JP3989948B1 - 複数ワイヤ同時巻線方法及びその巻線装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外周に複数の環状溝53aを並列に形成したストックリング53を、巻枠54の周囲を公転するガイドローラ52の公転軸心Oと同心の回転軸心に対して回転可能に配設し、そのストックリング53の複数の環状溝53aに予め複数のワイヤ51を巻き付けてストックし、ガイドローラ52を公転させてストックリング53にストックした複数のワイヤ51を同時に引き出しながら巻枠54に巻き付けてコイルを形成し、そのコイルをコイル挿入治具55に受け渡す。
【選択図】 図2
Description
この巻線機の巻枠1は左巻枠1aと右巻枠1bとで構成され、それぞれ上方に向かって次第に巻径が漸増する複数の巻段1aa,1ab,1ac,1ad及び巻段1ba,1bb,1bc,1bdを有し、左右巻枠1a,1bは上下に移動する支持板2に装着されている。
このようにして形成されたコイルは、押板4により下方に放出され、多数のブレード7aを円周上に配設したコイル挿入治具7によってそのコイルが受け取られ、次の工程でモータのステータコアに挿入される。
所定の段数の巻線が終ると、押棒3が最下部まで下降し、各巻段に残されている一部のコイルは押板4に押圧されて完全にコイル挿入治具7内に挿入され、第1極のコイル巻線が終了する。
次いで、第1極のコイルの最終端を形成するワイヤが図示しないグリッパにより把持され、コイル挿入治具がステータコアの極数に応じて所定角度旋回し、次極のコイル巻線が同様にして行われ、所定の極数のコイル巻線がすべて終了すると、ワイヤ5が切断されてステータコア1個分の巻線が完了する。
そこで、特許文献1では、縦型巻線機を用いて複数本のワイヤを連続して巻線する際にワイヤに捩れを防止するための捩れ防止装置を提案しているが、構造が複雑で機械が大きくなるため、より簡単な構造の巻線機が求められている。
また、コイルを巻線するワイヤの本数が違う仕様に対応する際も、上記と同様にワイヤの本数変更のために機械を停止させなければならない。
しかし、これらの巻線方法及び巻線装置では、貯線リング又はボビンが巻枠の中心から離れているため、巻線時にその公転と自転が発生する。そのため、貯線リング又はボビンを大きくして充分な量のワイヤをスットクすることができず、また外部から駆動力を伝えるのが困難で正確なテンションをかけることもできないという問題があった。
そのため、ワイヤの緩みや過剰テンションが発生して、ワイヤの伸びや傷付き、断線等による品質の低下が避けられず、高速化が困難で量産性にも問題があった。
また、並列巻線する複数のワイヤのいずれかがなくなったとき、あるいはワイヤの本数仕様を変更する際などに、ワイヤの補充や交換を簡単に短時間で行えるようにして、巻線装置の停止時間を大幅に短縮し、生産ラインの設備稼働率を向上させることも目的とする。
そして、上記の目的を達成するため、外周に複数の環状溝を並列に形成したストックリングを、その回転軸心を上記ガイドローラの公転軸心と同心にして回転可能に配設し、そのストックリングの複数の環状溝に予め複数のワイヤを巻き付けてストックし、その後上記ガイドローラを公転させて上記ストックリングにストックした複数のワイヤを同時に引き出しながら上記巻枠に巻き付けることを特徴とする。
その場合、上記ガイドローラの公転中における加減速パターンに同期して、上記ストックリングの慣性モーメントを加減速するために必要なトルクと、上記巻枠に巻線するのに必要なテンションを加えるためのトルクと、そのストックリングの軸受における摩擦トルクとを加算したトルクを該ストックリングに与えるのが望ましい。
また、これらの複数ワイヤ同時巻線方法において、上記ストックリングに予め供給してストックするワイヤの本数を変更することによって、並列に巻線するワイヤの本数を切り換えることができる。
