JP3991547B2 - 電子写真感光体とその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
電子写真感光体とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真の感光体は、従来用いられていたセレンや硫化カドニウム等を用いる無機感光体から、有機感光体へ移行し始めてからかなりの期間を経過している。最近では一部アモルファスシリコン系の素材も開発されているが、殆どの電子写真感光体は有機感光体という状況になっている。
【0003】
これは有機系の素材が幅広く開発され、多様な性能をもつ感光体を作り出すことが出来るようになったことによろう。従って、今日においては環境問題や製造時の効率化に対応しながら、電子写真感光体としての諸特性も高い有機感光体を開発することが出来るようになってきた。
【0004】
その中で、現在でも問題として残っているものの一つに電荷輸送層塗布液の溶媒の選択がある。例えばハロゲン系化合物は電荷輸送層用の溶媒として優れた特性を有するものがあるが、それらは有害なものであり、工業生産に適した高い溶解力と適正な沸点を有するものは見いだしにくい。
【0005】
特開平10−207090号公報には、電荷輸送層塗布液用の溶媒として非ハロゲン系のテトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、トルエンを用いる技術を開示しているが、THFは引火点が低く危険であり、ジオキサンに関しては発ガン性の問題があるといわれている。
【0006】
上記のごとく、電子写真感光体の電荷輸送層塗布液用の溶媒として、ハロゲン系化合物のごとくオゾンホール拡大や発ガン性等の毒性がないので、環境問題を起こさず、溶解力が高く、適正な沸点を有しているので、塗布中にブラッシング等の故障を起こさず、電子写真特性に悪影響を与えない溶媒は見いだされていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、オゾンホール拡大や発ガン性等の毒性がないので環境問題を起こさず、溶解力が高く、適正な沸点を有しているので塗布中にブラッシング等の故障を起こさず、電子写真特性に悪影響を与えない電荷輸送層塗布液用の溶媒を用いた電子写真感光体の製造方法と、其れによって造られた電子写真感光体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討した結果、ジオキソラン系化合物は優れた特性を有し、毒性等の環境問題もないが、電荷輸送層塗布液を塗布した後乾燥させる工程において、ブラッシングを起こしやすい。しかし、炭化水素系化合物を併用添加するとこれを抑制することが出来、さらに塗布膜厚をより均一にすることが出来ることを見いだし本発明に至った。
【0009】
〔1〕 電荷輸送層塗布液に使用する溶媒としてジオキソラン系化合物と炭化水素系化合物との少なくとも2種を混合して用い、更にシリコーンオイルを含有させたことを特徴とする電子写真感光体。
【0010】
〔2〕 炭化水素系化合物がトルエンであることを特徴とする〔1〕に記載の電子写真感光体。
【0011】
〔3〕 電荷輸送層塗布液の粘度が0.030〜1.500Pa・sであることを特徴とする〔1〕に記載の電子写真感光体。
【0012】
〔4〕 電荷輸送層塗布液に使用する溶媒をジオキソラン系化合物と炭化水素系化合物を混合して用い、更にシリコーンオイルを含有させることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
【0013】
電子写真感光体、特に有機感光体の場合にはその感光層や感光補助層を形成するために、それらを構成する化合物を溶媒に溶かして塗布するのが最もよい製造方法である。
【0014】
しかし、従来広く使用されてきた電子写真感光体層用の塗布溶媒は、メチレンクロライド、エチレンクロライド、クロロホルム、モノクロロベンゼン等の含ハロゲン元素の有機溶媒であり、これらは環境問題、発癌性等の見地から使用制限の方向へ向かいつつある。
【0015】
ハロゲンを含まない有機溶媒としてはトルエン、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサン等が用いられてきたが、電荷輸送物質等の塗布物に対する溶解能不足から粘度上昇をまねいたり、塗布液を高濃度化出来ないことからくる塗布膜厚の不足等の問題点を解決出来ていない。特に電荷輸送層の場合12μm以上の膜厚が必要とされるが、例えばポリカーボネートをバインダとして用いる場合には、少くとも5質量%以上、好ましくは8質量%以上の高濃度の塗布液で、0.3Pa・S(22℃)以下の粘度とする必要がある。しかし、このような特性は、上記ハロゲンを含まない有機溶媒では得られず、従ってどうしても塗布するのであれば、2〜3回に分けて塗布するといった方法を採らねばならないことがある。
【0016】
なお、後述する如くポリカーボネートは優れたバインダとして電子写真感光体の感光層、特に電荷輸送層に用いられることが多い。ポリカーボネートのハロゲンを含まない良溶媒として、分子内に酸素原子を2個含む環状エーテルのジオキサンがあるが、ジオキサンは毒性が強く、発ガン性もあり製造工程に投入できない。
