JP3989864B2 - メッキライン用メッキ装置及びメッキライン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、メッキライン用メッキ装置及びメッキラインに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
メッキする品物(以下、「被メッキ品」と言う)が比較的小物である場合、多くのメッキラインでは、被メッキ品の搬入から酸洗い等を行う前処理工程と、メッキを主として行うメッキ処理工程と、水洗から被メッキ品(ここではメッキ済み品)の搬出を行う後処理工程とが、その処理流れを保持しつつ一連に繋がって設置され、連続稼働されるようになっている(例えば、特許文献1乃至特許文献4など参照)。
【0003】
この種のメッキラインでは、殊にその中のメッキ処理工程で被メッキ品を処理液へ浸漬させる時間を所定以上に確保しなければならないことがネックになり、それが故にこのメッキ処理工程中に設置する処理槽を長大化させるといった構造的対策を採っていた。
その結果、全体の工程長、即ち、メッキライン全体が非常に長いものとなっており、このメッキラインが一棟の工場全部を占めるほどの設置面積を要するものとなっていた。
【0004】
なお、図10は、従来のメッキラインのメッキ処理工程に組み込まれた一般的なメッキ装置100を例示したものである。
図例のメッキ装置100は亜鉛メッキ用であって、メッキ用の処理槽(以下、「メッキ槽」と言う)101と、これとは別設置された溶解槽102との間で処理液103を循環させてジンケート浴を行うタイプとしてある。
すなわち、メッキ槽101には、槽内の処理液103に浸漬される状態で両側の壁寄りに鉄板製の陽極105が設けられている。そして、これら両陽極105間で被メッキ品106を装填したバレル107が通過搬送され、この間、バレル106が陰極として使用される。
【0005】
また溶解槽102では、カゴ型収納器108を介して投入される亜鉛素材109が苛性ソーダ等の処理液素材110で融解され、所定の亜鉛濃度に調整された処理液103がつくられる。
従って、ポンプ112を稼働させると、供給管113を介して溶解槽102内からメッキ槽101へ処理液103が送られ、またメッキ槽101に付設のオーバーフロー槽114から、溢れ出た処理液103が回収管115を介して溶解槽102へ戻されるといった循環が行われるのである。
【0006】
このようなメッキ処理工程100において、メッキ槽101の陽極105に縦400mm、幅700mmのものを用いたとすると、バレル107に50kgの被メッキ品106を装填した場合、この被メッキ品106に所定膜厚のメッキを施すために40分相当の処理時間(メッキ時間)を要することになるので、メッキ槽101として、それだけバレル107の搬送速度に応じた分の長さが必要になるというわけである。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−176898号公報
【特許文献2】
特開平9−195093号公報
【特許文献3】
特開2000−17492号公報
【特許文献4】
特開2001−342599号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のメッキラインは、上記したように多くの場合、一棟の工場内を占めてしまうようなかたちで設置されている。
ところで、メッキ装置100のメッキ槽101や溶解槽102をはじめ、前処理工程の脱脂、酸洗いなどを行う各種処理槽(いずれも図示略)からは、目や鼻、或いは呼吸器系
に対して刺激を伴うようなガスが発散し、従ってこれらの処理槽が設置された工場内で作業する作業者は、否応なく、過酷な作業環境におかれることになっていた。
【0009】
しかし、このような過酷な作業環境を改善することに関しては、その対象規模が工場全体にわたる(規模が大きすぎる)といった事情から、対策が講じられる例は殆どなかった。すなわち、作業者側の慣れや忍耐に全てを委ねられているというのが実状であった。
