JP3991731B2 - 車両用駐車方向設定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、超音波センサ等の測距手段を用いて駐車スペースを検出し、その駐車スペースに自車両を駐車するときの駐車方向を設定する車両用駐車方向設定装置に関する。
【0002】
【従来の課題】
従来、この種の技術としては、例えば自車両側方に取り付けた超音波センサを用いて、車両進行に伴い、自車両側方にある障害物までの距離を測定し、その距離と自車両の位置情報とに基づいて、自車両周囲にある障害物位置を認識し、それら障害物がない場所を駐車スペースとして検出する技術が知られている。
また、例えば特開平10−244890号公報に記載されているように、3台の撮像装置で車両の後方、左側方および右側方を撮像し、それらの撮像画像の処理結果に基づいて駐車区画を検出する技術も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例のうち前者のものでは、超音波センサを用いて駐車スペースを検出するため、駐車されている車両の前面又は背面に凹凸があるときには、当該車両の前面又は背面の向きを正しく検出できず、駐車スペースにおける駐車方向を適切に設定できない恐れがある。
また、後者のように撮像装置を用いるものでは、駐車スペースにおける駐車方向を直接検出することができるものの、超音波装置等の測距手段を用いるものに比べてコストが大きくなってしまうという問題がある。
【0004】
そこで本発明は上記従来の技術の未解決の問題点に着目してなされたものであり、駐車スペースに駐車するときの駐車方向を、測距手段を用いて、当該駐車スペース周囲にある検出対象物に適合する方向に設定できる車両用駐車方向設定装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明である車両用駐車方向設定装置は、自車両から当該自車両の側方向にある検出対象物までの距離情報を検出する測距手段と、前記距離情報に基づいて、自車両が駐車可能な駐車スペースを検出する駐車スペース検出手段と、前記駐車スペース近傍にある検出対象物の側面を検出する検出対象物側面検出手段と、前記検出対象物側面検出手段によって前記検出対象物の側面が検出された場合には前記検出対象物の側面を基準面として設定し、前記検出対象物側面検出手段によって前記検出対象物の側面が検出されなかった場合には自車両進行方向と平行な垂直面を基準面として設定する基準面設定手段と、前記基準面として前記検出対象物の側面が設定されたときには当該基準面に平行な方向に前記駐車スペースに自車両を駐車するときの駐車方向を設定し、前記基準面として自車両進行方向に平行な垂直面が設定されたときには当該基準面に垂直な方向に前記駐車方向を設定する方向設定手段と、を有することを特徴とする
【0007】
さらに、請求項2に係る発明は、自車両から当該自車両の側方にある検出対象物までの距離情報を検出する測距手段と、前記距離情報に基づいて、自車両が駐車可能な駐車スペースを検出する駐車スペース検出手段と、前記駐車スペース近傍にある検出対象物の側面を検出する検出対象物側面検出手段と、前記検出対象物側面検出手段の検出結果に基づいて前記検出対象物の側面又は自車両進行方向と平行な垂直面の何れかを基準面として設定する基準面設定手段と、前記基準面として前記検出対象物の側面が設定されたときには当該基準面に平行な方向に前記駐車スペースに自車両を駐車するときの駐車方向を設定し、前記基準面として自車両進行方向に平行な垂直面が設定されたときには当該基準面に垂直な方向に前記駐車方向を設定する方向設定手段と、を備え、前記基準面設定手段は、前記検出対象物側面検出手段で検出対象物の側面と自車両進行方向に平行な垂直面とがなす角を検出し、それらのなす角のうち大きい方の値が所定のしきい値以上であるときに前記検出対象物の側面を基準面として設定することを特徴とする。
【0008】
【発明の効果】
したがって、請求項1に係る発明である車両用駐車方向設定装置にあっては、自車両から検出対象物までの距離情報を検出し、その距離情報に基づいて自車両を駐車可能な駐車スペースを検出すると共に、前記駐車スペースに自車両が駐車されたときには、当該自車両の側面とほぼ平行になる検出対象物の側面を検出し、その検出結果に基づいて、前記駐車スペースに自車両を駐車するときの駐車方向を設定するため、駐車されている車両の前面又は背面の凹凸等には影響されず、自車両を駐車スペースに駐車するときの駐車方向を、当該駐車スペース周囲にある検出対象物に適合する方向に設定できる。
【0009】
