JP3989168B2 - 車輪軸受装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車輪軸受装置に関し、詳しくは、駆動車輪または従動車輪を車体に回転自在に支持する車輪軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の車輪軸受装置には、従動輪用と駆動輪用とがあり、それぞれの用途に応じて種々の形式のものが提案されている。例えば、図4は駆動輪用の車輪軸受装置で、内方部材であるハブ輪1および内輪2、複列の転動体3,4、外方部材である外輪5、等速自在継手6を主要な構成要素としている。
【0003】
前記ハブ輪1は、その外周面にアウトボード側の軌道面7が形成されると共に、車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ9を備えている。この車輪取付フランジ9の円周方向等間隔に、ホイールディスクを固定するためのハブボルト10が植設されている。また、車輪取付フランジ9にはブレーキロータ11が取り付けられている。このハブ輪1の外周面に形成された小径段部12に内輪2を嵌合させ、この内輪2の外周面にインボード側の軌道面8が形成されている。
【0004】
内輪2は、クリープを防ぐために適当な締め代をもって圧入されている。ハブ輪1の外周面に形成されたアウトボード側の軌道面7と、内輪2の外周面に形成されたインボード側の軌道面8とで複列の軌道面を構成する。この内輪2をハブ輪1の小径段部12に圧入し、ハブ輪1のインボード側軸方向から挿入される等速自在継手6の継手外輪15をハブ輪1に締着することにより、その継手外輪15の肩部16により内輪2の抜け止めと予圧の付与を行っている。
【0005】
外輪5は、内周面に前記ハブ輪1および内輪2の軌道面7,8と対向する軌道面13,14が形成され、車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ17を備えている。この車体取付フランジ17は、車体の懸架装置(図示せず)から延びるナックル18にナックルボルト19で固定されている。
【0006】
軸受部20は、複列のアンギュラ玉軸受構造で、ハブ輪1および内輪2の外周面に形成された軌道面7,8と外輪5の内周面に形成された軌道面13,14との間に転動体3,4を介在させ、各列の転動体3,4を保持器21,22により円周方向等間隔に支持した構造を有する。軸受部20の両端開口部には、内輪2の外径に圧入嵌合されたスリンガ39に摺接するシールリップを備え、外輪5とハブ輪1および内輪2との環状空間を密封する一対のシール23,24が外輪5の端部内径に嵌合され、内部に充填されたグリースの漏洩ならびに外部からの水や異物の侵入を防止するようになっている。
【0007】
等速自在継手6は、ドライブシャフト(図示せず)の一端に設けられ、内周面にトラック溝が形成された継手外輪15と、その継手外輪15のトラック溝と対向するトラック溝が外周面に形成された継手内輪(図示せず)と、前記継手外輪15のトラック溝と継手内輪のトラック溝との間に組み込まれたボール(図示せず)とからなる。
【0008】
前記継手外輪15は、継手内輪およびボールを収容したマウス部25と、そのマウス部25から軸方向に一体的に延び、外周面にセレーション部26が形成されたステム部27を有する。このステム部27をハブ輪1の貫通孔に挿入し、前記ステム部27の外周面および貫通孔の内周面に形成されたセレーション部26,28により両者を嵌合させ、その軸端に形成された雄ねじ部29にナット30を締め付けることによって、等速自在継手6をハブ輪1に固定している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来の車輪軸受装置では、ブレーキロータ11およびホイールディスクの支持部材であるハブ輪1には、通常、鍛造の容易性、冷間加工性、切削性あるいは経済性の面から、機械構造用の中炭素鋼(例えばS53C等)が未熱処理のまま用いられている。
【0010】