なお、このようなことのネックとなっている全体の工程長、即ち、メッキライン全体の長さは、上記したようにメッキ装置100でのメッキ槽101の長大化と密接な関係があるため、簡単に解決できるものではなかった。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、目や鼻、或いは呼吸器系に対して刺激を伴うようなガスが発散するといった作業環境を改善できるようにしたメッキライン用メッキ装置及びメッキラインを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係るメッキライン用のメッキ装置43では、ガス発散性の処理液36を貯留する処理槽がガスの拡散を防止可能なケーシング25によって覆われたものとなっている。
このため、ガス発散性の処理液36を貯留する処理槽(例えば、脱脂、酸洗い、電解、メッキなどの各処理槽)からガスが発散しても、このガスがケーシング25を超えてその外側へ漏洩し、周辺へ拡散されるということはない。
【0012】
従って、このメッキ装置43の周辺雰囲気が目や鼻、或いは呼吸器系に対して刺激を伴うようなガスで蔓延するといったことはなく、作業者のための作業環境は大幅に改善される。
このような処理槽の一例として、亜鉛のメッキ槽18が挙げられる。従ってこの場合のメッキ装置43としては、メッキ槽18と、これとは別設置の溶解槽42との間で処理液36が循環させることによりジンケート浴を行うものとすることができる。
【0013】
ケーシング25には、ケーシング25内のガスを回収し処理するためのガス処理装置30を設けておくのが好適である。
このようにガス処理装置30を設けることで、ガスを大気放流することなどが可能となる。
この場合、処理槽には、その槽内の処理液36を導入可能な状態に連通した小型の補助槽35を設けておくのが好適である。
このような補助槽35は、その槽内がガス処理装置30への吸引経路として使用されるものである。
【0014】
すなわち、補助槽35の内容積はケーシング25の内容積に比してコンパクトであるから、この補助槽35内を効率的に吸引できるようになる。そのため、ガスの回収を強力且つ確実にできるものとなり、またガス処理装置30の大型化を抑制できる効果もある。
一方、本発明に係るメッキライン1は、被メッキ品に前処理、メッキ処理、後処理を施すための複数の処理槽が処理工程順に連設され、これらのうちガス発散性の処理液36を貯留する少なくとも一つの処理槽がケーシング25によって覆われたものとなっている。
【0015】
なお、このケーシング25は、被メッキ品の搬入部10及びメッキ済み品の搬出部21を除く全ての処理槽を一まとめに覆うようにして(即ち、メッキライン1の全体を覆うかたちで)設けるのが好適である。
上記した本発明に係るメッキ装置43の場合と同様に、この本発明に係るメッキライン
1中のメッキ処理工程3は、亜鉛メッキであって且つジンケート浴が行われるものとして実施することができる。
すなわち、メッキ処理工程3に設置される処理槽は亜鉛のメッキ槽18とされ、このメッキ槽18が別設置の溶解槽42との間で処理液36を循環される関係におかれ、メッキ槽18の処理液36中には陽極45が浸漬されると共に被メッキ品を収納した陰極兼用バレル5が浸漬されるというものである。
【0016】
この場合、メッキ槽18の陽極45は、処理液36中に浸漬されるバレル5に対して少なくともその両側方と底方との三方を囲む配置で設けられ、且つそれらの肉厚を貫通する方向で処理液36を行き来させる流通孔51が形成されているものとする。
このようなメッキ処理工程3を採用すれば、メッキ槽18の長さ、ひいてはこのメッキ処理工程3の工程長を大幅に短縮できることになる。そのため、メッキライン1の全体をケーシング25で覆うという構成が実施しやすくなるのである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1乃至図4は、本発明に係るメッキライン1の一実施形態を示している。
このメッキライン1は、前処理工程2、メッキ処理工程3、及び後処理工程4を有し、これらが処理工程順に連設されたものとなっている。
本実施形態のメッキライン1は、亜鉛メッキをするためのものとしてある。また図4から明らかなように、被メッキ品(図示略)をバレル5に装填した状態で、このバレル5をバレル搬送装置6によって各工程2〜4へ順送りに循環移動させるバレルメッキ方式を採用したものとしてある。
