティングデバイス900では、入力ユニット収納部911の奥の面に係止用の係止用突起部913a、913bが設けられており、入力ユニット150の後方側面155には、係止用窪み部953a、953bが設けられている。デバイス不使用形態とすべく入力ユニット150を入力ユニット収納部911の奥まで差し込むことで、係止用突起部913a、913bが、係止用窪み部953a、953bと嵌合することで入力ユニット150が本体ユニット110に係止される。
入力ユニット収納部911におけるデバイス前方付近の上面及び下面には、デバイス使用形態時における係止手段として、磁石915a、915bが配置されている。当該磁石915a、915bがデバイス前方にスライドされている入力ユニット150の後方に配置されている磁石954a、954bと引き合うことで入力ユニット150が前方に突き出した状態で係止される。
スライドレールに沿って入力ユニット150を前方に引っ張り出して係止させた場合、入力ユニット150の後方部分が入力ユニット収納部911の前方にかかっている状態で係止される。従って、デバイス使用形態において入力ユニット150の上面152はポインティングデバイス900を載置しているデスクに平行となる。すなわち、前方にスライドされている状態において、入力ユニット150の前方部分は脚部951で支えられ、後方部分は入力ユニット収納部911の下面によって支えられる。
以上のように、本実施形態9にかかるポインティングデバイス900は、少なくとも入力ボタンが上面に配置されている入力ユニットが、移動方向及び移動量を検出する移動検出部又はバッテリーを少なくとも備える本体ユニットに対してスライド可能な状態で接続され、入力ユニットを本体ユニットに対して前後方向にスライドさせることで、デバイス使用形態とデバイス不使用形態の2つの形態をとりうることを特徴とする。
本体ユニットにおける所定の高さの位置に、前方側面から後方にかけて入力ユニットを収納する入力ユニット収納部となる凹み部分が設けられている。入力ユニット収納部の厚さは、入力ユニットの厚さと略同一であり、入力ユニット収納部には入力ユニットを前後方向にスライドさせるスライドレールが設けられている。入力ユニットが後方まで押し込まれた状態、すなわち、入力ユニットの後方側面が収納部の奥の面と接触する位置で、入力ユニットを本体ユニットに係止する第1係止手段と、入力ユニットが前方に引き出された状態、すなわち、入力ユニットの上面に配置されている入力ボタンが入力ユニット収納部の外に出ている位置で、入力ユニットを本体ユニットに係止する第2係止手段とが収納部の内側に少なくとも設けられている。入力ユニットの底面からは、上記入力ユニット収納部までの所定の高さと同一の高さの脚部が設けられており、入力ユニットを引き出した状態で脚部が入力ユニットの前方を支え、入力ユニット収納部の下面が入力ユニットの後方を支えることで入力ユニットが平衡に保たれる。
なお、入力ユニットの後方上面と入力ユニット収納部上面に電気端子を配置し、デバイス使用形態においてこれらの電気端子を介して入力ボタンにおける操作内容を示す電気信号が本体ユニット内部に送られる構成とすると良い。また、入力ユニットの上面にスクロール操作入力部が設けられているとさらに良好である。
また、入力ユニット収納部の奥の面にばね機構を備え、入力ユニットを押し込むことで係止され、再度押し込むことで係止が解かれると共にバネ機構によって前方に押し戻される構成とすると更に良好である。
なお、本実施形態9に係るポインティングデバイスの構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、図99、図100に示すポインティングデバイス990bのように脚部951に前後方向に長さが異なる領域を設け、本体ユニット110側に当該凸凹状の脚部951を収納する収納部が設けられることで、入力ユニット150を本体ユニット110に収納したデバイス不使用形態において、全体形状を直方体形状とすることができると共に、本体ユニット110と入力ユニット150の係止が強化される。
なお、上述した構成では本体ユニット110の上面112と入力ユニット150の上面152に不連続の比較的大きい段差を生じてしまう。そのため、図101、図102に示すポインティングデバイス900cのように、入力ユニット収納部911より上方部分の本体ユニット110の上面112と前方側面116とを面取りすることで斜面714が設けられる構成とすると更に良好である。ここで、当該斜面714にスクロール操作入力部165を備える構成とすると更に良好である。図102に示すように、デバイス使用形態において入力ボタン161、162の後方にスクロール操作入力部165が配置されているため、入力ボタン161を操作する人差し指を用いてスクロール操作入力部165を容易に操作することが可能となる。
また、上述したポインティングデバイスでは入力ユニット150の横幅と本体ユニット110の横幅が略同一であるため、デバイス使用形態において本体ユニットの左右力側面に入力ユニット収納部の孔が出てきてしまう。そこで、図103〜図106に示すポインティングデバイス900dのように、入力ユニット150の左右方向の長さが本体ユニット110の左右方向の長さよりも短く、従って、入力ユニット150が本体ユニット110の内部に収納される構成とすると更に良好である。