そして、前述の目的を達成するため、外周に複数の環状溝を並列に形成したストックリングを、その回転軸心を上記ガイドローラの公転軸心と同心にして回転可能に配設し、該ストックリングの複数の環状溝に予め複数のワイヤを巻き付けてストックする機構と、上記ガイドローラを公転させて上記ストックリングにストックした複数のワイヤを同時に引き出しながら上記巻枠に巻き付ける機構とを設けたものである。
上記ワイヤ供給装置は、上記ストックリングにストックさせるために供給するワイヤの本数を自動変更する機構を有するとなおよい。
そして、上記ストックリングの回転軸心と上記ガイドローラの公転軸心とが同心であるから、ガイドローラの公転に伴ってストックリングが公転することはなく、ストックリングの径を大きくしても大きな公転空間が不要であり、装置の小型化を図りながら充分なワイヤ量を短時間でストックすることができ、大型モータのコイルの巻線にも容易に対応することができる。
また、上記ストックリングに予めストックする複数のワイヤを、ワイヤ1本毎に独立したホルダを有するワイヤ供給装置から供給するようにして、並列巻線する複数のワイヤのいずれかがなくなったとき、あるいはワイヤの本数仕様を変更する際などに、ワイヤの補充や交換を簡単に短時間で行えるようにして、巻線装置の停止時間を大幅に短縮し、生産ラインの設備稼働率を向上させることもできる。
〔巻線装置の構造の説明〕
まず、図1及び図2によってこの発明による複数本同時巻線方法を実施する巻線装置の一実施例の構造の概略を説明する。図1はその巻線装置の全体を示す正面図、図2はその駆動部を一部断面にして示す拡大図である。
この巻線装置は、基台70の上方に立壁71を介して水平に延びる基板72を設け、巻線装置本体を構成している。その基板72にブシュ73を介してシャフト11を上下に貫通して設け、そのシャフト11の下端部に巻枠54を装着している。
したがって、ストックリング53の回転軸心とガイドローラ52の公転軸心は、いずれもシャフト11の軸心Oと同心である。
ワイヤクランパ15は、回転円筒軸25の内周面に取り付けられたスライドガイド31にガイドされてスライドするレバー23を有し、そのレバー23の下端部が二股になっており、その各アーム部23a,23bに、それぞれ対のピン33a,33bとリンク32a,32bとピン34a,34bを介して、一対のクランパ35a,35bを開閉可能に係着している。
次に、この巻線装置による巻線動作を、図4〜図17によって順を追って説明する。
図4と図5、図6と図7、および図8と図9は、それぞれワイヤ供給装置56からストックリング53へワイヤ51を供給する動作のワイヤ供給前、供給中、供給したワイヤの巻き始めワイヤ端部をワイヤクランパで15保持した各段階の状態を示す要部平面図とそのストックリング53を断面にして示す正面図である。なお、これらの図においてワイヤクランパ15は、実際には図3で説明した構成を有するが、図示が困難であるため簡略化して破線で囲んで示している。
その巻き取りを完了したらワイヤ供給ノズル37を後退させ、図11に示す線処理グリッパ57で各ワイヤ51を保持してから、カッタ40でそれを切断する。
そして、図13に示すように、そのガイドローラ52の上側ワイヤガイド42の外周にに巻き付いた5本の並列なワイヤ51を、矢示Iで示すように移動させて、自転するローラ41と回転しない下側ワイヤガイド43との隙間に滑り込ませ、そこから外れないように、上側ワイヤガイド42を図14に矢示Jで示すように上から下へ下げる。この状態で図15に示すように巻枠54を矢示K方向に下降させながら、ガイドローラ52を公転させて巻枠54にワイヤ51を整列して巻き付ける。
巻枠54に1個分のコイル巻きつけた後、図16に示すようにコイル押板44にてコイル65を押さえながら前側巻枠29に対して後側巻枠30を矢示M方向に閉じて、その巻枠54を矢示L方向に上昇させ、コイル挿入治具55にそのコイル65を受け渡した後、次の巻線を行う。
これらの動作を繰り返し、最後のコイルを巻き終わった状態でストックリング53のワイヤクランパ15を開放し、各ワイヤ51の巻き始め端部51aを含む残りの線を図17に示すようにグリッパ57で引き出す。
