JP3992957B2 - 小型車両の点火時期制御方法および点火時期制御装置 - Google Patents

小型車両の点火時期制御方法および点火時期制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、マイクロコンピュータによって点火時期を制御する火花点火式4サイクル単気筒内燃エンジンを搭載した小型車両の点火時期制御方法と、点火時期制御装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
火花点火式内燃エンジンにおいては、エンジン負荷によってシリンダ内の火炎伝播速度が変化するために、点火時期をエンジン負荷によって変化させ、点火時期を適正に制御することにより燃費の向上を図っている。すなわち小負荷時には火炎伝播速度が小さくなるから点火時期を進角させ、大負荷時には点火時期を遅角させる。また回転速度の変化に対しても点火時期を変化させている。
【0003】
従来よりエンジン負荷を検出するために、スロットル弁開度を検出するものが公知である。図9はスロットル弁開度を検出する従来の自動二輪車の側面図、図10はその点火時期制御装置を示すブロック図、図11は或る負荷条件下におけるエンジン回転速度に対する点火時期(BTDC、上死点前角度)の制御特性の一例を示す図である。
【0004】
図9において符号10はダブルクレードル型のパイプ構造の車体フレーム、12は操向前輪、14は操向ハンドルバー、16は駆動後輪、18は燃料タンク、20は跨座式の着座シートである。22は単気筒4サイクル火花点火式内燃エンジンであり、車体中央付近に搭載されている。
【0005】
エンジン22のシリンダ22Aの後面にはスロットル弁を有する気化器24が取付けられている。この気化器24はエアクリーナ(図示せず)から空気を吸入し、シリンダ22Aに導く。気化器24のスロットル弁開度は、操向ハンドルバー14に設けたスロットルグリップ14Aによって制御される。スロットル弁開度は、この気化器24に取付けたスロットルポジションセンサ(TPS)26によって検出される。シリンダ22Aの前面には排気管28が接続されている。排気管28はエンジン22の下方を通り排気消音器30に導かれる。
【0006】
シリンダ22Aに設けた点火栓32(図10)は、図10に示す点火時期制御装置34によって制御される。この点火時期制御装置34はマイクロコンピュータなどで構成された電子回路36と、CDI(コンデンサ放電式点火回路)で構成される点火回路38と、電源回路40とを含む。
【0007】
電源回路40にはメインスイッチ42を介して電池44が接続されている。電源回路40は、点火回路38に供給する電源電圧および電子回路36に供給する電源電圧を出力する定電圧回路で構成される。点火回路38は電子回路36が出力する点火信号pに基づいて点火パルスiを点火コイル46の一次側へ送る。この点火コイル46で昇圧された点火パルスIが点火栓32に導かれ、点火火花を発生させるものである。
【0008】
電子回路36は、回転速度検出回路48と、スロットル位置検出回路50と、スロットル開度算出回路52と、点火時期決定回路54とを有する。回転速度検出回路48は、エンジン22のクランク軸の回転に同期してパルスを出力するセンサ56の出力に基づいてエンジン回転速度(クランク軸回転速度)Nを検出する。
【0009】
スロットル位置検出回路50は、スロットルポジションセンサ(TPS)26の出力に基づき、スロットル位置を示す信号aを検出する。スロットル開度算出回路52はこのスロットル位置を示す信号aに基づきスロットル開度θを算出する。点火時期決定回路54はこのスロットル開度θと、エンジン回転速度Nとに基づいて点火時期αを示す信号pを出力する。前記点火回路38はこの点火信号pに基づいて点火パルスiを出力するものである。
【0010】
ここに点火時期決定回路54は、電子回路36に予めメモリしたスロットル開度θとエンジン回転速度nと点火時期(BTDC、上死点前角度)αとの関係を示す3次元マップを用いて点火時期αを求める。図11は或るスロットル開度θに対するn−αの関係を示すものであり、同様なn−α特性図を異なるスロットル開度θに対して多数メモリしておくものである。
【0011】
以上説明したものはスロットル開度θとエンジン回転速度nとに基づいてエンジン負荷を求め、点火時期を制御するものである。エンジン負荷をさらに正確に求めるために、吸気負圧を検出して点火時期を制御することも従来より行われている(真空進角)。
