JP3990932B2 - スライドドア用給電構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャタピラ状のプロテクタ内にワイヤハーネスを配索して車両ボディからスライドドア側の補機に常時給電を行うスライドドア用給電構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は、USパテント6174020B1に記載された従来のスライドドア用給電構造を示すものである。
【0003】
自動車のスライドドア51はヒンジ52で車両ボディ53のガイドレールにスライド自在に係合し、車両ボディ53のドア開口部54の下側においてヒンジ52から車両ボディ53にかけてキャタピラ状(式)のプロテクタ55が屈曲自在に配設され、ワイヤハーネス56がプロテクタ55内に挿通され、ワイヤハーネス56の一方が車両ボディ53側に、他方がスライドドア51側にそれぞれ配索されて、スライドドア51の開閉とは無関係にスライドドア側の補機に常時給電が行われる。スライドドア側の補機としてはパワーウィンドモータやスピーカやスイッチユニットや自動ドア開閉ユニット等が挙げられる。
【0004】
キャタピラ状のプロテクタ55は図10に示す合成樹脂製のリンク部材57を複数連結して成るもので、左右一対のリンク板58を上又は上下の連結板59で連結し、一対のリンク板58のボス部60に次(隣接)の一対のリンク板58の孔部61を回動自在に係合させることで構成される。
【0005】
図9の如くキャタピラ状のプロテクタ55は上下に対向する如く折り返されている。プロテクタ55の一端はヒンジ52に、他端は車両ボディ53にそれぞれ固定されている。スライドドア51は図9の開き位置から前方にスライドして閉じ位置に至る際に(閉じる直前で)円弧状の軌跡で大きく内向き(室内側)に移動する。この時、キャタピラ状のプロテクタ55は幅方向(矢印A方向)に撓んでスライドドア51の内向き移動変位を吸収する。ヒンジ52はスライドドア51と一体に移動し、プロテクタ55の一端はヒンジ52と一体に前方へ移動する。
【0006】
スライドドア51の閉から開にかけてプロテクタ55は上記とは逆の動作をする。なお、スライドドア51を開から閉にかけて、あるいは閉から開にかけて小さな傾斜角度のガイドレールを登るようにスライド移動させる場合もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のスライドドア用給電構造にあっては、スライドドア51の閉じ直前においてキャタピラ状のプロテクタ55が幅方向に大きく撓むために、その撓みをスムーズに行わせるべく、長手方向の各リンク部材57の連結を緩めに設定しなければならず、そのために各リンク部材57間のガタ付きを生じて異音や摩耗等の原因となるという懸念があった。
【0008】
そこで本出願人は、この問題を解消させるべく、キャタピラ状のプロテクタを上下ではなく左右(横方向ないし水平方向)に折り返す形態としたスライドドア用給電構造を採用した。しかしながら、この構造にあっては、スライドドアの開閉に伴ってキャタピラ状のプロテクタが下向きに撓んで車両ボディやヒンジアーム等に干渉したり、横方向にガタついたりして、スムーズなハーネス屈曲動作を行わせにくいといった懸念があった。
【0009】
本発明は、上記した点に鑑み、キャタピラ状のプロテクタを横方向に折り返す形態とした場合に、車両ボディ等との干渉や横方向のガタつき等を防止してスムーズな屈曲動作を行わせ、常時給電の信頼性を向上させることのできるスライドドア用給電構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るスライドドア用給電構造は、スライドドアと車両ボディとの間にキャタピラ状のプロテクタが横方向折り返し自在に設けられ、該プロテクタに沿って給電用のワイヤハーネスが配索され、該スライドドア側と車両ボディ側との何れか一方に該プロテクタの一端部が固定され、該スライドドア側と車両ボディ側との何れか他方に該プロテクタの他端部がブラケットを介して縦方向移動自在に支持され、該プロテクタの他端部にスライダが設けられ、該スライダが該ブラケットに対して縦方向スライド自在に位置したことを特徴とする。
