JP3989250B2 - 成形用材料の製造方法、成形体の製造方法、焼結体の製造方法、成形用材料および成形体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックスや粉末冶金に利用できる、成形用材料の製造方法、成形体の製造方法および成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
寒天を利用した水系射出成形技術は、セラミック粉末の成形や粉末冶金分野において知られている。特に、セラミック粉末の射出成形法において、水と寒天とから構成されるバインダーを用いてセラミック粉末を成形することが知られている。例えば、特許第2604592号公報はこの分野の基本特許と見なされているが、金属粉末やセラミック粉末と、寒天質ゲル生成物質と、水とを混合し、寒天質ゲル生成物質のゲル化点を超える温度に混合物を昇温し、次いでこの混合物をゲル化点以下の低温で成形することによって、セラミック粉末や金属粉末からなる成形体を得ている。例えば、アルミナ粉末と脱イオン水との混合物に寒天水溶液を添加して混合し、この混合物を77℃で加熱混合し、射出成形し、得られた成形体を1600℃で焼結させている。また、特許第3105225号公報にも、これと類似した製法が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、前述した特許に基づき、複雑形状の焼結製品を射出成形法によって成形する研究を進めていた。その過程で、条件によっては、焼結体の強度にバラツキが発生したり、あるいは焼結体の強度に低下が見られた。このように強度の低下が見られた焼結体を分析し、検討してみたところ、相対密度の低下はほとんどないことが分かった。また、もともと寒天と水とをバインダーとして使用する本技術分野においては、通常の樹脂バインダーやワックスバインダーの場合とは異なり、寒天の添加割合は非常に少ない。その上、成形体の温度を上昇させる過程において、寒天は水と共に容易に除去されるので、特別の脱脂工程も不要と考えられている。つまり、寒天と水とをバインダーとして使用する本技術において、混合、成形、脱脂条件によって焼結体に顕著な強度低下が生ずることは考えにくく、原因が不明であった。セラミックスは脆性材料であり、破壊に至る危険性回避の観点から強度を高くすることが望まれる。
【0004】
本発明の課題は、ゲル生成物質をバインダーとして利用し、成形用粉末の焼結体を製造するのに際して、焼結体の強度を向上させることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも成形用粉末、ゲル生成物質粉末および溶剤を、ゲル生成物質粉末の溶解温度以下の温度で混合して混合物を得、この際ゲル生成物質粉末を30℃で相対湿度100%の雰囲気中に保持したときに5重量%増量するのに必要な時間が50分以上であるゲル生成物質粉末を使用し、次いで混合物を溶解温度以上の温度で加熱および混練することによってゾルを生成させ、次いでゾルから成形用材料を生成させることを特徴とする、成形用材料の製造方法に係るものである。
【0006】
また、本発明は、少なくとも成形用粉末、ゲル生成物質粉末および溶剤を、前記ゲル生成物質粉末の溶解温度以下の温度で混合して混合物を得、この際ゲル生成物質粉末を30℃で相対湿度100%の雰囲気中に保持したときに5重量%増量するのに必要な時間が50分以上であるゲル生成物質粉末を使用し、次いで混合物を溶解温度以上の温度で加熱および混練することによってゾルを生成させ、次いでゾルから成形用材料を生成させ、この成形用材料を成形して成形体を得ることを特徴とする、成形体の製造方法に係るものであり、およびこの成形体を焼結する焼結体の製造方法に係るものである。
【0007】
また、本発明は、前記方法によって得られる成形用材料および成形体に係るものである。
【0008】
本発明者は、前述したように、焼結体の密度は比較的良好であるにも関わらず焼結体の強度低下が生ずる原因について、焼結体の製造プロセスの全体にわたって詳細に検討した結果、次の知見を得た。即ち、成形用粉末、ゲル生成物質、例えば寒天の粉末および溶剤を室温において混合し、得られた混合物を、ゲル生成物質の溶解温度以上の温度に加熱し、流動化させ、混練する。この際、混合段階のスラリーを良く観察してみると、スラリーの表面に不均質な浮遊物が浮遊しているのが観察された。また、スラリーを混合槽から排出した後、混合槽の内壁面を観察してみると、凝集物が付着しているのが観察された。混合槽の内壁面に付着した凝集物を再度スラリー中に掻き落とし、再び混合を試みたが、凝集物は再び浮遊し、混合槽の内壁面に付着することが分かった。
