JP3988774B2 - 車両用走行制御装置 - Google Patents
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Description
自車と先行車との車間距離を検出し、前記車間距離を所定の目標車間距離に保つようスロットルあるいはブレーキを制御する車間制御手段と、運転者によって操作され前記車間制御を開始するための車間制御開始スイッチとを有し、前記車間制御開始スイッチのON操作で作動する車間制御型定速走行システムと、
自車両が走行車線内を維持するように自車両の横方向の偏位量を制御する横偏位量制御手段と、運転者によって操作され前記横偏位量制御を開始するための横偏位量制御開始スイッチとを有し、前記横偏位量制御開始スイッチのON操作で作動するレーンキープシステムと、を備えた車両用走行制御装置において、
前記車間制御型定速走行システムが作動中の場合のみ前記レーンキープシステムを作動可能とし、前記車間制御型定速走行システムのみを作動させる状態と、前記車間制御型定速走行システム及び前記レーンキープシステムの両方を作動させる状態とを選択可能なシステム作動総合制御手段を有し、
前記システム作動総合制御手段は、前記車間制御型定速走行システム及び前記レーンキープシステムの両方が作動中の状況で運転者による前記車間制御型定速走行システムの解除スイッチの操作が行われた場合、前記車間制御型定速走行システムを解除してから所定時間後に前記レーンキープシステムを解除することを特徴とする。
図1は実施の形態1の車両用走行制御装置を示す全体システム図で、全体システムは車間制御型定速走行システム(Adaptive Cruise Contro1 ;以下ACCと略す)10と、レーンキープシステム(以下L/Kと略す)40に大きく分けられる。
前記ACC操作スイッチ30(車間制御開始スイッチ)には、主電源SW31,SET/COAST SW32,RESUME/ACCELSW33,CANCELSW34(解除スイッチ)が取り付けられており、これら各SWの入力がそれぞれACC制御ユニット20に送られる。SET/COAST SW32及びRESUME/ACCELSW33は、押し始めはそれぞれSET 信号、RESUME信号を出力するが、連続的に押し続けることによって、それぞれCOAST 信号、ACCEL 信号を出力する。
前記ACC制御ユニット20からのスロットル制御指令値及びブレーキ制御指令値は、それぞれスロットル制御回路21とブレーキ制御回路22へと出力される。これら各指令値に基づき、車間距離あるいは車速が目標値になるように、エンジンのスロットル及びブレーキ液圧の制御が行われる。
前記L/K制御ユニット50は、モータコントローラ51へ制御指令値を出力する。モータコントローラ51は、L/K制御ユニット50からの制御指令値に基づいてモータ52の回転数を制御する。
L/K制御ユニット50での制御状態と、必要に応じて発令される警報は、警報・表示装置60へと出力される。警報・表示装置60は、警報音を発生させるスピーカ61と、制御状態と警報を表示するディスブレイ62で構成される。
L/K制御ユニット50はACC制御ユニット20が作動している状態で作動を開始し、スタンバイ状態となる。更に、画像処理ユニット42において車線を良好に認識できており、車速が最低車速V1以上の状態においてL/K操作スイッチ43を操作することにより、横偏位量維持制御を開始する。
主電源SW31が押されることにより、ACC制御ユニット20は作動を開始する。まず、ステップ101 で初期化処理を行う。ここでは、車速制御時の目標車速である、設定車速Vset を0に設定し、制御状態を示す変数MODEを"STAND BY"に設定する。ここで制御状態変数MODEは、車速制御あるいは車間制御のいずれかが行われている場合には"ON"を、行われていない場合には初期状態と同じ、"STAND BY"の値のどちらかの状態を示す。
次に、ステップ102 では、車速センサ12より現在の自車速Vを読み込む。ステップ103 では、ACC操作スイッチ30より、どのスイッチが押されているかの信号を読込む。ステップ104 では、制御状態変数MODEが、"STAND BY"か"ON"かどちらなのかを判断する。
ステップ111 〜115 では、制御開始するかどうかの判断を行っている。
