JP3991955B2 - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents

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本発明は、内燃機関から排出される排気を浄化する排気浄化システムに関する。
内燃機関から排出される排気に含まれるNOx、HC等を除去し、排気を浄化する目的で、内燃機関の排気通路に排気浄化触媒が設けられる。この排気浄化触媒として、排気中のNOxを還元雰囲気において選択的に還元することで排気を浄化する選択還元型NOx浄化触媒や、排気中のNOxを吸蔵、還元することで排気を浄化する吸蔵還元型NOx浄化触媒の他に、三元触媒等が挙げられる。また吸蔵還元型NOx触媒が担持されたフィルタ等によって、排気中の粒子状物質を捕集し、大気への粒子状物質の放出を抑制する。
ここで、これらの排気浄化触媒はその排気浄化のための触媒機能を十分に発揮するためには、排気浄化触媒の温度が所定の温度(以下、「活性温度」という)以上となることが必要とされる。そこで、排気浄化触媒の温度を活性温度以上とするために、排気中の酸素濃度に応じた燃料を排気行程において燃焼室に噴射し、下流の排気浄化触媒に供給する技術(例えば、特許文献1を参照)や、排気浄化触媒の上流側と下流側の排気のNOx濃度差に基づいて排気浄化触媒に供給する燃料の量を決定する技術(例えば、特許文献2を参照)が公開されている。排気浄化触媒に燃料が供給されると、該燃料が排気浄化触媒の酸化能に応じて酸化され、そこで生じるその酸化熱によって排気浄化触媒の温度が上昇する。
また、吸蔵還元型NOx触媒が担持されたフィルタにおいて、捕集された粒子状物質を酸化除去するために、該吸蔵還元型NOx触媒およびフィルタに燃料を供給し、そこで発生する酸化熱によってフィルタの温度を上昇させる技術が知られている(例えば、特許文献3を参照。)。
このように、排気浄化触媒の酸化能を利用することで、排気浄化触媒に供給された燃料の酸化反応における酸化熱で排気浄化触媒の温度、もしくは排気浄化触媒が担持されたフィルタの温度を上昇させることが可能である。
特開平11−264333号公報 特開平10−259713号公報 特開2002−38930号公報 特開平6−129238号公報 特開平5−312026号公報
ここで、排気浄化触媒の温度を、目的とする温度、例えば先述した活性温度へ上昇させるためには、排気浄化触媒の酸化能に応じて、適切な時期に適切な量の燃料を排気浄化触媒に供給する必要がある。
しかし、排気浄化触媒の酸化能を正確に推定することが困難であるため、排気浄化触媒
への燃料供給が適切な時期に行われなければ、燃料が酸化されず大気へ放出される。また、排気浄化触媒に供給する燃料が少量である場合には、排気浄化触媒の温度を目的とする温度まで確実に上昇させることが困難となり、一方で排気浄化触媒に供給する燃料が多量である場合には、供給された燃料が排気浄化触媒において酸化されずに大気へ放出される虞がある。
本発明では、上記した問題に鑑み、排気浄化触媒の有する酸化能をより確実に推定することで、排気浄化触媒の温度を目的とする温度により確実に到達せしめるとともに、供給される燃料の大気への放出を抑制する内燃機関の排気浄化システムを提供することを目的とする。
本発明は、上記した課題を解決するために、排気浄化触媒に流入する排気のNOx濃度に着目した。排気浄化触媒に流入する排気のNOx濃度、即ち排気浄化触媒を構成する物質の置かれる雰囲気のNOx濃度によって、排気浄化触媒の酸化能が大きく変動する特性を排気浄化触媒が有するからである。
そこで、内燃機関の排気通路に設けられて該排気通路を流れる排気に含まれる物質を酸化する酸化能を有する触媒であって、該排気のNOx濃度が高くなるに従い該触媒の酸化能が低下する特性を示す排気浄化触媒を有する内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記排気浄化触媒に流入する排気のNOx濃度を検出または推定するNOx濃度取得手段と、前記排気浄化触媒に燃料を供給する燃料供給手段と、前記NOx濃度取得手段によって検出または推定される排気のNOx濃度に基づいて前記排気浄化触媒の酸化能を推定し、該推定された酸化能に基づいて前記燃料供給手段による該排気浄化触媒への燃料の供給を制御する燃料供給制御手段と、を備える。
排気浄化触媒が、内燃機関の排気通路に設けられて該排気通路を流れる排気に含まれる物質を酸化する酸化能を有する触媒であって、該排気のNOx濃度が高くなるに従い該触媒の酸化能は低下する特性を示す要因として、酸化能を示す白金などの貴金属のNOx被毒が想定される。即ち、排気中のNOxが貴金属の表面に吸着することで、貴金属の表面がNOxによって覆われ、貴金属の触媒作用である酸化能の効率が低下すると考え得る。排気中のNOxの中でも、その化学的特性より、特にNOが貴金属表面に吸着して、排気浄化触媒の酸化能が低下すると考え得る。