【0018】
図2に示すように、前処理工程2は、搬入部10を起点として、予備脱脂用の処理槽11、脱脂用の処理槽12、水洗用の処理槽13、酸洗い用の処理槽14、水洗用の処理槽15を、この順番で有したものとなっている。
またメッキ処理工程3は、亜鉛メッキの中でも特にジンケート浴を行うためのものとしてあり、電解用の処理槽16、水洗用の処理槽17、メッキ用の処理槽18、回収用の処理槽19を、この順番で有したものとなっている。
メッキ用の処理槽18では、亜鉛素材を苛性ソーダ等の処理液素材で融解し所定の亜鉛濃度に調整した処理液が貯留されていることになる。
【0019】
このメッキ用の処理槽18は、八つの同一槽が繋がって設置されたもの(8連構成)としてある。
また、回収用の処理槽19は、メッキ用の処理槽18からバレル5に付着したかたちで持ち出される処理液を滴下回収するためのものである。すなわち、いわゆる「受け」である。従ってこの回収用の処理槽19にも、メッキ用の処理槽18と同様な処理液が低水位で存在していることになる。
後処理工程4は、水洗用の処理槽20と最終工程となる搬出部21とを有したものとなっている。
【0020】
そして、本発明に係るメッキライン1では、上記のように各種設置された処理槽のうち、ガス発散性の処理液を貯留するものに対してケーシング25が設けられたものとなっている。
ここにおいてガス発散性の処理液とは、目や鼻、或いは呼吸器系に対して刺激を伴うようなガスを発散するものを言う。例えば、予備脱脂や脱脂、酸洗い、電解、メッキなどの処理に用いられる処理液は、いずれもこれに該当する。
そのため、この該当する処理液を貯留する処理槽(11,12,14,16,18,19等)に対し、それらを覆うようにケーシング25が設けられていることになる。
【0021】
なお、これら一つ一つの処理槽に対して個別にケーシング25を設けてもよいが、それは設計的及び経済的に良策とは言えないので、本実施形態では、前処理工程2、メッキ処理工程3、及び後処理工程4にわたる全体(即ち、このメッキライン1の全体)を覆うかたちでケーシング25が設けられたものとしてある。
ここにおいて、水洗用の処理槽13,15,17,20に対しても、ケーシング25を設けるのが好適である。それは、これら水洗用の処理槽13,15,17,20はガス発散性の処理液を洗い出す部分であるから、ガス発散性の処理液を含んだものと言うことができるためである。
【0022】
なお、前処理工程2では、このメッキライン1に対して被メッキ品を取り込む都合上、ケーシング25の搬入部10に対応する部分において常時開放又は必要に応じて開放可能な構造とされている。
また同様に後処理工程4でも、このメッキライン1からメッキ済み品を取り出す都合上、ケーシング25の搬出部21に対応する部分において常時開放又は必要に応じて開放可能な構造とされている。
このケーシング25は、ガス発散性の処理液を貯留する各処理槽(11,12,14,16,18,19等)からのガスが、このケーシング25を超えてその外側へ漏洩し周辺へ拡散するのを防止できる構造になっている。
【0023】
従って、このメッキライン1の周辺雰囲気が目や鼻、或いは呼吸器系に対して刺激を伴うようなガスで蔓延するといったことはなく、作業者のための作業環境は大幅に改善される。
このケーシング25には、ケーシング25内の様子(各処理槽内の処理液の増減やバレル5及びバレル搬送装置6の状態など)が外から確認できるように、窓26が設けられている。また、この窓26は、各種メンテナンスのため開閉可能になっている。
【0024】
このようなケーシング25は、各処理槽において処理液が飛散するのを防止し、また外観を良好にするうえでも有益である。
本実施形態では、図1及び図2から明らかなようにこのメッキライン1の隣りに色づけライン27が設けられたものとしてあり、メッキライン1から搬出される品物がそのまま色づけライン27へ搬入される構成としてある。そこで、このような色づけライン27にも、その全体を覆うかたちでケーシングを設けるのが好適である。
【0025】