【0009】
この浮遊物や内壁面の付着物を微視的に詳細に観察してみると、多数の成形用粉末が寒天によって強固に結合され、凝集していることが判明した。この理由は明確ではないが、次のように推定できる。即ち、寒天粉末は吸水性が高く、寒天粉末の内部に水分を迅速に吸収し、水を包含して膨潤する性質を有する。寒天粉末をスラリー中に投入すると、寒天粉末の近傍の水分を急激に吸収する。本技術分野においては、スラリー中の水分量は一般的に少なく、成形用粉末の量は多い。このため、寒天粉末の近傍の水分が急激に吸収されると、その周囲では局所的に水分が失われ、成形用粉末が凝集する。この凝集物の内部では、吸水したばかりの寒天が結合剤として作用するため、凝集が強固であるものと考えられる。
【0010】
更に、本発明者は、ゲル生成物質と成形用粉末とを混合するのに際して、溶媒、例えば水の量を増大させ、大量の水を使用することによって、ゲル生成物質、例えば寒天を充分に溶解させることも検討した。つまり、大量の水を使用することによって、寒天が急激に水を吸収したときにも、充分に多量の水を供給することで凝集物の生成を抑制しようとも試みた。しかし、寒天が急激に吸水し、寒天粒子の回りに微細な成形用粉末が強固に付着することから、大量の水を使用することが必要である。このため、混合物中の水分含有量が非常に大きくなる。しかし、混合物中の水は、後の乾燥工程で除去する必要があるため、乾燥工程において、時間およびエネルギーの多大な浪費を招く。
【0011】
本発明者は、30℃で相対湿度100%の雰囲気中に保持したときに5重量%増量するのに必要な時間が50分以上であるような、溶媒への混合時の初期溶媒吸収速度の小さいゲル生成物質粉末を利用することによって、前述した混合時の成形用粉末の凝集に起因する成形体の不均一や焼結体の強度低下を抑制できることを見いだし、本発明に到達した。
【0012】
本発明においては、30℃で相対湿度100%の雰囲気中に保持したときに、初期重量に対して5重量%増量するのに必要な時間が50分以上であるようなゲル生成物質粉末を使用し、成形用粉末および溶剤と混合する。この必要時間は、本発明の観点からは50分以上であることが更に好ましく、250分以上であることが最も好ましい。また、この必要時間は、本発明の観点からは特に上限はない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。本発明において対象とする成形用粉末は、加熱によって焼結し、焼結体を生成するような成形用粉末であれば特に制限はない。また、成形用粉末は、溶剤への溶解や溶剤との反応を生じないような粉末であることが好ましい。本成形用粉末は、無機物粉末であることが好ましく、焼結を目的とする無機物粉末であることが特に好ましい。無機物粉末は、典型的には、セラミック粉末、金属粉末、セラミックス−金属複合材料の粉末、およびこれらの混合粉末である。セラミックスとしては、例えばアルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカ、マグネシア、フェライト、コージェライト、イットリア等の希土類元素の酸化物等の酸化物系セラミックス;チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素のマンガナイト、希土類元素のクロマイト等の複合酸化物;窒化アルミニウム、窒化珪素,サイアロン等の窒化物系セラミックス;炭化珪素、炭化ホウ素、炭化タングステン等の炭化物系セラミックスを例示できる。また、金属としては、鉄、ステンレス、カルボニル鉄等の鉄系金属、チタン、銅、アルミニウム等の非鉄金属または非鉄金属の合金を例示できる。また、無機物粉末としては、グラファイト、ガラス、カーボンも例示できる。更に、無機物粉末以外の成形用粉末としては、樹脂粉末を例示できる。
【0014】
また、成形用粉末を溶媒およびゲル生成物質と混合する際には、成形用粉末の粒径が小さいほど、つまり粒子が細かいほど、ゲル生成物質の周囲から溶媒分が奪われたときに、成形用粉末がゲル生成物質粒子の周辺に強固に凝集しやすい。従って、本発明は、成形用粉末の平均粒径が小さい場合に、特に有益である。この観点からは、好適な実施形態においては、成形用粉末の平均粒径が10μm以下であり、特に好適な実施形態においては、1μm以下である。