上記構成により、キャタピラ状のプロテクタが縦方向ではなく横方向(水平方向)に屈曲することで、スライドドアの閉じ直前における車両ボディ内側への移動にスムーズに対応できる。また、プロテクタの端部がブラケットで昇降自在に支持されたことで、スライドドアの開閉時の勾配による高さ変動の影響がプロテクタに及ぶことがなく、且つプロテクタの撓みがスムーズに吸収され、プロテクタに縦方向の無理な力が作用することがない。また、プロテクタの他端部にスライダが設けられ、スライダがブラケットに対して縦方向スライド自在に位置したことで、プロテクタがブラケットに対してスライダを介して引っ掛かり等なく小さな摺動抵抗でスムーズに昇降する。
【0012】
請求項2に係るスライドドア用給電構造は、請求項1記載のスライドドア用給電構造において、前記ブラケットが前記プロテクタの他端部を収容し、且つ縦方向に移動させる空間を有することを特徴とする。
上記構成により、プロテクタの端部がブラケット内で外部との干渉なく保護され、且つブラケット内の空間をスムーズに昇降する。プロテクタの端部から導出されたワイヤハーネスはブラケット内で外部との干渉等から安全に保護される。
【0013】
請求項3に係るスライドドア用給電構造は、請求項1又は2記載のスライドドア用給電構造において、前記プロテクタの一端部が前記車両ボディ側に固定され、前記プロテクタの他端部が前記スライドドアのヒンジアームに前記ブラケットで支持されたことを特徴とする。
上記構成により、プロテクタ端部がヒンジアームに支持されることで、プロテクタ端部がスライドドア本体に支持される場合よりも、プロテクタの横方向の屈曲半径が小さくなり、屈曲部がリジッド化して、撓みが小さく抑えられる。また、スライドドアが閉時から開時にかけて小さな動作角度で縦方向に回動する場合に、スライドドア本体の縦方向の移動距離よりもヒンジアームの縦方向の移動距離が小さいから、プロテクタの捩りが小さく抑えられる。
【0014】
請求項4に係るスライドドア用給電構造は、請求項3記載のスライドドア用給電構造において、前記プロテクタの他端部が前記ヒンジアームの下側に前記ブラケットで支持されたことを特徴とする。
上記構成により、スライドドアの開閉時におけるヒンジアームとプロテクタとの干渉が確実に防止される。
【0015】
請求項5に係るスライドドア用給電構造は、請求項1〜4の何れか1項に記載のスライドドア用給電構造において、前記ブラケットが取付側に回動自在に支持されたことを特徴とする。
上記構成により、スライドドアの開閉に伴ってプロテクタ端部が横方向に回動した際に、ブラケットがプロテクタ端部と一体に回動して、プロテクタ端部の動きをスムーズに吸収する。
【0016】
請求項6に係るスライドドア用給電構造は、請求項1〜5の何れか1項に記載のスライドドア用給電構造において、前記プロテクタの一端部側がガイドレールに沿って支持されたことを特徴とする。
上記構成により、例えばプロテクタの車両ボディ側の端部とそれに続くプロテクタ部分がガイドレールで撓みなく支持される。スライドドアの開時にプロテクタはガイドレールから離間しつつ横方向に屈曲する。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1〜図2は、本発明に係るスライドドア用給電構造の一実施形態を示すものである。図1は斜め上から、図2は斜め下から見た図である。
【0018】
車両ボディ1にキャタピラ状(式)のプロテクタ(以下単にプロテクタという)4の一端部4aが連結され、スライドドア2のヒンジアーム3の下側部にプロテクタ4の他端部4bが保持ブラケット5を介して上下方向移動自在に連結されている。プロテクタ4は従来例と異なり、上下方向ではなく左右方向(横又は水平方向)に屈曲自在に配置されている。
【0019】
プロテクタ4は例えば従来例の図10のリンク部材を90゜反転したような形態(方向)で使用され、上下各一対のリンク板と左右各一対の連結板(図示せず)とで構成され、リンク板のストッパの作用で一方向にのみ屈曲自在である(U字にはなるがS字にはならない)。プロテクタ4としては種々の形態のものを使用可能である。
【0020】
プロテクタ4内には予めワイヤハーネス(図示しない複数本の電線)が挿通され、その状態で車両ボディ1とスライドドア2のヒンジアーム3にプロテクタ4の各端部4a,4bが連結される。プロテクタ4の一端部4a側からワイヤハーネスの一方が導出されて車両ボディ1側に配索され、プロテクタ4の他端部4b側からワイヤハーネスの他方が導出され、ヒンジアーム3に沿ってスライドドア2側に配索される。ヒンジアーム3は図示しないガイドローラで車両ボディ1側のガイドレール(図示せず)に係合している。ヒンジアーム3はスライドドア2の一部である。