以上によって1サイクルの巻線が完了する。
ストックリング53に全コイル分のコイル65の巻線を終え、ストックリング53とワイヤ供給ノズル37の間のワイヤ51をカッタ40で切断する。その際、図1に示した各素線ワイヤボビン8を載置した重量計80のいずれかがワイヤ不足を示す信号を出力していたら、その重量計80上に載置されている素線ワイヤボビン8内のワイヤ51の残量がモータ1個分の巻線量に対して不足していることが検知されたことになる。各重量計80には、そこに載置される素線ワイヤボビン8内のワイヤ51の残量がモータ1個分の巻線量に対して不足となる重量値がそれぞれ予め設定されており、計測重量がその設定値以下になったとき、ワイヤ不足を示す信号を出力するようになっている。
そこで、この信号が出力された重量計80上の素線ワイヤボビン8から供給されるワイヤ51を、予め予備に用意した素線ワイヤボビンのワイヤと自動交換することによって、稼働率を下げずに巻線作業を行うことができる。その場合の自動ワイヤ交換の動作を、図18〜図28によって順を追って説明する。
このワイヤ供給装置は56は、通常の巻線時に巻線を行うワイヤ51を、図示しない素線ワイヤボビンからチューブホルダ48内の各チューブ49、ワイヤガイド39、及びワイヤ供給ノズル37を通してストックリング53に供給するが、その複数本のワイヤ51の1本ごとにその供給経路を独立して保持している。
ここで、ワイヤ供給装置56のワイヤガイド39とチューブホルダ48及びスペアチューブホルダ47の構成の詳細を、図19〜図22によって説明する。
図20の(a)〜(e)はそのワイヤガイド39を構成する上から1段目から5段目までの各ワイヤガイドプレート391〜395の平面を、それぞれチューブホルダ48及び対応する位置に移動したスペアチューブホルダ47の水平断面と共に示す図である。
図21は図19に示したワイヤガイド39の要部とチューブホルダ48及びスペアチューブホルダ47との関係を示す平面図である。
図22は図20の(d)に示した4段目のワイヤガイドプレート394を矢示方向に所定ストロークだけ移動させた状態を示す図である。
スペアチューブホルダ47にもスペアチューブ50を挿入して保持する貫通孔481〜485を水平方向に傾斜して形成している。
図18において、そのワイヤ(下から2番目のワイヤ)を仮に不足ワイヤ45とすると、ハンド38を開いて不足ワイヤ45の保持を開放し、その不足ワイヤ45を図1に示した素線ワイヤボビン8側に配置された図示しないワイヤ送り戻し装置によって素線ワイヤボビン8側に巻き戻し、図23に示すように、ワイヤ供給ノズル37及びワイヤガイド39から取り除く。
その後、図示しないモータの駆動により、図19に示したスペアチューブホルダ47と径路切替用シリンダ81とを同期して4段目のワイヤガイドプレート394に対応する位置に移動させる。
図23では、ワイヤの供給径路を切り替えた4段目のワイヤガイドプレート394と、それに対応する位置に移動したスペアチューブホルダ47を斜線を施して示している。
これにより、ワイヤをワイヤ供給ノズル37に送れる状態となるので、図1に示した素線ワイヤボビン8側に配置された図示しないワイヤ送り戻し装置によって、スペアワイヤ46をスペアチューブホルダ47に保持されたスペアチューブ50とワイヤガイドプレート394の図22に示した溝394bを経由してワイヤ供給ノズル37に送り、図26に示すようにワイヤ供給ノズル37を通過させた任意の位置で止める。
このとき、ワイヤ供給ノズル37から突き出るワイヤの長さがばらつくと、次の巻線で不具合を生じる可能性があるため、前述したワイヤ送り戻し装置によってスペアワイヤ46を若干引き戻し、図示しないセンサでその端部46aを検知して、図28に示すようにそのスペアワイヤ46の端部46aを他のワイヤ51の端部51aと揃う適正位置に配置する。その後、図示しないモータの駆動により、図19に示したスペアチューブホルダ47と径路切替用シリンダ81とを同期して最上昇位置に移動させる。
