JP3989590B2 - 白金族金属含有触媒系の再活性化方法 - Google Patents

白金族金属含有触媒系の再活性化方法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、芳香族ヒドロキシ化合物と一酸化炭素の酸化的反応でジアリールカーボネート類を製造する時に用いられる少なくとも1種の白金族金属と共触媒と他の塩を含有する白金族金属含有触媒系の再活性化を行う方法に関し、この方法は、失活した触媒系を酸化剤で処理し、過剰量の酸化剤を除去し、そしてその再活性化を受けさせた触媒系をジケトネートで処理することを特徴とする。
【0002】
芳香族ヒドロキシ化合物と一酸化炭素を貴金属触媒の存在下で酸化的に反応させるとジアリールカーボネート類が生じ得ることは公知である(ドイツ特許出願公開第OS 28 15 512号)。その貴金属として好適にはパラジウムが用いられる。加うるに、共触媒(例えばマンガンまたはコバルトの塩)、塩基、第四級塩、種々のキノン類またはヒドロキノン類および乾燥剤も使用可能である。この反応は溶媒、好適には塩化メチレン中で実施可能である。
【0003】
この種類の過程を連続方法として実施する場合、その均一触媒系が失活することで空間−時間収率(space-time yield)が低下することが観察される。その結果として、失活した触媒成分がその反応系から粉末として沈澱して来る。このような粉末が示す触媒活性は若干のみであるか、或はもはや全く如何なる触媒活性も示さなくなることさえあり得る。このような触媒系の再活性化に関する情報は全く文献に含まれていない。高い空間−時間収率を維持するには、失活した触媒成分をその工程から除去して新鮮な触媒に取り替える必要がある。貴金属触媒は有意なコスト要因を構成しておりかつ貴金属触媒が失われると相当して費用がかかる様式でそれを取り替える必要があることから、均一触媒系が利用されているジアリールカーボネート製造過程の経済的実行可能性は白金族金属/共触媒の消費量に大きく依存する。失活した触媒系の再活性化を行うことができれば、そのような方法で新鮮な触媒を用いる必要量が劇的に低下するであろう。従って、本目的は、失活した触媒系の再活性化をもたらし得る簡単な方法を見い出すことであった。
【0004】
芳香族ヒドロキシ化合物と一酸化炭素の酸化的反応でジアリールカーボネート類を製造する時に用いられる少なくとも1種の白金族金属と共触媒と他の塩を含有する失活した白金族金属含有触媒系の再活性化を酸化剤を用いた処理に続くジケトネートの添加で行うことができることをここに見い出した。消費されなかった過剰量の酸化剤は回収可能で再使用可能である。
【0005】
従って、本発明は、芳香族ヒドロキシ化合物の酸化的カルボニル化で用いられる白金族金属と共触媒として働く金属を含有する失活触媒を再活性化する方法に関し、この方法は、該失活触媒を10−400℃の液相中で該触媒系の金属成分1当量当たり1−10,000当量の酸化剤で処理した後に過剰量の酸化剤を除去しそして残存する酸化残渣をこの酸化残渣1重量部を基準にして0.1−100重量部のC1−C12カルボキシレートまたはC4−C12ジケトネートと反応させることを特徴とする。
【0006】
この操作の過程中にフェノールに可溶なカルボキシレート類またはジケトネート類が生じることが想定される。
【0007】
触媒として働く金属およびそれの化合物は、白金族金属群のもの、例えばRu、Rh、Pd、IrまたはPt、好適にはPdである。
【0008】
共触媒として働く金属およびそれの化合物は、IIIB、IVB、VB、VIB、VIIB、VIIIB、IB、IIB族(CAS命名法)のものまたはそれら複数の混合物、例えばマンガン、銅、コバルトまたはバナジウム、好適にはMnである。
【0009】
その失活した触媒成分を酸化剤で処理する本発明に従う処理を、10から350℃、好適には20から250℃、最も好適には30から200℃で実施する。
【0010】
本発明に従う方法で使用可能な酸化剤は、その失活した触媒成分から電子を反応条件下で受け取る化合物または要素であり、従って酸を用いる場合、例えば
【0011】
【化1】
Figure 0003989590
【0012】
に従ってプロトンH+が電子を受け取る。
【0013】
そのような酸化剤の例は、強鉱酸、元素状ハロゲン(elemental halogens)、O2、O3、パーオキシ−およびヒドロパーオキシ化合物、硝酸塩、過マンガン酸塩、ハロゲン酸塩(halogenates)および過ハロゲン酸塩を含む群の酸化剤である。