【0021】
プロテクタ4のヒンジアーム3側の端部(アーム側端部)4bは略矩形筒状の保持ブラケット5内で上下方向移動自在に保持され、保持ブラケット5は略コの字状の取付ブラケット6でヒンジアーム3に回動自在に支持されている。プロテクタ4はヒンジアーム3に単に連結されるのではなく、保持ブラケット5を介して一定範囲昇降自在に連結されている。これにより、スライドドア2の開閉に伴うプロテクタ4の上下動が吸収される。また、保持ブラケット5がヒンジアーム3の下面に固定され、プロテクタ4がヒンジアーム3の下側に位置することで、スライドドア開閉時のプロテクタ4とヒンジアーム3との干渉が防止される。
【0022】
図2の如くプロテクタ4の車両ボディ1側の端部4aは縦断面L字状のガイドレール7に沿って水平に支持されている。ガイドレール7は車両ボディ1の側板部8に沿う垂直な立板部9と、立板部9の下端に直交した水平な底板部10と、立板部9を車両ボディ1に連結する連結部11とで構成されている。ガイドレール7は車両ボディ1の側板部8に固定されて、ドア開き時のプロテクタ4の真直部4eの1/3程度の長さで水平に延び、底板部10でプロテクタ4の下面を撓みなく水平に支持する。
【0023】
プロテクタ4の端部4aには合成樹脂製のハウジング12が設けられ、ハウジング12の上側の開口12a(図1)からワイヤハーネスが外部(車両ボディ側)に導出される。ハウジング12はガイドレール7の孔部に係止爪13(図2)を係合させて固定されている。
【0024】
このガイドレール7によってスライドドア開閉時(特にスライドドア開時)のプロテクタ4の下向きの撓みが小さく抑えられる。プロテクタ4は各リンク部材14同士の連結が従来例とは異なり緩みなく比較的リジッドに行われており、比較的撓みにくいものであり、その撓みにくさがガイドレール7によって一層助長され、プロテクタ4の撓みに起因する車両ボディ1の底部側フレーム(図示せず)やヒンジアーム案内用のガイドレール(図示せず)との干渉が防止される。
【0025】
スライドドア2の開時(実線で示す)にプロテクタ4はガイドレール7に沿って真直に延び、ヒンジアーム3寄りのプロテクタ部分4cが小さな半径で湾曲する。また、スライドドア2の閉時(鎖線で示す)にプロテクタ4は車両ボディ1側の端部4aから大きな半径で湾曲し、その湾曲部4dからヒンジアーム3にかけて真直に延びる。
【0026】
スライドドア2の開時にプロテクタ4が小さな半径で屈曲することで、その湾曲部(屈曲部)4cはリジッドになり、それによりプロテクタ4の下向きの撓みが最小限に抑えられる。ドア開時のプロテクタ4の真直部4eはドア閉時の真直部4fよりも長く、プロテクタ4は下向きに撓みやすいが、湾曲部4cが小径化してリジッドになることで、その撓みが吸収される。これによっても湾曲部4cと車両ボディ1の底部外側フレーム等との干渉が防止される。この作用効果はガイドレール7を用いない場合に特に発揮される。ガイドレール7を用いることで真直部4eの撓みは殆ど無視できるようになる。
【0027】
スライドドア2の閉時にはプロテクタ4の湾曲部4dが閉時よりも大きくなり、リジッドさを失って下向きにやや大きく撓みやすいが、プロテクタ4の全長がドア開時よりも短縮されて撓みにくくなり、しかも湾曲端部がガイドレール7(図2)で支持されることで撓みが防止され、且つプロテクタ4の他端部4bがスライドドア2ではなくヒンジアーム3の先端寄り(車両ボディ寄り)に取り付けられており、ドア閉時にヒンジアーム3がドア開時よりも車両ボディ内側に入り込み、湾曲部4dが車両ボディ内側に位置するから、湾曲部4dと車両ボディ1の底部外側フレームとの干渉は起こらない。
【0028】
また、スライドドア2が閉時から開時にかけて小さな動作角度で縦方向に回動する場合には、スライドドア本体の縦方向の移動距離よりもヒンジアーム3の縦方向の移動距離が小さいから、プロテクタ4に大きな捩りが加わることがない。
【0029】
図3〜図4はヒンジアーム3側におけるプロテクタ4の支持構造を示すものであり、プロテクタ4の端部4bは矩形筒状の保持ブラケット5内に上下方向スライド自在に収容されている。保持ブラケット5は上下左右の壁部を有し、一側壁15に縦長スリット状の孔部16が設けられ、孔部16をスライダ17の連結部18が貫通し、連結部18は保持ブラケット5内でプロテクタ4の端部4bに固定されている。保持ブラケット5は略コの字状の取付ブラケット6でヒンジアーム3に固定され、スライダ17は取付ブラケット6の垂直な延長壁部19に上下方向スライド自在に係合している。
