JP3991215B2 - 動圧軸受装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハードディスク装置のスピンドルモータ等に使用される動圧軸受装置に関し、更に詳しくは、スリーブあるいは軸受ハウジングの開口を密閉するスラスト支持部材が、接着剤を用いて固定されている動圧軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータに使用されるハードディスク装置等においては、従来の転がり軸受を使用したスピンドルモータに代わり、静粛性に優れる動圧軸受(あるいは流体軸受)を使用したスピンドルモータが採用され始めている。このようなモータに用いられる動圧軸受装置は、軸(シャフト)と軸の周囲に所定の間隙をおいて配置される軸受(スリーブ)との間に潤滑流体を封入し、これらを相対回転させることで、軸あるいは軸受の表面に形成された動圧溝で発生する動圧により、これら軸と軸受とを非接触の状態に保つ構造のものである。
【0003】
図5は、従来の動圧軸受装置の構造を示す模式的断面図であり、図6は、図5のQ部拡大図である。なお、図示上方(軸方向上部)をこの動圧軸受における密閉端側、図示下方(軸方向下部)をこの動圧軸受における開放端側として説明する。
【0004】
この動圧軸受装置は、動圧溝のポンピング作用によって発生する動圧により、ラジアルとスラスト(アキシャル)の両方向の荷重を負荷するタイプの動圧軸受であり、軸部31とこの軸部31の一端に設けられたフランジ部32とからなるシャフト3と、これら軸部31およびフランジ部32を収納するスリーブ11と、このスリーブ11の一端の開口を密閉するスラスト支持部材(スラスト板)21とから構成されている。
【0005】
軸部31の表面には、ラジアル動圧発生用のV字状あるいはヘリングボーン状等の動圧溝31v,31vが形成され、フランジ部32の両端面には、スラスト動圧発生用のヘリングボーン状あるいはV字状等の動圧溝32v,32vが形成されている。スリーブ11の密閉端側開口には、スラスト支持部材21の外径より大きな内径を有する円周段部11sが形成され、この円周段部11sの内周にスラスト支持部材21が嵌め合わされている。このスラスト支持部材21は、後述する接着剤10によってスリーブ11の円周段部11sに接合固定され、これらシャフト3とスリーブ11およびスラスト支持部材21とによって形成された密閉空間には、動圧発生用の潤滑流体が充填されることとなる。なお、動圧軸受によっては、スラスト支持部材をスリーブに直接接合せず、スリーブを内部に収納することのできる軸受ハウジング(ベース)の開口端面に、スラスト支持部材(スラストプレート)を接合固定する構成を採るものもある。
【0006】
以上ような構成の動圧軸受装置においては、スラスト支持部材の固定方法が、軸受の寸法や性能に大きく関与し、スラスト支持部材の固定を圧入やねじを用いて行なう場合は、スリーブあるいはハウジングの変形(歪)による回転精度への影響が懸念される。そのため、スリーブあるいはハウジングと、スラスト支持部材とを一体化する方法は、前述したように、スラスト支持部材をすきまを開けて嵌め入れ、接着剤等により接合固定する方法が用いられる。
【0007】
このスラスト支持部材21の接合固定は、図6に示すように、スリーブ11の円周段部にスラスト支持部材21を嵌め合わせた状態で、治具等(図示省略)を用いてスラスト支持部材21の内側端面21xを円周段部の端面(合わせ面11x)に密着させつつ、円周段部の内周面11yとスラスト支持部材の外周面21yとの間に形成された環状のすきまSに、接着剤10を流し込むことで行われる。また、この接着剤10は、時間とともに、毛細管現象等によりすきまSの底部にまで浸透し、スリーブ11とスラスト支持部材21を一体化させる。なお、接着剤10の種類は、特に限定されるものではないが、エポキシ樹脂等からなる熱硬化型接着剤が好適に使用され、接着剤の充填後に加温・養生工程を経ることによって、接着剤の完全硬化が行なわれている。
【0008】
