JP4289185B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内線機関に設けられた排気系における空燃比を制御する装置に関し、特に、三元触媒コンバータを最適に機能させるように空燃比を制御する装置に関する。
一般的に内燃機関の排気系には、排気ガス中の有害成分を浄化するための触媒コンバータが設けられている。この触媒コンバータとして、三元触媒コンバータが広く使用されており、これは排気ガス中の有害三成分である一酸化炭素(CO)および未燃焼の炭化水素(HC)を酸化するとともに酸化窒素(NOx)を還元して、無害な二酸化炭素(CO2)、水蒸気(H2O)、および窒素(N2)に変換させるものである。
この三元触媒コンバータによる浄化特性は、燃焼室内に形成される混合気の空燃比に依存し、それが理論空燃比近傍である時に三元触媒コンバータは最も有効に機能する。これは、空燃比がリーンであり排気ガス中の酸素量が多いと、酸化作用が活発となるが還元作用が不活発となり、また空燃比がリッチであり排気ガス中の酸素量が少ないと、逆に還元作用が活発となるが酸化作用が不活発となり、前述の有害三成分を全て良好に浄化させることができないためである。したがって、三元触媒コンバータを有する内燃機関には、その排気通路に出力リニア型酸素センサが設けられ、それにより測定される酸素濃度を使用して燃焼室内の混合気を理論空燃比にフィードバック制御されている。
混合気空燃比が、一時的にリーン状態やリッチ状態になっても、三元触媒コンバータの排気ガスの浄化性能が低下させないように、三元触媒コンバータに酸素を貯蔵する能力(酸素ストレージ)を持たせることが一般的に知られている。これにより、空燃比がリーン状態の時に余分な酸素を貯蔵し、またリッチ状態の時に貯蔵された酸素を使用することにより、排気ガスの浄化性能を維持することができる。
すなわち、三元触媒コンバータは、空燃比がリーンのときに排気ガス中の過剰酸素を取込んで貯蔵する機能を有し、この機能によってNOxを還元させる。一方、空燃比がリッチになると排気ガス中の未燃焼のHC,COが三元触媒コンバータ内に貯蔵されている酸素を奪い、それによって未燃焼のHC,COを酸化させる。したがって、空燃比が理論空燃比からずれたときにNOxを還元させるためには三元触媒コンバータが酸素を貯蔵しえる状態になければならず(すなわち、三元触媒コンバータの酸素貯蔵量が最大酸素吸蔵量に対して余裕がなければならず)、一方、このとき未燃焼のHC,COを酸化させるためには三元触媒コンバータがある程度の酸素を貯蔵していなければならないことになる。
このように、空燃比が理論空燃比からリーン側にずれたときにNOxを還元でき、空燃比が理論空燃比に対してリッチ側にずれたときに未燃焼のHC,COを酸化できるようにするためには、三元触媒コンバータの酸素吸蔵量を最大酸素吸蔵量の半分程度に維持しておくことが好ましいとされている。このような三元触媒コンバータに関する技術が以下の公報に開示されている。
特開平10−184425号公報(特許文献1)は、三元触媒コンバータの貯蔵酸素脱離量が目標脱離量からずれたときに短時間のうちに戻すことができる内燃機関の空燃比制御装置を開示する。この内燃機関の空燃比制御装置は、三元触媒コンバータ上流の機関排気通路内に空燃比センサを配置した内燃機関において、吸入空気量と空燃比センサにより検出された空燃比とから三元触媒コンバータに貯蔵された酸素の脱離量を示す貯蔵酸素脱離量を算出する算出手段と、貯蔵酸素脱離量が目標脱離量からずれたときに貯蔵酸素脱離量を目標脱離量に戻すべく機関の空燃比を補正する補正手段と、貯蔵酸素脱離量が目標脱離量からずれたときの機関の空燃比の補正量を三元触媒コンバータに流入する排気ガス量が多いときには小さな値とし、排気ガス量が少ないときには大きな値とする補正量制御手段とを含む。
この内燃機関の空燃比制御装置によると、貯蔵酸素脱離量が目標脱離量からずれたときに貯蔵酸素脱離量が目標脱離量を大幅に越えることがないようにしつつ貯蔵酸素脱離量を目標脱離量に短時間のうちに戻すことができる。
特開平5−26073号公報(特許文献2)は、フューエルカットに起因して、触媒コンバータ内に酸素がストレージされた場合に生じる空燃比フィードバック制御への悪影響を可及的に緩和する内燃機関の空燃比制御方法を開示する。
この内燃機関の空燃比制御方法は、排気系の触媒コンバータ上流側に酸素センサを設けておき、この酸素センサからの信号に基づいて混合気の空燃比をフィードバック制御するステップと、フューエルカットが解除されたことを条件として、その空燃比フィードバック制御の制御定数を一時的にリッチ側にオフセットするステップとを含む。
この内燃機関の空燃比制御方法によると、フューエルカットが解除されると、空燃比フィードバック制御の制御定数が一時的にリッチ側にオフセットされる。その結果、空燃比フィードバック制御の制御中心がリッチ側にオフセットされることになり、空燃比がリッチになる。そのため、触媒コンバータ内にストレージされている酸素の消化を早めて、NOxの排出量が増加するのを効果的に抑制することが可能となる。制御中心のリッチ側へのオフセットは一時的に行なうものであるため、触媒コンバータ内の酸素が適切に消費された後も空燃比がリッチ側に保たれてHCやCOの排出量が増加するという不具合も生じない。すなわち、この空燃比制御方法によれば、定常運転時の制御中心を無理に要求値よりもリッチ側に設定しておく必要が無くなるので、前述した三成分の浄化率を良好なものにすることができる。
特開2001−234788号公報(特許文献3)は、触媒コンバータを装備したエンジンにおいて、酸素ストレージ量を触媒コンバータの劣化状態に応じて適切に制御するエンジンの排気浄化装置を開示する。このエンジンの排気浄化装置は、エンジン排気管に設けられた触媒コンバータと、触媒コンバータに流入する排気の特性を検出する第1の排気特性検出手段と、触媒コンバータから流出する排気の特性を検出する第2の排気特性検出手段と、検出された排気特性を用いて、触媒コンバータの酸素ストレージ量と最大酸素ストレージ量を演算する酸素ストレージ量演算手段と、演算された酸素ストレージ量に基づき、触媒コンバータの酸素ストレージ量が最大酸素ストレージ量に応じて定めた目標量となるようにエンジンの空燃比を制御する空燃比制御手段とを含む。
