JP3989602B2 - 軒先構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軒先構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図10に示すような軒先構造が提供されている。この軒先構造では、軒天パネル51が次のように取り付けられている。即ち、外壁53の表面にピースものの軒天吊り金物57が複数、水平方向に間隔的に取り付けられ、この軒天吊り金物57に、軒天パネル下地桟58が、外壁53との間に小屋裏内部59への通気部60を形成するように外壁53と所定の間隔をおいて取り付けられている。そして、軒天パネル51は、その外壁側が軒天パネル下地桟58の下面に、また、軒先側が破風下地桟52の下面に、それぞれネジ、釘等の接合具61にて取り付けられている。そして、破風下地桟52の外面部に破風水切54が取り付けられ、この破風水切54の下端部54aは、内方、即ち軒天パネル51の下面側に水切形状に折り返されて、破風下地桟52と軒天パネル51との接合部を隠蔽する構成となされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような軒先構造では、小屋裏内部59への通気部60が、軒天パネル51の外壁際に備えられているため、強風時には、風が外壁53に遮られて、通気部60を挟む内外の圧力差を大きくしてしまい、雨水がこの通気部60を通じて小屋裏内部59に吹き込まれやすいという問題があった。
【0004】
また、破風下地桟52の外面部に取り付けられている破風水切54は、その下端側54aが、上記のように、軒天パネル51の下面側に水切形状に折り返されて、破風下地桟52と軒天パネル51との接合部を隠蔽する構成となされているため、軒先工事では、軒天パネル51の取付け工事をした後でなければ、破風水切54の取付け工事にとりかかることができず、そのため、工事に後先を生じさせて、段取りに支障を来たすことがあった。また、このような構造では、軒天パネル51が劣化したりあるいは破損したりした場合の軒天パネル交換工事において、破風水切54の取外しを必要とし、交換工事が周辺部材の取外しを要する大掛かりなものになってしまうという問題もあった。
【0005】
更に、外壁53が、その外面部に凹凸の柄を有するものである場合や、外壁パネルからなるものであるような場合などにおいては、通気部60の形成用のピースものの各軒天吊り金物57が、外壁面材の凹凸の柄や外壁パネルの不陸を拾ってしまい、軒天パネル下地桟58の取付けを行いにくいものにし、ひいては、軒天パネル51の取付け工事を厄介で手間のかかるものにしてしまうという問題もあった。
【0006】
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑み、強風時に雨水が小屋裏内部に吹き込まれるのを抑制ないし防止でき、しかも、軒天パネルの取付け工事と破風水切の取付け工事のいずれをも先行させることができると共に、軒天パネルの交換工事も容易に行え、更に、軒天パネルの外壁側の取付けを外壁表面の不陸に影響されることなく容易に行うことができる軒先構造を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、破風下地桟の下端部に、軒天パネルの軒先側又は軒天パネルランナーが、それらの間に小屋裏内部への通気部を形成するように間隔をおいて金物にて取り付けられ、かつ、破風水切が、前記通気部を開放する態様において、破風下地桟の外面部に取り付けられてなることを特徴とする軒先構造によって解決される。
【0008】
即ち、本発明の軒先構造では、通気部が、軒天パネルの軒先側に備えられた構造であることにより、強風時であっても、通気部を挟む内外の圧力差は比較的小さく抑えられる。従って、強風時に雨水が小屋裏内部に吹き込まれるのが有効的に抑制ないし防止される。
【0009】