このような特性を示す排気浄化触媒においては、排気のNOx濃度が排気浄化触媒の酸化能を決定する大きな要素である。従って、排気浄化触媒に流入する排気のNOx濃度に基づいて、排気浄化触媒の酸化能をより正確に推定することが可能となる。そして、その推定された排気浄化触媒の酸化能に対応した適正な量の燃料を適正な時期に排気浄化触媒に供給することで、排気浄化触媒の温度をより確実に目的の温度に上昇するとともに、燃料の大気への放出を抑制することが可能となる。尚、排気のNOx濃度は、該排気が流れる排気通路に備えられたNOx濃度センサによって検出する他、内燃機関の機関負荷や機関回転速度等の運転状態から推定することが可能である。
ここで、前記燃料供給制御手段による排気浄化触媒への燃料供給の制御として、前記NOx濃度取得手段によって検出または推定される排気のNOx濃度が高くなる程、前記燃料供給手段による前記排気浄化触媒への燃料の供給量を減量し、逆に前記NOx濃度取得手段によって検出または推定される排気のNOx濃度が低くなる程、前記燃料供給手段による前記排気浄化触媒への燃料の供給量を増量する制御が挙げられる。
即ち、排気浄化触媒の有する排気のNOx濃度に対する酸化能の推移に即した量の燃料
を、燃料供給手段から該排気浄化触媒に供給することで、供給された燃料が排気浄化触媒の酸化能によって効率的に酸化され、排気浄化触媒の温度がより確実に目的の温度に上昇されるとともに、燃料の大気への放出を抑制することが可能となる。
尚、上述の酸化能の特性を示す排気浄化触媒においては、該排気浄化触媒に流入する排気のNOx濃度によっては該排気浄化触媒の有する酸化能が著しく低下する場合がある。そのような場合においてまで、該排気浄化触媒の温度を上昇させるために該排気浄化触媒への燃料供給を行うと、大気への燃料の放出を回避することが困難となる。
そこで、前記内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記NOx濃度取得手段によって検出または推定される排気のNOx濃度が所定のNOx濃度を超えるとき、前記排気浄化触媒への燃料の供給を禁止するようにする。ここで、所定のNOx濃度とは、該排気浄化触媒の酸化能が著しく低下し、大気への燃料放出の抑制が困難となる排気のNOx濃度であり、該排気浄化触媒の触媒特性や容量等によって決定され得る。
このように、排気浄化触媒に流入する排気のNOx濃度が所定のNOx濃度を超える場合には、該排気浄化触媒への燃料供給による該排気浄化触媒の温度上昇は行われない。このような場合には、燃料の噴射時期の遅角側への移行等によって該排気浄化触媒に流入する排気の温度自体を昇温させることで、排気浄化触媒の温度上昇を図る。
ここで、排気浄化触媒の酸化能を決定する要因として、排気浄化触媒に流入する排気のNOx濃度が挙げられることは先述の通りであるが、排気浄化触媒の酸化能を決定する別の要因として排気浄化触媒の温度がある。即ち、排気浄化触媒の温度が上昇するに従い、排気浄化触媒の有する酸化能も上昇し、また排気浄化触媒の温度が活性温度とならないと、排気浄化触媒による酸化が効率的に行われない。そして、排気浄化触媒に流入する排気のNOx濃度と排気浄化触媒の温度は、相互に関連しあって排気浄化触媒の酸化能に反映される。
そこで、前記燃料供給制御手段は、前記排気浄化触媒の温度に基づいて該排気浄化触媒への燃料供給を制御し、前記NOx濃度取得手段によって検出または推定される排気のNOx濃度に基づいて前記燃料供給手段による該排気浄化触媒への燃料供給を開始する前記排気浄化触媒の温度を決定する。
即ち、排気浄化触媒への燃料供給を開始するためには、排気浄化触媒の温度がその酸化能が効率的に発揮される温度である活性温度以上の温度となる必要がある。しかし、上述までの排気のNOx濃度に対する酸化能の特性を示す排気浄化触媒においては、該排気浄化触媒に流入する排気のNOx濃度によって、排気浄化触媒の酸化能が効率的に発揮される温度の範囲、つまり活性温度の範囲が変動する。
排気のNOx濃度が高くなるに従い排気浄化触媒の酸化能が低下するため、排気浄化触媒に流入する排気のNOx濃度が高くなると、活性温度の範囲が高温側に移行する。従って、そのような場合には、該排気浄化触媒への燃料の供給を開始する該排気浄化触媒の温度を、高温側に移行する必要がある。このようにすることで、該排気浄化触媒に供給された燃料が、より効率的に酸化され、燃料の大気への放出をより確実に抑制することが可能となる。
先述までの内燃機関の排気浄化システムにおいては、排気浄化触媒に流入する排気のNOx濃度に基づいて、該排気浄化触媒に供給する燃料の量を制御するものであるが、次に、該排気浄化触媒に燃料を供給する際の、該排気浄化触媒に流入する排気のNOx濃度の制御を有する内燃機関の排気浄化システムを示す。
そこで、内燃機関の排気通路に設けられて該排気通路を流れる排気に含まれる物質を酸化する酸化能を有する触媒であって、該排気のNOx濃度が高くなるに従い該触媒の酸化能が低下する特性を示す排気浄化触媒を有する内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記排気浄化触媒に燃料を供給する燃料供給手段と、前記燃料供給手段によって前記排気浄化触媒へ燃料を供給するとき、該排気浄化触媒に流入する排気のNOx濃度を低下させるNOx濃度制御手段と、を備える。
