JP3991925B2 - エンジン制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン制御装置、特に、吸気弁の作動角を変更可能なエンジンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のエンジン制御装置では、エンジン始動時のHC排出量低減のため、燃料噴射弁付近の吸入負圧の発達を促進して燃料気化を向上する制御が行われている。しかし、吸気負圧の発達を促進するためにエンジン回転数の上昇速度を大きくすると、エンジンの自立回転開始後において、エンジン自身の発生トルクにより始動時のピーク回転数が過上昇し、過大な吹き上がり感やエンジン騒音が発生するという点において、エンジンの運転性が悪化するおそれがある。
【0003】
特許文献1には、車両のエンジン始動時のピーク回転数を低減する制御装置が記載されている。この制御装置では、エンジン回転数がピークに到達するまでは、吸気の充填効率を低下させるように吸気弁の開閉時期を設定し、ピーク回転数の上昇を抑制している。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−188472号公報(第8−9頁、第5,9図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載のエンジン制御装置では、車両のエンジン始動時のピーク回転数を抑制することはできるが、吸気の充填効率を低下させるためエンジン回転数の上昇速度も低下し、吸入負圧の発達が遅くなる。この結果、燃料気化が悪化し、HC排出量が増大するおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、車両のエンジンの始動時において、吸入負圧の発達とピーク回転数の抑制とを両立することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るエンジン制御装置は、吸気弁の作動角を変更可能なエンジンの制御装置であって、条件判定手段と、弁作動角制御手段とを備えている。条件判定手段は、エンジン始動開始後にエンジン回転数が所定回転数を上回ったか否かを判定する。弁作動角制御手段は、エンジン始動開始時に吸気弁閉時期が下死点付近になるように吸気弁の作動角を第1作動角とし、所定条件を満たしたときに吸気弁閉時期が下死点よりも遅れるように、吸気弁の作動角を第1作動角より大きい第2作動角にする。条件判定手段における所定回転数は、第1作動角によるエンジン運転での推定ピーク回転数と、エンジン運転性を悪化させない限界のエンジン回転数である上限目標回転数とに基づいて設定される。
【0008】
【発明の効果】
本発明によれば、エンジンの始動開始時には、吸気の充填効率を高めてエンジン回転数の上昇速度を増加させることにより吸入負圧を速やかに発達させると共に、所定条件を満たしたときに吸気の充填効率を低下させてエンジン回転数の上昇速度を低下させることにより、始動時のピーク回転数を抑制する。この結果、エンジン始動時において、吸入負圧の発達とピーク回転数の抑制とを両立させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
(1)第1実施形態
(1−1)構成
図1は、本発明に係るエンジン制御装置が適用された車両のエンジンの概略図である。
【0010】
エンジン本体1には、燃焼室1aと、燃焼室1aに連通する吸気ポート2a及び排気ポート3aとが形成されている。燃焼室1aの上部中央には点火コイル9によって点火される点火プラグ10が装着されている。点火コイル9は、後述するコントロールユニット(ECU)13からの信号で駆動される。吸気ポート2a及び排気ポート3aの燃焼室1aの開口部には、吸気及び排気の流入出を制御する吸気弁2b及び排気弁2bが配置されている。排気弁3bは、排気側カム軸3cに形成されたカム3dによって一定の作動角、リフト量を保って開閉される。
