JP3993807B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上側主面にIC,LSI等の半導体素子を載置するとともにその半導体素子を樹脂モールドした半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インバータ装置などの電力変換装置に組み込まれ、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor:FET)等のスイッチング素子等の半導体素子を収容する半導体装置では、発生する大量の熱をいかにして外部に放出するかが大きな課題であり、また製造コストを上げることなく良好な放熱性を有する種々の形状の半導体装置が提案されてきた。その半導体装置の一例として、図3に示すように、銅(Cu),Cu合金等から成る基体1の上側主面にリード端子5aが取着された中継用回路基板5を接合するとともに、基体1の上側主面の載置部1aに半導体素子2を載置固定し、しかる後、基体1の下側主面を露出させた状態とした構成の半導体装置Aがある。この半導体装置Aは、例えば従来周知のトランスファモールド法によりエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂で樹脂モールドされている。
【0003】
また、図3の半導体装置Aに類似した構成のものとして、図4に示すように、基体1の側面の上端に鍔状部4を設けることにより、基体1からモールド用の樹脂3が外れないようにすることができるものが提案されている(特開平6−120374号公報参照)。
【0004】
トランスファモールド法は、上金型および下金型からなる金型を用いるものであり、溶融した樹脂の通路(ランナー)および通路から枝別れした複数の中空部が金型によって構成される。通路の端部に設けられたポットに樹脂のタブレットを収容して加熱し、溶融した樹脂をポットの上方からプランジャーによって加圧することにより、通路内を液状樹脂が送られて、予め半導体装置Aを構成する各部品が配置された各中空部に注入される。これにより、基体1、半導体素子2、中継用回路基板5およびリード端子6が樹脂により覆われる。このとき、液状樹脂は例えば横方向から各中空部に流れ込み、中空部に樹脂3が注入される。
【0005】
また、一般的に樹脂3が金型から外れ易いように、リード端子6の接合されている高さを境界面として上下方向に樹脂3がすぼまるように金型が設計されており、これにより樹脂モールド後に製品が金型から容易に外れるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4に示した従来の半導体装置Aでは、基体1に鍔状部4が形成されているため、鍔状部4の付け根付近で液状樹脂の回り込みが不充分となり、付け根付近の樹脂3にボイドが発生してしまい、その結果樹脂3と基体1との接合面付近のボイドを起点として接合面で剥れが発生するという不具合を招来していた。
【0007】
そして、半導体装置Aを基体1の下側主面を外部電気回路基板等にロウ付けして搭載し、半導体装置Aを長期間に亘って作動させると、上記ボイドを起点としてマイクロクラックが成長して基体1と樹脂3との間が広い面積で剥れ、それが時間の経過とともに徐々に広がり、ついには剥れが載置部1aにまで達する。さらに、剥れに沿って水分が半導体装置Aの内部に侵入すると、半導体素子2の動作不良が発生するといった問題点があった。
【0008】
また、樹脂3の断面形状がリード端子6の接合されている高さの部位を境界面として上下方向に樹脂3がすぼまる形状となっているため、基体1の側面において樹脂3の横方向の厚さが薄くなっており、基体1の側面で樹脂3の体積が減少してその剛性が小さくなっている。その結果、樹脂3が基体1の側面で剥がれ易くなっており、小さな外力で樹脂3が基体1の下側主面の端から外れてしまうという問題点もあった。
【0009】
