JP3990452B2 - 硬化性組成物および硬化体 - Google Patents
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Description
本発明はスラグ組成物を配合した硬化性組成物及びその硬化体に関し、更に詳細には各種廃棄物等の材料を溶融スラグ化した組成物を利用し、水と混合養生するのみで優れた強度を有し、モルタル、コンクリート等の材料として用いることのできる硬化体を生じる硬化性組成物に関する。
背景技術
従来、モルタル、コンクリート等の硬化性組成物としてセメントが広く用いられてきた。当該セメントはポルトランドセメントに代表されるように石灰石を主原料とする組成物原料をキルンを用いて焼成して得られるものであり、水和により硬化する、いわゆる水硬性材料である。
このようなポルトランドセメントに混合して用いられる硬化性材料の一つとして、高炉水砕スラグが知られている。当該高炉水砕スラグは、銑鉄製造工程で得られるスラグであり、おもにSiO2、Al2O3及び、CaOの3成分からなっており、通常CaO 38〜45%、SiO2 33〜35%、Al2O3 14〜18%、MgO 4〜8%、Fe2O3 0.5〜2%の組成を有するといわれている。この高炉水砕スラグは高炉で溶融された後急冷して製造されるものであり、急冷により結晶化せず、ほとんどがガラス状態となっている。このため、高炉水砕スラグは潜在水硬性をもつといわれている。この高炉水砕スラグの硬化は、CaO−SiO2−H2O系のゲルをつくって安定化することによって起こるものであり、CaO分の量は当該硬化に重要な因子であるといわれており、特にこの高炉水砕スラグとポルトランドセメントを配合した高炉セメントは長期強度が大きいこと、化学抵抗性が高いことから港湾工事、下水道工事、排水処理工事などに有用であるが、表面の硬化が劣る性質があり、そのため養生方法に注意を要するというような欠点も有している。従って、高炉水砕スラグに代わる良好な硬化性組成物の出現が望まれている。
一方、特に大都市においては、下水汚泥や都市ゴミの処理をはじめ、建設廃材等の各種産業廃棄物は、その最終処分場の確保など種々の問題があり、そのリサイクルを含めた再資源化に関する調査研究が盛んに行われている。
しかし、下水汚泥や都市ゴミを減容化のため焼却した下水汚泥焼却灰や都市ゴミ焼却灰、更にはそれらのいっそうの減容化のため溶融処理したスラグ等については、各自治体や装置メーカーは有効利用技術の開発を行っている。しかし、その用途は、路盤材やブロックの骨材やタイルや煉瓦等の原料として利用され始めているが、その量は微々たるものであり、技術的、価格的な制約、流通の問題等から、未だに有効活用はまだまだ少なく、かつ、積極的に有効活用されている段階でもなく、その処理に悩んでいるのが実状である。
例えば、下水汚泥に関しては、建設省は、昭和50年度以降、下水汚泥の資源化に関する調査研究を行っている。又、下水汚泥の有効利用を促進する為、汚泥の有効利用施設を補助対象にしている。更に、昭和63年度より、下水道の建設事業に汚泥製品(路盤材や土質改良材等)を積極的に用いることを内容とする下水汚泥資源利用モデル事業を実施している。
しかし、このように長年その有効利用について検討しているにもかかわらず、未だに下水汚泥焼却灰やゴミ焼却灰はもちろん、それらを溶融スラグ化した溶融スラグも含めて大きな有効活用は図られていない。
発明の開示
本発明者は、高炉水砕スラグに代わる新しい水硬性材料を見出すべく種々の廃棄物を焼却溶融してスラグ化し、その組成及びその硬化性能について種々検討してきたところ、全く意外にも下水汚泥やゴミの焼却溶融スラグの組成はそのほとんどがCaO分が37重量%以下であるにもかかわらず、アルカリ性刺激材を配合することにより良好な水硬性を示し、優れた強度を有する硬化体が得られ、更に研究を進めた結果特定の組成を有するスラグ組成物も同様にアルカリ性刺激材の配合により良好な水硬性を示し、優れた強度を有する硬化体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(A)CaO分0〜37重量%、SiO2分23〜90重量%及びAl2O3分0〜40重量%と、
酸化鉄、アルカリ分、リン分、酸化チタン、酸化マンガン及び酸化マグネシウムから選ばれる1種又は2種以上0.1〜50重量%又は/及びハロゲン分0.1〜10重量%とを含有し、表面積がブレーン値で2000cm2/g以上であるスラグ組成物;並びに、
(B)アルカリ性刺激材を含有することを特徴とする硬化性組成物を提供するものである。
また、本発明は、
(A’)下水汚泥焼却溶融スラグ、ゴミ焼却溶融スラグ及び産業廃棄物焼却溶融スラグから選ばれ、表面積がブレーン値で2000cm2/g以上であるスラグ組成物;並びに、
(B)アルカリ性刺激材を含有することを特徴とする硬化性組成物を提供するものである。
発明を実施するための最良の形態
本発明に用いられるスラグ組成物(A)とは、粘土、石灰石、下水汚泥焼却物、ゴミ焼却物、産業廃棄物等の種々の原料を上記の化学成分となるように調整したものを高温で溶融し、急冷して得られるスラグ組成物である。ここで、各種の原料は、市販の材料を混合して用いてもよいが、下水汚泥焼却物、ゴミ焼却物及び産業廃棄物は、これを直接用いても化学組成が上記の範囲にあるものがほとんどであり、経済性及び未利用資源の有効利用の点からこれを用いるのがより好ましい。
スラグ組成物(A)におけるCaO分は0〜37重量%であるが、1〜37重量%、特に1〜35重量%が好ましい。また、SiO2分は、23〜90重量%であるが、23〜90重量%、特に25〜90重量%が好ましい。更に、Al2O3分は0〜40重量%であるが、1〜40重量%、特に10〜30重量%が好ましい。
また、本発明に用いるスラグ組成物(A)においては、CaO分/SiO2分の重量比も、硬化体の強度発現性に重要であり、当該重量比は好ましくは1.3以下、より好ましくは1.1以下、更に好ましくは1.0以下である。
また、スラグ組成物(A)においては、酸化鉄(Fe2O3換算)、アルカリ分(Na2O及びK2Oの合計換算)、リン分(P2O5換算)、酸化チタン(TiO2換算)、酸化マンガン(MnO換算)及び酸化マグネシウム(MgO換算)から選ばれる1種又は2種以上が合計量で0.1〜50重量%、又は/及びハロゲン分0.1〜10重量%が含まれる。ここで、酸化鉄、アルカリ分、リン分、酸化チタン、酸化マンガン及び酸化マグネシウムはその1種又は2種以上の合計量で0.1〜50重量%含まれていればよいが、0.5〜50重量%、特に5〜50重量%含まれているのが、硬化体の強度発現性の点から好ましい。また、これらの成分は1種又は2種以上の合計量で0.1〜50重量%含まれていればよいが、各成分については、酸化鉄は0〜20重量%、アルカリ分は0〜30重量%、リン分は0〜25重量%、酸化チタンは0〜20重量%、酸化マンガンは0〜10重量%、酸化マグネシウムは0〜15重量%の範囲であるのが好ましい。
このうち、酸化鉄は、0〜20重量%含まれていればよいが、特に0.5〜20重量含まれているのが好ましい。また、アルカリ分は、0〜30重量%含まれていればよいが、特に0.1〜20重量%、更には1〜10重量%含まれているのがより好ましい。リン分は0〜25重量%含まれていればよいが、特に0.5〜10重量%含まれているのが好ましい。酸化チタン分は0〜20重量%含まれていればよいが、特に0.1〜20重量%含まれているのが好ましい。酸化マンガンは、0〜10重量%含まれていればよいが、特に0.1〜5重量%含まれているのが好ましい。酸化マグネシウムは0〜15重量%含まれていればよいが、特に1〜10重量%含まれているのが好ましい。
また、ハロゲン分としては、フッ素及び塩素が含まれるが、フッ素が特に好ましい。またハロゲン分の含有量は0.1〜10重量%であるが、0.1〜8重量%、特に0.5〜7.5重量%が好ましい。
また、酸化鉄、アルカリ分、リン分、酸化チタン、酸化マンガン及び酸化マグネシウムから選ばれる1種又は2種以上とハロゲン分とは、いずれか一方が含まれていればよいが、両者が含まれていてもよい。当然ながら、この両者が含まれている場合には、これらの含有量は、上記範囲のうちの少量の範囲でよい。
また、スラグ組成物(A)には上記成分以外にB2O3、SO3、酸化銅、SnO2、ZnO2等を少量〜微量添加することもできる。
なお、上記下水汚泥焼却溶融スラグ及びゴミ焼却溶融スラグ等は、既に述べたようにCa成分を含まないものでもよいが、Ca成分が極端に少ないか、あるいは含まない組成のスラグの場合、特に、ポルトランドセメント成分との組み合わせによる混合セメント用に適していると考えられる。
ただ通常強度発現に効果の大きいと考えられるC−S−H水和物を形成させるというような観点からは、一般的にはCa成分を含有するものであることが好ましい。
特に、Ca分の量がCaOに換算して、1〜37重量%、特に1〜35重量%、更には、8〜35重量%であるゴミ焼却溶融スラグ及び下水汚泥焼却溶融スラグ等が好ましい。なお、CaO分の量が、例えば37重量%より多くても、硬化性材料は得られるものの、高炉スラグの場合と異なり、通常は、鉄分やアルカリ等も多く含まれるため、ガラス形成酸化物であるシリカやリン酸分が少なくなってしまいガラス化しにくくなる組成物のものも多く、急結性のものや、かえって強度発現性が劣るようなものになってしまう場合もある。更には、一般的に溶融スラグ化に高温を必要とするため焼成エネルギーを多く必要とするようになり、その他、高温になるにつれて炉材が急激に浸食されやすくなるというような、好ましくない面も現れるため、このような場合には、ポルトランドセメントと混合使用した方が、好ましい場合が多い。
もちろんSiO2、CaO、Al2O3等の材料を追加調整して、高CaO型の高炉スラグ組成に近い組成とすることも可能である。
しかし、本発明の組成物では、CaO分をそのように多くしなくても良好な硬化性組成物や硬化体が得られるため、むしろ、CaO分が多くSiO2が少ない場合には、ガラス化しやすくするため、例えば、SiO2分を追加し、相対的にCaO分を下げたもの(1≧C/Sのもの)をスラグ化するというような処理により、上記のような問題点が改良され、その場合、アルカリや水酸化カルシウムを吸収するというような好ましい面もあるため、むしろ必要以上にCaO分の多い組成のものは好ましくないのである。
なお、通常の高炉スラグ組成の場合、CaO含有量が40重量%程度以上のもは、そう特異的なものではなく、過去においても、多くの研究者が、高炉スラグ関連組成について検討しているが、高炉スラグの水和活性が高く強度発現性の良好な組成は、高炉スラグの主要構成成分である、SiO2−Al2O3−CaO−MgO系の4成分合成スラグで、それぞれSiO2 31.28重量%、Al2O3 15.48重量%、CaO 49.08重量%、MgO 4.69重量%と高CaOのものが高い水和活性を有することが報告されている。また、実際の高炉スラグ組成物においても、CaO分が35重量%程度以下になると、その反応活性は極端に低下することが知られている。一方、本発明の溶融スラグ組成物では、CaO分が35重量%程度のものはもちろん、従来の研究では考えられないような、8重量%程度と非常に低いもの、更には、CaO分を含まなくとも高い反応活性を示すことが判明しており、このような点からも、本発明の溶融スラグは、従来の高炉スラグとは大きく異なる。なお、CaO分が0〜8重量%程度の場合には、アルカリ性刺激材としてポルトランドセメントを用いる、いわゆる、混合セメントとして用いるのが好ましい。
以上のような理由により本発明においては、CaOを上記範囲に限定している。
又、上記溶融スラグは、アルミナ成分を0〜40重量%(特に10〜30重量%含有するものであることが好ましい。アルミナ成分を上記範囲に限定しているのは、40重量%よりも多いと強度発現性の良好な硬化体が得られなかったり、スラグ化に非常な高温を必要とするようになり好ましくない面が現れるためである。また、アルミナ分を含まなくとも、硬化性の組成物は得られるため上記範囲に限定している。ただ、本発明のスラグの水和によりゼオライトを生成するためには、ある程度以上のアルミナを含有することが好ましく、そのためには10重量%〜30重量%のアルミナを含有することがより好ましい。
また、本発明のスラグ組成物としては、シリカ分を、23〜90重量%含む組成物としているが、シリカ分が23重量%より少なくなると、スラグ化(ガラス化)しにくくなるとともに、強度発現性確保のために必要なカルシウムシリケート水和物の生成量が少なくなってしまい、強度発現性が悪くなってしまうためである。反対にシリカ分が90重量%より多くなるとスラグ化(ガラス化)に高温を必要とし、焼成溶融スラグ化しにくくなるためである。
又、上記溶融スラグは、P成分を含有するものであることが好ましい。
特に、P分の量がP2O5に換算して、0〜25重量%(特に1〜10重量%)である下水汚泥焼却溶融スラグや都市ゴミ焼却溶融スラグ等が好ましい。なお、P成分については、上記範囲に限定したのは、25重量%より多くなると硬化や強度発現に有効な他成分の量が相対的に少なくなり、良好な硬化体が得られにくくなるためである。
又、上記下水汚泥焼却溶融スラグは、Na及び/又はK成分(アルカリ成分)を含有するものであることが好ましい。