【0012】
このように従来の装置では、エンジン負荷を検出するためにスロットル開度θを用いたり、吸気負圧を用いていた。このためスロットルポジションセンサ26、スロットル位置検出回路50などが必要になったり、吸気負圧を検出する負圧センサーが必要になるという問題があった。
【0013】
このため部品点数が増えるという問題があった。またこれらの部品をエンジンに取付けるためスペースや構造を車体側に設けておく必要が生じる。しかし特に小型車ではこのようなスペースや構造を確保するのが困難なことが多いという問題があった。
【0014】
そこでスロットル開度θや吸気負圧に代えて、クランク軸の回転変動からエンジン負荷を検出することが提案されている。例えば特開2000−337200(P2000−337200A)には、4サイクルエンジンにおいて、燃焼を含むクランク軸1回転の時間と、吸気を含むクランク軸1回転の時間との差を求め、エンジン負荷をこの差の関数として決定するものが示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこの場合にはエンジンの加速または減速による影響を大きく受けることになり、車両用のエンジンなどの加減速を繰り返すものでは不正確になり易いという問題があることが解った。
【0016】
そこで本願の出願人は、クランク軸と一体に回転する回転体の予め決めた一定角度範囲の通過時間(t)とこの回転体の1周期(T)との比率(t/T)によってエンジン負荷を求めることを提案した。また一定回転ごとに比率(t/T)の差を用いてエンジン負荷を求めることも提案した(特願2000−311790)。
【0017】
しかし出願人はその後の研究により、比率(t/T)の差を求める場合に、通過時間(t)と1周期(T)の検出タイミングの決め方によって比率(t/T)の差の大きさが変化すること知った。この比率(t/T)の差が小さいと、エンジン負荷の検出精度が悪くなるので好ましくない。
【0020】
この発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、比率(t/T)の差を大きくしてエンジン負荷の検出精度を向上させることができるようにした小型車両の点火時期制御方法を提供することを第1の目的とする。またこの方法の実施に直接使用する点火時期制御装置を提供することを第2の目的とする。
【0021】
発明者は検討の結果、VR値をマイクロコンピュータで計算する際の最小変化間隔すなわちVR値の分解能は、VR値をこの分解能分変化させた時の点火時期の変化量を1°以内に抑制できれば、小型車両では運転者にその変化による影響が感じられず、問題が無いことを知った。そこでこの発明ではVR値の分解能を点火時期の変化が1°以下になるように設定するものである。
【0022】
【発明の構成】
この発明によれば第1の目的は、マイクロコンピュータによって点火時期を制御する火花点火式4サイクル単気筒内燃エンジンを搭載した小型車両の点火時期制御方法において、クランク軸と一体に回転する回転体の上死点前の所定角度付近から上死点付近までの間でピックアップを通過するように予め決めた一定角度範囲の通過時間(A)を検出し、前記一定角度範囲の上死点前所定角度付近でピックアップを通過する時の検出タイミングを基準にして回転体の1回転時間(C′)を検出し、連続する2回転について求めた比率(A/C′)の差を用いてエンジン負荷を求め、この求めたエンジン負荷とエンジン回転速度とに基づいて点火時期を決めることを特徴とする小型車両の点火時期制御方法により達成される。
【0023】
一定角度範囲は、回転体の上死点前約60°+α°(α≒10°)から上死点前α°(α≒10°)付近までの間で突起がピックアップを通過する範囲とすることができる。点火時期の変動幅を1°以内に抑えるためのVR値の最小変化間隔(すなわち分解能)は、VR値の全変化範囲の約0.6%以下とすることができる。例えば車両重量が約100kgf(重量キログラム、1kgf≒9.8N)の自動二輪車などでは、VR値の最小変化間隔はエンジン負荷の約7N・m(ニートン・メートル、Nmとも記す、1kgf・m≒9.8N・m)以内の変化になるようにすれば、ほぼ前記の条件を満たすことが解った。
【0024】