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたもので、その目的は、基体の側面の上端に形成された鍔状部の付け根付近に存在するボイドを起点としてモールド樹脂と基体との接合面に剥れが発生し、この剥れが広がって水分などの異物が半導体素子の載置部に侵入して半導体素子に動作不良を発生させるといった不具合、また樹脂が基体の下側主面の端から外れるといった不具合を解消して、樹脂の密着性の信頼性の高い半導体装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体装置は、上側主面に半導体素子が載置される載置部を有する金属製の基体と、前記載置部に載置された半導体素子と、前記基体の前記上側主面、前記基体の側面および前記半導体素子を覆う樹脂とを具備した半導体装置において、前記基体は、下側銅板とモリブデン板と上側銅板とが各側面が連続するようにロウ材層を介して順次積層され、前記下側銅板の側面が上端から下端に向かうにしたがって下面の中心側に向かう傾斜面とされていることによって、前記基体の側面が前記上側主面に対して垂直な面と上端から下端に向かうにしたがって下面の中心側に向かう前記傾斜面とで成り、かつ、前記下側銅板の下面が露出されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の半導体装置は、基体は下側銅板と、モリブデン板と、上側銅板とが各側面が連続するようにロウ材層を介して順次積層され、下側銅板の側面が上端から下端に向かうにしたがって下面の中心側に向かう傾斜面とされることによって、基体の側面が上側主面に対して垂直な面と上端から下端に向かうにしたがって下面の中心側に向かう傾斜面とで成り、かつ、下側銅板の下面が露出されていることから、基体は熱膨張係数が大きくて樹脂に近似した上側銅板および下側銅板と、剛性が高い中間のモリブデン板とから成るため、熱膨張による形状変化が樹脂に追随できるとともに剛性を保持できる。また、下側銅板の側面においてモールド樹脂の接触面積が増大するとともに側面の下側に向かうに伴ってモールド樹脂の体積が増大するため、下側銅板の側面において樹脂が容易に変形することが無く、よって密着力が大きくなるとともに応力や外力を緩和する効果が向上する。その結果、従来樹脂の外れ防止のために設けられていた鍔状部が不要となり、基体の鍔状部の付け根付近に発生していたボイドを起点とした樹脂の剥がれ、および基体の下側主面の端での樹脂の外れといった不具合をほとんど解消できる。従って、樹脂が基体の下側主面の端から容易に外れることがなく、また基体と樹脂との接合面に発生する剥れがほとんどない半導体装置を提供できる。
【0012】
また、銅板は加工が極めて容易なため加工時に歪みが残ることが無く、また銅板は柔軟性が大きいため上下側銅板をロウ材層を介して剛性の高いモリブデン板に接合して基体を構成すると、基体に変形が極めて発生しにくいものとすることができる。さらに、モリブデン板の熱膨張係数(5.1×10-6/℃)が小さいため、モリブデン板によって銅板(熱膨張係数19×10-6/℃)の熱膨張を抑制することができ、3枚の金属板を積層することで基体の熱膨張係数を7×10-6〜11×10-6/℃程度とすることができる。従って、アルミナセラミックス等からなる中継用回路基板を基体の上側主面に載置固定しても、中継用回路基板にクラック等が発生することがなく、信頼性の高い半導体装置を構成することができる。
【0013】
また、下側銅板の側面が傾斜していることによって基体の側面の下端から半導体素子に至る沿面距離を全周に亘って大きくすることができ、たとえ剥れが発生しても水分などの外部からの異物が容易に半導体素子に到達しないようにでき、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
【0014】
本発明の半導体装置において、好ましくは、前記上側銅板はその側面が上端から下端にかけて下面の中心側に向かって傾斜しており、前記下側銅板と前記モリブデン板と前記上側銅板の各側面が連続していることを特徴とする。
【0015】
本発明の半導体装置は、上側銅板はその側面が上端から下端にかけて下面の中心側に向かって傾斜していることから、上側銅板の側面において樹脂との接触面積が増大して密着力が向上するとともに、基体の側面の下端から半導体素子に至る沿面距離をさらに大きくすることができ、半導体素子をさらに信頼性良く載置部に載置することができる。また、下側銅板とモリブデン板と上側銅板の各側面が連続していることから、剛性は高いが熱膨張係数が小さく樹脂と大きく相違するモリブデン板と上下側銅板との境界に段差がなくなる。従って、モリブデン板と上下側銅板との境界で樹脂が剥がれるといったことがなく、樹脂の密着の信頼性がより高いものとなる。
