JP3987919B2 - 金属カルボニル触媒による第三級カルボン酸および第三級カルボン酸エステルの合成方法並びに合成用触媒 - Google Patents

金属カルボニル触媒による第三級カルボン酸および第三級カルボン酸エステルの合成方法並びに合成用触媒 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、第三級カルボン酸およびそのエステルの合成方法並びに合成用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
第三級カルボン酸は、一般に強酸中で高圧の一酸化炭素とオレフィンとの反応により合成される。しかしながら、このような合成法においては、反応が高温、高圧条件下で行われるので、合成原料が重合することは避けられず、生成物として二量体や三量体のカルボン酸が副生し、更に第二級カルボン酸も副生する。従って、このような方法においては、第三級カルボン酸、特に合成原料より炭素数が1個増えた第三級カルボン酸の選択率が低い。
【0003】
第三級カルボン酸の誘導体は、カルボキシル基のα位に2つのアルキル基を有するために加水分解を受け難いので、耐酸性、耐熱性、耐候性を有する高級塗料、高級界面活性剤等の原料として注目されている。
【0004】
しかしながら、第二級カルボン酸がわずかでも混合していると、第二級カルボン酸の耐加水分解性が1桁低いために、製品の耐酸性、耐熱性、耐候性が激減する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、第三級カルボン酸ないしそのエステルを穏和な条件下で選択的に合成する方法および合成用触媒を提供することを主な目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような従来技術の問題点を解決乃至軽減しうる新たな方法を見い出すべく種々研究を重ねた結果、特定の陽イオン性金属カルボニル触媒の存在下において反応を行なう場合には、常温常圧下においても、第三級カルボン酸またはそのエステル、特に合成原料よりも炭素数が1個増加した第三級カルボン酸或いはそのエステルまたは合成原料よりも炭素数が2個増加した第三級ジカルボン酸またはそのエステルを高収率かつ選択的に合成し得ることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、下記の第三級カルボン酸またはエステルの合成方法並びに合成用触媒を提供するものである:
1.強酸中において、炭素数4以上のオレフィン類および炭素数4以上のアルコール類からなる群から選択される少なくとも一種の化合物に、一酸化炭素および水を反応させて第三級カルボン酸を合成する方法であって、反応を陽イオン性イリジウムカルボニル触媒、陽イオン性オスミウムカルボニル触媒、陽イオン性ルテニウムカルボニル触媒、陽イオン性鉄カルボニル触媒、陽イオン性レニウムカルボニル触媒、陽イオン性マンガンカルボニル触媒、陽イオン性タングステンカルボニル触媒、陽イオン性モリブデンカルボニル触媒、陽イオン性クロムカルボニル触媒および陽イオン性バナジウムカルボニル触媒からなる群から選択される少なくとも1種の陽イオン性金属カルボニル触媒の存在下において行なうことを特徴とする第三級カルボン酸の合成方法。
2.第三級カルボン酸が、第三級ジカルボン酸であり、炭素数4以上のオレフィン類および炭素数4以上のアルコール類からなる群から選択される少なくとも一種の化合物が、炭素数8以上のジオール、炭素数8以上のジエンおよび1つの二重結合を有し且つ1つの水酸基を有する炭素数8以上の化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物であることを特徴とする上記1に記載の第三級カルボン酸の合成方法。
3.強酸中において、アルコールおよび/またはオレフィンの共存下、少なくとも一種の炭素数4以上の飽和炭化水素化合物に、一酸化炭素および水を反応させて第三級カルボン酸を合成する方法であって、反応を陽イオン性イリジウムカルボニル触媒、陽イオン性オスミウムカルボニル触媒、陽イオン性ルテニウムカルボニル触媒、陽イオン性鉄カルボニル触媒、陽イオン性レニウムカルボニル触媒、陽イオン性マンガンカルボニル触媒、陽イオン性タングステンカルボニル触媒、陽イオン性モリブデンカルボニル触媒、陽イオン性クロムカルボニル触媒および陽イオン性バナジウムカルボニル触媒からなる群から選択される少なくとも1種の陽イオン性金属カルボニル触媒の存在下において行なうことを特徴とする第三級カルボン酸の合成方法。
4.強酸が、硫酸、硫酸−りん酸、フッ化水素、フルオロ硫酸、三フッ化ホウ素・水錯体およびトリフルオロメタンスルホン酸からなる群から選択される少なくとも1種である上記1〜3のいずれかに記載の第三級カルボン酸の合成方法。
5.陽イオン性金属カルボニル触媒が、中性イリジウムカルボニル錯体、中性オスミウムカルボニル錯体、中性ルテニウムカルボニル錯体、中性鉄カルボニル錯体、中性レニウムカルボニル錯体、中性マンガンカルボニル錯体、中性タングステンカルボニル錯体、中性モリブデンカルボニル錯体、中性クロムカルボニル錯体および中性バナジウムカルボニル錯体からなる群から選択される少なくとも一種の中性金属カルボニル錯体から形成された陽イオン性金属カルボニル触媒である上記1〜4のいずれかに記載の第三級カルボン酸の合成方法。
6.陽イオン性イリジウムカルボニル触媒、陽イオン性オスミウムカルボニル触媒、陽イオン性ルテニウムカルボニル触媒、陽イオン性鉄カルボニル触媒、陽イオン性レニウムカルボニル触媒、陽イオン性マンガンカルボニル触媒、陽イオン性タングステンカルボニル触媒、陽イオン性モリブデンカルボニル触媒、陽イオン性クロムカルボニル触媒および陽イオン性バナジウムカルボニル触媒からなる群から選択される少なくとも1種の陽イオン性金属カルボニル触媒からなる第三級カルボン酸合成用触媒。
7.強酸中において、炭素数4以上のオレフィン類および炭素数4以上のアルコール類からなる群から選択される少なくとも一種の化合物に、一酸化炭素およびアルコールを反応させて第三級カルボン酸エステルを合成する方法であって、反応を陽イオン性イリジウムカルボニル触媒、陽イオン性オスミウムカルボニル触媒、陽イオン性ルテニウムカルボニル触媒、陽イオン性鉄カルボニル触媒、陽イオン性レニウムカルボニル触媒、陽イオン性マンガンカルボニル触媒、陽イオン性タングステンカルボニル触媒、陽イオン性モリブデンカルボニル触媒、陽イオン性クロムカルボニル触媒および陽イオン性バナジウムカルボニル触媒からなる群から選択される少なくとも1種の陽イオン性金属カルボニル触媒の存在下において行なうことを特徴とする第三級カルボン酸エステルの合成方法。