ポインティングデバイス900dにおける所定の高さ部分に、デバイス前方から、デバイス後方にかけて入力ユニット150を収納するための窪みである入力ユニット収納部が設けられている。当該構成によれば、デバイス不使用形態において全体形状を略直方体形状としつつ、デバイス使用形態において、把持面となる左側面113と右側面114が入力収納部によって上下に分断されていない一枚の平面となるため、操作性を高めることができる。
なお、図107、図108に示すポインティングデバイス900eのように、入力ユニット収納部として、本体ユニット110の所定の高さに入力ユニット150の厚さ及び左右方向の長さとそれぞれ略同一の厚さ及び左右方向の長さを有するデバイス前後方向の貫通孔が設けられていても良い。すなわち、入力ユニット収納部の前後方向の長さ(入力ユニット収納部の深さ)は、入力ユニット150の前後方向の長さと同一として設計されている。この場合、入力ユニット収納部の内側の左右両面には、入力ユニット150を前後方向にスライドさせるスライドレールや、入力ユニット150を前方に引き出した状態で係止させるための係止手段等が設けられている。当該構成によれば、入力ユニット150の前後方向の長さを稼げるため、デバイス使用形態においてより前方へ入力ユニット150を突き出すことが可能となる。
また、上記説明では、入力ユニット収納部が本体ユニットの中段の高さに設けられる構成について説明したが、これに限定されるものではない、例えば本体ユニットの低段や上段部分に設けられていても良い。
また、図109、110に示すポインティングデバイス900fのように、脚部951が、入力ユニット150の左右部分にデバイス前後方向に設けられていても良い。ポインティングデバイス900fでは、高さ5mm、幅が5mmである脚部951が入力ユニット150の底面151の前方部分及び左右部分に同一の高さの脚部951が設けられている。従ってポインティングデバイス900fでは脚部951は入力ユニット150の左側面153、前方側面156、右側面154に沿った形でコの字型になっている。
入力ユニット150の両側面153、154には、それぞれ本体ユニット110に対して前後方向にスライドするためのスライドレール955a、955bが配置されている。図110に示す例では、入力ユニット150の本体ユニット110に対する前後方向のスライドを安定化させるために、入力ユニット150の左右両側面153、154のそれぞれ上方及び下方に2本のスライドレールが設けられている。この場合、本体ユニット110における入力ユニット収納部911の内側の両側面には当該スライドレール955a、955bと前後方向にスライド可能な状態で嵌まるスライダーとなる突起部が設けられている。
また、両側面には入力ユニット150を本体ユニット110に押し込んで収納した状態であるデバイス不使用形態において入力ユニット150を本体ユニット110に係止するための窪み部953a、953bが設けられている。本体ユニット110の入力ユニット収納部911の対応する位置には、入力ユニット150の前方側面156と本体ユニット116の前方側面116とが同一平面となるところまで入力ユニット150を前方から押し込んで入力ユニット収納部に収納させた状態で当該窪み部953a、953bと嵌合する突起部が設けられている。
その他、入力ユニット150の両側面153、154や上面152の後方部分には、入力ユニット150を引き出した状態であるデバイス使用形態において入力ユニット150を本体ユニット110に係止させるための係止手段が設けられている。係止手段としては、上述したように窪み部と突起部が嵌合することで係止される構成としても良いし、磁石によって係止する構成としても良い。
また、入力ユニット収納部911の内側には、バッテリー135から各電子部品への電力供給を切り替える電源切替スイッチが配置されていると更に良好である。入力ユニット150を本体ユニット110の入力ユニット収納部911に挿し込んで収納する場合に、入力ユニット収納部911の内側の奥に配置されている電源切替スイッチが押し込まれ、電源供給がOFFになる構成とすると良い。当該電源切替スイッチはデバイス前方方向に付勢されており、入力ユニット150を引き出してデバイス使用形態とすることで、電源切替スイッチが戻され、バッテリー135から各電子部品への電源供給がONとなる構成とすると良い。
