JP3661461B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気通路に設けられた触媒の温度をフィードバック制御する機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、内燃機関では、燃焼室に吸気通路を通して空気が供給されると共に燃料が噴射され、この燃焼室内で圧縮されて爆発した後、排気ガスが排気通路を通して排出されるが、この排気通路には、排気ガス中の有害成分を浄化するための触媒が設けられている。この触媒は、低温時には不活性状態にあるために浄化能力が低い。そのため、例えば、内燃機関の冷態始動時には排気ガスを十分に浄化できないため、早期に触媒温度を所定温度まで昇温させて触媒を活性状態とすることが望まれている。また、触媒には浄化効率の高い温度域が存在するため、上述のように、触媒を不活性状態から所定温度まで昇温させた後も、この所定温度に維持することが好ましい。例えば、特開平5−156931号公報にあっては、触媒の下流側の排気通路に介装された絞り弁の開度を開閉制御することで、触媒温度を所定温度に維持するようにしている。
【0003】
また、近年、内燃機関をリーン空燃比で運転して燃費の向上を図るようにした希薄燃焼内燃機関が実用化されている。この希薄燃焼内燃機関では、リーン空燃比で運転すると、三元触媒がその浄化特性から排ガス中のNOx(窒素酸化物)を充分に浄化できないという問題があり、最近では、リーン空燃比で運転中に排ガス中のNOxを吸蔵し、ストイキオまたはリッチ空燃比で運転中に吸蔵されたNOxを放出還元する吸蔵型NOx触媒が採用されてきている。
【0004】
この吸蔵型NOx触媒は、内燃機関の酸素の過剰状態で排ガス中のNOxを硝酸塩(X−NO3 )として吸蔵し、吸蔵したNOxを一酸化炭素(CO)の過剰状態で放出して窒素(N2 )に還元させる特性(同時に炭酸塩X−CO3 が生成される)を有した触媒である。ところが、燃料中にはイオウ(S)成分が含まれており、このS成分は酸素と反応して硫黄酸化物(SOx)となり、このSOxがNOxの代わりに硫酸塩として硝酸塩の代わりに吸蔵型NOx触媒に吸蔵されてしまい、触媒の浄化効率が低下してしまうという問題がある。しかしながら、触媒に吸蔵されたSOxは、空燃比をリッチ状態にして触媒を高温状態にすることで除去(Sパージ)されることがわかっている。例えば、特開平7−217474号公報では、SOxの吸蔵量が許容量を越え、温度が所定温度よりも高いときには、空燃比を一時的にリッチにすると共に触媒を昇温させることでSOxを放出させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、最近では、触媒の浄化効率を高めるために触媒温度を目標とする所定温度に制御する必要があり、そのために排気通路において触媒の上流側に温度センサを設け、触媒近傍の温度をフィードバックすることが考えられている。
【0006】
ところで、特に、触媒が低温状態から所定温度まで昇温しようとした場合、高温の排気ガスが触媒の上流側から流入すると、この触媒前部(上流側)から後部(下流側)に向かって順次温度が上がり、触媒の温度勾配としては排気ガスの流れ方向に対して高温から低温という状態になると考えられる。しかし、実際には、触媒が不活性状態から排気ガスを流入して昇温させようとすると、触媒の後部の方から温度が上昇する場合がある。
【0007】
図3に触媒の温度変化を表す概略を示す。図3(a)に示すように、触媒101が排気通路102に設けられると共に、この触媒101の上流側に温度センサ103が設けられた排気浄化装置において、排気ガスが触媒101の上流側から流入して反応したときにこの触媒101を4つの領域a,b,c,dに分けてその温度変化を計測した。すると、図3(b)に示すグラフのように、時間の経過に伴って、まず、触媒101の領域dの温度が上昇し、続いて領域c,b,aの順に温度が上昇している。これは、触媒前部の一部がまず排気ガスからの熱を受けて昇温し、活性温度に達するとその反応熱が排気ガスの熱に変わり、それを下流側の触媒後部が活性温度に達して反応、昇温するものと考えられる。特に、リッチ化、筒内噴射型エンジンにおける膨張行程噴射等により触媒に未燃燃料成分(HC等の可燃物)が多量に供給されると、急激な反応、昇温により触媒前後の温度差が生じやすいが、この触媒の上流に近接フロント触媒等の可燃物反応手段を設けていても、フロント触媒が低温で十分に活性化していない場合には、可燃物がフロント触媒で十分に反応せずに触媒に到達してしまう。
【0008】