この種の車輪軸受装置の小型、軽量化を図ることは、自動車の走行安定性の向上に大きく寄与するため、ハブ輪1の車輪取付フランジ9のリブ化や薄肉化を進めることで、ハブ輪自体の機械的強度が素材である機械構造用中炭素鋼の疲労限に近づきつつあり、これ以上の軽量化が難しくなりつつある。特に、図4に示すタイプの車輪軸受装置では、軽量化のため、ハブ輪1の車輪取付フランジ9を薄肉化する場合、そのアウトボード側付け根部、つまり、ブレーキロータ取付面31から円筒状のパイロット部32に延びる隅部33に、回転曲げの応力が集中して破損の起点となる可能性が高い。
【0011】
なお、車輪取付フランジ9のインボード側付け根部については、シール23のシールリップが摺接するシールランド部となっていることから、そのシールランド部の曲率半径が大きく、かつ、耐摩耗性を持たせる目的で焼入れ焼戻し処理が施され、すなわち、未処理の隅部に対して高強度であるため、回転曲げ応力による破損の起点となる可能性は少ない。
【0012】
これを解消する手段としては、車輪取付フランジ9を厚肉にすることが考えられるが、軽量化に逆行する。また、車輪取付フランジ9の付け根部(隅部33)の寸法、つまり曲率半径を大きくすることによって発生応力を緩和させることも考えられるが、その車輪取付フランジ9に取り付けられるブレーキロータ11との干渉が問題となるために限界がある。
【0013】
また、素材のハイカーボン化や強化元素のSi(珪素)やV(バナジウム)等の添加、あるいは、焼準処理などの調質を行うことにより組織を高強度化することができるが、その反面、素材硬度の上昇により加工性が低下するため、従来からの加工方法や既存設備の使用が困難になると共に、多量の強化元素の添加は、素材のコストアップを招来する。
【0014】
そこで、本発明は前記問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、車輪取付フランジの形状・寸法を変更することなく、また、素材のハイカーボン化や強化元素の添加を行うことなく、軽量化を図りつつ、ハブ輪の強度アップを図り得る車輪軸受装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための技術的手段として、請求項1に係る発明は、複列の軌道面を内周面に形成した外方部材と、その外方部材の軌道面と対向する軌道面を外周面に形成した内方部材と、前記外方部材と内方部材のそれぞれの軌道面間に介装された複列の転動体とからなる車輪軸受装置において、前記内方部材は、その外周面に車輪取付フランジを有し、かつ、前記複列の軌道面のうち、アウトボード側の軌道面と、インボード側の軌道面が形成された内輪を圧入した小径段部とを有し、車輪取付フランジのブレーキロータ取付面から円筒状のパイロット部に延びる隅部に表面硬化層を形成し、その表面硬化層と離隔して、シールランド部から軌道面を経て小径段部に及ぶ領域に表面硬化層を形成したことを特徴とする。なお、表面硬化層は、高周波焼き入れで形成することが望ましい(請求項5)。
【0016】
請求項1の発明のように表面硬化層を形成したことにより、車輪取付フランジの形状・寸法を変更することなく、また、素材のハイカーボン化や強化元素の添加などの素材の改良を行うことなく、現行の加工方法や既存設備のままで、回転曲げ疲労の最弱部であるアウトボード側付け根部を高強度化することが容易となる。
【0017】
請求項2の発明は、前記表面硬化層の表面硬さがHRC40〜63、好ましくはHRC58〜63で、その深さを0.3〜2mm、好ましくは0.5〜2mmの範囲としたことを特徴とする。
【0018】
この請求項2の発明のように表面硬化層の表面硬さをHRC40〜63、好ましくはHRC58〜63とすれば、回転曲げ疲労が基本的に硬さに依存することから、前記範囲であれば、回転曲げ疲労による破損を防止する効果を十分に発揮する。ここで、回転曲げ疲労による破損を防止することは、素材表面に発生する亀裂を抑制することであり、この回転曲げによる発生応力は、表面で最大となり、内部に向かって減衰する。従って、表面硬化層の深さは、それほど深くする必要はなく、0.3〜2mm、好ましくは0.5〜2mmの範囲であればよい。
【0019】
請求項3に記載したように前記内方部材は、Cが0.5〜0.8wt%の炭素鋼からなることが望ましい。Cが0.5〜0.8wt%の炭素鋼であれば、軸受用高炭素クロム鋼であるSUJ2(C:0.95〜1.10wt%)よりも炭素量が少ない分、加工性が向上する。
【0022】