触媒コンバータの酸素ストレージ機能を有効利用するためには、たとえば空燃比の制御特性が理論空燃比を中心としてリーン側とリッチ側とに均しく偏りを生じうるものとすれば、目標酸素ストレージ量は触媒コンバータの最大酸素ストレージ量の1/2に設定して制御することが適当である。しかしながら、目標量を固定しておくと触媒コンバータの劣化による最大酸素ストレージ量の減少に伴い、実酸素ストレージ量は過剰側にずれてゆき、この結果として触媒コンバータ内がリーン傾向となってNOxの排出量が増大するおそれを生じる。このエンジンの排気浄化装置によると、触媒コンバータの最大酸素ストレージ量を演算し、その結果に基づいて酸素ストレージ量の目標量を設定するようにしたので、触媒コンバータの劣化により最大酸素ストレージ量が減少したとしても、常にこれに対応して適正な目標酸素ストレージ量を設定することができ、すなわち排気浄化性能を触媒コンバータの劣化状態にかかわらず最大限に発揮させることができる。
特開平10−184425号公報 特開平5−26073号公報 特開2001−234788号公報
内燃機関の排気系に設けられる触媒コンバータは、ある程度まで温度が上昇しないと排気ガスの浄化機能を発現しない。そのため、冷間時の排気エミッションを良好にするために内燃機関のエキゾーストマニホールドと一体化して三元触媒コンバータが形成されるとともに、たとえば成層燃焼時の希薄空燃比運転時のNOx浄化性能を向上させるために下流側にNOx吸蔵還元型の三元触媒コンバータが形成される。上流側の三元触媒コンバータは、内燃機関の直下流に配置することにより三元触媒コンバータの昇温を早めて内燃機関始動直後の排気エミッション性能の向上を図ることができる。このような2つの三元触媒コンバータは、基本的には同じ物が用いられており、上述したように、理論空燃比近傍の酸素濃度になるように制御されている。
しかしながら、上述した特許文献1および特許文献2においては、三元触媒コンバータが1つの場合におけるそれぞれの目的を達成するようにしたものにすぎない。すなわち、上流側の三元触媒コンバータのみに着目して良好な制御を実行することができても、そのときに下流側の三元触媒コンバータに流れる排気ガスの空燃比や下流側の三元触媒コンバータの酸素ストレージ量が制御されないので、2つの三元触媒コンバータをともに最適な状態になるように制御することができない。
特許文献3に開示されたエンジンの排気浄化装置においては、2つの三元触媒コンバータを直列に接続している。この特許文献3においては、フューエルカット後のリカバリー後の過渡的なリッチ空燃比制御により上流側の触媒コンバータの酸素ストレージ量がその最大量の1/2程度に維持され、安定した排気浄化性能を発揮するとともに、この間、下流側の触媒コンバータは、上流からの排気の空燃比が理論空燃比付近に安定していることからその酸素ストレージ量が大きな過不足を生じるようなことはないと記載されている。また、リカバリー後においては、上流側の触媒コンバータと下流側の触媒コンバータのそれぞれの最大酸素ストレージ量の和の1/2を目標酸素ストレージ量として設定して、空燃比制御が行ない、フューエルカットによるリーン雰囲気中で酸素ストレージ量過大となっていた各触媒コンバータの酸素ストレージ量が適正量に速やかに復帰して所望の排気浄化性能を回復すると記載されている。
しかしながら、下流側の三元触媒コンバータに流れる排気ガスに含まれる酸素濃度は、上流側の三元触媒コンバータの酸素ストレージ状態により異なる。すなわち、上流側の三元触媒コンバータの酸素ストレージ量が最大酸素ストレージ量を上回ると、下流側の三元触媒コンバータにリーン雰囲気の排気ガスが流れ始めて下流側の三元触媒コンバータの酸素ストレージに酸素を貯蔵し始める。したがって、特許文献3のように制御しただけでは、下流側の三元触媒コンバータの酸素ストレージ量を適切な量に制御することができない。
たとえば、上流側の三元触媒コンバータの前に第1の空燃比センサ、上流側の三元触媒コンバータの後(下流側の三元触媒コンバータの前)に第2の空燃比センサを設けて、まずリーン雰囲気の排気ガスを第1の三元触媒コンバータに流す。このような状態が続いて、上流側の三元触媒コンバータの酸素ストレージが最大量になると、第2の空燃比センサにより検知される酸素濃度が上昇するので、排気ガスの雰囲気をリーンからリッチに変更して、リッチな雰囲気の排気ガスを第1の三元触媒コンバータに流す。リッチな雰囲気の排気ガスに含まれる未燃焼のHCがストレージされた酸素により酸化され、第1の三元触媒コンバータの酸素ストレージ量が減少する。第1の三元触媒コンバータの酸素ストレージ量がなくなると酸化作用を発現できなくなり、第2の三元触媒コンバータにリッチ雰囲気の排気ガスがそのまま流れる。これにより、第2の空燃比センサにより検知される酸素濃度が下降するので、排気ガスの雰囲気をリッチからリーンに変更して、リーンな雰囲気の排気ガスを第1の三元触媒コンバータに流す。このときに、第1の三元触媒コンバータに酸素ストレージがないので、第2の三元触媒コンバータにストレージされた酸素を用いてリッチな雰囲気の排気ガスに含まれるHCがストレージされた酸素により酸化される。これにより第2の三元触媒コンバータの酸素ストレージ量が減少する。
このような状態が繰り返されると、第2の三元触媒コンバータの酸素ストレージ量はいずれなくなり、第1の三元触媒コンバータから第2の三元触媒コンバータにリッチな雰囲気の排気ガスが流れた時に、未燃焼のH,Cを浄化できなくなり、排気エミッションが悪化する。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、複数の触媒コンバータを有する内燃機関の排気系において、各触媒コンバータの機能を十分に発現させるように空燃比を制御する、内燃機関の空燃比制御装置を提供することである。