しかも、この通気部は、軒天パネルの軒先側又は軒天パネルランナーと破風下地桟の下端部とが、それらの間に間隔をおいて、金物にて取り付けられることで形成されるものであり、従って、破風水切は、軒天パネルの軒先側又は軒天パネルランナーとの取り合い関係において、この通気部を開放する態様において、破風下地桟の外面部に取り付けられることになる。そのため、破風水切と、軒天パネルの軒先側又は軒天パネルランナーとの取り合い関係が、上記のような通風部の存在によって分断され、破風水切の下端部を軒天パネルの下面側に大きく折り返す必要がなくなる。その結果、軒天パネルの取付けが破風水切の存在によって妨げられるというようなことがなくなり、また、破風水切の取付けが軒天パネルの存在によって妨げられるというようなこともなくなって、軒天パネルの取付け工事と破風水切の取付け工事のいずれをも先行させることができるようになる。従ってまた、劣化や破損等による軒天パネルの交換工事も、破風水切を取り外すことなく行うことができるようになる。
【0010】
更に、通気部を上記のように軒天パネルの軒先側に形成することにより、軒天パネルの外壁側の通気部を排除できる。従って、軒天パネルの外壁側において、通気部形成用のピースものの軒天吊り金物を排除しえて、外壁に、軒天パネルランナーや軒天パネル下地桟などの長尺のパネル保持部材を、それらの間に通気部を形成しない接触状態ないしはほぼ接触状態に取り付けることができるようになる。従って、そのようにすることによって、外壁がその外面部に凹凸の柄を有するものである場合や外壁パネルからなるものであるような場合であっても、上記のパネル保持部材は、外壁面材の凹凸の柄や外壁パネルの不陸を拾うことなく、容易に外壁に取り付けられるようになり、ひいては、軒天パネルの取付け工事が容易なものになる。
【0011】
また、破風水切の外方側に隣接して備えられた軒樋の下方に、破風水切を伝う雨水を受ける浅底樋状の軒樋カバーが備えられたものとすることにより、軒樋と破風水切との間の隙間を通じての雨垂れが防がれる。更に、軒樋の外方側に化粧破風を備えさせ、この化粧破風と軒樋カバーで軒樋を隠蔽する構成とすることにより、軒樋の選定をその意匠的外観にとらわれることなく行うことができるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1ないし図4に示す第1実施形態の軒先構造において、1は軒天パネル、2は破風下地桟、3は建物の外壁である。また、4は破風水切、5は軒樋、6は軒樋受け金物、7は軒樋カバー、8は化粧破風である。
【0014】
軒天パネル1は、化粧鋼板10の裏面側に防火下地材11を備えさせたものであり、この化粧鋼板10は、その外壁側が防火下地材11の上面側に折り返され、軒先側が防火下地材11の外方に延長されている。即ち、化粧鋼板10の軒先側は、防火下地材11の側面部へと上方に屈折された後、外方に屈折延長されてそこを取付け板部10aとし、そして、この取付け板部10aを見えにくくするため、更に下方に屈折され、更に外方に屈折延長され、その延長先端部が水切形状に内向き斜め上方に折り返されて、そこに通風ガイド板部10bが形成されている。
【0015】
そして、外壁3には、この軒天パネル1を保持する化粧鋼板製の長尺のランナー12が、ネジ、釘等の接合具13にて接触状態に取り付けられ、また、破風下地桟2の下端面には、通気部形成用のピースものの金物14が、下方突出状に、長手方向に沿って所定間隔おきに、ネジ、釘等の接合具13にて取り付けられており、軒天パネル1は、その外壁側をランナー12に差し込み、軒先側の取付け板部10aを金物14にネジ、釘等の接合具13にて取り付けることによって、軒下に備えられている。このような取付け構造により、軒天パネル1の軒先側には、軒天パネル1の取付け板部10aの上面と破風下地桟2の下端面との間に小屋裏内部15に通じる通気部16が形成されると共に、軒天パネル1の外壁側の通気部は排除される。
【0016】
一方、破風下地桟2の外面部に取り付けられた破風水切4の下端側4aは、上記の通気部16を開放するように、外方斜め下方に屈折して延ばされ、その下端先端部4bは、裏面側に折り返されて水切形状に形成されている。
【0017】
そして、破風水切4の外方側には、軒樋5が、軒樋受け金物6に保持されて備えられ、この軒樋5の下方に、浅底樋状の軒樋カバー7が備えられている。この軒樋カバー7の上方に破風水切4の下端水切部4bが臨まされ、軒樋カバー7が破風水切4を伝う雨水を受けるようになされている。
【0018】
この軒樋カバー7は、軒樋5を下方から隠蔽するような寸法幅の平坦状のもので、素板の幅方向両端部を上方に屈折させて側板部7a,7aを形成することにより浅底樋状となし、更に、これらの側板部7a,7aの上端部を外方に水平に屈折させて取付け板部7b,7bを形成したものである。
【0019】