【0014】
本発明に従う方法で液状酸化剤を用いる場合、酸化剤と触媒残渣の比率を10,000:1、好適には1000:1、最も好適には500:1にする。気体状酸化剤を用いる場合、これを触媒残渣1グラム当たり0.01から5000、好適には0.1から500、最も好適には1から100ノルマルリットル(normal litres)/時の割合で加える。
【0015】
本発明に従う方法の上記段階に要する時間は0.5から20時間、好適には0.5から10時間、最も好適には1から8時間である。
【0016】
固体状酸化剤(例えばヨウ素、KMnO4、KClO4など)を用いる場合、これを以下に示す溶媒の1つに溶解させる。
【0017】
液状酸化剤(例えば臭素、H2SO4など)を用いる場合、これらは純粋な状態でか或は極性溶媒(以下を参照)で希釈して使用可能である。
【0018】
気体状酸化剤(例えばCl2、O2、O3、ハロゲン化水素など)は、これを以下に示す溶媒の1つに入れた溶液として使用可能であるか、或は該失活触媒を以下に示す溶媒の1つに入れた懸濁液の中にそれをバブリングする。
【0019】
本発明に従う方法の可能な1つの態様では、気体状酸化剤(例えば空気または塩素)を用いた処理に関して以下に記述する溶媒の1つに触媒残渣を入れてスラリー状にし、その溶液の中に気体状酸化剤を通す。これは0.8から100バール、好適には0.9から50バール、最も好適には0.9から10バールの圧力で実施可能である。この反応後、公知様式、好適には蒸留で溶媒を除去するが、その温度および圧力は、該触媒に損傷を与えない限り幅広い範囲で多様であり得る。
【0020】
液状酸化剤を用いる場合の酸化剤による触媒残渣の処理は、圧力をかけないでか或は加圧下、不活性ガス雰囲気(窒素、アルゴンなど)中か、空気中か、或は有機ヒドロキシ化合物の酸化的カルボニル化に通常の雰囲気(一酸化炭素/空気、一酸化炭素/酸素)下で実施可能である。過剰量の酸化剤は、減圧下で行ってもよい蒸留でか或は還元剤による分解などで除去可能である。
【0021】
好適な酸化剤は、強鉱酸から成る群、より好適にはH2SO4、HNO3およびハロゲン化水素から成る群、最も好適にはハロゲン化水素から成る群の酸化剤である。特に、ハロゲン化水素を、酸全体量を基準にしたハロゲン化水素濃度が5から70重量%、好適には10から60重量%、最も好適には15から50重量%であるハロゲン化水素酸水溶液として用い、好適には臭化水素酸水溶液として用いる。
【0022】
極性溶媒を用いて上記液相を形成させる。
【0023】
適切な極性溶媒は予定酸化剤と反応しない溶媒である。そのような溶媒の例には、水、C1−C4カルボン酸、C1−C4エステル基を含むC1−C4カルボン酸エステル、−NH2−、−NH(C1−C4アルキル)または−N(C1−C4アルキル)2基を含むC1−C4カルボン酸アミド、脂肪族のC1−C6モノ−、ジ−もしくはポリオール類、(環状)脂肪族のC1−C6モノ−もしくはジケトン類、および(環状)脂肪族または芳香族のC2−C7ニトリル類から成る群の溶媒が含まれ、これを、その使用済み失活触媒粉末1重量部を基準にして1から1000重量部、好適には2から500重量部、最も好適には5から250重量部の量で用いる。この極性溶媒として用いる物質は、好適には水を混合物全重量の10−99%から成るH2O含有量で含有しそして例えば酢酸またはプロピオン酸を含有する混合物、または水、好適には水である。
【0024】
本発明に従う方法の最終段階において、過剰量の酸化剤と極性溶媒を分離した後に残存する酸化残渣をC1−C12カルボン酸のカルボキシレートまたはC4−C12ジケトネート、好適にはアセテートまたはアセチルアセトネートと反応させる。適切なカルボキシレートの例には、Li、Na、K、Mg、Ca、Mn、Fe、Co、Ceおよびその再活性化を受けさせるべき触媒に入っている白金族金属から成る群のカチオンを含有する蟻酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、ペンタン酸塩、ヘキサン酸塩又はカプロン酸塩、例えば蟻酸ナトリウム、NaOAc(ここで、OAc=アセテート)、KOAc、プロピオン酸ナトリウム、酪酸ナトリウム、ペンタン酸ナトリウム、ヘキサン酸ナトリウムまたはカプロン酸ナトリウムなど、アルカリ土類金属のカルボン酸塩、例えばMg(OAc)2またはCa(OAc)2など、或は遷移金属のカルボン酸塩、例えばMn(OAc)3、Mn(OAc)2、Fe(OAc)2、Co(OAc)2、Ce(OAc)3またはPd(OAc)2などが含まれる。