このようなスラスト支持部材の接着固定に関し、ハウジング(あるいはスリーブ)の合わせ面とスラスト支持部材との間に径方向のすきまを設け、このすきまに接着剤を充填する提案等がなされている。また、本出願人らも、特許文献1において、スリーブの円周段部を2段に形成し、スリーブとスラスト支持部材との間に形成された軸方向のすきまに接着剤を充填することによって、スラスト支持部材の固着力を向上させる提案等を行なっている。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−13527号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、以上のような動圧軸受装置において、スラスト支持部材の固定力(接着強度)が、製品毎にばらついてしまうという問題があった。また、スラスト支持部材の固定力が不足する製品の場合は、密閉端側への潤滑流体漏れ等のトラブルが懸念される。
【0011】
この問題は、スリーブ(あるいはハウジング)の開口に設けられた円周段部に、スラスト支持部材を嵌め入れる時に発生する径方向の位置ずれに起因すると考えられる。図7は、動圧軸受装置の密閉端におけるスリーブ11とスラスト支持部材21の嵌め合わせの状態を示す模式図である。なお、この図においては、説明の都合上、スリーブ11とスラスト支持部材21との間の径方向すきまを誇張して描いている。
【0012】
一般に、ハードディスク装置等に使用される動圧軸受のスリーブ(あるいはハウジング)は、その外径が5mmから10mm程度と小さな部材である。そのため、このスリーブ11の開口(円周段部)に嵌め合わされるスラスト支持部材21も非常に小さな円板状であり、これらスリーブ11とスラスト支持部材21の径方向すきまも、数十μm程度となっている。図7(a)のように、スラスト支持部材21がスリーブ11開口の径方向略中央に位置した場合は、接着剤が周方向に均等に充填され、スラスト支持部材21は所要の固定力を得ることができる。しかしながら、図7(b)のように、スラスト支持部材21の径方向位置がどちらかに大幅に偏ってしまった場合、接着剤層が極端に薄い部位か、あるいは全く接着剤が充填されない部位が、局所的に発生してしまうことが考えられる。
【0013】
また、前述したように、スリーブの円周段部内周面11yとスラスト支持部材外周面21yとのすきまは非常に小さいため、スラスト支持部材21のすべてを、製品毎に円周段部の径方向中央にセッティングすることは困難である。
【0014】
本発明は、上記する課題に対処するためになされたものであり、スラスト支持部材の固定力にばらつきがなく、潤滑流体の漏れ等のトラブルが防止されることで、その性能を長期にわたって安定して発揮できる動圧軸受装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、シャフトと、スリーブと、このスリーブの開口を密閉する円板状のスラスト支持部材とを備え、前記スリーブの内周には、前記シャフトが僅かの間隙を開けて相対回転自在に嵌合されているとともに、このスリーブの一方の開口に形成された円周段部に前記スラスト支持部材が嵌め入れられ、これらスラスト支持部材の内側端面と円周段部の端面を密着させた状態で、前記スリーブとスラスト支持部材とが、接着剤を用いて一体とされてなる動圧軸受装置において、前記円周段部の内周面と前記スラスト支持部材の外周面の少なくとも一方の周面には、この周面から径方向に突出する凸状部が周方向に連続して形成され、前記凸状部から円周段部端面までの軸方向範囲における前記円周段部の内周面と前記スラスト支持部材の外周面とが接さず、前記接着剤を介して固定されていることを特徴とする。
【0016】
また、請求項2に記載の発明は、シャフトと、スリーブと、これらシャフトとスリーブとを収納する軸受ハウジングと、この軸受ハウジングの開口を密閉する円板状のスラスト支持部材とを備え、前記軸受ハウジング内に収納された前記スリーブの内周には、前記シャフトが僅かの間隙を開けて相対回転自在に嵌合されているとともに、この軸受ハウジングの一方の開口に形成された円周段部に前記スラスト支持部材が嵌め入れられ、これらスラスト支持部材の内側端面と円周段部の端面を密着させた状態で、前記軸受ハウジングとスラスト支持部材とが、接着剤を用いて一体とされてなる動圧軸受装置において、前記円周段部の内周面と前記スラスト支持部材の外周面の少なくとも一方の周面には、この周面から径方向に突出する凸状部が周方向に連続して形成され、前記凸状部から円周段部端面までの軸方向範囲における前記円周段部の内周面と前記スラスト支持部材の外周面とが接さず、前記接着剤を介して固定されていることを特徴とする。