ステップ111 で、自車速Vが作動最低車速V0 よりも大きいか否かを判断する。車速Vが最低車速V0 以下の場合、その後の処理を行わない。ステップ112 ではACC操作スイッチ30から読み込んだSW操作を判断する。SET 信号が入力されている場合には、ステップ114 で設定車速Vset を現在の自車速Vと同じ値に設定する。一方、RESUME信号が入力された場合、ステップ113 で設定車速Vset が0かどうか(初期状態のままかどうか)を判断する。Vset が0の場合には、その後の処理を行わない。Vset が0でない場合には、前回記録した設定車速が残されていることを意味するため、その値をそのまま使用し、ステップ115 へと進む。設定車速Vset が設定された後(あるいは、前回の値を使用する事になった後)、ステップ115 では、制御状態変数MODEを"ON"に変更し、今回の処理を終了して、次回の処理(ステップ102 )へ進む。
ステップ121 〜142 では、制御終了するかどうかの判断、制御内容の変更、車速/車間制御の切替えを行っている。
まず、ステップ121 で、ハンドル角/アクセル/ブレーキ各センサ13〜15からの出力値を読み込む。
次に、ステップ122 で、L/K制御ユニット50より、L/K制御状態を読み込む。
続いてステップ123 で車間距離センサ11からの車間距離検出値Dを読み込む。
ステップ124 では、車速/車間制御を停止するかどうかを決定するキャンセル条件を満たすかどうかを判定している。ここで、このキャンセル条件は、以下のような条件である。
・車速低下による解除条件
・運転者のブレーキ操作による解除条件
・CANCELSW入力による解除条件
上記の3条件のうちいずれかが満たされた場合には、ステップ141 へと進み、制御停止処理を行うが、満たされない場合には、ステップ125 以降の制御処理へと進む。
ここで、車間制御開始距離Dstart は、車間距離検出値Dの時問変化より求められた自車と先行車との相対速度Vr (接近時、正)の関数である。また、車間制御における目標車間距離Dset は、先行車車速Va (自車速Vから相対速度Vrを減じた値)の関数となる。例えば、比例関係とし、先行車車速Va に一定値である目標車間時間Tset を乗じる以下の式より求められる。
Dset =Va ×Tset
ここで、目標車間時問Tset は、例えば2秒程度に設定すればよい。また、車間制御開始距離Dstart と相対速度Vr の関係は、例えば2次関数の関係とすればよく、以下の式より求めることができる。
Dstart =Dset +Vr2/(2 α)
ここで、αは制御で発生する減速度目標値を意味する一定値であり、ブレーキ制御回路22で発生可能な減速度の最大値よりも小さな値に設定する。
車速制御は、先行車までの車間距離を制御する必要のない場合に、あらかじめ設定された設定車速Vset を維持して走行するための制御であり、この機能は従来からの定速走行装置(オートクルーズ装置)と同一である。自車速Vが設定車速Vset となるように、スロットル制御回路21への指令値をフィードバック制御し、一定の車速を保つ。
車速制御は、設定車速Vset よりも遅く走行する先行車が存在する場合に、その先行車までの車間距離を目標車間距離Dset になるように維持して走行する制御である。車間距離検出値Dが先行車の車速に応じて定まる、目標車間距離Dsetとなるように、スロットル制御回路21への指令値とブレーキ制御回路22への指令値をフィードバック制御し、一定の車速を保つ。ブレーキ制御回路22への指令値が出力とされるのは、先行車への接近度合いが大きく、エンジンブレーキでは吸収できない比較的大きな減速度が必要とされる場合である。
このように、ステップ132 あるいはステップ133 で車速/車間制御を行った後、ステップ134 で、L/K制御ユニット50に対し、ACCの制御状態を出力する。その後、ステップ102 へと戻って、次回の処理へと進む。ステップ123 で、前述したキャンセル条件に合致した場合、制御停止処理として、ステップ141 でスロットル、ブレーキの各制御量を0とし、その後ステップ142 で制御状態変数MODEを"STAND BY"に設定して、次回の処理へと進む。
まず、ステップ201 で画像処理ユニット42より前方道路画像の画像処理結果を入力する。次にステップ203 でL/K操作スイッチ43でのスイッチ操作量を入力する。更に、ステップ205 でACC制御ユニット20からACC制御状態を読み込む。