排気浄化触媒の有する、排気のNOx濃度に対する酸化能については先述の通りである。よって、この特性を示す排気浄化触媒を備える内燃機関の排気浄化システムにおいて、排気のNOx濃度が高くなるに従って、排気浄化触媒の酸化能は低下する。そこで、排気浄化触媒に供給される燃料の量に代えて、排気浄化触媒に流入する排気のNOx濃度自身を、排気浄化触媒の酸化能が効率的に発揮し得るNOx濃度にすべく制御する。即ち、供給された燃料を効率的に酸化させるために、排気のNOx濃度を低下させる。これにより、排気浄化触媒に供給される燃料の酸化熱により、排気浄化触媒の温度をより確実に目的の温度まで上昇させるとともに、該燃料が大気へ放出されるのを抑制することが可能となる。
ここで、排気のNOx濃度を制御するために、燃焼室における燃焼条件、例えば吸気量やEGR量を制御すると、内燃機関の機関出力が変動したり、燃焼室における燃焼の安定性が阻害されたりする虞がある。そこで、前記内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記排気浄化触媒に流入する排気のNOx濃度を検出または推定するNOx濃度取得手段を、更に備え、前記NOx濃度制御手段は、前記NOx濃度取得手段によって検出または推定される排気のNOx濃度が所定の濃度を超えるときに、前記排気浄化触媒に流入する排気のNOx濃度を低下させる。これにより、排気のNOx濃度が低下されるのは、所定の条件が成立しているときに限られるため、内燃機関の機関出力が変動したり燃焼室における燃焼の安定性が阻害されたりする虞が少なくなる。また、吸気量やEGR量を変更することで内燃機関の出力変動等の虞が少ない内燃機関の運転領域においてのみ、吸気量やEGR量を制御するようにしてもよい。
ここで、排気浄化触媒における、排気のNOx濃度に対する酸化能の特性は、先述したように排気浄化触媒のNOx被毒によるものと考えられる。そこで、排気浄化触媒に燃料を供給するに際して、排気浄化触媒に流入する排気のNOx濃度を低下させる内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記燃料供給手段によって前記排気浄化触媒への燃料供給を開始した後の所定期間に、前記排気浄化触媒に流入する排気の空燃比をリッチ状態の空燃比とする排気空燃比制御手段を、更に備える。
これにより、排気浄化触媒に燃料を供給して、該排気浄化触媒の温度を目的の温度まで上昇させる場合に、所定期間において、排気の空燃比がリッチ状態となるため、排気浄化触媒の表面に吸着しているNOxを排気浄化触媒から離脱させることが可能となる。これにより、排気浄化触媒のNOx被毒が解消されるため、酸化能が上昇し、供給された燃料によってより効率的に排気浄化触媒の温度が上昇する。ここで、前記所定期間とは、排気浄化触媒のNOx被毒の解消のために十分な、排気の空燃比をリッチ状態の空燃比とする期間である。
尚、排気の空燃比をリッチ状態とするのは、排気浄化触媒への燃料供給を開始した後の何れかの時期でよいが、より酸化能が高い状態において排気浄化触媒による燃料の酸化を行うために、排気浄化触媒への燃料の供給を開始した直後に、排気の空燃比を所定期間リッチ状態とるのが好ましい。これにより、先ず排気浄化触媒のNOx被毒を解消し、排気浄化触媒の酸化能を回復させて、効率的な排気浄化触媒の昇温を行うことが可能となる。
ここで、先述した排気のNOx濃度に対する酸化能の特性を示す排気浄化触媒の具体的な構成には、少なくとも貴金属を含む触媒であればよい。そして、このような構成の排気浄化触媒を備える内燃機関の排気浄化システムにおいて、該排気浄化触媒の上流側の排気通路に、少なくとも貴金属とアルカリ金属から構成される上段排気浄化触媒を設ける。
上段排気浄化触媒は、その構成成分に貴金属とアルカリ金属を含むため、排気浄化触媒と同様に排気中の物質を酸化する酸化触媒として作用する。そして、更に、排気中のNOxを吸蔵し、排気に含まれる還元成分により吸蔵されたNOxを還元することで排気の浄化を行ういわゆる吸蔵還元型NOx触媒としても作用する。従って、排気のNOxが上段排気浄化触媒によってNOxが吸蔵されるため、更には、貴金属にNOxが吸着するため、下流側に位置する排気浄化触媒にはNOx濃度のより低い排気が到達する。その結果、排気浄化触媒の酸化能を高く維持することが可能となる。また、排気に含まれる燃料は、NOxが吸蔵され、更には貴金属がNOx被毒状態となり酸化能が低下している上段排気浄化触媒においては酸化されにくく、酸化能が高く維持されている下流側の排気浄化触媒によって酸化され、以て、排気浄化触媒の温度が上昇する。
排気のNOx濃度により、排気浄化触媒の有する酸化能をより確実に推定することで、排気浄化触媒の温度を目的とする温度により確実に到達せしめるとともに、供給される燃料の大気への放出を抑制することが可能となる。
ここで、本発明に係る内燃機関の排気浄化システムの実施の形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本発明が適用される内燃機関1の排気浄化システムの概略構成を示す図である。内燃機関1は、少なくとも1つの気筒2を有する圧縮着火内燃機関である。また、気筒2の燃焼室3内に直接、燃料を噴射する燃料噴射弁4を備えている。