【0017】
本発明のジオキソラン系化合物とは、環状5員環エーテル化合物で分子内に互いに隣合っていない酸素原子2個を含むジオキソラン核を有する化合物である。このうち本発明に係わるジオキソラン誘導体は、分子構造中にジオキソラン核を有し、感光体に使用するバインダその他の添加物を溶解し、感光体を製造する場合、乾燥出来るものであればよいが、通常は沸点200℃以下のものが使用される。
【0018】
本発明においてジオキソラン系化合物は、具体的には下記一般式(1)で表されるものが好ましく用いられる。
【0019】
【化1】
Figure 0003991547
【0020】
式中、R1〜R6は水素原子又は炭素原子数1〜4の置換又は未置換のアルキル基を表す。又、R5とR6或いはR1〜R4の少くとも2個の基が結合し環を形成していても良い。
【0021】
このアルキル基の置換基としては任意のもので良いが、好ましくは各々炭素原子数1〜4のアルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基或いはヒドロキシル基が挙げられる。又、R5とR6が、或いはR1〜R4の少なくとも2個が、結合して形成される環としては、任意のものがあるが、好ましくは5〜6員の芳香環(例えばベンゼン環)又は、非芳香環(例えばシクロヘキサン環)が挙げられる。
【0022】
これらの中、R5、R6の少なくともどちらかが水素原子であるもの、又はR1及びR3が水素原子であるものが好ましく、R1〜R6のすべてが水素原子であるものが特に好ましい。
【0023】
また、本発明の化合物の沸点は、常圧で200℃以下であるものが好ましいが、その下限としては74℃以上であるものが好ましい。沸点150℃以下のものが更に好ましく、74〜130℃のものが特に好ましい。
【0024】
この理由は、沸点が高いと乾燥工程が長くなりコスト的に不利になるためであり、沸点が200℃より高いと実用上不利になる。
【0025】
本発明に好ましく用いることの出来る具体的化合物例を下記に示すが、これらは数種混合使用しても良い。
【0026】
【化2】
Figure 0003991547
【0027】
【化3】
Figure 0003991547
【0028】
【化4】
Figure 0003991547
【0029】
【化5】
Figure 0003991547
【0030】
一方、炭化水素系化合物とは、代表的にはトルエン、キシレン、ヘプタン等である。一般的には炭素原子数が5〜10程度であり、沸点70〜150℃のものがよいが、数種混合使用してもよい。混合するジオキソラン系化合物に比べてやや沸点が高い方がさらによく、特にトルエンが好ましい。
【0031】
上記ジオキソラン系化合物と炭化水素系化合物とは各々少なくとも1種ずつ用いる必要があり、何れかを複数種用いてもよいし、各々をそれぞれ複数種用いても良い。更には本発明の効果を大きく損ねない範囲で、他の溶媒を混合使用してもよい。
【0032】
これら混合使用されるジオキソラン系化合物と炭化水素系化合物の混合比はジオキソラン系化合物/炭化水素系化合物の質量比で、90〜30/10〜70が好ましい。更には85〜40/15〜60がよい。
【0033】
これらのジオキソラン系化合物に炭化水素系化合物を加えた混合溶媒が塗布層の顕著なブラッシング防止と膜厚均一化の効果を示す理由については、完全に明らかになっているわけではない。
【0034】
推測するにジオキソラン系化合物の蒸発潜熱は大きく、水との親和力が大きいので、これを単独で用いると乾燥時に局部的に温度が下がりやすい。其れによってブラッシングと膜厚不均一化が起こるが、炭化水素系化合物を加えると乾燥速度がやや抑えられ、結果的に上記故障がでなくなるのであろう。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明に好ましく用いられる電荷輸送層用のバインダとしては、ポリカーボネート、ポリエステルポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリスチレン系共重合体、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリアクリレート系共重合体、フェノキシ樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル系共重合体、ポリ酢酸ビニル系共重合体、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等がある。
【0036】
その中で、より好ましくはポリカーボネート系のものが良く、例えばビスフェノールA型ポリカーボネート(BPA)、ビスフェノールZ型ポリカーボネート、或いは下記ポリカーボネート類が良い。即ち特開平3−171056号のp5〜p7記載のもの、特開平5−113670号のp5〜p7記載のもの、特開平8−87119号のp26〜p29、p36〜p41、p52〜p57、p61〜p63に記載のSi元素含有ポリカーボネート、特開平3−45958号のp3、特開平5−188628号に記載のF原子含有ポリカーボネート、特開平4−179961号に記載のポリカーボネート、特開平7−13361号のp6〜p13に記載のポリカーボネート、特開平8−272125号のp9〜p14に記載のポリカーボネート等である。