【0015】
成形用粉末の平均粒径の下限は本発明の観点からは特にない。一般的、経済的な観点からは0.1μm以上とすることができるが、これには限定されない。
【0016】
ゲル生成物質は、溶解温度以上に加熱することで流動性のゾルを生成し、次いでこのゾルをゲル化点以下の温度に冷却することでゲルを生成する物質である。ゲル生成物質は、特許第2604592号公報に記載されているように、0〜22℃の間のゲル強度が少なくとも500g/cm2であるようなものが好ましい。好適な実施形態においては、ゲル生成物質が、可逆的に、溶解温度以上でゾルを生成し、ゲル化点以下の温度でゲルを生成する物質である。
【0017】
特に好ましくは、ゲル生成物質が、天然または合成のハイドロコロイドである。ハイドロコロイドとしては多糖類である寒天、カラギーナン、ファーセレラン、アルギン酸およびその誘導体、アゾドバクタービネランジーガム、ジェランガム(脱アシル型やネーティブ型)、ペクチン、カードラン、澱粉およびその誘導体、サイリュームシードガム、蛋白質であるゼラチン、キチン、キトサンおよび改質乳清タンパクなどを例示できる。さらに相乗効果によりゲル性を補強するローカストビーンガム、タラビーンガム、カシアガム、グアーガム、フェヌクリークガム、コンニャクマンナン(精製されたグルコマンナンも含む)、キサンタンガム、タマリンドガム、ローカスト、アラビアガム、アラビノガラクタン、結晶セルロース、繊維素グルコール酸ナトリウム、メチルセルロース、ガッティガム、アーモンドガム、ウェランガム、トラガントガム、プルラン、大豆多糖類などを少なくとも1つ以上加えたゲル生成物を例示できる。
【0018】
特に好適な実施形態においては、ガラクトースを基本骨格とする多糖類を使用する。好ましくは多糖類が寒天質ゲル生成物質である。寒天質ゲル生成物質とは、寒天質のすべてのゲル生成物質を含み、高純度のアガロースだけでなく、アガロペクチン成分を多く含む純度の低い寒天も含んでおり、また改質寒天も含む。純粋な寒天はアガロースと呼ばれており、1、3位で結合したβ−D−ガラクトピラノースと、1、4位で結合した3,6−アンヒドロ−L−ガラクトピラノースを繰り返し単位とする中性多糖である。また、寒天質ゲル生成物質には、アガロースの誘導体も含まれていて良い。アガロースが部分的に硫酸エステル、メトキシル、ピルビン酸などを含んでいる場合にはアガロペクチンと呼ばれている。一般的な寒天は、アガロースとアガロペクチンとの混合物である。
【0019】
寒天質ゲル生成物質中に、アガロースとアガロース誘導体(典型的にはアガロペクチン)とが含有されている場合には、アガロースとアガロース誘導体との比率は、目的とする用途によって異なる。アガロース誘導体中には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、硫酸分などの灰分が含まれている。このため、ファインセラミックスなどのように、不純物を嫌う用途においては、アガロース誘導体の量が少ないことか好ましい。具体的には、灰分2重量%以下が好ましく、灰分1重量%以下の高純度のアガロースが特に好ましい。
【0020】
溶剤は、ゲル生成物質粉末を溶解し、加熱時にゾルを生成し、温度降下時にゲルを生成するようなゲル生成物質用の溶媒である。この溶媒としては、水が特に好ましいが、アルコール類等の親水性有機化合物溶媒であってもよく、また水と親水性有機化合物溶媒との混合物であってもよい。親水性有機化合物としては、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、および塩素または臭素原子によって置換されたアルコール類が好ましい。この理由としては、アルコールが寒天分子内に進入、さらに水と置換して膨潤するため、急激に水を吸うことがなくなり、凝集物を生成しにくくなることが推測される。
【0021】
本発明の混合物においては、成形用粉末100重量部に対して、ゲル生成物質粉末の量を1重量部以上とすることが好ましく、3重量部以上とすることが更に好ましい。これによって、成形体の強度が一層高くなる。また、前述のように高いゲル強度を有するゲル生成物質を使用することによって、成形体の強度を高くすることができる。
【0022】