続いてステップ207 で、横偏位量維持制御を行うか否かの判定を行う。ここでの判定条件は、以下の条件である。
A.車線認識が良好に検出中
B.車速が第1の所定値V1 以上
C.L/K操作スイッチがオン状態
D.ACC制御中、または、ACCキャンセルスイッチ操作後所定時間内
上記のA〜Dの全てが満たされた場合には、ステップ209 へと進み、横偏位量維持制御を行うが、満たされない場合には、ステップ213 へと進む。
その後、ステップ209 で横偏位量維持制御を行う。ここでは、制御クラッチに対し、電動モータ53とステアリングシャフトが接続され、ステアリングを電動モー夕53により制御できるようにし、さらにモータコントローラ51に対して、電動モータ53で発生すべきトルクの制御指令値を出力する。制御指令値は、自車の自車線内横偏位量が一定となるように定められる。最後にACC制御ユニット20に対して、L/K制御状態を出力し今回の処理を終了する。
ステップ207 で横偏位量維持制御を行わないと判定された場合には、ステップ213 で必要に応じて警報処理を行い、今回の処理を終了する。
ここで、ステップ124 でのACCキヤンセル条件及びステップ207 でのL/K制御可能条件について、合わせて詳しく説明する。
ACCは所定車速V2以上でのみ作動する様に設定する。ここで、設定車速V2はL/Kの作動車速V1よりも小さく設定する。例えば、V2 を40km/h 、V1を50km/h に設定する。
更に、ACC及びL/Kの両方を制御している状態から車速がL/K作動車速V1未満となることにより、L/Kが解除された場合には、その後所定時間T1が経過するまで、車速がACC作動車速V2 未満となってもACCを解除しない。ここで、所定時間T1は、横方向制御が運転者に移行した後、縦方向制御を移行させても対応が可能となるための余裕を見た時間とし、例えば3秒程度に設定する。図5に車速低下による解除の状況を示す。
また、同様にACC及びL/Kの両方を制御している状態から車速がL/K作動車速V1 未満となることにより、L/Kが解除された場合で、L/Kの解除後、運転者によってL/K制御解除を意味するL/K操作スイッチ43の操作が行われた場合には、所定時間T1が経過する前であっても、L/K操作スイッチ43の操作から所定時間T2が経過した後であって、車速がACC作動車速V2 未満でACCを解除する。ここで、所定時間T2は、所定時間T1よりも小さい値、例えば1秒程度に設定する。
このように設定することにより、L/K制御の解除に伴って横制御が運転者に移行した後、運転者から移行を確認する操作が行われた場合には、前述した所定時間T1経過することを待つことなく、ACCの解除を行うことが可能となる。図6に本条件における解除の状況を示す。
運転者によるブレーキ操作が行われた場合には、即座にACC制御を解除する。この際、ブレーキ操作によって、縦方向制御は既に運転者に移行済であるから、横方向制御についても続いて移行しても構わない。従って、ACC及びL/Kの両方を制御している状態から、運転者によるブレーキ操作が行われた場合には、ACC制御を解除することにより、L/K制御可能条件のDが満たされなくなり、L/K制御も解除される。但し、この場合、運転者がL/K制御が解除されるとは思わずにブレーキ操作を行った場合もあり得るので、ステップ213 の警報処理では、L/K制御が解除された旨を伝える警報を、警報・表示装置60から出力する。
この警報は、本条件でACC及びL/Kを解除した後、運転者によるL/K操作スイッチ43をオフにする(押し込んでいたのを終了する)操作が行われた場合に、警報を停止させる。図7に本条件における解除の状況を示す。
また、運転者によるL/K操作スイッチ43をオフにする操作が行われる前に、ACC操作スイッチ30の操作により、SET またはRESUME入力が行われた場合には、運転者は制御が前の状態に復帰することを望んでいると判断し、ACCとL/Kの両方の制御を再開する。図8に本条件における解除からの復帰状況を示す。
運転者により、ACC操作スイッチ30でキャンセルスイッチ入力が行われた場合には、即座にACC制御を解除する。この際、ACC解除に伴って、車両の前後制御が運転者へ移行するため、同時に横制御の移行に対応させないため、L/K制御は所定時間T3だけ継続する様、L/K制御ユニット50へデータを出力する。