特に、Na及びK分の量がNa2OとK2Oの合計量に換算して、0〜30重量%、特に0.1〜30重量%、更には1〜10重量%であるゴミ焼却溶融スラグ及び下水汚泥焼却溶融スラグ等が好ましい。アルカリの量が30重量%を超えると強度発現性が悪くなり、また、硬化体からアルカリが溶出し易くなり耐久性が悪くなるからである。なお、ポルトランドセメントを刺激材として用い、いわゆる混合セメントとする場合、アルカリが多いと特に長期強度に悪影響を及ぼすため、本スラグ組成物においても、他の成分との関連もあるが、通常、アルカリは10重量%以下のものを用いた方がより好ましいというような場合もある。
又、上記下水汚泥焼却溶融スラグ等は、一般的には、Fe成分を含有するものであることが好ましく、Fe分の量はFe2O3に換算して、0〜20重量%(特に0.5〜20重量%)であるゴミ焼却溶融スラグ及び下水汚泥焼却溶融スラグ等が好ましい。Fe成分は、ガラス構造の不安定化はもちろん溶融温度低下、すなわち焼成エネルギーの低減効果が大であるが、20重量%より多くなると強度発現性が著しく悪くなり好ましくない。
又、上記下水汚泥焼却溶融スラグ等は、Mg成分MgOに換算して0〜15重量%(特に1〜10重量%)含有するものであることが好ましい。Mg成分もまた、ガラスの構造を不安定化しスラグの活性化に効果があるのであるが、15重量%より多くなると、むしろ強度発現性が悪くなるためである。
又、上記下水汚泥焼却溶融スラグ等は、Ti成分をTiO2に換算して0〜20重量%(特に0.1〜20重量%)含有するものであることが好ましい。Ti成分もまた、ガラスの構造を不安定化しスラグの活性化に効果があるのであるが、20重量%より多くなると、強度発現性が悪くなるとともに経済的にも不利になるためである。
又、上記下水汚泥焼却溶融スラグ等は、Mn成分をMnOに換算して0〜10重量%(特に0.1〜5重量%)含有するものであることが好ましい。Mn成分もまた、ガラスの構造を不安定化しスラグの活性化に効果があるのであるが、10重量%より多くなると、強度発現性が悪くなるとともに経済的にも不利になるためである。
又、上記下水汚泥焼却溶融スラグ等は、ハロゲン(フッ素や塩素)分を0〜10重量%、特に0.1〜8重量%、更には0.5〜7.5重量%含有するものであることが好ましい。ハロゲン分もまた、ガラスの構造を不安定化しスラグの活性化に効果があるのであるが、10重量%より多くなると、強度発現性が悪くなるとともに経済的にも不利になるためである。なお、ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素等があるが、塩素や臭素は鉄筋を錆びさせる性質があるため、一般的には、フッ素が好ましい。
本発明に用いられるスラグ組成物(A)は、前記の如く、上記化学組成になるように各原料を混合した後、高温で溶融した後急冷することにより製造することができるが、下水汚泥焼却物、ゴミ焼却物又は産業廃棄物を溶融スラグ化することによっても製造できる。
ここで、下水汚泥焼却物としては、下水汚泥を各種方法で脱水処理したもの、例えば脱水助剤として消石灰等を使用した石灰系下水汚泥焼却灰、及び脱水助剤として高分子凝集剤を使用した高分子系下水汚泥焼却灰が挙げられる。また、ゴミ焼却物としては、通常の都市ゴミ焼却物が挙げられる。また産業廃棄物としては、都市ゴミ以外の廃棄物、例えば砕石スラッジ、コンクリート廃材等が挙げられる。
これらの材料の溶融温度は特に制限されないが、通常1200〜1600℃が好ましく、溶融は、例えば電気溶融方式のアーク式溶融炉、プラズマ式溶融炉、電気抵抗式溶融炉、ガス等の燃料を用いる反射式表面溶融炉、複写式表面溶融炉等を用いて行われる。また急冷手段としては水冷又は風冷が挙げられるが、水冷が特に好ましい。
このようにして得られたスラグ組成物(A)のうち、下水汚泥焼却溶融スラグ、ゴミ焼却溶融スラグ又は産業廃棄物溶融スラグの場合、その組成は通常CaO分が5〜35重量%、SiO2分が30〜70重量%、Al2O3分が5〜25重量%であり、酸化鉄が2〜20重量%、アルカリ分が1〜15重量%、リン分が0.5〜23重量%、酸化チタンが0.1〜3重量%、酸化マンガン0.1〜3重量%、酸化マグネシウムが2〜6重量%、ハロゲンが0〜5重量%、その他SO3が0〜5重量%である。
より詳細には、通常発生するゴミ焼却灰を主体とする灰からゴミ焼却溶融スラグとした場合、これらの成分の含有量は、例えば、CaO分は、7〜35重量%、SiO2分は、30〜70重量%、Al2O3分は、5〜22重量%程度、Fe2O3で0.5〜15重量%、MgOで0.5〜6重量%、Na2OとK2Oの合計量で2〜15重量%、P2O5で0.5〜5重量%、ハロゲン(塩素等)やSO3で、それぞれ0.0〜5重量%程度、その他MnOやTiO2が、それぞれ0.1〜1重量%及び0.5〜3重量%程度の範囲にある。
また、下水汚泥焼却溶融スラグの場合には、CaO分は、5〜35重量%程度の範囲にあり、SiO2分は20〜45の重量%程度範囲にあり、通常は、25〜40重量%である。Al2O3分は、5〜25重量%程度の範囲にあり、通常は10〜20重量%で、MgO分は、2〜5重量%程度の範囲にあり、通常は3重量%前後のものが多いようである。P2O5分は、石灰系下水汚泥焼却灰の場合、1〜10重量%程度の範囲にあり、通常は5〜10重量%、高分子系下水汚泥焼却灰の場合、7〜23重量%程度の範囲にあり、通常は7〜20重量%である。アルカリ分の量は、Na2OとK2Oの合量で、1〜5重量%程度の範囲にあり、通常は3重量%前後のものが多いようである。Fe分は、Fe2O3に換算して、5〜20重量%程度の範囲にあり、通常は10重量%前後のものが多いようである。
本発明に用いられるスラグ組成物(A)の形状は特に制限されないが、粉末状、粒状、塊状のものが好ましく、使用目的や使用割合、混練成形条件等にもよるが、粉末状又は粒状がより好ましく、特に表面積がブレーン値で2000cm2/g以上のもの又は粒状では0.1〜5mm程度が好ましい。
本発明に用いられるアルカリ性刺激材としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物及び弱酸のアルカリ金属塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。アルカリ金属水酸化物としてはNaOH、KOH、LiOH等が挙げられ、アルカリ土類金属水酸化物としては、Ca(OH)2、Mg(OH)2等が挙げられる。また弱酸のアルカリ金属塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム等が挙げられる。また、ポルトランドセメントも少量のアルカリケイ酸塩、アルミノケイ酸塩を含み、また、その水和により、Ca(OH)2も生成することからアルカリ性刺激材となり得る。ここでポルトランドセメントは普通ポルトランドセメントに限定されず、早強型や低発熱タイプのものも使用可能である。
本発明において、スラグ組成物(A)とアルカリ性刺激材(B)との適正混合割合は、スラグの化学成分により変動し、特に限定するものではないが、例えば、スラグ組成物(A)とアルカリ性刺激材との割合は、スラグ組成物(A)100重量部に対して、アルカリ性刺激材としてアルカリ金属化合物を用いる場合には、アルカリ性刺激材0.01〜10重量部が好ましく、又、アルカリ性刺激材としてアルカリ土類金属化合物を用いる場合には、アルカリ性刺激材として3〜100重量程度を用いるのが好ましい。
また、ポルトランドセメント組成物をアルカリ性刺激材として用いる場合は、ポルトランドセメント自体はアルカリと水酸化カルシウム供給源となり、上記アルカリ性刺激材やアルカリ土類金属化合物の併用と考えられるとともに、ポルトランドセメント自体も硬化性を有するため、硬化体を得るためのポルトランドセメントの上限というようなことはなく多量に混合することも可能である。ただ、本発明のスラグ組成物(A)とポルトランドセメントを混合使用することは、いわゆる混合セメント組成物であり、その場合の混合割合は、一般的にポルトランドセメント100重量部に対して該スラグ組成物(A)0.1〜60重量部程度が好ましい。
また、本発明の硬化性組成物には、上記のスラグ組成物(A)及びアルカリ性刺激材(B)以外に、他の材料を配合することもできる。そのような材料としては、例えばSO3分、高炉スラグ、フライアッシュ等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、前述の如く、良好な水硬性を有するので、水と混合するのみで優れた強度を有する硬化体とすることができる。より具体的には前記硬化性組成物に水を混合し、養生硬化させることにより優れた強度を有する硬化体を得ることができる。また、前記硬化体組成物に水及び骨材を混合し、養生硬化させることによっても硬化体を得ることができる。養生手段としては、特に制限されないが、60〜80℃、4〜24時間が好ましい。なお、適正組成物のスラグを用い、適正処方の組成物とすることにより、ポルトランドセメントと同様、常温養生によってももちろん良好な硬化体を得ることができる。また骨材としては、本発明のスラグはもちろん通常のコンクリート、モルタル、ブロック製品、建材等に使用される骨材、例えば砂、砂利、砕石、軽量骨材等を用いることができる。
このような下水汚泥焼却溶融スラグや都市ゴミ焼却溶融スラグがアルカリ性刺激材(ポルトランドセメントを含む)と組み合わせることにより何故に硬化するのか詳細な学問的解明は今後の研究を待たなければならない。しかし、本発明者等は、次のように考えた。
下水汚泥焼却溶融スラグや都市ゴミ焼却溶融スラグには、ガラス形成酸化物であるSiO2はもちろんであるが、Al2O3やCaOの他にも、鉄分(Fe2O3等)、MgO、アルカリ(Na2O、K2O)、リン分(P2O5)等も多く含まれ、更には、イオウ(S)分、マンガン分、TiO2も含まれ、更に、都市ゴミ焼却灰にはハロゲン(特に塩素;Cl)も含まれるという特徴を有している。
すなわち、高炉スラグの主要構成成分であるシリカ分、カルシウム分、アルミナ分、及びマグネシア分等の量的関係はもちろんであるが、高炉スラグにはほとんど含まれないか、含まれていたとしても非常に少ない、鉄分、リン分(P2O5)、アルカリ、マンガン等が、中でも、アルカリや鉄分、リン分、ハロゲン(塩素やフッ素等)等が、下水汚泥焼却溶融スラグや都市ゴミ焼却溶融スラグ等の反応性に大きく影響しているものと考えた。
下水汚泥焼却溶融スラグや都市ゴミ焼却溶融スラグは、本質的にはガラスであり、そのため、ガラス形成酸化物であるシリカ(SiO2)のガラス構造を乱したり、あるいは部分的に切断したりして、下水汚泥焼却溶融スラグや都市ゴミ焼却溶融スラグのガラス構造を不安定化することにより、特に、アルカリ性の雰囲気下では浸食され易くなって、その浸食され溶出した成分と、例えば、ポルトランドセメントの水和により生成する水酸化カルシウム等とが水和反応して、いわゆる、ケイ酸カルシウム水和物(C−S−H)や、アルカリ(カルシウム)−アルミナ−シリカ等の化合物であるゼオライト等の化合物を形成して強度発現性を示すようになったのではないかと考えた。
すなわち、下水汚泥溶融スラグのガラス構造としては、例えば、シリカはアルミナ、鉄、及びリン酸等とともに−Si−O−Fe−O−Si−O−Al−O−P−O−のような結合よりなる鎖構造のガラス構造を形成しているのではと考えられるが、下水汚泥焼却溶融スラグにおいては、通常のソーダ石灰系のガラスやアルミノケイ酸ガラス等よりもSiO2分が少なくガラス構造が不安定になりやすい上に、Na2OやK2O、酸化カルシウム(CaO)、アルミナ(Al2O3)、酸化マグネシウム(MgO)のような通常のソーダ石灰系ガラスやアルミノケイ酸ガラス等に含まれる修飾酸化物の他に、通常のガラスにはほとんど、あるいは、あまり多くは含まれておらず、ガラス構造を更に不安定化させると考えられる、鉄分(Fe2O3やFeS)を始め、既に述べたリン分(P2O5)、酸化マンガン(MnO)、イオウ(S)、チタニア(TiO2)等が含まれており、それらがガラス構造の中に入ることにより、例えば、リン分(P2O5)を含むガラスは従来より不安定で、アルカリや水に弱いということが知られているように、リン分(P2O5)を含め、アルカリ、鉄、カルシア、マグネシア、アルミナ等、それら全体のガラス構造不安定化の複合効果により、ガラス形成酸化物であるシリカの結合鎖が、よりいっそう鎖構造を乱され、歪が与えられたり部分的に切断されたりして、通常の窓ガラス等のガラス構造では考えられないような不安定がガラス構造、いわゆる、“活性化され非常に反応性の高い”状態となっているのではないかと考えた。ただ、リン分の場合には、リン酸塩ガラスにアルミナを加えてやると、より安定化するというような領域もあるため、アルカリや鉄等の複合効果の影響も大きいものと考えられる。
このように不安定化されたガラス状態の溶融スラグに、水酸化アルカリ、ケイ酸ソーダ(水ガラス)及びポルトランドセメント等のアルカリ性の材料を組み合わせてやると、それらのスラグは容易に浸食され、スラグ構成成分であるSi、Al、Mg、Fe、P等のイオンや化合物が溶出するとともに、水和物を形成し硬化するものと推察される。
例えば、従来より広くセメントコンクリート材料として用いられているポルトランドセメントと前記スラグ組成物を混合したものに水を加えてやると、ポルトランドセメントの水和により生成する水酸化カルシウムとスラグ組成物からのシリカ分やアルミナ分等との間で水和物、すなわち、カルシウムシリケート水和物(C−S−H)やゼオライト等の不溶性化合物を形成して固化するのではないかと推察した。