【0017】
一方、前記スラスト支持部材が嵌め入れられる前記円周段部の構成として、その角部に、円周方向に連続する溝が設けられている形状を好適に採用することができる(請求項3)。
【0018】
本発明は、接着剤を用いてスラスト支持部材をスリーブ(あるいは軸受ハウジング)に接合固定する動圧軸受装置において、このスラスト支持部材の固定力を左右する接着剤層の径方向厚みを全周にわたって均一に確保し、局所的に固定力が弱くなる接着剤層の薄い部位の発生を防止することによって、所期の目的を達成しようとするものである。
【0019】
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、スリーブの円周段部の内周面あるいはスラスト支持部材の外周面の少なくとも一方に、スラスト支持部材の径方向の位置決め用の凸状部を形成することによって、このスラスト支持部材が円周段部の径方向略中央に配置され、これらスラスト支持部材の外周面と円周段部内周面とが、接触あるいは局所的に接近し過ぎることを防止することができる。従って、本発明の動圧軸受装置は、接着剤の充填に必要な径方向すきま(すなわち接着剤層の厚み)が、周方向の全周にわたって均一に確保され、所要のスラスト支持部材の固定力を安定して再現することができる。
【0020】
また、本発明の動圧軸受装置は、スラスト支持部材を嵌め入れた場合の径方向の位置が偏った場合でも、スラスト支持部材の確実な固定に必要な最低限の接着剤層の径方向厚みが確保され、スラスト支持部材の固定力の製品毎のばらつきが低減される。従って、スリーブ閉端側への潤滑流体漏れ等のトラブルが未然に防止されることから、品質を向上させる効果も奏することができる。
【0021】
また、請求項2に記載の発明は、スラスト支持部材をスリーブに直接接合せず、スリーブを内部に収納することのできる軸受ハウジングの開口端面に、スラスト支持部材を接合固定する構成の動圧軸受装置に、本発明を適用したものであって、この軸受ハウジングの開口に設けられた円周段部の内周面あるいはスラスト支持部材の外周面の少なくとも一方に、スラスト支持部材の径方向の位置決め用の凸状部を形成することによって、請求項1と同様に、スラスト支持部材の固定に必要な径方向すきま(接着剤層の厚み)が、周方向の全周にわたって確保される。従って、この動圧軸受装置も、所要のスラスト支持部材の固定力を安定して再現することができるとともに、スラスト支持部材の固定力の製品毎のばらつきを低減することができる。
【0022】
一方、請求項3に記載の発明によれば、スラスト支持部材が嵌め入れられるスリーブ(あるいはハウジング)の円周段部端面の角部に、円周方向に連続する溝(円周溝)を設けることにより、スラスト支持部材の固定に用いられる接着剤が、スラスト支持部材とスリーブ(あるいはハウジング)によって形成される密閉空間内に浸入するのを防止することができる。従って、本発明の動圧軸受装置は、潤滑流体への接着剤の混入に起因するトラブルが防止され、寿命の長い動圧軸受装置とすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつこの発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態における動圧軸受装置の構造を示す模式的断面図であり、図2は、図1のP部拡大図である。なお、従来例と同様の機能を有する構成部材には、同じ符号を付記する。
【0024】
本実施の形態における動圧軸受装置も、動圧溝のポンピング作用によって発生する動圧により、ラジアルとスラスト(アキシャル)の両方向の荷重を負荷するタイプの動圧軸受であり、軸部31とフランジ部32を有するシャフト3と、このシャフト3を収納するスリーブ1と、このスリーブ1の一端の開口を密閉するスラスト支持部材(スラスト板)2とから構成されている。
【0025】