このような現象から、前述したように、温度センサ103が検出した触媒101の温度をフィードバック制御しようとすると、温度センサ103は排気ガスからの熱及び触媒101からの輻射熱による温度を検出するので、触媒101の前部の温度、つまり、相対的に低い部分の温度を検出することとなる。そのため、例えば、時間txにて触媒101の領域b,c,dでは所定温度Txに達しているが、領域a、即ち、温度センサ103が検出した温度が所定温度Txに達していないために触媒101の昇温が継続されることとなり、触媒101を過度に昇温させてしまい、触媒後部では過昇温となって熱劣化させてしまうという問題が生じる。
【0009】
本発明はこのような問題を解決するものであって、触媒の過昇温による熱劣化を防止しながら触媒を所定温度まで適正に昇温することができ、触媒昇温制御の高精度化を図った内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための本発明の内燃機関の排気浄化装置では、内燃機関の排気通路に排気ガス中の有害成分を浄化する触媒を設けると共に、この触媒の
上流側に触媒からの輻射熱及び排気ガスからの熱の温度を検出する温度検出手段を設け、触媒の昇温が要求されたときに昇温手段が触媒上流側の排気ガスを昇温させると共に、制御手段が温度検出手段の出力に基づいて触媒の温度が所定温度となるように昇温手段の作動をフィードバック制御するが、昇温手段による触媒昇温開始から所定期間だけは禁止手段が制御手段の作動を禁止している。
【0011】
従って、触媒の昇温開始から所定期間経過してから、昇温手段の作動のフィードバック制御が開始されることとなり、触媒の上流側の温度と下流側の温度との温度差が少なくなってからフィードバック制御が開始されるので、触媒の過昇温による熱劣化を防止できると共に、触媒を所定温度まで適正に昇温できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0013】
図1に本発明の一実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置の概略構成、図2に本実施形態の排気浄化装置によるSパージ制御のフローチャート、図3に触媒温度F/B制御のフローチャートを示す。
【0014】
本実施形態の内燃機関(以下、エンジンと称する。)は、例えば、燃料噴射モード(運転モード)を切換えることで、吸気行程での燃料噴射(吸気行程噴射モード)または圧縮行程での燃料噴射(圧縮行程噴射モード)を実施可能な筒内噴射型火花点火式直列4気筒ガソリンエンジンである。そして、この筒内噴射型のエンジン11は、容易にして理論空燃比(ストイキオ)での運転やリッチ空燃比での運転(リッチ空燃比運転)の他、リーン空燃比での運転(リーン空燃比運転)が実現可能となっており、特に圧縮行程噴射モードでは、超リーン空燃比での運転が可能となっている。
【0015】
本実施形態において、図1に示すように、エンジン11のシリンダヘッド12には、各気筒毎に点火プラグ13と共に電磁式の燃料噴射弁14が取付けられており、この燃料噴射弁14によって燃焼室15内に燃料を直接噴射可能となっている。この燃料噴射弁14には、図示しない燃料パイプを介して燃料タンク擁した燃料供給装置(燃料ポンプ)が接続されており、燃料タンク内の燃料が高燃圧で供給され、この燃料を燃料噴射弁14から燃焼室15内に向けて所望の燃圧で噴射する。この際、燃料噴射量は燃料ポンプの燃料吐出圧と燃料噴射弁14の開弁時間(燃料噴射時間)とから決定される。
【0016】
シリンダヘッド12には、各気筒毎に略直立方向に吸気ポートが形成されており、各吸気ポートと連通するようにして吸気マニホールド16の一端がそれぞれ接続されている。そして、吸気マニホールド16の他端にはドライブバイワイヤ(DBW)方式の電動スロットル弁17が接続されており、このスロットル弁17にはスロットル開度θthを検出するスロットルセンサ18が設けられている。また、シリンダヘッド12には、各気筒毎に略水平方向に排気ポートが形成されており、各排気ポートと連通するようにして排気マニホールド19の一端がそれぞれ接続されている。
【0017】
そして、エンジン11には、クランク角を検出するクランク角センサ20が設けられており、このクランク角センサ20はエンジン回転速度Neを検出可能となっている。なお、上述した筒内噴射型エンジン11は既に公知のものであり、その構成の詳細についてはここでは説明を省略する。
【0018】
また、エンジン11の排気マニホールド19には排気管(排気通路)21が接続されており、この排気管21にはエンジン11に近接した小型の三元触媒22(昇温手段)及び排気浄化触媒装置23を介して図示しないマフラーが接続されている。そして、この排気管21における三元触媒22と排気浄化触媒装置23との間の部分には、排気浄化触媒装置23の直上流、即ち、後述する吸蔵型NOx触媒25の直上流に位置して排気温度を検出する高温センサ(温度検出手段)24が設けられている。
【0019】