この軒樋カバー7の幅方向内方側の取付け板部7bは、次のように取り付けられている。即ち、上記した通風部形成用の金物14には、ステー部14aが、軒天パネル1の通風ガイド部10bを越えるように、外方斜め下方に延びて、一体的に備えられている。軒樋カバー7の幅方向内方側の取付け板部7bは、金物14のこのステー部14aに、ネジ、釘等の接合具13にて取り付けられている。このような取付け態様により、軒天パネル1の通風ガイド部10b、軒樋カバー7の側板部7a、同取付け板部7b、破風水切4の下端外方屈折板部4aなどに囲まれて、下方に開口17aし該開口部17aを通気部16と連絡させる通風導入部17が形成されている。
【0020】
また、軒樋カバー7の外方側取付け板部7aは、次のように取り付けられている。即ち、軒樋受け金物6には、これと一体的に、化粧破風下地材18が備えられ、この化粧破風下地材18は、軒樋5の外方側を下方に延び、下端18aが内方に水平に屈折されている。軒樋カバー7の外方側取付け板部7aは、この化粧破風下地材18の下端水平板部18aの内方先端部に、ネジ、釘等の接合具13にて取り付けられて保持されている。
【0021】
そして、軒樋受け金物6の化粧破風下地材18の外面側には、化粧破風8が、軒樋5と軒樋カバー7との間を外方から隠蔽するように取り付けられている。この化粧破風8の下端部8aは、内方に屈折され、軒樋カバー7の幅方向外方の端部の位置まで水平に延ばされている。そして、化粧破風8の外面部を伝う雨水が、化粧破風8の下端水平部8aの下面側に回り込まないよう、その屈折部8bが下方に突出された水切形状に形成されている。
【0022】
上記構成の軒先構造では、小屋裏内部15への通気部16が、軒天パネル1の外壁側ではなく軒先側に備えられているから、強風時であっても、通風導入部17および通気部16を挟む内外の圧力差は比較的小さく、従って、雨水が小屋裏内部15に吹き込まれるのが抑制ないし防止される。
【0023】
しかも、破風下地桟2の下端面と軒天パネル1の取付け板部10aとを間隔保持用の金物14を介して取り付けることによって、軒天パネル1の軒先側に通気部16を形成し、破風水切4の下端部4aを、通気部16を開放するように外方に屈折させて破風下地桟2の外面部に取り付けた構成としているから、破風水切4及び軒樋5の取付け工事と、軒天パネル1の取付け工事のうちのいずれをも先行させることができる。
【0024】
即ち、軒天パネル1の取付け工事後に破風水切4及び軒樋5の取付け工事を行う場合は、破風下地桟2の外面部に破風水切4を取り付け、更に軒樋受け金物6を取り付け、この軒樋受け金物6に軒樋5を保持させることによって遂行される。このように、軒天パネル1が先行して取り付けられていることによって、破風水切4、軒樋5の取付け工事が困難になるというようなことはない。
【0025】
また、破風水切4及び軒樋5の取付け工事後に軒天パネル1の取付け工事を行う場合は、破風下地桟2の下端面に通風部形成用の金物14を取り付けると共に、ランナー12を外壁3に取り付け、そして、軒天パネル1の外壁側をランナー12に差し込み、軒天パネル1の軒先側の取付け板部10aを金物14にネジ13にて取り付ければよい。この場合も、破風水切4及び軒樋5が先行して取り付けられていることによって軒天パネル1の取付け工事が困難となるというようなことはない。
【0026】
また、軒天パネル1の取付け工事に先行して破風水切4及び軒樋5の取付け工事を行うに際し、軒樋カバー7と化粧破風8の取付け工事を破風水切4及び軒樋5の取付け工事と併せて行う場合は、予め、通風部形成用の金物14のみを破風下地桟2の下面に取り付けておくことにより、破風水切4及び軒樋5の取付け工事において、支障なく、軒樋カバー7と化粧破風8の取付け工事も行うことができる。
【0027】
また、軒天パネル1の交換工事では、軒天パネル1の軒先側の取付け板部10aと金物14とを結合しているネジ、釘等の接合具13を取り外し、しかる後、軒天パネル1を軒天ランナー12から抜出して取り外す。そして、用意した新たな軒天パネル1の外壁側を軒天ランナー12に差し込み、しかる後、軒先側の取付け板部10aを金物14にネジ、釘等の接合具13にて取り付ければよい。この場合も、破風水切4や軒樋5、化粧破風8、軒樋カバー7が既に取り付けられていることによって軒天パネル1の交換工事が困難となるというようなことはなく、破風水切4や軒樋5などを取り外すことなく、この交換工事を遂行することが可能である。