軸部31の表面には、ラジアル動圧発生用のV字状あるいはヘリングボーン状等の動圧溝31v,31vが形成され、フランジ部32の両端面には、スラスト動圧発生用のヘリングボーン状あるいはV字状等の動圧溝32v,32vが形成されている。また、スリーブ1の密閉端側開口には、スラスト支持部材2の外径より大きな内径を有する円周段部1sが形成され、この円周段部1sの内周にスラスト支持部材2が嵌め合わされている。
【0026】
本実施の形態における動圧軸受装置の構造的特徴は、図2の拡大図に示すように、スリーブ1の円周段部内周面1yの上縁近傍に、円周方向に連続する凸状部1aが形成されているとともに、その円周段部の角部(合わせ面1xの外縁近傍)に、円周方向に連続する溝(円周溝1b)が形成されている点である。
【0027】
この例におけるスラスト支持部材2の接合固定も、従来例同様、スリーブ1の円周段部にスラスト支持部材2を嵌め合わせた状態で、治具等(図示省略)を用いてスラスト支持部材2の内側端面2xを円周段部の端面(合わせ面11x)に密着させつつ、円周段部の内周面1yとスラスト支持部材の外周面2yとの間に形成された環状のすきまSに、接着剤10を流し込むことで行われる。
【0028】
しかしながら、本実施の形態における動圧軸受装置は、スリーブ1の合わせ面1xの角部に、比較的大きな深さを有する円周溝1bが形成されていることにより、すきまSが急激に拡幅するこの円周溝1bの部位において、毛細管現象による接着剤の浸透が食い止められる。従って、本発明の動圧軸受装置は、スラスト支持部材2とスリーブ1によって形成される密閉空間内に、接着剤が浸入するのを防止することができる。
【0029】
また、本実施の形態における動圧軸受装置は、スリーブ1の円周段部内周面1yに設けられた凸状部1aによって、このスラスト支持部材2の固定力を左右する接着剤10の径方向厚みが、全周にわたって均一に確保される。例えば、図3のように、嵌め入れられたスラスト支持部材2の径方向の位置が偏った場合でも、円周段部に設けられた凸状部1aが、その内周面1yより先にスラスト支持部材2の外周面2yに接することで、スラスト支持部材2の確実な固定に必要な最低限の接着剤10の径方向厚みが維持されることとなる。従って、本実施の形態における動圧軸受装置は、所要のスラスト支持部材2の固定力が安定して再現されることから、製品毎の品質のばらつきを低減することができる。
【0030】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図4は、本発明の第2の実施の形態における動圧軸受装置の構造を示す模式的断面図である。この実施の形態は、スラスト支持部材をスリーブに直接接合せず、スリーブを内部に収納することのできる軸受ハウジングの開口端面(円周段部)に、スラスト支持部材を接合固定するタイプの動圧軸受装置に本発明を適用した例である。
【0031】
本実施の形態における動圧軸受装置も、動圧溝のポンピング作用によって発生する動圧により、ラジアルとスラスト(アキシャル)の両方向の荷重を負荷する動圧軸受であり、軸部とフランジ部を有するシャフト7と、このシャフト7の軸部の周囲に配置されるスリーブ5と、これらシャフト7とスリーブ5とを収納するハウジング4と、このハウジング4の一端の開口を密閉するスラスト支持部材(スラスト板)6とから構成されている。
【0032】
また、この動圧軸受装置も、第1の実施の形態同様、ハウジング4の円周段部4sの内周面の上縁近傍に、円周方向に連続する凸状部4aが形成されているとともに、その円周段部4sの角部に、円周方向に連続する溝(円周溝4b)が形成されている
【0033】
以上の構成により、この動圧軸受装置も、毛細管現象によるハウジング内部の密閉空間への接着剤10の浸出が防止されるとともに、スラスト支持部材6の固定する接着剤10の径方向厚みが、全周にわたって均一に確保される。従って、本実施の形態における動圧軸受装置も、内部に充填される潤滑流体への接着剤10の混入がなく、スラスト支持部材6の固定力が安定して再現されることから、製品毎の品質のばらつきを低減することができる。
【0034】
なお、以上2つの実施の形態においては、スラスト支持部材の位置決めをする凸状部を、スリーブ(あるいはハウジング)の円周段部内周面に設けた例を示したが、この凸状部はスラスト支持部材の外周面あるいはこれらの両者に設けても良く、その形状や軸方向位置も、これらの実施の形態における例に限定されるものではない。