この排気浄化触媒装置23は、吸蔵型NOx触媒25と三元触媒26との2つの触媒を有して構成されており、三元触媒26の方が吸蔵型NOx触媒25よりも下流側に配設されている。なお、吸蔵型NOx触媒25が三元触媒の機能を有している場合には、この吸蔵型NOx触媒25だけであってもよい。この吸蔵型NOx触媒25は、酸化雰囲気においてNOxを一旦吸蔵させ、主としてCOの存在する還元雰囲気中においてNOxを放出してN2 (窒素)等に還元させる機能を持つものである。詳しくは、吸蔵型NOx触媒25は、貴金属として白金(Pt)、ロジウム(Rh)等を有した触媒として構成されており、吸蔵材としてはバリウム(Ba)等のアルカリ金属、アルカリ土類金属が採用されている。そして、吸蔵型NOx触媒25と三元触媒26との間にはNOx濃度を検出するNOxセンサ27が設けられている。
【0020】
更に、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を有するECU(電子コントロールユニット)28が設けられており、このECU28によりエンジン11を含めた本実施形態の排気浄化装置の総合的な制御が行われる。即ち、ECU28の入力側には、上述した高温センサ24やNOxセンサ27等の各種センサ類が接続されており、これらセンサ類からの検出情報が入力する。一方、ECU28の出力側には、点火コイルを介して上述した点火プラグ13や燃料噴射弁14等が接続されており、これら点火コイル、燃料噴射弁14等には、各種センサ類からの検出情報に基づき演算された燃料噴射量や点火時期等の最適値がそれぞれ出力される。これにより、燃料噴射弁14から適正量の燃料が適正なタイミングで噴射され、点火プラグ13によって適正なタイミングで点火が実施される。
【0021】
実際に、ECU28では、スロットルセンサ18からのスロットル開度情報θthとクランク角センサ20からのエンジン回転速度情報Neとに基づいてエンジン負荷に対応する目標筒内圧、即ち目標平均有効圧Peを求めるようにされており、更に、この目標平均有効圧Peとエンジン回転速度情報Neとに応じてマップ(図示せず)より燃料噴射モードを設定するようにされている。例えば、目標平均有効圧Peとエンジン回転速度Neとが共に小さいときには、燃料噴射モードは圧縮行程噴射モードとされて燃料が圧縮行程で噴射され、一方、目標平均有効圧Peが大きくなり、あるいはエンジン回転速度Neが大きくなると燃料噴射モードは吸気行程噴射モードとされ、燃料が吸気行程で噴射される。
【0022】
そして、目標平均有効圧Peとエンジン回転速度Neとから制御目標となる目標空燃比(目標A/F)が設定され、適正量の燃料噴射量がこの目標A/Fに基づいて決定される。また、高温センサ24により検出された排気温度情報からは触媒温度Tcat が推定される。詳しくは、高温センサ24と吸蔵型NOx触媒25とが多少なりとも離れて配置されていることに起因する誤差を補正するために、目標平均有効圧Peとエンジン回転速度情報Neとに応じて温度差マップが予め実験等により設定されており、触媒温度Tcat は、目標平均有効圧Peとエンジン回転速度情報Neとが決まると一義に推定されるようにされている。
【0023】
以下、このように構成された本実施形態の内燃機関の排気浄化装置の作用について説明する。
【0024】
排気浄化触媒装置23の吸蔵型NOx触媒25では、リーンモードにおける超リーン燃焼運転時のような酸素濃度過剰雰囲気で、排気中のNOxから硝酸塩が生成され、これによりNOxが吸蔵されて排気の浄化が行われる。一方、三元触媒26では、酸素濃度が低下した雰囲気で、吸蔵型NOx触媒25に吸蔵した硝酸塩と排気中のCOとが反応して炭酸塩が生成されると共にNOxが放出される。従って、吸蔵型NOx触媒25へのNOxの吸蔵が進むと、空燃比のリッチ化あるいは追加の燃料噴射を行うなどして酸素濃度を低下させて吸蔵型NOx触媒25からNOxを放出させて機能を維持する。
【0025】
ところで、燃料や潤滑油内に含まれるイオウ成分も排気中に存在し、吸蔵型NOx触媒25は、酸素濃度過剰雰囲気で、NOxの吸蔵とともにSOxも吸蔵する。つまり、イオウ成分は酸化されてSOxになり、このSOxの一部は吸蔵型NOx触媒25上でさらに元来NOx用の吸蔵剤と反応して硫酸塩となって吸蔵型NOx触媒25に吸蔵する。
【0026】
また、吸蔵型NOx触媒25は、酸素濃度が低下すると付着したSOxを放出する機能を有している。つまり、酸素濃度が低下した雰囲気では、吸蔵型NOx触媒25に吸蔵した硫酸塩の一部と排気中のCOとが反応して炭酸塩が生成されると共にてSOxが離脱される。しかし、硫酸塩は硝酸塩よりも塩としての安定度が高く、酸素濃度が低下した雰囲気になってもその一部しか分解されないため、吸蔵型NOx触媒25に残留する硫酸塩の量は時間とともに増加する。これにより、吸蔵型NOx触媒25のNOx吸蔵能力が時間と共に低下し、吸蔵型NOx触媒25としての性能が悪化することになる(S被毒)。
【0027】