次に、内燃機関1には吸気枝管5が接続されており、吸気枝管5の各枝管は、吸気ポート6を介して燃焼室3と接続されている。ここで、燃焼室3と吸気ポート6との連通は、吸気弁7の開閉によって行われる。また、吸気枝管5は吸気管8に接続されている。吸気管8には、該吸気管8内を流通する吸気の質量に対応した電気信号を出力するエアフローメータ9が取り付けられている。また、前記吸気管8における吸気枝管5の直上流に位置する部位には、該吸気管8内を流れる吸気の流量を調節する吸気絞り弁10が設けられている。この吸気絞り弁10には、ステップモータ等で構成されて該吸気絞り弁10を開閉駆動する吸気絞り用アクチュエータ11が取り付けられている。
一方、内燃機関1には排気枝管13が接続され、排気枝管13の各枝管が排気ポート14を介して燃焼室3と接続されている。ここで、燃焼室3と排気ポート14との連通は、排気弁15の開閉によって行われる。前記排気枝管13は更に排気管16と接続され、排気管16の途中には、内燃機関から排出される排気を浄化する排気浄化触媒17が設けられている。尚、排気浄化触媒17の特性については、後述する。また、排気枝管13から吸気枝管5に燃焼室3から排出された排気の一部を再循環させて燃焼室3に導入する再循環通路18が連通している。再循環通路18の途中には、再循環される排気(以下、「EGRガス」という)の冷却を行うEGRクーラ19と、EGRガスの流量を調整するEGR弁20が設けられている。更に、排気管16に、該排気管を流れる排気に燃料を添加する燃料添加弁12が設けられている。
ここで、燃料噴射弁4、燃料添加弁12、吸気絞り弁10およびEGR弁20は、電子制御ユニット(以下、ECU:Electronic Control Unitと称する)30からの制御信号によって開閉動作を行う。即ち、ECU30からの指令によって、燃料噴射弁4からの燃料の噴射時期および噴射量が制御され、以て内燃機関1の機関出力が制御される。同様に、燃料添加弁12から排気へ添加される燃料の量、添加時期、燃焼室3へ流入する吸気量、燃焼室3に導入されるEGRガス量等が制御される。
更に、アクセル開度センサ31がECU30と電気的に接続されており、ECU30はアクセル開度に応じた信号を受け取り、それより内燃機関1の機関負荷等を算出する。また、クランクポジションセンサ32がECU30と電気的に接続されており、ECU30は内燃機関1の出力軸の回転角に応じた信号を受け取り、内燃機関1の機関回転速度等を算出する。また、排気浄化触媒17の上流側の排気管16に、排気浄化触媒17に流入する排気の温度を検出する上流側排気温度センサ33が備えられ、ECU30と電気的に接続されている。そして、排気浄化触媒17の下流側の排気管16には、排気浄化触媒17から流出する排気の温度と空燃比を検出する下流側排気温度センサ34と排気空燃比センサ35が設けられ、それぞれECU30と電気的に接続されている。
ここで、上述の排気浄化触媒17は、少なくとも貴金属を構成成分とする触媒であって、該触媒がフィルタに担持されている。排気浄化触媒17は、その構成成分とする貴金属により、排気中の燃料や一酸化炭素等の酸化を行う酸化能を有する。また排気浄化触媒17が担持されたフィルタによって、排気中の粒子状物質が捕集されることで、粒子状物質の大気への放出が抑制される。
しかし、このような排気浄化触媒17の排気浄化機能が発揮されるためには、排気浄化触媒17の温度が活性温度以上となる必要がある。排気浄化触媒17の温度が活性温度より低い温度である場合、排気中の物質を効率的に酸化するのが困難となるため、排気浄化触媒17の温度を速やかに活性温度まで上昇させるとともに、活性温度に維持することが必要となる。また、排気浄化触媒17が担持されたフィルタに粒子状物質が捕集されるに従い排気管16内の圧力が増加し、燃焼室3における燃料の燃焼に影響を及ぼす。従って、所定期間ごとに排気浄化触媒17の温度を上昇させて、捕集された粒子状物質を酸化除去する必要がある。
そこで、排気浄化触媒17の有する酸化能を利用して、即ち、排気浄化触媒17に燃料を供給し、該酸化能によって燃料を酸化させることで発生する酸化熱によって、排気浄化触媒17の温度の上昇または維持を図る。
ここで、排気浄化触媒17の有する酸化能の特性について、図2に基づいて説明する。図2は、排気浄化触媒17の温度に対する排気浄化触媒17の有する酸化能の推移を、排気浄化触媒17に流入する排気のNOx濃度別に示すグラフである。グラフの横軸は、排気浄化触媒17の温度を示し、グラフの縦軸は、排気浄化触媒17の酸化能を表すHC酸化率を示す。HC酸化率とは、排気浄化触媒17に供給された燃料(HC)の量に対する排気浄化触媒17によって酸化された燃料の量で表される。
図2において、線L1、L2、L3で表されるHC酸化率推移を示す排気浄化触媒17に流入する、それぞれの排気のNOx濃度De1、De2、De3の関係は、De1<De2<De3である。従って、排気浄化触媒17の温度を同一としたとき、排気浄化触媒17に流入する排気のNOx濃度が高くなるに従い、排気浄化触媒17のHC酸化率、即ち酸化能は低下する。これは、排気中のNOx、特にNOが、排気浄化触媒17を構成する貴金属の表面に吸着し貴金属の表面積を減少させて、貴金属による酸化効果を低下させ