【0016】
本発明の半導体装置において、好ましくは、前記下側銅板はその側面の前記モリブデン板の側面に対する傾斜角度が30乃至60°とされていることを特徴とする。
【0017】
本発明の半導体装置は、下側銅板はその側面のモリブデン板の側面に対する傾斜角度が30乃至60°とされていることから、下側銅板の側面において樹脂の密着力が大きくなるとともに応力や外力を緩和する効果がより向上する。
【0018】
また本発明の半導体装置において、好ましくは、前記上側銅板はその側面の前記モリブデン板の側面に対する傾斜角度が30乃至60°とされていることを特徴とする。
【0019】
本発明の半導体装置は、上側銅板はその側面のモリブデン板の側面に対する傾斜角度が30乃至60°とされていることから、上側銅板の側面において樹脂の密着力が大きくなるとともに応力や外力を緩和する効果がより向上する。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体装置について以下に詳細に説明する。
【0021】
図1〜図3は本発明の半導体装置を示し、これらの図において、1は基体、2は半導体素子、3は半導体素子2等をモールドするための樹脂、5は中継用回路基板、5aは線路導体、6はリード端子である。これらの基体1、半導体素子2、樹脂3、中継用回路基板5およびリード端子6によって半導体装置Aが基本的に構成される。
【0022】
本発明の半導体装置Aは、上側主面に半導体素子2が載置される載置部1aを有する金属製の基体1と、載置部1aに載置された半導体素子2と、基体1の上側主面に下面が接合され、上面に半導体素子2が一端部に電気的に接続される線路導体5aが形成された中継用回路基板5と、線路導体5aの他端部に接合されたリード端子6と、基体1の上側主面、基体1の側面、半導体素子2、中継用回路基板5およびリード端子6の一部を覆う樹脂3とを具備し、基体1は、側面が上端から下端にかけて下面の中心側に向かって傾斜した下側銅板1dと、モリブデン(Mo)板1bと、上側銅板1cとがロウ材層を介して順次積層されている。
【0023】
本発明の基体1の上側主面の載置部1aに樹脂接着剤等で載置固定された半導体素子2は、その上面の電極がボンディングワイヤによって線路導体5aの一端部に電気的に接続され、線路導体5aの他端部にはリード端子6の一端部が接合されている。
【0024】
本発明の基体1は、従来周知の金属加工法によって、平板状のMo板1b、上側Cu板1cおよび下側Cu板1cを作製しておき、次にMo板1bの上下主面に上側Cu板1c,下側Cu板1cを間に銀(Ag)ロウ等から成るロウ材(図示せず)を配置し、しかる後、ロウ材を加熱溶融させてMo板1bに上側Cu板1c,下側Cu板1dをロウ付けすることによって作製される。
【0025】
また、Mo板1b,上側Cu板1c,下側Cu板1dのそれぞれの厚さは、Mo板1bの厚さをT1、上側Cu板1cおよび下側Cu板1dの厚さをともにT2としたとき、T2/T1が1.25〜4の範囲にあれば良い。この範囲内であれば、基体1の熱伝導率が250W/m・K以上となり、半導体素子2の熱は基体1を介して外部に良好に放散され、半導体素子2を常に適正な温度範囲に保つことができ、半導体素子2を正常かつ安定に作動させることができる。
【0026】
また、基体1においては、上側Cu板1cおよび下側Cu板1dの熱膨張をMo板1bが抑制し、基体1全体の熱膨張係数を例えばアルミナセラミックスの熱膨張係数6×10-6〜7.5×10-6/℃に近似させたものとしている。
【0027】
そして、下側Cu板1dは、その側面が上端から下端にかけて下面の中心側に向かって傾斜するように、切削法等の金属加工法により加工形成されている。下側Cu板1dの側面のMo板1bの側面に対する傾斜角度は30〜60°が好ましい。30°未満では、下側Cu板1dの側面における樹脂3の剛性が充分でなく、樹脂3による基体1の保持力が小さくなり、小さな力で容易に樹脂3が基体1から外れ易くなる。また傾斜角度が60°を超えると、下側Cu板1dの側面の下端における樹脂3の先端部の角度が30°未満と小さくなり、樹脂3の先端部の剛性が小さくなって基体1から剥がれ易くなってしまう。
【0028】