ただ、アルカリやアルミナ及びシリカ等の水和化合物であるゼオライト等のケイ酸塩化合物を形成すると考えられる組成は、CaO/SiO2モル比(C/S)において、C/Sが1.2程度以下のスラグと考えられ、それよりC/S比が大きくなると、高炉スラグと同様のアルミン酸塩型化合物を形成する方が優勢になるのではないかと考えられる。
すなわち、通常の高炉スラグ(通常C/S>1.3)と、例えばポルトランドセメントと高炉スラグとの混合セメントである高炉セメントの水和反応生成物は、上記カルシウムシリケート水和物(C−S−H)、カルシウムサルフォアルミネート水和物及びカルシウムアルミネート水和物等が生成されることが知られているが、下水汚泥焼却溶融スラグや都市ゴミ焼却溶融スラグの場合には、カルシウム(C)とシリカ(S)の比(C/S;モル比)が、一般的に高炉スラグ(大部分はC/S>1.3)よりも小さく、通常は1.15程度以下で、大部分はC/S≦1のものが多くなり、そのためカルシウムアルミネート水和物を生成するには、カルシウム不足になり、カルシウムアルミネートは生成しにくく、ゼオライトのようなケイ酸塩化合物を形成するものと考えられるのである。
ただ、特に、脱水材として石灰を用いる石灰系下水汚泥焼却溶融スラグの場合には、C/S>1.2のものも多少あり、このような場合には、高炉スラグと同順様カルシウムアルミネート水和物も形成されることも考えられ、高炉スラグの欠点である表面硬化が不良になりやすいというような欠点も現れ易くなるため、スラグ組成として比較的アルミナ分を多く含む場合には、刺激材としてシリカ源を持つ、ケイ酸ソーダ等のケイ酸アルカリを使用すると、アルミネート系の水和物の生成は防止されケイ酸塩化合物を生成できる場合もあると考えられ、そのような場合には、アルカリ刺激材としては、水酸化アルカリよりも、水ガラス等のケイ酸アルカリが適している。ただ、C/Sが極端に大きい場合は、ポルトランドセメントと併用し混合セメントとして使用するのが良い。
なお、刺激材としてポルトランドセメントを用い、特に混合セメントとしC/S比の小さい下水汚泥焼却溶融スラグや都市ゴミ焼却溶融スラグの添加量を多くすると、カルシウム分が不足してカルシウムアルミネート水和物が生成しないことは、水和物のX線解析結果より確認しており、添加量によっては、ほとんど水酸化カルシウムの生成(残存)が認められないことも確認している。
なお、C/S比が小さい組成物では、ゼオライト化合物が生成しやすいことから、NaOH等のアルカリ刺激材が少なすぎると、アルカリがすべて吸収され、ほとんど硬化しないものが、刺激材の添加量を多くすると強度発現性の良好なものができるというような極端なこともあり、本発明の硬化性組成物は、NaOHやCa(OH)2等を吸収固定する能力が大きいことも明らかである。
そのため、例えば、アルカリ性刺激材としてポルトランドセメントを用いた場合、適正な混合量とすることにより、水酸化カルシウムの生成をも抑えたり、生成しないような硬化体とすることも可能なため、従来のポルトランドセメント硬化体の白華やアルカリ骨材反応の問題を解決できる可能性をも有している。その他、ガラス繊維に悪影響を及ぼすアルカリを反応吸収し、また水酸化カルシウムも反応吸収して、その生成を少なくあるいは生成しないようにすることができることから、ガラス繊維強化セメントコンクリート製品(GRC)用のセメントとしての利用も可能である。また、従来のポルトランドセメントに較べ、耐酸性、耐海水性に優れた硬化体を与え、海洋構造物、下水管等の耐蝕性を求められる構造物に利用できる可能性がある。
いずれにしても、詳細な硬化機構については、まだ不明なものの高炉スラグと異なり非常にCaO分の少ないか含まれていないスラグ系においても、本発明は、前記のスラグ組成物と、水酸化アルカリ、ケイ酸アルカリやポルトランドセメント等のアルカリ性刺激材とを組み合わせることにより良好な強度発現性を示す硬化性組成物が得られることを見出したものである。
実施例
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに何ら限定されるものではない。
実施例1−1〜1−64及び比較例1−1〜1−11
それぞれ関東化学社品の特級試薬を用いて、表1〜表5の組成になるように調整した試料を1200〜1500℃で60分、1250〜1550℃で60分、また溶融物の粘性が高く流し出しが困難と思われるものや、ガラス化が不充分と思われる場合には、更に1300〜1580℃で10〜20分間加熱溶融し、その後水中に流し出し急冷し、溶融スラグを得た。
該溶融スラグをボールミルにて粉末度が、ブレーン値で3000cm2/g及び4500cm2/gとなるよう粉砕したもの85重量部に、ISOモルタル強度試験用の標準砂255重量部及びアルカリ性刺激材として水酸化ナトリウムを表1〜表5記載の量、水42.5重量部を加え、ホバートミキサーにて混練した。この混練物を、強度試験用に用いる2cm×2cm×8cmサイズの供試体作製用の型枠に振動を掛けながら投入する。
この投入物を、50℃にセットした恒温恒湿槽内(タバイ製)に置き、相対湿度98%の条件で、20℃から80℃まで3時間かけて昇温し、80℃の保持時間(養生時間)が12時間の試料を得た。
該試料の圧縮強さを測定した結果を表1〜4に示す。
表1〜表4から明らかなように、前記条件を満たすスラグ組成物(A)及びアルカリ性刺激材(B)を含有する本発明の硬化性組成物は、単に水を加えて混練養生するだけで、優れた強度を有する硬化体となることがわかる。
実施例2−1
石灰系下水汚泥スラグ「大阪市下水道公社品で主要化学成分(重量%);SiO2 32.1、Al2O3 14.1、Fe2O3 4.5、CaO 34.4、MgO 2.4、P2O5 8.0、S 1.2、Na2O 0.80、K2O 0.51、その他」を200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、90μm篩い上残分約9重量%、63μm篩い上残分約23重量%程度となるよう粉砕したもの1600重量部に、アルカリ性刺激材として水酸化ナトリウムを16重量部、水264重量部を加え、ホバートミキサーにて混練する。この混練物を、通常のポルトランドセメントモルタルの強度試験用に用いる4cm×4cm×16cmサイズの供試体作製用の型枠に振動を掛けながら投入する。
この投入物を、50℃にセットした恒温恒湿槽(タバイ製)内に置き、相対湿度98%の条件で、50℃から80℃まで約20分かけて昇温し、80℃の保持時間(養生時間)が2時間(及び4時間)の試料を得た。
実施例2−2
実施例2−1の石灰系下水汚泥スラグ粉砕品を用い、NaOHを48重量部とした他は実施例1と同様の混練養生時間の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々1時間、2時間、4時間及び22時間の試料を得た。
実施例2−3
実施例2−1の石灰系下水汚泥スラグ粉砕品を用い、NaOHを48重量部とし、混練水量を224重量とした他は実施例1と同様の混練養生時間の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々1時間、2時間、4時間及び22時間の試料を得た。
実施例2−4
実施例2−1の石灰系下水汚泥スラグ粉砕品を用い、NaOHを48重量部とし、20℃にて湿空養生を行い、養生時間を1日(及び3日)とした他は、実施例1と同様にして試料を得た。
実施例2−5
実施例2−1の石灰系下水汚泥スラグ粉砕品を用い、NaOHを80重量部とし、20℃にて湿空養生を行い、養生時間を1日(及び3日)とした他は、実施例1と同様にして試料を得た。
実施例2−6
前記実施例2−1〜2−5のNaOHの代わりにCa(OH)2(試料1級、関東化学社品)を48重量部、160重量部、240重量部、320重量部、かつ水量をそれぞれ264重量部、288重量部、335重量部、352重量部及び、下水汚泥スラグ粉砕試料1000重量部に対して、水酸化カルシウムを1000重量部、水量を880重量部用いた5種類の処方品について実施例2−1と同様にして試料を得た。但し、いずれも80℃の養生時間は、4時間である。
実施例2−7
実施例2−1の石灰系下水汚泥スラグ粉砕品713重量部、及び該汚泥スラグを粗粉砕した0.5〜2.5mmの粒径の骨材1147重量部、NaOH 21.4重量部、水168重量部を混練し、以後、実施例2−1と同様にして試料を得た。但し、80℃の養生時間は4時間である。
実施例2−8
実施例2−1の石灰系下水汚泥スラグ粉砕品を用い、実施例2と同様の混練養生条件の下(但し、80℃での養生時間を18時間)で得た硬化体を、砕いた。この後、110℃にて1日乾燥し、再度、実施例1と同様にして、ディスクミルで200gを3分間粉砕して作製した試料(90μm篩い上残分;14.6重量%)1200重量部に対して、水を228重量部添加しホバートミキサーにて混練し、以後実施例2−1と同様にして80℃にて4時間養生して試料を得た。
実施例2−9
実施例2−1の石灰系下水汚泥スラグ粉砕品を用い、実施例8と同様の混練養生条件の下(但し、80℃での養生時間を18時間)で得た硬化体を、砕いた。この後、110℃にて1日乾燥し、再度、実施例1と同様にして、ディスクミルで200gを10分間粉砕して作製した試料(90μm篩い上残分;12重量%)1700重量部に対して、NaOHを34重量部、及び水を280.5重量%添加し、ホバートミキサーにて混練し、以後実施例1と同様にして80℃にて4時間養生して試料を得た。
実施例2−10
実施例2−1の石灰系下水汚泥スラグ粉砕品を用い、ビーカーに100重量部を採取し複数個用意したものに、それぞれアルカリ性の刺激材として、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水ガラス1号、水ガラス3号、珪酸カリウム溶液、アルミン酸ナトリウム溶液を、それぞれ5重量部加え混合し、そして各々に水18重量部を加え混練したものを、80℃98%の湿空条件となるよう調整した高温恒湿度槽に4〜8時間入れ、試料を得た。
これらはいずれも硬く硬化していた。
実施例2−11
高分子系下水汚泥焼却灰を電気炉で1400℃で1時間焼成溶融したものを、水中に投入しガラス質の高分子系下水汚泥スラグ「東京都下水道品で主要化学成分(重量%);SiO2 35.1、Al2O3 18.6、Fe2O3 9.7、CaO 11.8、MgO 3.1g、P2O5 14.1、S 0.04、Na2O 1.37、K2O 2.69、MnO 0.35、その他」を得た。該下水汚泥スラグを200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、90μm篩い上残分が約9重量%となるよう粉砕したものを150重量部に、アルカリ性刺激材として水酸化ナトリウムを4.5重量部、水45重量部を加え混練する。この混練物を2cm×2cm×8cmサイズの供試体作製用の型枠に振動を掛けながら投入する。この投入物を、50℃にセットしたタバイの恒温恒湿槽内に置き、相対湿度98%の条件で、50℃から80℃まで約20分かけて昇温し、80℃の保持時間(養生時間)が4時間の試料を得た。
実施例2−12
実施例2−11のものと同じ高分子系下水汚泥スラグ粉砕品150g重量部に、アルカリ性刺激材として水酸化カルシウム37.5重量部、水45重量部を加え混練しする。この混練物を2cm×2cm×8cmサイズの供試体作製用の型枠に振動を掛けながら投入する。
この投入物を、50℃にセットしたタバイの恒温恒湿槽内に置き、相対湿度98%の条件で、50℃から80℃まで約20分かけて昇温し、80℃の保持時間(養生時間)が4時間の試料を得た。
実施例2−13
実施例2−11のものと同じ高分子系下水汚泥スラグ粉砕品150g重量部に、アルカリ性刺激材として水酸化カルシウム4.5重量部、及び水酸化カルシウム37.5重量部、水45重量部を加え混練しする。
この混練物は、短時間に硬くなる特性を示した為、更に、水を80重量部まで加え、強制的に混練し、この混練物を2cm×2cm×8cmサイズの供試体作製用の型枠に振動を掛けながら投入する。
この成形物を、20℃にセットしたタバイの恒温恒湿槽内に置き、相対湿度98%の条件で、保持時間(養生時間)が1日の試料を得た。
実施例2−14
実施例2−11のものと同じ高分子系下水汚泥スラグ粉砕品150g重量部に、アルカリ性刺激材として水酸化ナトリウム0.38重量部、及び、水酸化カルシウム37.5重量部、水45重量部を加え混練しする。この混練物を2cm×2cm×8cmサイズの供試体作製用の型枠に振動を掛けながら投入する。
この投入物を、50℃にセットしたタバイの恒温恒湿槽内に置き、相対湿度98%の条件で、50℃から80℃まで約20分かけて昇温し、80℃の保持時間(養生時間)が4時間の試料を得た。
実施例2−15
実施例2−11のものと同じ高分子系下水汚泥スラグ粉砕品150g重量部に、アルカリ性刺激材として水酸化ナトリウム0.75重量部、及び、水酸化カルシウム37.5重量部、水45重量部を加え混練しする。この混練物を2cm×2cm×8cmサイズの供試体作製用の型枠に振動を掛けながら投入する。この投入物を、50℃にセットしたタバイの恒温恒湿槽内に置き、相対湿度98%の条件で、50℃から80℃まで約20分かけて昇温し、80℃の保持時間(養生時間)が4時間の試料を得た。
実施例2−16