この発明によれば、第2の目的は、マイクロコンピュータによって点火時期を制御する火花点火式4サイクル単気筒内燃エンジンを搭載した小型車両の点火時期制御装置において、エンジンのクランク軸と一体に回転し上死点前所定角度付近から上死点付近までの予め決めた一定角度範囲を識別するための第1および第2のマークが付された回転体と、前記回転体のマークを検出するマーク検出手段と、前記マーク検出手段の出力に基づいて第1のマークから第2のマークまでの通過時間(A)と前記第1のマークが1回転する時間(C′)から比率(A/C′)を求め連続する2回転について求めた比率(A/C′)の差をVR値として出力するVR値算出手段と、前記VR値からエンジン負荷を求める負荷算出手段と、VR値と回転速度に基づいて最適点火タイミングを求める点火時期決定手段と、この点火時期決定手段で決定した点火時期に点火させる点火回路とを備えることを特徴とする小型車両の点火時期制御装置、により達成される。
【0025】
回転体に設けるマークは、回転体の外周(または内周)に沿って形成した突起とし、マーク検出手段はこの突起を検出するセンサとすることができる。この突起は、回転体の外周または内周に沿って複数個設けることができる。その場合、突起の間隔、幅は異なってもよい。
【0026】
回転体は鉄などの磁性材で形成し、センサは突起の回転軌跡に対向するコイル(パルサコイルなどのピックアップコイル)で形成することができる。この場合は、コイルの鉄芯を通る磁路の磁気抵抗の変化から突起の両端を検出する。マークは回転体の所定角度離した位置に固着した永久磁石とし、センサはこの永久磁石の通過を検出するホール素子などの磁気センサとしてもよい。さらにマークをスリットとして、このスリットを発光ダイオードと受光素子とで光学的に検出するものであってもよい。
【0027】
VR値算出手段、エンジン負荷算出手段、点火時期決定手段などはマイクロコンピュータで構成する。この場合VR値と回転速度とエンジン負荷の関係を示す3次元変換マップはコンピュータのメモリに予め記憶しておく。同様に負荷と回転速度と点火時期との関係を示す3次元変換マップもコンピュータのメモリに予め記憶しておけばよい。なお電子回路の主要部分はマイクロコンピュータのソフトウェアで構成できるので、部品点数が増大することはない。
【0028】
【実施態様】
図1はこの発明の一実施態様のブロック図、図2は回転体とマーク検出手段を示す図、図3はこの実施態様の動作流れ図、図4はVR値算出の概念図、図5はVR値とエンジン回転速度n(rpm)と負荷(N・m)との関係を示す測定結果(A)と3次元変換マップ(B)を示す図、図6は負荷(N・m)と回転速度(rpm)に対して最大トルクを得るための点火時期(BTDC°)との関係を示す3次元変換マップを示す図、図7は本発明による燃費改善効果の実測結果を示す図、図8はVR値とエンジン負荷との相関マップ(A)とエンジン点火時期特性図(B)である。
【0029】
なおこの実施態様は図9に示した4サイクル単気筒エンジン22に適用したものであり、VR値は次のように求めたものである。このエンジン22を搭載した自動二輪車の車両重量は約100kgfである。また運転者の体重は約60kgfである。
【0030】
マークとなる突起の角度範囲を上死点前(BTDC)60°から上死点(TDC)までの範囲とした時に、この突起の範囲がセンサを通過する時間(t)と1回転に要する時間(1周期)(T)との比率(t/T、単位は%)を圧縮行程と排気行程について求めた。回転速度nの単位はr.p.m.、エンジン負荷の単位はN・m(ニュートン・メートル)である。
【0031】
図4には本発明による方法を〈方法2〉として、比較のために示した方法を〈方法1〉として示している。ここでは回転体として永久磁石式AC発電機の鉄製のドラムを用い、このドラム外周に突出させたマークをパルサコイルによって検出する。従ってパルサコイルの出力波形はマーク(突起)の始端(BTDC60°)でプラス(+)のパルスとなり、マークの終端(BTDC0°、TDC)でマイナス(−)のパルスとなる。
【0032】
図4に示すように、〈方法1〉は、燃焼・排気工程を含むマイナス(−)パルスの時間間隔C、Dを1回転の周期とし、各周期C、D内の突起(マーク)の通過時間をB、Aとして、各周期に対して比率B/C、A/Dを求める。そしてこれらの差の絶対値|B/C−A/D|をもってエンジン負荷とするものである。
【0033】
一方本発明では〈方法2〉によってエンジン負荷を求めるものであり、(+)パルスの時間間隔C′、D′を1回転の周期として、各周期に対して比率A/C′、B/D′を求める。そしてこれらの差の絶対値|A/C′−B/D′|をもってVR値と定義する。VRはVariation in Revolution(回転変動)を意味する。