8.第三級カルボン酸エステルが、第三級ジカルボン酸ジエステルであって、炭素数4以上のオレフィン類および炭素数4以上のアルコール類からなる群から選択される少なくとも一種の化合物が、炭素数8以上のジエン、炭素数8以上のジオールおよび1つの二重結合を有し且つ1つの水酸基を有する炭素数8以上の化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物であることを特徴とする上記7に記載の第三級カルボン酸エステルの合成方法。
9.強酸中において、アルコールおよび/またはオレフィンの共存下、少なくとも一種の炭素数4以上の飽和炭化水素化合物と一酸化炭素およびアルコールを反応させて第三級カルボン酸エステルを合成する方法であって、反応を陽イオン性イリジウムカルボニル触媒、陽イオン性オスミウムカルボニル触媒、陽イオン性ルテニウムカルボニル触媒、陽イオン性鉄カルボニル触媒、陽イオン性レニウムカルボニル触媒、陽イオン性マンガンカルボニル触媒、陽イオン性タングステンカルボニル触媒、陽イオン性モリブデンカルボニル触媒、陽イオン性クロムカルボニル触媒および陽イオン性バナジウムカルボニル触媒からなる群から選択される少なくとも1種の陽イオン性金属カルボニル触媒の存在下において行なうことを特徴とする第三級カルボン酸エステルの合成方法。
10.強酸が、硫酸、硫酸−りん酸、フッ化水素、フルオロ硫酸、三フッ化ホウ素・水錯体およびトリフルオロメタンスルホン酸からなる群から選択される少なくとも1種である上記7〜9に記載の第三級カルボン酸エステルの合成方法。
11.陽イオン性金属カルボニル触媒が、中性イリジウムカルボニル錯体、中性オスミウムカルボニル錯体、中性ルテニウムカルボニル錯体、中性鉄カルボニル錯体、中性レニウムカルボニル錯体、中性マンガンカルボニル錯体、中性タングステンカルボニル錯体、中性モリブデンカルボニル錯体、中性クロムカルボニル錯体および中性バナジウムカルボニル錯体からなる群から選択される少なくとも一種の中性金属カルボニル錯体から形成された陽イオン性金属カルボニル触媒である上記7〜10のいずれかに記載の第三級カルボン酸エステルの合成方法。
12.陽イオン性イリジウムカルボニル触媒、陽イオン性オスミウムカルボニル触媒、陽イオン性ルテニウムカルボニル触媒、陽イオン性鉄カルボニル触媒、陽イオン性レニウムカルボニル触媒、陽イオン性マンガンカルボニル触媒、陽イオン性タングステンカルボニル触媒、陽イオン性モリブデンカルボニル触媒、陽イオン性クロムカルボニル触媒および陽イオン性バナジウムカルボニル触媒からなる群から選択される少なくとも1種の陽イオン性金属カルボニル触媒からなる第三級カルボン酸エステル合成用触媒。
13.超強酸中において、少なくとも1種の炭素数4以上の飽和炭化水素化合物と一酸化炭素と水とを反応させることにより、第三級カルボン酸を合成する方法において、反応を陽イオン性イリジウムカルボニル触媒、陽イオン性オスミウムカルボニル触媒、陽イオン性ルテニウムカルボニル触媒、陽イオン性鉄カルボニル触媒、陽イオン性レニウムカルボニル触媒、陽イオン性マンガンカルボニル触媒、陽イオン性タングステンカルボニル触媒、陽イオン性モリブデンカルボニル触媒、陽イオン性クロムカルボニル触媒および陽イオン性バナジウムカルボニル触媒からなる群から選択される少なくとも1種の陽イオン性金属カルボニル触媒の存在下に行うことを特徴とする第三級カルボン酸の合成方法。
14.超強酸中において、少なくとも1種の炭素数4以上の飽和炭化水素化合物と一酸化炭素とアルコールとを反応させることにより第三級カルボン酸エステルを合成する方法において、反応を陽イオン性イリジウムカルボニル触媒、陽イオン性オスミウムカルボニル触媒、陽イオン性ルテニウムカルボニル触媒、陽イオン性鉄カルボニル触媒、陽イオン性レニウムカルボニル触媒、陽イオン性マンガンカルボニル触媒、陽イオン性タングステンカルボニル触媒、陽イオン性モリブデンカルボニル触媒、陽イオン性クロムカルボニル触媒および陽イオン性バナジウムカルボニル触媒からなる群から選択される少なくとも1種の陽イオン性金属カルボニル触媒の存在下において行なうことを特徴とする第三級カルボン酸エステルの合成方法。
15.超強酸が、硫酸−三酸化硫黄、ClSO3H、100%FSO3H、FSO3H−SO3、FSO3H−SbF5及びHF−SbF5からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記13または14に記載の合成方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、第三級カルボン酸または第三級カルボン酸エステルの合成方法であって、反応を陽イオン性イリジウムカルボニル触媒、陽イオン性オスミウムカルボニル触媒、陽イオン性ルテニウムカルボニル触媒、陽イオン性鉄カルボニル触媒、陽イオン性レニウムカルボニル触媒、陽イオン性マンガンカルボニル触媒、陽イオン性タングステンカルボニル触媒、陽イオン性モリブデンカルボニル触媒、陽イオン性クロムカルボニル触媒および陽イオン性バナジウムカルボニル触媒からなる群から選択される少なくとも1種の陽イオン性金属カルボニル触媒の存在下において行うことを特徴とする。以下、上記陽イオン性金属カルボニル触媒を「本発明の陽イオン性金属カルボニル触媒」ということがある。
【0009】
本発明の陽イオン性金属カルボニル触媒は、第三級カルボン酸合成用触媒としても第三級カルボン酸エステル合成用触媒としても用いることができる。本発明において用いる陽イオン性金属カルボニル触媒は、用いる合成原料の種類などに応じて適宜選択することができる。例えば、収率などの点からは、陽イオン性イリジウムカルボニル触媒、陽イオン性オスミウムカルボニル触媒、陽イオン性鉄カルボニル触媒および陽イオン性モリブデンカルボニル触媒が好ましく、中でも特に、陽イオン性イリジウムカルボニル触媒および陽イオン性モリブデンカルボニル触媒が好ましい。経済性などの点からは、陽イオン性鉄カルボニル触媒、陽イオン性クロムカルボニル触媒、陽イオン性モリブデンカルボニル触媒および陽イオン性マンガンカルボニル触媒が好ましく、中でも特に、陽イオン性鉄カルボニル触媒および陽イオン性モリブデンカルボニル触媒が好ましい。