【0037】
更に、本発明の感光体用塗布組成物にはシリコーンオイルを含有させることも塗布性の向上等から好ましい。
【0038】
シリコーンオイルとしては、特開昭54−143643号、特開昭57−5050号、特開昭57−212453号、特開昭59−208556号、特開昭63−80262号、特開平1−234854号、特開平4−199154号、特開平5−27456号等記載のシリコーンオイルが挙げられる。特にはメチルフェニルシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイルが好ましく、又、含有される層の固形分中における含有量は10〜1000ppmがよい。
【0039】
次に前記感光層を支持する導電性支持体としては、アルミニウム、ニッケルなどの金属板・金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックフィルム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックフィルム・ドラムを使用することができる。
【0040】
又、下引き層を設ける場合は、ナイロン等ポリアミド系の化合物を用いた樹脂系下引き層、或いは有機金属化合物及びシランカップリング剤を用いるいわゆるセラミック系下引き層(硬化性下引き層ともいう)が好ましく用いられる。
【0041】
感光層の形成は、有機光導電性層、特に電荷輸送物質と電荷発生物質を双方含有する機能分離型、特に各々を別層とし重層塗布して形成することが好ましい。
【0042】
電荷発生層は、電荷発生物質(CGM)を必要に応じてバインダ樹脂中に分散させて形成される。CGMとしては、金属又は無金属フタロシアニン化合物、ビスアゾ化合物、トリスアゾ化合物等のアゾ化合物、スクエアリウム化合物、アズレニウム化合物、ペリレン系化合物、インジコ化合物、キナクリドン化合物、多環キノン系化合物、シアニン色素、キサンテン染料、ポリ−N−ビニルカルバゾールとトリニトロフルオレノンなどからなる電荷移動錯体等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。またこれらは必要に応じて二種以上混合して用いてもよい。
【0043】
ただし、本発明の目的を最も高いレベルで達成するためには、ペリレン化合物の一種、イミダゾールペリレン化合物や金属フタロシアニン化合物であるチタニルフタロシアニン(TiOPc)、ガリウムフタロシアニン(GaPc)、又はヒドロキシガリウムフタロシアニン(GaOHPc)などが好ましい。
【0044】
また、電荷発生層に使用可能なバインダとしては、例えばポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリメタクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ボリビニルブチラール樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリシリコーン樹脂、ポリメラミン樹脂、並びにこれら樹脂の繰り返し単位のうち二つ以上を含む共重合体樹脂、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、また高分子有機半導体、例えばポリ−N−ビニルカルバゾール等が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
【0045】
上記のうちCGMとしてイミダゾールペリレン化合物を用いた場合に好ましいバインダとしては、ポリビニルブチラール樹脂が挙げられ、TiOPcを用いた場合に好ましいバインダとしては、ポリシリコーン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂が、或いはポリシリコーン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂の両方を混合したものなどが挙げられる。
【0046】
電荷輸送層は、電荷輸送物質(CTM)を単独で、或いはバインダ樹脂とともに構成される。CTMとしては、例えばカルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセン等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。またこれらは単独でも、二種以上の混合で用いてもよい。
【0047】
又、電荷輸送層に使用可能なバインダ樹脂としては、前記したごとく、例えばポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。また繰り返し使用した際の疲労劣化を少なくするために、或いは耐久性を向上させるために、感光体の各層何れにでも従来公知の酸化防止剤、電子受容性物質、表面改質剤、可塑剤等、環境依存性低減剤などを、必要に応じて適当量添加して用いることができる。
