JP3989390B2 - ガス検知装置及びガス濃度測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスセンサ素子と温度補償素子を備え、ガスセンサ素子の出力である検出電圧と温度補償素子の出力である補償電圧に基づいてガス検知を行うガス検知装置、及び、このガス検知装置を用いたガス濃度測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記ガスセンサ素子は、例えば白金又は白金合金のコイルに可燃性ガスに対して感度を有する触媒をコーティングした接触燃焼式のセンサ素子であり、その素子表面でガスが燃焼反応を起こしてセンサ素子の温度が上昇し、その温度上昇でセンサ素子の抵抗が変化することを利用してガス濃度を測定することができる。具体的には、図9に示すように、検出対象ガスに対して感度がある上記ガスセンサ素子1と検出対象ガスに対して感度がない温度補償素子2を直列に接続してその両端に一定の電圧を印加し、ガスが反応して生じた熱によるセンサ素子1の抵抗値の変化を、センサ素子1の検出電圧の変化として検出してガス濃度を測定していた。なお、図9は、直列接続したガスセンサ素子1と温度補償素子2をブリッジ回路の一方の辺に配置し、他方の辺に直列接続した2つの抵抗Ra,Rbを配置した検知回路の例を示す。
【0003】
上記温度補償素子は、ガスセンサ素子と同じコイルに触媒をコーティングしていない構造のもので、周囲温度の変化の影響を相殺するために使用する。すなわち、センサ素子のガスとの反応による温度変化は数10℃程度と小さく、周囲温度が例えば0℃〜40℃の範囲で変化すると、ガスとの反応によるセンサ出力変化と周囲温度の変化によるセンサ出力変化が区別できないため、センサ素子と同程度の抵抗値を有し周囲温度に対して同じような抵抗変化をする温度補償素子をセンサ素子と直列に接続して、センサ素子の検出電圧に周囲温度の影響が現れないようにしている。
【0004】
ここで問題となるのは、上記のようにガスセンサ素子と温度補償素子を直列に接続するので、ガスセンサ素子に印加される電圧の約2倍の電源電圧が必要となることであり、具体的には1.6V〜2.5V程度の電源電圧が必要となる。そのため、従来では、携帯用のガス検出機器等で駆動電圧の低電圧化を進めて、例えば電池1セルや2セルの機器を作ろうとした場合、低電圧駆動のガス検知機器の設計が難しいという問題があった。
【0005】
一方、別の従来技術として、上記ガスセンサ素子と温度補償素子を夫々抵抗を介して電源端子に並列接続させ、そのセンサ素子と温度補償素子の各抵抗との接続点の両電圧信号に基づいてガス検知を行うようにしたガス検知装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−82611号公報(第1−4頁、図1−図5)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1には記載されていないが、ガスセンサ素子と温度補償素子に接続した各抵抗の値をガスセンサ素子や温度補償素子の抵抗値に比べて小さくすることで、電源電圧をガスセンサ素子の印加電圧の2倍の電圧よりも低くできる可能性がある。ただし、特許文献1に記載のガス検知装置では、電源部から検知回路に常時電流供給される構成であるので装置使用時の消費電力が大きくなり、例えば電池駆動する場合の電池の消耗が激しくなるおそれがある。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低電圧駆動と消費電力の低減が可能となるガス検知装置、及び、このガス検知装置に適したガス濃度測定方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を実現するための本発明に係るガス検知装置の特徴構成は、ガスセンサ素子と温度補償素子とが、当該ガスセンサ素子及び当該温度補償素子よりも低い抵抗値の抵抗を介して電源部の電流供給端子に並列接続され、