【0010】
本発明において用いる陽イオン性金属カルボニル触媒は、単核カルボニル錯体であっても、多核カルボニル錯体(カルボニルクタラスター錯体)であってもよい。陽イオン性金属カルボニル触媒として、例えば、金属カルボニルヒドリド錯体、中心金属Mが+1以上の形式酸化数を有するカルボニル陽イオン錯体などを例示できる。金属カルボニルヒドリド錯体としては、例えば[Mx(CO)yHa]a+(x=1, 2, 3, 4、y=5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12、a =1, 2)などを例示できる。カルボニル陽イオン錯体として、例えば[M(CO)n]b+(n=1, 2, 3, 4, 5, 6、b=1, 2, 3)など)などを例示することができる。陽イオン性金属カルボニル触媒の中心金属であるMとして、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、鉄、レニウム、マンガン、タングステン、モリブデン、クロム、バナジウムなどを例示することができる。陽イオン性金属カルボニル触媒は、単独で用いてもよく、或いは2種以上を併用しても良い。
【0011】
本発明において用いる陽イオン性金属カルボニル触媒は、例えば以下のようにして形成する。金属カルボニルヒドリド錯体は、例えば、中性金属カルボニル錯体(中性の金属カルボニルクラスター錯体を含む。以下、同様)が、強酸中においてプロトン化を受けて形成される(式1)。具体例には、硫酸などの強酸中において、中性のIr4(CO)12から陽イオン性イリジウムカルボニルヒドリド錯体[Ir4(CO)12Ha]a+(a=1,2)が形成される。
【0012】
カルボニル陽イオン錯体は、例えば、強酸中において、三酸化硫黄、S2O6F2などの酸化剤の共存下、中性の金属カルボニル錯体から、カルボニル陽イオン錯体が生じる(式2)。具体的には、強酸中において、三酸化硫黄、S2O6F2などの酸化剤の共存下、中性のIr4(CO)12から陽イオン性イリジウムカルボニルヒドリドが生成する他、イリジウムカルボニル陽イオン錯体[Ir(CO)n]b+(n=1, 2, 3, 4, 5,
6、b=1, 2, 3)が形成する。
【0013】
或いは、三酸化硫黄、S2O6F2などの酸化剤を共存させなくても、強酸中において中性金属カルボニル錯体の中心金属Mが、H+によって酸化され、カルボニル陽イオン錯体が形成される場合もある(式3)。例えば、Fe3(CO)12の場合、中心金属Fe(0)がH+によって酸化され、陽イオン性鉄カルボニル錯体[Fe(CO)n]b+(n=1, 2,
3, 4, 5, 6、b=1, 2, 3)が形成される。
【0014】
【化1】
Figure 0003987919
【0015】
[式中、x=1, 2, 3, 4、y=5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12、a =1, 2、n=1, 2, 3, 4, 5, 6、b=1, 2, 3]
本発明において用いる陽イオン性金属カルボニル触媒の原料となる中性金属カルボニル錯体(中性金属カルボニルクラスターを含む)として、以下の錯体を例示できる。陽イオン性イリジウムカルボニル触媒は、例えば、中性錯体であるIr4(CO)12クラスター錯体から形成される。陽イオン性オスミウムカルボニル触媒は、例えば、中性錯体であるOs(CO)5、Os3(C O)12などのオスミウムカルボニルまたはカルボニルクラスター錯体の少なくとも1種から形成される。陽イオン性ルテニウムカルボニル触媒は、例えば、中性錯体であるRu(CO)5、Ru3(CO)12等のルテニウムカルボニルまたはカルボニルクラスター錯体の少なくとも1種から形成される。陽イオン性鉄カルボニル触媒は、例えば、中性錯体であるFe(CO)5、Fe2(CO)9、Fe3(CO)12等の鉄カルボニルまたはカルボニルクラスター錯体の少なくとも1種から形成される。陽イオン性レニウムカルボニル触媒は、例えば、中性錯体であるRe2(CO)10錯体から形成される。陽イオン性マンガンカルボニル触媒は、例えば、中性錯体であるMn2(CO)10錯体から形成された陽イオン錯体である。陽イオン性タングステンカルボニル触媒は、例えば、中性錯体であるW(CO)6錯体から形成される。陽イオン性モリブデンカルボニル触媒は、例えば、中性錯体であるMo(CO)6錯体から形成される。陽イオン性クロムカルボニル触媒は、例えば、中性錯体であるCr(CO)6錯体から形成される。陽イオン性バナジウムカルボニル触媒は、例えば、中性錯体であるV(CO)6錯体から形成される。
【0016】
本発明において用いる陽イオン性金属カルボニル触媒は、例えば、少なくとも1種の中性の金属カルボニル錯体を直接反応系に加えることによっても得られるが、予め強酸中、必要に応じて三酸化硫黄、S2O6F2などの酸化剤の存在下、少なくとも1種の中性金属カルボニル錯体と一酸化炭素とを反応させた溶液を使用してもよい。予め調製した陽イオン性金属カルボニル触媒は、単離して用いてもよいが、単離することなくその調製溶液をそのまま使用してもよい。これらの方法のなかでは、予め調整した陽イオン性金属カルボニル触媒の調製液を用いる方法が、好ましい。
【0017】
強酸中において三酸化硫黄、S2O6F2などを共存させると超強酸となる。合成原料として、炭素数4以上のオレフィン類および炭素数4以上のアルコール類からなる群から選択される少なくとも一種の化合物を用いる場合には、希硫酸などの低濃度の酸を用いて酸の濃度を100%以下に希釈し、触媒の調製液を「強酸」としてから用いるのが好ましい。合成原料として、炭素数4以上の飽和炭化水素化合物を用いる場合には、超強酸のまま用いてもよく、或いは上記と同様の方法によって「強酸」としてから用いても良い。
【0018】
陽イオン性金属カルボニル触媒を予め調製する場合の反応温度は、特に制限されず、常温でも反応は進行する。反応温度は、一般に-10〜70℃程度であり、好ましくは5〜40℃程度である。反応圧力は、特に制限されず、通常0.01〜1MPa程度、好ましくは0.05〜0.5MPa程度である。原料となる中性の金属カルボニル錯体によっては、一酸化炭素が不要のものもあるが、一酸化炭素存在下において調製するのが好ましい。一酸化炭素分圧は、特に制限されず、通常0.005〜0.5MPa程度、好ましくは0.02〜0.2MPa程度である。この反応は、一酸化炭素分圧が0.1MPa(1気圧)より低くても進行する。反応は、空気や酸素との共存下でも進行するが、窒素やアルゴンなどの不活性ガスとの共存下で行ってもよい。反応時間は、通常0.1〜2時間程度、好ましくは0.4〜1時間程度である。