ることが、即ち、排気浄化触媒17がNOx被毒状態となることが、排気浄化触媒17の酸化能であるHC酸化率を低下させる要因の一つと考え得る。そして、排気のNOx濃度が高くなるほど貴金属へのNOxの吸着が顕著となり、排気浄化触媒17の酸化能の低下が大きくなると想定される。
また、図2に示すように、排気浄化触媒17の温度が上昇するに従い、排気浄化触媒17の酸化能は上昇するが、排気浄化触媒17に流入する排気のNOx濃度によって、その酸化能の上昇の程度は異なる。即ち、排気浄化触媒17に流入する排気のNOx濃度が高くなるに従い、排気浄化触媒17の温度上昇にともなう酸化能の上昇率が小さくなる。
その結果、排気浄化触媒17が活性状態であると判断するための排気浄化触媒17の温度が、排気浄化触媒17に流入する排気のNOx濃度によって変動することになる。例えば、排気浄化触媒17の活性状態を排気浄化触媒17のHC酸化率がX(%)以上の酸化能が得られる状態と仮定すると、線L3におけるNOx濃度の排気が排気浄化触媒17に流入するときは、排気浄化触媒17の温度がTst3まで昇温する必要がある。また、線L2、L1におけるNOx濃度の排気が排気浄化触媒17に流入するときは、排気浄化触媒17の温度がそれぞれTst2(<Tst3)、Tst1(<Tst2)まで昇温すればよいこととなる。
従って、図2に示すように、排気浄化触媒17の酸化能は、排気浄化触媒17に流入する排気のNOx濃度によって変動するため、排気のNOx濃度によっては、供給された燃料が効率的に酸化されるとは限らない。そして、排気のNOx濃度によって、排気浄化触媒17の温度上昇の程度も異なる。よって、排気浄化触媒17の温度を目的の温度まで上昇させることが困難となったり、または供給された燃料が酸化されずに、大気へ放出されたりする虞がある。そこで、上述した排気浄化触媒17の酸化能の特性を踏まえ、排気浄化触媒17に燃料を供給することで排気浄化触媒の温度を上昇させる場合に、排気浄化触媒17の温度を目的の温度まで上昇させるとともに、大気への燃料の放出をより確実に回避するための燃料供給制御について、以下に説明する。
図3は、排気浄化触媒17の温度を目的の温度まで上昇させるとともに、大気への燃料の放出をより確実に回避するための排気浄化触媒17への燃料供給制御(排気浄化触媒昇温制御)のフローチャートである。尚、該制御は、ECU30によって実行される。
先ず、S101では、排気浄化触媒17に流入する排気のNOx濃度Deを、内燃機関1の運転状態から推定する。例えば、吸気絞り弁10の開度やEGR弁20の開度および燃料噴射弁4からの燃料噴射量から求められる、燃焼室3内の燃焼に供された空気量と燃料量の割合等から、排出される排気のNOx濃度Deを推定する。その際、吸気絞り弁10の開度等をパラメータとし、出力を排気のNOx濃度DeとするマップをECU30内のメモリに格納しておき、該メモリにアクセスすることで排気のNOx濃度Deを推定する。S101の処理が終了すると、S102へ進む。
S102では、S101で推定した排気のNOx濃度Deに基づいて、排気浄化触媒17への燃料供給を開始する排気浄化触媒17の温度Tstを算出する。図2に示したように、排気浄化触媒17の温度上昇に伴う酸化能の上昇の程度は、排気浄化触媒17に流入する排気のNOx濃度によって変動する。そこで、排気浄化触媒17の酸化能が、供給される燃料を効率的に酸化し得る程度に上昇している時期に、排気浄化触媒17に燃料供給を開始する基準となる排気浄化触媒17の温度Tstを算出する。従って、例えば、排気のNOx濃度に基づいて、図2におけるTst1、Tst2もしくはTst3をTstとして算出する。S102の処理が終了すると、S103へ進む。
S103では、上流側排気温度センサ33から検出される排気浄化触媒17に流入する排気温度より、排気浄化触媒17の温度を推定し、該推定された排気浄化触媒17の温度がS102で算出されたTstより大きいか否かが判定される。即ち、排気浄化触媒17への燃料供給を開始することで排気浄化触媒17の昇温を行うことが可能か否かを判断する。S103において、該排気温度がTstより大きいと判断されると、排気浄化触媒17の温度は、供給される燃料を効率的に酸化し得る程度に上昇していることを意味し、S105へ進み、以降、排気浄化触媒17への燃料供給が開始される。また、S103において、該排気温度がTst以下であると判断されると、排気浄化触媒17の温度は、供給される燃料を効率的に酸化し得る程度に上昇していないことを意味し、排気浄化触媒17への燃料供給は行われず、S104へ進む。
S103よりS104へ進む場合、S104では、排気浄化触媒17に流入する排気自体の温度を上昇させることで、排気浄化触媒17の温度上昇を図る。例えば、燃料噴射弁4からの圧縮上死点近傍の時期での燃料噴射を遅角することで、排気温度を上昇させる。S104の処理が終了すると、再びS101以降の処理が行われる。