【0011】
吸気弁2bは、例えば特開平11−107725号公報、特開2003−41976号公報に記載されている可変動弁機構VEL21によって作動角、リフト量が連続的に変更される。可変動弁機構VEL21には、ポテンションメータ式の作動角センサ21aが設けられており、作動角センサ21aにより吸気バルブ2bの作動角が検出され、吸気弁2bの開閉時期が算出される。
【0012】
図2は、可変動弁機構VEL21による弁開閉時期及びリフト量を説明する図である。同図に示すように、可変動弁機構VEL21では、吸気弁2bの作動角の増加に伴い、弁閉時期が遅角し、リフト量が増加するように、吸気弁2bが開閉されるように設定されている。本実施形態では、吸気弁2bの弁開時期は上死点付近に固定されているが、弁開時期が変化するようにしても良い。
【0013】
また、吸気ポート2aの吸気弁2bの上流側近傍には、コントロールユニット13からの駆動信号に基づいて吸気ポート2a内に燃料を噴射供給する燃料噴射弁8が設けられている。エンジン本体1の下部には、クランク軸の回転を開始させるスタータモータ19が配置されている。スタータモータ19は、車室内のキースイッチに設けられるスタータスイッチ18からの信号に基づいてコントロールユニット13から出力される駆動信号により駆動される。さらに、エンジン本体1には、エンジン回転数Neを検出するためのクランク角センサ11、冷却ジャケット内の水温Twを検出する水温センサ12が設けられている。
【0014】
エンジン本体1の吸気ポート2aには吸気通路2が連結されている。吸気通路2には、吸入空気を浄化するエアクリーナ4、吸気量Qを検出するエアフローメータ5、吸気量Qを制御するスロットル弁6が配置されている。エアクリーナ4には、吸気温センサ20が配置されており、吸気温度Tairがコントロールユニット13に出力される。エアフローメータ5は吸気量Qを検出してコントロールユニット13に出力する。スロットル弁6には、スロットル開度TVOを検出するためのスロットルセンサ6aが設けられている。また、スロットル弁6の下流には容積の大きいコレクタ7が連結されており、スロットル弁6をバイパスしてスロットル弁6の上流側からコレクタ7に連結されるバイパス通路14が設けられている。バイパス通路14には、通過する空気量を制御するためのアイドル制御弁14aが介装されている。アイドル制御弁14aは、コントロールユニット13からの信号によりエンジン始動時の吸気量Qを制御する。本実施形態では、アイドル制御弁14aによりエンジン始動時の吸気量をQを制御するが、スロットル弁6が電磁式である場合には、エンジン始動時の吸気量Qをスロットル弁6により制御し、バイパス通路14及びアイドル制御弁14aを省略しても良い。
【0015】
コントロールユニット13は、CPU、ROM、RAM及び入出力ポートを備えたマイクロコンピュータを内蔵しており、エアフローメータ5からの吸気量Q、スロットルセンサ6aからのスロットル開度、スタートスイッチ18からのスタート信号、水温センサ12からの水温Tw、吸気温センサ20からの吸気温度Tair、クランク角センサ11からのエンジン回転数Neの各種信号を読み込み、エンジンの回転を制御する。
【0016】
(1−2)弁開閉制御
図3は、エンジン始動時の弁開閉制御のフローチャートである。図4及び図5は、エンジン始動時の弁開閉制御のタイムチャートである。以下、図3乃至図5を参照して、エンジン始動時の弁開閉制御について説明する。
【0017】
ステップS1では、エンジンが運転中か否かを判別する。エンジンが運転中でなければ(時刻t=t1より前)ステップS2に移行する。ステップS2では、始動時用小カムを選択し、弁閉時期IVCを下死点付近の弁閉時期IVC1になるように作動角をφ1、リフト量をy1に設定し、ステップS1にリターンする。一方、ステップS1でエンジンが運転中であれば(時刻t=t1以降)ステップS3に移行する。