【0019】
陽イオン性金属カルボニル触媒を調製する際に使用する強酸は、特に制限されない。例えば、硫酸、硫酸−リン酸、フッ化水素、三フッ化ホウ素・水錯体、フルオロ硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が例示できる。強酸は、単独で用いてもよく、或いは2種以上を混合して用いてもよい。強酸の濃度は、通常約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約95%以上である。強酸の量は、特に制限されないが、触媒1mmolに対して通常10〜200ml程度、好ましくは30〜100ml程度である。
【0020】
本発明は、第三級カルボン酸または第三級カルボン酸エステルを合成する方法であって、合成原料として「炭素数4以上のオレフィン類および炭素数4以上のアルコール類からなる群から選択される少なくとも一種の化合物」を用いる態様(以下「第一発明」ということがある)と「少なくとも一種の炭素数4以上の飽和炭化水素化合物」を用いる態様(以下「第二発明」ということがある)とがある。以下、第一発明および第二発明をあわせて「本発明」ということがある。
【0021】
第一発明においては、強酸中において、第三級カルボン酸または第三級カルボン酸エステルを合成することができる。第二発明においては、強酸中或いは超強酸中において第三級カルボン酸または第三級カルボン酸エステルを合成することができる。
【0022】
本発明において用いる強酸は、特に制限されない。強酸としては、例えば、硫酸、硫酸−リン酸、フッ化水素、三フッ化ホウ素・水錯体、フルオロ硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が例示できる。強酸は、単独で用いてもよく、或いは2種以上を混合して用いてもよい。強酸の濃度は、特に制限されないが、高濃度であることが好ましい。強酸の濃度は、通常70%以上程度、好ましくは80%以上程度、より好ましくは95%以上程度である。強酸は、触媒活性種の生成に際しても必要であるが、反応中間体であるカルボカチオンを生成、あるいは安定化させるためにも必要である。第三級カルボン酸またはそのエステル合成時の強酸の量は、特に制限されないが、触媒1mmolに対して、通常10〜200ml程度、好ましくは30〜100ml程度である。
【0023】
本発明において用いる陽イオン性金属カルボニル触媒の量は、特に制限されず、合成原料の種類などに応じて適宜設定することができる。陽イオン性金属カルボニル触媒:合成原料(炭素数4以上のオレフィン類、炭素数4以上のアルコール類および炭素数4以上の飽和炭化水素化合物の総量)のモル比は、通常1:2〜1:100程度、好ましくは1:5〜1:50程度である。
【0024】
本発明の第一発明には、強酸中において、炭素数4以上のオレフィン類および炭素数4以上のアルコール類からなる群から選択される少なくとも一種の化合物に一酸化炭素および水を反応させて第三級カルボン酸を合成する方法であって、反応を本発明の陽イオン性金属カルボニル触媒の存在下において行うことを特徴とする第三級カルボン酸の合成方法が含まれる。
【0025】
本発明の第一発明には、強酸中において、炭素数4以上のオレフィン類および炭素数4以上のアルコール類からなる群から選択される少なくとも一種の化合物に、一酸化炭素を反応させた後にアルコール(R4OH)を添加することにより第三級カルボン酸エステルを合成する方法であって、反応を本発明の陽イオン性金属カルボニル触媒の存在下において行なうことを特徴とする第三級カルボン酸エステルの合成方法が含まれる。
【0026】
強酸中において、炭素数4以上のオレフィンにプロトンが付加することによりカルボカチオンが生成する。強酸中において、アルコールにプロトンが付加し、次いで脱水を経て、カルボカチオンを与える。この様にして生成したカルボカチオンは、強酸溶液中で第三級カルボカチオンに異性化した後、一酸化炭素および水と反応して第三級カルボン酸を与える。陽イオン性金属カルボニル触媒の存在下では、上記反応が著しく加速される。第三級カルボカチオンと一酸化炭素とアルコール(R4OH)とが反応すれば、第三級カルボン酸エステルが得られる。以下に、その一例を示す。
【0027】
【化2】
Figure 0003987919
【0028】
[式中、Ra、Rb、RcおよびRdは、各々同一または相異なって、水素原子、直鎖アルキル基、分枝状アルキル基、環状アルキル基などを示す。または、RaとRbおよび/またはRcとRdは、一緒になって環状アルキル基を形成していても良い。またはRaとRcは、一緒になって環状アルケンを形成していても良い。但し、Ra、Rb、RcおよびRdの炭素数の合計は、2以上である。ROHは、炭素数4以上の一級アルコール、二級アルコール、三級アルコールなどを示す。R1、R2およびR3は、各々同一または相異なって、直鎖アルキル基、分枝状アルキル基、環状アルキル基などを示すか、或いはR1とR2は一緒になって環状アルキル基を形成していても良い。R4OHは、一級アルコール、二級アルコール、三級アルコールなどを示す。]
第一発明において合成原料として使用する炭素数4以上のオレフィン類は、二重結合を少なくとも1有する脂肪族不飽和炭化水素であれば特に制限されない。例えば、炭素数4以上の未端オレフィン、内部オレフィン、環状オレフィンなどを例示することができる。より具体的には、l−ブテン、2−ブテン、l−へキセン、2−エチル−l−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、ブテンダイマー、ブテントリマー、プロピレンダイマー、プロピレントリマー、シクロヘキセン、シクロオクテンなどが挙げられる。
【0029】
第一発明において、合成原料として、炭素数が8以上のジエンを用いた場合には、第三級ジカルボン酸またはそのエステルを合成することができる。第三級ジカルボン酸またはそのエステルを合成する場合には、炭素数が8以上であって、5以上のC-C結合を隔てた炭素にそれぞれ二重結合を有するジエン、炭素数が8以上であって環状構造を有するジエンなどが好ましい。炭素数8以上のジエンとして、1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン、1,11-ドデカジエン、1,12-トリデカジエン、リモネンなどが挙げられる。