第1の発明に係る内燃機関の空燃比制御装置は、排気系に少なくとも2つの三元触媒が配設された内燃機関の空燃比制御装置である。この内燃機関の空燃比制御装置は、三元触媒における上流側の三元触媒の後の空燃比を検知するための検知手段と、検知された空燃比がリッチであると上流側の三元触媒へ導入されるガスの空燃比をリーン側になるように内燃機関を制御するとともに、検知された空燃比がリーンであると上流側の三元触媒へ導入されるガスの空燃比をリッチ側になるように内燃機関を制御するための制御手段とを含む。制御手段は、検知された空燃比がリーンであるとリッチ側になるように制御している期間において上流側の三元触媒から排出されたリッチガスと同量のリーンガスが上流側の三元触媒から下流側の三元触媒に流れた時に、上流側の三元触媒へ導入されるガスの空燃比をリッチ側になるように内燃機関を制御するための手段を含む。
第1の発明によると、制御手段は、検知手段により検知された上流側の三元触媒の後の空燃比がリーンであるとリッチ側になるように制御する。このようなリッチ側で制御が行なわれている期間において上流側の三元触媒から排出されたリッチガスを算出する。この算出されたリッチガスと同量のリーンガスが上流側の三元触媒から下流側の三元触媒に流れると、上流側の三元触媒へ導入されるガスの空燃比をリッチ側になるように内燃機関を制御する。これにより、リッチ側で制御が行なわれているときには、上流側の三元触媒における酸素ストレージにストレージされた酸素を用いて未燃焼のHCが酸化されて浄化される。上流側の三元触媒の酸素ストレージが零になると下流側の三元触媒にリッチガスが流れる。このとき、下流側の三元触媒にストレージされた酸素を用いて未燃焼のHCが酸化されて浄化される。この後、リーン側で制御が行なわれるが、このリッチガスの量と同じ量のリーンガスが流れるまでリーン側の制御が継続される。このため、上流側の三元触媒からあふれて下流側の三元触媒に流れた未浄化のリッチガスを浄化するために消費した酸素量と同じ量を下流側の三元触媒にストレージすることができる。すなわち、下流側の三元触媒の酸素ストレージ量を適切に保持することができる。その結果、複数の三元触媒を有する内燃機関の排気系において、各三元触媒の機能を十分に発現させるように空燃比を制御する、内燃機関の空燃比制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る内燃機関の空燃比制御装置は、排気系に少なくとも2つの三元触媒が配設された内燃機関の空燃比制御装置である。この内燃機関の空燃比制御装置は、三元触媒における上流側の三元触媒の後の空燃比を検知するための検知手段と、検知された空燃比がリッチであると上流側の三元触媒へ導入されるガスの空燃比をリーン側になるように内燃機関を制御するとともに、検知された空燃比がリーンであると上流側の三元触媒へ導入されるガスの空燃比をリッチ側になるように内燃機関を制御するための制御手段とを含む。制御手段は、フューエルカットによって三元触媒の酸素ストレージが最大となった時は、上流側の三元触媒へ導入されるガスのリッチからリーンへの切換え時間を遅らせるように内燃機関を制御するための手段を含む。
第2の発明によると、フューエルカットが実行されると極めてリーンなガスが上流側の三元触媒に導入される。このため、上流側の三元触媒および下流側の三元触媒の酸素ストレージが最大となる。通常であれば、空燃比センサが空燃比がリッチであると検知すると直ちにリーン側での制御に切り換える。これでは、下流側の酸素ストレージが最大のままになってしまい、未浄化のリーンガスが流れてきたときに(酸素をストレージできないので)還元作用を発現できない。しかしながら、本発明においては、リッチ側での制御を継続させてリッチガスを下流側の三元触媒により多く流して未燃焼のHCを酸化して酸素ストレージ量を中間程度まで減らしておく。これにより、酸素ストレージに空ができるので、未浄化のリーンガスが流れてきたときに還元作用を発現できる。その結果、複数の三元触媒を有する内燃機関の排気系において、各三元触媒の機能を十分に発現させるように空燃比を制御する、内燃機関の空燃比制御装置を提供することができる。
第3の発明に係る内燃機関の空燃比制御装置は、排気系に少なくとも2つの三元触媒が配設された内燃機関の空燃比制御装置である。この内燃機関の空燃比制御装置は、三元触媒における上流側の三元触媒の後の空燃比を検知するための検知手段と、検知された空燃比がリッチであると上流側の三元触媒へ導入されるガスの空燃比をリーン側になるように内燃機関を制御するとともに、検知された空燃比がリーンであると上流側の三元触媒へ導入されるガスの空燃比をリッチ側になるように内燃機関を制御するための制御手段と、三元触媒の劣化に伴う酸素ストレージ量の変化を考慮して、上流側の三元触媒の酸素ストレージ量に基づいて下流側の三元触媒の酸素ストレージ量を推定するための推定手段とを含む。制御手段は、推定された下流側の三元触媒の酸素ストレージ量に基づいて、上流側の三元触媒へ導入されるガスのリーンからリッチへの切換え時間を決定するように内燃機関を制御するための手段を含む。
第3の発明によると、三元触媒は経時的な変化に起因して酸素ストレージできる最大量が変化する。推定手段は、このような変化を考慮して、上流側の三元触媒がストレージできる酸素ストレージ量に基づいて、下流側の三元触媒がストレージできる酸素ストレージ量を推定する。この推定された下流側の三元触媒がストレージできる酸素ストレージ量に基づいて、たとえば半分のストレージ量になるように、上流側の三元触媒へ導入されるガスのリーンからリッチへの切換え時間を決定する。これにより、三元触媒の劣化を考慮して、上流側の三元触媒にストレージされる酸素量と下流側の三元触媒にストレージされる酸素量とが同じ程度になるように制御することができる。その結果、複数の三元触媒を有する内燃機関の排気系において、各三元触媒の機能を十分に発現させるように空燃比を制御する、内燃機関の空燃比制御装置を提供することができる。