図1に示すように、このメッキライン1に設けられるケーシング25には、このケーシング25内のガスを回収し処理するためのガス処理装置30が設けられている。
このガス処理装置30は、回収したガスを大気放流可能な状態に処理することなどができるものとすればよい。
このガス処理装置30は、例えばケーシング25の一端部でその上部等へ配置することができる。
【0026】
このガス処理装置30には、ケーシング25内での各処理槽の配置に長手方向を沿わすようにして排気ダクト31を設け、この排気ダクト31に対して各処理槽から排気支管32を接続させるようにするのが好適である。
この場合、排気ダクト31は、ケーシング25の側部上部の隅角に沿って配管することができる。このようにすることで、排気ダクト31の設置が容易となり、直線配管にでき、ケーシング25の周辺スペースを確保でき(排気ダクト31が邪魔にならない)、排気支管32の配管が容易且つ省スペースになる、といった各種の利点が得られる。
【0027】
各処理槽からガス処理装置30に対して配管支管32を接続するには、図5に示す構造
を採用するのが好適である。
この構造は、各処理槽(例えば脱脂用の処理槽12とする)に対して、小型の補助槽35を設けておくものである。
この補助槽35は、処理槽12内の処理液36を導入できるようにこの処理槽12と連通されている。連通はオーバーフロー方式としてあり、処理槽12と補助槽35とを区画する側壁37に対してオーバーフロー孔38が形成されている。
【0028】
このオーバーフロー孔38は、上下方向の開口幅が小さく抑えられたスリット状に開口されたもの、或いは複数の小穴を並べたものとすればよい。勿論、オーバーフロー方式以外に、補助槽35と処理槽12とを管接続させてもよい。
そして、この補助槽35の上部に排気支管32が連通接続されている。
なお、この補助槽35の上部には、清掃などのメンテナンスに利用できる点検口40が設けられ、この点検口40に蓋41が着脱自在な状態で設けられている。
【0029】
このような構造であるから、ガス処理装置30を稼働させると、この補助槽35内に導入された処理液36から発散するガスが主な吸引対象となって、この補助槽35内を排気経路の一部としつつ排気支管32及び排気ダクト31を介してガス処理装置30へガスが吸引されることになる。
そのため、ガス処理装置30で必要とする吸引負圧は、ケーシング25の内容積に比してコンパクトであるこの補助槽35の内容積を基準として設定できることになり、この補助槽35内を効率的に吸引できるようになる。
【0030】
従って、ガスの回収を強力且つ確実にできるものとなり、またガス処理装置30の大型化を抑制できる効果もある。
図5に示した補助槽35は、処理槽12に対してその外方へ張り出して設ける例である(図1及び図2参照)。しかし、図6に示すように、処理槽(ここでは酸洗い用の処理槽14とした)に対してその内方へ設けるようにしてもよい。
ところで、上記したメッキ処理工程3(図2参照)において、メッキ用の処理槽18(以下、「メッキ槽18」と言う)には、別設置された溶解槽42が連通接続されており、これら溶解槽42とメッキ槽18とは、両槽間で処理液36を循環させることによるジンケート浴を行うタイプのメッキ装置43として構成されている。
【0031】
図7に示すように、このメッキ装置43において、メッキ槽18には、その槽内の処理液36に浸漬される状態で両側の壁の内側に陽極45が設けられている。そしてこの陽極45の内側で、被メッキ品W(例えばボルトやナット等)を装填したバレル5が通過搬送されるようになっている。この通過搬送中のバレル5は当然に処理液36に浸漬状態とされ、そのうえで陰極として使用される。
図8に示すように、バレル5は多角形筒体を横長にさせたような形体を呈したもので、その外周面5aが網材や多孔板等により形成されている。従って、この外周面5aから処理液36がバレル5内に浸入して、内部の被メッキ品Wと接触可能になっている。このバレル5は、その外周面5aを形成している網材や多孔板、或いはこれらを支持するフレーム部分の一部又は全部が導電材料で形成されることで陰極を兼ねられるようにしてある。
【0032】