その場合には、新たにセットされた素線ワイヤボビン8から引き出したワイヤ51の先端部を、チューブ49に挿通してチューブホルダ48の貫通孔484に挿入して保持させる。そして、スペアワイヤ46を図示しないワイヤ送り戻し装置によって素線ワイヤボビン8側に巻き戻した後、図19に示した戻し用シリンダ82を作動させて、戻し用プレート83を左行させ、ワイヤガイドプレート394を左方にスライドさせて他のワイヤガイドプレートと同じ通常の位置(図20の(d)に示した位置)に戻す。
ただし、この場合にはスペアチューブホルダ47と径路切替用シリンダ81は使用しない。
この実施例では予備の素線ワイヤボビンは1つであるが、1つに限定されるものではなく、2つ以上配置するとさらに効果が向上する。
なお、素線ワイヤボビン8に残っているワイヤ量の検出は、電気抵抗によるセンサ等を用いてもよい。
スペアワイヤは、ワイヤ供給ノズル37の不足して引き戻した正規のワイヤの位置に入れ替わるのではなく、正規のワイヤ径路とは別の位置に移動してストックリング53に供給してもよい。しかし、ストックリング53はトルク制御の都合上慣性を最小限にしたいため、ストックリング53にスペアワイヤを専用に巻き取るスペースを確保するのは回避したいので、不足したワイヤと同位置にスペアワイヤを移動させるのが望ましい。
これにより、ワイヤ不足時の機械の停止を回避し、生産ラインの設備稼働率の向上が可能になる。
次に、同時に巻線を行うワイヤの本数を自動変更する方法を、図29及び図30を参照して説明する。
図29は、前述した構成のワイヤ供給装置56の図であるが、ワイヤをストックリング53に送り出すためのハンド38は、図示しない機構によって上昇及び下降を行える構造になっている。
仕様Aで巻線する5本のワイヤはワイヤ60とワイヤ61の合計であり、仕様Bで巻線する3本のワイヤはワイヤ60のみとする。
図30は図示しない機構によってハンド38が矢示Qで示すように上昇され、ハンド38がワイヤ60のみを保持して仕様Bに対応する3本のワイヤをワイヤ供給ノズル37からストックリング53に供給する場合を示す。
したがって、同時に巻線するワイヤの本数を自動的に任意に変更して、複数の仕様の巻線を行うことが可能になる。また、前述の自動ワイヤ交換と組み合わせることにより、さらに装置稼働率の向上を図ることができる。
この発明による上述した複数ワイヤ同時巻線装置は、図1及び図2に示したように、予め複数のワイヤ(電線,導線,銅線)をストックする環状のストックリング53を、ワイヤを巻き付けるために公転するガイドローラ52の駆動部の軸心と同心に配置したことを最も重要な特徴としているが、この実施例ではさらに、そのストックリング53と公転するガイドローラ52とをそれぞれ独立したモータ10とモータ9(図1参照)によって駆動するようにしている。そして、ストックリング53から供給されるワイヤ51を巻枠54に巻き付けるためのガイドローラ52の公転中に、その加減速パターンに同期してストックリング53に対してトルク制御の駆動を行うことにより、高速で高品質な巻線を可能にしている。
また、ストックリング53にワイヤ51を巻き付ける方向にガイドローラ52を回転させて巻線するときには、1回転当たり巻枠54に巻き付ける周長Lに対してストックリング53に巻き付ける周長Rが追加され、ガイドローラ52と同方向のR+L分の回転角をストックリング53に与える必要がある。
巻線の減速時には、ストックリング53の慣性を減速するための逆方向のブレーキトルクと、ワイヤにテンションを与えるのためのトルクと、軸受の摩擦トルクとを加算したトルクをストックリング53に与える必要がある。
また巻線の一定速時には、巻線のために必要なトルクと軸受の摩擦トルクとを加算したトルクを与える必要がある。
ストックリングの巻き付け方向のトルク;
T=J×(dω/dt)×{(R+L)/R}+(W/r)−F
ストックリングのほどき方向のトルク;
T=J×(dω/dt)×{(R−L)/R}+(W/r)+F
T:ストックリングに与えるトルク