実施例2−11の高分子系下水汚泥焼却灰70重量部、Ca(OH)2(試薬1級、関東化学社品)30重量部の混合物を電気炉で1450℃で1時間焼成溶融したものを、水中に投入しガラス質の高分子系下水汚泥スラグを得た。該下水汚泥スラグを200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、90μm篩い上残分約8重量%となるよう粉砕したもの150重量部に、アルカリ性刺激材とし水酸化ナトリウムを4.5重量部、水27重量を加え混練する。この混練物を2cm×2cm×8cmサイズの供試体作製用の型枠に振動を掛けながら投入する。
この投入物を、50℃にセットしたタバイの恒温恒湿槽内に置き、相対湿度98%の条件で、50℃から80℃まで約20分かけて昇温し、80℃の保持時間(養生時間)が4時間の試料を得た。
実施例2−17
実施例2−11の高分子系下水汚泥焼却灰70重量部、Ca(OH)2(試薬1級、関東化学社品)20重量部、砕石スラッジ((有恒興業社品で主要化学成分(重量%);SiO2 54.4、Al2O3 18.6、Fe2O3 6.2、CaO 5.6、MgO 2.8、Na2O 3.08、K2O 1.67、その他)10重量部の混合物を電気炉で1400℃で1時間焼成溶融したものを、水中に投入しガラス質の高分子系下水汚泥スラグを得た。該下水汚泥スラグを200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、90μm篩い上残分約8重量%となるように粉砕したもの150重量部に、アルカリ性刺激材として水酸化ナトリウムを4.5重量部、水25重量部を加え混練する。この混練物を2cm×2cm×8cmサイズの供試体作製用の型枠に振動を掛けながら投入する。
この投入物を、50℃にセットしたタバイの恒温恒湿槽内に置き、相対湿度98%の条件で、50℃から80℃まで約20分かけて昇温し、80℃の保持時間(養生時間)が4時間の試料を得た。
実施例2−21
実施例2−11の高分子系下水汚泥焼却灰40重量部、リン酸三カルシウム(試薬食品添加物、和光純薬工業社品)40重量部、及び上記実施例13と同じ砕石スラッジ20重量部の混合物を電気炉で1500℃で1時間焼成溶融したものを、水中に投入しガラス質の高分子系下水汚泥スラグを得た。該下水汚泥スラグを200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、90μm篩い上残分約10重量%となるよう粉砕したもの150重量部に、アルカリ性刺激材とし水酸化ナトリウムを4.5重量部、水24重量を加え混練する。この混練物を2cm×2cm×8cmサイズの供試体作製用の型枠に振動を掛けながら投入する。
この投入物を、50℃にセットしたタバイの恒温恒湿槽内に置き、相対湿度98%の条件で、50℃から80℃まで約20分かけて昇温し、80℃の保持時間(養生時間)が4時間の試料を得た。
実施例2−22
高分子系下水汚泥焼却灰を電気炉で1400℃で1時間焼成溶融したものを、水中に投入しガラス質の高分子系下水汚泥スラグ「埼玉県下水道公社品で主要化学成分(重量%);SiO2 29.3、Al2O3 15.8、Fe2O3 13.0、CaO 9.7、MgO 3.4、P2O5 22.5、S 0.05、Na2O 1.01、K2O 2.36、MnO 0.19、その他」を得た。該下水汚泥スラグを200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、90μm篩い上残分約8重量%となるように粉砕したもの150重量部に、アルカリ性刺激材として水酸化ナトリウムを4.5重量部、Ca(OH)237.5重量部、水49重量部を加え混練する。この混練物を2cm×2cm×8cmサイズの供試体作製用の型枠に振動を掛けながら投入する。
この投入物を、50℃にセットしたタバイの恒温恒湿槽内に置き、相対湿度98%の条件で、50℃から80℃まで約20分かけて昇温し、80℃の保持時間(養生時間)が4時間の試料を得た。
比較例2−1
実施例2−1の石灰系下水汚泥スラグ粉砕品を用い、実施例2−5と同様の混練養生条件の下(但し、アルカリ性刺激材は使用せず)で混練したものを、実施例1と同様の成形を行い、80℃で4時間養生して試料を得た。
尚、このものは、実施例1で得たような硬化体ではなかった。
比較例2−2
実施例2−1の石灰系下水汚泥スラグにする前段階の下水汚泥焼却灰を用い、ビーカーに100重量部を秤取したものを複数個用意し、NaOHを1〜5重量部と水20〜60重量部の範囲で種々混練したものを用意し、これを実施例2−1と同様の成形を行い、80℃で4時間養生した。
尚、このものは、硬化が認められなかった。焼却灰の化学組成は、それを溶融してガラス化したスラグと大きく変わっている訳ではないが、水硬性、あるいは潜在水硬性がないのは、焼却灰を構成する化合物が安定形になっており、それ以上反応が進行しないためと考えられる。
上記実施例2−1〜実施例2−22で得た試料について、その曲げ強さ及び圧縮強さを調べたので、その結果を表5〜表6に示す。
表5及び表6から明らかなように、下水汚泥焼却溶融スラグ及びアルカリ性刺激材を含有する本発明の硬化性組成物は、水と混練養生するのみで優れた強度を有する硬化体となることがわかる。
実施例3−1
埼玉県朝霞市の都市ゴミ焼却灰を1400℃で1時間焼成溶融し、投入してゴミ焼却溶融スラグ「主要化学成分(重量%);SiO2 30.1、Al2O3 20.5、Fe2O3 8.2、CaO 28.0、MgO 4.5、P2O5 1.85、SO3 0.1、Na2O 1.36、K2O 0.24、Cl 1.08その他」を200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、ブレーン値約2100cm2/g程度となるよう粉砕したもの400重量部に、アルカリ性刺激材として水酸化ナトリウムを12重量部、水68重量部を加え、ホバートミキサーにて混練する。この混練物を、2cm×2cm×8cmサイズの供試体作製用の型枠に振動を掛けながら投入する。
この投入物を、20℃にセットした恒温恒湿槽(タバイ製)内に置き、相対湿度98%の条件で、20℃から80℃まで3時間かけて昇温し、80℃の保持時間(養生時間)が4時間(及び8時間)のの試料を得た。
実施例3−2
実施例3−1の都市ゴミ焼却灰60重量部、砕石スラッジ((有恒興業社品で主要化学成分(重量%);SiO2 54.4、Al2O3 18.6、Fe2O3 6.2、CaO 5.6、MgO 2.8、Na2O 3.08、K2O 1.67、その他)20重量部、及びリン酸三カルシウム(試薬食品添加物、和光純薬工業社品)20重量部の混合物を電気炉で1400℃で1時間焼成溶融したものを、水中に投入しガラス質のゴミ焼却溶融スラグを得た。このゴミ焼却溶融スラグを用い他は実施例3−1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が4時間、及び8時間の試料を得た。尚、本スラグの化学組成は表7に示した。
実施例3−3
横浜市の都市ゴミ焼却灰を1400℃で1時間焼成溶融し、投入してゴミ焼却溶融スラグ「主要化学成分(重量%);SiO2 39.2、Al2O3 16.0、Fe2O3 11.8、CaO 20.0、MgO 3.4、P2O5 1.9、SO3 0.5、Na2O 2.75、K2O 1.38、Cl 0.4その他」を200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、ブレーン値約2100cm2/g程度となるよう粉砕したもの600重量部に、アルカリ性刺激材として水酸化ナトリウムを9重量部、水111重量部を加え、ホバートミキサーにて混練する。この混練物を、2cm×2cm×8cmサイズの供試体作製用の型枠に振動を掛けながら投入する。
この投入物を、20℃にセットしたタバイの恒温恒湿槽内に置き、相対湿度98%の条件で、20℃から80℃まで3時間かけて昇温し、80℃の保持時間(養生時間)が4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
実施例3−4
実施例3−3のスラグ粉砕品を用い、NaOHを18重量部とした他は実施例3−3と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々2時間、4時間及び22時間の試料を得た。
上記実施例3−1〜実施例3−4で得られた試料について圧縮強さを測定した結果を表7に示す。
表8から明らかなようにゴミ焼却溶融スラグ及びアルカリ性刺激材を含有する本発明の硬化性組成物は、単に水と混練養生するのみで、優れた強度を有する硬化体となることがわかる。
実施例4−1
横浜市の都市ゴミ焼却灰をアルミナ製の容器に入れ、電気炉で1400℃にて1時間溶融後、水中に投入して急冷して得たゴミ焼却溶融スラグ「主要化学成分(重量%);SiO2 39.1、Al2O3 15.6、Fe2O3 12.3、CaO 20.3、MgO 3.3、SO3 0.6、Na2O 2.70、K2O1.41、TiO2 1.74、P2O5 1.70、その他」を200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、90μm篩い上残分約17.6重量%、63μm篩い上残分約31重量%程度となるよう粉砕したもの600重量部に、市販のケイ酸アルカリ溶液(水ガラス1号)を180重量部、水30重量部を加え、ホバートミキサーにて混練する。この混練物を、2cm×2cm×8cmサイズの供試体作製用の型枠に振動を掛けながら投入する。
この投入物を、20℃にセットしたタバイの恒温恒湿槽内に置き、相対湿度98%の条件で、20℃から80℃まで3時間かけて昇温し、80℃の保持時間(養生時間)が4時間(及び、8時間、16時間)の試料を得た。
実施例4−2
実施例4−1のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を用い、該粉砕品600重量部に、ケイ酸アルカリとして水ガラス3号を180重量部加え、他は実施例4−1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
実施例4−3
実施例4−1のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を用い、ケイ酸アルカリとして水ガラス1号を用いて実施例1と同様の条件にて混練成形したものを、20℃にて湿空養生を行い、養生時間を3日(及び7日)とした他は、実施例4−1と同様にして試料を得た。
実施例4−4
実施例4−1のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を200重量部、該ゴミ焼却溶融スラグを粗粉砕した0.5〜2.38mmの粒径の骨材を200重量部、水ガラス1号を120重量部、水10重量部を混練し、以後、実施例4−1と同様に処理して試料を得た。
実施例4−5
実施例4−1のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を200重量部、該ゴミ焼却溶融スラグを粗粉砕した0.5〜2.38mmの粒径の骨材を200重量部、水ガラス3号を120重量部を混練し、以後、実施例4−1と同様に処理して試料を得た。
実施例4−6
実施例4−1のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を200重量部、該ゴミ焼却溶融スラグを粗粉砕した0.5〜2.38mmの粒径の骨材を200重量部、アルミン酸ソーダ(浅田化学工業社品;#2019)を120重量部を混練し、以後、実施例4−1と同様に処理して試料を得た。
実施例4−7
実施例4−1のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を200重量部、該ゴミ焼却溶融スラグを粗粉砕した0.5〜2.38mmの粒径の骨材を200重量部、アルミン酸ソーダ(浅田化学工業社品;#1219)を120重量部を混練し、以後、実施例4−1と同様に処理して試料を得た。
実施例4−8
横浜市のゴミ焼却灰90重量部と水酸化カルシウム(関東化学社品、特級試薬)10重量部の割合で混合したものをアルミナ製の容器に入れ、電気炉で1400℃にて1時間溶融後、水中に投入して急冷して得たゴミ焼却溶融スラグ「主要化学成分(重量%);SiO2 35.1、Al2O3 14.4、Fe2O3 11.9、CaO 27.2、MgO 2.9、SO3 0.7、Na2O 2.29、K2O 1.10、TiO2 1.5、P2O5 1.5、その他」を200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、90μm篩い上残分約14.4重量%、63μm篩い上残分約27.9重量%程度となるよう粉砕したもの600重量部に、水ガラス1号を180重量部、水30重量部を加え、ホバートミキサーにて混練する。この混練物を、以後、実施例4−1と同様に処理して試料を得た。
実施例4−9
実施例4−8のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を用い、ケイ酸アルカリとして水ガラス1号を用いて実施例4−1と同様の条件にて混練成形したものを、20℃にて湿空養生を行い、養生時間を3日(及び7日,28日)とした他は、実施例4と同様にして試料を得た。
実施例4−10
実施例4−8のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を用い、該粉砕品600重量部に、ケイ酸アルカリとして水ガラス3号を180重量部加え、他は実施例4−1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