また、図1に示すように、下側Cu板1dとMo板1bと上側Cu板1cの各側面が連続している。この場合、剛性は高いが熱膨張係数が小さく樹脂と大きく相違するMo板1bと上下側Cu板1c,1bとの境界に段差がなくなり、Mo板1bと上下側Cu板1c,1bとの境界で樹脂3が剥がれるといったことがなく、樹脂3の密着の信頼性がより高いものとなる。また、Mo板1bを介しての熱伝達が円滑になり、また下側Cu板1dとMo板1bと上側Cu板1cとの接合時における反りの発生を防止することができる。
【0029】
また、図2(a)に示す構成においても、下側Cu板1dとMo板1bと上側Cu板1cの各側面が連続していることがよい。この場合も上記と同様の効果がある。
【0030】
また、図2(a)に示すように、上側Cu板1cはその側面が上端から下端にかけて下面の中心側に向かって傾斜していることがよい。この場合、上側Cu板1cの側面において樹脂3との接触面積が増大して密着力が向上するとともに、基体1の側面の下端から半導体素子2に至る沿面距離をさらに大きくすることができ、半導体素子2をさらに信頼性良く載置部1aに載置することができる。
【0031】
さらに、図2(b)に示すように、下側Cu板1dの側面および上側Cu板1cの側面が、凹んだ曲面とされていることがよい。この場合、下側Cu板1dの側面および上側Cu板1cの側面において樹脂3の体積が大きくなってさらに樹脂3の剛性が大きくなるとともに、基体1の側面の沿面距離がより長くなって、基体1の側面と樹脂3との接合面で水分などの異物が侵入するのを防止する効果が大きくなる。
【0032】
次に、樹脂3による封止方法について図1に基づいて説明する。樹脂3による封止は上述したようにトランスファモールド法によって行われる。まず、リード端子6を中継用回路基板5の線路導体5aの他端部に取着した後、半導体素子2を載置部1aに載置固定し、次に半導体素子2の電極をボンディングワイヤで線路導体5aの一端部に電気的に接続し、しかる後、上金型と下金型とからなる金型を用いて熱硬化性樹脂を金型内に加圧注入することにより行われる。
【0033】
樹脂3は、基体1、半導体素子2、中継用回路基板5、リード端子6の一部およびボンディングワイヤをモールドして気密封止するとともに、基体1の下側Cu板1cの下面(基体1の下側主面)が外部に露出され、その下面が放熱面(ヒートシンク面)として機能する。
【0034】
樹脂3としては、熱硬化性のエポキシ樹脂等が好ましく使用され、例えばエポキシ樹脂に、硬化剤、フィラー、難燃剤、離型剤、密着性付与剤などが添加されている。エポキシ樹脂としては、クレゾール・ノボラック系が主に使用され、また硬化剤としてはフェノール・ノボラック系樹脂が使用される。フィラーとしては、熱伝導率を上げるために結晶性シリカ(SiO2)が好ましく使用され、また熱膨張係数を下げるために溶融SiO2が好ましく使用される。
【0035】
これらの材料を混合して樹脂3が作製されるのであるが、樹脂3が溶融した状態での基体1の周囲への廻り込みは樹脂3の流れ性(流動性や粘性)に依存する。本発明において、基体1の下側Cu板1dの側面の傾斜が30〜60°であれば、下側Cu板1dの側面と下金型の表面との間の隙間に樹脂3が充分に充填されることが確認された。
【0036】
本発明の中継用回路基板5は、アルミナ(Al23)質焼結体(アルミナセラミックス)等から成る。中継用回路基板5がアルミナセラミックスから成る場合、Al23原料粉末に、シリカ(SiO2)、またマグネシア(MgO)、カルシア(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)等のアルカリ土類元素の1種以上を適宜で添加して混合粉末を作製する。この混合粉末に有機バインダーや溶媒を加えてスラリーを作製し、このスラリーを用いてドクターブレード法等によりシート状に成形したり、あるいはこのスラリーを用いてプレス成形法や圧延成形法によりシート状に成形することによって、所定厚さのシート状成形体を作製する。
【0037】
得られたシート状成形体に線路導体5aとなる導体ペーストを塗布する。この導体ペーストは、平均粒径1〜10μmのタングステン(W)粉末を10〜70体積%、平均粒径1〜10μmのWおよび/またはMo粉末を30〜90体積%の割合で含有して成る。そして、この導体ペーストを用いてシート状成形体の表面に、スクリーン印刷法やグラビア印刷法等により線路導体5aとなるパターンを印刷塗布する。この導体ペーストには、中継用回路基板5との密着性を高めるために、中継用回路基板5の絶縁基板を構成するセラミックス成分と同一組成のセラミック粉末(アルミナセラミック粉末等)や、絶縁基板を構成するセラミックス成分のうち主成分の酸化物を、0.05〜2体積%の割合で添加することも可能である。