適切なジケトネート類は上記カチオンを含有するジケトネート類であり、その例には、アルカリ金属のアセチルアセトン塩、例えばLi(acac)[ここで、acac=アセチルアセトネート]、Na(acac)、K(acac)、Rb(acac)およびCs(acac)など、アルカリ土類金属のアセチルアセトン塩、例えばMg(acac)2またはCa(acac)2など、或は遷移金属のアセチルアセトン塩、例えばCr(acac)3、Mn(acac)2、Mn(acac)3、Fe(acac)2、Fe(acac)3、Co(acac)2、Co(acac)3、Ce(acac)3またはPd(acac)2などが含まれる。
【0025】
本発明に従う方法で添加するカルボキシレートまたはジケトネートの量は、酸化剤を分離した後の酸化触媒残渣1重量部当たり0.1から100、好適には0.2から50、最も好適には0.5から25重量部である。
【0026】
本発明に従う方法で再活性化を受けさせた触媒が示す活性は、新鮮な触媒が示す活性の95%以上である。
【0027】
以下に示す実施例を用いて本発明に従う方法を説明するが、本方法をそれに制限するものでない。
【0028】
【実施例】
参考例1:
再活性化:
ジフェニルカーボネートの製造で先に行った半バッチ式ロット(DPC:10バールの反応圧力、65ppmのPd、約500ppmのMn)に由来する失活触媒粉末(吸光分光測定法で測定した含有量は、33.9%がパラジウムで14.5%がマンガンであり、100%に対する残りはNa+とBr-イオンであった)2gを50mlの48重量%臭化水素水溶液で処理して100℃に加熱した。1時間後に均一な溶液を得た。次に、ロータリーエバポレーターを用い、30ミリバールの圧力下80℃の温度でHBr溶液を留去させた。HBrの回収率は98%であった。その残渣を空気中で乾燥させて重量測定を行った結果、3.22gであった(Brを吸収したことで重量が上昇していた)。このロータリーエバポレーターで回収したHBrは直接再使用可能であった。
【0029】
触媒反応における再使用:
スパージング(sparging)撹拌機とコンデンサを取り付けて下流に冷トラップを位置させたオートクレーブ(1リットル)に入れた450gのフェノールに、80℃で、この上で再活性化を受けさせた触媒を0.65g(=136mgのパラジウムおよび58mgのマンガン)および臭化テトラブチルアンモニウムを8.31g溶解させた。次に、0.51gのアセチルアセトンマンガン(II)と2.21gのナトリウムフェノラートを50gのフェノールに溶解させて添加した後、一酸化炭素と酸素を96.5:3.5体積%で含有させた気体混合物を流し込みながら圧力を10バールに設定した。この反応溶液のマンガン含有量は330ppmであった。上記気体混合物の量を260Nl/時に調整した。上記気体混合物からサンプルを1時間毎に取り出してガスクロで分析した。
【0030】
この分析により、反応混合物のジフェニルカーボネート含有量は1時間後7.4%で、2時間後のジフェニルカーボネート含有量は12.2%で、3時間後のジフェニルカーボネート含有量は17.4%であることが示され、これは、平均で、最初に用いた新鮮な触媒が示す活性の98.0%であることに相当していた。
【0031】
新鮮な触媒を用いた比較試験:
スパージング撹拌機とコンデンサを取り付けて下流に冷トラップを位置させたオートクレーブ(1リットル)に入れた450gのフェノールに、80℃で、臭化パラジウムを0.34g(=136mgのパラジウム)および臭化テトラブチルアンモニウムを8.31g溶解させた。この溶液に一酸化炭素(3リットル/時)を1時間通すことで触媒の活性化を行った。次に、0.77gのアセチルアセトンマンガン(II)と2.21gのナトリウムフェノラートを50gのフェノールに溶解させて添加した後、一酸化炭素と酸素を96.5:3.5体積%で含有させた気体混合物を流し込みながら圧力を10バールに設定した。この反応溶液のマンガン含有量は330ppmであった。上記気体混合物の量を260Nl/時に調整した。上記気体混合物からサンプルを1時間毎に取り出してガスクロで分析した。
【0032】