【0018】
ステップS3では、作動角センサ2dで検出される作動角から吸気弁2bの開閉時期を算出する。ステップS4では、エンジン回転数Ne、回転数上昇速度ΔNe、吸気量Q、吸気負圧Pb、水温Tw、吸気温度Tairを検出する。
【0019】
ステップS5では、エンジン回転数Neがピーク回転数に未到達か否かを判別する。具体的には、エンジン回転数Neが後述する吸気弁2bの弁閉時期の切換を開始すべき切換制御開始回転数Nesになる時点t3から所定時間T0が経過したか否かで判別する。所定時間T0は、切換制御開始時t3からエンジン回転数Neがピーク回転数に到達(時刻t4)するのに十分な時間に設定しておく。ステップS5においてエンジン回転数Neがピーク回転数に到達済み、即ち、切換制御開始時t3から所定時間T0が経過している場合には、ステップS6に移行し、通常運転時の弁開閉時期制御を行い、ステップS1にリターンする。一方、ステップS5においてエンジン回転数Neがピーク回転数に未到達、即ち、切換制御開始時t3から所定時間T0が経過していない場合には、ステップS7に移行する。
【0020】
なお、エンジン回転数Neがピーク回転数に未到達か否かは、エンジン回転数Neと目標アイドル回転数との偏差が所定値を超えているか否かによって判別しても良い。即ち、エンジン回転数Neと目標アイドル回転数との偏差が所定値を超えている場合には、エンジン回転数Neがピーク回転数に未到達であり、エンジン回転数Neと目標アイドル回転数との偏差が所定値以下である場合には、エンジン回転数Neがピーク回転数に到達済みであると判別しても良い。
【0021】
ステップS7では、推定ピーク回転数Nepを算出する。図6は、推定ピーク回転数Nep、切換制御開始回転数Nesの算出方法を説明するための説明図である。図中点Aにおいて、エンジン回転数Ne、水温Twに基づいて、エンジンの回転維持に必要なエンジン負荷としてのフリクショントルクTfを同図(b)の曲線Tfのように算出する。また、発生トルクTiを、エンジン回転数Ne、回転上昇速度ΔNe、水温Tw、弁閉時期IVC=IVC1から、同図(b)の曲線Ti=Ti1のように算出する。ここで、発生トルクTi1、フリクショントルクTf、エンジン回転数Neの上昇に寄与する余裕トルクTnは式(1)の関係があるので、曲線Ti1と曲線Tfの差から点A以降の余裕トルクTnを算出する。
Tn=Ti―Tf (1)
そして、点A以降の余裕トルクTnから点A以降の回転数上昇速度ΔNeを算出し、この回転数上昇速度ΔNeから同図(a)に示すようにエンジン回転数Ne1の曲線を求め、推定ピーク回転数Nep1を推定する。
【0022】
ここでは、エンジン回転数Ne及び回転上昇速度ΔNeに加え、水温Twを考慮して推定ピーク回転数Nep1を算出したが、さらに吸気温度Tair考慮して推定ピーク回転数Nep1を算出するようにしても良い。
【0023】
ステップS8では、推定ピーク回転数Nep1をエンジンの運転性を悪化させない、すなわち、過大な吹き上がり感やエンジン騒音が発生しない限界のエンジン回転数である上限目標回転数Nemと比較する。推定ピーク回転数Nep1が上限目標回転数Nem以下である場合には、ステップS1にリターンする。一方、推定ピーク回転数Nep1が上限目標回転数Nemを超えている場合には、ステップS9に移行する。
【0024】
ステップS9では、吸気弁2bの弁閉時期の切換を開始すべき切換制御開始回転数Nesを算出する。まず、現状のエンジン回転数Ne(点A)から上限目標回転数Nemに到達するまでの要求仕事量Treqと、現状のエンジン回転数Ne(点A)から推定ピーク回転数Nep1に到達するまでのTOTAL仕事量Ttを算出する。要求仕事量Treq及びTOTAL仕事量Ttの値は予めマップに保存しておき、参照する。次に、要求仕事量Treq及びTOTAL仕事量Ttから要求トルク低下代Tt―Treqを算出する。そして、弁開閉時期の制御応答性、弁開閉時期の変更によるトルク低下感度を考慮して、要求トルク低下代Tt−Treqに基づいて切換制御開始回転数Nesを算出する。