請求項4に記載したように前記内方部材の内周面にセレーション部を形成し、そのセレーション部に表面硬化層を形成することが望ましい。このようにセレーション部に表面硬化層を形成すれば、耐摩耗性が向上し、その強度アップが図れ、さらに、この強度アップによるセレーションの有効長さを短くすることができる。 ここで、セレーション部というときはセレーション部またはスプライン部を意味するものとする。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明に係る車輪軸受装置の実施形態を以下に詳述する。なお、図4と同一部分には同一参照符号を付す。
【0024】
図1に示す実施形態の車輪軸受装置は、例えば駆動輪用のもので、内方部材であるハブ輪1および内輪2、複列の転動体3,4、外方部材である外輪5、等速自在継手6を主要な構成要素とする。
【0025】
前記ハブ輪1は、その外周面にアウトボード側の軌道面7が形成されると共に、車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ9を備えている。この車輪取付フランジ9の円周方向等間隔に、ホイールディスクを固定するためのハブボルト10が植設されている。また、車輪取付フランジ9にはブレーキロータ11が取り付けられる。このハブ輪1の外周面に形成された小径段部12に内輪2を嵌合させ、この内輪2の外周面にインボード側の軌道面8が形成されている。
【0026】
内輪2は、クリープを防ぐために適当な締め代をもって圧入されている。ハブ輪1の外周面に形成されたアウトボード側の軌道面7と、内輪2の外周面に形成されたインボード側の軌道面8とで複列の軌道面を構成する。この内輪2をハブ輪1の小径段部12に圧入し、ハブ輪1のインボード側軸方向から挿入される等速自在継手6の継手外輪15をハブ輪1に締着することにより、その継手外輪15の肩部16により内輪2の抜け止めと予圧の付与を行っている。
【0027】
外輪5は、内周面に前記ハブ輪1および内輪2の軌道面7,8と対向する軌道面13,14が形成され、車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ17を備えている。この車体取付フランジ17は、車体の懸架装置(図示せず)から延びるナックル18にナックルボルト19で固定されている。
【0028】
軸受部20は、複列のアンギュラ玉軸受構造で、ハブ輪1および内輪2の外周面に形成された軌道面7,8と外輪5の内周面に形成された軌道面13,14との間に転動体3,4を介在させ、各列の転動体3,4を保持器21,22により円周方向等間隔に支持した構造を有する。ここでは、転動体3,4としてボールを使用した場合を例示してあるが、重量の嵩む自動車用の車輪軸受装置の場合には、円すいころを使用することも可能である。
【0029】
軸受部20の両端開口部には、内輪2の外径に圧入嵌合されたスリンガ39に摺接するシールリップを備え、外輪5とハブ輪1および内輪2との環状空間を密封する一対のシール23,24が外輪5の端部内径に嵌合され、内部に充填されたグリースの漏洩ならびに外部からの水や異物の侵入を防止するようになっている。
【0030】
等速自在継手6は、ドライブシャフト(図示せず)の一端に設けられ、内周面にトラック溝が形成された継手外輪15と、その継手外輪15のトラック溝と対向するトラック溝が外周面に形成された継手内輪(図示せず)と、前記継手外輪15のトラック溝と継手内輪のトラック溝との間に組み込まれたボール(図示せず)とからなる。
【0031】
前記継手外輪15は、継手内輪およびボールを収容したマウス部25と、そのマウス部25から軸方向に一体的に延び、外周面にセレーション部26が形成されたステム部27を有する。このステム部27をハブ輪1の貫通孔に挿入し、前記ステム部27の外周面および貫通孔の内周面に形成されたセレーション部28により両者を嵌合させ、その軸端に形成された雄ねじ部29にナット30を締め付けることによって、等速自在継手6をハブ輪1に固定している。
【0032】