【0048】
又、耐久性向上のために、必要に応じて感光層以外に保護層等の非感光層(補助層)を設けてもよく、この層中に前記電荷輸送物質を添加して、いわゆる複層型の電荷輸送層を持つ感光体としてもよい。
【0049】
また本発明の感光体には、その他、感色性補正の染料を添加してもよい。
本発明における感光体の構成は電荷発生層を下にし電荷輸送層を上にした積層型の感光体とするのが望ましいが、本発明の効果はそのような構成に限定されるものではなく種々の形態において発揮される。図1(a)〜(f)に代表的な構成を示す。
【0050】
図1(a)の場合、導電性支持体1上に電荷発生層2を形成し、これに電荷輸送層3を積層して感光層4を形成したものであり、(b)はこれらの電荷発生層2と電荷輸送層3を逆にした感光層4を形成したものである。(c)は(a)の層構成の感光層4と導電性支持体1の間に下引き層5を設けたものであり、(d)は(b)の層構成において感光層4と導電性支持体1との間に下引き層5を設けたものである。(e)は電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する感光層4′を形成したものであり、(f)はこのような感光層4′と導電性支持体1との間に下引き層5を設けたものである。(a)〜(f)の構成において、最表層には更に保護層を設けることができる。
【0051】
これら感光層やその補助層を塗布する方式としては、浸漬法(ディピング法)、スプレー法、ブレード法、スライドホッパー法等各種のものがあるが、特にスライドホッパー法の一種である円形量規制型塗布方式(装置)を用いて塗布するのがよい。これらの技術については、特開昭58−189061号、特開平8−318209号、或いは特開平9−10654号等に記載されている。
【0052】
次に、本発明の画像形成方法、画像形成装置に用いることができる画像形成装置を説明する。
【0053】
図2の画像形成装置において、図中に記載されていないが原稿に光源からの光を当てて、反射光を画像読みとり部にて電気信号に変え、この画像データーを画像書き込み部101〜103に送っている。尚、101は露光光源、102はポリゴンミラー、103はfθレンズ等の光像補正レンズである。
【0054】
画像形成時には、矢印方向に回転する感光体ドラム104が一様帯電器105により電荷を与えられ帯電される。これに上記画像書き込み部によって像露光がなされ静電潜像が形成された後、現像器106により反転現像される。感光体ドラム上の現像像は転写極(転写器)107により、タイミングをあわせて送り出された記録材108上に転写され、記録材108は分離極(分離器)109によって感光体より分離されて、定着器110へと送られる。
【0055】
分離後の感光体ドラム104はクリーニング装置(クリーニング器)111により転写されずに残留しているトナー等を取り除いて、帯電前露光ランプ(PCL)112を経て次の画像形成のため再び一様帯電器105により帯電される。
【0056】
本発明に用いられる現像方式は、反転現像方式が好ましく、又、クリーニング装置には、ウレタンゴム、シリコーンゴム等の弾性体ゴムブレード(図2の113)を用いた方式が好ましい。
【0057】
尚、上記の転写体は通常は普通紙であるが、オーバーヘッドプロジェクタ(OHP)用のPETベース等転写可能なものを広く含む。
【0058】
更に画像形成の元情報は、上記の他予め画像情報をROM、フロッピーディスク等の画像メモリに記憶させ、必要に応じて画像メモリ内の情報を取り出して画像形成部に出力させることができる。従って本例のように画像読みとり部を持たず、コンピュータ等からの情報をメモリに記憶させ画像形成部へ出力させる装置も本発明の画像形成装置に含まれる。これらの最も一般的なものとしてLEDプリンタやLBP(レーザービームプリンタ)がある。
【0059】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0060】
1.感光体の作製
実施例1
導電性支持体としては鏡面加工を施した直径80mm、高さ355mmのアルミニウムドラム基体を用いた。
【0061】
前記支持体上に下記の下引き層塗布液を調製し、乾燥膜厚1.0μmとなるように塗布した。
【0062】
下引き層塗布液
チタンキレート化合物(TC−750 松本製薬製) 30g
シランカップリング剤(KBM−503 信越化学社製) 17g
2−プロパノール 150ml
この下引き層上に、下記電荷発生層塗布液を分散調液し、膜厚0.5μmとなるよう浸漬塗布した。
【0063】
電荷発生層塗布液
Y型チタニルフタロシアニン(CGM−1) 10g
シリコーン樹脂(KR−5240 信越化学社製) 10g
酢酸−t−ブチル 1000ml
上記塗布液をサンドミルを用いて20時間分散したもの。
【0064】
この電荷発生層上に下記の電荷輸送層塗布液を調製し、乾燥膜厚23μmになるように浸漬塗布した後、105℃、80分間乾燥して感光体を得た。
【0065】
Figure 0003991547
【0066】