【0025】
ステップS10では、エンジン回転数Neと切換制御開始回転数Nesとを比較する。エンジン回転数Neが切換制御開始回転数Nes未満である場合には、ステップS1にリターンする。一方、エンジン回転数Neが切換制御開始回転数Nes以上であれば、ステップS11に移行する。
【0026】
ステップS11では、ステップS9で算出した要求トルク低下代Tt―Treqに基づいて、吸気弁2bの目標弁閉時期IVC2を算出する。そして、弁閉時期IVCが目標弁閉時期IVC2になるように、目標作動角φ2、目標リフト量y2を算出する。ここで、IVC2はIVC1よりも遅角した弁閉時期であり、φ2>φ1、y2>y1である。即ち、弁閉時期をIVC1より遅角したIVC2にするために、作動角φ及びリフト量yを増大させる。弁閉時期IVCをIVC1からIVC2に遅角させることにより、図6に示すように、発生トルクTiはTi1からTi2に低減され、エンジン回転数NeはNe1からNe2に低減され、ピーク回転数(時刻t4)がNep1からNep2=上限目標回転数Nemまで抑制される。
【0027】
ステップS12では、作動角φ及びリフト量yをそれぞれ、目標作動角φ2、目標リフト量y2に設定する。ステップS13では、ステップS3で検出した弁閉時期IVCと目標弁閉時期IVC2との弁閉時期偏差ΔIVCが所定値以下になっているか否かを判別する。弁閉時期偏差ΔIVCが所定値以下であれば、ステップS1にリターンする。一方、弁閉時期偏差ΔIVCが所定値以下になっていなければステップS14に移行する。ステップS14では、弁閉時期IVCが目標弁閉時期IVC2に近づくように、作動角φ1及びリフト量y1を補正し、ステップS1にリターンする。
【0028】
以上のように、本実施形態に係る弁開閉時期制御では、エンジン始動開始時t1より前に吸気弁2bの弁閉時期IVCが下死点付近のIVC1になるように、小作動角φ1、小リフト量y1に設定しておくため、エンジン始動開始時t1からエンジン回転数Neが切換制御開始回転数Nesになる時点t3までの間、燃焼室1aでの充填効率が高い状態でエンジンが回転される。
【0029】
エンジン始動時の各特性値の変化を示すタイムチャートである図4及び図5において、曲線Iは本実施形態に係る弁開閉制御の場合の各特性値の変化であり、曲線IIは比較のための各特性値の変化であり、始動開始時から充填効率を低下させてピーク回転数を抑制した場合の曲線である。これらの図から分かるように、本実施形態の曲線Iでは、エンジンの始動開始直後の時刻t1〜t3において高い充填効率でエンジンが回転されるため、燃料の燃焼が開始される時刻t2から時刻t3までにおいて、回転上昇速度ΔNeが曲線IIに比較して増加し、エンジン回転数Neもより急激に増加する(図4(a)、(b))。この結果、燃料噴射弁8近傍の吸入負圧Pbの発達が促進され(図4(c))、燃料気化が向上し、気化せずに壁流となる燃料の割合が減少し、燃料噴射弁8近傍の混合気中の実空燃比A/Fが設定値に十分近いものとなる(図5(a))。このため、壁流分を考慮しての燃料増量を減らすことが可能となり、HC排出量を低減できる(図5(b))。
【0030】
また、エンジンの始動開始直後の時刻t1〜t3における作動角φ1、リフト量y1でのエンジン回転中に、推定ピーク回転数Ne1を推定し、時刻t3になると、推定ピーク回転数Ne1が上限目標回転数Nemを越えないように弁閉時期をIVC1からIVC2に遅角させ、充填効率を低下させて発生トルクを減少させはじめるので、ピーク回転数が過上昇してエンジンの運転性が悪化するのを防止できる。また、弁開閉時期の制御応答性、弁開閉時期の変更によるトルク低下感度を考慮して切換制御開始回転数Nesを算出し、エンジン回転数Neが切換制御開始回転数Nesに一致した時点t3から発生トルクTiを低下させはじめるので、エンジン回転数Neが過上昇する前に回転数上昇速度ΔNeを低下させて、ピーク回転数の過上昇を確実に抑制できる。