前記電流供給端子から前記ガスセンサ素子への電流供給路に配置され、前記ガスセンサ素子への電流供給を非導通状態と導通状態とに切り替え可能な第1スイッチと、
前記電流供給端子から前記温度補償素子への電流供給路に配置され、前記温度補償素子への電流供給を非導通状態と導通状態とに切り替え可能な第2スイッチと、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを、一方が非導通状態のときに他方が導通状態となるように間欠的に導通状態に切り替え駆動する駆動部と、
前記第1スイッチを導通状態に切り替えたときの前記ガスセンサ素子の検出電圧及び前記第2スイッチを導通状態に切り替えたときの前記温度補償素子の補償電圧の両電圧信号を保持して、その両電圧信号に基づいてガス検知を行う検知部と、が備えられている点にある。
【0010】
すなわち、ガスセンサ素子及び温度補償素子と電源部の電流供給端子との間に介在させた抵抗の値をガスセンサ素子や温度補償素子の抵抗値に比べて小さくして、電源部の駆動電圧を低くする。また、検知部がガス検知を行うときだけ、駆動部がスイッチ(第1スイッチ、第2スイッチ)を導通状態に切り替えてガスセンサ素子及び温度補償素子に電流を供給し、検知部がガス検知を行うとき以外は、駆動部がスイッチを非導通状態に切り替えてガスセンサ素子及び温度補償素子に電流を供給しない。
従って、低電圧駆動と消費電力の低減が可能となるガス検知装置を提供することができる。
【0011】
また、駆動部が第1スイッチを導通状態に切り替えてガスセンサ素子へ電流供給するとともに、第2スイッチを非導通状態に切り替えて温度補償素子への電流供給を遮断し、検知部がガスセンサ素子の検出電圧信号を入力して保持する。また、駆動部が第1スイッチを非導通状態に切り替えてガスセンサ素子への電流供給を遮断するとともに、第2スイッチを導通状態に切り替えて温度補償素子へ電流供給し、検知部が温度補償素子の補償電圧信号を入力して保持する。
従って、ガスセンサ素子と温度補償素子に同時に電流供給せず、片方だけに電流供給するので、電源部からの供給電流が少なくなり、一層の消費電力の低減が可能となる。そして、供給電流が少なくなると、電源部に電池を使用したときの電池出力端子での電圧降下も小さくなり、電池の消耗も少なくなって電池の使用可能期間も長くなるため、ガス検知装置の好適な実施形態が提供される。
【0012】
本発明に係るガス検知装置の他の特徴構成は、上記特徴構成において、前記ガスセンサ素子と前記温度補償素子が、共通の抵抗を介して前記電流供給端子に並列接続されている点にある。
【0013】
すなわち、検知部がガスセンサ素子の検出電圧信号を入力するときは、駆動部が第1スイッチを導通状態に第2スイッチを非導通状態に夫々切り替えて、共通の抵抗を介してガスセンサ素子だけに電流供給し、また、検知部が温度補償素子の補償電圧信号を入力するときは、駆動部が第1スイッチを非導通状態に第2スイッチを導通状態に夫々切り替えて、共通の抵抗を介して温度補償素子だけに電流供給する。
従って、ガスセンサ素子及び温度補償素子と電源部の電流供給端子との間に介在させる抵抗が1個の共通抵抗になるので、回路構成が簡素化され、同時に、両素子と電源部の電流供給端子との間に別々の抵抗を介在させた場合に、両抵抗の特性の違いが、ガスセンサ素子の検出電圧と温度補償素子の補償電圧に異なる影響を及ぼすおそれを有効に回避することが可能となり、ガス検知装置の好適な実施形態が提供される。
【0014】
本発明に係るガス検知装置の他の特徴構成は、上記特徴構成のいずれかにおいて、前記電源部が、前記ガスセンサ素子及び前記温度補償素子に対して定電流状態で電流供給する点にある。 すなわち、定電流で電流供給する場合は、電源部をオンしてガスセンサ素子及び温度補償素子に電圧印加する電源投入時に一定電流しか流れないので、ガスセンサ素子等に過大電流が流れるのを抑制して、素子の特性劣化を起こり難くすることができる。また、電源投入時の検知回路側の突入電流が一定であるので、電源部に電池を使用した場合でも、電源投入時に電源電圧が一時的に大きく低下するような不都合も発生しない。