この実施形態の車輪軸受装置において、車輪取付フランジ9のアウトボード側付け根部、つまり、ブレーキロータ取付面31から円筒状のパイロット部32に延びる隅部33に表面硬化層34を例えば高周波焼き入れにより形成する。このように表面硬化層34を形成したことにより、車輪取付フランジ9の形状・寸法を変更することなく、また、素材のハイカーボン化や強化元素の添加などの素材の改良を行うことなく、現行の加工方法や既存設備のままで、回転曲げ疲労の最弱部であるアウトボード側付け根部を高強度化することが容易となる。
【0033】
車輪取付フランジ9の隅部33に形成された表面硬化層34は、その表面硬さをHRC40〜63、好ましくはHRC58〜63の範囲とし、その深さを0.3〜2mm、好ましくは0.5〜2mmの範囲とする。
【0034】
このように表面硬化層34の表面硬さをHRC40〜63、好ましくはHRC58〜63とすれば、回転曲げ疲労が基本的に硬さに依存することから、前記範囲であれば、回転曲げ疲労による破損を防止する効果を十分に発揮する。なお、表面硬さがHRC40より小さいと、回転曲げ疲労に対して所望の強度が得られない。
【0035】
ここで、回転曲げ疲労による破損を防止することは、素材表面に発生する亀裂を抑制することであり、この回転曲げによる発生応力は、表面で最大となり、内部に向かって減衰する。従って、表面硬化層34の深さは、それほど深くする必要はなく、0.3〜2mm、好ましくは0.5〜2mmの範囲であればよい。つまり、深さが0.5mmより小さいと、回転曲げ疲労に対して所望の強度が得られず、逆に、2mmより大きくしても、回転曲げによる発生応力が減衰しているので深くする必要性がない。
【0036】
ハブ輪1および内輪2は、Cが0.5〜0.8wt%の炭素鋼からなる。Cが0.5〜0.8wt%の炭素鋼であれば、軸受用高炭素クロム鋼であるSUJ2(C:0.95〜1.10wt%)よりも炭素量が少ない分、加工性が向上する。Cは、強度、耐摩耗性および転動疲労寿命を向上させる上で、0.5wt%以上必要であり、0.8wt%より多くなると、加工性、被削性および靭性が低下する点でこれを上限とする。
【0037】
また、図1の実施形態において、外輪5のアウトボード側端部に装着されたシール23のシールリップが摺接するハブ輪1の外周面、つまり、シールランド部から軌道面7を経て小径段部12に及ぶ領域に表面硬化層35を形成する。
【0038】
この表面硬化層35の各部をa〜dで示すと、a部はシール23のシールリップが摺接するシールランド部であるため、耐摩耗性が要求される。また、このシールランド部に表面硬化層35を形成すれば、車輪取付フランジ9の強度アップがより一層実現できる。b部は転動体3が転動する軌道面7であるため、耐寿命性が要求される。c部は内輪2と当接する部分であり、d部は内輪2またはハブ輪1と嵌合する部分であるため、耐クリープ性、耐フレッティング性が要求される。
【0039】
また、図2に示すようにハブ輪1の内周面に形成されたセレーション部28に表面硬化層36を設けている。このようにセレーション部28に表面硬化層36を形成すれば、耐摩耗性が向上し、その強度アップが図れ、さらに、この強度アップによるセレーション部28の有効長さを短くすることができる。ここで、セレーション部28に代えてスプライン部を採用することが可能であるため、セレーション部28というときはセレーション部またはスプライン部を意味するものとする。
【0040】
図3は、本発明に係る車輪軸受装置の参考例を示す。なお、図1と同一または相当部分には同一参照符号を付して重複説明は省略する。また、図3では、ブレーキロータ11およびナックル18(図1参照)を図示していない。同図に示す実施形態の車輪軸受装置は、アウトボード側の軌道面7をハブ輪1に直接的に形成した図1の実施形態と異なり、インボード側の軌道面8と同様、ハブ輪1の小径段部12に内輪2’を圧入し、その別体の内輪2’の外周面にアウトボード側の軌道面7を形成した構造を具備する。
【0041】
この実施形態の車輪軸受装置においては、車輪取付フランジ9のアウトボード側付け根部である隅部33だけでなく、前記車輪取付フランジ9のインボード側付け根部、つまり隅部38の付近にも表面硬化層37を形成している。このように車輪取付フランジ9の付け根部の両側、つまり、隅部33,38に表面硬化層34,37を形成すれば、車輪取付フランジ9の強度アップがより一層実現される。
【0042】