また、図109に示すように、入力ユニット150を入力ユニット収納部911に前方方向から挿し込んで収納することで、入力ユニット150の前方側面156と本体ユニット110の前方側面111が同一平面内に位置するようにする。この場合に、入力ユニット150は、更にデバイス後方に押し込めるように0.1mm〜3mm程度のマージンが設けられており、デバイス不使用形態から入力ユニット150を更に押し込むことで係止が外れ、前方方向に入力ユニット150が反発して押し出される構成とすると更に良好である。入力ユニット150及び入力ユニット収納部911には、当該プッシュ形式で着脱するための着脱機構が設けられている。当該着脱機構には、例えば入力ユニット150をデバイス後方の最後まで押し込んだ状態で前方方向に反発するためのバネ機構、入力ユニット150を本体ユニット110に係止させるための係止機構などで構成される。当該プッシュ着脱機構は既存の技術を用いて実装できるため、ここでは具体的構成の説明は省略する。その他、デバイス不使用形態において、入力ユニット150を前方にイジェクトするためのイジェクトボタンを本体ユニット110に配置しても良い。当該イジェクトボタンを押し込むことで、入力ユニット150と本体ユニット110の係止が外れ、本体ユニット110の入力ユニット収納部911の後方部分に配置されているバネ機構により、入力ユニット150が入力ユニット収納部911内を前方にスライドして入力ユニット150の前方部分が本体ユニット110の外部へ露出するように射出される。ユーザが当該露出した入力ユニット150を前方に引き出すことで、デバイス使用形態用の係止機構によって再度入力ユニット150が本体ユニット110に係止され、デバイス使用形態となる。
なお、当該デバイス使用形態用の係止機構で入力ユニット150が本体ユニット110に係止される場合に、バッテリー135から各電子部品へ電力供給が開始されるように、電源切替スイッチを配置しても良い。例えば、本体ユニット110の入力ユニット収納部911内にデバイス使用形態時に係止するための窪み部を配置し、入力ユニット150に配置している突起部が当該窪み部と嵌合することで入力ユニット150がデバイス前方に引き出された状態で係止され、デバイス使用形態となる。この場合に、当該窪み部内に電源切替スイッチを配置しておき、入力ユニット150の突起部が当該窪み部と嵌合する際に当該電源切替スイッチが押下され、バッテリー135から各電子部品への給電が行われる。このように構成しても良い。
その他、図111、112に示すポインティングデバイス900gのように、本体ユニット110の前方側面116と上面112との部分にタッチパネル形式のスクロール操作入力部165a、165bが設ける構成とすると更に良好である。ユーザが、前方側面116に配置されているスクロール操作入力部165aであるタッチパネルを上方に向かってなぞることで、当該タッチパネルで指の接触の移動が検知され、当該移動に伴う電気信号が本体ユニット110内部のプロセッサに出力される。当該電気信号を受け取ったプロセッサは、所定のアルゴリズムに基づいて後方方向へのスクロール操作を示すスクロール情報を生成する。また、上面112に配置されているスクロール操作入力部165bであるタッチパネルを前方に向かってなぞることで、当該タッチパネルで指の接触の移動が検知され、当該移動に伴う電気信号が上記プロセッサに出力される。当該電気信号を受け取ったプロセッサは、所定のアルゴリズムに基づいて前方方向へのスクロール操作を示すスクロール情報を生成する。
当該スクロール操作入力部165a、165bは、入力ボタン161の後方部分に配置されており、ユーザは人差し指を用いて通常のスクロール操作と同様にユーザエクスペリエンスで操作することが可能である。なお、当該スクロール操作入力部として2枚のタッチパネルを前方側面116及び上面112に配置しても良いし、前方側面116及び上面112の2面に跨る一枚のタッチパネルを用いても良い。
なお、ポインティングデバイス900gでは、入力ボタン161、162が入力ユニット150の前方側面156にかかる位置に配置されている。入力ボタン161、162を最大限本体ユニット110から離れた位置に配置することで、指の折り曲げる量を抑えることで操作性が向上すると共に、本体ユニット110に配置されているスクロール操作入力部165に入力ボタン161、162を操作する指が不用意に当たってスクロール操作が誤検出されることを防ぐことができる。
また、ポインティングデバイス900gでは、電源がONになっていることを示すインジゲーター144aや、バッテリーの残量を示すインジゲーター144bなどが配置されている。入力ユニット150が本体ユニット110より引き出されてデバイス使用形態となり、電源がONとなる場合に、バッテリー135からの電力が当該インジゲーター144aに送られ、インジゲーター144aが点灯する。また、ポインティングデバイス900gは、バッテリー135の残量を検出するバッテリー残量検出部を更に備え、バッテリー残量検出部は検出したバッテリーの残量に基づいてインジゲーター144bを点灯させるための制御信号を出力する。当該制御信号に基づいてインジゲーター144bの点灯・点滅を制御したり、インジゲーター144bの色を変更したりすることが可能となる。
なお、上述のポインティングデバイスでは、入力ユニット収納部911は、本体ユニット110の中間の高さに位置しているため、本体ユニットが大きく上部と下部に分断されている。例えば、入力ユニット収納部911の上部にはバッテリー135が格納され、下部には移動検出部やプロセッサ、無線通信回路等が配置される。
なお、上記ポインティングデバイスでは、デバイスの移動を検出する移動検出部が本体ユニット110側にある場合について説明したがこれに限定されるものではない。例えば、図113、図114に示すポインティングデバイス900hのように、入力ユニット150側に移動検出部が設けられていてもよい。図113、図114に示すポインティングデバイス900hは、入力ユニット150の底面に光学読み取り用の開口121が配置され
