JP2896507B2 - パラジウムカルボニル触媒による第三級カルボン酸の合成法 - Google Patents

パラジウムカルボニル触媒による第三級カルボン酸の合成法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、第三級カルボン酸
又はそのエステルの合成法に関し、詳しくは原料に一酸
化炭素を反応させて炭素数が1個増加した第三級カルボ
ン酸又はそのエステルを合成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】第三級カルボン酸は一般に強酸中で高圧
の一酸化炭素とオレフィンとの反応により合成される。
しかし、このような合成法においては、反応条件が高温
高圧であるために、原料の重合がさけられず、生成物と
して二量体や三量体のカルボン酸が副生し、更に第二級
カルボン酸も副生する。従って、このような方法におい
ては、原料よりも炭素数が1個増えた第三級カルボン酸
の選択率は高くない。
【0003】第三級カルボン酸の誘導体は、カルボキシ
ル基のα位に2つのアルキル基を有するために加水分解
を受け難く、耐酸性、耐熱性、耐候性の高級塗料、高級
界面活性剤等として注目されている。しかし、第二級カ
ルボン酸がわずかでも混合していると、第二級カルボン
酸の耐加水分解性が1桁低いために、製品の耐酸性、耐
熱性、耐候性が激減する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、原
料よりも炭素数が1個増加した第三級カルボン酸又はそ
のエステルを温和な条件下で選択的に合成する方法を提
供することを主な目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の様
な従来技術の問題点を解決乃至軽減しうる新たな方法を
見出すべく種々研究を重ね、温和な条件下で第三級カル
ボン酸又はそのエステルを選択的に合成する方法を鋭意
研究した結果、強酸中で一酸化炭素とオレフィン等の原
料とを反応させて第三級カルボン酸を合成するに際し、
パラジウムカルボニル触媒の存在下に反応を行う場合に
は、常温常圧下においても、原料よりも炭素数が1個増
加した第三級カルボン酸を高収率かつ選択的に合成し得
ることを見出した。すなわち、本発明は、下記の第三級
カルボン酸又はそのエステルの合成法及びそのためのパ
ラジウムカルボニル触媒を提供するものである。
【0006】1.強酸中でオレフィン、アルコール、ジ
エン、ジオール及び飽和炭化水素からなる群から選ばれ
た少なくとも1種の化合物に一酸化炭素を反応させて第
三級カルボン酸又はそのエステルを合成するに際し、反
応をパラジウムカルボニル触媒の存在下で行なうことを
特徴とする合成法。
【0007】2.強酸が硫酸、硫酸−リン酸、フッ化水
素、フルオロ硫酸、三フッ化ホウ素・水錯体及びトリフ
ルオロメタンスルホン酸からなる群から選ばれた少なく
とも1種からなる項1に記載の第三級カルボン酸又はそ
のエステルの合成法。
【0008】3.パラジウムカルボニル触媒が、強酸中
で酸化パラジウム(II)、酸化パラジウム(II
I)、酸化パラジウム(IV)、水酸化パラジウム(I
I)、水酸化パラジウム(IV)、硫酸パラジウム(I
I)、酢酸パラジウム(II)または他のカルボン酸パ
ラジウム(II)及びパラジウム粉の少なくとも1種と
一酸化炭素との反応により形成されたものである項1に
記載の第三級カルボン酸又はそのエステルの合成法。
【0009】4.酸化パラジウム(II)、酸化パラジ
ウム(III)、酸化パラジウム(IV)、水酸化パラ
ジウム(II)、水酸化パラジウム(IV)、硫酸パラ
ジウム(II)、酢酸パラジウム(II)または他のカ
ルボン酸パラジウム(II)及びパラジウム粉の少なく
とも1種を強酸中で一酸化炭素と反応させてなるカルボ