【0030】
本実施形態でスライダ17は合成樹脂で形成され、二枚のスライド板20を近接して対向連結させ、その間に取付ブラケット6の壁部19を進入させるようにしたものであり、スライダ17の連結部18は壁部19の縦長スリット状の孔部21(図4)を貫通している。内側のスライド板20に連結部18が水平に突設されている。例えば連結部18の縦方向の孔部22にプロテクタ4のリンク板の孔部(図示せず)をボルトで固定したり、あるいは連結部18を中空に形成し、その中空部内にリンク板を挿入してリンク板のボス部を縦方向の孔部に係合させる。
【0031】
また、取付ブラケット6は水平な上下の壁部23,24と、上下の壁部23,24を繋ぐ垂直な壁部25と、下側の壁部24から垂下形成された前記延長壁部19とで構成されている。スライダ17や取付ブラケット6の形態は上記に限らず、種々の形態を適宜採用可能である。
【0032】
図2のスライドドア2の開状態でプロテクタ4のアーム側端部(アーム側の端部)4bが小径に湾曲してリジッド化し、プロテクタ4の撓みが小さく抑えられるから、図3の如くアーム側端部4bが保持ブラケット5内で上壁26(図4)寄りに位置し、保持ブラケット5の下部に隙間27を生じる。図2のスライドドア2の閉状態ではプロテクタ4が車両ボディ側の端部4aを支点として大きく湾曲し、ストレート部4fの長さが短くなるから、プロテクタ4のアーム側端部4bは下向きに撓み、図4の如く保持ブラケット5の下壁28寄りに位置し、保持ブラケット5の上部に隙間29を生じる。隙間27,29は保持ブラケット5内の収容空間の一部である。
【0033】
このように、スライドドア2の開閉に伴ってプロテクタ4のアーム側端部4bがスライダ17と一体に保持ブラケット5内を上下にスライド移動する。プロテクタ4のアーム側端部4bは保持ブラケット5の左右両側の壁部15,30で常に位置決めされて横方向のガタつきを防止される。これにより、異音やプロテクタ4の摩耗等が防止される。
【0034】
また、プロテクタ4のアーム側端部4bを自由端としたことで、スライドドア2の開閉時にアーム側端部4bの撓みが最大となり(プロテクタ4の長手方向中間部の撓みよりも大きくなり)、そのアーム側端部4bを保持ブラケット5で昇降自在に保持したことで、従来より心配のあったプロテクタ中間部と車両ボディ1の底部外側フレーム等との干渉が防止される。
【0035】
図3において、取付ブラケット6はボルト31の軸部31aでヒンジアーム3に回動自在に取り付けられている。取付ブラケット6と保持ブラケット5とは小ねじや溶接等の図示しない固定手段で固定されている。取付ブラケット6は金属板又は合成樹脂材で保持ブラケット5と一体に形成してもよい。保持ブラケット5のスライダ反対側の壁部30にはハーネス導出口32が設けられ、導出口32は外側の略扇状のハーネス案内筒(導出部)33に続いている。
【0036】
図1のスライドドア2の開時にプロテクタ4のアーム側端部4bは車両ボディ1からやや外側に離れる方向を向き(図3に対応)、スライドドア2の閉時にプロテクタ4のアーム側端部4bは車両ボディ1の側板部8に沿ってほぼ車両前方を向く。このようにプロテクタ4のアーム側端部4bの向きが変わるのに伴い、保持ブラケット5がプロテクタ端部4bと一体に水平方向に回動することで、プロテクタ4に無理な力(横方向の曲げ力や捩り力)が作用せず、プロテクタ4の変形や傷みが防止されると共に、ワイヤハーネスの屈曲がスムーズに行われる。
【0037】
本実施形態の取付ブラケット6は一例であり、取付ブラケット6の形状や回動手段等はヒンジアーム3の形状等に応じて適宜設定可能である。
スライドドア2は自動開閉機構を備えた場合にはドア開方向に上がり勾配のガイドレール(図示せず)に沿って斜め上向きにスライドさせるように設定することもできる。この場合には、スライドドア2を開くに従ってヒンジアーム3の高さがドア2と一体に高くなり、保持ブラケット5はヒンジアーム3と一体に高く位置し、それにより、図5の如くプロテクタ4のアーム側端部4bは保持ブラケット5内で下壁28寄りに位置し、上側に隙間29を生じる。スライドドア閉時におけるプロテクタ端部4bの位置は図4と同じである。
【0038】
