JP4404024B2 - ダイレクトスタートエンジンの制御装置 - Google Patents
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Description
また、特開2004−293472号公報(特許文献2)では、エンジン停止条件成立後、既燃ガスを減らして、再始動しやすくするため、スロットル開度を一旦増大させている。
ここで再始動するためのピストンの適正停止位置とは、一般的には上死点後60°〜100°CA(クランク角)付近であり、この位置でピストンを停止させると、適度に存在する筒内空気と再始動時に供給される燃料とで良好な燃焼が得られること、排気バルブが開くまでの間に十分な膨張仕事ができることから再始動に充分なトルクを発生させ易い。
このように、圧縮行程と膨張行程にある各気筒のピストンが上死点側に対して押し戻されるという挙動は筒内圧、即ち、停止前の吸気管内圧の程度、カム角、あるいは、吸気管負圧に影響を与える補機類の挙動、等により不安定にずれ移動する傾向にある。
ここで明らかなように、エンジン停止前スロットル開度が大きな場合、あるいは中程度の場合、エンジン運転域がストイキオで、吸気遅角排気進角で停止状態(図13(a)の場合)であっても、あるいは、エンジン運転域が圧縮リーンで、吸排気遅角で停止状態(図13(b)の場合)であっても、ほぼ、上死点後60°〜100°付近に停止する確率が高い。これに対して、エンジン停止前スロットル開度が小さな場合、エンジン運転域がストイキオで、吸気遅角排気進角で停止状態(図13(a)の場合)であっても、あるいは、エンジン運転域が圧縮リーンで、吸排気遅角で停止状態(図13(b)の場合)であっても、ピストン停止位置は上死点あるいは下死点にずれ、このずれは他の吸気及び排気気筒側のカム角の影響や、補機の運転状態および、吸気管内圧の状態の影響によると見做される。
図1は本発明の第1の実施形態によるエンジンの概略構成を示している。
エンジン1は、例えば、燃料噴射モードを切換えることで吸気行程での燃料噴射(吸気行程噴射)とともに圧縮行程での燃料噴射(圧縮行程噴射)を実施可能な筒内噴射型火花点火式ガソリンエンジン(リーンバーンエンジン)が採用される。このエンジン1は理論空燃比(ストイキ)での運転やリッチ空燃比での運転(リッチ空燃比運転)の他、リーン空燃比での運転(リーン空燃比運転)が実現可能である。
エンジン本体2内に配備されるクランクシャフト6には単位クランク角信号θc、気筒判別信号(基準信号)θb及びこれらに基づくエンジン回転速度Ne情報を検出するクランク角センサ16が対設され、これは後述の電子コントロールユニット(ECU)17に検出信号を出力する。
点火プラグ11には高電圧を出力する点火ユニット18が接続されている。ここでの点火ユニット18は、不図示のタイミング制御回路と高圧電源回路と点火コイルとで構成される。なお、ECU17にはノック信号Snを出力するノックセンサ19が接続され、このノック信号Snに応じて基準点火時期θbを補正するようにしている。
吸気弁21及び排気弁22の開閉時期は、カム位相可変機構(吸排VVT機構)25、26によって可変となっている。
さらにカムシャフト23、24に対し、その特定回転位置を検出することで気筒識別信号を与えることのできるカム角センサ35、36が設けられている。
サージタンク10の上流の共通の吸気通路7は吸気管33に連通し、同部にはスロットル弁13が設けられる。スロットル弁13は燃焼室Cに導入される吸気量を調節するスロットル駆動装置で駆動されている。なお、サージタンク10には吸気管内圧Pmを検出してECU17に出力する吸気圧センサ20が設けられる。
エアクリーナ12内には、吸気量Qa情報を得るエアフローセンサ32が配備され、その情報はECU17に出力される。またエンジン本体2の水温Tw情報を検出する水温センサ34が配備され、その検出信号はECU17に出力されている。
図5に示すように、エンジン駆動制御手段A0は、燃料供給部a1、点火時期制御部a2、スロットル駆動制御部a3としての機能を備える。
気筒判別手段A1はクランク角センサ16からの気筒判別信号(基準信号)θbと単位クランク角信号θcを常時取り込み、気筒判別信号(基準信号)θbによって1番気筒3Aを、判別すると共に単位クランク角信号θcのカウントにより、現在のクランク角における4つの気筒の各クランク角位置を算出する機能を備える。
ECU17は図示しないメインスイッチのキーオンにより不図示のメインルーチンでの制御に入る。ここでは、まず、エンジン回転数Ne、アクセル開度θa、スロットル開度θs、吸入空気量Qa、水温Tw等の各値が各センサから最新検出値として取り込まれる。次いで、エンジン駆動制御手段A0として、運転条件に応じて圧縮行程噴射モード、吸気行程噴射モード、それ以外のストイキ域での理論空燃比モード等が算出され、それぞれのモードでの最適なエンジン出力を得るよう、現在の吸入空気量Qa、エンジン回転数Neに基づき噴射時期を決定し、算出した燃料噴射量で各気筒の燃料噴射弁9を駆動する。しかも、エンジン回転数Neに基づき点火時期を決定し、その点火時期θpに点火プラグ11を着火処理し、アクセル開度θaに基づく目標開度θsを決定して、同開度にスロットルバルブ13の開度を修正駆動する。このようなメインルーチンの途中の所定の制御ステップ位置に達すると、図8のスロットル弁駆動制御ルーチンに達する。