ニル化反応用パラジウムカルボニル触媒。
【0010】
【発明の実施の形態】パラジウムカルボニル触媒 本発明では、第三級カルボン酸又はそのエステルを合成
するための触媒として、即ち、原料化合物のカルボニル
化反応用の触媒として、パラジウムカルボニル触媒を使
用する。パラジウムカルボニル触媒は、パラジウム化合
物に一酸化炭素を吸収させることにより製造することが
できる。パラジウム化合物としては、酸化パラジウム
(II)、酸化パラジウム(III)、酸化パラジウム
(IV)、水酸化パラジウム(II)、水酸化パラジウ
ム(IV)、硫酸パラジウム(II)、酢酸パラジウム
(II)または他のカルボン酸パラジウム(II)、パ
ラジウム粉等を使用することができる。
【0011】パラジウム化合物として、塩化パラジウム
(II)、塩化パラジウム(III)、塩化パラジウム
(IV)、塩化パラジウム酸、シアン化パラジウム(I
I)、塩化パラジウム(II)カリウム、塩化パラジウ
ム(III)カリウム、塩化パラジウム(IV)カリウ
ム等は、市販品として容易に入手できるが、パラジウム
カルボニル触媒を形成し難いので好ましくない。
【0012】一酸化炭素は、パラジウム化合物を強酸中
で一酸化炭素と接触させることにより吸収させることが
できる。強酸としては、硫酸、硫酸−リン酸、フッ化水
素、三フッ化ホウ素・水錯体、フルオロ硫酸、トリフル
オロメタンスルホン酸等を単独で又は2種以上を混合し
て使用することができる。パラジウム化合物として、パ
ラジウム粉を使用する場合には、三酸化硫黄等の酸化剤
を共存させることにより、パラジウムカルボニル触媒を
形成させることができる。
【0013】本発明のパラジウムカルボニル触媒には、
化学式[Pd2(CO)m2+、[Pd(CO)n2+
表されるパラジウムカルボニル錯体がある。該化学式中
m及びnはそれぞれ1〜4の正数を示す。本発明のパラ
ジウムカルボニル触媒は、酸素共存下でも十分な触媒能
を発揮することができる。これは、パラジウム化合物が
酸化され難いためであると考えられる。
【0014】第三級カルボン酸又はそのエステルの合成 パラジウムカルボニル触媒を含有する強酸液中に、原料
化合物を添加し、一酸化炭素を反応させることにより、
第三級カルボン酸又はそのエステルを合成することがで
きる。強酸としては、硫酸、硫酸−リン酸、フッ化水
素、三フッ化ホウ素・水錯体、フルオロ硫酸、トリフル
オロメタンスルホン酸等を単独で又は2種以上を混合し
て使用することができる。パラジウム化合物を強酸中で
一酸化炭素と接触させることにより得られるパラジウム
カルボニル触媒を含有する強酸溶液は、そのまま第三級
カルボン酸又はそのエステルを製造するための触媒とし
て使用することができる。
【0015】パラジウムカルボニル触媒を含有する強酸
液中に、原料化合物を添加すると、カルボカチオンが生
成する。カルボカチオンは、強酸液中で第三級カルボカ
チオンに異性化する。第三級カルボカチオンに、水の存
在下で、一酸化炭素を反応させることにより、第三級カ
ルボン酸を合成することができる。第三級カルボカチオ
ンに一酸化炭素を反応させる際に、アルコールを加える
ことにより、第三級カルボン酸エステルを合成すること
ができる。
【0016】パラジウムカルボニル触媒を含有する強酸
(硫酸)液中に、原料化合物としてオレフィン又はアル
コールを添加すると、オレフィンはプロトン付加、アル
コールはプロトン付加に次いで脱水を経てカルボカチオ
ンを与える。この場合の第三級カルボン酸の生成反応
は、以下の化学式で表される。式中、R、R’及びR”
はそれぞれ原料オレフィンやアルコールにおけるアルキ
ル基を、R1及びR2はそれぞれ反応中間体や生成物にお
けるアルキル基を、n及びmはパラジウムに配位するC
Oの数(n=1〜4、m=1〜4)を示す。
【0017】