S103よりS105へ進む場合、S105では、先述したS101と同様に、排気浄化触媒17に流入する排気のNOx濃度Deを、内燃機関1の運転状態から推定する。S105の処理が終了すると、S106へ進む。
S106では、S105で推定した排気のNOx濃度Deに基づいて、排気浄化触媒17の酸化能を推定する。即ち、図2中の線L1、L2、L3等で示される排気のNOx濃度に対する酸化能の特性と、排気のNOx濃度Deに基づいて、現時点における排気浄化触媒17の酸化能を推定する。従って、排気のNOx濃度Deが高くなるに従い、排気浄化触媒の酸化能は低く推定される。S106の処理が終了すると、S107へ進む。
S107では、S106で推定した排気浄化触媒17の酸化能に応じた量の燃料を排気浄化触媒17に供給すべく、内燃機関1の燃焼条件が調整や、燃料添加弁12による排気への燃料添加が行われる。即ち、排気浄化触媒17の酸化能が高いほど、多量の燃料を酸化することが可能であるため、排気浄化触媒17へ供給される燃料の量が増量される。尚、内燃機関の1の燃焼条件の調整とは、例えば、内燃機関1の機関出力に大きく寄与する燃料噴射弁4から圧縮行程上死点近傍における燃料噴射の後の膨張行程もしくは排気行程において、燃料噴射弁4から燃焼室3内に燃料を噴射する(以下、該燃料噴射を「後噴射」という)。後噴射によって噴射された燃料は、燃焼室3内の高温の燃焼ガスに曝されるため、分子量が比較的小さい燃料が排気浄化触媒17に供給される。一方で、燃料添加弁12より排気へ添加された燃料は、該燃焼ガスより温度の低い排気に曝されるのみであるため、添加された燃料の分子量は比較的大きくなる。S107の処理が終了すると、S108に進む。
S108では、上流側排気温度センサ33から検出される排気浄化触媒17に流入する排気温度より、排気浄化触媒17の温度を推定し、該推定された排気浄化触媒17の温度が目的の温度より大きいか否かが判定される。S108において、該排気温度が目的の温度より大きいと判断されると、本制御を終了する。また、S108において、該排気温度が目的の温度以下であると判断されると、再びS105以降の処理が行われる。
本制御によると、排気浄化触媒17の温度を上昇するために燃料を排気浄化触媒17に供給するに際して、その燃料供給開始時期が排気浄化触媒17に流入する排気のNOx濃度に基づいて決定される。そして、燃料の供給時においても、該排気のNOx濃度に基づいて、排気浄化触媒17の有する酸化能に対応した量の燃料が排気浄化触媒17に供給される。これにより、排気浄化触媒17の温度をより確実に目的の温度に上昇せしめるとと
もに、排気浄化触媒17の酸化能に応じて適切な量の燃料が供給されることで、供給された燃料が効率的に酸化され、以て、燃料が大気へ放出されるのをより確実に抑制することが可能となる。
尚、本制御においては、排気浄化触媒17に供給される燃料の量を、排気浄化触媒17に流入する排気のNOx濃度に基づいて推定された、排気浄化触媒17の有する酸化能に応じて増減させるが、該排気のNOx濃度が所定のNOx濃度以上となったときは、排気浄化触媒17への燃料の供給自体を中断するようにしてもよい。即ち、該排気のNOx濃度が上昇するとことで排気浄化触媒17の酸化能は著しく低下する場合、燃料の供給自体を中断することで、大気への燃料の放出をより確実に抑制する。尚、燃料供給の中断の基準となる所定のNOx濃度は、排気浄化触媒17の排気のNOx濃度に対する酸化能の特性に基づいて、決定すればよい。
また、図1に示す内燃機関1の排気浄化システムにおいては、排気浄化を行う触媒は、排気管16に一つの排気浄化触媒17が置かれている。そこで、更に、排気浄化触媒17の上流側の排気管16に、排気浄化触媒17に対して直列となるように、少なくとも貴金属とアルカリ金属を構成成分とする触媒である上段排気浄化触媒を設ける。
上段排気浄化触媒は、その構成成分にアルカリ金属を含むため、排気中のNOxを吸蔵し、排気に含まれる還元成分により吸蔵されたNOxを還元することで排気の浄化を行う、いわゆる吸蔵還元型NOx触媒としての作用を有する。従って、排気のNOx濃度が高い場合であっても、上流側に設けられた上段排気浄化触媒によってNOxが吸蔵され、もしくは吸蔵されたNOxが還元されるため、または上段排気浄化触媒の構成成分の貴金属表面にNOxが吸着することで、下流側に位置する排気浄化触媒17にはNOx濃度の比較的低い排気が到達する。その結果、下流側の排気浄化触媒17の酸化能を高く維持することが可能となる。また、排気に含まれる燃料は、NOxが吸蔵・吸着し酸化能が低下している上段排気浄化触媒においては酸化されにくく、酸化能が高く維持されている排気浄化触媒17によって酸化される。以て排気浄化触媒17の温度が効率的に上昇するとともに、燃料が大気へ放出されるのが抑制され得る。
次に、図1に示す内燃機関1および内燃機関1の排気浄化システムにおける、排気浄化触媒17の昇温制御の第二の実施の形態を、図4に基づいて説明する。図4は、排気浄化触媒昇温制御のフローチャートである。尚、該制御は、ECU30によって実行される。