ステップs1、s2では、吸気管内圧Pm等の最新のデータの取り込み、エンジン停止条件のチェックを行い、ステップs3でエンジン停止条件成立信号Ssの入力を待ち、エンジン停止条件成立信号Ssが入力でステップs4に進む。ここでは最新の吸気管内圧(吸気管内圧)Pmが読み込まれ、ステップs10、s11で吸気、排気弁21、22のバルブタイミングを読み込み、エンジン回転速度Neを読み込み、ステップs12に達する。ここでは、吸気、排気弁21、22の各バルブタイミング(進角、遅角量)に応じた目標スロットル開度補正値δθを、図7(a)、(b)のマップを用いてそれぞれ演算する。更に、吸気管内圧Pm及びエンジン回転速度Ne相当の基準スロットル開度θsbを求め、これに目標スロットル開度補正値δθを加算して、修正した目標スロットル開度θsoを算出し、メインルーチンにリターンする。
ここで、排気多岐管15の合流部と接続された排気管45の上流端には、空燃比A/F情報をECU17aに出力する空燃比センサ46が配備されている。更に、スロットル弁13より下流の部分でサージタンク10の吸入口h1の近傍には戻り口47が形成され、これらをEGRパイプ50が連通し、EGR通路r1が設けられる。同EGR通路r1はECU17aに制御されるEGRバルブ51によりその開度が制御され、排気通路16を通る排気の一部がEGR通路50を介して吸気通路7に還流され、再び吸気として各気筒に供される。即ち、EGR(排気還流)がなされる。
ECU17aは、周知のエンジン駆動制御手段A0aと、気筒判別手段A1と、スロットル弁開度補正手段A2aと、VVT制御手段A3と、EGR弁制御手段A4しての機能を備える。
スロットル弁開度補正手段A2aは、エンジン停止条件判別手段A2−1でエンジン停止条件成立時を判定し、吸気管内圧推定手段A2−2でスロットル弁開度θsと、その時の吸気管内圧センサ20からの吸気管内圧Pm、同吸気管内圧に変動要素であるEGR弁51(補機)の開度信号、空燃比A/F、吸排VVT25,26の吸気、排気弁21、22の進角、遅角情報、エンジン回転速度Ne、等を考慮して推定吸気管内圧レベルPesを算出する。その上で、推定吸気管内圧レベルPesと、吸気弁21と排気弁22の開閉バルブタイミングと、エンジン回転速度Neと、EGR弁51(補機)の開度信号とに沿って目標スロットル開度補正量を算出する。
EGR弁制御手段A4は予め設定されるEGR率マップ(不図示)を用い、エンジン回転速度Neと負荷情報であるアクセル開度θaに応じたEGR率を算出し、同EGR率相当の駆動信号をEGRバルブ51に出力するように機能する。
以下、このように構成された第1の実施の形態に係るダイレクトスタートエンジンの制御装置の作動を不図示のメインルーチン及び図12のフローチャートを用いて説明する。
9 燃料噴射弁
11 点火プラグ
20 吸気圧センサ(吸気圧検出手段)
21 吸気弁
22 排気弁
A0 エンジン駆動制御手段
A1 気筒判別手段
A2 スロットル弁開度補正手段
A3 VVT制御手段
A4 EGR弁制御手段
A2−2 吸気管内圧推定手段
C 燃焼室
Pm 吸気管内圧
Ss 再始動条件成立信号
θa アクセル開度
θs スロットル弁開度
Claims (3)
- エンジン始動時に、膨張行程にある気筒に燃料を噴射させて点火、燃焼を行わせ、エンジンを始動させるエンジン制御装置において、
上記エンジンの吸気圧を検出計測または推定する吸気圧検出手段を備え、
上記エンジンの停止時におけるスロットル弁開度を、上記吸気管内圧が比較的小さい第1所定値以下で開き、比較的大きい第2所定値以上で閉じ、上記第1所定値と第2所定値の間にあるとスロットル弁開度を現位置維持するよう補正する、ことを特徴とするダイレクトスタートエンジンの制御装置。 - エンジン始動時に、膨張行程にある気筒に燃料を噴射させて点火、燃焼を行わせ、エンジンを始動させるエンジン制御装置において、
上記エンジンの吸気バルブと排気バルブとの少なくとも排気バルブにバルブタイミング可変機構が設けられ、
上記エンジン停止時におけるスロットル弁開度を算出する際、まず、その時の吸気管内圧に応じた基準スロットル開度を求め、次いで、同基準スロットル開度に上記バルブタイミング可変機構の排気バルブタイミングの進角偏倚が大きくなるほどスロットル弁の開量を増加させ、遅角偏倚が大きくなるほどスロットル弁の閉量を増加させるような目標スロットル開度補正値を加算して算出する、
ことを特徴とするダイレクトスタートエンジンの制御装置。 - 請求項2記載のダイレクトスタートエンジンの制御装置において、
上記バルブタイミング可変機構が吸気バルブに設けられ、
上記エンジン停止時におけるスロットル弁開度は上記バルブタイミング可変機構の吸気バルブタイミングの進角偏倚が大きくなるほど閉量を増加させ、遅角偏倚が大きくなるほど開量を増加させることを特徴とするダイレクトスタートエンジンの制御装置。
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