第4の発明に係る内燃機関の空燃比制御装置においては、第3の発明の構成に加えて、制御手段は、上流側の三元触媒の酸素ストレージ量が、推定された下流側の三元触媒の酸素ストレージ量の半分になるように、上流側の三元触媒へ導入されるガスのリーンからリッチへの切換え時間を決定するように内燃機関を制御するための手段を含む。
第4の発明によると、制御手段は、この推定された下流側の三元触媒がストレージできる酸素ストレージ量の半分のストレージ量になるように、上流側の三元触媒へ導入されるガスのリーンからリッチへの切換え時間を決定する。三元触媒の劣化を考慮して、上流側の三元触媒にストレージされる酸素量と下流側の三元触媒にストレージされる酸素量とが同じ程度になるように制御することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
図1に示すように、本実施の形態に係る内燃機関の空燃比制御装置が搭載された車両は、エンジン150と、吸気系152と、排気系154と、ECU(Electronic Control Unit)100とを含む。
吸気系152は、吸気通路110と、エアクリーナ118と、吸気温センサ104と、スロットルモータ114と、スロットル弁112と、スロットルポジションセンサ116とを含む。
エアクリーナ118から吸気された空気は、吸気通路110を通り、エンジン150に流通する。吸気通路110の途中には、スロットル弁112が設けられる。スロットル弁112は、スロットルモータ114が作動することにより開閉される。このとき、スロットル弁112の開度は、スロットルポジションセンサ116により検知することが可能となる。エアクリーナ118とスロットル弁112との間における吸気通路には、吸気温センサ104が設けられており、吸気された空気の温度を検知する。吸気温センサ104は、検知した吸気温を、吸気温検知信号としてECU100に送信する。
エンジン150は、冷却水通路122と、シリンダブロック124と、インジェクタ126と、ピストン128と、クランクシャフト130と、水温センサ106とを含む。
シリンダブロック124の気筒数に対応した数のシリンダ内には、それぞれピストン128が設けられる。ピストン128上部の燃焼室において、インジェクタ126から噴射された燃料と吸気通路110を通って吸気された空気との混合気が点火プラグ(図示せず)の点火により燃焼する。燃焼が生じると、ピストン128が押し下げられる。このとき、ピストン128の上下運動は、クランク機構を介して、クランクシャフト130の回転運動に変換される。
シリンダブロック124内には、冷却水通路122が設けられており、ウォータポンプ(図示せず)の作動により、冷却水が循環する。この冷却水通路122内の冷却水は、冷却水通路122に接続されたラジエータ(図示せず)へと流通して冷却ファン(図示せず)により放熱される。冷却水通路122の通路上には水温センサ106が設けられており、冷却水通路122内の冷却水の温度を検知する。水温センサ106は、検知した水温を、水温検知信号としてECU100に送信する。
排気系154は、排気通路108と、第1の空燃比センサ102Aと、第2の空燃比センサ102Bと、第1の三元触媒コンバータ120Aと、第2の三元触媒コンバータ120Bとを含む。第1の三元触媒コンバータ120Aの上流側に第1の空燃比センサ102Aが設けられ、第1の三元触媒コンバータ120Aの下流側(第2の三元触媒コンバータ120Bの上流側)に第2の空燃比センサ102Bが設けられる。
エンジン150の排気側に接続された排気通路108は、第1の三元触媒コンバータ120Aおよび第2の三元触媒コンバータ120Bに接続される。すなわち、エンジン150において燃焼室内の混合気の燃焼により生じる排気ガスは、まず、第1の三元触媒コンバータ120Aに流入する。第1の三元触媒コンバータ120Aに流入した排気ガス中に含まれるHC、COは、第1の三元触媒コンバータ120Aにおいて酸化される。また、第1の三元触媒コンバータ120Aに流入した排気ガス中に含まれるNOxは、第1の三元触媒コンバータ120Aにおいて、還元される。この第1の三元触媒コンバータ120Aは、エンジン150の近くに設置され、エンジン150の冷間始動時においても速やかに昇温されて触媒機能を発現する。
さらに、排気ガスは、NOxの浄化を目的として、第1の三元触媒コンバータ120Aから第2の三元触媒コンバータ120Bに送られる。この第1の三元触媒コンバータ120Aと第2の三元触媒コンバータ120Bとは、基本的には同じ構造および機能を有するものである。
第1の三元触媒コンバータ120Aの上流側に設けられた第1の酸素センサ102A、第1の三元触媒コンバータ120Aの下流側であって第2の三元触媒コンバータ120Bの上流側に設けられた第2の酸素センサ102Bは、三元触媒コンバータ120Aまたは三元触媒コンバータ120Bを通過した排気ガス中に含まれる酸素の濃度を検知する。酸素の濃度を検知することにより、排気ガス中に含まれる燃料と空気との比、いわゆる空燃比を検知することができる。
第1の空燃比センサ102Aおよび第2の空燃比センサ102Bは、排気ガス中の酸素濃度に応じた電流を発生させる。この電流は、たとえば電圧に変換されてECU100に入力される。したがって、第1の空燃比センサ102Aの出力信号から第1の三元触媒コンバータ120Aの上流における排気ガスの空燃比を検知することができ、第2の空燃比センサ102Bの出力信号から第2の三元触媒コンバータ120Bの上流における排気ガスの空燃比を検知することができる。これらの第1の空燃比センサ102Aおよび第2の空燃比センサ102Bは、空燃比がリーンのときには、たとえば0.1V程度の電圧を発生し、空燃比がリッチのときには0.9V程度の電圧を発生するものである。これらの値に基づいて空燃比に換算した値と、空燃比のしきい値とを比較して、ECU100による空燃比制御が行なわれる。