当該開口121の上方に当該開口121から光を外部へ照射する光源(LED)や、反射光を集光するレンズ、当該集光された反射光を電気信号に変換する撮像素子、当該撮像素子で変換された電気信号に基づいてデバイスの移動方向及び移動量を算出する画像処理プロセッサなどが含まれる。
なお、バッテリー135についても入力ユニット150側に配置されていても良いし、本体ユニット110側に配置されていても良い。入力ユニット150の容量を大きくする場合は、ユーザが両側から把持して操作する本体ユニット110において電子部品等を格納するスペースが減るため、入力ユニット150側に配置することで限られたスペースを有効活用する構成とする。但し、電子部品の中で最も重量の大きいバッテリー135は、ユーザが左側面113及び右側面114をそれぞれ親指及び薬指で挟み込むようにして把持する本体ユニット110側に配置されていることが好ましい。
また、図115、図116に示すポインティングデバイス900kのように、入力ユニット150の底面左右に段差を有し、本体ユニット110の底面111に、当該段差と嵌まる爪部916a、916bが設けられていると更に良好である。当該構成とすることで、入力ユニット150が下方から爪部916によって支えられるため、衝撃等で入力ユニット150が本体ユニット110より抜け落ちてしまうことを防止することができる。
図117、図118に示すポインティングデバイス900mは、左右側面113、114にそれぞれ入力ユニット150を射出するためのイジェクトボタン917a、917bが設けられている。図119は、当該ポインティングデバイス900mのデバイス使用形態及びデバイス不使用形態におけるAA断面図及びBB断面図をそれぞれ示している。
デバイス不使用形態では、入力ユニット150は、前方側面156が本体ユニット110の前方側面116と同一平面内に来る位置で本体ユニット110の入力ユニット収納部911に収納されている。入力ユニット収納部911の奥、すなわち入力ユニット150の後方側面155と対向する部分には、バネ等の弾性体919がデバイス前後方向に圧縮可能な状態で配置されており、入力ユニット150を入力ユニット収納部911に押し込むことで、入力ユニット150の後方側面155が当該弾性体(バネ)に接触する。
この状態で更に入力ユニット150を前方方向から後方方向へ入力ユニット収納部911に押し込むと当該弾性体919が縮められて弾性エネルギーが当該弾性体に蓄えられていくため、入力ユニット150は、入力ユニット収納部911から射出される方向、すなわちデバイス前方へ付勢される。
ここで、入力ユニット150を前方側面156が本体ユニット110の前方側面116と同一平面又は更に奥へ押し込むと入力ユニット収納部911の内側に設けられている突起部(爪部)が入力ユニット150の側面の当該突起部に対応する位置に設けられている窪み部953a、953bと嵌合することで、入力ユニット150の前方側面156と本体ユニット110の前方側面116が同一平面となる位置で入力ユニット150が本体ユニット110に係止されてデバイス不使用形態となる。
イジェクトボタン917a、917bは、当該係止用の突起部と接続されており、当該イジェクトボタン917a、917bを1〜2mm程度押し込むことで当該突起部が両側面側に押し戻されて入力ユニット150の窪み部953a、953bから外れる。この時、入力ユニット150は、弾性体919で付勢されているため、当該係止が外れることで入力ユニット150の前方部分が本体ユニット110の前方側面116よりも前方へ射出される。ユーザは、当該飛び出した入力ユニット150の前方部分を摘まんで更に前方までスライドさせるように引き出すことで、入力ユニット収納部911の内側の両側面に設けられている突起部が入力ユニット150の両側面153、154の後方部分に設けられている別の窪み部と嵌合することで入力ユニット150が本体ユニット110に係止され、デバイス使用形態となる。
なお、ポインティングデバイス900mでは、本体ユニット110の上面112の裏側にタッチセンサ918が配置されており、当該上面112がタッチパネルとして機能する。当該上面112をデバイス前後方向に指でなぞることで、タッチセンサ918において抵抗値の変化や静電容量の変化が検知され、内部のプロセッサで行われるスクロール判定処理に基づいてスクロール操作が行われたか及びスクロール量、スクロール方向が特定され、当該特定した内容を含むスクロール操作情報が生成される。