【0028】
更に、軒天パネル1の外壁側の通気部を排除し、外壁3に、軒天パネル保持用の長尺なランナー12を接触状態に取り付ける構成としているから、外壁3がその外面部に凹凸の柄を有するものである場合や外壁パネルからなるものであるような場合であっても、上記のランナー12を、外壁面材の凹凸の柄や外壁パネルの不陸を拾わせることなく、容易に外壁3に取り付けることができるようになり、ひいては、軒天パネル1の取付け工事を容易に遂行することができる。
【0029】
また、軒樋5の下方に浅底樋状の軒樋カバー7が備えられて破風水切4を伝う雨水を受けるようになされているから、軒樋5と破風水切4との間の隙間を通じての雨垂れを防ぐことができ、また、軒樋カバー7と化粧破風8とで軒樋5が外方から隠蔽されているから、軒樋5の選定をその意匠的外観にとらわれることなく行うことができるようになり、軒樋5として、製作コストのかからない一般市中品を採用することも可能となる。
【0030】
図5に示す第2実施形態の軒先構造では、軒天パネル1として、化粧鋼板の備えられていない裸の防火材、例えばケイ酸カルシウム板などの不燃材料が用いられており、その軒先側の取付けのために、ランナー21が用いられている。このランナー21は、破風下地桟2の下端部との間に小屋裏内部への通気部16を形成するように間隔をおいて、金物14にて、破風下地桟2に取り付けられている。
【0031】
この金物14は、軒先側から外壁側にわたすように延ばされており、軒先側には、破風下地桟2の下面にネジ、釘等の接合具13にて取り付けられる水平な取付け板部14bが備えられると共に、この取付け板部14bの内方側には、破風下地桟2から所定の距離をおいて隣り合って、ランナー位置決め用のV字状屈折部14cが設けられている。このV字状屈折部14cに、ランナー21に設けた対応V字状屈折部21aを下方から嵌合することにより、金具14とランナー21とが容易に適正な配置関係において組み合わされる。金具14とランナー21とは、V字状屈折部14b,21aの近傍部位置においてネジ、釘等の接合具13にて結合されている。
【0032】
そして、この金物14は、その外壁側が、長尺の保持部材としての軒天パネル下地桟22にネジ、釘等の接合具13にて取り付けられて軒天パネル下地桟22とユニット化されており、この金物14をネジ、釘等の接合具13にて外壁3に取り付けることにより、軒天パネル下地桟22が外壁3にほぼ接触状態に取り付けられている。軒天パネル1は、その軒先側をランナー21に差し込み、外壁側を軒天パネル下地桟22の下面にネジ、釘等の接合具13にて取り付けることにより、軒下に備えられている。ランナー21と金具14とを結合しているネジ、釘等の接合具13は軒天パネル1によって隠蔽される。
【0033】
一方、破風下地桟2の外面部に取り付けられた破風水切4は、その下端部4aが、外方斜め下方に屈折して延ばされ、更に、その先端側4cが内方に屈折して延ばされて、その先端部4dが、破風下地桟2の下方に、ネジ、釘等の接合具13による金具14の取付けを阻害しないように突出されている。そして、内方延長板部4cは、その内方先端側が横向きZ字凹状に曲げ成形されて、先端部4dがランナー21の下面に近接状態に配置されて、内方延長板部4cとランナー21との間の隙間が塞がれている。そして、破風水切4のZ字凹内の外方側の壁には、その長手方向に沿って間隔的に通気口4eが形成され、外気が、蛇行状に流通して通気部16に送られていくようになされている。また、破風水切4の下端外方屈折板部4aの下端部には外方に突出する重なり状の壁4fが形成され、この壁4fに軒樋カバー7の内方側の取付け板部7bが取り付けられて、破風水切4を伝う雨水がこの重なり壁4fを通じて軒樋カバー7に受けられるようになされている。
【0034】
その他は、上記実施形態と同様である。本実施形態においても、第1実施形態と同様に、強風時に雨水が小屋裏内部15に吹き込むのを抑制又は防止できるのはもとより、破風水切4及び軒樋5の取付け工事と、軒天パネル1の取付け工事のいずれをも先行させることができると共に、軒天パネルの交換工事を破風水切4、軒樋5等を取り外さずに容易に行うことができる。特に、軒樋カバー7の内方側の取付け板部7bは破風水切4の重なり壁4fに取り付けられる構造となされているから、軒樋カバー7及び化粧破風8の取付け工事において、金物14を予め、破風下地桟2に取り付けておく必要もなくなり、軒樋カバー7及び化粧破風8の取付けを含む破風水切4、軒樋5の取付け工事を、軒天パネル1の取付け工事と完全に分離させることができるようになり、工事の段取りをより一層至便に組むことができるようになる。また、外壁3の不陸が軒天パネル下地桟22の取付けを妨げることもない。