【化1】
【0018】オレフィンとしては、炭素数3以上、好ま
しくは3〜8のものを使用することができ、末端オレフ
ィン、内部オレフィン、環状オレフィンのすべてを使用
することができる。オレフィンとしては、例えば、プロ
ピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ヘキセン、2−
エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1
−デセン、ブテンダイマー、ブテントリマー、プロピレ
ンダイマー、プロピレントリマー、シクロヘキセン、シ
クロオクテン等を使用することができる。
【0019】アルコールとしては、炭素数3以上、好ま
しくは3〜8のものを使用することができ、1級アルコ
ール、2級アルコール、3級アルコール、環状アルコー
ルのすべてを使用することができる。アルコールとして
は、例えば、1−プロパノール、2−プロパノール、1
−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロ
パノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−
メチル−3−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキ
サノール、3−メチル−3−ヘプタノール、1−ヘプタ
ノール、2−ヘプタノール、3−メチル−3−ヘキサノ
ール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−メチ
ル−1−ヘキサノール、1−デカノール、2−ドデカノ
ール、1−ノニルアルコール、1−ドデカノール、シク
ロヘキサノール等を使用することができる。
【0020】原料化合物としては、ジエン又はジオー
ル、好ましくは炭素数8以上、特に8〜14のものを使
用することもできる。ジエンとしては、分子中に2個の
二重結合を有する化合物はすべて使用することができ
る。ジオールとしては、分子中に2個の水酸基を有する
化合物はすべて使用することができる。炭素数8以上の
ジエン及びジオールは、一酸化炭素と反応して第三級ジ
カルボン酸又はそのエステルを与えることができる。ジ
エン又はジオールとしては、例えば、1,7−オクタジ
エン、1,9−デカジエン、1,11−ドデカジエン、
1,12−トリデカジエン、リモネン、1,10−デカ
ンジオール、1,12−ドデンカンジオール、2.9−
ジメチルデカンジオール等を使用することができる。
【0021】原料化合物としては、飽和炭化水素、好ま
しくは炭素数4以上、特に4〜10のものを使用するこ
ともできる。飽和炭化水素としては、第三級水素を有す
る化合物はすべて使用することができる。第三級水素を
有する飽和炭化水素は、オレフィン又はアルコール等の
カルボカチオンを生じる化合物の共存下で第三級カルボ
ン酸を与えることができる。すなわち、カルボカチオン
が飽和炭化水素の第三級水素を引き抜き、新しく生じた
カルボカチオンが一酸化炭素と反応して第三級カルボン
酸を与える。飽和炭化水素としては、例えば、メチルシ
クロヘキサン、メチルシクロペンタン、エチルシクロヘ
キサン、エチルシクロペンタン、メチルシクロオクタ
ン、2−エチルヘキサン、3−エチルヘキサン等を使用
することができる。
【0022】原料化合物と一酸化炭素とのカルボニル化
反応は、常温常圧で十分に進行させることができる。反
応圧力は、特に限定されるものではないが、一般に一酸
化炭素分圧として0.1〜10気圧程度、より好ましく
は0.5〜5気圧程度である。空気その他のガスが共存
して、一酸化炭素分圧が低い場合には加圧することによ
り、反応速度を速めることができる。反応温度は特に限
定されるものではないが、一般に−10〜60℃、好ま
しくは5〜40℃程度である。