先ず、S201では、排気浄化触媒17への燃料の供給を開始する。図3中のS107に示すように内燃機関1の燃焼条件を調整することで、または燃料添加弁12より排気に燃料を添加することで、更にはこれらを同時に行うことで、排気浄化触媒17への燃料供給が行われる。S201の処理が終了すると、S202へ進む。
S202では、タイマTrが始動される。S202の処理が終了すると、S203へ進む。
S203では、排気浄化触媒17に流入する排気の空燃比をリッチ状態の空燃比とする。排気の空燃比の制御については、排気空燃比センサ35から得られる空燃比信号に基づいて、燃料添加弁12からの排気への燃料の添加量を制御することで行われる。S203の処理が終了すると、S204へ進む。
S204では、タイマTrの値が所定の時間T0より大きいか否かが判断される。タイマTrの値が所定の時間T0より大きいと判断されるとS205へ進み、タイマTrの値
が所定の時間T0以下であると判断されるとS203以降の処理が再度行われる。
S205では、先述した図3中のS101と同様に、排気浄化触媒17に流入する排気のNOx濃度Deを、内燃機関1の運転状態から推定する。S205の処理が終了すると、S206へ進む。
S206では、S205で推定した排気のNOx濃度Deが、所定のNOx濃度De0より大きいか否かを判断する。ここで、所定のNOx濃度De0とは、排気浄化触媒17の酸化能の低下の程度を判断するための閾値である。即ち、排気のNOx濃度DeがDe0より大きい場合は、排気浄化触媒17の酸化能が低下し、供給された燃料を効率的に酸化することが困難であることを意味する。所定のNOx濃度De0は、S201で供給された燃料の量に応じて変動させてもよく、また、排気浄化触媒17の酸化能が効率的である値に固定してもよい。S206において、排気のNOx濃度Deが所定のNOx濃度De0より大きいと判断されると、S207へ進む。一方で、S206において、排気のNOx濃度Deが所定のNOx濃度De0以下であると判断されると、S208へ進む。
S207では、S201において供給された燃料の量に基づいて、排気浄化触媒17に流入する排気のNOx濃度を、供給された燃料の酸化に必要な排気浄化触媒17の酸化能が発揮されるNOx濃度とすべく、EGR弁20の開度が調整される。即ち、燃料の供給量が多くなるほど、排気浄化触媒17の酸化能が必要とされるため、排気のNOx濃度を低減すべくEGR弁の開度を大きくする。S207の処理が終了すると、S208へ進む。
S208では、上流側排気温度センサ33から検出される排気浄化触媒17に流入する排気温度より、排気浄化触媒17の温度を推定し、該推定された排気浄化触媒17の温度が目的の温度より大きいか否かが判定される。S208において、該排気温度が目的の温度より大きいと判断されると、本制御を終了する。また、S208において、該排気温度が目的の温度以下であると判断されると、再びS205以降の処理が行われる。
本制御によると、排気浄化触媒17の昇温制御において、先ず排気浄化触媒17に流入する排気の空燃比がリッチ状態となることで、排気浄化触媒17のNOx被毒が解消される。これによって、排気浄化触媒17の酸化能が上昇し、供給される燃料の酸化がより効率的に行われる。そこで、上述のS204で示した時間T0は、排気浄化触媒17のNOx被毒を解消するために十分な時間であることが好ましい。尚、排気浄化触媒17のNOx被毒をより効率的に解消するために、同時に、還元剤としての水素や一酸化炭素を排気浄化触媒17に供給するようにしてもよい。そして、その後、排気のNOx濃度をEGR弁20によって調整することで、排気浄化触媒17の酸化能が高い状態において燃料の供給がなされる。その結果、排気浄化触媒17の温度が目的の温度まで上昇し、更に過剰な燃料供給による燃料の大気への放出の抑制および燃費の悪化を抑制することが可能となる。
尚、EGR弁20の開度調整を行うと燃焼室3内の燃料の燃焼条件が変動するため、内燃機関1の運転状態によっては、機関出力が変動したり、燃料の燃焼が不安定となったりする虞がある。しかし、本制御においては、S206において、排気のNOx濃度Deが所定のNOx濃度De0以下である場合には、EGR弁20の開度調整は行われないため、内燃機関1の機関出力や燃焼の安定性が変動するのを可及的に回避することが可能となる。更には、EGR弁20の開度を調整することで、内燃機関1の機関出力や燃焼の安定性に変動が生じる場合には、本制御は行わないようにしてもよい。
また、本制御のS207においては、EGR弁20の開度を調整することで排気浄化触
媒17へ流入する排気のNOx濃度を調整するが、EGR弁20に代えて吸気絞り弁10の開度を調整することで排気のNOx濃度を調整するようにしてもよい。
次に、図1に示す内燃機関1および内燃機関1の排気浄化システムにおける、排気浄化触媒17の昇温制御の第三の実施の形態について説明する。先述までの実施の形態においては、排気浄化触媒17の酸化能に基づいて、排気浄化触媒17への燃料供給や排気浄化触媒17に流入する排気のNOx濃度が制御される。