従って、電源部が定電流で電流供給することにより、ガスセンサ素子及び温度補償素子の特性劣化を防止するとともに、電池使用に適したガス検知装置の好適な実施形態が提供される。
【0015】
本発明に係るガス検知装置の他の特徴構成は、上記特徴構成のいずれかにおいて、前記電源部が、前記ガスセンサ素子及び前記温度補償素子に対して定電圧状態で電流供給する点にある。すなわち、定電圧で電流供給する場合は、電源部をオンしてガスセンサ素子及び温度補償素子に電圧印加する電源投入時に各素子が冷えていて大きな電流が流れるため、定電流で小さな電流を供給する場合に比べて、各素子の立ち上がり特性を早くすることが可能となる。
従って、電源部が定電流で電流供給することにより、立ち上がり特性が良好なガス検知装置の好適な実施形態が提供される。
【0016】
本発明に係るガス検知装置の他の特徴構成は、上記特徴構成のいずれかのガス検知装置を用いたガス濃度測定方法であって、前記ガスセンサ素子及び前記温度補償素子に対して電流供給を開始した後、電圧値が安定化する前の前記ガスセンサ素子の検出電圧及び前記温度補償素子の補償電圧に基づいてガス濃度を測定する点にある。
【0017】
すなわち、電源部から抵抗を介してガスセンサ素子及び温度補償素子に電流が流れると、各素子の温度は上昇して素子の抵抗値が変化し、ガスセンサ素子の検出電圧及び温度補償素子の補償電圧の各電圧値は安定状態に達するまで変化する。しかし、抵抗と接続されたガスセンサ素子側と温度補償素子側の各検知回路が同一構成であって電源部に並列接続されているので、上記検出電圧と補償電圧は同じ傾向で変化し、ガス濃度に対応する両電圧の差は各素子への電流供給開始時点と安定状態に達した時点とでほぼ等しくなる。その結果、両電圧が安定状態に達する前の段階でガス濃度の測定を行うことができる。
従って、上記特徴構成のいずれかのガス検知装置を用いて、検知動作開始後の早い段階で迅速にガス濃度を測定することができるガス濃度測定方法が提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明に係るガス検知装置及びガス濃度測定方法の実施の形態を、基本となる構成から順次、図面に基づいて説明する。
〔基本構成〕
図1に示すように、本発明のガス検知装置では、ガスセンサ素子1と温度補償素子2が抵抗R1,R2を介して電源部300の電流供給端子300aに並列接続され、前記電流供給端子300aからガスセンサ素子1及び温度補償素子2への電流供給路7に配置され且つ非導通状態と導通状態とに切り替え可能なスイッチ3と、前記スイッチ3を間欠的に導通状態に切り替え駆動する駆動部100と、前記スイッチ3を導通状態に切り替えたときの前記ガスセンサ素子1の検出電圧V1及び前記温度補償素子2の補償電圧V2に基づいてガス検知を行う検知部200が備えられている。
【0019】
前記電源部300には、電池6と電池出力をバッファーするオペアンプ5が設けられ、オペアンプ5の出力端子が電流供給端子300aに対応する。具体的には、電池6として1セル又は2セルが使用され、電源部300からは0.8V〜1.3V程度の電源電圧が検知回路側に供給される。
【0020】
なお、上記ガスセンサ素子1及び温度補償素子2は従来技術で説明した構造のものである。また、抵抗R1,R2の抵抗値は、同一の抵抗値で、ガスセンサ素子1及び温度補償素子2の抵抗値の数分の1から10分の1程度に設定する。
【0021】
上記スイッチ3はトランジスタで構成され、そのトランジスタを非導通状態と導通状態に切り替えるために制御回路4から矩形波状の駆動信号が出力されている。従って、制御回路4内に前記駆動部100が構成されている。