また、ポインティングデバイス900mでは、移動検出部及びバッテリー135を本体ユニット110側に配置しやすいように、入力ユニット収納部911が本体ユニット110の比較的高い場所に配置されている。ポインティングデバイス900mにおいて、本体ユニット110の左右方向(横方向)の長さLxは40mm≦Lx≦100mmであり、本体ユニット110の前後方向(縦方向)の長さLyは、4mm≦Ly<40mmであり、本体ユニットの厚さ(高さ)Lzは、6mm≦Lz≦30mmで設計される。具体的に、図117〜図119で示すポインティングデバイス900mでは、本体ユニット110の筐体として、高さLzが20mm、縦方向(前後方向)の長さLyが20mm、横方向(左右方向)の長さLxが55mmに設計されており、入力ユニット150の厚さNzが5mm、縦方向の長さNyが16mm、左右方向の長さNxが47mmに設計されている。但し、入力ユニット150の底面151から更に下方へ向かって左右側面153、154及び前方側面156に沿う形で高さ10mmの脚部951が入力ユニット150と一体成型で形成されている。従って、入力ユニット150の上面112の高さは、脚部951の底面から見て15mmの高さに位置している。従って、本体ユニット110には、脚部の高さ10mmから入力ユニット150の上面152の高さ15mmまでの間に入力ユニット収納部911が設けられている。また本体ユニット110の前方部分において、底面111から10mmの高さまでの間に脚部951を収納する切欠きが設けられている。当該構成とすることで、脚部付入力ユニット全体が本体ユニット110と嵌合し、入力ユニット150を入力ユニット収納部911に収納した状態であるデバイス不使用形態において突出している部分が無くなり、全体として略直方体形状となる。
このように入力ユニット収納部911が設けられることで、本体ユニット110において、底面112から入力ユニット収納部911の内側の底面の高さまでが10mmと、入力ユニット収納部911の内側の上面から本体ユニット110の上面112までの高さ5mmと比較して厚くなっている。すなわち入力ユニット収納部911によって上下に分断されている本体ユニット110において、下方部分(下方収納部921)の容積が上方部分(上方収納部920)の容積と比較して大きくなっている。
比較的大きい収納スペースを本体ユニット110の下方に形成することができるため、図119に例示するように、当該下方収納部921にバッテリー135及び移動検出部を配置することができる。本体ユニット110の開口121情報にレンズやLED、固体撮像素子、画像処理プロセッサ等の移動検出部を配置できると共に、バッテリー135を配置することが可能となる。バッテリー135は、他の電子部品と比較して比重が大きいため、上方収納部920に配置するとデバイスの重心が上方に位置してしまい、バランスが悪くなる。一方、上記ポインティングデバイス900mの構成によれば、下方収納部921にバッテリー135を配置できるため、安定してデバイス全体を前後左右に移動する操作を行うことができ、カーソル位置を適切に操作することができるため操作性を向上させることができる。
また、図120、図121に示すポインティングデバイス900nは、本体ユニット110の左右非対称の位置に入力ユニット収納部911が配置されている。図122は、デバイス使用形態及びデバイス不使用形態におけるポインティングデバイス900nのAA断面図及びBB断面図を示している。
ポインティングデバイス900nにおいて、本体ユニット110の左右方向(横方向)の長さLxは40mm≦Lx≦100mmであり、本体ユニット110の前後方向(縦方向)の長さLyは、4mm≦Ly<40mmであり、本体ユニットの厚さ(高さ)Lzは、6mm≦Lz≦30mmで設計される。具体的に、図120、図121に示すポインティングデバイス900nでは、Lxが55mm、Lyが20mm、Lzが20mmに設計されている。本体ユニット110の右下部分に入力ユニット150を収納する入力ユニット収納部911が設けられている。
ポインティングデバイス900nにおいて、入力ユニット150は、本体ユニット110に対して左右非対称な位置に収納されるため、左右方向(横方向)の長さNxが短めに設計される。入力ユニット150の左右方向(横方向)の長さNxは、30mm≦Nx<Lxであり、入力ユニット150の前後方向(縦方向)の長さNyは、6mm≦Ny≦Lzであり、入力ユニット150の高さNzは、3mm≦Nz≦Lzである。
ポインティングデバイス900では、本体ユニット110のうち、入力ユニット収納部911が配置されない位置に移動検出部を配置するため、当該移動検出部を収納するスペースである移動検出部収納部922を入力ユニット収納部911に並列に配置できるよう、入力ユニット150の横方向の長さNxは、Lxよりも5mm以上短いことが好ましい。移動検出部に含まれるレンズやLED等を配置するために5mm程度の幅が確保されていることが好ましいためである。すなわち、30m≦Nx≦(Lx−5mm)であり、より好ましくは30mm≦Nx≦(Lx−10mm)である。また、入力ユニット収納部911の上方に位置する上方収納部920の容積を大きく確保できるよう、入力ユニット150の高さ(厚さ)Nzは小さく設計されていることが好ましい。具体的には3mm≦Nz≦15mmであり、より好ましくは3mm≦Nz≦10mmである。また、入力ユニット150の縦方向の長さNyは、入力ユニット収納部911に収納した状態で後方からバネ等の弾性体919で前方へ付勢されることが好ましいため、当該弾性体919を配置するスペースを確保するため6mm≦Ny≦(Ly−2mm)であることが好ましく、より好ましくは6mm≦Ny≦(Ly−4mm)であることが好ましい。弾性体919の前後方向の厚みとして、縮めた状態で2mm程度は最低限必要になるためである。