また、成形用粉末100重量部に対して、ゲル生成物質粉末の量を10重量部以下とすることが好ましく、7重量部以下とすることが更に好ましい。これによって、ゲル生成物質の粉末を混合するのに際して、混合物スラリーから奪われる水の量が減るために、焼結体のマイクロクラックが効果的に抑制される。
【0023】
本発明の混合物においては、成形用粉末100重量部に対して、溶媒の量を40重量部以下とすることが好ましく、30重量部以下とすることが更に好ましい。これによって、乾燥段階におけるコストが低くなる。溶媒の量をこのように減らすことによって、前述した凝集物の生成が著しく顕著となり、従って本発明が特に効果的となる。一方、混合を効果的に短時間で行えるようにし、かつ焼結体の強度を高くするという観点からは、成形用粉末100重量部に対して、溶媒の量を40重量部以上とすることが好ましく、50重量部以上とすることが更に好ましい。
【0024】
成形用粉末、ゲル生成物質および溶剤を混合するときの時の温度は、ゲル生成物質の溶解温度以下である。ゲル生成物質の溶解温度とは、ゲル生成物質を溶媒と混合し、次いで温度を上昇していったときに、ゲル生成物質が溶媒中に溶解してゾル化する温度である。従って、同一のゲル生成物質であっても、溶媒が異なれば溶解温度は変動することがある。本発明においては、特に溶解温度よりも若干は低温側で混合することが好ましく、例えば溶解温度−30℃以下で混合することが好ましく、溶解温度−50℃以下で混合することが更に好ましい。ゲル生成物質が寒天質である場合には、50℃以下であることが好ましく、40℃以下であることが更に好ましい。
【0025】
次いで、成形用粉末、ゲル生成物質および溶剤の混合物を、ゲル生成物質の溶解温度以上の温度で加熱および混練することによってゾルを生成させ、次いでゾルをゲル成形物質のゲル化点以下の温度に冷却することによって、成形用材料を生成させる。
【0026】
混合物を加熱混練する時には、混合物を混練と同時に溶解温度以上の温度に加熱して流動性のゾルを得る。加熱温度は、ゲル生成物質の種類によって異なるが、寒天質ゲル生成物質の場合には85〜120℃とすることが好ましい。ただし、100℃以上の温度では、水の沸騰を避けるために加圧することが好ましい。加熱混練物を冷却することで成形用材料を得、この成形用材料を型中に供給し、成形体を得る。
【0027】
好適な実施形態においては、成形用材料をペレタイゼーションし、同時にベレットの水分量を一定範囲に調節する。この水分量調節後のペレットを射出成形型内に射出し、成形体を得る。しかし、他の成形法、例えば鋳込み成形法、押し出し成形法も利用できる。
【0028】
ゲル生成物質粉末は、適当な市販の原料粉末に対して、溶剤の急激な吸収を抑制するための処理を施すことによって製造できる。原料粉末の種類や形状は限定されず、パウダー、フレーク、グラニュラー、ネットワークその他特殊な形状であってよい。また、ゲル生成物質が寒天である場合には、天草類、オバクサ類、ユイキリ属、オゴノリ属、サイミ属、エゴノリ属、イギス属やキリンサイ属などより作られる寒天であってよい。
【0029】
溶剤の急激な吸収を抑制するための処理としては、以下の処理方法が好ましい。
(1)ゲル生成物質粉末に対して、水、親水性溶媒、または水と親水性溶媒との混合溶媒を添加する。この親水性溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、および塩素または臭素原子によって置換されたアルコール類が好ましい。
【0030】
この場合には、ゲル生成物質粉末に対して、水、親水性溶媒または混合溶媒を噴霧することができる。好ましくは、ゲル生成物質の原料粉末を平面上に蒔いて広げてから、水、親水性溶媒または混合溶媒を噴霧する。また、ゲル生成物質の原料粉末を高湿度雰囲気中に保持することもできる。この場合には、雰囲気の相対湿度は80%以上であることが好ましく、温度は10〜30℃であることが好ましい。特に好ましくは、30℃で相対湿度100%の雰囲気中に保持することによって、粉末の加湿を行う。
【0031】
(2)ゲル生成物質粉末を水溶性ポリマーでコーティングする。例えば、寒天粉末をポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等の水溶性ポリマーの水溶液中に浸す。ろ過して固液分離した後、寒天粉末を乾燥させる。
【0032】
【実施例】
(原料粉末)