このため、吸蔵型NOx触媒25に一定量以上のイオウ成分(SOx)が吸蔵されてNOx触媒25が劣化したと判定されたときには、触媒を昇温させ、且つ、空燃比を還元雰囲気にして吸蔵したSOxを放出するようにしている(Sパージ運転)。
【0028】
即ち、Sパージ制御において、図2に示すように、まず、ステップS11では、NOx触媒25がS(イオウ)劣化したか否か、即ち、この吸蔵型NOx触媒25に吸蔵されたSOxの量(被毒S量Qs)がSパージ開始基準値Aに達したか否かを判別する。ここに、被毒S量Qsは推定により求められる値であり、以下、被毒S量Qsの推定手法を簡単に説明する。
【0029】
被毒S量Qsは、基本的には燃料噴射積算量Qfに基づき設定されるものであり、燃料噴射制御ルーチン(図示せず)の実行周期毎に次式により演算される。
Qs=Qs(n−1)+ΔQf・K−Rs ・・・(1)
ここに、Qs(n−1)は被毒S量の前回値であり、ΔQfは実行周期当たりの燃料噴射積算量、Kは補正係数、Rsは実行周期当たりの再生S量を示している。
【0030】
つまり、現在の被毒S量Qsは、実行周期当たりの燃料噴射積算量ΔQfを補正係数Kで補正して積算すると共に、この積算値から実行周期当たりの再生S量Rsを減算することで求められる。この補正係数Kは、例えば、次式(2)に示すように、空燃比A/Fに応じたS被毒係数K1、燃料中のS含有量に応じたS被毒係数K2及び触媒温度Tcat に応じたS被毒係数K3の3つの補正係数の積からなっている。
K=K1・K2・K3 ・・・(2)
【0031】
また、実行周期当たりの再生S量Rsは次式(3)から演算される。
Rs=α・R1・R2・dT ・・・(3)
ここに、αは単位時間当たりの再生率(設定値)であり、dTは燃料噴射制御ルーチンの実行周期を示しており、R1及びR2はそれぞれ触媒温度Tcat に応じた再生能力係数及び空燃比A/Fに応じた再生能力係数を示している。
【0032】
そして、ステップS11にて、上記のようにして求めた被毒S量Qsが未だ開始基準値Aに達していないと判定される場合には、何もせずこのルーチンを抜ける。一方、ステップS11にて、被毒S量Qsが開始基準値Aに達したと判定される場合には、ステップS12に移行し、制御モードをSパージモードに切り換える。これにより吸蔵型NOx触媒25に吸蔵されたSOxの除去、即ち、Sパージが開始される。
【0033】
このSパージが開始されたら、ステップS13において、目標平均有効圧Peが所定値Pe1(Neに対するPeの主噴射モード選択マップ)よりも小さいか否かを判別する。そして、このステップS13にて、目標平均有効圧Peが所定値Pe1よりも小さいような場合、即ち、アイドル時や低速走行時のようにエンジン負荷、エンジン回転速度が小さい場合にはステップS14に移行する。
【0034】
このステップS14では、主噴射の燃料噴射モードを上述した通常の設定に拘わらず圧縮行程噴射モードとすると共に、膨張行程において副噴射を行うようにする。つまり、Sパージを行うときに圧縮行程噴射と膨張行程噴射とで2段噴射を行う。そして、目標A/F、つまり、主噴射と副噴射とを合わせた全体としての目標A/F、即ち、全体A/Fが所定のリッチ空燃比(Sパージに適した値、例えば、値12)に設定されると共に、前述した主噴射モード選択マップに基づき目標平均有効圧Peとエンジン回転速度Neに応じて主噴射の目標空燃比(メインA/F)が決定される。このとき、全体A/Fは所定のリッチ空燃比(例えば、値12)に保持されたまま、メインA/Fが設定されることになる。つまり、全体のA/Fが一定に維持され、還元雰囲気が良好に形成された状態のままに、主噴射量と副噴射量のそれぞれの燃料噴射比率が適正に決定される。
【0035】
通常、目標平均有効圧Peあるいはエンジン回転速度Neが小さければ、吸蔵型NOx触媒25は低温状態にあり、触媒温度Tcat は低く吸蔵型NOx触媒25の昇温は容易でないと判断できる。よって、この場合には、副噴射量を多くする一方、全体A/Fを、上述のように、所定のリッチ空燃比に保持しながら主噴射量を極力少なくするようにするのがよい。
【0036】
しかしながら、吸気行程噴射モードで実現可能な空燃比には上限値(例えば、値22)があり、この吸気行程噴射モードでは上限値より大きい空燃比では燃焼が成立しない。従って、メインA/Fが吸気行程噴射モード時の上限値より大きくなるような場合には、このように上限値よりも大きな空燃比で燃焼が成立する圧縮行程において主噴射を実施するようにするのである。
【0037】
また、エンジン負荷あるいはエンジン回転速度が小さいほど吸蔵型NOx触媒25の温度、即ち、触媒温度Tcat は低いとみなすことができる。従って、メインA/Fは、目標平均有効圧Peあるいはエンジン回転速度Neが小さいほどその値が大きく、よりリーン空燃比側の空燃比となるようにされている。つまり、触媒温度Tcat が低いほど主噴射量が少なく副噴射量が多くなるようにされている。
【0038】