第1の三元触媒コンバータ120Aおよび第2の三元触媒コンバータ120Bは、空燃比がほぼ理論空燃比のときにHC,COを酸化しつつNOxを還元する機能、すなわちHC,COおよびNOxを同時に浄化する機能を有する。上述したように、これらの第1の三元触媒コンバータ120Aおよび第2の三元触媒コンバータ120Bは、ともに酸素ストレージ機能、すなわち、その内部に酸素をストレージする機能を有し、この酸素ストレージ機能によって、たとえ空燃比が理論空燃比から乖離したしても第1の三元触媒コンバータ120Aおよび第2の三元触媒コンバータ120BによってHC,COおよびNOxを浄化することができる。この酸素のストレージ作用は、第1の三元触媒コンバータ120Aおよび第2の三元触媒コンバータ120B内に含まれるセリウムCeによって行なわれる。
セリウムCeは金属単体の状態であると不安定であり、酸素が結合するとセリアCeO2となって安定する。したがってセリウムCeの周囲に酸素が存在すれば、すなわち空燃比がリーンであれば直ちに酸素を奪ってセリアCeO2となる。一方、空燃比がリッチになると、すなわち排気ガス中に多量の未燃焼のHC,COが存在するとこれら未燃焼のHC,COはセリアCeO2から酸素を奪い、したがってセリアCeO2は再び不安定なセリウムCeとなる。この場合、セリウムCeが周囲から酸素を奪うのに要する時間は極めて短かく、すなわち酸素の吸着速度は極めて速く、これに対して未燃焼のHC,COがセリアCeO2から酸素を奪うのに要する時間は若干長いこと、すなわち酸素の脱離速度は吸着速度に比べて遅いことが判明している。
このように空燃比がリーンになると排気ガス中から酸素が奪われるので排気ガス中に含まれるNOxが還元せしめられ、空燃比がリッチになると排気ガスの未燃焼のHC,COがセリアCeO2から酸素を奪うので未燃焼のHC,COが酸化せしめられる。したがって空燃比が理論空燃比からずれたとしてもHC,COおよびNOxを浄化することができる。ただし、この場合、HC,COおよびNOxを浄化することができるのは、空燃比がリーンになったときに第1の三元触媒コンバータ120Aおよび第2の三元触媒コンバータ120Bが酸素をストレージしうる状態になければならず、空燃比がリッチになったときに第1の三元触媒コンバータ120Aおよび第2の三元触媒コンバータ120Bがある程度の酸素をストレージしていなければならないことになる。
第1の三元触媒コンバータ120Aおよび第2の三元触媒コンバータ120Bがストレージしうる酸素量には限度があり、第1の三元触媒コンバータ120Aおよび第2の三元触媒コンバータ120Bはストレージしうる酸素量以上の酸素はストレージすることができない。一方、空燃比が理論空燃比からずれた場合にリーン側にずれるかリッチ側にずれるかはわからず、したがってどちら側にずれても排気ガス中の有害成分を浄化しなければならない。
第1の三元触媒コンバータ120Aおよび第2の三元触媒コンバータ120Bにストレージされている酸素量は直接計測することはできず、したがってこの酸素量は通常計算することによって求められる。この場合、通常は酸素のストレージ量が零のときを基準として酸素のストレージ量を算出するようにしている。
酸素のストレージ量が最大であるということは、第1の三元触媒コンバータ120Aおよび第2の三元触媒コンバータ120Bにストレージされている酸素が全く脱離していないことを意味している。このような酸素のストレージ量は、OSC(Oxygen Storage Capacity)として表される。したがってOSCが零であるということは脱離可能な酸素が全部脱離しているときを示している。OSCが最大のときということは、ストレージできる可能な限りの酸素をストレージしているときを示している。
このような酸素ストレージ機能を有する、第1の三元触媒コンバータ120Aおよび第2の三元触媒コンバータ120Bの酸素ストレージ量が最適な状態となり双方の触媒機能を発現できるように、ECU100はエンジン150の燃焼室内の空燃比を制御する。
図2を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU100で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、ECU100は、第1の三元触媒コンバータ120Aの前の空燃比がリーンな状態であるか否かを判断する。この判断は、第1の三元触媒コンバータ120Aの上流側に取付けられた空燃比センサ102AからECU100へ入力された信号に基づいて行なわれる。第1の触媒コンバータ120Aの前の空燃比がリーンであると(S100にてYES)、処理はS102へ移される。もしそうでないと(S100にてNO)、処理はS106へ移される。
S102にて、ECU100は、制御切換え判定値Ksに14.9(リーン側)を代入する。S104にて、ECU100は、第1の三元触媒コンバータ120Aについて、リーン側の酸素ストレージ量OSC(L)を算出する。
S106にて、ECU100は、制御切換え判定値Ksに14.3(リッチ側)を代入する。S108にて、ECU100は、第1の三元触媒コンバータ120Aについて、リッチ側における酸素ストレージ量OSC(R)を算出する。
S104におけるリーン側の酸素ストレージ量OSC(L)およびS108におけるリッチ側の酸素ストレージ量OSC(R)の算出について説明する。いずれの場合においても、酸素ストレージ量は、OSC=ΣΔA/F×吸入空気量×0.22で算出される。なお、0.22は、空気に含まれる酸素の比率を示す。