【0035】
また、円周段部の角部(合わせ面の外縁近傍)に設けられた円周溝の断面形状も、これら実施の形態での例に限定されることなく、毛細管現象による接着剤の密閉空間への浸出を防止できる形状であれば、どのような断面形状であっても良く、この円周溝はスラスト支持部材の内側端面に設けても良い。
【0036】
更にまた、動圧軸受におけるラジアル動圧溝およびスラスト動圧溝は、シャフトあるいはスリーブのどちら側に設けられていても良く、本発明は、シャフト回転もしくはスリーブ回転のどちらのタイプの動圧軸受装置にも、等しく適用することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、スラスト支持部材の固定力の製品毎のばらつきが低減され、潤滑流体の漏れ等のトラブルが防止されることにより、その性能を長期にわたって安定して発揮できる動圧軸受装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態における動圧軸受装置の構造を示す模式的断面図である。
【図2】 図1のP部拡大図である。
【図3】 第1の実施の形態において、スラスト支持部材2の径方向位置が偏った場合を示す説明図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態における動圧軸受装置の構造を示す模式的断面図である。
【図5】 従来の動圧軸受装置の構造を示す模式的断面図である。
【図6】 図5のQ部拡大図である。
【図7】 従来の動圧軸受装置において、スラスト支持部材21の径方向位置が偏った場合を示す説明図である。
【符号の説明】
1,5 スリーブ
1a 凸状部
1b,1d 円周溝
1s 円周段部
1x 合わせ面
1y 円周段部内周面
2,6 スラスト支持部材
2x,6x 内側端面
2y,6y 外周面
3,7 シャフト
4 ハウジング
4a 凸状部
4b 円周溝
4s 円周段部
4x 合わせ面
10 接着剤
11 スリーブ
21 スラスト支持部材
31 軸部
31v 動圧溝
32 フランジ部
32v 動圧溝
Claims (3)
- シャフトと、スリーブと、このスリーブの開口を密閉する円板状のスラスト支持部材とを備え、前記スリーブの内周には、前記シャフトが僅かの間隙を開けて相対回転自在に嵌合されているとともに、このスリーブの一方の開口に形成された円周段部に前記スラスト支持部材が嵌め入れられ、これらスラスト支持部材の内側端面と円周段部の端面を密着させた状態で、前記スリーブとスラスト支持部材とが、接着剤を用いて一体とされてなる動圧軸受装置において、
前記円周段部の内周面と前記スラスト支持部材の外周面の少なくとも一方の周面には、この周面から径方向に突出する凸状部が周方向に連続して形成され、前記凸状部から円周段部端面までの軸方向範囲における前記円周段部の内周面と前記スラスト支持部材の外周面とが接さず、前記接着剤を介して固定されていることを特徴とする動圧軸受装置。 - シャフトと、スリーブと、これらシャフトとスリーブとを収納する軸受ハウジングと、この軸受ハウジングの開口を密閉する円板状のスラスト支持部材とを備え、前記軸受ハウジング内に収納された前記スリーブの内周には、前記シャフトが僅かの間隙を開けて相対回転自在に嵌合されているとともに、この軸受ハウジングの一方の開口に形成された円周段部に前記スラスト支持部材が嵌め入れられ、これらスラスト支持部材の内側端面と円周段部の端面を密着させた状態で、前記軸受ハウジングとスラスト支持部材とが、接着剤を用いて一体とされてなる動圧軸受装置において、
前記円周段部の内周面と前記スラスト支持部材の外周面の少なくとも一方の周面には、この周面から径方向に突出する凸状部が周方向に連続して形成され、前記凸状部から円周段部端面までの軸方向範囲における前記円周段部の内周面と前記スラスト支持部材の外周面とが接さず、前記接着剤を介して固定されていることを特徴とする動圧軸受装置。 - 前記円周段部の角部に、円周方向に連続する溝が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の動圧軸受装置。
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