【0022】
また、上記制御回路4内に前記検知部200が構成され、検知部200は、ガスセンサ素子1の検出電圧V1と温度補償素子2の補償電圧2の補償電圧V2の差から検知対象ガスの濃度を測定する。ここで、一定濃度のガスがある状態での検出電圧V1及び補償電圧V2は、図2に示すように、ガス検知装置の電源スイッチ(図示せず)をオンして測定動作を開始した後、または間欠駆動でセンサ駆動動作を開始した後、安定するまで時間がかかるが、抵抗と接続された同一構成のガスセンサ素子1側と温度補償素子2側の各回路を電源部300に並列接続している(図1参照)ので、両電圧V1,V2は同じ傾向で変化し、そのガス濃度に対応する差電圧ΔVはセンサの電源オン時点またはセンサ駆動動作の開始時点と安定状態に達した時点とでほぼ等しくなる。その結果、両電圧V1,V2が安定状態に達する前の早い段階でガス濃度の測定を行うことができる。
【0023】
〔第1実施形態〕
第1実施形態では、図3に示すように、前記スイッチ3が、前記ガスセンサ素子1への電流供給を断続する第1スイッチ3aと、前記温度補償素子2への電流供給を断続する第2スイッチ3bとからなり、前記駆動部100が、前記第1スイッチ3a及び第2スイッチ3bを一方が導通状態のときに他方が非導通状態となるように駆動し、前記検知部200が、前記第1スイッチ3aを導通状態に切り替えたときの前記ガスセンサ素子1の検出電圧V1及び前記第2スイッチ3bを導通状態に切り替えたときの前記温度補償素子2の補償電圧V2の両電圧信号V1,V2を保持して、その両電圧信号V1,V2に基づいてガス検知を行う。なお、図中、7aはガスセンサ素子1への電流供給路であり、7bは温度補償素子2への電流供給路である。
【0024】
上記検知部200における検出電圧信号V1と補償電圧信号V2の保持は、前記制御回路4に所謂サンプルホールド回路を備えて、アナログ信号として保持することが実現できる。また、前記制御回路4がマイクロコンピュータを備える場合は、マイクロコンピュータ内のメモリー部に、AD変換された検出電圧信号V1と補償電圧信号V2のデジタルデータを記憶させることで実現できる。
【0025】
〔第2実施形態〕
第2実施形態は、第2実施形態(図3)の変形構成であり、図4に示すように、前記ガスセンサ素子1と前記温度補償素子2が、共通の抵抗R3を介して前記電流供給端子300aに並列接続されている点が異なる。即ち、ガスセンサ素子1及び温度補償素子2と電源部300の電流供給端子300aとの間に介在させる抵抗が個別の抵抗R1,R2ではなく、1個の共通抵抗R3に置き換えられている。
【0026】
そして、図4においては、前記第1スイッチ3aを導通状態に切り替え、前記第2スイッチ3bを非導通状態に切り替えたときの入力電圧V3を前記ガスセンサ素子1の検出電圧信号V3aとして保持し、前記第1スイッチ3aを非導通状態に切り替え、前記第2スイッチ3bを導通状態に切り替えたときの入力電圧V3を前記温度補償素子2の補償電圧信号V3bとして保持し、その両電圧信号V3a,V3bに基づいてガス検知を行う。
【0027】
〔第3実施形態〕
第3実施形態は、ガスセンサ素子1及び温度補償素子2自身に一定電圧が印加される定電圧駆動の電源部300の回路例である。
具体的には、図5に示す回路において、オペアンプ5の反転入力端子と非反転入力端子が同電位になるように動作するので、ガスセンサ素子1及び温度補償素子2に加わる電圧は電池6の出力電圧VBと同じになる。検知回路側には、オペアンプ5の出力端子から抵抗R5を通して電流供給され、この抵抗R5に生じる電圧降下V4をガスセンサ素子1の検出電圧信号V4a及び温度補償素子2の補償電圧信号V4bとして制御回路4に入力する。なお、ガスセンサ素子1及び温度補償素子2に過大な電流が流れないように、抵抗R5の抵抗値を設定する必要がある。
【0028】