S110にて、ECU100は、第1の三元触媒コンバータ120Aの後の空燃比が制御切換え判定値Ksよりも小さいか否かを判断する。この判断は、第1の三元触媒コンバータ120Aと第2の三元触媒コンバータ120Bとの間に取付けられた第2の空燃比センサ102BからECU100に入力された信号に基づいて行なわれる。第1の三元触媒コンバータ120Aの後の空燃比が制御切換え判定値Ksよりも小さいと(S110にてYES)、処理はS112へ移される。もしそうでないと(S110にてNO)、処理はS114へ移される。
S112にて、ECU100は、第1の三元触媒コンバータ120Aの前の制御空燃比Kfに15.1(リーン側)を代入する。
S114にて、ECU100は、リッチ側の酸素ストレージ量OSC(R)がリーン側の酸素ストレージ量OSC(L)以上であるか否かを判断する。リッチ側の酸素ストレージ量OSC(R)≧リーン側の酸素ストレージ量OSC(L)であると(S114にてYES)、処理はS116へ移される。もしそうでないと(S114にてNO)、処理はS112へ移される。
S116にて、ECU100は、第1の三元触媒コンバータ120Aの前の制御空燃比Kfに14.1(リッチ側)を代入する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る空燃比制御装置を実現するECU100の動作について説明する。
エンジン150が作動中において、第1の三元触媒コンバータ120Aおよび第2の三元触媒コンバータ120Bにより、排気ガスが浄化される。第1の三元触媒コンバータ12Aの上流側に取付けられた空燃比センサ102AからECU100に入力された信号に基づいて、第1の三元触媒コンバータ120Aの前の空燃比がリーンである場合には(S100にてYES)、制御切換え判定値Ksに14.9(リーン側)が代入され(S102)、第1の三元触媒コンバータ120Aについてリーン側の酸素ストレージ量OSC(L)が算出される(S104)。
一方、第1の三元触媒コンバータ120Aの前の空燃比がリーンでないと(S100にてNO)、制御切換え判定値Ksに14.3(リッチ側)が代入され(S106)、第1の三元触媒コンバータ120Aについてリッチ側の酸素ストレージ量OSC(R)が算出される(S108)。
酸素ストレージ量OSC(L)およびOSC(R)は、前述の説明のとおり、ΣΔA/F×吸入空気量×0.22により算出される。これは、理論空燃比(14.6)との差分を時間積分した値に、吸入空気量および0.22を乗算したものである。
第1の三元触媒コンバータ120Aの後の空燃比が、制御切換え判定値Ksより小さいと(S110にてYES)、第1の三元触媒コンバータ120Aの前の制御空燃比Kfに15.1(リーン側)が代入される(S112)。
第1の三元触媒コンバータ120Aの後の空燃比が制御切換え判定値Ksよりも小さくないと(S110にてNO)、リッチ側の酸素ストレージ量OSC(R)がリーン側の酸素ストレージ量OSC(L)以上になるまでは(S114にてNO)、第1の三元触媒コンバータ120Aの前の制御空燃比Kfが15.1に維持される(S112)。一方、リッチ側の酸素ストレージ量OSC(R)がリーン側の酸素ストレージ量OSC(L)以上になると(S114にてYES)、第1の三元触媒コンバータ120Aの前の制御空燃比Kfが14.1に変更される(S116)。
このような状態を、図3を用いて説明する。第1の空燃比センサ102Aが、図3の空燃比センサ(A)であって、第2の空燃比センサ102Bが図3の空燃比センサ(B)である。いずれの空燃比センサも同じ構造を有し、リーン状態、ストイキ状態、リッチ状態でそれぞれ異なる電圧値を出力し、その電圧値に対応する空燃比がECU100にて演算される。
図3に示すように、時刻T(1)においては、第1の三元触媒コンバータ120Aの前の空燃比がリーンな状態であって(S100にてYES)、制御切換え判定値Ksに14.9が代入されている(S102)。図3の空燃比センサ(B)に示すように、この時刻T(1)においては、第1の三元触媒コンバータ120Aの後の空燃比が制御切換え判定値Ks(=14.9)以上になると(S110にてNO)、第1の三元触媒コンバータ120Aの前の制御空燃比Kfに14.1が代入される(S116)。この状態が、時刻T(1)〜T(2)の状態である。
時刻T(1)〜時刻T(2)の間においては、第1の三元触媒コンバータ120Aの前の空燃比がリーンではないため(S100にてNO)、制御切換え判定値Ksに14.3が代入される(S106)。このときの状態が、時刻T(2)の状態である。
図3における空燃比センサ(B)の下側の斜線部分がリッチ側の酸素ストレージ量OSC(R)に、上側の斜線部分がリーン側の酸素ストレージ量OSC(L)に対応する。時刻T(2)〜時刻T(3)の状態においては、リッチ側の酸素ストレージ量OSC(R)が算出される(S108)。
時刻T(3)において、第1の三元触媒コンバータ120Aの後の空燃比が制御切換え判定値Ks(=14.9)以上になり(S110にてNO)、リッチ側の酸素ストレージ量OSC(R)がリーン側の酸素ストレージ量OSC(L)以上になると(S110にてYES)、第1の三元触媒コンバータ120Aの前の制御空燃比Kfが14.1に変更される。
すなわち、時刻T(3)を経過した後、図3に示すリッチ側の酸素ストレージ量(時刻T(2)〜時刻T(3)における斜線部分)とリーン側の酸素ストレージ量(時刻T(3)以降の斜線部分)とが同じ酸素ストレージ量になるまで、時刻T(3)以降のリーン制御状態が点線のように延長される。