【0034】
図4に示すように、負荷変動による影響は、吸気および圧縮行程の時間を燃焼および排気工程の時間に比べて相対的に長くするように表れるから、負荷の増減に対して〈方法1〉によれば比率(B/C)の分母および分子が共に増加または減少し、同様に比較(A/D)の分母および分子は共に減少または増加する。このため両者の差|B/C−A/D|の負荷変動による変化は小さくなる。
【0035】
これに対して〈方法2〉によれば、比率(A/C′)は、負荷の増大に対して分母C′が小さくなり分子Aが大きくなり、比率(B/D′)は分母が大きく分子が小さくなるから、両者の差|A/C′−B/D′|の負荷変動による変化は大きくなる。本発明はこの〈方法2〉を用いてVR値を、従ってエンジン負荷を求めるものである。
【0036】
図5の(A)は、〈方法2〉により求めたVR値とエンジン負荷(N・m)との関係を、異なる回転速度n(rpm)に対して求めた測定結果である。この結果から、回転速度nとVR値とによりエンジン負荷は一義的に決まることが解る。図5の(B)はこの結果を3次元マップにして示す。このマップから、エンジン負荷を検出するための特別なセンサ、例えばスロットルセンサや吸気負圧センサなど、を用いることなく、パルサの信号だけで負荷を検出できることが解る。またこのエンジン22ではVR値の変化範囲は0から2.0までとなることが解る。
【0037】
図6はエンジンの最大トルクを得るために必要な点火時期、すなわちMBT(Minimum Advance for Best Torque)を、負荷および回転速度nに対して示す3次元マップである。従来の点火ユニットで点火時期を回転速度nのみによって変化させるものでは、負荷が変化した時には点火時期のMBTからの偏差が大きくなり、エンジン性能を十分に活用できていなかったものである。これに対して本発明によれば、エンジン負荷によって点火時期をMBTに沿わせるように変化させるから、エンジン性能を十分に活用することができる。
【0038】
図1において134は点火時期制御装置であり、マイクロコンピュータなどで構成される電子回路136と、CDIなどで構成される点火回路38と、電源回路40を有する。点火回路38と電源回路40は前記図10に示した従来装置のものと同一であるからその説明は繰り返さない。
【0039】
図2において、回転体100は鉄製のドラム状であり、クランク軸(図示せず)の一端に固定されている。この回転体100の外周面には60°の角度範囲内で連続する突起102が形成されている。この突起102は本発明におけるマークとなるものである。
【0040】
104はピックアップコイルであり、突起後端102Bがピックアップコイルに近接した位置がBTDC0°+α(α≒10°)となる位置で回転体100の外周に対向している。このピックアップコイル104は、本発明におけるマーク検出手段となるものであり、例えばコイルの磁界が突起102が近接した時に磁気抵抗が変化するのをコイルで検出するものである。
【0041】
回転体100は例えば永久磁石式AC発電機のロータを利用することができる。すなわちロータの内周面に永久磁石を固着し、ロータの内側に発電用ステータコイルを収容したAC発電機のロータを利用するものである。またピックアップコイル104は従来装置に設けた点火時期検出用のコイルを利用することができる。
【0042】
この回転体100は図2で時計方向に回転すると、突起102の先端102Aがコイル104の前を通過する時(BTDC60°+α(α≒10°)の時)にコイル104に正(または負)のパルスが発生する。また突起102の後端102Bがコイル104の前を通過する時(BTDC0°+α(α≒10°)の時)にコイル104に負(または正)のパルスが発生する。
【0043】
図1において電子回路136は、回転速度検出回路200、VR値算出回路202、負荷算出回路204、点火時期決定回路206などを有する。なおこれらは回路200〜206の少なくとも一部はマイクロコンピュータのソフトウェアで構成される。
【0044】
前記コイル104の出力信号、すなわち突起102の先端102Aおよび後端102Bを検出して出力される正負のパルスは、回転速度検出回路200に入力され、ここで連続する2つの正パルスの時間間隔あるいは2つの負のパルスの時間間隔から回転速度(r.p.m.)を求める。またこのコイル104の出力パルスはVR値算出回路202にも入力され、ここでVR値を求める。このVR値は図4に示すようにして求めることができる。