【0038】
その後、上記シート状成形体を所定形状に打ち抜き加工し、非酸化性雰囲気中、焼成最高温度が1200〜1500℃の温度となる条件で焼成する。その後、同時焼成された線路導体5aの表面に、無電解めっき法または電解めっき法により、金(Au),Cu,チタン(Ti),ニッケル(Ni)およびパラジウム(Pd)の群から選ばれる少なくとも1種の金属層を0.5〜10μmの厚さで被着形成しておくとよく、線路導体5aの酸化を防止するとともにロウ材の濡れ性が向上する。
【0039】
また、リード端子6は鉄(Fe)−Ni−コバルト(Co)合金やFe−Ni合金からなる平板をエッチング加工して作製される。金型により打ち抜いて作製されてもよい。このリード端子6は中継用回路基板5上の線路導体5aにロウ材を介して取着され、半導体素子2と外部電気回路とを電気的に接続する。
【0040】
かくして、本発明の半導体装置Aは、外部に露出する下側Cu板1dの下面が外部電気回路装置に取着され、半導体素子2が発する熱を外部に効率よく放熱することができる。また、樹脂3が基体1から外れることがなく、樹脂3と基体1との接合部に隙間ができたとしても基体1の側面の沿面距離が大きくなっているため、水分などが侵入し難いものとなる。従って、半導体装置Aを長期に亘り正常かつ安定に作動させることが可能となる。
【0041】
【実施例】
本発明の半導体装置Aの実施例を以下に説明する。
【0042】
まず、基体1における下側Cu板1dの側面の傾斜角度を種々に設定したサンプルを以下のようにして作製した。すなわち、縦10mm、横20mm、厚さ1mmのMo板1bの上下面に、それぞれ厚さ2mmの上側Cu板1c,下側Cu板1dを、厚さ10μmのAgロウ材(BAg8:JIS Z 3261)から成るロウ材層を介して接合した。このとき、下側Cu板1dとして、その側面1d−AをMo板1bの側面に対して、20,25,30,35,45,55,60,65,70(°)と9種の値としたものを各20個作製した。これらのうち、各10個を用いて、図1の構成の基体1を90個作製した。
【0043】
一方、残りの各10個を用いて、上側Cu板1cとして、その側面1c−Aを下側Cu板1dと同じ9種の値としたもの(図2(a)の構成のもの)を90個作製した。
【0044】
次に、得られた各種基体1の上側主面にFETから成る半導体素子2を半田で載置固定するとともにFe−Ni−Co合金製のリード端子6が接合されたアルミナセラミック製の中継用回路基板5を半田を介して載置固定した。さらに、ノボラック系のエポキシ樹脂で下側Cu板1dの下面(基体1の下側主面)が露出するようにして基体1を覆って封止し、上記各種サンプルを計180個作製した。
【0045】
また、比較例のサンプルとして、上側Cu板1cの側面1c−Aおよび下側Cu板1cの側面1d−AがMo板1bの側面に対して傾斜していない基体1を用いて作製したサンプルを、上記と同様にして10個作製した。
【0046】
これらのサンプルについて樹脂3の剥れを比較評価した。その結果を表1および表2に示す。表1は下側Cu板1dの側面1d−Aのみを傾斜させたサンプルの評価結果であり、表2は上側Cu板1cの側面1c−Aおよび下側Cu板1dの側面1c−Aをともに傾斜させたサンプルの評価結果である。評価は、露出した下側Cu板1dの下面を金属板(Cu板)上にロウ付けし、−65〜125℃の温度サイクルを100サイクル(1サイクル60分)施した後、樹脂3が基体1から外れたことが目視によって確認されたもの、また倍率10倍の金属顕微鏡で確認して樹脂3と基体1の側面の下端との間に隙間が発生しているものを不良とした。
【0047】
【表1】
Figure 0003993807
【0048】
【表2】
Figure 0003993807
【0049】
表1,表2より、下側Cu板1dの側面1d−Aの傾斜角度が30〜60°である場合、また上側Cu板1cの側面1c−Aおよび下側Cu板1dの側面1c−Aの傾斜角度がともに30〜60°である場合に、樹脂3の外れや剥れが全く発生しないことが判明した。
【0050】