以上のようにして、リッチ側で制御が行なわれている期間において上流側の三元触媒コンバータから排出されたリッチガスを算出し、算出されたリッチガスと同量のリーンガスが上流側の三元触媒コンバータから下流側の三元触媒コンバータに流れると、上流側の三元触媒コンバータで導入されるガスの空燃比をリッチ側になるようにエンジンを制御する。これにより、リッチ側で制御が行なわれているときには、上流側の三元触媒コンバータにおける酸素ストレージにストレージされた酸素を用いて未燃焼のHCが酸化されて浄化される。上流側の三元触媒コンバータの酸素ストレージが0になると下流側の三元触媒コンバータにリッチガスが流れ、下流側の三元触媒コンバータにストレージされた酸素を用いて未燃焼のHCが酸化されて浄化される。この後、リーン側での制御が行なわれ、このリッチガスの量と同じ量のリーンガスが流れるまでリーン側での制御が延長される。このため、上流側の三元触媒コンバータから溢れて下流側の三元触媒コンバータに流れた未浄化のリッチガスを浄化するために使用した酸素量と同じ量を下流側の三元触媒コンバータにストレージすることができる。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る内燃機関の空燃比制御装置について説明する。なお、本実施の形態に係る内燃機関の空燃比制御装置も、前述の第1の実施の形態と同様、ECU100により実行されるプログラムにより実現される。ECU100を含む内燃機関およびその周辺の構造は、前述の第1の実施の形態の図1と同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
図4を参照して、ECU100で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
S200にて、ECU100は、フューエルカットが所定時間以上継続しているか否かを判断する。フューエルカットが所定時間以上継続していると(S200にてYES)、処理はS202へ移される。もしそうでないと(S200にてNO)、処理はS204へ移される。
S202にて、ECU100は、第1の三元触媒コンバータ120Aの前の制御空燃比Kfに14.1(リッチ側)を代入する。
S204にて、前段の触媒コンバータである第1の三元触媒コンバータ120AのOSCを算出する。この算出された酸素ストレージ量をOSC(S)とする。S206にて、後段の触媒コンバータである第2の三元触媒コンバータ120BのOSCを算出する。この算出された酸素ストレージ量をOSC(U)とする。
なお、S204における第1の三元触媒コンバータ120Aにおける酸素ストレージ量(OSC(S))の算出については、前述の第1の実施の形態におけるS104およびS108における算出方法と同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
S206において算出される第2の三元触媒コンバータ120Bの酸素ストレージ量(OSC(U))は、OSC(U)=OSC(UI)×OSC(S)/OSC(SI)により算出される。ここで、OSC(UI)は、第2の三元触媒コンバータ120Bの初期状態における酸素ストレージ量を表わし、OSC(SI)は、第1の三元触媒コンバータ120Aの初期状態における酸素ストレージ量を表わす。したがって、S206における式により、第1の三元触媒コンバータ120Aの劣化状態に対応させて、第2の三元触媒コンバータ120Bの劣化された酸素ストレージ量を算出することができる。
S208にて、ECU100は、第1の三元触媒コンバータ120Aの酸素ストレージ量OSCが第2の三元触媒コンバータ120Bの酸素ストレージ量OSC(U)/2以上であるか否か判断する。第1の三元触媒コンバータ120Aの酸素ストレージ量OSCが第2の三元触媒コンバータ120Bの劣化分を考慮した酸素ストレージ量OSC(U)の1/2以上になると(S208にてYES)、処理はS210へ移される。もしそうでないと(S208にてNO)、処理はS212へ移される。
S210にて、ECU100は、第1の三元触媒コンバータ120Aの前の制御空燃比Kfに15.1(リーン側)を代入する。S212にて、ECU100は、第1の三元触媒コンバータ120Aの前の制御空燃比Kfに14.1(リッチ側)を代入する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る空燃比制御装置を実現するECU100の動作について説明する。図5に、前述の第1の実施の形態の図3に対応する図を示す。
フューエルカットが所定時間以上継続した場合には(S200にてYES)、図5に示すように、第1の空燃比センサ102Aも、第2の空燃比センサ102Bもリーンな状態となっている。フューエルカットが所定時間以上経過した後、リッチ側(Kf=14.1)で制御が行なわれる。時刻T(5)を超えると、通常であれば、リッチ側制御からリーン側制御に切換わるが、時刻T(5)を経過して時刻T(6)を経過するまでの間、リッチ側制御(Kf=14.1)が延長して行なわれる。このとき、第2の三元触媒コンバータ120Bにリッチガスが導入され、最大量までストレージされた酸素を用いて未燃焼のHCが酸化されて酸素ストレージに空ができる。このとき、第2の三元触媒コンバータ120Bの酸素ストレージ量の半分の量(OSC(U)/2)のリッチガスが流れるまで(時刻T(6)まで)リッチ側制御が継続される。
このようにして、フューエルカットが実行されると極めてリーンなガスが上流側の三元触媒コンバータに導入され、上流側の三元触媒コンバータおよび下流側の三元触媒コンバータの酸素ストレージが最大となる。通常であれば、空燃比センサが空燃比がリッチであると検知すると直ちにリーン側での制御に切換えるが、これでは下流側の酸素ストレージが最大のままになってしまい、未浄化のリーンガスが流れてきたときに(酸素をストレージできないので)還元作用を発現できない。しかしながら、本実施の形態のように、リッチ側での制御を継続させてリッチガスを下流側の三元触媒コンバータにより多く流して未燃焼のHCを酸化して酸化ストレージ量を中間程度まで減らしておく。これにより、下流側の三元触媒コンバータの酸素ストレージに約半分の空ができるので、未浄化のリーンガスが流れてきたときに還元作用を発現できる。