前記表面硬化層34〜37を形成するための熱処理は、高周波焼き入れが適している。表面硬化処理としての高周波熱処理は、誘導加熱の特色を有効に生かして表面硬化層34〜37を自由に選定し、耐摩耗性を与えたり疲れ強さを改善することができる。誘導加熱は、電磁誘導現象を利用して金属内で電気エネルギーを直接熱エネルギーに変えて発熱させる方法で、これを利用した高周波熱処理には多くの特徴がある。特に、局部加熱ができ、硬化層深さの選定が自由であり、また硬化層以外には著しく熱影響を与えないように制御できるので、母材の性能を保持できる。
【0043】
なお、図1に示す実施形態では、等速自在継手6の継手外輪15をハブ輪1にナット30により締着した場合について説明したが、本発明はこれに限定することなく、継手外輪15のステム部27の端部をハブ輪1に加締めることにより継手外輪15をハブ輪1に固定した構造でもよい。また、本発明は駆動輪用の車輪軸受装置に限らず、従動輪用の車輪軸受装置についても適用可能であり、車輪取付フランジが外方部材である外輪に設けられている外輪回転方式の場合には、その外輪における車輪取付フランジの付け根部に表面硬化層を形成することになる。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、前記内方部材は、その外周面に車輪取付フランジを有し、かつ、前記複列の軌道面のうち、アウトボード側の軌道面と、インボード側の軌道面が形成された内輪を圧入した小径段部とを有し、車輪取付フランジのブレーキロータ取付面から円筒状のパイロット部に延びる隅部に表面硬化層を形成し、その表面硬化層と離隔して、シールランド部から軌道面を経て小径段部に及ぶ領域に表面硬化層を形成したことにより、車輪取付フランジの形状・寸法を変更することなく、また、素材のハイカーボン化や強化元素の添加などの素材の改良を行うことなく、現行の加工方法や既存設備のままで、回転曲げ疲労の最弱部であるアウトボード側付け根部を高強度化することが容易となり、回転曲げ疲労に対する強度アップが図れる。その結果、車輪取付フランジのリブ化や薄肉化を実現することができ、車輪軸受装置の小型、軽量化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を説明するもので、駆動輪用の車輪軸受装置の構造例を示す断面図である。
【図2】 図1のハブ輪を示す部分拡大断面図である。
【図3】 本発明の参考例を示す断面図である。
【図4】 従来の車輪軸受装置で、駆動輪用の車輪軸受装置の構造例を示す断面図である。
Claims (5)
- 複列の軌道面13,14を内周面に形成した外方部材5と、その外方部材5の軌道面13,14と対向する軌道面7,8を外周面に形成した内方部材1,2と、前記外方部材5と内方部材1,2のそれぞれの軌道面間に介装された複列の転動体3,4とからなる車輪軸受装置において、
前記内方部材1は、その外周面に車輪取付フランジ9を有し、かつ、前記複列の軌道面7,8のうち、アウトボード側の軌道面7と、インボード側の軌道面8が形成された内輪2を圧入した小径段部12とを有し、車輪取付フランジ9のブレーキロータ取付面31から円筒状のパイロット部32に延びる隅部33に表面硬化層34を形成し、その表面硬化層34と離隔して、シールランド部から軌道面7を経て小径段部12に及ぶ領域に表面硬化層35を形成したことを特徴とする車輪軸受装置。 - 前記表面硬化層34の表面硬さがHRC40〜63で、その深さを0.3〜2mmの範囲としたことを特徴とする請求項1に記載の車輪軸受装置。
- 前記内方部材1,2は、Cが0.5〜0.8wt%の炭素鋼からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の車輪軸受装置。
- 前記内方部材1の内周面にセレーション部28を形成し、そのセレーション部28に表面硬化層36を形成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車輪軸受装置。
- 前記表面硬化層34〜37を高周波焼き入れにより形成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車輪軸受装置。
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