これに対して、下側Cu板1dの側面1d−Aの傾斜角度が30°未満の場合、また上側Cu板1cの側面1c−Aおよび下側Cu板1dの側面1c−Aの傾斜角度がともに30°未満の場合に、不良が発生した。これは、側面1d−A、側面1c−Aにおける樹脂3の体積の増大および密着力の増大効果が小さいためと考えられる。
【0051】
また、下側Cu板1dの側面1d−Aの傾斜角度が60°を超える場合、また上側Cu板1cの側面1c−Aおよび下側Cu板1dの側面1c−Aの傾斜角度がともに60°を超える場合に、不良が発生した。これは、基体1の側面の下端付近の樹脂3の先端部の角度が小さくなって、先端部の体積が小さくなり、先端部の剛性が小さくなって、外れ易くなっているものと考えられる。
【0052】
さらに、上側Cu板1cの側面1c−Aおよび下側Cu板1dの側面1c−Aがともに傾斜している場合には、樹脂3の外れが発生し難くなることが判明した。
【0053】
次に、傾斜した側面1d−Aを有する下側Cu板1dにおいて、側面1d−Aが凹んだ曲面となるように形成したサンプルを作製した。このサンプルにおいては、側面1d−Aの全体としての傾斜角度(側面1d−Aの上下端を結ぶ線の傾斜角度)を20,25,30,35,45,55,60,65,70(°)とし、Mo板1b、側面1c−Aが傾斜していない上側Cu板1cを用いて基体1を作製し、上記傾斜角度につき各10個ずつ計90個のサンプルを作製した。これらのサンプルを金属板(Cu板)上にロウ付けし、上記と同様の条件で温度サイクル試験を施し、同様に樹脂3の外れ不良および剥れ不良を評価した。その結果を表3に示す。
【0054】
【表3】
Figure 0003993807
【0055】
表3より、樹脂3の外れ不良の発生がさらに抑制されたことが判明した。
【0056】
次に、上側Cu板1cの側面1c−Aおよび下側Cu板1dの側面1d−Aがともに凹んだ曲面とされたサンプルを、上記と同様に作製して同様に評価した。その結果を表4に示す。
【0057】
【表4】
Figure 0003993807
【0058】
表4より、下側Cu板1dの側面1d−Aのみが凹んだ曲面とされたサンプルよりもさらに外れ不良が減少するという良好な結果が得られた。
【0059】
なお、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を行うことは何等支障ない。例えば、上記実施の形態では、上側Cu板1cの側面1c−Aと下側Cu板1dの側面1d−Aの傾斜角度を同じとしたが、本発明の角度の範囲内で傾斜角度がそれぞれ異なっていてもよい。
【0060】
【発明の効果】
本発明の半導体装置は、上側主面に半導体素子が載置される載置部を有する金属製の基体と、載置部に載置された半導体素子と、基体の上側主面に下面が接合され、上面に半導体素子が一端部に電気的に接続される線路導体が形成された中継用回路基板と、線路導体の他端部に接合されたリード端子と、基体の上側主面、基体の側面、半導体素子、中継用回路基板およびリード端子の一部を覆う樹脂とを具備し、基体は、下側銅板と、モリブデン板と、上側銅板とが各側面が連続するようにロウ材層を介して順次積層され、下側銅板の側面が上端から下端に向かうにしたがって下面の中心側に向かう傾斜面とされていることによって、基体の側面が上側主面に対して垂直な面と上端から下端に向かうにしたがって下面の中心側に向かう傾斜面とで成り、かつ、下側銅板の下面が露出されていることにより、基体は熱膨張係数が大きくて樹脂に近似した上側銅板および下側銅板と、剛性が高い中間のモリブデン板とから成るため、熱膨張による形状変化が樹脂に追随できるとともに剛性を保持できる。また、下側銅板の側面において樹脂の接触面積が増大するとともに側面の下側に向かうに伴って樹脂の体積が増大するため、下側銅板の側面において樹脂の密着力が大きくなるとともに応力や外力を緩和する効果が向上する。その結果、従来樹脂の外れ防止のために設けられていた鍔状部が不要となり、基体の鍔状部の付け根付近に発生していたボイドを起点とした樹脂の剥がれ、および基体の下側主面の端での樹脂の外れといった不具合をほとんど解消できる。従って、樹脂が基体の下側主面の端から容易に外れることがなく、また基体と樹脂との接合面に発生する剥れがほとんどない半導体装置を提供できる。
【0061】