具体的に、図120〜122に示すポインティングデバイス900nにおいて、入力ユニット150の横方向の長さNxが40mm、縦方向の長さNyが16mm、高さ(厚さ)Nzが5mmに設計されている。
本体ユニット110の底面111と前方側面116に跨る領域であって、本体ユニット110の右側面114側へ偏った位置に当該入力ユニット150と略同一形状の入力ユニット収納部911が設けられている。なお、右側面114側に位置しているのは、ユーザが右利きである場合を想定したデバイスであるためであり、左利きユーザ用のデバイスとする場合は、左右反転し、左側面113側へ偏った位置に当該入力ユニット収納部911が設けられる。
その他、上述したイジェクトボタン(係止解除ボタン)917は、スライド式の入力ユニット150を有するポインティングデバイスだけではなく、回動式の入力ユニット150を有するポインティングデバイスにおいて、当該入力ユニットの係止を解除するボタンとして配置されていても良い。
(実施形態10)
上述した実施形態1〜実施形態9に係るポインティングデバイスでは、少なくともデバイスの移動を検出する移動検出部又は当該移動検出部に電力を供給するバッテリーを備える本体ユニットと、入力ボタンを備える入力ユニットとが異なる形態であった。これに対し、本実施形態10に係るポインティングデバイスでは、本体ユニットの上面に入力ボタンが設けられている点を特徴とする。以下、図面を参照して詳細に説明する。但し、実施形態1〜9で既に説明した部分については一部説明を省略する。
図123、図124は、本実施形態10に係るポインティングデバイス1000のデバイス不使用形態における外観斜視図及び六面図であり、図125、図126は、デバイス使用形態における外観斜視図及び六面図を示している。図127は、デバイス使用形態における横方向中央付近での断面図を示している。但し、内部の電子部品は一部省略している。
ポインティングデバイス1000は、外部ユニット(把持ユニット)1010と、当該外部ユニット1010によって一部が覆われた状態で当該外部ユニット1010内に収納される内部ユニット1050とから構成される。内部ユニット1050の一部の面は外部ユニット1010によって覆われている。内部ユニット1050は、外部ユニット1010の内側で前後方向にスライド可能な状態で当該外部ユニット1010に接続されている。
外部ユニット1010は、内部ユニット1050よりも僅かに大きいケース状の筐体を有し、少なくとも前方と下方に開口を有する。図123〜図127に示すポインティングデバイス1000では、外部ユニット1010の下方と前方は開口となっており、当該外部ユニット1010の内側に内部ユニット1050が収納されることで全体形状が略直方体形状となっている。
具体的には、内部ユニット1050は、左右方向の長さLxが55mm、縦方向の長さLyが18mm、高さ方向の長さLzが18mmである略直方体形状の筐体を有しているのに対し、外部ユニット1010は、内部ユニット1050の上面1051、左側面1053、右側面1054、後方側面1055、をそれぞれ覆うケースである。外部ユニット1010は厚さが2mmである樹脂製のカバーであり、左右側面の内壁面には、本体ユニット1050を前後にスライドさせるためのスライドレールが設けられている。
内部ユニット1050の底面151には、デバイスの移動を光学的に読み取るための開口121が設けられ、内部ユニット1050の内部には、デバイスの移動を検出する移動検出部、入力ボタン161、162、入力ボタンが押下されたことやデバイスが移動されたことを示す操作情報を生成する操作情報処理部、操作情報生成処理部で生成された操作情報を無線送信する無線送信部、これら各部を実現する電子部品に電力を供給するバッテリーなどが配置されている。
以上説明してきたように、本発明のポインティングデバイスは、ユーザの行動原理を分析し以下の事実に深い洞察を行うことで導き出された発明である。その洞察とは、「デバイスの使用時とデバイス不使用時ではユーザが求めるものが異なる。デバイス使用時は、操作性が良好であると言うことが高いユーザエクスペリエンスに繋がり、デバイス不使用時は、コンパクトや軽量と言った高い携帯性が高いユーザエクスペリエンスに繋がる。従来のマウスは、単一の形態において使用時の高い操作性と不使用時の高い携帯性を同時に実現しようとしている。しかしながら、ユーザの要求(ニーズ)を追求すれば、単一の形態に限定する必要はなく、ユーザ使用時における第1形態(デバイス使用形態)とユーザ不使用時における第2形態(デバイス不使用形態)との2つの形態を相互に移行可能な構成とすれば、今まで既成概念に捕らわれて限界と考えられていた外観形状を大きく打破することができる。」というものである。本発明は、当該洞察を経て導き出されたものである。
すなわち、ユーザが定義する“良い”マウスとは、小型軽量で操作性が高く、更に好ましくはバッテリーの持ちが良いマウスである。このようなマウスを単一形態で実現しようと追求すれば、必ず携帯性と操作性とのどちらを犠牲とするかという二者択一の問題に行き当たる。そこで、発想を変えて、携帯性と操作性が求められるのは、それぞれデバイス不使用時とデバイス使用時は、時間軸上で独立しているという事実から、それぞれに好ましい2つの形態間で変形できれば、この二者択一の限界を突破できるという着想を元に導出されたものである。実施形態2では、バッテリーの持ちを良くすると言った第3のユーザのニーズも取り入れている。