実施例4−11
横浜市のゴミ焼却灰80重量部と水酸化カルシウム(関東化学社品、特級試薬)20重量部の割合で混合したものをアルミナ製の容器に入れ、電気炉で1400℃にて1時間溶融後、水中に投入して急冷して得たゴミ焼却溶融スラグ「主要化学成分(重量%);SiO2 31.5、Al2O3 13.3、Fe2O3 10.3、CaO 34.4、MgO 2.7、SO3 0.9、Na2O 2.08、K2O 0.89、TiO2 1.4、P2O5 1.4、その他」を200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、90μm篩い上残分約16.1重量%、63μm篩い上残分約26.1重量%程度となるよう粉砕したもの600重量部に、水ガラス1号を180重量部、水30重量部を加え、ホバートミキサーにて混練する。この混練物を、以後、実施例4−1と同様に処理して試料を得た。
実施例4−12
実施例4−11のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を用い、ケイ酸アルカリとして水ガラス1号を用いて実施例1と同様の条件にて混練成形したものを、20℃にて湿空養生を行い、養生時間を3日(及び7日,28日)とした他は、実施例4−1と同様にして試料を得た。
実施例4−13
実施例4−11のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を用い、該粉砕品600重量部に、ケイ酸アルカリとして水ガラス3号を180重量部加え、他は実施例4−1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
比較例4−1
横浜市のゴミ焼却灰60重量部と水酸化カルシウム(関東化学社品、特級試薬)40重量部の割合で混合したものをアルミナ製の容器に入れ、電気炉で1550℃にて1時間溶融後、水中に投入して急冷して得たゴミ焼却溶融スラグ「主要化学成分(重量%);SiO2 21.9、Al2O3 24.0、Fe2O3 6.7、CaO 40.7、MgO 1.8、SO3 0.4、Na2O 1.41、K2O 0.42、TiO2 0.9、P2O5 0.9、その他」を200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、90μm篩い上残分約19重量%、63μm篩い上残分約31.1重量%程度となるよう粉砕したもの600重量部に、水ガラス1号を180重量部、水30重量部を加え、ホバートミキサーにて混練したが、このものは混練中に硬化してしまい急結性を示したため、強度測定用の試料の作成は行わなかった。なおX線解析試験の結果、このものは、完全にはガラス化していないことが判明した。
実施例4−16
横浜市のゴミ焼却灰40重量部に、採石スラッジ(有恒興業社品、廃棄品)60重量部の割合で混合したものをアルミナ製の容器に入れ、電気炉で1400℃にて1時間溶融後、水中に投入して急冷して得たゴミ焼却溶融スラグ「主要化学成分(重量%);SiO2 54.3、Al2O3 17.9、Fe2O3 6.8、CaO 7.7、MgO 3.5、SO3 0.3、Na2O 3.55、K2O 1.18、TiO2 1.0、P2O5 0.4、Cl 0.0、その他」を200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、90μm篩い上残分約11重量%、63μm篩い上残分約25.5重量%程度となるよう粉砕したもの600重量部に、水ガラス1号を180重量部、水30重量部を加え、ホバートミキサーにて混練する。この混練物を、以後、実施例4−1と同様に処理して試料を得た。
実施例4−17
実施例4−16のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を用い、該粉砕品600重量部に、ケイ酸アルカリとして水ガラス3号を180重量部加え、他の実施例1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間を各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
実施例4−18
実施例4−16のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を用い、該粉砕品600重量部に、アルミン酸アルカリとしてアルミン酸ソーダ溶液(浅田化学社品;#2019)180重量部を加え、他は実施例1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
実施例4−19
熊谷市のゴミ焼却灰(主灰)をアルミナ製の容器に入れ、電気炉で1400℃にて1時間溶融後、水中に投入して急冷して得たゴミ焼却溶融スラグ「主要化学成分(重量%);SiO2 36.6、Al2O3 17.7、Fe2O3 5.9、CaO 23.4、MgO 3.8、SO3 0.2、Na2O 3.42、K2O 1.82、TiO2 1.9、P2O5 3.5、MnO 0.1、その他」を200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、90μm篩い上残分約18.1重量%、63μm篩い上残分約31重量%程度となるよう粉砕したもの200重量部に、及び、該ゴミ焼却溶融スラグを粗粉砕した0.5〜2.38mmの粒径の骨材200重量部に、市販のケイ酸アルカリ溶液(水ガラス1号)を20重量部、水36重量部を加え、ホバートミキサーにて混練する。この混練物を、2cm×2cm×8cmサイズの供試体作製用の型枠に振動を掛けながら投入する。
この投入物を、20℃にセットしたタバイの恒温恒湿槽内に置き、相対湿度98%の条件で、20℃から80℃まで3時間かけて昇温し、80℃の保持時間(養生時間)が4時間(及び、8時間、16時間)の試料を得た。
実施例4−20
実施例4−19のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を200重量部、該ゴミ焼却溶融スラグを粗粉砕した0.5〜2.38mmの粒径の骨材を200重量部、水ガラス1号を40重量部、水32重量部を混練し、以後、実施例4−1と同様に処理して試料を得た。
実施例4−21
実施例4−19のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を200重量部、該ゴミ焼却溶融スラグを粗粉砕した0.5〜2.38mmの粒径の骨材を200重量部、水ガラス1号を80重量部、水16重量部を混練し、以後、実施例4−1と同様に処理して試料を得た。
実施例4−22
実施例4−19のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を200重量部、該ゴミ焼却溶融スラグを粗粉砕した0.5〜2.38mmの粒径の骨材を200重量部、水ガラス1号を120重量部、水8重量部を混練し、以後、実施例4−1と同様に処理して試料を得た。
実施例4−23
実施例4−19のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を200重量部、該ゴミ焼却溶融スラグを粗粉砕した0.5〜2.38mmの粒径の骨材を200重量部、水ガラス1号を200重量部を混練し、以後、実施例1と同様に処理して試料を得た。
実施例4−24
実施例4−19のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を200重量部、該ゴミ焼却溶融スラグを粗粉砕した0.5〜2.38mmの粒径の骨材を200重量部、水ガラス1号を400重量部を混練し、以後、実施例4−1と同様に処理して試料を得た。
実施例4−25
実施例4−19のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を200重量部、該ゴミ焼却溶融スラグを粗粉砕した0.5〜2.38mmの粒径の骨材を200重量部、水ガラス3号を80重量部を混練し、以後、実施例4−1と同様に処理して試料を得た。
実施例4−26
実施例4−19のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を200重量部、該ゴミ焼却溶融スラグを粗粉砕した0.5〜2.38mmの粒径骨材を200重量部、アルミン酸アルカリとしてアルミン酸ソーダ溶液(浅田化学社品;#2019)80重量部を混練し、以後、実施例4−1と同様に処理して試料を得た。
実施例4−27
熊谷市のゴミ焼却灰(主灰)をアルミナ製の容器に入れ、電気炉で1400℃にて1時間溶融後、水中に投入して急冷して得たゴミ焼却溶融スラグ「主要化学成分(重量%);SiO2 30.6、Al2O3 19.1、Fe2O3 2.0、CaO 30.9、MgO 5.6、SO3 2.1、Na2O 1.50、K2O 0.51、TiO2 3.1、P2O5 2.2、MnO 0.1、その他」を200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、90μm篩い上残分約15.1重量%、63μm篩い上残分約25.5重量%程度となるよう粉砕したもの600重量部に、市販のケイ酸アルカリ溶液(水ガラス1号)を180重量部、水30重量部を加え、ホバートミキサーにて混練する。この混練物を、2cm×2cm×8cmサイズの供試体作製用の型枠に振動を掛けながら投入する。
この投入物を、20℃にセットしたタバイの恒温恒湿槽内に置き、相対湿度98%の条件で、20℃から80℃まで3時間かけて昇温し、80℃の保持時間(養生時間)が4時間(及び、8時間、16時間)の試料を得た。
実施例4−28
実施例4−27のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を用い、該粉砕品600重量部に、ケイ酸アルカリとして水ガラス3号を180重量部加え、他は実施例4−1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
実施例4−29
実施例4−27のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を用い、該粉砕品600重量部に、アルミン酸アルカリとしてアルミン酸ソーダ溶液((浅田化学社品;#2019)180重量部を加え、他は実施例4−1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
実施例4−30
熊谷市のゴミ焼却灰(主灰)100重量部と熊谷市のゴミ焼却灰(飛灰)50重量部の割合で混合したものをアルミナ製の容器に入れ、電気炉で1400℃にて1時間溶融後、水中に投入して急冷して得たコミ焼却溶融スラグ「主要化学成分(重量%);SiO2 34.1、Al2O3 17.5、Fe2O3 5.0、CaO 26.3、MgO 4.1、SO3 1.4、Na2O 2.71、K2O 1.20、TiO2 2.2、P2O5 3.1、MnO 0.1、その他」を200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、90μm篩い上残分約15.6重量%、63μm篩い上残分約26.3重量%程度となるよう粉砕したもの200重量部、及び、該ゴミ焼却溶融スラグを粗粉砕した0.5〜2.38mmの粒径の骨材200重量部に、市販のケイ酸アルカリ溶液(水ガラス1号)を90重量部、水10重量部を加え、他は実施例4−1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
実施例4−31
実施例4−30のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を用い、該粉砕品200重量部、及び、該ゴミ焼却溶融スラグを粗粉砕した0.5〜2.38mmの粒径の骨材200重量部に、市販のケイ酸アルカリ溶液(水ガラス1号)を90重量部、水10重量部に、ケイ酸アルカリとして水ガラス3号を90重量部加え、他は実施例4−1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
実施例4−32
実施例4−30のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を用い、該粉砕品200重量部、及び、該ゴミ焼却溶融スラグを粗粉砕した0.5〜2.38mmの粒径の骨材200重量部に、アルミン酸アルカリとしてアルミン酸ソーダ(浅田化学社品;#2019)90重量部を加え、他は実施例4−1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
実施例4−33
熊谷市のゴミ焼却灰(主灰)の微粉部を2.38mmの篩いで除去し、ガラス屑やアルミニウム缶等の金属が多く含まれていると思われるものをアルミナ製の容器に入れ、電気炉で1400℃にて1時間溶融後、水中に投入して急冷して得たゴミ焼却溶融スラグ「主要化学成分(重量%);SiO2 54.6、Al2O3 9.7、Fe2O3 3.1、CaO 17.6、MgO 2.0、SO3 0.1、Na2O 7.49、K2O 1.38、TiO2 1.1、P2O5 1.7、MnO 0.1、Cl 0.1、その他」を200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、90μm篩い上残分約26重量%、63μm篩い上残分約35.6重量%程度となるよう粉砕したもの600重量部に、水ガラス1号を180重量部、水30重量部を加え、ホバートミキサーにて混練する。この混練物を、以後、実施例4−1と同様に処理して試料を得た。