更に、Sパージを行うときに圧縮行程噴射と膨張行程噴射とで2段噴射を行い、全体の目標A/Fを一定値に維持した状態で、メインA/F(主噴射量)とサブA/F(副噴射量)の比率を適正に決定しているが、このメインA/Fの変更に応じてスロットル弁17を作動してスロットル開度θthを調整し、吸入空気量を操作しており、これによってトルクがほぼ一定となるように制御している。つまり、メインA/Fがリッチ空燃比側に補正されたときには、スロットル弁17のスロットル開度θthを減少させる補正を行い、メインA/Fがリーン空燃比側に補正されたときには、そのままであればトルクが大きくなるのでスロットル弁17のスロットル開度θthを増大させる補正を行う。この場合、補正されたメインA/Fに対するスロットル開度θthの選択マップにより設定するとよい。
【0039】
ところで、このように2段噴射が行われて副噴射により燃料が膨張行程で噴射されると、この燃料の多くは燃焼しないまま、つまり未燃燃料成分(未燃HC等)として排気管21内に排出されて一部は排気管内で反応(燃焼)し、残りは三元触媒22に流入することになる。しかしながら、三元触媒22に流入した未燃燃料成分は、三元触媒22が活性化している場合にはこの三元触媒22内で触媒の作用により酸化反応(燃焼)を起こすことになる。つまり、副噴射によって供給された燃料は、大部分が吸蔵型NOx触媒25に到達する前に燃焼し、吸蔵型NOx触媒25に流入する排気を十分に昇温させることになる。これにより、触媒温度Tcat が低温であっても排気昇温されて吸蔵型NOx触媒25はSパージ可能な所定の高温触媒温度TcatH(例えば、650℃)まで迅速に加熱されることになり、Sパージが良好に実施可能とされる。
【0040】
一方、前述したステップS13にて、目標平均有効圧Peが所定値Pe1以上と判定された場合、即ち、中速走行時のようにエンジン負荷、エンジン回転速度が比較的大きい場合にはステップS15に移行する。
【0041】
このステップS15では、主噴射の燃料噴射モードを上述した通常の設定に拘わらず吸気行程噴射モードとすると共に、膨張行程において副噴射を行うようにする。つまり、Sパージを行うときに吸気行程噴射と膨張行程噴射とで2段噴射を行う。そして、前述と同様に、全体A/Fが所定のリッチ空燃比に設定されると共に、全体A/Fを所定のリッチ空燃比に保持したままに主噴射の目標空燃比(メインA/F)が決定され、主噴射量と副噴射量のそれぞれの燃料噴射比率が適正に決定される。
【0042】
通常、エンジン負荷、エンジン回転速度が比較的大きければ、吸蔵型NOx触媒25はある程度高温になるまで加熱されており、吸蔵型NOx触媒25を容易に昇温可能と判断できる。よって、この場合には、副噴射量を少なくする一方、全体A/Fを所定のリッチ空燃比に保持すべく主噴射量を多くするようにするのがよい。
【0043】
しかしながら、圧縮行程噴射モードで実現可能な空燃比には下限値(例えば、値24)があり、この圧縮行程噴射モードでは、上記の場合とは逆に下限値以下の空燃比では燃焼が成立しない。従って、主噴射の空燃比が下限値以下となるような場合には、このように下限値以下の空燃比で燃焼が成立する吸気行程において主噴射を実施するようにするのである。
【0044】
そして、この場合においても、上記同様、三元触媒22に流入した未燃燃料成分は、三元触媒22内で触媒の作用により酸化反応(燃焼)を起こすことになる。つまり、副噴射によって供給された燃料は、大部分が吸蔵型NOx触媒25に到達する前に燃焼し、吸蔵型NOx触媒25に流入する排気を十分に昇温させることになる。これにより、やはり全体のA/Fが一定に維持されて還元雰囲気が良好に形成された状態のまま、中速走行時において吸蔵型NOx触媒25がSパージ可能な所定の高温触媒温度TcatH(例えば、650℃)まで迅速に加熱されることになり、Sパージが良好に実施可能とされる。
【0045】
ところで、車両が高速走行してエンジン回転速度Neと目標平均有効圧Peとが大きい状態にあるような場合には、インジェクタドライバ等の制約もあって2段噴射が困難である一方、元来排気温度が比較的高く点火時期のリタードだけでも吸蔵型NOx触媒25をSパージ可能な所定の高温触媒温度TcatHまで加熱させることが可能と判断できる。よって、この場合にはステップS15の2段噴射に代えて主噴射のみを吸気行程で行い、点火時期のリタードによって昇温制御を行うようにする。なお、この場合においても、全体A/Fは所定のリッチ空燃比(例えば、値12)とされる。また、エンジン回転速度Neと目標平均有効圧Peとが極めて大きく、メインA/Fがリッチ空燃比であるような場合には、燃焼熱が極めて大きく昇温制御を実施しなくても排気温度がSパージ可能なほど高いと判断でき、この場合にはステップS15をスキップする。
【0046】