J:ストックリングの慣性モーメント
ω:ストックリングの公転の角速度
W:巻線に必要なテンション
r:ストックリングの半径
F:ストックリングの軸受の摩擦係数
このようなトルク制御は、図1に示した駆動制御部100によって、ガイドローラ駆動用モータ9およびストックリング駆動用モータ10を駆動制御することにより行われる。
駆動制御部100は、判断および演算機能を有する中央処理装置であるCPU101、プログラムメモリであるROM102、データメモリであるRAM103、および入出力部であるI/Oポート104,105,106と、これらを相互に接続するCPUバス107等からなるマイクロコンピュータを構成している。
一方、RAM103はCPUのワーキングメモリとして使用される揮発性RAM領域と、この発明によるトルク制御を行うためのガイドローラ用データおよびストックリング用データを格納する不揮発性RAM領域103Nとを設けている。
ガイドローラ52の巻き付け方向の移動量:P1
ガイドローラ52の巻き付け方向の最高速度:V1
ガイドローラ52の巻き付け方向の加速時間:T1
ガイドローラ52の巻き付け方向の定速時間:T2
ガイドローラ52の巻き付け方向の減速時間:T3
ガイドローラ52のほどき方向の移動量:P2
ガイドローラ52のほどき方向の最高速度:V2
ガイドローラ52のほどき方向の加速時間:T4
ガイドローラ52のほどき方向の定速時間:T5
ガイドローラ52のほどき方向の減速時間:T6
ストックリング53の巻き付け方向の加速時トルク:TQ1
ストックリング53の巻き付け方向の定速時トルク:TQ2
ストックリング53の巻き付け方向の減速時トルク:TQ3
ストックリング53のほどき方向の加速時トルク:TQ4
ストックリング53のほどき方向の定速時トルク:TQ5
ストックリング53のほどき方向の減速時トルク:TQ6
これらの各データを図31および図32のそれぞれ右側に示している。
I/Oポート106には、サーボドライバ130介してトルク制御するストックリング駆動用のモータ10が接続され、そのモータ10に取り付けたエンコーダ150によって検出される位置情報を、サーボドライバ130を介して入力する。
同時にそのCPU101は、ROM102に格納されている制御プログラムBおよびドライブコントローラBに基いて、RAM103に格納されたストックリング用データを参照し、エンコーダ150からの位置情報を確認しながら、サーボドライバ130によってモータ10を駆動制御させて、ストックリング53をトルク制御する。
CPU101は図34に示すプログラムAおよびプログラムBによる処理を並行して実行する。プログラムAの処理を開始すると、先ずS11でデータの入力をする。そのデータは、図33に示したRAM103に格納された前述したガイドローラ用データおよびストックリング用データのうちの巻き付け方向のデータである。
ガイドローラ52が目標位置に達すると、S15で終了フラグをONにして、処理を終了する。
そして、S22でスタートフラグがONになるのを待ち、プログラムAの処理のS13でスタートフラグがONになると、それに同期してS23でストックリング53を加速時トルクTQ1に切り替え、ストックリング駆動用モータ10の駆動をスタートさせる。したがって、ガイドローラ52とストックリング53は図31に示すように同期して回転をスタートする。
実際のストックリング53の回転駆動は、ドライブコントローラBによる処理で、加速時トルクTQ1になるようにサーボドライバ130を制御し、そのサーボドライバ130にモータ10を駆動させて行う。以降の定速時トルクTQ2および減速時トルクTQ3の制御も同様である。
ガイドローラ52の現在位置がP1Aに達すると、S25でストックリング53を定速時トルクに切り替える。そして、S26でガイドローラ52の現在位置がP1Bに達しているかを判断する。これは、プログラムAの処理のS12で計算された定速終了時のガイドローラ52の位置P1Bと、エンコーダ140からの位置情報の積算値とを比較して判断する。