そして、このバレル5は、筒形中心を通る横軸46を回転軸心として回転可能になっている。すなわち、この横軸46には歯車装置等の伝動機構47を介して回転駆動モータ48が接続されており、この回転駆動モータ48の駆動により、バレル5にそれ単独の回転制御を与えることができるようになっている。
上記した陽極45は、メッキ槽18の処理液36中に上記バレル5が浸漬されたときに、このバレル5を中間においた両側方(図7の左右両側)だけでなく、バレル5の底方をも含めた三方を囲む配置となるように設けられている。
【0033】
この陽極45は、複数の陽極構成材49が並設されることによって構成されている。
各陽極構成材49は細長形に形成された鉄板(フラットバー)等を素材としたものであって、バレル5の回転方向に沿ったU字状に形成されている。
各陽極構成材49の並設方向は、バレル5の回転軸心方向(横軸46の長手方向)に沿ったものとされている。そして、各陽極構成材49は、それらの相互間に所定間隔が開けられるように、連接棒50により、串刺し状に連設固定されている。
【0034】
従って、各陽極構成材49の相互間に開けられた間隔(各陽極構成材49の並設間)には、バレル5の回転方向に沿った溝状の隙間が形成されることになり、この隙間が、陽極45全体としてその肉厚を貫通する方向で処理液36を行き来させるための流通孔51として作用することになる。
陽極45は、このような構成とされることにより、処理液36の流通性を十分に確保しながら有効通電表面積を可及的に増大させ、この有効通電表面積がバレル5内に装填される被メッキ品Wの被メッキ表面積と1対1に近づくようにしてある。
【0035】
そのため、処理時間(メッキ時間)が飛躍的に短縮化される。
このようなことから、図2で示したように、このメッキ槽18は僅か8連構成に抑えても被メッキ品Wに対して十分な厚さのメッキ皮膜を形成させることができるのである。
このメッキ槽18において、陽極45に、縦(図8中のH寸法)が400mm、幅(図8中のL寸法)が700mmのものを用いたとする。
なお、この場合の各陽極構成材49においてU字曲げした部分の板幅中心半径(図8中のR寸法)は300mm、各陽極構成材49の板幅(図2中のb寸法)は50mm、板厚は3mmとした。陽極構成材49の総数は70本であり、その並設ピッチは10mmである。
【0036】
このようにすると、バレル107に50kgの被メッキ品106を装填した場合、この被メッキ品106に所定膜厚のメッキを施すために、僅か15分足らずの処理時間(メッキ時間)で十分であった。これは、図10に示した従来のメッキ装置100に比して、実に1/3に近い時間短縮が図れていることになる。
なお、陽極構成材49は、1本のフラットバーをU字状に曲げるのではなく、3本の細帯板状フラットバーをバレル5の回転方向に沿わせてコ字状に連結して形成することもできる。
【0037】
また、図9に示す陽極45のように、バレル5の回転方向に沿ってコ字状に配置される三つのパネル体52を有した構成とすることもできる。
各パネル体52は、細長形に形成された鉄板(フラットバー)等より形成した陽極構成材49を、その長手方向をバレル5の回転軸心方向(横軸46の長手方向)に沿わせ、且つ互いに所定間隔を開けつつ、所定長さの連接棒56で串刺し状に連設固定したものとなっている。
従って、各陽極構成材49の並設間では、バレル5の回転軸心方向(横軸46の長手方向)に沿った溝状の流通孔51が形成されることになる。
【0038】
図7に示したメッキ装置43において、溶解槽42には、多角形筒体を横長にさせたような形体のバレル60を介して亜鉛素材(図示略)を装填できるようにしてある。そして、この溶解槽42には苛性ソーダ等の処理液素材61が貯留されている。
バレル60は、「へ」字状に折曲された左右一対のアーム62によって保持されている。このアーム62は、根本側の支点63を中心に上下方向に揺動し、これによってバレル60が溶解槽42内の処理液素材61に対して浸漬されたり、その上方へ持ちあげられたりするようになっている。
【0039】
またバレル60は、アーム62の先端部で回転駆動されるようになっている。
従って、アーム62の下向きの揺動によってこのバレル60が溶解槽42内の処理液素材61に浸漬されたとき、このバレル60は回転され、バレル60内に装填された亜鉛素材が積極的に処理液素材61と接触するようになっている。