このようにステップS14,S15にて、2段噴射が実行され、三元触媒22での酸化反応によって吸蔵型NOx触媒25に流入する排気が十分に昇温させられると、ステップS16以降では、全体A/Fを所定のリッチ空燃比(例えば、値12)に保持した状態のまま、触媒温度Tcat に応じて触媒温度のフィードバック制御(制御手段)を行うが、運転状態に応じてこの触媒温度のフィードバック制御を禁止(禁止手段)するようにしている。
【0047】
まず、ステップS16では、ステップS12の実行によりSパージを開始してから所定時間t1(例えば、数十秒)が経過したか否かを判別し、所定時間t1が経過していればステップS17に進むが、所定時間t1が経過していなければステップS12に戻る。次に、ステップS17では、触媒温度Tcat が所定の触媒温度TcatMよりも高いか否かを判別し、所定の触媒温度TcatMよりも高ければステップS18に進むが、所定の触媒温度TcatM以下であれば、ステップS12に戻る。
【0048】
つまり、三元触媒22からの高温の排気を吸蔵型NOx触媒25の上流側から流入してこの吸蔵型NOx触媒25を昇温させる場合、特に触媒が活性温度近傍にあるときは吸蔵型NOx触媒25の前部の一部が活性温度に達すると、その反応熱が排気ガスに加わってその熱を下流の触媒後部が受け取ることとなり、触媒後部の方が温度が高くなり、更に、触媒前部より先に触媒後部の大部分が活性温度に達して反応するので、昇温開始当初は後部の方が前部よりも高温になる。更に、三元触媒22も活性温度近傍にあって十分に活性していない場合には、三元触媒22に流入した未燃燃料成分はこの触媒内であまり反応せずに吸蔵型NOx触媒25に達するので、反応が大きく始まっている触媒後部で更に急激に未燃燃料成分が反応することとなり、吸蔵型NOx触媒25の前後の温度差を助長する。すると、高温センサ24の検出値に基づいて推定される触媒温度Tcat と実際の触媒温度との大きな誤差が発生し、触媒温度のフィードバック制御の精度が低下してしまう。そのため、Sパージを開始してから所定時間t1が経過していないときや、触媒温度Tcat が所定の触媒温度TcatMよりも低いときには、触媒がまだ全体的には昇温しておらず、吸蔵型NOx触媒25の上流側と下流側の温度差が大きく、推定される触媒温度Tcat と実際の触媒温度との誤差が大きいと考えられるために触媒温度のフィードバック制御を禁止する。
【0049】
そして、Sパージを開始してから所定時間t1が経過し、且つ、触媒温度Tcat が所定の触媒温度TcatMよりも高くなると、ステップS18に移行して触媒温度のフィードバック制御を開始する。
【0050】
この触媒温度のフィードバック制御においては、触媒温度Tcat と所定の触媒温度TcatHとを比較し、主噴射モード選択マップに基づいて設定したメインA/Fを触媒温度Tcat の温度偏差積算ΣΔTcat に応じて補正する。更に、メインA/Fが上限値あるいは下限値に達した場合は、主噴射モード選択マップに基づいて設定した点火時期を触媒温度Tcat の温度偏差積算ΣΔTcat に応じて補正する。
【0051】
詳しくは、温度偏差積算ΣΔTcat は次式(4)から算出される。
ΣΔTcat =ΣΔTcat (n−1)+ΔTcat ・・・(4)
ここに、ΔTcat は温度偏差であり、所定の高温TcatH(例えば、650℃)と高温センサ24に基づいて推定された現在の触媒温度Tcat とに基づいて次式(5)から算出される。
ΔTcat =TcatH−Tcat ・・・(5)
【0052】
実際には、温度偏差積算ΣΔTcat とメインA/Fの補正値とが予め実験等により表1に示すようにマップ化されており、メインA/FはこのメインA/Fの補正値マップに基づいて補正される(積分補正)。
【0053】
【表1】
Figure 0003661461
【0054】
ここに、メインA/Fの補正値のうち正符号(+)はリーン側への補正を示し、負符号(−)はリッチ側への補正を示している。つまり、吸蔵型NOx触媒25が所定の高温TcatHを超えオーバシュートして加熱させられた場合には、温度偏差積算ΣΔTcat は負の値となり、この場合にはメインA/Fは負側、即ち、リッチ側に補正され、副噴射の燃料量が減量されて所定の高温TcatHに戻される。その後、アンダシュートして温度偏差積算ΣΔTcat が正の値となるような場合には、メインA/Fは正側、即ち、リーン側に補正され、副噴射の燃料量が増量されて触媒温度Tcat が再び所定の高温TcatHまで上昇させられる。
【0055】
ところで、このようにメインA/Fを補正していくと、触媒温度Tcat が所定の高温TcatHで安定し、つまり吸蔵型NOx触媒25が所定の高温TcatHに保持されることになるが、このように触媒温度Tcat が安定すると、その後は所定の高温TcatHを維持するだけの昇温制御を行えばよいことになる。つまり、メインA/Fを小さな値として主噴射量を増加させる一方、副噴射量を少なく絞るようにする。
【0056】