また、超音波センサ等の測距手段を用いて構成できるため、カメラ等の撮像装置を用いるものに比べて、製造コストが安くて済むという利点がある。
さらに、自車両の側方向にある検出対象物までの距離情報を検出すると共に、前記検出対象物の側面の検出結果に基づいて前記検出対象物の側面又は自車両進行方向と平行な垂直面の何れかを基準面として設定し、前記基準面として前記検出対象物の側面が設定されたときには当該基準面に平行な方向に前記駐車方向を設定し、前記基準面として自車両進行方向に平行な垂直面が設定されたときには当該基準面に垂直な方向に前記駐車方向を設定するため、例えば前記距離情報に基づいて、前記検出対象物の側面が検出された場合には前記検出対象物の側面を基準面として設定し、検出されていない場合には自車両進行方向と平行な垂直面を基準面として設定し、適切な基準面を設定することで、自車両を駐車スペースに駐車するときの駐車方向を、当該駐車スペース周囲にある検出対象物に適合する方向に設定することができる。
【0010】
またさらに、請求項2に係る発明である車両用駐車方向設定装置にあっては、前記検出対象物の側面と自車両進行方向に平行な垂直面とがなす角を検出し、それらのなす角のうち大きい方の値が所定のしきい値以上であるときに前記検出対象物の側面を基準面として設定するため、駐車車両が駐車枠内で傾いているような場合には、自車両進行方向と平行な垂直面を基準面として設定でき、自車両を駐車スペースに駐車するときの駐車方向を、当該駐車スペース周囲にある検出対象物に適合する方向に設定することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両用駐車方向設定装置を用いて、駐車場で自車両を駐車できる駐車枠を検出する例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す概略構成図であり、図1において、車両前方側のバンパーの両側端部には、車両側方に超音波を発信して反射波を受信する超音波センサ1が設けられており、その反射波に基づいて車両側方に駐車されている他車両までの距離情報を検出し、周囲環境認識装置2に出力するようになっている。
【0012】
この周囲環境認識装置2は、前記超音波センサ1で検出された駐車車両までの距離情報や、図示しない自立航法ユニットで検出された自車両の位置情報が入力されるマイクロコンピュータ等の離散化されたディジタルシステムで構成され、車両進行に伴って検出される障害物までの距離と自車両の位置情報とに基づいて、自車両周囲にある駐車車両位置を認識し、それら駐車車両がなく自車両を駐車可能な場所を駐車枠候補として検出して、処理装置3に出力するようになっている。
【0013】
処理装置3は、図示しないマイクロコンピュータ等の離散化されたディジタルシステムで構成され、前記超音波センサ1と周囲環境認識装置2とからの出力に基づいて、後述する駐車方向推定処理を実行し、前記周囲環境認識装置2で検出した駐車枠候補に車両を駐車するときの駐車方向を推定するようになっている。本実施の形態における駐車方向推定処理は、所定のスイッチが操作されることによって実行される処理であって、具体的には、その処理の手順の概要を表すフローチャートである、図2に示すように、先ずそのステップS101では、超音波センサ1をON状態にし、ステップS102に移行する。
【0014】
前記ステップS102では、前記周囲環境認識装置2で検出された駐車枠候補の情報を読み込んで、ステップS103に移行する。
前記ステップS103では、前記超音波センサ1の検出結果に基づいて、前記駐車枠候補近傍に駐車されている他車両の側面が当該超音波センサ1で検出されているか否かを判定し、検出されている場合には(Yes)ステップS104に移行し、そうでない場合には(No)ステップS107に移行する。
【0015】
前記他車両の側面が検出されているか否かを判定する方法を具体的に説明すると、まず前記超音波センサ1の検出結果に統計処理を施して、異なる方向を向いている2つの面が前記駐車枠候補近傍にあるか否かを判定する。次いで前記2つの面が検出されている場合には、それらの面に対応する近似直線を最小二乗法でそれぞれ算出し、それらの近似直線の離間距離が所定値(例えば、自車両の車幅の半分の長さ)よりも小さいか否かを判定する。
【0016】
そして、図3(a)に示すように、前記2つの面が前記駐車枠候補近傍にあって、それらの面に対応する近似直線の離間距離が前記所定値よりも小さい場合には、前記2つの面のうち、自車両進行方向に平行な垂直面となす角が90°に近いほうの面を前記他車両の側面であると判断し、そうでない場合には図3(b)に示すように前記他車両が自車両進行方向に対して直交する方向に駐車されていて、前記他車両の側面が検出されていないと判断する。