寒天の原料粉末としては、表1、表2に示した各銘柄および各ゼリー強度の寒天粉末を使用した。このうち、「UM−11」は即溶性寒天である。
【0033】
(前処理)
寒天粉末の前処理としては、次のいずれかの方法を採用した。
(1)霧吹きを用いて、寒天重量の1倍または3倍の重量の水を噴霧し、1時間放置する。この前処理法は、表1、2に「水添加(1倍)」または「水添加(3倍)」と表記した。
(2)寒天粉末をバット上に薄く分散させ、30℃、相対湿度100%の恒温恒湿槽内に2時間または8時間保持する。この前処理法は、表1、表2に「水蒸気添加」と表記した。
(3)寒天重量の5倍の重量のエタノールを添加し、軽くかき混ぜる。この前処理法は、表1、表2に「エタノール添加」と表記した。
(4)寒天重量の10倍の10重量%のポリビニルアルコール水溶液中に寒天粉末を投入し、軽くかき混ぜる。これを定性ろ紙を用いてろ過し、ろ過物を80℃で1時間乾燥する。この前処理方法は表1、2に「コーティング」と表記した。
【0034】
(吸水時間の測定)
各寒天粉末の吸水時間は、以下のように測定した。即ち、寒天粉末をバット上に薄く分散させ、30℃、相対湿度100%の恒温恒湿槽内に保持し、初期重量に対して5重量%の水を吸水した時点での時間を測定した。この吸水時間が短いほど、寒天粉末をスラリー内に投入したときに凝集物を作りやすい。なお、「XG−89」(ゼリー強度840g/cm2)を各種の前処理に供した場合の、加湿時間と重量変化との関係を図1に示す。
【0035】
(混合物スラリーの調製)
アルミナ粉末として、易焼結性低ソーダアルミナ(住友化学工業株式会社製「AES11C」、純度99.5%、BET 比表面積8m2/g、平均粒子径0.5μm)6000gを用いた。分散剤としてポリアクリル酸アンモニウム共重合体(東亞合成株式会社製「A−6114」、分子量10000MW、pH7〜9、39〜41%溶液)をアルミナ粉末に対して0.9重量%加え、水分量が25重量%となるようにイオン交換水を加え、十分混合した後、モノマロン玉石をメディアとしてポットミル混合を12時間行った。得られたスラリーを、線径390μm、目開き600μm(JIS Z8801 )のスクリーンに通し、次いで混合槽中に投入した。
【0036】
先に調製した各寒天粉末を、アルミナ粉末100重量部に対して3重量部(前処理前の寒天粉末の重量を基準とする)の割合で秤量した。混合物を攪拌しながら、寒天粉末を混合槽中に段階的に投入した。秤量した寒天粉末をすべて投入してから5分後に、混合槽の蓋を開け、内壁面に付着した固形分をスラリー中にかき落とし、再度5分混合した。得られたスラリーを線径390μm、目開き600μm(JIS Z8801 )のスクリーンに通し、スクリーン上に残った固形分の重量を測定した。固形分は凝集物である。
【0037】
(加熱および混練)
次いで、混合槽を加熱し、寒天粉末を溶解させるのとともに混練を行った。温度は、室温から95℃まで30分間で昇温し、95℃に材料の温度を保持しながら、スラリーを混練した。95℃で混練を30分行い、得られた混練物を室温まで冷却し、成形用材料を得た。この成形用材料を混合槽から取り出した。
【0038】
(成形および焼成)
成形用材料をペレタイズし、この際調湿操作を行い、ペレットの水分を17重量%に調整した。調湿後のペレットを、型締め30トンの電動射出成形機へとホッパーから投入し、射出成形し、縦60mm、横60mm、厚さ6mmの平板を成形した。この成形体を室温にて一昼夜乾燥した後、130℃の乾燥機中で残留水分を除去し、昇温速度300℃/時間、最高温度1620℃、1620℃での保持時間2時間の条件で焼成した。冷却は自然冷却で行った。得られた焼結体を加工し、JIS (R1601 )に準拠して寸法4mm×3mm×40mmの試験片を切り出し、試験片について密度と4点曲げ強度を測定した。以上の測定結果を、表1、表1に示す。また、初期重量に対して5重量%の水を吸水した時点までの吸水時間と4点曲げ強度との関係を図2に示し、初期重量に対して5重量%の水を吸水した時点までの吸水時間とスクリーン上の残留物(重量部)との関係を図3に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