また、図5の回路の変形例として、図示はしないが、オペアンプ5の出力端子側に抵抗R5を設けずに出力端子と非反転端子間を短絡させ、代わりにオペアンプ5の電源端子側に抵抗R5に相当する抵抗R5aを配置し、センサ素子1の抵抗変化による電流変化を上記抵抗R5aでの電圧降下として取り出し、ガスセンサ素子1の検出電圧及び温度補償素子2の補償電圧を入力する構成でもよい。
【0029】
〔第4実施形態〕
上記第1〜第3の実施形態では、電源部300が検知回路側に定電圧状態で電流供給していたが、第4実施形態では、電源部300Aが、前記ガスセンサ素子1及び前記温度補償素子2に対して定電流状態で電流供給する。
具体的には、図6に示すように、電池6の出力がオペアンプ5Aの非反転入力端子に接続され、オペアンプ5Aの出力端子と反転入力端子との間に、ガスセンサ素子1と第1スイッチ3c及び温度補償素子2と第2スイッチ3dを並列接続させて配置し、オペアンプ5Aの非反転入力端子を抵抗R4によって接地する。この回路において、オペアンプ5Aの非反転入力端子は電池6の出力電圧VBと等しくなるように動作するので、抵抗R4には電池6の出力電圧VBが印加され、抵抗R4を流れる電流、即ち、上記ガスセンサ素子1及び温度補償素子2を流れる電流は一定値(VB/R4)となる。ここで、各素子1,2を流れる電流が一定であるので、電池6の出力電圧VBを低くして、抵抗R4の抵抗値を小さくすることができる。なお、この図6では、第1及び第2スイッチ3a,3bはリレー等で構成する。
【0030】
〔第5実施形態〕
第5実施形態は、定電流状態で電流供給する電源部300Aの別の回路例であり、電流制限抵抗を電源側に配置して、前記ガスセンサ素子1及び前記温度補償素子2をグランド(接地)側に配置するようにしている。
具体的には、図7に示すように、電源電圧端子から抵抗R6及びトランジスタ8を通して検知回路側に電流供給されるが、出力端子がトランジスタ8のベースに接続されたオペアンプ9の非反転入力端子と電源電圧端子の間に比較電圧源10が配置され、オペアンプ9の反転入力端子とトランジスタ8のエミッタの間が短絡されている。この回路においても、オペアンプ9の反転入力端子と非反転入力端子は同電位になるように動作するので、抵抗R6による電圧降下が比較電圧源10の電圧Vrefと等しくなり、上記ガスセンサ素子1及び温度補償素子2には、Vref/R6で定まる値の一定電流が供給される。
そして、図7の回路では、ガスセンサ素子1及び温度補償素子2がグランド側に配置されているので、第1スイッチ3a及び第2スイッチ3bとして、トランジスタやFET等のスイッチ素子が使用できる。
【0031】
〔第6実施形態〕
第6実施形態は、第6実施形態と基本的には同じであるが、比較電圧源10を電源端子側を基準とするのではなく、グランドを基準とする点が相異する。そして、一般的な電子回路の場合、グランドを基準とすることで、比較電圧源10として汎用の電源基準IC等を使用して簡単に構成することができ、より実用的な回路が得られる。
具体的には、図8に示すように、電源電圧端子から抵抗R7及びトランジスタ8を通して検知回路側に電流供給されるが、出力端子がトランジスタ8のベースに接続されたオペアンプ9の非反転入力端子は、電源電圧を抵抗値が等しい2つの抵抗R10と抵抗R11で分圧した電圧が入力され、電源電圧の1/2に固定される。オペアンプ9の反転入力端子は、抵抗R8を介してトランジスタ8のエミッタに接続されるとともに、抵抗R8と同じ抵抗値の抵抗R9及び比較電圧源10を介して接地されている。
【0032】
図8の回路においても、オペアンプ9の反転入力端子の電位が非反転入力端子の電位(電源電圧の1/2)と同電位になるように動作するので、抵抗R8,R9の抵抗値が抵抗R7の抵抗値に対して十分大きい条件、又は、比較電圧源10の内部抵抗が抵抗R7と同じである条件が成立する場合には、抵抗R7を流れる電流で生じる電圧降下が比較電圧源10の電圧Vrefと等しくなり、上記ガスセンサ素子1及び温度補償素子2には、Vref/R7定まる値の一定電流が供給される。