【0017】
前記ステップS104では、図4に示すように、駐車場の通路に対して、車両を傾けて駐車させるような駐車枠が設けられているか否かを判定するようになっている。具体的には、前記ステップS103で算出された近似直線に基づいて、前記超音波センサ1で検出された駐車車両の側面と自車両進行方向に平行な垂直面とがなす角を検出すると共に、それらのなす角のうち大きい方の値θが所定のしきい値θcより大きいか否かを判定し、大きい場合には(Yes)ステップS105に移行し、図5に示すように、そうでない場合には(No)前記ステップS107に移行する。
【0018】
前記ステップS105では、図4に示すように、前記超音波センサ1で検出された駐車車両の側面を基準面として設定し、ステップS106に移行する。
前記ステップS106では、前記ステップS105で設定した基準面に平行な方向に、前記周囲環境認識装置2で検出された駐車枠候補における駐車方向を推定し、ステップS109に移行する。
一方、前記ステップS107では、図6に示すように、自車両進行方向に平行な垂直面を基準面として設定し、ステップS108に移行する。
【0019】
前記ステップS108では、前記ステップS107で設定した基準面に垂直な方向に、前記周囲環境認識装置2で検出された駐車枠候補における駐車方向を推定し、前記ステップS109に移行する。
前記ステップS109では、前記ステップS106又はS108で設定した駐車方向に基づいて前記周囲環境認識装置2で検出された駐車枠を確定し、この演算処理を終了する。
【0020】
次に、車両前方を通路側に向けて駐車させる駐車枠が当該通路に沿って複数設けられている駐車場で、本実施形態の車両用駐車方向設定装置を用いて自車両を駐車させるときの動作を詳細に説明する。
先ず、駐車場の通路を走行中に、運転者が所定のスイッチを操作したとする。すると、処理装置3で駐車方向推定処理が実行されて、図2に示すように、先ずそのステップS101で超音波センサ1がON状態にされ、ステップS102で周囲環境認識装置2から駐車枠候補の情報が読み込まれる。
【0021】
ここで、駐車車両の前後方向が前記通路と直交する方向に向けられていて、前記駐車枠候補近傍に駐車されている他車両の側面が、前記超音波センサ1で検出されなかったとする。すると、ステップS103の判定が「No」となり、図6に示すように、ステップS107で自車両進行方向に平行な垂直面が基準面として設定され、ステップS108で前記基準面に垂直な方向に、前記周囲環境認識装置2から読み込まれた駐車枠候補における駐車方向が推定され、ステップS109で、前記駐車方向に基づいて前記周囲環境認識装置2で検出された駐車枠が確定され、この演算処理が終了される。
【0022】
このように、本実施形態では、前記他車両の側面の検出結果に基づいて基準面を設定するため、例えば図7に示すように、背面スペアタイヤキャリアを備えた車両が車両後方を通路側に向けて駐車されていたとしても、前記駐車方向の推定結果は当該背面スペアタイヤキャリアには影響されず、駐車枠における駐車方向は、当該駐車枠周囲にある他車両に適合する方向に推定される。
ちなみに、図8に示すように、駐車されている車両の前面又は背面を超音波センサ1で検出するようにした場合、前記背面スペアタイヤキャリアと車両背面とを連続した平面として検出して、駐車枠における駐車方向を正しく検出できない恐れがある。
【0023】
また、超音波センサ1を用いて構成されるため、カメラ等の撮像装置を用いるものに比べて、製造コストが小さくて済むという利点がある。
一方、前記他車両の側面が前記超音波センサ1で検出され、且つ、当該他車両の側面と自車両進行方向に平行な垂直面とがなす角のうち大きい方の値θが所定のしきい値θcより小さく検出されたとする。すると、前記ステップS103の判定が「Yes」となり、またステップS104の判定が「No」となり、前記ステップS107〜S109を経て、この演算処理が終了される。
【0024】
このように、本実施形態では、例えば図5に示すように、前記他車両が僅かに傾いて駐車されていてい、当該他車両の側面が僅かに検出されたときにも、自車両進行方向と平行な垂直面が基準面として設定され、駐車枠における駐車方向は、当該駐車枠周囲にある他車両に適合する方向に推定される。