【0031】
このように、本実施形態によれば、エンジン始動時において吸入負圧の発達の促進とピーク回転数の抑制とを両立させることができる。
【0032】
さらに、エンジン回転数Neがピーク回転数に到達した後、即ち、切換制御開始時t3から所定時間T0が経過した時点(時刻t5)において、弁閉時期をIVC2からIVC1に進角させて戻すので、ピーク回転数を経過して運転性の悪化の可能性が低くなった後は、高い充填効率でエンジンを回転させることができる。
【0033】
(2)第2実施形態
図7は、第2実施形態に係るエンジン制御装置が適用された車両のエンジンの概略図である。本実施形態では、図7に示すような可変動弁機構VVL22により吸気弁2bの開閉を行う。このような可変動弁機構VVL22は、例えば特開平10−8935号公報に記載されている。図8は、可変動弁機構VVL22による弁開閉時期及びリフト量を説明する図である。第1実施形態では、可変動弁機構VEL21により吸気弁2bの作動角及びリフト量を連続的に変更したが、本実施形態では、可変動弁機構VVL22により吸気弁2bの作動角及びリフト量を、図8に示すように2段階に切り換える。即ち、弁閉時期IVCが下死点付近のIVC1となるような小作動角φ1、小リフト量y1の第1設定と、弁閉時期IVCがIVC1より遅れたIVC2となるような大作動角φ2、大リフト量y2の第2設定との間で切り換える。図8では、吸気弁2bの弁開時期は上死点付近に固定されているが、弁閉時期が変化するようにしても良い。
【0034】
図9は、本実施形態に係るエンジン始動時の弁開閉制御のフローチャートである。本実施形態では、ステップS1でエンジンが運転中でないと判別された場合にステップS21において作動角及びリフト量を第1設定にする。また、ステップS10においてエンジン回転数Neが切換制御開始回転数Nes以上と判別された場合、ステップS22において作動角及びリフト量を第2設定にし、ステップS1にリターンする。他のステップについては、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0035】
本実施形態では、エンジンの運転状態から作動角、リフト量の目標値を決めるのではなく、可変動弁機構VVL22の構造から予め決まっている第1設定と第2設定との間で設定を切り換える。この場合も、切換制御開始回転数Nesにおいて吸気弁2bの作動角、リフト量を第1設定から第2設定に切り換えることにより、第1実施形態と同様に吸入負圧の発達の促進とピーク回転数の抑制とを両立させることができる。
【0036】
(3)第3実施形態
図10は、第3実施形態に係るエンジン制御装置が適用された車両のエンジンの概略図である。本実施形態では、図10に示すような電磁駆動弁機構23により吸気弁2bの開閉を行う。このような電磁駆動弁機構23は、例えば特開2002−115515号公報に記載されている。図11は、電磁駆動弁機構23による弁開閉時期及びリフト量を説明する図である。第1及び第2実施形態では、可変動弁機構VEL21、可変動弁機構VVL22により吸気弁2bの作動角及びリフト量の両方を変更したが、本実施形態では、電磁駆動弁機構23により、図11に示すように吸気弁2bのリフト量を一定に保ったまま、作動角を変更する。電磁駆動弁機構23には位置センサ23aが設けられており、吸気弁2bの軸位置を検出することにより、吸気弁2bの開閉時期を算出する。図11では、吸気弁2bの弁開時期は上死点付近に固定されているが、弁閉時期が変化するようにしても良い。
【0037】