また、デバイス筐体の角や辺の部分は適宜面取りが行われていても良い。その他、左側面113や右側面114の部分は、持ちやすいように曲線の窪みが設けられていても良い。
また、上記説明では、デバイス不使用形態においてポインティングデバイス全体の形状が略直方体形状である場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図128に示すポインティングデバイスのように全体として丸みを帯びたデバイスとしても良い。図128に示すデバイスでは丸みを帯びた本体ユニットの内側に入力ユニットが収納される構成を取っている。
また、図129〜131に示すポインティングデバイスAのように、左右方向の長さが比較的長い本体ユニットを有する構成としても良いし、図132〜図134に示すポインティングデバイスBのように、比較的短い本体ユニット本体ユニットを有する構成としても良い。図131及び図134は、それぞれポインティングデバイスA、ポインティングデバイスBのデバイス不使用形態からデバイス使用形態へ移行する途中の2段階における六面図を示している。
また、図135〜図137に示すポインティングデバイスCのように、本体ユニットの中間の高さに入力ユニットの上面が来るように構成されていても良い。また、図138〜139に示すポインティングデバイスDのように、左右非対称な入力ユニットが本体ユニットに収納される構成としても良い。ポインティングデバイスDでは、入力ユニット自体が左右非対称である一方、入力ユニットの上面が本体ユニットに対して左右対称となる構成であるため、本体ユニット側に移動検出部を配置できる一方、入力ボタンを本体ユニットに対して左右非対称に配置することができるため、ユーザの利き腕に依存しないデバイスとすることができる。
また、図140〜図141に示すポインティングデバイスEのように、構成としても良いし、図142〜図143に示すポインティングデバイスFのように構成しても良い。
その他、上述した各ポインティングデバイスの特徴部分を組み合わせたポインティングデバイスとすることも可能である。
また、本発明のポインティングデバイスは以下の形態を取ることが可能である。
(付記1)
少なくとも入力ボタンが所定の面に配置されている入力ユニットが、移動方向及び移動量を検出する移動検出部又はバッテリーを少なくとも備える本体ユニットに対して回動可能又はスライド可能な状態で接続され、
前記入力ユニットを前記本体ユニットに対して回動又はスライドさせることにより、少なくとも第1形態と第2形態の2つの形態をとりうることを特徴とするポインティングデバイス。
(付記2)
前記第2形態は、前記入力ボタンが上方に向いている状態で前記入力ユニットが前記本体ユニットの前方に突き出している形態であることを特徴とする、
付記1に記載のポインティングデバイス。
(付記3)
前記入力ボタンとして、少なくとも左クリックボタンと右クリックボタンが前記入力ユニットの前記所定の面に配置されていることを特徴とする、
付記1又は2に記載のポインティングデバイス。
(付記4)
前記第1形態において、前記入力ユニットを前記本体ユニットに係止させる第1係止手段と、
前記第2形態において前記入力ユニットを前記本体ユニットに係止させる第2係止手段と、
を備えることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載のポインティングデバイス。
(付記5)
前記本体ユニットの厚さ(高さ)Lzは前記入力ユニットの厚さ(高さ)Nzよりも厚いことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載のポインティングデバイス。
(付記6)
前記本体ユニットの前後方向(縦方向)の長さLyは、前記本体ユニットの左右方向(横方向)の長さLxよりも短いことを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載のポインティングデバイス。
(付記7)
前記本体ユニットの左右方向(横方向)の長さLxは、40mm≦Lx≦100mmであり、前記本体ユニットの前後方向(縦方向)の長さLyは、4mm≦Ly<40mmであり、前記本体ユニットの厚さ(高さ)Lzは、6mm≦Lz≦30mmであることを特徴とする付記1乃至6のいずれか1項に記載のポインティングデバイス。
(付記8)
前記第2形態において、前記入力ユニットの底面と前記本体ユニットの底面とが同一平面となるように前記入力ユニットが前記本体ユニットに接続されていることを特徴とする付記1乃至7のいずれか1項に記載のポインティングデバイス。
(付記9)
前記本体ユニットに対する前記入力ユニットの回動操作又はスライド操作に基づいて、少なくとも前記入力ボタンに対する操作を検知する電子回路に対する前記バッテリーからの給電状態を切り替える給電切替手段を更に備えることを特徴とする、
付記1乃至8のいずれか1項に記載のポインティングデバイス。