また、圧縮行程噴射モードで燃料噴射を行う場合には、構造上、燃焼が成立する空燃比には制約があり、メインA/Fが下限値(例えば、値24)、あるいは上限値(例えば、値50)になったときには、全体A/Fを所定のリッチ空燃比(例えば、値12)にすると共にメインA/F補正値も保持しながら、2段噴射に加えて点火時期補正も行って昇温制御を継続するようにする。一方、吸気行程噴射モードで燃料噴射を行う場合には、上述したように空燃比には上限値(例えば、値22)による制限があると同時に、所定の全体メインA/F(例えば、値12)が下限値となり、メインA/Fが上限値(例えば、値22)になったときには、全体A/Fを所定のリッチ空燃比(例えば、値12)に保持すると共に、メインA/F補正値も保持しながら、2段噴射に加えて点火時期補正も行って昇温制御を継続するようにする。
【0057】
この点火時期補正量は、温度偏差積算ΣΔTcat に応じて設定される。実際には、温度偏差積算ΣΔTcat と点火時期補正量とが予め実験等により表2に示すようにマップ化されており、点火時期は当該点火時期補正量マップに基づいて補正される(積分補正)。なお、通常の燃焼制御時には基準点火時期はトルクが大となるようできるだけアドバンス側に設定されているのであるが、点火時期補正を行う場合には点火時期をアドバンス側に補正する際の余裕を持たせるため、補正を行う際の基準点火時期はアドバンスとリタードとの中立位置に設定される。
【0058】
【表2】
Figure 0003661461
【0059】
ここに、点火時期補正量において正符号(+)はアドバンス側への補正を示し、負符号(−)はリタード側への補正を示している。つまり、上記同様に、吸蔵型NOx触媒25が所定の高温TcatHを超えオーバシュートして加熱させられた場合には、温度偏差積算ΣΔTcat は負の値となり、この場合には点火時期補正量は正側、即ち、アドバンス側に補正されて昇温効果が低減される。その後、アンダシュートして温度偏差積算ΣΔTcat が正の値となるような場合には、点火時期補正量は負側、即ち、リタード側に補正されて昇温効果が高められて触媒温度Tcat が再び所定の高温TcatHまで上昇させられる。
【0060】
これにより、吸蔵型NOx触媒25が所定の高温TcatHに安定的に保持され、Sパージが良好に継続されることになる。
【0061】
そして、図2に戻り、ステップS19では、吸蔵型NOx触媒25のSパージが終了したかどうかを判定する。即ち、吸蔵型NOx触媒25が再生されて被毒S量QsがSパージ終了基準値C(0または0近傍の値)以下になったかどうかを判定する。なお、このSパージが終了したかどうかの判定を、Sパージモードが開始されてからの経過時間に基づいて行ってもよい。この場合、経過時間を吸蔵型NOx触媒25が還元雰囲気中で所定の高温TcatHに保持されたときにSOxを十分に除去可能な時間として実験等により予め設定すればよい。
【0062】
このステップS19にて、吸蔵型NOx触媒25の被毒S量Qsが終了基準値Cよりも大きくてSパージが終了していないと判定された場合には、ステップS12に戻りSパージモードでの昇温制御を継続する。一方、ステップS19にて、吸蔵型NOx触媒25の被毒S量Qsが終了基準値C以下となってSパージが終了したと判定されたら、SOxが十分に除去されたとみなしてSパージ制御を終了すべくこのルーチンを抜ける。
【0063】
以上説明したように、本実施形態の内燃機関の排気浄化装置では、吸蔵型NOx触媒25に吸蔵された被毒S量Qsが開始基準値Aに達したと判定されると、2段噴射を実行して三元触媒22での酸化反応によってこの吸蔵型NOx触媒25に流入する排気を十分に昇温して吸蔵型NOx触媒25を昇温し、この吸蔵型NOx触媒25の昇温開始から所定期間t1が経過し且つ触媒温度Tcat が所定の触媒温度TcatMよりも高くなってから、高温センサ24の検出値に基づいて推定される触媒温度Tcat をECU28にフィードバックしてメインA/Fあるいは点火時期を補正することで、吸蔵型NOx触媒25を所定の高温TcatHに安定的に保持し、Sパージを良好に実行するようにしている。
【0064】
このように吸蔵型NOx触媒25の昇温開始から所定期間t1の間及び触媒温度Tcat が所定の触媒温度TcatMよりも低い間だけはECU28による温度フィードバックを禁止することで、昇温開始後、吸蔵型NOx触媒25が全体的に昇温されてこの吸蔵型NOx触媒25の上流側と下流側の温度差が少なくなってからフィードバック制御を開始させることができる。そのため、昇温開始時において発生する吸蔵型NOx触媒25の上流側と下流側での温度差から生じる推定触媒温度Tcat と実際の触媒温度との誤差が触媒温度フィードバック制御に悪影響を及ぼすことはなくなり、Sパージを実施する際に吸蔵型NOx触媒25を確実に所定温度TcatH(例えば、650℃)に保持しておくことができることになり、Sパージを確実に実施して吸蔵型NOx触媒25のNOx浄化効率を常に良好に維持することが可能とされると共に、吸蔵型NOx触媒25の熱劣化を確実に未然に防止できることができる。