【0035】
図6ないし図9に示す第3実施形態の軒先構造では、軒樋カバー7及び化粧破風8が省略されると共に、軒先側ランナー21を破風下地桟2に間隔をおいて取り付ける金物14が、位置決め用のV字状屈折部14cを有するピースものに製作されている。また、長尺保持部材としての軒天パネル下地桟22がネジ、釘等の接合具13にて直接に外壁3に取り付けられており、軒天パネル1は、その軒先側をランナー21に差し込み、外壁側を化粧見切り23を挟んで軒天パネル下地桟22の下面にネジ、釘等の接合具13にて取り付けられ、化粧見切りカバー24が差込み嵌合されている。その他は上記実施形態と同様である。本実施形態においても、上記各実施形態と同様に、強風時に雨水が小屋裏内部15に吹き込むのを抑制又は防止できるのはもとより、破風水切4、軒樋5の取付け工事と、軒天パネル1の取付け工事のいずれをも先行させることができると共に、軒天パネル1の交換工事を破風水切4、軒樋5を取り外さずに容易に行うことができる。
【0036】
以上に本発明のいくつかの実施形態を示したが、本発明はこれら形態に限定されるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記各実施形態において示した、破風水切4と、軒天パネル1又はランナー21との取り合い関係は、本発明を具体化した場合の一例にすぎないものであって、要は、通気部16を軒先側に備えさせた構造のもとで、軒天パネル1の取付け工事と破風水切4の取付け工事のいずれをも先行させうるような取り合い関係に設計されたものであればよい。
【0037】
【発明の効果】
以上の次第で、本発明の軒先構造は、小屋裏内部への通気部が、軒天パネルの軒先側に備えられた構造であるから、強風時に雨水が小屋裏内部に吹き込まれるのを効果的に抑制ないし防止することができる。
【0038】
しかも、この通気部は、軒天パネルの軒先側又は軒天パネルランナーと破風下地桟の下端部とが、それらの間に間隔をおいて、金物にて取り付けられることで形成されたものであり、破風水切は、この通気部を開放する態様において、破風下地桟の外面部に取り付けられたものであるから、破風水切と、軒天パネルの軒先側又は軒天パネルランナーとの取り合い関係が、上記のような通風部の存在によって分断されて、軒天パネルの取付けが破風水切の存在によって、また、破風水切の取付けが軒天パネルの存在によって妨げられるというようなことがなくなる。その結果、軒天パネルの取付け工事と破風水切の取付け工事のいずれをも先行させることができるようになり、従ってまた、劣化や破損等による軒天パネルの交換工事も、破風水切を取り外すことなく簡易に行うことができるようになる。
【0039】
更に、通気部を上記のように軒天パネルの軒先側に形成することにより、軒天パネルの外壁側の通気部を排除でき、従って、軒天パネルの外壁側において、通気部形成用のピースものの軒天吊り金物を排除しえて、外壁に、軒天パネルランナーや軒天パネル下地桟などの長尺のパネル保持部材を、それらの間に通気部を形成しない接触状態ないしはほぼ接触状態に取り付けることができるようになる。従って、そのようにすることによって、外壁がその外面部に凹凸の柄を有するものである場合や外壁パネルからなるものであるような場合であっても、上記のパネル保持部材を、外壁面材の凹凸の柄や外壁パネルの不陸を拾うことなく、容易に外壁に取り付けることができるようになって、軒天パネルの取付け工事を容易なものにすることができる。
【0040】
また、破風水切の外方側に隣接して備えられた軒樋の下方に、破風水切を伝う雨水を受ける浅底樋状の軒樋カバーが備えられたものとすることにより、軒樋と破風水切との間の隙間を通じての雨垂れを防ぐことができる。更に、軒樋の外方側に化粧破風を備えさせ、この継承破風と軒樋カバーとで軒樋が隠蔽されている構成とすることにより、軒樋の選定をその意匠的外観にとらわれることなく行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】軒先構造の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】図(イ)は軒天パネルの軒先側の拡大断面図、図(ロ)は軒天パネルの外壁側の拡大断面図である。