このようにして、図31に示すように、位置制御によるガイドローラ52の公転中の加速時、定速時、減速時に対して、ストックリング53がトルクを切れ目なく切り替えながら同期して回動することにとって、所定のトルク制御を実現する。よって、位置制御によるガイドローラの動作に、トルク制御による貯線されたストックリング53が追従することにより巻線を行う。
プログラムBによる処理のS24,S26で判断するガイドローラ52の現在位置はP2A,P2Bであり、S23で切り替える加速時トルクはTQ4、S25で切り替える定速時トルクはTQ5、S27で切り替える減速時トルクはTQ6となる。
10:モータ(ストックリング駆動用) 11:シャフト
12:エアシリンダ 13:モータ(巻枠上下動用)
14:カッタ装置 15:ワイヤクランパ 16:支柱
17:ベースプレート 18:中間軸 18a:アーム
19:タイミングプーリ 20:シャフト
24:カムフォロア 25:回転円筒軸 26:タイミングプーリ
27:タイミングベルト 28:タイミングプーリ 29:前側巻枠
30:後側巻枠 31:スライドガイド 32a,32b:リンク
33a,33b,34a,34b:ピン 35a,35b:クランパ
36:スライドガイド 37:ワイヤ供給ノズル 38:ハンド
39:ワイヤガイド 39a:支持ガイド枠 40:カッタ
41:ローラ 42:上側ワイヤガイド 43:下側ワイヤガイド
44:コイル押板 45:不足ワイヤ 46:スペアワイヤ
47:スペアチューブホルダ 48:チューブホルダ 49:チューブ
52:ガイドローラ 53:ストックリング
53a:ワイヤストック用の環状溝 54:巻枠
55:コイル挿入治具 56:ワイヤ供給装置
57:線処理グリッパ 58:軸受 59:軸受
60:ワイヤ 61:ワイヤ 62:基板 63:スライド機構
65:コイル 70:基台 71:立壁 72:基板
73:ブシュ 74:ブラケット 75:スライド台
76:後側巻枠の軸 81:径路切替用シリンダ 81a:ピストンロッド
82:戻し用シリンダ 83:戻し用プレート
103N:不揮発性RAM領域 104〜106:I/Oポート
107:CPUバス 110:操作パネル 111:ディスプレイ
112:キーボード 120,130:サーボドライバ
140,150:エンコーダ
391〜395:ワイヤガイドプレート 391a〜395a:通常径路の溝
391b〜395b:スペア径路の溝
470:スペヤチューブを挿入するスペヤチューブホルダの貫通孔
481〜485:チューブを挿入するチューブホルダの貫通孔
Claims (10)
- 巻枠と、該巻枠の周囲を公転するガイドローラと、前記巻枠の下方に配置されるコイル挿入治具とを用い、前記ガイドローラが前記巻枠の周囲を公転することによって、複数のワイヤを同時に並列して前記巻枠に巻き付けてコイルを形成し、そのコイルを前記コイル挿入治具に受け渡す複数ワイヤ同時巻線方法であって、
外周に複数の環状溝を並列に形成したストックリングを、その回転軸心を前記ガイドローラの公転軸心と同心にして回転可能に配設し、該ストックリングの前記複数の環状溝に予め複数のワイヤを巻き付けてストックし、その後前記ガイドローラを公転させて前記ストックリングにストックした複数のワイヤを同時に引き出しながら前記巻枠に巻き付けることを特徴とする複数ワイヤ同時巻線方法。 - 請求項1に記載の複数ワイヤ同時巻線方法において、
前記ストックリングと前記ガイドローラとを、それぞれ個別のモータで独立して回転駆動し、
前記ストックリングから複数のワイヤを同時に引き出しながら前記巻枠に巻き付けるための前記ガイドローラの公転中における加減速パターンに同期して、前記ストックリングにトルク制御の駆動を行うことを特徴とする複数ワイヤ同時巻線方法。 - 請求項2に記載の複数ワイヤ同時巻線方法において、