【0023】本発明は、例えば、以下の様にして実施す
ることができる。密封可能な反応容器中に強酸とパラジ
ウム化合物をいれ、真空ポンプにより空気を排気し、一
酸化炭素を導入した後、激しく撹拌する。パラジウム化
合物は一酸化炭素を吸収しながら溶解してパラジウムカ
ルボニル触媒を形成する。この触媒溶液中に、オレフィ
ンなどの所定の第三級カルボン酸合成原料を徐々に加え
ると、一酸化炭素と反応する。反応混合物を、氷水に加
えると第三級カルボン酸が得られ、アルコールに加える
と第三級カルボン酸のエステルが得られる。生成物はヘ
キサン等の有機溶媒により抽出分離することができる。
【0024】
【作用】本発明においては、パラジウムに配位した一酸
化炭素が反応に関与し、パラジウムカルボニル錯体にお
ける一酸化炭素の配位数が触媒活性を左右する。強酸と
して硫酸を使用する場合、硫酸濃度が減少するにつれ、
一酸化炭素の配位数が減少し、触媒活性の点からは70
%以上の硫酸濃度とするのがよい。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、強酸中でオレフィン、
アルコール、ジエン、ジオール及び飽和炭化水素からな
る群から選ばれた少なくとも1種の化合物に一酸化炭素
を反応させて第三級カルボン酸又はそのエステルを合成
するに際し、反応系にパラジウムカルボニル触媒を存在
させることによって常温常圧においても、原料よりも炭
素数が1個増加した第三級カルボン酸を選択的且つ高収
率に得ることができる。本発明で使用するパラジウムカ
ルボニル触媒は、空気の共存下でも触媒機能が低下しな
いという利点を有する。
【0026】
【実施例】実施例1 ガスビューレットを接続した容量200mlの三ッ口フ
ラスコに、酸化パラジウム(II)245mg(2ミリ
モル)と96%硫酸10mlを加え、真空ポンプにて排
気した後、25℃、1気圧にて一酸化炭素を導入して激
しく撹拌した。45mlの一酸化炭素が吸収され、パラ
ジウムカルボニル触媒溶液が形成された。
【0027】この触媒溶液に1−ヘキセン0.62ml
(5ミリモル)を徐々に加えると、30分後に82ml
の一酸化炭素が反応した。反応混合物を氷水に加え、生
成物をn−ヘキサンにより2回抽出した。生成物はガス
クロ、NMR、IR、GC−MS分析により、2,2−
ジメチルペンタン酸と2−メチル−2−エチルブタン酸
の2:1の混合物であり、その合計収率は、0.1N、
NaOH溶液で滴定することにより68%であることが
確認された。
【0028】実施例2 ガスビューレットを接続した容量200mlの三ッ口フ
ラスコに酸化パラジウム(IV)277mg(2ミリモ
ル)と96%硫酸10mlを加え、空気を排気した後、
25℃、1気圧で一酸化炭素80%と空気20%からな
る混合ガスを導入して、激しく撹拌すると、45mlの
一酸化炭素が吸収され、パラジウムカルボニル触媒が形
成された。
【0029】この触媒溶液中に1−オクタノール0.7
9ml(5ミリモル)を徐々に加えると、79mlの一
酸化炭素が吸収された。反応混合物を氷水に加え、生成
物はn−ヘキサンにより抽出した。生成物は、GC、N
MR、IR、GC−MSの分析により、2,2−ジメチ
ルヘプタン酸:2−メチル−2−エチルヘキサン酸:2
−メチル−2−プロピルペンタン酸の4:2:1混合物
であり、その合計収率は0.1N NaOH滴定によ
り、75%であることが明らかになった。
【0030】実施例3 ガスビューレットを接続した容量200mlの三ッ口フ
ラスコを一酸化炭素で置換した後、硫酸パラジウム(I
I)405mg(1ミリモル)とフッ化水素5mlを加
え、激しく撹拌すると、一酸化炭素が吸収されてパラジ
ウムカルボニル触媒溶液が形成された。ガスビューレッ
トを通じて1−ブテン112ml(5ミリモル)を加え