図12は、本実施形態に係るエンジン始動時の弁開閉制御のフローチャートである。本実施形態では、ステップS1でエンジンが運転中でないと判別された場合にステップS31において始動時用小カムを選択するが、リフト量は一定に保たれるため、作動角のみをφ1に設定することにより、弁閉時期IVCを下死点付近のIVC1にする。また、ステップS32では、作動角のみをφ2に設定することにより、弁閉時期IVCをIVC1より遅れたIVC2に変更する。ステップS13で弁閉時期偏差ΔIVCが所定値以下でないと判別された場合には、ステップS33において、弁閉時期IVCが目標弁閉時期IVC2に近づくように、作動角を補正する。他のステップについては、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0038】
本実施形態では、吸気弁2bのリフト量が変更されないが、始動開始時直後の時刻t1〜t3に弁閉時期IVCを下死点付近のIVC1に設定することにより吸気負圧の発達を促進し、その後、弁閉時期IVC1を遅角させることによりピーク回転数を抑制することができるので、第1実施形態と同様に吸入負圧の発達の促進とピーク回転数の抑制とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るエンジン制御装置が適用された車両のエンジンの概略図。
【図2】可変動弁機構VEL21による弁開閉時期及びリフト量を説明する図。
【図3】エンジン始動時の弁開閉制御のフローチャート。
【図4】エンジン始動時の弁開閉制御のタイムチャート。
【図5】エンジン始動時の弁開閉制御のタイムチャート。
【図6】推定ピーク回転数Nep、切換制御開始回転数Nesの算出方法を説明するための説明図。
【図7】第2実施形態に係るエンジン制御装置が適用された車両のエンジンの概略図。
【図8】可変動弁機構VVL22による弁開閉時期及びリフト量を説明する図。
【図9】エンジン始動時の弁開閉制御のフローチャート。
【図10】第3実施形態に係るエンジン制御装置が適用された車両のエンジンの概略図。
【図11】電磁駆動弁機構23による弁開閉時期及びリフト量を説明する図。
【図12】エンジン始動時の弁開閉制御のフローチャート。
【符号の説明】
1 エンジン本体
2 吸気通路
2a 吸気ポート
2b 吸気弁
3 排気通路
3a 排気ポート
3b 排気弁
3c カム軸
3d カム
4 エアクリーナ
5 エアフローメータ
6 スロットル弁
6a スロットルセンサ
7 コレクタ
8 燃料噴射弁
9 点火コイル
10 点火プラグ
11 クランク角センサ
12 水温センサ
13 コントロールユニット(ECU)
14 バイパス通路
14a アイドル制御弁
18 スタータスイッチ
19 スタータモータ
20 吸気温センサ
21 可変動弁機構VEL
21a 作動角センサ
22 可変動弁機構VVL
23 電磁駆動弁機構
23a 位置センサ

Claims (4)

  1. 吸気弁の作動角を変更可能なエンジンの制御装置であって、
    エンジン始動開始後にエンジン回転数が所定回転数を上回ったか否かを判定する条件判定手段と、
    エンジン始動開始時に吸気弁閉時期が下死点付近になるように吸気弁の作動角を第1作動角とし、所定条件を満たしたときに吸気弁閉時期が下死点よりも遅れるように、吸気弁の作動角を第1作動角より大きい第2作動角にする弁作動角制御手段と、を備え、
    条件判定手段における所定回転数は、第1作動角によるエンジン運転での推定ピーク回転数と、エンジン運転性を悪化させない限界のエンジン回転数である上限目標回転数とに基づいて設定される、ンジン制御装置。
  2. 推定ピーク回転数は、エンジン回転数、回転数上昇速度及びエンジン負荷に基づいて推定される、請求項に記載のエンジン制御装置。
  3. 推定ピーク回転数はさらに水温に基づいて推定される、請求項に記載のエンジン制御装置。
  4. 推定ピーク回転数はさらに吸気温度に基づいて推定される、請求項又はに記載のエンジン制御装置。
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