さらに、三元触媒コンバータは経時的な変化に起因して酸素ストレージできる最大量が変化する。このような変化を考慮して、上流側の三元触媒コンバータがストレージできる酸素ストレージ良に基づいて、下流側の三元触媒コンバータがストレージできる酸素ストレージ量を推定する。この推定された下流側の三元触媒コンバータがストレージできる酸素ストレージ量に基づいて、たとえばその半分の量のストレージ量に上流側の三元触媒コンバータのストレージ量になると、上流側の三元触媒コンバータに導入されるガスの制御がリーン側からリッチ側へ切換えられる。これにより、三元触媒コンバータの劣化を考慮して、上流側の三元触媒コンバータにストレージされる酸素量と下流側の三元触媒コンバータにストレージされる酸素量とを同じ程度にすることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の第1の実施の形態に係る空燃比センサの制御装置が搭載される車両のエンジンの構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る空燃比センサの制御装置で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る空燃比センサの時間的変化を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る空燃比センサの制御装置で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る空燃比センサの時間的変化を示す図である。
符号の説明
100 ECU、102A 第1の空燃比センサ、102B 第2の空燃比センサ、104 吸気温センサ、106 水温センサ、108 排気通路、110 吸気通路、112 スロットル弁、114 スロットルモータ、116 スロットルポジションセンサ、118 エアクリーナ、120A 第1の三元触媒コンバータ、120B 第2の三元触媒コンバータ、122 冷却水通路、124 シリンダブロック、126 インジェクタ、128 ピストン、130 クランクシャフト、150 エンジン、152 吸気系、154 排気系。

Claims (4)

  1. 排気系に少なくとも2つの三元触媒が配設された内燃機関の空燃比制御装置であって、
    前記三元触媒における上流側の三元触媒の後の空燃比を検知するための検知手段と、
    前記検知された空燃比がリッチであると前記上流側の三元触媒へ導入されるガスの空燃比をリーン側になるように前記内燃機関を制御するリーン側制御を実行するとともに、前記検知された空燃比がリーンであると前記上流側の三元触媒へ導入されるガスの空燃比をリッチ側になるように前記内燃機関を制御するリッチ側制御を実行するための制御手段とを含み、
    前記制御手段は、前記リーン側制御期間中に前記検知された空燃比がリッチからリーンに変化した場合、前記上流側の三元触媒から当該リーン側制御期間中に排出されたリッチガスと同量のリーンガスが前記上流側の三元触媒から下流側の三元触媒に流れた時に、前記リーン側制御から前記リッチ側制御への切換えを行なうように前記内燃機関を制御するための手段を含む、内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 排気系に少なくとも2つの三元触媒が配設された内燃機関の空燃比制御装置であって、
    前記三元触媒における上流側の三元触媒の後の空燃比を検知するための検知手段と、
    前記検知された空燃比がリッチであると前記上流側の三元触媒へ導入されるガスの空燃比をリーン側になるように前記内燃機関を制御するリーン側制御を実行するとともに、前記検知された空燃比がリーンであると前記上流側の三元触媒へ導入されるガスの空燃比をリッチ側になるように前記内燃機関を制御するリッチ側制御を実行するための制御手段とを含み、
    前記制御手段は、フューエルカットによって前記三元触媒の酸素ストレージが最大となった時は、前記リッチ側制御から前記リーン側制御への切換え時間を前記検知された空燃比がリーンからリッチに変化した時点よりも遅らせるように前記内燃機関を制御するための手段を含む、内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 排気系に少なくとも2つの三元触媒が配設された内燃機関の空燃比制御装置であって、
    前記三元触媒における上流側の三元触媒の後の空燃比を検知するための検知手段と、
    前記検知された空燃比がリッチであると前記上流側の三元触媒へ導入されるガスの空燃比をリーン側になるように前記内燃機関を制御するリーン側制御を実行するとともに、前記検知された空燃比がリーンであると前記上流側の三元触媒へ導入されるガスの空燃比をリッチ側になるように前記内燃機関を制御するリッチ側制御を実行するための制御手段と、
    前記三元触媒の劣化に伴う酸素ストレージ量の変化を考慮して、前記上流側の三元触媒の酸素ストレージ量に基づいて下流側の三元触媒の酸素ストレージ量を推定するための推定手段とを含み、
    前記制御手段は、前記推定された下流側の三元触媒の酸素ストレージ量に基づいて、前記リーン側制御から前記リッチ側制御への切換え時間を決定するように前記内燃機関を制御するための手段を含む、内燃機関の空燃比制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記上流側の三元触媒の酸素ストレージ量が、前記推定された下流側の三元触媒の酸素ストレージ量の半分になるように、前記リーン側制御から前記リッチ側制御への切換え時間を決定するように前記内燃機関を制御するための手段を含む、請求項3に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
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