なお、図8の回路では、オペアンプ9の反転入力端子と非反転入力端子が電源電圧の1/2の電位になるように動作するので、電源電圧の値とは無関係にセンサ素子等に定電流が供給できる。
【0033】
〔別実施の形態〕
上記実施形態では、ガスセンサ素子1を温度で抵抗値が変化する接触燃焼式のガスセンサ素子で構成したが、接触燃焼式以外の各種ガスセンサ素子を用いることができる。
【0034】
上記実施形態では、電源部300,300Aの電圧源として電池6を用いたが、電池ではなく、商用電源を整流した直流回路の出力を用いてもよい。
【0035】
上記実施形態では、スイッチ3,3a〜3dとして、トランジスタやFETやリレーを用いたが、これ以外の各種導通・非導通の切り替え可能なスイッチを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ガス検知装置の全体的な基本構成を示す電気回路図
【図2】 ガスセンサの出力電圧特性を示すグラフ
【図3】 第1実施形態のガス検知装置の全体構成を示す電気回路図
【図4】 第2実施形態のガス検知装置の全体構成を示す電気回路図
【図5】 第3実施形態のガス検知装置の全体構成を示す電気回路図
【図6】 第4実施形態のガス検知装置の全体構成を示す電気回路図
【図7】 第5実施形態のガス検知装置の全体構成を示す電気回路図
【図8】 第6実施形態のガス検知装置の全体構成を示す電気回路図
【図9】 従来のガス検知装置の構成を示す電気回路図
【符号の説明】
1 ガスセンサ素子
2 温度補償素子
3 スイッチ
3a 第1スイッチ
3b 第2スイッチ
3c 第1スイッチ
3d 第2スイッチ
7 電流供給路
100 駆動部
200 検知部
300 電源部
300A 電源部
300a 電流供給端子
R1 抵抗
R2 抵抗
R3 抵抗
R4 抵抗
R5 抵抗
R6 抵抗
R7 抵抗
Claims (5)
- ガスセンサ素子と温度補償素子とが、当該ガスセンサ素子及び当該温度補償素子よりも低い抵抗値の抵抗を介して電源部の電流供給端子に並列接続され、
前記電流供給端子から前記ガスセンサ素子への電流供給路に配置され、前記ガスセンサ素子への電流供給を非導通状態と導通状態とに切り替え可能な第1スイッチと、
前記電流供給端子から前記温度補償素子への電流供給路に配置され、前記温度補償素子への電流供給を非導通状態と導通状態とに切り替え可能な第2スイッチと、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを、一方が非導通状態のときに他方が導通状態となるように間欠的に導通状態に切り替え駆動する駆動部と、
前記第1スイッチを導通状態に切り替えたときの前記ガスセンサ素子の検出電圧及び前記第2スイッチを導通状態に切り替えたときの前記温度補償素子の補償電圧の両電圧信号を保持して、その両電圧信号に基づいてガス検知を行う検知部と、が備えられているガス検知装置。 - 前記ガスセンサ素子と前記温度補償素子とが、共通の抵抗を介して前記電流供給端子に並列接続されている請求項1記載のガス検知装置。
- 前記電源部が、前記ガスセンサ素子及び前記温度補償素子に対して定電流状態で電流供給する請求項1又は2に記載のガス検知装置。
- 前記電源部が、前記ガスセンサ素子及び前記温度補償素子に対して定電圧状態で電流供給する請求項1又は2に記載のガス検知装置。
- 請求項1〜4の何れか一項に記載のガス検知装置を用いたガス濃度測定方法であって、前記ガスセンサ素子及び前記温度補償素子に対して電流供給を開始した後、電圧値が安定化する前の前記ガスセンサ素子の検出電圧及び前記温度補償素子の補償電圧に基づいてガス濃度を測定するガス濃度測定方法。
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