【0030】
第一発明において合成原料として使用する炭素数4以上のアルコール類は、特に制限されず、例えば、炭素数4以上の一級アルコール、二級アルコール、三級アルコール、環状アルコールなどが挙げられる。より具体的には、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-2-プロパノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-メチル-3-ブタノール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、3-メチル-3-ペンタノール、1-ヘプタノール、2-ヘプタノール、3-メチル-3-ヘキサノール、1-オクタノール、2-オクタノール、2-メチル-1-ヘキサノール、2-エチル-1-ヘキサノール、1-デカノール、2-デカノール、2-ドデカノール、1-ノニルアルコール、1-ドデカノール、シクロヘキサノールなどが挙げられる。
【0031】
第一発明において、合成原料として、炭素数が8以上のジオールを用いた場合には、第三級ジカルボン酸或いはそのエステルを合成することができる。第三級ジカルボン酸或いはそのエステルを合成する場合には、炭素数が8以上であって、6以上のC-C結合を隔てた炭素にそれぞれ水酸基を有するジオールが好ましい。炭素数が8以上のジオールとして、例えば、1,8-オクタジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、2,9-ジメチルデカン-2,9-ジオール、1,5-シクロオクタジオール、1,6-シクロデカンジオールなどが挙げられる。
【0032】
第一発明において、合成原料であるオレフィン類またはアルコール類として、1つの二重結合を有し且つ1つの水酸基を有する炭素数8以上の化合物、好ましくは炭素数が8以上であって5以上のC-C結合を隔てた炭素に1つの水酸基と1つの二重結合を有する化合物を用いた場合には、第三級ジカルボン酸またはそのエステルを合成することができる。この様な化合物としては、例えば、7-オクテン-1-オール、7-オクテン-2-メチル-1-オール、8-ノネン-1-オール、9-デケン-1-オール、4-(1-プロペニル)-シクロヘキサン-1-オールなどを例示することができる。
【0033】
本発明の第二発明は、合成原料として少なくとも一種の炭素数4以上の飽和炭化水素化合物を用いる第三級カルボン酸または第三級カルボン酸エステルの合成方法である。
【0034】
第二発明において、合成原料として使用する飽和炭化水素化合物は、第三級水素を有している炭素数4以上の飽和炭化水素化合物であれば特に制限されない。例えば、以下の化合物が挙げられる。
【0035】
【化3】
Figure 0003987919
【0036】
[式中、R1、R2およびR3は、各々同一または相異なって、直鎖アルキル基、分枝状アルキル基および環状アルキル基のいずれかを示すか、またはR1とR2が結合し環状アルキルを形成していてもよい。]
具体的には、iso-ブタン、2-エチルヘキサン、3-エチルヘキサンなどの分枝状C4-20飽和炭化水素化合物、メチルシクロヘキサン、メチルシクロペンタン、エチルシクロヘキサン、エチルシクロペンタン、メチルシクロオクタンなどのC4-10環状飽和炭化水素化合物のC1-6アルキル置換体などが挙げられる。
【0037】
第二発明における第三級カルボン酸または第三級カルボン酸エステルの合成方法は、反応を強酸中または超強酸中において行うことができる。第二発明において、強酸中で第三級カルボン酸または第三級カルボン酸エステルを合成する場合には、反応をアルコールおよび/またはオレフィンの共存下において行う。第二発明において、超強酸中で第三級カルボン酸または第三級カルボン酸エステルを合成する場合には、アルコールおよび/またはオレフィンの共存は不要である。
【0038】
まず、第二発明において強酸中で反応を行う態様について述べる。本発明の第二発明には、強酸中において、アルコールおよび/またはオレフィンの共存下、少なくとも1種の炭素数4以上の飽和炭化水素化合物に一酸化炭素および水を反応させて第三級カルボン酸を合成する方法であって、反応を本発明の陽イオン性金属カルボニル触媒の存在下において行うことを特徴とする第三級カルボン酸の合成方法が含まれる。
【0039】
さらに、本発明の第二発明には、強酸中において、アルコールおよび/またはオレフィンの共存下、少なくとも1種の炭素数4以上の飽和炭化水素化合物に、一酸化炭素およびアルコール(R4OH)を反応させて第三級カルボン酸エステルを合成する方法であって、反応を本発明の陽イオン性金属カルボニル触媒の存在下において行うことを特徴とする第三級カルボン酸エステルの合成方法が含まれる。
【0040】
強酸中において、飽和炭化水素を合成原料とした場合の第三級カルボン酸の合成反応は、以下のように進行すると考えられる。第三級水素を持つ飽和炭化水素化合物は、強酸中、オレフィンおよび/またはアルコール共存下、第三級水素を引き抜かれて第三級カルボカチオンを与える。これは、オレフィンまたはアルコールから生じたカルボカチオンが飽和炭化水素の第三級水素を引き抜くからである。飽和炭化水素化合物より生じた第三級カルボカチオンが、陽イオン性金属カルボニル触媒下、一酸化炭素および水と反応して第三級カルボン酸を与える。飽和炭化水素化合物より生じた第三級カルボカチオンを水の代わりに、アルコール(R4OH)と反応させると第三級カルボン酸エステルが得られる。飽和炭化水素として、例えば、メチルシクロヘキサンを用いた場合の反応式を式4に示す。
【0041】
【化4】
Figure 0003987919
【0042】
[式中、R+は、共存させるオレフィンまたはアルコールから生じたカルボカチオンを示す。]