【0045】
VR値算出回路200は、突起102の先端102Aから後端102Bまでの時間間隔を測定し、圧縮行程での時間間隔をAとし、次の排気行程での時間間隔をBとする。また連続する正のパルスの時間間隔を測定することにより、クランク軸の1回転に要する時間すなわち1周期Tを求める。ここに燃焼行程を含む1周期をC′、吸気行程を含む1周期をD′とする。
【0046】
VR値は前記の〈方法2〉の方法で求める。すなわち燃焼行程を含む1回転について比率(A/C′)と、吸気行程を含む1回転について比率(B/D′)との差の絶対値|A/C′−B/D′|を求め、これをVR値とするものである。
【0047】
この図5、6に示した特性はエンジンによって予め測定してマイクロコンピュータのメモリに予め記憶しておく。例えば3次元変換マップとして記憶しておく。負荷算出回路204は、VR値算出回路202で求めたVR値と、回転速度Nとを用いて、図5の変換マップから負荷(後輪負荷、N・m)を求める。
【0048】
マイクロコンピュータのメモリには、エンジンによって決まる図6に示す特性、すなわち負荷−回転速度−点火時期(BTDC°)の関係を示す特性を予め記憶しておく。点火時期決定回路206は、前記負荷算出回路204で求めた負荷と回転速度Nとを用いて図6の変換特性から点火時期α(BTDC°)を求める。そしてこの点火時期αに対応する点火信号pを点火回路38に送出する。点火回路38はこの点火信号pに基づいて点火栓32に点火火花を発生させるものである。
【0049】
ここにVR値の演算においては、マイクロコンピュータは、図8(A)に示すように、VR値の最小変化間隔(最小きざみ幅)すなわち分解能をVR値の全変化範囲(0から2.0まで)の0.625%とする。この数値0.625%はVR値0.0125(=2.0×0.625/100)に相当する。VR値の変化に対する負荷変動は高回転・低負荷時に大きくなるから、この分解能(=0.0125)は、この高回転の低負荷時で負荷の変化約7N・mに相当している。なお図8(A)で回転速度A、B、C、Dの大きさはA<B<C<Dの順である。
【0050】
従ってこの負荷の変動7N・mは図8(B)のうえで点火時期の1°以内の変化にほぼ相当する。点火時期1°以内の変化はエンジン負荷7N・mの変化に相当し、この程度の変化は運転者の乗心地に悪影響を及ぼさないことが解った。
【0051】
次にこの実施態様の動作を図3に基づいてまとめて説明する。まずエンジン始動後にアイドリング運転を行う時には(ステップS300)、点火時期αは一定値α1に固定して(ステップS302)、点火制御を行う(ステップS304)。アイドリングか否かは、例えば回転速度検出回路200で検出した回転速度nから判別することができる。
【0052】
アイドリングでなければ(ステップS300)、VR値算出回路202はVR値を算出する(ステップS306)。電子回路136のマイクロコンピュータは、このVR値が一定範囲VRM〜VRm内に入っているか否か判定し(ステップS308)、この範囲を外れていれば点火時期を固定値α2、α3に設定する。この範囲VRM〜VRmの中に入っていれば、回転速度検出回路200で求めた回転速度nを用いて(ステップS314)、負荷算出回路204は図5の変換マップにより負荷を求める(ステップS316)。
【0053】
点火時期決定回路206は、この負荷と回転速度nを用いて図6の変換マップから点火時期αを求める。そしてこの点火時期αに対応した点火信号pを点火回路38に送り、点火栓32に点火火花を発生させるものである。この実施態様による効果は図7に示されている。この図7は同一のエンジンについて従来の点火装置と本実施態様とによる燃費を比較したものであり、本実施態様によれば燃費が2〜12%改善されることが解った。
【0054】
【発明の効果】
請求項1〜の発明は以上のように、VR値に基づいて、エンジン負荷を検出するから、スロットルポジションセンサや負圧センサなどが不用になり、装置の小型化に適する。また加減速時の影響を受けにくいので加減速時の精度低下を招くおそれがない。さらに回転速度の増減により負荷の増減を判定する場合のように負荷変動の結果回転速度が変化するまで待つことなく、回転変動の度合いから直接負荷が検出できるので、制御の応答性が向上する。このため部品点数が減りこれらのセンサ類を取付けるためのスペースや取付け構造を車体側に設ける必要がなくなり、小型車に搭載するのに特に都合が良い。