【化6】
Figure 0003991547
【0067】
【化7】
Figure 0003991547
【0068】
実施例2
導電性支持体、下引き層、電荷発生層は実施例1と同様に作製し、電荷輸送層は、下記の電荷輸送層塗布液を調製し、乾燥膜厚23μmになるように浸漬塗布した後、105℃、80分間乾燥して感光体を得た。
【0069】
Figure 0003991547
実施例3
導電性支持体は実施例1と同様のものを用い、下記の下引き層塗布液を調液して、乾燥膜厚1.0μmとなるよう浸漬塗布した。
【0070】
下引き層塗布液
共重合ナイロン樹脂(CM−8000 東レ社製) 2.0g
メタノール/n−ブタノール(10/1容積比) 1000ml
この下引き層上に、下記電荷発生層塗布液を分散調液し、膜厚0.5μmとなるよう浸漬塗布した。
【0071】
電荷発生層塗布液
ペリレン系顔料(CGM−2) 50g
ブチラール樹脂(エスレックBX−L 積水化学社製) 50g
メチルエチルケトン 1000ml
この電荷発生層上に下記の電荷輸送層塗布液を調製し、乾燥膜厚23μmになるように浸漬塗布した後、105℃、80分間乾燥して感光体を得た。
【0072】
Figure 0003991547
実施例4
導電性支持体、下引き層、電荷発生層は実施例3と同様に作製し、電荷輸送層は、下記の電荷輸送層塗布液を調製し、乾燥膜厚23μmになるように浸漬塗布した後、105℃、80分間乾燥して感光体を得た。
【0073】
Figure 0003991547
比較例1
実施例1において、電荷輸送層塗布液の溶媒をジオキソラン(化合物例No.1)単独とした。
【0074】
比較例2
実施例3において、電荷輸送層塗布液の溶媒をジオキソラン(化合物例No.5)単独とした。
【0075】
比較例3
実施例4において、電荷輸送層塗布液の溶媒を塩化メチレンとした。
【0076】
2.性能評価
上記のようにして作製された感光体の塗布性(外観、膜厚と偏差)とアナログ複写機U−BIX4045(コニカ社製)を用いて電子写真特性(電位特性)の評価を行った。
【0077】
1)塗布性
外観:
塗布乾燥後の感光体表面状態を、肉眼にて観察した。
【0078】
膜厚と偏差:
感光体膜厚を感光体塗布時の上端部と下端部の何れも有効感光層の端から2.0cm中央部側に入った位置を基体円周に沿って各5点測定し、平均値とそれからの偏差を出した。
【0079】
【表1】
Figure 0003991547
【0080】
2)電子写真特性
上記複写機を改造して表面電位計を備え付けて帯電→露光→除電のプロセスを100回繰り返した時の100回目(100C後)の電位(−V)を測定して評価した。
【0081】
Vb:黒色画像部の電位(−V)
Vg:灰色画像部(濃度=0.20)の電位(−V)
Vw:白色画像部の電位(−V)
Vr:1プロセス終了後の残留電位(−V)
【0082】
【表2】
Figure 0003991547
【0083】
本発明内の実施例1〜4の如く、電荷輸送層塗布液に使用する溶媒をジオキソラン系化合物と炭化水素系化合物を混合して用いた電子写真感光体は、ブラッシング等の故障を起こさず、電子写真特性に悪影響を与えないことがわかる。
【0084】
【発明の効果】
本発明により、オゾンホール拡大や発ガン性等の毒性がないので環境問題を起こさず、溶解力が高く、適正な沸点を有しているので塗布中にブラッシング等の故障を起こさず、電子写真特性に悪影響を与えない電荷輸送層塗布液用の溶媒を用いた電子写真感光体の製造方法と、其れによって造られた電子写真感光体を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる感光体の構成を示す断面図。
【図2】本発明の画像形成装置の概要断面図。
【符号の説明】
1 導電性支持体
2 電荷発生層
3 電荷輸送層
4 感光層
4′ 電荷発生物質と電荷輸送物質を含む感光層
5 下引き層
101 露光光源
102 ポリゴンミラー
103 fθレンズ等の光像補正レンズ
104 感光体ドラム
106 現像器(反転現像方式)
113 弾性体ゴムブレード

Claims (4)

  1. 電荷輸送層塗布液に使用する溶媒としてジオキソラン系化合物と炭化水素系化合物との少なくとも2種を混合して用い、更にシリコーンオイルを含有させたことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 炭化水素系化合物がトルエンであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 電荷輸送層塗布液の粘度が0.030〜1.500Pa・sであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  4. 電荷輸送層塗布液に使用する溶媒をジオキソラン系化合物と炭化水素系化合物を混合して用い、更にシリコーンオイルを含有させることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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