プロテクタ4の撓みを無視できる程度まで小さく設定した(各リンク部材間のガタつきを一層小さくした)場合には、図6の如くスライドドア閉時にプロテクタ4のアーム側端部4bが保持ブラケット5の上壁26寄りに位置し、下側に隙間27を生じる。図5のスライドドア開時にはヒンジアーム3が上昇した寸法分だけプロテクタ4のアーム側端部4bが保持ブラケット5の下壁28寄りに位置する。
【0039】
このように、スライドドア2に勾配を設定した場合でも、スライドドア2の開閉時に相対的にプロテクタ4のアーム側端部4bが保持ブラケット5内を上下方向にスライドすることで、スライドドア2の勾配が吸収され、スムーズなプロテクタ4の屈曲すなわちワイヤハーネスの屈曲動作が可能となる。
【0040】
また、図7に保持ブラケットの他の実施形態を示す如く、略矩形筒状の保持ブラケット35を金属板で形成し、保持ブラケット35の一側壁36に縦方向のスリット孔37を設け、略板状のスライダ38を金属板で形成してプロテクタ4の側壁(連結板等)39に固定し、スライダ38の突出部40をスリット孔37に上下方向スライド自在に係合させつつ外部に導出させて、プロテクタ4の端部4bを保持ブラケット35内でスライド式に昇降自在とすることも可能である。プロテクタ端部4bと保持ブラケット35の下壁41又は上壁44との間には移動空間である隙間45を生じる。
【0041】
また、図8に示す如く、図7の保持ブラケット35′内で下壁41に弾性部材である傾斜状の板ばね42を設け、プロテクタ4を板ばね42で上向きに付勢して、例えば図4のスライドドア2の閉時に板ばね42を圧縮させつつプロテクタ4の撓みやスライドドア2の勾配を柔軟に吸収させるようにすることも可能である。板ばね42はその幅狭部42aを下壁41のT字状のスリット43内に嵌合固定される。板ばね42に代えてコイルばね等を用いることも可能である。板ばね42は保持ブラケット35′から一体に切り起こし形成することも可能である。
【0042】
なお、上記図1〜図6の実施形態はヒンジアーム3の下側にプロテクタ4の端部4bを配置した例を示したが、プロテクタ4の端部4bをヒンジアーム3の上側に配置したり、ヒンジアーム3ではなくスライドドア2に直接配置することも可能である。これらの場合にもプロテクタ4の端部4bは保持ブラケット5,35内で昇降自在に保持させることが必要である。但し、ヒンジアーム3とプロテクタ4との干渉を防止するためには、ヒンジアーム3の下側にプロテクタ4の端部4bを配置することがベストである。
【0043】
また、プロテクタ4の一端部をヒンジアーム3又はスライドドア2に直接固定し、プロテクタ4の他端部を保持ブラケット5,35を介して車両ボディ1側に昇降自在に配置することも可能である。また、保持ブラケット5にプロテクタ4の端部を固定し、保持ブラケット5を取付ブラケット6に昇降自在に係合させることも可能である。
【0044】
また、取付ブラケット6を用いずに保持ブラケット5を直接、ボルト軸等でヒンジアーム3等に回動自在に取り付けることも可能である。また、図3の保持ブラケット5と取付ブラケット6とを一体に形成することも可能である。また、スライダ17,38を排除してプロテクタ4の端部を保持ブラケット5,35の左右の壁部で上下方向スライド自在に支持させることも可能である。
【0045】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、キャタピラ状のプロテクタが横方向に屈曲することで、スライドドアの閉じ直前における車両ボディ内側への移動にスムーズに対応でき、従来の縦方向に屈曲させるプロテクタのようにガタつきを持たせる必要がなくなり、異音や摩耗が防止されることは勿論のこと、プロテクタの端部がブラケットで昇降自在に支持されたことで、スライドドアの開閉時の勾配による高さ変動やプロテクタの撓みがスムーズに吸収され、プロテクタの寿命が延びると共にプロテクタの屈曲すなわちワイヤハーネスの屈曲がスムーズに行われて、常時給電の信頼性が高まる。
【0046】
また、スライドドアの開閉時にプロテクタがブラケットに対してスライダを介して引っ掛かり等なく小さな摺動抵抗でスムーズに昇降するから、スライドドアの高さ変動やプロテクタの撓みが一層スムーズに吸収され、プロテクタの屈曲性が一層高まる。
【0047】
請求項2記載の発明によれば、スライドドアの開閉時にプロテクタの撓み量の最大な端部がブラケット内を昇降するから、プロテクタ端部と外部との干渉が確実に防止され、プロテクタの屈曲が一層スムーズに行われると共に、プロテクタからのワイヤハーネスの導出部がブラケット内で外部(車両ボディ等)との干渉等から保護され、常時給電の信頼性が向上する。