そこで、本実施の形態においては、更に、排気浄化触媒17の触媒劣化を考慮して、排気浄化触媒17への燃料供給や排気のNOx濃度が制御される。先ず、上流側排気温度センサ33および下流側排気温度センサ34によって検出される排気温度より排気浄化触媒17の触媒劣化の程度を推定する。例えば、燃料添加弁12より排気への燃料添加量がQのとき、本来、排気浄化触媒17によって排気の温度がΔT1上昇する場合に、上流側排気温度センサ33および下流側排気温度センサ34によって検出される排気温度差がΔT2(ΔT2<ΔT1)とすると、排気浄化触媒17の触媒機能は、ΔT1−ΔT2に相当する分だけ劣化していると考えられる。排気浄化触媒17の触媒機能が劣化すると、その酸化能は低下する。
そこで、排気浄化触媒17の温度上昇の低下分ΔT1−ΔT2に基づいて、先述までの実施の形態における、排気浄化触媒17の酸化能または該酸化能に関連したパラメータを補正する。例えば、排気浄化触媒17が触媒劣化している場合には、その酸化能が低下しているため、酸化能に応じた燃料の供給量を減量する補正を行う。即ち、排気浄化触媒17の温度上昇の低下分ΔT2−ΔT1が大きくなるに従い、排気浄化触媒17の酸化能に応じた燃料の供給量をより減量させる。
また、排気浄化触媒17が触媒劣化している場合には、排気浄化触媒17への燃料供給を開始する排気浄化触媒17の温度である燃料供給開始温度Tstの値を、その触媒劣化の程度が大きくなるに従い、高くするようにしてもよい。更に、排気浄化触媒17に流入する排気のNOx濃度を調整することで、排気浄化触媒17の酸化能を制御する場合には、排気浄化触媒17の触媒劣化の程度が大きくなるに従い、より排気のNOx濃度を低下させるべく、EGR弁20の開度をより大きくしてもよい。
このような、排気浄化触媒17の酸化能の補正を行うことで、より適正な排気浄化触媒17への燃料供給や排気のNOx濃度制御が可能となり、以て、排気浄化触媒17の温度をより確実に目的の温度に上昇するとともに、燃料が大気へ放出されるのをより確実に抑制することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る内燃機関の排気浄化システムおよび該排気浄化システムの制御系統の概略構成を表すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関の排気浄化システムにおける排気浄化触媒の、該排気浄化触媒の温度に対する該排気浄化触媒の酸化能の推移を、該排気浄化触媒に流入する排気のNOx濃度毎に示すグラフである。 本発明の実施の形態に係る内燃機関の排気浄化システムにおいて、排気浄化触媒の昇温制御を行うための第一の制御フローチャートである。 本発明の実施の形態に係る内燃機関の排気浄化システムにおいて、排気浄化触媒の昇温制御を行うための第二の制御フローチャートである。
符号の説明
1・・・・内燃機関
3・・・・燃焼室
4・・・・燃料噴射弁
10・・・・吸気絞り弁
12・・・・燃料添加弁
17・・・・排気浄化触媒
20・・・・EGR弁
21・・・・排気浄化触媒
30・・・・ECU
31・・・・アクセル開度センサ
32・・・・クランクポジションセンサ
33・・・・上流側排気温度センサ
34・・・・下流側排気温度センサ
35・・・・排気空燃比センサ

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられて該排気通路を流れる排気に含まれる物質を酸化する酸化能を有する触媒であって、該排気のNOx濃度が高くなるに従い該触媒の酸化能が低下する特性を示す排気浄化触媒と、
    前記排気浄化触媒に流入する排気のNOx濃度を検出または推定するNOx濃度取得手段と、
    前記排気浄化触媒に燃料を供給する燃料供給手段と、
    前記NOx濃度取得手段によって検出または推定される排気のNOx濃度に基づいて前記排気浄化触媒の酸化能を推定し、該推定された酸化能に基づいて前記燃料供給手段による該排気浄化触媒への燃料の供給を制御する燃料供給制御手段と、
    を備える内燃機関の排気浄化システム。
  2. 前記燃料供給制御手段は、前記NOx濃度取得手段によって検出または推定される排気のNOx濃度が高くなる程、前記燃料供給手段による前記排気浄化触媒への燃料の供給量を減量することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  3. 前記燃料供給制御手段は、前記NOx濃度取得手段によって検出または推定される排気のNOx濃度が所定のNOx濃度を超えるとき、前記燃料供給手段による前記排気浄化触媒への燃料の供給を禁止することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  4. 前記燃料供給制御手段は、前記排気浄化触媒の温度に基づいて該排気浄化触媒への燃料供給を制御し、前記NOx濃度取得手段によって検出または推定される排気のNOx濃度に基づいて前記燃料供給手段による該排気浄化触媒への燃料供給を開始する前記排気浄化触媒の温度を決定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システム。
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