表1に示すように、実施例A3、A4、A5、A6においては、混合後のスラリーをスクリーンに通したときに、比較例A1、A2に比べて、スクリーン上の残留物量が減少している。特に、実施例A5においては、エタノールが寒天分子内に進入、さらに水と置換して膨潤するため、急激に水を吸うことがなくなり、凝集物を生成しにくくなるものと考えられる。そして、実施例A3,A4、A5、A6においては、焼結体の強度が、比較例1、2に比べて著しく向上した。一方、実施例A1−A6の間では、焼結体の密度はほとんど変化していない。
【0042】
この理由は以下のように考えられる。寒天は焼成の過程で消失するので、寒天が凝集の原因となっていた場合でも、焼結体の密度低下には寄与しない。これに対して、焼結体の強度は、焼結体の欠陥の大きさ、形状および頻度と密接に関係している。凝集物がスラリー中に存在していると、焼成過程において寒天および水が消失した部分が粗な部分やポアとして残り、欠陥として作用するものと考えられる。これらの欠陥は応力集中源として作用し、強度低下につながる。
【0043】
また、比較例B1、B2と実施例B3、4、5、6とを比較した場合、比較例C1、C2と実施例C3、4、5、6とを比較した場合、比較例D1、D2と実施例D3、4、5、6とを比較した場合、比較例E1、E2と実施例E3、4、5、6とを比較した場合、比較例F1、F2と実施例F3、F4、F5、6とを比較した場合にも、同様の結果が得られた。
【0044】
以上の結果から分かるように、初期重量に対して5重量%の水を吸水した時点までの吸水時間が50分未満である場合には、強度は310MPa未満と低いが、吸水時間が50〜250分である場合には、強度が360〜390MPaと高くなる。更に、前記吸水時間が250分以上である場合には、強度が410〜436MPaと一層増加する。
【0045】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、ゲル生成物質をバインダーとして利用し、成形用粉末の焼結体を製造するのに際して、焼結体の強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】寒天粉末を各種の前処理に供した場合の、加湿時間と重量変化との関係を示すグラフである。
【図2】初期重量に対して5重量%の水を吸水した時点までの吸水時間と4点曲げ強度との関係を示すグラフである。
【図3】初期重量に対して5重量%の水を吸水した時点までの吸水時間とスクリーン上の残留物(重量部)との関係を示すグラフである。
Claims (30)
- 少なくとも成形用粉末、ゲル生成物質粉末および溶剤を、前記ゲル生成物質粉末の溶解温度以下の温度で混合して混合物を得、この際前記ゲル生成物質粉末を30℃で相対湿度100%の雰囲気中に保持したときに5重量%増量するのに必要な時間が50分以上であるゲル生成物質粉末を使用し、前記混合物を前記溶解温度以上の温度で加熱および混練することによってゾルを生成させ、このゾルから成形用材料を得ることを特徴とする、成形用材料の製造方法。
- 前記ゾルを前記ゲル成形物質のゲル化点以下の温度に冷却することによってゲル化して前記成形用材料を得ることを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 前記ゾルをゲル化させることなく前記成形用材料を得ることを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 前記ゲル生成物質粉末に対して、水、親水性溶媒、または水と親水性溶媒との混合溶媒を添加し、次いで前記成形用粉末および前記溶剤と混合することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の方法。
- 前記ゲル生成物質粉末に対して、水、前記親水性溶媒または前記混合溶媒を噴霧することを特徴とする、請求項4記載の方法。
- 前記ゲル生成物質粉末を高湿度雰囲気中に保持することによって、前記ゲル生成物質粉末に水を添加することを特徴とする、請求項4記載の方法。
- 前記ゲル生成物質が、ガラクトースを基本骨格とする多糖類であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つの請求項に記載の方法。
- 少なくとも成形用粉末、ゲル生成物質粉末および溶剤を、前記ゲル生成物質粉末の溶解温度以下の温度で混合して混合物を得、この際前記ゲル生成物質粉末を30℃で相対湿度100%の雰囲気中に保持したときに5重量%増量するのに必要な時間が50分以上であるゲル生成物質粉末を使用し、前記混合物を前記溶解温度以上の温度で加熱および混練することによってゾルを生成させ、このゾルから成形用材料を得、この成形用材料を成形することを特徴とする、成形体の製造方法。