第二発明の強酸中で反応を行う態様において、共存させるオレフィンまたはアルコールは、強酸中においてカルボカチオンを生成するものであれば特に制限されないが、炭素数が4以上であって、強酸中において第三級カルボカチオンを生成するものが好ましい。共存させるオレフィンとしては、具体的には、1 -ブテン、2-ブテン、1-ヘキセン、2-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、プロピレンダイマー、プロピレントリマー、プロピレンテトラマー、ブテンダイマー、ブテントリマー、シクロヘキセン、シクロオクテンなどが挙げられる。共存させるアルコールとしては、具体的には、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-2-プロパノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-メチル-3-ブタノール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、3-メチル-3-ペンタノール、1-ヘプタノール、2-ヘプタノール、3-メチル-3-ヘキサノール、1-オクタノール、2-オクタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、1-デカノール、2-デカノール、1-ノニルアルコール、1-ドデカノール、2-ドデカノール、シクロヘキサノールなどが挙げられる。
【0043】
次に、第二発明において超強酸中で反応を行う態様について述べる。第二発明には、超強酸中において、少なくとも1種の炭素数4以上の飽和炭化水素化合物と一酸化炭素と水とを反応させることにより第三級カルボン酸を合成する方法であって、反応を本発明の陽イオン性金属カルボニル触媒の存在下において行なうことを特徴とする第三級カルボン酸の合成方法が含まれる。さらに、第二発明には、超強酸中において、少なくとも1種の炭素数4以上の飽和炭化水素化合物と一酸化炭素とアルコールとを反応させることにより第三級カルボン酸エステルを合成する方法であって、反応を本発明の陽イオン性金属カルボニル触媒の存在下において行なうことを特徴とする第三級カルボン酸エステルの合成方法が含まれる。
【0044】
第二発明において用いる超強酸は、特に制限されないが、例えば、硫酸−三酸化硫黄、ClSO3H、100%FSO3H、FSO3H−SO3、FSO3H−SbF5及びHF−SbF5などを例示することができる。これらの超強酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
【0045】
本発明のカルボン酸の合成方法においては、オレフィン類、アルコール類、飽和炭化水素などの合成原料と一酸化炭素と水とを反応させることにより第三級カルボン酸が得られる。反応に消費される水は、反応系に存在する強酸中の水で十分足りる場合があるが、強酸溶液中の水が不足の場合や反応を完全に停止させたい場合などには、合成原料と一酸化炭素とを反応させた後の反応混合液に対して、水を添加してもよい。
【0046】
本発明のカルボン酸エステルの合成方法においては、オレフィン類、アルコール類、飽和炭化水素などの合成原料と一酸化炭素とアルコール(R4OH)とを反応させることにより第三級カルボン酸エステルが得られる。第三級カルボン酸エステルを合成する際に合成原料と反応させるアルコール(R4OH)は、特に制限されず、一級アルコール、二級アルコール、三級アルコールなどのアルコールを使用することができる。R4は、例えば、直鎖アルキル基、分枝状アルキル基などを示す。この様なアルコールとして、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールなどを例示できる。これらのなかでは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールが好ましい。アルコール(R4OH)は、合成原料および一酸化炭素に対して直接添加してもよいし、合成原料と一酸化炭素とを反応させた後の反応液に対して添加してもよい。アルコール(R4OH)の添加量は、特に制限されず、合成原料の種類や量などにより適宜設定することができる。アルコールの添加量は、大過剰が好ましく、具体的には、合成原料に対して、重量比で通常2倍以上程度、好ましくは5〜20倍程度である。
【0047】
本発明の合成方法における反応圧力は、特に制限されず、常圧においても十分に反応は進行し、用いる合成原料の種類や量などにより適宜設定することができる。反応圧力は、通常0.01〜1MPa程度、好ましくは0.05〜0.5MPa程度である。一酸化炭素分圧は、特に制限されないが、通常0.01〜1MPa程度、好ましくは0.05〜0.5MPa程度である。アルゴンなどの希ガス、窒素などの不活性ガス、空気などが共存して、一酸化炭素分圧が低い場合には、一酸化炭素分圧を高くすることにより、反応速度を加速することができる。本発明で使用する陽イオン性金属カルボニル触媒は、酸化され難いため、酸素共存下においても十分な触媒能を発揮する。
【0048】
本発明の合成方法における反応温度は、特に制限されず、常温でも十分に反応は進行し、用いる合成原料の種類や量などにより適宜設定することができる。反応温度は、通常-10〜60℃程度、好ましくは5〜40℃程度である。
【0049】
本発明の合成方法における反応時間は、特には制限されず、用いる合成原料の種類や量などにより適宜設定することができるが、通常0.1〜2時間程度、好ましくは0.4〜1時間程度である。
【0050】
本発明の第三級カルボン酸または第三級カルボン酸エステルの合成方法は、例えば、以下のようにして行うことができる。密封可能な反応容器中の空気を真空ポンプにより排気し、一酸化炭素を導入した後に、強酸と中性金属カルボニル錯体を入れ激しく攪拌する。中性金属カルボニル錯体は、プロトン化され陽イオン性金属カルボニルヒドリド錯体を形成し、または中心金属が酸化されて陽イオン性金属カルボニル錯体を形成する。この触媒溶液に、オレフィン類などの合成原料を徐々に加えると、一酸化炭素と合成原料とが反応する。この反応混合物に、例えば氷水を加えると第三級カルボン酸が得られ、反応混合物にアルコールを加えると、第三級カルボン酸エステルが得られる。生成物は、必要に応じて、抽出などの公知の方法によって精製することができる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、オレフィン類、アルコール類および飽和炭化水素からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を合成原料として使用し、これと一酸化炭素と水またはアルコールとを反応させて第三級カルボン酸またはそのエステルを合成するに際し、反応系に特定の陽イオン性金属カルボニル触媒を存在させることによって、常温常圧のような穏和な条件下においても、第三級カルボン酸またはそのエステル、特に合成原料よりも炭素数が1または2増加した第三級カルボン酸またはそのエステルを選択的に且つ高収率で得ることができる。