(付記10)
前記給電切替手段は、少なくとも前記第1形態において前記バッテリーから前記移動検出部に対する給電を遮断し、前記第2形態において前記バッテリーから前記移動検出部に対して給電することを特徴とする、
付記9に記載のポインティングデバイス。
(付記11)
前記入力ユニットは、前記本体ユニットの前方に回動可能な状態で接続され、前記第1形態から前記入力ユニットを前方に倒すように回動することで前記第2形態に移行し、前記第2形態から前記入力ユニットを後方に戻すように回動することで前記第1形態に移行することを特徴とする付記1乃至10のいずれか1項に記載のポインティングデバイス。
(付記12)
前記入力ユニットの前記入力ボタンが配置されている前記所定の面と前記本体ユニットの前方側面は、略同一形状を有し、前記入力ユニットを前記本体ユニット側に回動させて前記第1形態とした場合における全体の形状が略直方体形状となるように、前記入力ユニットの筐体と前記本体ユニットの筐体がそれぞれ成型されていることを特徴とする付記1乃至11のいずれか1項に記載のポインティングデバイス。
(付記13)
前記入力ユニットは、
前記本体ユニットに対して回動可能又はスライド可能な状態で接続される第1入力ユニットと、
前記第1入力ユニットに対して前後方向にスライド可能な第2入力ユニットと、
を備え、
前記入力ボタンは、前記第2入力ユニットに配置されていることを特徴とする付記1乃至14のいずれか1項に記載のポインティングデバイス。
(付記14)
前記本体ユニットには、前記移動検出部で検出された移動方向及び移動量に関する情報を含む移動情報を生成する移動情報生成処理部と、前記入力ボタンがクリックされたことを示すクリック情報を生成するクリック情報生成処理部と、少なくとも前記移動情報及びクリック情報を無線送信する無線送信部と、を備えることを特徴とする付記1乃至13のいずれか1項に記載のポインティングデバイス。
(付記15)
前記本体ユニットの上面部分にはタッチセンサが配置され、
前記本体ユニット内部には、前記タッチセンサにおける検知結果に基づいて、スクロール操作が行われたかを判定するスクロール判定処理部と、前記スクロール判定処理部における判定結果に基づいてスクロール方向及びスクロール量に関する情報を含むスクロール情報を生成するスクロール情報生成処理部を更に備え、
前記無線送信部は、少なくとも前記移動情報と前記クリック情報と前記スクロール情報とを無線送信することを特徴とする、
付記14に記載のポインティングデバイス。
(付記16)
前記入力ユニットには、左クリックボタンと右クリックボタンとの間にスクロール操作入力部が配置され、
前記本体ユニット内部には、前記スクロール操作入力部に対するスクロール操作に基づいて、スクロール方向及びスクロール量に関する情報を含むスクロール情報を生成するスクロール情報生成処理部を更に備え、
前記無線送信部は、少なくとも前記移動情報と前記クリック情報と前記スクロール情報とを無線送信することを特徴とする付記14又は付記15に記載のポインティングデバイス。
(付記17)
前記デバイス不使用形態から前記入力ユニットを前方に倒す方向に90度回動させることで前記デバイス使用形態となることを特徴とする付記1乃至16のいずれか1項に記載のポインティングデバイス。
(付記18)
前記入力ユニットには、左右方向(長手方向)に少なくとも左クリックボタンと右クリックボタンとが並べて配置されていることを特徴とする付記1乃至17のいずれか1項に記載のポインティングデバイス。
(付記19)
前記左クリックボタンは、前記右クリックボタンと比較して、前記入力ユニットの長手方向に長い形状を有するボタンであることを特徴とする付記18に記載のポインティングデバイス。
(付記20)
前記スクロール操作入力部は、前記入力ユニットの上面から上方に突き出した状態で配置され、前記デバイス不使用形態において、前記スクロール操作入力部の位置に対応する前記本体ユニットの前方側面には、前記スクロール部を収納する窪み部が設けられていることを特徴とする、付記16に記載のポインティングデバイス。
(付記21)
前記バッテリーの充電に用いられる充電端子と、
前記バッテリーの残量を表示する表示ランプと、が前記本体ユニットに設けられていることを特徴とする、
付記1乃至20のいずれか1項に記載のポインティングデバイス。
(付記22)
少なくともクリックボタンが所定の面に配置されている入力ユニットが、上面部分にタッチセンサを備える本体ユニットに対して回動可能又はスライド可能な状態で接続され、
前記タッチセンサに対するクリック操作が入力された場合又は前記クリックボタンに対するクリック操作が入力された場合にクリック情報を生成するクリック情報生成処理部と、
前記クリック情報を無線送信する無線送信部とを備えることを特徴とするポインティングデバイス。
(付記23)
前記入力ユニットが前記本体ユニットの前方に突き出した状態で係止されている場合に、前記クリック情報生成処理部は、前記クリックボタンに対するクリック操作が入力された場合にクリック情報を生成する一方、前記タッチセンサに対するクリック操作が入力された場合に前記クリック情報を生成しないことを特徴とする付記22に記載のポインティングデバイス。