また一方、前記他車両の側面が前記超音波センサ1で検出され、且つ、当該他車両の側面と自車両進行方向に平行な垂直面とがなす角のうち大きい方の値θが所定のしきい値θcより大きく検出されたとする。すると、前記ステップS103及びS104の判定が「Yes」となり、前記ステップS105で、図4に示すように、他車両の側面が基準面として設定され、ステップS106で前記基準面に平行な方向に、前記周囲環境認識装置2で検出された駐車枠候補における駐車方向が推定され、ステップS109を経て、この演算処理が終了される。
【0025】
このように、本実施形態では、例えば図4に示すように、駐車場の通路に対して、駐車枠が傾けて設けられているときには、前記他車両の側面が基準面として設定され、駐車枠における駐車方向は、当該駐車枠周囲にある他車両に適合する方向に推定される。
なお、上記実施形態では、超音波センサ1は測距手段に対応し、周囲環境認識装置2は駐車スペース検出手段に対応し、ステップS103は検出対象物側面検出手段に対応し、ステップS105〜S108は駐車方向設定手段に対応し、ステップS105及びS107は基準面設定手段に対応し、ステップS106及びS108は方向設定手段に対応する。
【0026】
また、上記実施の形態は本発明の車両用駐車方向設定装置の一例を示したものであり、装置の構成等を限定するものではない。
例えば上記実施の形態にあっては、超音波センサ1で駐車されている他車両を検出する例を示したが、検出対象は駐車車両に限定されるものではなく、例えば駐車場の壁面であってもよいし、他の障害物であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用駐車方向設定装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の処理装置で実行される駐車方向推定処理を示すフローチャートである。
【図3】駐車枠候補近傍に駐車されている他車両の側面が検出されているか否かを判定する方法を説明するための説明図である。
【図4】駐車枠候補近傍に駐車されている他車両の側面を基準面として設定する場合を説明するための平面図である。
【図5】駐車枠候補近傍に駐車されている他車両の側面と自車両進行方向に平行な垂直面とがなす角を説明するための平面図である。
【図6】自車両進行方向と平行な垂直面を基準面として設定する場合を説明するための平面図である。
【図7】駐車枠候補近傍に背面スペアタイヤキャリアを備えた車両が駐車されている場合を説明するための平面図である。
【図8】駐車枠候補近傍に駐車されている他車両の前面又は背面を超音波センサで検出する従来例を説明するための平面図である。
【符号の説明】
1は超音波センサ
2は周囲環境認識装置
3は処理装置
Claims (2)
- 自車両から当該自車両の側方向にある検出対象物までの距離情報を検出する測距手段と、前記距離情報に基づいて、自車両が駐車可能な駐車スペースを検出する駐車スペース検出手段と、前記駐車スペース近傍にある検出対象物の側面を検出する検出対象物側面検出手段と、前記検出対象物側面検出手段によって前記検出対象物の側面が検出された場合には前記検出対象物の側面を基準面として設定し、前記検出対象物側面検出手段によって前記検出対象物の側面が検出されなかった場合には自車両進行方向と平行な垂直面を基準面として設定する基準面設定手段と、前記基準面として前記検出対象物の側面が設定されたときには当該基準面に平行な方向に前記駐車スペースに自車両を駐車するときの駐車方向を設定し、前記基準面として自車両進行方向に平行な垂直面が設定されたときには当該基準面に垂直な方向に前記駐車方向を設定する方向設定手段と、を備えたことを特徴とする車両用駐車方向設定装置。
- 自車両から当該自車両の側方にある検出対象物までの距離情報を検出する測距手段と、前記距離情報に基づいて、自車両が駐車可能な駐車スペースを検出する駐車スペース検出手段と、前記駐車スペース近傍にある検出対象物の側面を検出する検出対象物側面検出手段と、前記検出対象物側面検出手段の検出結果に基づいて前記検出対象物の側面又は自車両進行方向と平行な垂直面の何れかを基準面として設定する基準面設定手段と、前記基準面として前記検出対象物の側面が設定されたときには当該基準面に平行な方向に前記駐車スペースに自車両を駐車するときの駐車方向を設定し、前記基準面として自車両進行方向に平行な垂直面が設定されたときには当該基準面に垂直な方向に前記駐車方向を設定する方向設定手段と、を備え、
前記基準面設定手段は、前記検出対象物側面検出手段で検出対象物の側面と自車両進行方向に平行な垂直面とがなす角を検出し、それらのなす角のうち大きい方の値が所定のしきい値以上であるときに前記検出対象物の側面を基準面として設定することを特徴とする車両用駐車方向設定装置。
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