【図3】軒先構成部材を分離状態にして示す断面斜視図である。
【図4】通気の態様を示す断面図である。
【図5】軒先構造の第2実施形態を示す断面図である。
【図6】軒先構造の第3実施形態を示す断面図である。
【図7】図(イ)は軒天パネルの軒先側の拡大断面図、図(ロ)は軒天パネルの外壁側の拡大断面図である。
【図8】軒先構成部材を分離状態にして示す断面斜視図である。
【図9】通気の態様を示す断面図である。
【図10】軒先構造の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…軒天パネル
2…破風下地桟
3…外壁
4…破風水切
5…軒樋
7…軒樋カバー
8…化粧破風
12…ランナー(長尺の保持部材)
14…金物
15…小屋裏内部
16…通気部
21…ランナー
22…軒天パネル下地桟(長尺の保持部材)
Claims (3)
- 軒天パネル(1)が、化粧鋼板(10)の裏面部に防火下地材(11)を備えたものからなり、化粧鋼板(10)の軒先側は、防火下地材(11)の側面部へと上方に屈折した後、外方に屈折延長して形成された取付け板部(10a)を備え、該取り付け板部(10a)から更に下方に屈折し、更に外方に屈折延長し、その延長先端部が水切り形状に内向き斜め上方に折り返されており、
破風下地桟(2)の下端面に、通気部形成用のピースものの金物(14)が、下方突出状に、長手方向に沿って所定間隔おきに、接合具(13)にて取り付けられると共に、前記軒天パネル(1)は、その軒先側の化粧鋼板の取り付け板部(10a)が、接合具(13)にて前記金物(14)に下から取り付けられて、軒天パネル(10)と破風下地桟(2)との間に小屋裏内(15)部に通じる通気部(16)が形成され、
破風下地桟(2)の外面部に破風水切(4)が取り付けられ、該破風水切(4)は、その下端側(4a)が、外方斜め下方に屈折して延ばされ、その下端先端部(4b)が裏面側に折り返されて水切り形状に形成され、該下端先端部(4b)は、軒天パネル(1)の化粧鋼板(10)の軒先側先端部よりも外方に位置して、前記通気部(16)が、該破風水切(4)の下端先端部(4b)と軒天パネル(1)の化粧鋼板(10)の軒先側先端部との間を通じて、屋外に開放され、
破風水切(4)の外方側には、軒樋(5)が備えられ、破風水切(4)は、軒樋(5)を取り外さなければ取り外せない態様で備えられ、
軒天パネル(1)の軒先側は、その化粧鋼板(10)の軒先側と前記金物(14)とを接合している接合具(13)を取り外すことで、破風水切(4)に妨げられることなく金物(14)から下方に変位させて取り外すことができるようになされていることを特徴とする軒先構造。 - 外壁(3)に、軒天パネルランナーや軒天パネル下地桟などの長尺のパネル保持部材(12)が、それらの間に通気部を形成しない接触状態に取り付けられ、このパネル保持部材(12)に軒天パネル(1)の外壁(3)側の端部が保持されている請求項1に記載の軒先構造。
- 前記軒樋(5)の下方に、破風水切(4)を伝う雨水を受ける浅底樋状の軒樋カバー(7)が備えられると共に、軒樋(5)の外方側に化粧破風(8)が備えられ、この化粧破風(8)と軒樋カバー(7)とで軒樋(5)が隠蔽され、
前記軒樋カバー(7)の幅方向内方側の取付け板部(7b)が、前記金物(14)に備えられたステー部(14a)に接合具(13)にて取り付けられ、軒天パネル(1)の軒先側は、その化粧鋼板(10)の軒先側と前記金物(14)とを接合している接合具(13)を取り外すことで、軒樋カバー(7)に妨げられることなく金物(14)から下方に変位させて取り外すことができるようになされている請求項1又は2に記載の軒先構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29338097A JP3989602B2 (ja) | 1997-10-09 | 1997-10-09 | 軒先構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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