【0048】
請求項3記載の発明によれば、プロテクタ端部がスライドドア本体に支持される場合よりも、プロテクタの横方向の屈曲半径が小さくなり、撓みが小さく抑えられ、プロテクタと車両ボディ等との干渉が防止される。また、スライドドアが閉時から開時にかけて小さな動作角度で縦方向に回動する場合に、スライドドア本体の縦方向の移動距離よりもヒンジアームの縦方向の移動距離が小さいから、プロテクタの捩りが小さく抑えられ、プロテクタの寿命が向上する。これらにより、常時給電の信頼性が向上する。
【0049】
請求項4記載の発明によれば、スライドドアの開閉時におけるヒンジアームとプロテクタとの干渉が確実に防止され、プロテクタの傷みが防止される。
請求項5記載の発明によれば、スライドドアの開閉時にブラケットがプロテクタ端部と一体に回動することで、プロテクタに無理な曲げ力等が作用せず、プロテクタの屈曲が一層スムーズに行われると共に、プロテクタの寿命が向上する。
【0050】
請求項6記載の発明によれば、例えばプロテクタの車両ボディ側の端部とそれに続く部分がガイドレールで支持され、プロテクタの撓みが防止されるから、プロテクタと車両ボディ等との干渉が防止され、プロテクタの屈曲がスムーズ且つ確実に行われて、常時給電の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスライドドア用給電構造の一実施形態を示す全体斜視図である。
【図2】同じくスライドドア用給電構造を下方から見た状態を示す全体斜視図である。
【図3】キャタピラ状のプロテクタのヒンジアーム側端部の支持構造を示すドア開時における斜視図である。
【図4】同じくヒンジアーム側端部の支持構造を示すドア閉時における斜視図である。
【図5】同じくヒンジアーム側端部の支持構造におけるスライドドアの勾配に対応したドア開時の状態を示す斜視図である。
【図6】同じくスライドドアの勾配に対応したドア閉時の状態を示す斜視図である。
【図7】プロテクタ端部を支持する保持ブラケットの他の形態を示す斜視図である。
【図8】同じく保持ブラケットのその他の形態を示す斜視図である。
【図9】従来のスライドドア用給電構造を示す斜視図である。
【図10】同じく従来のプロテクタを構成するリンク部材を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 車両ボディ
2 スライドドア
3 ヒンジアーム
4 プロテクタ
4a 車両ボディ側端部(一端部)
4b アーム側端部(他端部)
5,35,35′ 保持ブラケット(ブラケット)
6 取付ブラケット(取付側)
7 ガイドレール
17,38 スライダ
Claims (6)
- スライドドアと車両ボディとの間にキャタピラ状のプロテクタが横方向折り返し自在に設けられ、該プロテクタに沿って給電用のワイヤハーネスが配索され、該スライドドア側と車両ボディ側との何れか一方に該プロテクタの一端部が固定され、該スライドドア側と車両ボディ側との何れか他方に該プロテクタの他端部がブラケットを介して縦方向移動自在に支持され、該プロテクタの他端部にスライダが設けられ、該スライダが該ブラケットに対して縦方向スライド自在に位置したことを特徴とするスライドドア用給電構造。
- 前記ブラケットが前記プロテクタの他端部を収容し、且つ縦方向に移動させる空間を有することを特徴とする請求項1記載のスライドドア用給電構造。
- 前記プロテクタ4の一端部が前記車両ボディ側に固定され、前記プロテクタの他端部が前記スライドドアのヒンジアームに前記ブラケットで支持されたことを特徴とする請求項1又は2記載のスライドドア用給電構造。
- 前記プロテクタの他端部が前記ヒンジアームの下側に前記ブラケットで支持されたことを特徴とする請求項3記載のスライドドア用給電構造。
- 前記ブラケットが取付側に回動自在に支持されたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のスライドドア用給電構造。
- 前記プロテクタの一端部側がガイドレールに沿って支持されたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のスライドドア用給電構造。
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