【0052】
本発明で使用する陽イオン性金属カルボニル触媒は、空気の共存下でも触媒機能が低下することなく使用することができる。
【0053】
本発明において用いる陽イオン性金属カルボニル触媒は、反応終了後、例えば、陽イオン性金属カルボニルヒドリド錯体が中性金属カルボニル錯体(中性金属カルボニルクラスターを含む)に戻るので、触媒を繰り返し再使用できる。
【0054】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明の特徴とするところをより一層明確にする。
【0055】
実施例1および比較例1
本発明における陽イオン性金属カルボニル触媒の効果を明らかにするために、1−へキセンのカルボニル化反応における各種金属カルボニル錯体の添加効果を表1に示す。反応は、反応容器の空気を1気圧の一酸化炭素で置換し、硫酸10m1中に所定量のカルボニルまたはカルボニルクラスターを加え、激しく攪拌して陽イオン性金属カルボニル触媒を形成させた後、25℃で1−へキセン5ミリモルを徐々に加えて、反応させた。
【0056】
【表1】
Figure 0003987919
【0057】
表1に示す結果から明らかなように、金属カルボニル錯体を添加しない場合には、カルボン酸収率は低い。これに対し、金属カルボニル錯体を添加した場合には、カルボニル化反応が著しく加速され、高収率で第三級C7カルボン酸を与えた。
【0058】
反応終了後、反応混合物から中性金属カルボニル錯体を回収した。回収した中性金属カルボニル錯体を再度、陽イオン性金属カルボニル触媒の原料として使用すると、表1に示した値に近い値で第三級C7カルボン酸を得ることができる。
【0059】
実施例2
ガスビユーレットを接続した容量200mlの三ッ口フラスコを真空ポンプにて排気した後、25℃、1気圧にて一酸化炭素を導入して、テトライリジウムドデカカルボニルIr4(CO)12552mg(0.5ミリモル)と96%硫酸10mlを加え、激しく攪拌し、陽イオン性イリジウムカルボニル触媒溶液を形成させた。この触媒溶液にl−ヘキセン0.62ml(5ミリモル)を徐々に加えると、30分後に67mlの一酸化炭素が反応した。反応混合物を氷水に加え、生成物をn−ヘキサンにより2回抽出した。生成物はガスクロ,NMR,IR,GC−MS分析により、2,2−ジメチルペンタン酸と2−メチル−2−エチルブタン酸の2:1の混合物であり、その合計収率は、0.1N,NaOH溶液で滴定することにより60%であることが確認された。
【0060】
実施例3
ガスビューレットを接続した容量200mlの三ツ口フラスコを真空ポンプにて排気した後、25℃、1気圧にて一酸化炭素を導入して、トリオスミウムドデカカルボニルOs3(CO)12406mg(0.67ミリモル)と96%硫酸10mlを加え、激しく攪拌し、陽イオン性オスミウムカルボニル触媒溶液を形成させた。この触媒溶液中にl−オクタノール0.79ml(5ミリモル)を徐々に加えると、90mlの一酸化炭素が吸収された。反応混合物を氷水に加え、生成物はn−へキサンにより抽出した。生成物は、GC,NMR,IR,GC−MSの分析により、2,2−ジメチルヘプタン酸:2−メチル−2−エチルヘキサン酸:2−メチル−2−プロピルヘンタン酸の4:2:1混合物であり、その合計収率は0.lNNaOH滴定により、80%であることが明らかになった。
【0061】
実施例4
ガスビューレットを接続した容量200mlの三ツ口フラスコを真空ポンプにて排気した後、25℃、1気圧にて一酸化炭素を導入して、トリルテニウムドデカカルボニルRu3(CO)12426mg(0.67ミリモル)と96%硫酸10mlを加え、激しく撹拌し、陽イオン性ルテニウムカルボニル触媒溶液を形成させた。ガスビューレットを通じて1−ブテン112ml(5ミリモル)を加えると、一酸化炭素50mlが反応した。反応終了後、メタノール3m1を加えてメチルエステルを形成させた。生成物をへキサン抽出し、GC,NMR,IR等により分析した結果、ピバリン酸メチルエステルが40%の収率で得られたことが明らかになった。
【0062】
実施例5
容量200mlの三ツ口フラスコを一酸化炭素で置換した後、Fe2(CO)9182mg(0.5ミリモル)、三フッ化ホウ素・水錯体10mlを加え、激しく攪拌して一酸化炭素を吸収させ、陽イオン性鉄カルボニル触媒溶液を形成させた。この触媒溶液にl,11−ドデカジエンl.lml(5ミリモル)を徐々に加え、一酸化炭素と反応させた。生成物をベンゼン抽出し、1/5量を0.lN,NaOH溶液で滴定し、生成物をNMR,IRにより分析した結果、2,2,9,9テトラメチルデカンジカルボン酸を主成分とした第三級C14カルボン酸が50%の収率で得られた。
【0063】
実施例6
容量200mlの三ツ口フラスコを一酸化炭素で置換した後、Re2(CO)10652mg(l.0ミリモル)、濃硫酸7mlとフルオロ硫酸3mlを加え、激しく攪拌して陽イオン性レニウムカルボニル触媒を形成させた。l,12−ドデカンジオールl.12ml(5ミリモル〉を加え、一酸化炭素と反応させた。生成物をベンゼン抽出し、1/5量を0.1NNaOH溶液で滴定し、生成物をNMR,IRにより分析した結果、2,2,9,9テトラメチルデカンジカルボン酸を主成分とした第三級C14カルボン酸が40%の収率で得られた。
【0064】
実施例7
容量200mlの三ツ口フラスコを一酸化炭素で置換した後、Mn2(CO)10390mg(1.0ミリモル)、濃硫酸10mlを加え、激しく撹拌して陽イオン性マンガンカルボニル触媒を形成させた。この触媒溶液にメチルシクロヘキサン0.64mlとl−へキセン0.62mlの混合物を徐々に加え、一酸化炭素と反応させた。反応混合物を氷水に加え、生成物をn−ヘキサンにより抽出した。生成物は、ガスクロ、NMR,IR,GC−MS分析により、メチルシクロヘキサンカルボン酸と第三級C7カルボン酸の3:1混合物であり、メチルシクロヘキサンカルポン酸の収率は、0.lNNaOHで滴定することにより、40%であることが確認された。
【0065】
実施例8