これにより、ステップ207 でのL/K制御可能条件のうち、ACCキャンセルスイッチ入力後所定時間というDの条件がクリアされるため、L/K制御は所定時間T3だけ継続される。ここで所定時間T3は、例えば10秒程度に設定し、運転者が横方向制御の移行を受け入れられるだけの余裕を確保する。この所定時間のあいだは、ステップ213 の警報処理において、L/K制御がこれから解除される旨を伝える警報を、警報・表示装置60から出力する。このことにより、運転者がL/K制御の解除に対応できるようになった時点で、L/K操作スイッチ43をオフにする操作が行われ、L/K制御が解除される。図9に本条件における解除の状況を示す。
一方、L/K制御が継続されている間に、ACC操作スイッチ30の操作により、SETまたはRESUME入力が行われた場合には、運転者は制御が前の状態に復帰することを望んでいると判断し、ACCの制御を再開し、ACCとL/Kが共に制御されている状態へ復帰する。図10に本条件における解除からの復帰状況を示す。
11 車間距離センサ
12 車速センサ
13 ハンドル角センサ
14 アクセルセンサ
15 ブレーキセンサ
20 ACC制御ユニット
21 スロットル制御回路
22 ブレーキ制御回路
30 ACC操作スイッチ
40 レーンキープシステム
41 CCDカメラ
42 画像処理ユニット
43 L/K操作スイッチ
44 ウインカスイッチ
50 L/K制御ユニット
51 モータコントローラ
52 モータ
53 操舵トルクセンサ
55 電磁クラッチ
59 ステアリングギアボックス
60 警報・表示装置
61 スピーカ
62 ディスプレイ
71 ステアリングホイール
Claims (4)
- 自車と先行車との車間距離を検出し、前記車間距離を所定の目標車間距離に保つようスロットルあるいはブレーキを制御する車間制御手段と、運転者によって操作され前記車間制御を開始するための車間制御開始スイッチとを有し、前記車間制御開始スイッチのON操作で作動する車間制御型定速走行システムと、
自車両が走行車線内を維持するように自車両の横方向の偏位量を制御する横偏位量制御手段と、運転者によって操作され前記横偏位量制御を開始するための横偏位量制御開始スイッチとを有し、前記横偏位量制御開始スイッチのON操作で作動するレーンキープシステムと、を備えた車両用走行制御装置において、
前記車間制御型定速走行システムが作動中の場合のみ前記レーンキープシステムを作動可能とし、前記車間制御型定速走行システムのみを作動させる状態と、前記車間制御型定速走行システム及び前記レーンキープシステムの両方を作動させる状態とを選択可能なシステム作動総合制御手段を有し、
前記システム作動総合制御手段は、前記車間制御型定速走行システム及び前記レーンキープシステムの両方が作動中の状況で運転者による前記車間制御型定速走行システムの解除スイッチの操作が行われた場合、前記車間制御型定速走行システムを解除してから所定時間後に前記レーンキープシステムを解除することを特徴とする車両用走行制御装置。 - 請求項1記載の車両用走行制御装置において、
運転者による前記解除スイッチの操作によって前記車間制御型定速走行システムが解除されたとき、前記レーンキープシステムが所定時間後に解除されることを運転者に報知する報知手段を有することを特徴とする車両用走行制御装置。 - 請求項1または請求項2記載の車両用走行制御装置において、
前記システム作動総合制御手段は、運転者による前記解除スイッチの操作によって前記車間制御型定速走行システムを解除し、前記所定時間が経過する前に、車間制御型定速走行システムの制御開始もしくは制御復帰操作がなされた場合には、車間制御型定速走行システム及びレーンキープシステムの両方の制御を再開することを特徴とする車両用走行制御装置。 - 請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両用走行制御装置において、
前記横偏位量制御開始スイッチは、前記レーンキープシステムを作動させるための押し込み式のスイッチであり、
前記横偏位量制御開始スイッチが押されている状態でのみ、前記レーンキープシステムの作動を可能とすることを特徴とする車両用走行制御装置。
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