なお、これらの試料は、養生後はすべて膨れてしまったので、表面上部をダイヤモンドカッターでカットして2cm×2cm×8cmサイズにしてから強度測定用試料とした。
この養生中の膨れ発生の原因としては、ゴミ焼却溶融スラグ及び下水汚泥焼却溶融スラグ中にアルカリと反応性の金属、特にアルミニウムが金属の形で残留しており、そのため、アルカリ性の水ガラスと反応して、水素を発生してそのガス膨張圧によって膨れたものと考えられる。これは、ALC(オートクレーブ処理された軽量コンクリート)に類似したような軽量硬化体が、特に、高温高圧のオートクレーブ養生を行わなくても簡単に得られることを示している。
実施例4−34
実施例4−33のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を用い、該粉砕品600重量部、ケイ酸アルカリとして水ガラス3号を180重量部加え、他の実施例4−1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
なお、これらの試料も、養生後はすべて膨れてしまったので、表面上部をダイヤモンドカッターでカットして2cm×2cm×8cmサイズにしてから強度測定用試料とした。
実施例4−35
実施例4−33のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を用い、該粉砕品600重量部に、アルミン酸アルカリとしてアルミン酸ソーダ溶液(浅田化学社品;#2019)180重量部を加え、他は実施例4−1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
なお、これらの試料も、養生後はすべて膨れてしまったので、表面上部をダイヤモンドカッターでカットして2cm×2cm×8cmサイズにしてから強度測定用試料とした。
実施例4−36
熊谷市のゴミ焼却灰(主灰)10重量部に砕石スラッジ(有恒興業社品、廃棄品)90重量部の割合で混合したものをアルミナ製の容器に入れ、電気炉で1400℃にて1時間溶融後、水中に投入して急冷して得たゴミ焼却溶融スラグ「主要化学成分(重量%);SiO2 54.6、Al2O3 18.1、Fe2O3 6.7、CaO 7.7、MgO 3.5、SO3 0.3、Na2O 3.55、K2O 1.18、TiO2 1.0、P2O5 0.4、MnO 0.1、Cl 0.0、その他」を200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、90μm篩い上残分約16重量%、63μm篩い上残分約28重量%程度となるよう粉砕したもの600重量部に、水ガラス1号を180重量部、水30重量部を加え、ホバートミキサーにて混練する。この混練物を、以後、実施例4−1と同様に処理して試料を得た。
実施例4−37
実施例4−36のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を用い、該粉砕品600重量部に、ケイ酸アルカリとして水ガラス3号を180重量部加え、他は実施例4−1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
実施例4−38
実施例4−36のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を用い、該粉砕品600重量部に、アルミン酸アルカリとしてアルミン酸ソーダ溶液(浅田化学社品;#2019)180重量部を加え、他は実施例4−1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
実施例4−39
埼玉県吉川町の東部清掃組合のゴミ焼却溶融スラグ「主要化学成分(重量%);SiO2 36.6、Al2O3 18.8、Fe2O3 8.2、CaO 21.5、MgO 3.7、SO3 0.3、Na2O 3.24、K2O 1.33、Ti2 2.2、P2O5 2.5、MnO 0.2、Cl 0.3、その他」を200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、90μm篩い上残分約12.8重量%、63μm篩い上残分約26重量%程度となるよう粉砕したもの1800重量部に、市販のケイ酸アルカリ溶液(水ガラス1号)を540重量部、水を90重量部を加え、ホバートミキサーにて混練する。この混練物を、4cm×4cm×16cmサイズの供試体作製用の型枠に振動を掛けながら投入する。
この投入物を、20℃にセットしたタバイの恒温恒湿槽内に置き、相対湿度98%の条件で、20℃から80℃まで3時間かけて昇温し、80℃の保持時間(養生時間)が4時間(及び、8時間、16時間)の試料を得た。
なお、これらの試料に関しては、養生後はすべて膨れてしまったので、表面上部をダイヤモンドカッターでカットして削り落として強度測定用試料とした。
実施例4−40
実施例4−39のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を用い、該粉砕品1800重量部に、ケイ酸アルカリとして水ガラス3号を540重量部加え、他は実施例37と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
なお、実施例4−33と同様、これらの試料に関しても、養生後はすべて膨れてしまったので、表面上部をダイヤモンドカッターでカットして4cm×4cm×16cmのサイズにしたものを強度測定用試料とした。
実施例4−41
実施例4−39のゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を用い、該粉砕品600重量部に、アルミン酸アルカリとしてアルミン酸ソーダ溶液(浅田化学社品;#2019)540重量部を加え、他は実施例 −37と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
なお、実施例3−33と同様、これらの試料に関しても、養生後はすべて膨れてしまったので、表面上部をダイヤモンドカッターでカットして4cm×4cm×16cmのサイズにしたものを強度測定用試料とした。
すでに述べたように、上記の実施例4−33〜4−35及び実施例4−39〜4−41については、養生中に膨れが発生したのであるが、これらの原因としては、ゴミ焼却溶融スラグ中にアルカリと反応性の金属、特にアルミニウムが金属の形で残留しているものと思われ、そのため、アルカリ性の水ガラスやアルミン酸ソーダと反応し水素を発生して、そのガス膨張圧によって膨れたものと考えられる。これらのものは、ALC(オートクレーブ処理された軽量コンクリート)に類似したような軽量硬化体が、特に、高温高圧のオートクレーブ養生を行わなくても簡単に得られることを示している。なお、例えばゴミの分別収集により金属アルミニウムが含まれていないようなゴミ焼却溶融スラグとなった場合には、特に実施例としては示さなかったが、焼却灰溶融スラグや下水汚泥溶融スラグに金属アルミニウム粉末を添加してれれば、同様のALC類似の硬化体が得られることは確認しており、これらも本発明の特徴ともなり得るものである。
実施例4−42
横浜市のゴミ焼却灰160重量部とフッ化ナトリウム(関東化学社品、特級試薬)5重量部の割合で混合したものをアルミナ製の容器に入れ、電気炉で1300℃にて1時間溶融後、水中に投入して急冷して得たゴミ焼却溶融スラグ「主要化学成分(重量%);SiO2 37.1、Al2O3 14.9、Fe2O3 11.6、CaO 19.3、MgO 3.1、SO3 0.6、Na2O 6.04、K2O 1.30、TiO2 1.5、P2O5 1.5、F 2.1、その他」を200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、90μm篩い上残分約23.5重量%、63μm篩い上残分約35.6重量%程度となるよう粉砕したもの600重量部に、水ガラス3号を180重量部を加え、ホバートミキサーにて混練する。この混練物を、以後、実施例4−1と同様に処理して試料を得た。
実施例4−43
横浜市のゴミ焼却灰80重量部とリン酸水素カルシウム2水和物(関東化学社品、特級試薬)20重量部の割合で混合したものをアルミナ製の容器に入れ、電気炉で1300℃にて1時間溶融後、水中に投入して急冷して得たゴミ焼却溶融スラグ「主要化学成分(重量%);SiO2 31.0、Al2O3 12.6、Fe2O3 9.7、CaO 26.5、MgO 2.6、SO3 0.5、Na2O 2.11、K2O 1.12、TiO2 1.3、P2O59.6、その他」を200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、90μm篩い上残分約13.6重量%、63μm篩い上残分約26.3重量%程度となるよう粉砕したもの600重量部に、水ガラス1号を180重量部、水30重量部を加え、ホバートミキサーにて混練する。この混練物を、以後、実施例4−1と同様に処理して試料を得た。
実施例4−44
石灰系下水汚泥溶融スラグ「大阪市下水道公社品で主要化学成分(重量%);SiO2 33.4、Al2O3 14.2、Fe2O3 5.0、CaO 33.9、MgO 2.4、P2O5 7.0、S 1.1、Na2O 0.75、K2O 0.68、その他」を200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、90μm篩い上残分約10重量%、63μm篩い上残分約26重量%程度となるよう粉砕したもの900重量部に、水ガラス1号を270重量部、水45重量部を加え、ホバートミキサーにて混練する。この混練物を、通常のポルトランドセメントモルタルの強度試験用に用いる2cm×2cm×8cmサイズの供試体作製用の型枠に振動を掛けながら投入する。
この投入物を、20℃にセットしたタバイの恒温恒湿槽内に置き、相対湿度98%の条件で、20℃から80℃まで3時間かけて昇温し、80℃の保持時間(養生時間)が4時間(及び、8時間、16時間)の試料を得た。
なお、養生時間8時間の試料の一部については、養生後、塩酸と硫酸それぞれの10%溶液中に7日間及び14日間浸漬して、耐酸試験を実施した試料を得た。
実施例4−45
実施例4−44の石灰系下水汚泥スラグ粉砕品を用い、該粉砕物900重量部に、水ガラス3号270重量部を加え、以後、実施例4−1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。なお、養生時間8時間の試料の一部については、養生後、塩酸と硫酸それぞれの10%溶液中に7日間及び14日間浸漬して、耐酸試験を実施した試料を得た。
実施例4−46
実施例4−44の石灰系下水汚泥スラグ粉砕品を用い、該粉砕物を150重量部、及び、該溶融スラグを粗粉砕して調整した0.5〜2.38mmの粒径の骨材200重量部に、水ガラス1号を20重量部、及び水32重量部とした他は実施例4−1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
実施例4−47
実施例4−44の石灰系下水汚泥スラグ粉砕品を用い、該粉砕物を150重量部、及び、該溶融スラグを粗粉砕して調整した0.5〜2.38mmの粒径の骨材200重量部に、水ガラス1号を40重量部、及び水24重量部とした他は実施例4−1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
実施例4−48
実施例4−44の石灰系下水汚泥スラグ粉砕品を用い、該粉砕物を150重量部、及び、該溶融スラグを粗粉砕して調整した0.5〜2.38mmの粒径の骨材200重量部に、水ガラス1号を80重量部、及び水16重量部とした他は実施例4−1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
実施例4−49
実施例4−44の石灰系下水汚泥スラグ粉砕品を用い、該粉砕物を300重量部、及び、該溶融スラグを粗粉砕して調整した0.5〜2.38mmの粒径の骨材300重量部に、水ガラス1号を180重量部、及び水7.5重量部とした他は実施例1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
実施例4−50
実施例4−44の石灰系下水汚泥スラグ粉砕品を用い、該粉砕物を200重量部、及び、該溶融スラグを粗粉砕して調整した0.5〜2.38mmの粒径の骨材200重量部に、水ガラス1号を200重量部とした他は実施例4−1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
実施例4−51
実施例4−44の石灰系下水汚泥スラグ粉砕品を用い、該粉砕物を200重量部、及び、該溶融スラグを粗粉砕して調整した0.5〜2.38mmの粒径の骨材200重量部に、水ガラス1号を400重量部とした他は実施例3−1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
実施例4−52
実施例4−44の石灰系下水汚泥スラグ粉砕品を用い、該粉砕物を900重量部、及び、該溶融スラグを粗粉砕して調整した0.5〜2.38mmの粒径の骨材900重量部に、水ガラス1号を450重量部、及び水40重量部とした他は実施例4−1と同様の混練養生条件の下で同様に混練し、4cm×4cm×8cmの型枠に投入し振動を掛けながら成形したものを、20℃にて湿空養生を行い、養生時間が各々3日、7日、及び28日間の試料を得た。