前記ガイドローラの公転中における加減速パターンに同期して、前記ストックリングの慣性モーメントを加減速するために必要なトルクと、前記巻枠に巻線するのに必要なテンションを加えるためのトルクと、該ストックリングの軸受における摩擦トルクとを加算したトルクを該ストックリングに与えることを特徴とする複数ワイヤ同時巻線方法。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の複数ワイヤ同時巻線方法において、
前記ストックリングに予めストックする複数のワイヤを、ワイヤ1本毎に独立した供給径路を有するワイヤ供給装置から供給するとともに、予め予備のワイヤを保持したホルダを用意し、使用中の複数の供給径路のいずれかから供給するワイヤの残量がコイル1個分に必要な量に満たなくなったときに、前記ホルダを前記予備のワイヤを供給し得る位置に移動させ、前記供給するワイヤの残量がコイル1個分に必要な量に満たなくなった供給径路を前記ホルダが保持する予備のワイヤを供給する径路に変更することを特徴とする複数ワイヤ同時巻線方法。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の複数ワイヤ同時巻線方法において、
前記ストックリングに予め供給してストックするワイヤの本数を変更することによって、並列に巻線するワイヤの本数を切り換えることを特徴とする複数ワイヤ同時巻線方法。 - 巻枠と、該巻枠の周囲を公転するガイドローラと、前記巻枠の下方に配置されるコイル挿入治具とを備え、前記ガイドローラが前記巻枠の周囲を公転することによって、複数のワイヤを同時に並列して前記巻枠に巻き付けてコイルを形成し、そのコイルを前記コイル挿入治具に受け渡すように構成した複数ワイヤ同時巻線装置であって、
外周に複数の環状溝を並列に形成したストックリングを、その回転軸心を前記ガイドローラの公転軸心と同心にして回転可能に配設し、該ストックリングの前記複数の環状溝に予め複数のワイヤを巻き付けてストックする機構と、前記ガイドローラを公転させて前記ストックリングにストックした複数のワイヤを同時に引き出しながら前記巻枠に巻き付ける機構とを設けたことを特徴とする複数ワイヤ同時巻線装置。 - 請求項6に記載の複数ワイヤ同時巻線装置において、
前記ストックリングと前記ガイドローラとをそれぞれ独立して回転駆動する個別のモータと、
前記ストックリングから複数のワイヤを同時に引き出しながら前記巻枠に巻き付けるための前記ガイドローラの公転中における加減速パターンに同期して、前記ストックリングにトルク制御の駆動を行うように前記個別のモータをそれぞれ駆動制御する駆動制御部とを設けたことを特徴とする複数ワイヤ同時巻線装置。 - 請求項7に記載の複数ワイヤ同時巻線装置において、
前記駆動制御部が、前記ガイドローラの公転中における加減速パターンに同期して、前記ストックリングの慣性モーメントを加減速するために必要なトルクと、前記巻枠の巻線するのに必要なテンションを加えるためのトルクと、該ストックリングの軸受における摩擦トルクとを加算したトルクを該ストックリングに与えるように、前記個別のモータをそれぞれ駆動制御することを特徴とする複数ワイヤ同時巻線装置。 - 請求項6から8のいずれか一項に記載の複数ワイヤ同時巻線装置において、
前記ストックリングに予めストックする複数のワイヤを、ワイヤ1本毎に独立した供給径路で供給するワイヤ供給装置と、予備のワイヤを保持したホルダとを備え、前記ワイヤ供給装置は、使用中の複数の供給径路のいずれかから供給するワイヤの残量がコイル1個分に必要な量に満たなくなったときに、前記ホルダを前記予備のワイヤを供給し得る位置に移動させ、前記供給するワイヤの残量がコイル1個分に必要な量に満たなくなった供給径路を前記ホルダが保持する予備のワイヤを供給する径路に変更する機能を有することを特徴とする複数ワイヤ同時巻線装置。 - 請求項9に記載の複数ワイヤ同時巻線装置において、
前記ワイヤ供給装置は、前記ストックリングにストックさせるために供給するワイヤの本数を自動変更する機構を有することを特徴とする複数ワイヤ同時巻線方法。
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