この分析により、反応混合物のジフェニルカーボネート含有量は1時間後7.6%で、2時間後のジフェニルカーボネート含有量は12.4%で、3時間後のジフェニルカーボネート含有量は17.7%であることが示された。
【0033】
参考例2:
上記失活触媒粉末を48重量%臭化水素水溶液で処理しないでその代わりに98%硫酸で処理する以外は参考例1と同様な手順にした。100℃で1時間後に均一な溶液を得た。真空下の蒸留で硫酸を95%回収した。その結果として得た再活性化触媒を芳香族ヒドロキシ化合物の酸化的カルボニル化方法で再使用した時にそれが示した活性は新鮮な触媒が示す活性の96%であった。
【0034】
参考例3:
上記失活触媒粉末を48重量%臭化水素水溶液で処理しないでその代わりに96%硝酸で処理する以外は参考例1と同様な手順にした。80℃で1時間後に均一な溶液を得た。真空下の蒸留で硝酸を99%回収した。その結果として得た再活性化触媒を芳香族ヒドロキシ化合物の酸化的カルボニル化方法で再使用した時にそれが示した活性は新鮮な触媒が示す活性の98%であった。
【0035】
参考例4:
上記失活触媒粉末を48重量%臭化水素水溶液で処理しないでその代わりに24%臭化水素水溶液で処理する以外は参考例1と同様な手順にした。100℃で1時間後に均一な溶液を得た。真空下の蒸留で臭化水素酸を98%回収した。その結果として得た再活性化触媒を芳香族ヒドロキシ化合物の酸化的カルボニル化方法で再使用した時にそれが示した平均活性は新鮮な触媒が示す活性の98%であった。
【0036】
実施例1:
上記臭化水素酸を回収した後、その結果として得た失活触媒にアセチルアセトンナトリウムを1.9g(=15.5ミリモル)添加する以外は、参考例1と同様な手順にした。
【0037】
触媒反応における再使用:
スパージング撹拌機とコンデンサを取り付けて下流に冷トラップを位置させたオートクレーブ(1リットル)に入れた450gのフェノールに、80℃で、この上で再活性化を受けさせた触媒を1.03g(=136mgのパラジウムおよび58mgのマンガン)および臭化テトラブチルアンモニウムを8.31g溶解させた。次に、0.51gのアセチルアセトンマンガン(II)と2.21gのナトリウムフェノラートを50gのフェノールに溶解させて添加した後、一酸化炭素と酸素を96.5:3.5体積%で含有させた気体混合物を流し込みながら圧力を10バールに設定した。この反応溶液のマンガン含有量は330ppmであった。上記気体混合物の量を260Nl/時に調整した。上記気体混合物からサンプルを1時間毎に取り出してガスクロで分析した。
【0038】
この分析により、反応混合物のジフェニルカーボネート含有量は1時間後7.5%で、2時間後のジフェニルカーボネート含有量は12.3%で、3時間後のジフェニルカーボネート含有量は17.5%であることが示され、これは、平均で、最初に用いた新鮮な触媒が示す活性の98.9%であることに相当していた。
【0039】
本発明の特徴および態様は以下のとうりである。
【0040】
1. 芳香族ヒドロキシ化合物の酸化的カルボニル化用の白金族金属と共触媒として働く金属を含有する失活触媒を再活性化する方法であって、この失活触媒を、10−400℃の液相中で、該触媒系の金属成分1当量当たり1−10,000当量の酸化剤で処理し、過剰量の酸化剤を除去し、そしてそれによって残存する酸化残渣を、この酸化残渣1重量部を基準にして0.1−100重量部のC1−C12カルボキシレートまたはC4−C12ジケトネートで処理することを特徴とする方法。
【0041】
2. 該白金族金属がパラジウムであることを特徴とする第1項記載の方法。
【0042】
3. IIIB、IVB、VB、VIB、VIIB、VIIIB、IB、IIBまたはそれらの複数を含む群の、共触媒として働く金属、好適にはMnを、結合形態で存在させることを特徴とする第1項記載の方法。
【0043】
4. 強鉱酸、元素状ハロゲン、O2、O3、パーオキシおよびヒドロパーオキシ化合物、硝酸塩、過マンガン酸塩、ハロゲン酸塩、過ハロゲン酸塩から成る群、好適には強鉱酸から成る群、より好適にはH2SO4、HNO3およびハロゲン化水素から成る群、最も好適にはハロゲン化水素から成る群の酸化剤を、この酸化剤の量が該再活性化を受けさせるべき触媒の金属成分1当量当たり1−10,000当量になるような量で用いることを特徴とする第1項記載の方法。
【0044】