ガスビューレットを接続した容量200mlの三ッ口フラスコを一酸化炭素置換した後、硫酸10mlと三酸化硫黄4.5gをいれ、W(CO)6704mg(2.0ミリモル)を加えて激しく撹拌して陽イオン性タングステンカルボニル触媒溶液を形成させた。この触媒溶液にオクタン0.81m1(5ミリモル)を徐々に加え、一酸化炭素と反応させた。反応混合物を氷水に加え、生成物をn−へキサンにより抽出した。生成物はガスクロ、NM R,IRにより分析した結果、2,2−ジメチルプロパン酸であり、0.1NNaOH溶液で滴定することにより、収率はオクタン基準で75モル%であることが明らかになった。
【0066】
実施例9
ガスビューレットを接続した容量200mlの三ツ口フラスコを一酸化炭素置換した後、硫酸10mlと三酸化硫黄4.5gをいれ、Mo(CO)6528mg〈2.0ミリモル)を加えて激しく攪拌して陽イオン性モリブデンカルボニル触媒溶液を形成させた。この触媒溶液にオクタン0.81ml(5ミリモル)を徐々に加え、一酸化炭素と反応させた。反応混合物を氷水に加え、生成物をn−へキサンにより抽出した。生成物はガスクロ、NMR、IRにより分析した結果、2,2−ジメチルプロパン酸であり、0.1NNaOH溶液で滴定することにより、収率はオクタン基準で110モル%であることが明らかになった。
【0067】
実施例10
ガスビューレットを接続した容量200mlの三ツ口フラスコを一酸化炭素置換した後、硫酸10mlと三酸化硫黄4.5gをいれ、Cr(CO)6440mg(2.0ミリモル)を加えて激しく攪拌して陽イオン性クロムカルボニル触媒溶液を形成させた。この触媒溶液にオクタン0.81m l(5ミリモル)を徐々に加え、一酸化炭素と反応させた。反応混合物を氷水に加え、生成物をn−ヘキサンにより抽出した。生成物はガスクロ、NMR,IRにより分析した結果、2,2−ジメチルプロパン酸であり、0.1NNaOH溶液で滴定することにより、収率はオクタン基準で95モル%であることが明らかになつた。
【0068】
実施例11
ガスビューレットを接続した容量200mlの三ツ口フラスコを一酸化炭素置換した後、硫酸10mlと三酸化硫黄4.5gをいれ、V(CO)6438mg(2.0ミリモル)を加えて激しく攪拌して陽イオン性バナジウムカルボニル触媒溶液を形成させた。この触媒溶液にオクタン0.81ml(5ミリモル)を徐々に加え、一酸化炭素と反応させた。反応混合物を氷水に加え、生成物をn−へキサンにより抽出した。生成物は、ガスクロ、NMR、IRにより分析した結果、2,2−ジメチルプロパン酸であり、0.1NNaOH溶液で滴定することにより、収率は、オクタン基準で82モル%であることが明らかになった。
【0069】
実施例12
容量200mlの三ツ口フラスコを一酸化炭素で置換した後、Re2(CO)10 652mg(1.0ミリモル)、濃硫酸7mlとフルオロ硫酸3mlを加え、激しく撹拌して陽イオン性レニウムカルボニル触媒を形成させた。この触媒溶液に1,12-ドデカンジオール1.12ml(5ミリモル)を加え、一酸化炭素と反応させた。反応終了後、メタノール10mlを加えてメチルエステルを形成させた。生成物をヘキサンにより抽出した。ガスクロ、NMR,IRなどにより分析した結果、2,2,9,9-テトラメチルデカンジカルボン酸メチルジエステルが、主成分として、40%の収率で得られたことを確認した。
【0070】
実施例13
容量200mlの三ツ口フラスコを一酸化炭素で置換した後、Fe2(CO)9 182mg(0.5ミリモル)、三フッ化ホウ素・水錯体10mlを加え、激しく撹拌して一酸化炭素を吸収させ、陽イオン性鉄カルボニル触媒溶液を調製した。この触媒溶液に1,11-ドデカジエン1.1ml(5ミリモル)を徐々に加え、一酸化炭素と反応させた。反応終了後、メタノール10mlを加えてメチルエステルを形成させた。生成物をヘキサンにより抽出した。ガスクロ、NMR,IRなどにより分析した結果、2,2,9,9-テトラメチルデカンジカルボン酸メチルジエステルが、主成分として、50%の収率で得られたことを確認した。
【0071】
実施例14
容量200mlの三ツ口フラスコを一酸化炭素で置換した後、Mn2(CO)10 390mg(1.0ミリモル)、濃硫酸10mlを加え、激しく撹拌して陽イオン性マンガンカルボニル触媒溶液を調製した。この触媒溶液にメチルシクロヘキサン0.64mlと1-ヘキセン0.62mlの混合物を徐々に加え、一酸化炭素と反応させた。反応終了後、メタノール10mlを加えてメチルエステルを形成させた。生成物をヘキサンにより抽出した。ガスクロ、NMR,IRなどにより分析した結果、メチルシクロヘキサンカルボン酸メチルエステルと第三級C7カルボン酸メチルエステルの3:1混合物が、合わせて45%の収率で得られたことを確認した。

Claims (3)

  1. 超強酸中において、少なくとも1種の炭素数4以上の飽和炭化水素化合物と一酸化炭素と水とを反応させることにより、第三級カルボン酸を合成する方法において、反応を陽イオン性イリジウムカルボニル触媒、陽イオン性オスミウムカルボニル触媒、陽イオン性ルテニウムカルボニル触媒、陽イオン性鉄カルボニル触媒、陽イオン性レニウムカルボニル触媒、陽イオン性マンガンカルボニル触媒、陽イオン性タングステンカルボニル触媒、陽イオン性モリブデンカルボニル触媒、陽イオン性クロムカルボニル触媒および陽イオン性バナジウムカルボニル触媒からなる群から選択される少なくとも1種の陽イオン性金属カルボニル触媒の存在下に行うことを特徴とする第三級カルボン酸の合成方法。
  2. 超強酸中において、少なくとも1種の炭素数4以上の飽和炭化水素化合物と一酸化炭素とアルコールとを反応させることにより第三級カルボン酸エステルを合成する方法において、反応を陽イオン性イリジウムカルボニル触媒、陽イオン性オスミウムカルボニル触媒、陽イオン性ルテニウムカルボニル触媒、陽イオン性鉄カルボニル触媒、陽イオン性レニウムカルボニル触媒、陽イオン性マンガンカルボニル触媒、陽イオン性タングステンカルボニル触媒、陽イオン性モリブデンカルボニル触媒、陽イオン性クロムカルボニル触媒および陽イオン性バナジウムカルボニル触媒からなる群から選択される少なくとも1種の陽イオン性金属カルボニル触媒の存在下において行なうことを特徴とする第三級カルボン酸エステルの合成方法。
  3. 超強酸が、硫酸−三酸化硫黄、ClSO3H、100%FSO3H、FSO3H−SO3、FSO3H−SbF5及びHF−SbF5からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項またはに記載の合成方法。
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