実施例4−53
実施例4−44の石灰系下水汚泥スラグ粉砕品を用い、該粉砕物を900重量部、及び、該溶融スラグを粗粉砕して調整した0.5〜2.38mmの粒径の骨材900重量部に、水ガラス1号を450重量部、及び水40重量部とした他は実施例1と同様の混練条件の下で同様に混練し、4cm×4cm×8cmの型枠に投入し振動を掛けながら成形したものを、20℃にて3日間湿空養生を行った後、20℃の水中にて養生し、成形後の養生時間が14日、及び28日間の試料を得た。
実施例4−54
実施例4−44の石灰系下水汚泥スラグ粉砕品を用い、該粉砕物を630重量部、及び、該溶融スラグを粗粉砕して調整した0.5〜2.38mmの粒径の骨材1170重量部に、水ガラス1号を297重量部、及び水60重量部とした他は実施例4−1と同様の混練条件の下で同様に混練し、4cm×4cm×8cmの型枠に投入し振動を掛けながら成形したものを、20℃にて湿空養生を行い、養生時間が各々3日、7日、及び28日間の試料を得た。
実施例4−55
高分子系下水汚泥焼却灰を電気炉で1400℃で1時間焼成溶融したものを、水中に投入しガラス質の高分子系下水汚泥スラグ「埼玉南県下水道品で主要化学成分(重量%);SiO2 29.6、Al2O3 16.6、Fe2O3 13.4、CaO 10.0、MgO 3.5g、P2O5 20.5、SO2 0.0、Na2O 0.97、K2O 2.43、その他」を得た。該下水汚泥スラグを200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、90μm篩い上残分が約9重量%となるよう粉砕したもの450重量部、また、該溶融スラグを粗粉砕して調整した0.5〜2.38mmの粒径の骨材450重量部、水ガラス1号を270重量部、及び水22.5重量部とした他は実施例4−1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
なお、養生時間8時間の試料の一部については、養生後、塩酸と硫酸それぞれの10%溶液中に7日間及び14日間浸漬して、耐酸試験を実施した試料を得た。
実施例4−56
実施例4−55のものと同じ高分子系下水汚泥スラグ粉砕品150重量部、及び、0.5〜2.38mmの粒径の該スラグ骨材150重量部、アルミン酸ソーダ溶液(浅田化学工業社品;#2019)を90重量部とした他は実施例4−1と同様の混練養生時間の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々8時間、及び16時間の試料を得た。
実施例4−57
東京都の下水道汚泥溶融スラグ品「主要化学成分(重量%);SiO2 46.3、Al2O3 18.4、Fe2O3 9.0、CaO 9.4、MgO 3.0、P2O5 7.7、SO3 0.0、Na2O 1.51、K2O 1.51、その他」を200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、90μm篩い上残分が約8重量%、63μm篩い上残分約23重量%程度となるよう粉砕(ブレーン値:約2500cm2/g)したもの600重量部に、水ガラス1号を180重量部、水36重量部を加え、ホバートミキサーにて混練する。この混練物を2cm×2cm×8cmサイズの供試体作製用の型枠に振動を掛けながら投入する。
この投入物を、20℃にセットしたタバイの恒温恒湿槽内に置き、相対湿度98%の条件で、20℃から80℃まで3時間かけて昇温し、80℃の保持時寸間(養生時間)が4時間(及び8時間)の試料を得た。なお、養生時間8時間の試料の一部については、養生後、塩酸と硫酸それぞれの10%溶液中に7日間浸漬して、耐酸試験を実施した試料を得た。
実施例4−58
実施例4−57のものと同じ高分子系下水汚泥スラグ粉砕品300重量部に、アルミン酸ソーダ溶液(浅田化学工業社品;#2019)97.5重量部を加え、以下実施例4−57と同様に処理して、80℃の養生時間が8時間及び16時間の試料を得た。
実施例4−59
実施例4−57のものと同じ高分子系下水汚泥スラグ粉砕品150重量部、及び、0.5〜2.38mmの粒径の該スラグ骨材150重量部、アルミン酸ソーダ溶液(浅田化学工業社品;#2019)を82.5重量部とした他は実施例4−1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々8時間、及び16時間の試料を得た。
比較例4−2
石灰系下水汚泥焼却灰を電気炉で1550℃で1時間焼成溶融したものを、水中に投入しガラス質の高分子系下水汚泥スラグ「埼玉南県下水道品で主要化学成分(重量%);SiO2 14.3、Al2O3 10.6、Fe2O3 21.7、CaO 41.3、MgO 3.8、P2O2 5.7、SO3 0.1、Na2O 0.27、K2O 0.38、その他」を得た。該下水汚泥スラグを200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、90μm篩い上残分が約9重量%となるよう粉砕したもの300重量部、また、該溶融スラグを粗粉砕して調整した。0.5〜2.38mmの粒径の骨材300重量部、水ガラス1号を180重量部、及び水15重量部とした他は実施例4−1と同様に混練したが、本試料は混練中に硬化が始まり硬くなり、速硬性を示したため強度測定用の試料は作製しなかった。
なお、粉末のX線解析試験により、本スラグは、完全にはガラス化していないことが判明した。
実施例4−61
砕石スラッジ「(有恒興業社品で主要化学成分(重量%);SiO2 54.4、Al2O3 18.6、Fe2O3 6.2、CaO 5.6、MgO 2.8、Na2O 3.08、K2O 1.67、その他)」を電気炉で1350℃で1時間、1400℃で1時間焼成溶融したものを、水中に投入しガラス質の砕石スラッジ溶融スラグを得た。この砕石スラッジ焼成溶融スラグを用いた他は実施例4−1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が4時間、8時間及び16時間の試料を得た。該下水汚泥スラグを200gずつディスクミルにて10分間粉砕し、粉末度がブレーン値で約2100cm2/gとなるよう粉砕したもの600重量部、水ガラス1号を180重量部、及び水30重量部とした他は実施例4−1と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
実施例4−62
実施例4−61の砕石スラッジ溶融スラグ粉砕品を用い、該粉砕品600重量部に、ケイ酸アルカリとして水ガラス3号を180重量部加え、他は案施例4−61と同様の混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
実施例4−63
実施例4−61砕石スラッジ溶融スラグ粉砕品を用い、アルミン酸アルカリとして浅田化学社のアルミン酸ソーダ溶液(#2019)を用いて実施例4−61と同様の条件にて混練養生条件の下で同様に行い、80℃の養生時間が各々4時間、8時間、及び16時間の試料を得た。
比較例4−3
実施例4−1、実施例4−11、実施例4−16、実施例4−19、及び実施例4−27に使用したそれぞれのゴミ焼却溶融スラグ粉砕品を用い、実施例3−1と同様の混練養生条件のもと(但し、水酸化ナトリウムは使用せず)で混練したものを、実施例4−1と同様の成形を行い、80℃で4〜16時間養生したが、それらからは硬化体は得られなかった。
比較例4−4
それぞれの実施例に示したゴミ焼却溶融スラグ及び下水汚泥焼却溶融スラグにする前段階のゴミ焼却灰について、ビーカーに100g秤取したものを複数個用意し、ケイ酸ソーダ1号あるいはアルミン酸ソーダ(浅田化学工業社品:#2019)を、それぞれ30重量部と水5〜60重量部の範囲で種々混練したものを用意し、これを実施例3−1と同様80℃で4〜16時間養生した。
その結果、熊谷市のゴミ焼却灰(飛灰)や下水汚泥焼却灰は硬化せず、一方、横浜市のゴミ焼却灰及び熊谷市のゴミ焼却灰(主灰)については、多少硬化が認められたが、それらは簡単に手で崩れる程度のものでしかなかった。
比較例4−5
実施例4−44の石灰石下水汚泥スラグ粉砕品を用い、実施例4−44と同様の混練養生条件の下(但し、ケイ酸アルカリは使用せず)で混練したものを、実施例4−1と同様の成形を行い、80℃で4〜16時間養生して試料を得たが、このものは、硬化しなかった。
比較例4−6
実施例4−44の石灰系下水汚泥スラグにする前段階の下水汚泥焼却灰及び実施例4−56の高分子系下水汚泥焼却灰を用い、それぞれビーカーに100重量部を秤取したものを複数個用意し、水ガラス1号及びアルミン酸ソーダを30重量部と水5〜60重量部の範囲で種々混練したものを用意し、これを実施例4−1と同様80℃で4〜16時間養生した。なお、これらものは、硬化が認められなかった。
ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰の化学組成は、それを溶融してガラス化したものと大きく変わっている訳ではなく、すなわち、それらを溶融スラグ化する際に揮発しやすいもの、例えばS分、塩素分、あるいは鉛などの重金属類を除けば、溶融したスラグと大きく変わっている訳ではないが、ケイ酸アルカリやアルミン酸アルカリとの間で反応して硬化する性質がないのは、焼却灰を構成する化合物が安定形となっており、それ以上反応が進行しにくいためと考えられる。
なお、本発明の比較例に示した横浜市のゴミ焼却灰や熊谷市のゴミ焼却灰(主灰)が、ケイ酸アルカリやアルミン酸アルカリと混合混練したときに多少硬くなる性質を有するのは、それらのゴミ焼却灰中に多少の溶融物や水に可溶性、例えば、塩や塩化物等が含まれている可能性があり、それらによって若干の硬化性を示したものと思われるが、何れにしても、硬化体として実用に耐えうるようなものは得られない。
なお、以上の実施例の電気炉の溶融温度については、溶融処理時間を速めたり、容器から溶融物を流し出し易くするために、溶融する最低温度よりも、少なくとも50〜100℃程度は高い温度で溶融処理しているが、最低溶融温度程度で溶融処理したものでもガラス化したものは、良好な硬化性材料となることは確認している。
上記実施例4−1〜実施例4−63で得た試料について、その圧縮強さを調べたので、その結果を表8〜表12に示す。
表8〜表12から明らかなように、各種のゴミ焼却溶融スラグ又は下水汚泥焼却溶融スラグ更には砕石スラッジのような産業廃棄物でも、本発明のスラグ組成物であればそれらと水ガラス、アルミン酸ソーダ、ケイ酸ソーダ等のアルカリ性刺激材とを含有する本発明の硬化性組成物は、水と混練養生するのみで、優れた強度を有する硬化体となることがわかる。
また、本発明の硬化体、特にケイ酸アルカリを刺激材として使用した硬化体は、実施例4−44、実施例4−45、実施例4−55及び実施例4−57に示したように、耐酸性も相当に良好なものが得られることは明らかである。
なお、耐酸性に関しては、特に比較例としては示さなかったが、ポルトランドセメントのJISモルタル強度測定用供試体作成方法に準じて調合し、2cm×2cm×8cmのモルタル供試体としたものを、80℃にて8時間養生したものについて比較試験を行ったものであるが、10%塩酸に浸漬したものは1〜2日程度で、また10%硫酸溶液中に浸漬したものも7日後には、ほとんど形がくずれてしまっており、強度測定は不可能の状態であった。
実施例5−1
石灰系下水汚泥溶融スラグ「大阪市下水道公社品で主要化学成分(重量%);SiO2 33.4、Al2O3 14.2、Fe2O3 5.0、CaO 33.9、MgO 2.4、P2O5 7.0、S 1.1、Na2O 0.75、K2O 0.68、その他」(C/S=1.10)をボールミルにて粉末度が、ブレーン値で3500及び4500cm2/gとなるよう粉砕したものそれぞれ5重量部に、普通ポルトランドセメント「秩父小野田社品」を、それぞれ95重量部を混合してセメント組成物を得た。なお、混合セメント中のSO3量は、ブレーン値3500cm2/gのものについては2重量%となるよう、またブレーン値4500cm2/gのものについては2重量%と3重量%となるよう天然石膏にて調整し、結局3種類の混合セメント試料を得た。これら混合セメントをISOの標準砂を用いて、ISOモルタル強さ試験方法(セメント:砂=1:3、水セメント比50%、4cm×4cm×16cm)に準じて混練成形し、20℃湿空にて1日間養生した後、脱型後、20℃にて水中養生し、3日、7日、28日及び91日後の圧縮強さを求めた。また最終養生品については、硬化体のX線解析試験を行い、Ca(OH)2の残存量について確認した。
実施例5−2
実施例5−1の下水汚泥スラグ粉砕品を20重量部、普通ポルトランドセメントの混合割合を80重量部とした他は、実施例5−1と同様に処理し、3日、7日、28日及び91日後の圧縮強さをもとめ、また硬化体中のCa(OH)2の残存量について確認した。
実施例5−3
実施例5−1の下水汚泥スラグ粉砕品を40重量部、普通ポルトランドセメントの混合割合を60重量部とした他は、実施例5−1と同様に処理し、3日、7日、28日及び91日後の圧縮強さを求め、また硬化体中のCa(OH)2の残存量について確認した。
実施例5−4