5. 該ハロゲン化水素を、酸全体量を基準にしたハロゲン化水素濃度が5−70重量%、好適には10−60重量%、最も好適には15−50重量%であるハロゲン化水素酸水溶液として用い、好適には臭化水素酸水溶液として用いることを特徴とする第4項記載の方法。
【0045】
6. 極性溶媒として水、C1−C4カルボン酸、C1−C4エステル基を含むC1−C4カルボン酸エステル、−NH2−、−NH(C1−C4アルキル)または−N(C1−C4アルキル)2基を含むC1−C4カルボン酸アミド、脂肪族のC1−C6モノ−、ジ−もしくはポリオール類、(環状)脂肪族のC1−C6モノ−もしくはジケトン類、および(環状)脂肪族または芳香族のC2−C7ニトリル類から成る群の1つ以上を、その使用済み失活触媒粉末1重量部を基準にして1から1000重量部、好適には2から500重量部、最も好適には5から250重量部の量で用いることを特徴とする第1項記載の方法。
【0046】
7. 該極性溶媒として、水を混合物の全重量を基準にして10−99%のH2O含有量で含有する混合物または水、好適には水を用いることを特徴とする第6項記載の方法。
【0047】
8. アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、および該再活性化を受けさせるべき触媒に入っている白金族金属から成る群のカチオンを含有する塩、好適にはLi、Na、K、Mg、Ca、Mn、Fe、Co、Ce、および該再活性化を受けさせるべき触媒に入っている白金族金属から成る群のカチオンを含有する塩を、カルボキシレート類およびジケトネート類として用いることを特徴とする第1項記載の方法。
【0048】
9. 酸化剤をその再活性化を受けさせるべき触媒の金属成分1当量当たり1から1000、好適には1から500当量用いることを特徴とする第1項記載の方法。
【0049】
10. カルボキシレートまたはジケトネートを該酸化残渣1重量部を基準にして0.2から50、好適には0.5から25重量部用いることを特徴とする第1項記載の方法。

Claims (4)

  1. 芳香族ヒドロキシ化合物の酸化的カルボニル化用の白金族金属と共触媒として働く金属を含有する失活触媒を再活性化する方法であって、この失活触媒を、10−400℃の液相中で、該触媒系の金属成分1当量当たり1−10,000当量の酸化剤で処理し、過剰量の酸化剤を除去し、そしてそれによって残存する酸化残渣を、この酸化残渣1重量部を基準にして0.1−100重量部のC−C12カルボキシレートまたはC−C12ジケトネートで処理することを特徴とする方法。
  2. 強鉱酸、元素状ハロゲン、O、O、パーオキシおよびヒドロパーオキシ化合物、硝酸塩、過マンガン酸塩、ハロゲン酸塩、過ハロゲン酸塩から成る群の酸化剤を、この酸化剤の量が該再活性化を受けさせるべき触媒の金属成分1当量当たり1−10,000当量になるような量で用いることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 極性溶媒として、水、C−Cカルボン酸、C−Cエステル基を含むC−Cカルボン酸エステル、−NH−、−NH(C−Cアルキル)または−N(C−Cアルキル)基を含むC−Cカルボン酸アミド、脂肪族のC−Cモノ−、ジ−もしくはポリオール類、(環状)脂肪族のC−Cモノ−もしくはジケトン類、および(環状)脂肪族または芳香族のC−Cニトリル類から成る群の1つ以上を、その使用済み失活触媒粉末1重量部を基準にして1から1000重量部の量で用いることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、および該再活性化を受けさせるべき触媒に入っている白金族金属から成る群のカチオンを含有する塩を、カルボキシレート類およびジケトネート類として用いることを特徴とし、該カチオンはLi、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Mn、Fe、Co、Ce、および該再活性化を受けさせるべき触媒に入っている白金族金属から成る群から選択され、該白金族金属はRu、Rh、Pd、IrおよびPtから成る群から選択される、請求項1記載の方法。
JP13053597A 1996-05-10 1997-05-06 白金族金属含有触媒系の再活性化方法 Expired - Fee Related JP3989590B2 (ja)

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