- 前記ゾルを前記ゲル成形物質のゲル化点以下の温度に冷却することによってゲル化して前記成形用材料を得ることを特徴とする、請求項8記載の方法。
- 前記ゾルをゲル化させることなく前記成形用材料を得ることを特徴とする、請求項8記載の方法。
- 前記ゲル生成物質粉末に対して、水、親水性溶媒、または水と親水性溶媒との混合溶媒を添加し、次いで前記成形用粉末および前記溶剤と混合することを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一つの請求項に記載の方法。
- 前記ゲル生成物質粉末に対して、水、前記親水性溶媒または前記混合溶媒を噴霧することを特徴とする、請求項11記載の方法。
- 前記ゲル生成物質粉末を高湿度雰囲気中に保持することによって、前記ゲル生成物質粉末に水を添加することを特徴とする、請求項11記載の方法。
- 前記ゲル生成物質が、ガラクトースを基本骨格とする多糖類であることを特徴とする、請求項8〜13のいずれか一つの請求項に記載の方法。
- 少なくとも成形用粉末、ゲル生成物質粉末および溶剤を、前記ゲル生成物質粉末の溶解温度以下の温度で混合して混合物を得、この際前記ゲル生成物質粉末を30℃で相対湿度100%の雰囲気中に保持したときに5重量%増量するのに必要な時間が50分以上であるゲル生成物質粉末を使用し、前記混合物を前記溶解温度以上の温度で加熱および混練することによってゾルを生成させ、このゾルから得られた成形用材料の成形体を焼結させることを特徴とする、焼結体の製造方法。
- 前記ゾルを前記ゲル成形物質のゲル化点以下の温度に冷却することによってゲル化して前記成形用材料を得ることを特徴とする、請求項15記載の方法。
- 前記ゾルをゲル化させることなく前記成形用材料を得ることを特徴とする、請求項15記載の方法。
- 前記ゲル生成物質粉末に対して、水、親水性溶媒、または水と親水性溶媒との混合溶媒を添加し、次いで前記成形用粉末および前記溶剤と混合することを特徴とする、請求項15〜17のいずれか一つの請求項に記載の方法。
- 前記ゲル生成物質粉末に対して、水、前記親水性溶媒または前記混合溶媒を噴霧することを特徴とする、請求項18記載の方法。
- 前記ゲル生成物質粉末を高湿度雰囲気中に保持することによって、前記ゲル生成物質粉末に水を添加することを特徴とする、請求項18記載の方法。
- 前記ゲル生成物質が、ガラクトースを基本骨格とする多糖類であることを特徴とする、請求項15〜20のいずれか一つの請求項に記載の方法。
- 少なくとも成形用粉末、ゲル生成物質粉末および溶剤を、前記ゲル生成物質粉末の溶解温度以下の温度で混合して混合物を得、この際前記ゲル生成物質粉末を30℃で相対湿度100%の雰囲気中に保持したときに5重量%増量するのに必要な時間が50分以上であるゲル生成物質粉末を使用し、前記混合物を前記溶解温度以上の温度で加熱および混練することによってゾルを生成させ、このゾルから得られたことを特徴とする、成形用材料。
- 前記ゾルを前記ゲル成形物質のゲル化点以下の温度に冷却することによってゲル化して得られたことを特徴とする、請求項22記載の成形用材料。
- 前記ゾルをゲル化させることなく得られたことを特徴とする、請求項22記載の成形用材料。
- 前記ゲル生成物質粉末に対して、水、親水性溶媒、または水と親水性溶媒との混合溶媒を添加し、次いで前記成形用粉末および前記溶剤と混合することを特徴とする、請求項22〜24のいずれか一つの請求項に記載の成形用材料。
- 前記ゲル生成物質粉末に対して、水、前記親水性溶媒または前記混合溶媒を噴霧することを特徴とする、請求項25記載の成形用材料。
- 前記ゲル生成物質粉末を高湿度雰囲気中に保持することによって、前記ゲル生成物質粉末に水を添加することを特徴とする、請求項25記載の成形用材料。
- 前記ゲル生成物質が、ガラクトースを基本骨格とする多糖類であることを特徴とする、請求項22〜27のいずれか一つの請求項に記載の成形用材料。
- 請求項22〜28のいずれか一つの請求項に記載の成形用材料を成形することによって得られることを特徴とする、成形体。
- 射出成形体であることを特徴とする、請求項29記載の成形体。
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