【0065】
なお、上述した実施形態では、吸蔵型NOx触媒25の昇温開始から所定期間t1経過していなかったり、触媒温度Tcat が所定の触媒温度TcatMよりも低いときには、ECU28による温度フィードバックを禁止するように本発明の禁止手段を構成したが、温度フィードバックの禁止条件を所定期間t1と触媒温度TcatMのいずれか一方にしてもよい。また、禁止手段を、昇温開始前の吸蔵型NOx触媒25の温度が極低温(例えば、触媒活性温度200℃〜300℃以下)時には、温度フィードバック制御の以前に2段噴射の実行による吸蔵型NOx触媒25の昇温も実行しないように構成してもよい。これにより反応が急激に進むために吸蔵型NOx触媒25の下流側の温度が上両側の温度より高くなりやすい活性温度近傍の運転状態では、触媒昇温温度フィードバックを行わないようにすることができる。更に、Sパージを行うときに、吸蔵型NOx触媒25の温度が所定温度TcatH(例えば、650℃)に達するまでは、2段噴射時の全体A/Fを所定のリッチ空燃比にせずにリーン空燃比のままに保持するように構成してもよい。これにより吸蔵型NOx触媒25が全体的に活性化して昇温するまでの触媒低温時には、未燃燃焼成分(未燃HC等)の過剰な供給を抑制することができ、触媒の一部分(後部)での急激な反応、昇温を抑えて触媒の上流側と下流側で温度差が生じるのを防止することができる。
【0066】
また、上述した実施形態では、2段噴射により吸蔵型NOx触媒25を昇温させてSパージを実施する場合について説明したが、吸蔵型NOx触媒25の昇温の目的はSパージのためのみならず、冷態始動時における触媒活性のためであってもよく、且つ、触媒の種類も吸蔵型NOx触媒25に限らず、三元触媒などであってもよく、触媒温度をフィードバック制御するものであればすべて適用できる。また、吸蔵型NOx触媒25を昇温させるようなものであれば、昇温手段は空燃比のリッチ化と2段噴射や点火時期のリタードに限られず、三元触媒22の上流の排気管21内に直接燃料を噴射するようなものであってもよい。
【0067】
更に、上述の実施形態では、エンジン11を筒内噴射型火花点火式直列4気筒ガソリンエンジンとしたが、エンジン11は吸気管噴射型のリーンバーンエンジンであってもよい。また、本発明を三元触媒に適用する場合には、エンジンはリーン運転するものに限定されることはない。
【0068】
【発明の効果】
以上、実施形態において詳細に説明したように、本発明の内燃機関の排気浄化装置によれば、触媒の昇温が要求されたときに、昇温手段が排気ガスによって触媒を昇温すると共に制御手段が温度検出手段の出力に基づいて触媒の温度が所定温度となるように昇温手段の作動をフィードバック制御するが、昇温手段による触媒昇温開始から所定期間だけは禁止手段が制御手段の作動を禁止するようにしたので、触媒の昇温開始から所定期間経過してから、昇温手段の作動のフィードバック制御を開始することとなり、触媒の上流側の温度と下流側の温度差が少なくなってからフィードバック制御が開始されるので、触媒の過昇温による熱劣化を防止できる一方で、触媒を所定温度まで適正に昇温することができ、触媒昇温制御の高精度化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置の概略構成図である。
【図2】本実施形態の排気浄化装置によるSパージ制御のフローチャートである。
【図3】触媒の温度変化を表す概略図である。
【符号の説明】
11 エンジン(内燃機関)
13 点火プラグ
14 燃料噴射弁
15 燃焼室
17 スロットル弁
18 スロットルセンサ
20 クランク角センサ
21 排気管(排気通路)
22 三元触媒(昇温手段)
23 排気浄化触媒装置
24 高温センサ(温度検出手段)
25 吸蔵型NOx触媒
26 三元触媒
28 電子コントロールユニット,ECU(制御手段、禁止手段)

Claims (1)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられて排気ガス中の有害成分を浄化する触媒と、前記排気通路における該触媒の直上流に位置して設けられて該触媒からの輻射熱及び排気ガスからの熱による温度を検出する温度検出手段と、前記触媒の昇温が要求されたときに該触媒の上流側の排気ガスを昇温させる昇温手段と、前記温度検出手段の出力に基づいて前記触媒の温度が所定温度となるように前記昇温手段の作動をフィードバック制御する制御手段と、前記昇温手段による触媒昇温開始から所定期間だけ前記制御手段の作動を禁止する禁止手段とを具えたことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
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