【0055】
またVR値の最小変化間隔(最小きざみ幅、分解能)を、点火時期の変化が1°以内になるようにすれば(請求項2)、小型車両の運転感に悪影響を及ぼすことなくVR値の演算精度すなわち分解能を十分に下げることができる。このためマイクロコンピュータの負荷を過大にすることなく小型車両としての良好な性能を得ることができる。
【0056】
請求項6〜7の発明によれば、請求項1の方法の実施に直接使用する点火時期制御装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様であるブロック図
【図2】回転体とマーク検出手段を示す図
【図3】動作の流れ図
【図4】VR値算出の概念図
【図5】3次元変換マップを示す図
【図6】3次元変換マップを示す図
【図7】本発明の点火時期制御による燃費効果を示す図
【図8】VR値・負荷相関マップ(A)および点火時期特性図(B)
【図9】従来の自動二輪車の側面図
【図10】その点火時期制御装置のブロック図
【図11】或る負荷条件下の点火時期制御特性例を示す図
【符号の説明】
22 エンジン
32 点火栓
38 点火回路
100 回転体(ロータ)
102 突起(マーク)
104 ピックアップコイル(マーク検出手段)
134 点火時期制御装置
200 回転速度検出回路(回転速度検出手段)
202 VR値算出回路(VR値算出手段)
204 負荷算出回路(負荷量算出手段)
206 点火時期決定回路(点火時期決定手段)

Claims (7)

  1. マイクロコンピュータによって点火時期を制御する火花点火式4サイクル単気筒内燃エンジンを搭載した小型車両の点火時期制御方法において、
    クランク軸と一体に回転する回転体の上死点前の所定角度付近から上死点付近までの間でピックアップを通過するように予め決めた一定角度範囲の通過時間(A)を検出し、前記一定角度範囲の上死点前所定角度付近でピックアップを通過する時の検出タイミングを基準にして回転体の1回転時間(C′)を検出し、連続する2回転について求めた比率(A/C′)の差を用いてエンジン負荷を求め、この求めたエンジン負荷とエンジン回転速度とに基づいて点火時期を決めることを特徴とする小型車両の点火時期制御方法。
  2. 連続する2回転について求めた比率(A/C′)の差はこれが変化した時の点火時期の変化量が1°以内となる分解能で求める請求項1の点火時期制御方法。
  3. 一定角度範囲は、回転体の上死点前60°付近から上死点付近までの範囲とする請求項1または2の小型車両の点火時期制御方法。
  4. 連続する2回転について求めた比率(A/C′)の差を、その全変化範囲の約0.6%以下の分解能で検出する請求項1または2または3の小型車両の点火時期制御方法。
  5. 小型車両は車両重量が約100kgfの車両であり、比率(A/C′)の差の最小変化間隔がエンジン負荷の約7Nm以内の変化になるようにした請求項1〜のいずれかの小型車両の点火時期制御方法。
  6. マイクロコンピュータによって点火時期を制御する火花点火式4サイクル単気筒内燃エンジンを搭載した小型車両の点火時期制御装置において、
    エンジンのクランク軸と一体に回転し上死点前所定角度付近から上死点付近までの予め決めた一定角度範囲を識別するための第1および第2のマークが付された回転体と、前記回転体のマークを検出するマーク検出手段と、前記マーク検出手段の出力に基づいて第1のマークから第2のマークまでの通過時間(A)と前記第1のマークが1回転する時間(C′)から比率(A/C′)を求め連続する2回転について求めた比率(A/C′)の差をVR値として出力するVR値算出手段と、前記VR値からエンジン負荷を求める負荷算出手段と、VR値と回転速度に基づいて最適点火タイミングを求める点火時期決定手段と、この点火時期決定手段で決定した点火時期に点火させる点火回路とを備えることを特徴とする小型車両の点火時期制御装置。
  7. 回転体に付されるマークは回転体の周方向へ一定角度範囲突出する突起で形成され、マーク検出手段は回転体の前記突起の回転軌跡に対向して突起の位置を検出するセンサで形成される請求項の小型車両の点火時期制御装置。
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