実施例5−1の下水汚泥スラグ粉砕品の代わりに、東京都の高分子系下水汚泥焼却溶融スラグ「主要化学成分(重量%);SiO2 46.3、Al2O3 18.4、Fe2O3 9.0、CaO 9.4、MgO 3.0、P2O5 14.1、Na2O 1.37、K2O 2.69、その他」(C/S=0.21)を用い、該粉砕品を5重量部、普通ポルトランドセメントの混合割合を95重量部とした他は、実施例5−1と同様に処理し、3日、7日、28日及び91日後の圧縮強さを求め、また硬化体中のCa(OH)2の残存量について確認した。
実施例5−5
実施例5−4の下水汚泥焼却溶融スラグを用い、該粉砕品を20重量部、普通ポルトランドセメントの混合割合を80重量部とした他は、実施例5−1と同様に処理し、3日、7日、28日及び91日後の圧縮強さを求めた。
実施例5−6
実施例5−4の下水汚泥焼却溶融スラグを用い、該粉砕品を40重量部、普通ポルトランドセメントの混合割合を60重量部とした他は、実施例5−1と同様に処理し、3日、7日、28日及び91日後の圧縮強さを求め、また硬化体中のCa(OH)2の残存量について確認した。
実施例5−7
実施例5−1の下水汚泥スラグ粉砕品の代わりに、横浜市のゴミ焼却灰をアルミナ製の容器に入れ、電気炉で1400℃にて1時間溶融後、水中に投入して急冷して得たゴミ焼却溶融スラグ「主要化学成分(重量%);SiO2 38.1、Al2O3 17.2、Fe2O3 12.1、CaO 19.6、MgO 3.2、SO3 0.6、Na2O 2.61、K2O 1.34、TiO2 1.74、P2O5 1.6、その他」(C/S=0.53)を、水中に投入急冷してスラグ化したゴミ焼却溶融スラグを用い、該粉砕品を5重量部、普通ポルトランドセメントの混合割合を95重量部とした他は、実施例5−1と同様に処理し、3日、7日、28日及び91日(ブレーン値4500cm2/g品のみ)後の圧縮強さを求め、また硬化体中のCa(OH)2の残存量について確認した。
実施例5−8
実施例5−7のゴミ焼却溶融スラグを用い、該粉砕品を20重量部、普通ポルトランドセメントの混合割合を80重量部とした他は、実施例5−1と同様に処理し、3日、7日、28日及び91日(ブレーン値4500cm2/g品のみ)後の圧縮強さを求め、また硬化体中のCa(OH)2の残存量について確認した。
実施例5−9
実施例5−7のゴミ焼却溶融スラグを用い、該粉砕品を40重量部、普通ポルトランドセメントの混合割合を60重量部とした他は、実施例5−1と同様に処理し、3日、7日、28日及び91日(ブレーン値4500cm2/g品のみ)後の圧縮強さを求め、また硬化体中のCa(OH)2の残存量について確認した。
実施例5−10
実施例5−7のゴミ焼却溶融スラグの代わりに、埼玉県吉川市(旧吉川町)のゴミ焼却溶融スラグ「主要化学成分(重量%);SiO2 36.6、Al2O3 18.8、Fe2O3 8.2、CaO 21.5、MgO 3.7、Na2O 3.24、K2O 1.33、P2O5 2.6、その他」(C/S=0.60)を用い、該粉砕品を5重量部、普通ポルトランドセメントの混合割合を95重量部とした他は、実施例5−1と同様に処理し、3日、7日、28日及び91日(ブレーン値4500cm2/g品のみ)後の圧縮強さを求め、また硬化体中のCa(OH)2の残存量について確認した。
実施例5−11
実施例5−10のゴミ焼却溶融スラグを用い、該粉砕品を20重量部、普通ポルトランドセメントの混合割合を80重量部とした他は、実施例5−1と同様に処理し、3日、7日、28日及び91日後の圧縮強さを求め、また硬化体中のCa(OH)2の残存量について確認した。
実施例5−12
実施例5−10のゴミ焼却溶融スラグを用い、該粉砕品を40重量部、普通ポルトランドセメントの混合割合を60重量部とした他は、実施例5−1と同様に処理し、3日、7日、28日及び91日(ブレーン値4500cm2g品のみ)後の圧縮強さを求め、また硬化体中のCa(OH)2の残存量について確認した。
実施例5−25
実施例5−1のスラグ粉砕品を用い、該粉砕品を5重量部、日本鋼管社の高炉スラグ15重量部、普通ポルトランドセメント80重量部、SO3量を3重量%とした他は、実施例5−1と同様に処理し、圧縮強さを測定した。
比較例5−1
実施例5−1の下水汚泥焼却溶融スラグの代わりに、日本鋼管社の高炉スラグ「化学成分;SiO2 32.2重量%、CaO 41.3重量%、Al2O3 15.0重量%、Fe2O3 1.0重量%、MgO 7.8重量%、N」(C/S=1.37)を用い、該粉砕品を5重量部、普通ポルトランドセメントの混合割合を95重量部とした他は、実施例5−1と同様に処理し、3日、7日、28日及び91日後の圧縮強さを求め、また硬化体中のCa(OH)2の残存量について確認した。
比較例5−2
実施例5−1の高炉スラグを用い、該粉砕品を20重量部、普通ポルトランドセメントの混合割合を40重量部とした他は、実施例5−1と同様に処理し、3日、7日、28日及び91日後の圧縮強さを求めた。
比較例5−3
実施例5−1の高炉スラグを用い、該粉砕品を40重量部、普通ポルトランドセメントの混合割合を60重量部とした他は、実施例5−1と同様に処理し、3日、7日、28日及び91日後の圧縮強さを求め、また硬化体中のCa(OH)2の残存量について確認した。
比較例5−4
普通ポルトランドセメントのみを用いて実施例5−1と同様に処理し、3日、7日、28日及び91日後の圧縮強さを求め、また硬化体中のCa(OH)2の残存量について確認した。
実施例5−13
それぞれ関東化学社品の特級試薬を用いてSiO2 50重量%、CaO 0重量%、Al2O3 30重量%、Fe2O3 5重量%、MgO 5重量%、P2O5 5重量%、Na2O 5重量%となるよう調整した試料(C/S=0)を、1370℃で60分、1420で60分、1520℃で20分間加熱溶融し、その後水中に流し出し急冷して溶融スラグを得た。
該溶融スラグをボールミルにて粉末度が、ブレーン値で3000cm2/gとなるよう粉砕したもの20重量部を、普通ポルトランドセメントの「秩父小野田社品」を80重量部と混合して混合セメント組成物を得た。
なお、混合セメント中のSO3量は、2%となるよう天然石膏にて調整した。この混合セメントをISOの標準砂を用いて、ISOモルタル強さ試験方法(セメント:砂=1:3、水セメント比50%、4cm×4cm×16cm)に準じて混練成形し、蒸気養生装置(タバイ製)を用い、室温から80℃まで湿空状態にて3時間かけて昇温した後、12時間保持養生後、室温まで2時間かけて冷却したものについて脱型後、圧縮強さを求めた。
実施例5−14
実施例5−13の溶融スラグを用い、該粉砕品を40重量部、普通ポルトランドセメントの混合割合を60重量部とした他は、実施例5−13と同様に処理し、圧縮強さを求めた。
実施例5−15
それぞれ関東化学社品の特級試薬を用いてSiO2 60重量%、CaO 0重量%、Al2O3 20重量%、Fe2O3 5重量%、MgO 5重量%、Na2O 5重量%、P2O5 2.5重量%、フッ素 2.5重量%(NaFにて調整した)となるよう調整した試料を、1300℃で60分間、1400で30分間、1500℃で20分間加熱溶融し、その後水中に流し出し急冷して溶融スラグを得、以下、実施例5−13と同様に処理し圧縮強さを測定した。
実施例5−16
実施例5−21の溶融スラグを用い、粉末度を変えて粉砕した該粉砕品を40重量部を、それぞれ普通ポルトランドセメントの混合割合を60重量部とした他は、実施例5−13と同様に処理し圧縮強さを求めた。
実施例5−17
それぞれ関東化学社品の特級試薬を用いてSiO2 65重量%、CaO 0重量%、Al2O3 15重量%、Fe2O3 5重量%、MgO 5重量%、Na2O 0重量%、フッ素5重量%(NaFにて調整した)となるよう調整した試料(C/S=0)を、1300℃で1時間、1400で60分、1500℃で20分間加熱溶融し、その後水中に流し出し急冷して溶融スラグを得、以下、実施例5−13と同様に処理し圧縮強さを測定した。
実施例5−18
実施例5−17の溶融スラグを用い、該粉砕品を40重量部、普通ポルトランドセメントの混合割合を60重量部とした他は、実施例5−13と同様に処理し、圧縮強さを求めた。
実施例5−19
それぞれ関東化学社品の特級試薬を用いてSiO2 85重量%、CaO 0重量%、Al2O3 0重量%、Fe2O3 10重量%、Na2O 5重量%となるよう調整した試料(C/S=0)を、1500℃で1時間、1550で40分、1580℃で20分間加熱溶融し、その後水中に流し出し急冷して溶融スラグを得た。
該溶融スラグをボールミルにて粉末度が、ブレーン値で4500cm2/gとなるよう粉砕したもの、20重量部を、それぞれ普通ポルトランドセメント「秩父小野田社品」80重量部と混合し混合セメント組成物を得、以下、実施例5−13と同様に処理し圧縮強さを測定した。
実施例5−20
実施例5−19の溶融スラグを用い、該粉砕品を40重量部、普通ポルトランドセメントの混合割合を60重量部とした他は、実施例5−13と同様に処理し、圧縮強さを求めた。
実施例5−21
それぞれ関東化学社品の特級試薬を用いてSiO2 90重量%、CaO 0重量%、Al2O3 0重量%、Na2O 5重量%、フッ素 5重量%(NaFにて調整した)となるよう調整した試料(C/S=0)を、1500℃で60分間、1550℃で60分間、1580で20分間加熱溶融し、その後水中に流し出し急冷して溶融スラグを得、以下、実施例5−19と同様に処理し圧縮強さを測定した。
実施例5−22
実施例5−21の溶融スラグを用い、該粉砕品を40重量部、普通ポルトランドセメントの混合割合を60重量部とした他は、実施例5−19と同様に処理し、圧縮強さを求めた。
実施例5−23
それぞれ関東化学社品の特級試薬を用いてSiO2 50重量%、CaO 0重量%、Al2O3 0重量%、Fe2O3 10重量%、MgO 15重量%、NaO 15重量%となるよう調整した試料(C/S=0)を電気炉にて、1200℃で1時間、1300℃で1時間加熱溶融し、その後水中に流し出し急冷して溶融スラグを得た。
該溶融スラグをボールミルにて粉末度が、ブレーン値で4500cm2/gとなるよう粉砕したもの、20重量部を、それぞれ普通ポルトランドセメント「秩父小野田社品」80重量部と混合し混合セメント組成物を得、以下、実施例5−13と同様に処理し圧縮強さを測定した。
実施例5−24
実施例5−23のスラグ粉砕品を用い、該粉砕品を40重量部、普通ポルトランドセメントの混合割合を60重量部とした他は、実施例5−13と同様に処理し、蒸気養生後の圧縮強さを求めた。
比較例5−5
普通ポルトランドセメントのみを用いて実施例5−13と同様に処理し、蒸気養生後の圧縮強さを求め、また硬化体中のCa(OH)2の残存量について確認した。
比較例5−6
実施例5−21の溶融スラグの代わりに、ISOの標準砂を用い、ボールミルにて粉末度がブレーン値で4500cm2/gとなるよう粉砕したもの、20重量部を、普通ポルトランドセメント「秩父小野田社品」80重量部と混合し混合セメント組成物を得、以下、実施例5−13と同様に処理し圧縮強さを測定した。
比較例5−7
比較例5−6の標準砂粉砕品を用い、該粉砕品を40重量部、普通ポルトランドセメントの混合割合を60重量部とした他は、実施例5−13と同様に処理し、蒸気養生後の圧縮強さを求めた。
上記実施例5−1〜実施例5−25及び比較例5−1〜比較例5〜7で得た試料について、その圧縮強さを調べたので、それらの結果を使用したスラグのブレーン値が3500cm2/gの場合について表13に、ブレーン値が4500cm2/gの場合について表14に、蒸気養生試験の場合の実施例について表15に示す。
産業上の利用可能性
本発明の硬化性組成物は、水と混練養生するのみで優れた強度を有する硬化体を与えるので、各種コンクリート材料として使用できるだけでなく、各種硬化性充填材としても使用できる。また、ゴミ焼却灰や下水汚泥等の有効利用・資源化を図ることができる。
Claims (7)
- (A’)下水汚泥焼却溶融スラグ、ゴミ焼却溶融スラグ及び産業廃棄物焼却溶融スラグから選ばれ、Ca分の量がCaOに換算して1〜37重量%であり、CaO/SiO 2 モルが1.34以下で、比表面積がブレーン値で2000cm2/g以上であるスラグ組成物;並びに
(B)アルカリ性刺激材を含有することを特徴とする硬化性組成物。 - アルカリ性刺激材(B)が、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、弱酸のアルカリ金属塩及び弱酸のアルカリ土類金属塩から選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の硬化性組成物。
- アルカリ性刺激材(B)が、ポルトランドセメント組成物である請求項1記載の硬化性組成物。
- アルカリ性刺激材(B)が、ポルトランドセメント組成物であり、かつ、高炉スラグを添加したことを特徴とする請求項3記載の硬化性組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の硬化性組成物及び水を含む混合物が硬化してなる硬化体。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の硬化性組成物及び水を含む混合物を養生硬化させてなることを特徴とする硬化体。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の硬化性組成物、水及び骨材を含む混合物を養生硬化させてなることを特徴とする硬化体。
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