これにより、処理液素材61に対する亜鉛素材の融解が促進され、メッキ槽18に対して供給する処理液36として、その亜鉛含有量を所定濃度に調整することが効率的に行われることになる。
【0040】
メッキ槽18と溶解槽43との間は供給管65によって接続され、この供給管65に設けられたポンプ66の稼働により、溶解槽43内でつくられた処理液36がメッキ槽18へ送られるようになっている。
また、メッキ槽18に設けられたオーバーフロー槽67からメッキ槽18内の処理液36が回収管68を介して溶解槽43へ戻されるようになっている。
このようなことから、溶解槽49でつくられた(濃度調整された)処理液36がメッキ槽18と溶解槽43との間で循環されるものである。
【0041】
なお、メッキ槽18内では、バレル5が処理液36中に浸漬された状態下で陽極45にはプラス電流が、また陰極としてのバレル5にはマイナス電流が、それぞれ印加され、またバレル5が横軸46まわりで回転されることにより、このバレル5内の被メッキ品Wがメッキされることは言うまでもない。
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係るメッキライン用メッキ装置及びメッキラインでは、目や鼻、或いは呼吸器系に対して刺激を伴うようなガスが発散するといった作業環境を改善できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るメッキラインの一実施形態を示した斜視図である。
【図2】 図1に示したメッキラインを示した平面図である。
【図3】 図2のA−A線拡大矢視図である。
【図4】 図2のB−B線拡大断面図である。
【図5】 図2のC−C線拡大断面図である。
【図6】 図2のD−D線拡大断面図である。
【図7】 図1のメッキラインで採用されたメッキ装置を示した正面断面図である。
【図8】 図7中に示したメッキ槽の内部構成を分解して示した斜視図である。
【図9】 陽極の別例を示した斜視図である。
【図10】 従来のメッキ装置を示した正面断面図である。
【符号の説明】
1 メッキライン
3 メッキ処理工程
5 バレル
10 搬入部
18 メッキ槽
21 搬出部
25 ケーシング
30 ガス処理装置
35 補助槽
36 処理液
42 溶解槽
43 メッキ装置
45 陽極
51 流通孔
Claims (4)
- ガス発散性の処理液を貯留する処理槽がガスの拡散を防止可能なケーシング(25)に覆われ、前記処理槽は亜鉛のメッキ槽(18)とされ、且つこのメッキ槽(18)が別設置の溶解槽(42)との間で処理液(36)を循環させることによりジンケート処理を行うものとなっており、前記メッキ槽(18)の側部側には、その槽内の処理液(36)をオーバーフローさせて導入するオーバーフロー孔(38)を有する補助槽(35)が設けられており、この補助槽(35)及び当該補助槽(35)に接続された排気支管(32)を介して、ケーシング(25)内及びメッキ槽(18)内のガス回収が可能なガス処理装置(30)が前記ケーシング(25)に設けられていることを特徴とするメッキライン用メッキ装置。
- 請求項1に記載のメッキライン用メッキ装置を備え、被メッキ品に前処理、メッキ処理、後処理を施すための複数の処理槽が処理工程順に連設されていることを特徴とするメッキライン。
- 前記ケーシング(25)は、被メッキ品の搬入部(10)及びメッキ済み品の搬出部(21)を除いてライン全体を覆う形体とされていることを特徴とする請求項2記載のメッキライン。
- 請求項2又は請求項3のメッキラインであって、前記メッキ槽(18)の処理液(36)中には陽極(45)が浸漬されると共に被メッキ品を収納した陰極兼用バレル(5)が浸漬されてジンケート処理が行われるものとなっており、
前記メッキ槽(18)の陽極(45)は、処理液(36)中に浸漬されるバレル(5)に対して少なくともその両側方と底方との三方を囲む配置で設けられ、且つそれらの肉厚を貫通する方向で処理液(36)を行き来させる流通孔(51)が形成されていることを特徴とするメッキライン。
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