また、アルミナセラミックス等からなる中継用回路基板を基体の上側主面に載置固定しても、中継用回路基板にクラック等が発生することがなく、信頼性の高い半導体装置を構成することができる。
【0062】
また、下側銅板の側面が傾斜していることによって基体の側面の下端から半導体素子に至る沿面距離を全周に亘って大きくすることができ、たとえ剥れが発生しても水分などの外部からの異物が容易に半導体素子に到達しないようにでき、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
【0063】
本発明の半導体装置は、好ましくは、上側銅板はその側面が上端から下端にかけて下面の中心側に向かって傾斜しており、下側銅板とモリブデン板と上側銅板の各側面が連続していることにより、上側銅板の側面において樹脂との接触面積が増大して密着力が向上するとともに、基体の側面の下端から半導体素子に至る沿面距離をさらに大きくすることができ、半導体素子をさらに信頼性良く載置部に載置することができる。また、下側銅板とモリブデン板と上側銅板の各側面が連続していることから、剛性は高いが熱膨張係数が小さく樹脂と大きく相違するモリブデン板と上下側銅板との境界に段差がなくなる。従って、モリブデン板と上下側銅板との境界で樹脂が剥がれるといったことがなく、樹脂の密着の信頼性がより高いものとなる。
【0064】
本発明の半導体装置は、好ましくは、下側銅板はその側面のモリブデン板の側面に対する傾斜角度が30〜60°とされていることにより、下側銅板の側面において樹脂の密着力が大きくなるとともに応力や外力を緩和する効果がより向上する。
【0065】
また本発明の半導体装置は、好ましくは、上側銅板はその側面のモリブデン板の側面に対する傾斜角度が30〜60°とされていることにより、上側銅板の側面において樹脂の密着力が大きくなるとともに応力や外力を緩和する効果がより向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置について実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】(a)は本発明の半導体装置について実施の形態の他の例を示す断面図、(b)は実施の形態のさらに他の例を示す要部拡大断面図である。
【図3】従来の半導体装置の一例を示す断面図である。
【図4】従来の半導体装置の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1:基体
1a:載置部
1b:モリブデン板
1c:上側銅板
1c−A:上側銅板の側面
1d:下側銅板
1d−A:下側銅板の側面
2:半導体素子
3:樹脂
5:中継用回路基板
5a:線路導体
6:リード端子
A:半導体装置

Claims (4)

  1. 上側主面に半導体素子が載置される載置部を有する金属製の基体と、前記載置部に載置された半導体素子と、前記基体の前記上側主面、前記基体の側面および前記半導体素子を覆う樹脂とを具備した半導体装置において、前記基体は、下側銅板とモリブデン板と上側銅板とが各側面が連続するようにロウ材層を介して順次積層され、前記下側銅板の側面が上端から下端に向かうにしたがって下面の中心側に向かう傾斜面とされていることによって、前記基体の側面が前記上側主面に対して垂直な面と上端から下端に向かうにしたがって下面の中心側に向かう前記傾斜面とで成り、かつ、前記下側銅板の下面が露出されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記上側銅板はその側面が上端から下端にかけて下面の中心側に向かって傾斜しており、前記下側銅板と前記モリブデン板と前記上側銅板の各側面が連続していることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記下側銅板は、その側面の前記モリブデン板の側面に対する傾斜角度が30乃至60°とされていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  4. 前記上側銅板は、その側面の前記モリブデン板の側面に対する傾斜角度が30乃至60°とされていることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
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