ると、一酸化炭素68mlが反応した。反応終了後、メ
タノール3mlを加えてメチルエステルを形成させ、フ
ッ化水素を留去させた。生成物をヘキサン抽出し、G
C、NMR、IR等により分析した結果、ピバリン酸メ
チルエステルが51%の収率で得られたことが明らかに
なった。
【0031】実施例4 容量200mlの三ッ口フラスコを一酸化炭素で置換し
た後、水酸化パラジウム(II)281mg(2ミリモ
ル)、三フッ化ホウ素・水錯体10mlを加え、激しく
撹拌して一酸化炭素を吸収させ、パラジウムカルボニル
触媒溶液を形成させた。この触媒溶液に1,11−ドデ
カジエン1.1ml(5ミリモル)を徐々に加え、一酸
化炭素と反応させた。生成物をベンゼン抽出し、1/5
量を0.1N NaOH溶液で滴定し、生成物をNM
R、IRにより分析した結果、2,2,9,9−テトラ
メチルデカンジカルボン酸を主成分とした炭素数14の
第三級カルボン酸が53%の収率で得られた。
【0032】実施例5 容量200mlの三ッ口フラスコを一酸化炭素で置換し
た後、硫酸パラジウム(II)405mg(2ミリモ
ル)、濃硫酸7mlとフルオロ硫酸3mlを加え、激し
く撹拌してパラジウムカルボニル触媒を形成させた。
1,12−ドデカンジオール1.12ml(5ミリモ
ル)を加え、一酸化炭素と反応させた。生成物をベンゼ
ン抽出し、1/5量を0.1N NaOH溶液で滴定
し、生成物をNMR、IRにより分析した結果、2,
2,9,9−テトラメチルデカンジカルボン酸を主成分
とした炭素数14の第三級カルボン酸が60%の収率で
得られた。
【0033】実施例6 実施例1と同様に、酸化パラジウム(II)245mg
と96%硫酸10mlを用いて、パラジウムカルボニル
触媒溶液を調製した。この触媒溶液にメチルシクロヘキ
サン0.64mlと1−ヘキセン0.62mlの混合物
を徐々に加え、一酸化炭素と反応させた。反応混合物を
氷水に加え、生成物をn−ヘキサンにより抽出した。生
成物は、ガスクロ、NMR、IR、GC−MS分析によ
り、メチルシクロヘキサンカルボン酸と炭素数7の第三
級カルボン酸の3:1混合物であり、メチルシクロヘキ
サンカルボン酸の収率は、0.1N NaOHで滴定す
ることにより、55%であることが確認された。
【0034】実施例7 ガスビューレットを接続した容量200mlの三ッ口フ
ラスコにパラジウム粉213mgと硫酸10mlを加
え、一酸化炭素置換した後、三酸化硫黄4.5gを加え
てパラジウムカルボニル触媒溶液を形成させた。この触
媒溶液にオクタン0.81ml(5ミリモル)を徐々に
加え、一酸化炭素と反応させた。反応混合物を氷水に加
え、生成物をn−ヘキサンにより抽出した。生成物はガ
スクロ、NMR、IRにより分析した結果、2,2−ジ
メチルプロパン酸であり、0.1NNaOH溶液で滴定
することにより、収率はオクタン基準で125モル%で
あることが明らかになった。
【0035】実施例8 硫酸10ml中に、表1に示す所定量のパラジウム化合
物を加え、雰囲気(空気)を1気圧の一酸化炭素で置換
し、激しく撹拌してパラジウムカルボニル触媒を形成さ
せた。その後、25℃で1−ヘキセン5ミリモルを徐々
に加えて、反応させたところ炭素数7の第三級カルボン
酸が得られた。得られた炭素数7の第三級カルボン酸の
収率を表1に示す。
【0036】
【表1】パラジウム化合物 添加量 第三級カルボン酸収率 なし 15% PdO 2ミリモル 68% PdO2 2ミリモル 68% PdSO4 2ミリモル 70% Pd(OH)2 2ミリモル 67% Pd(CH3COO)2 2ミリモル 69%Pd(パラジウム粉) 2ミリモル 65%
【0037】表1に示す結果から明らかなように、パラ
ジウム化合物が存在しない場合には、カルボン酸収率は
低いのに対し、パラジウム化合物を添加することによ
り、カルボニル化反応は著しく加速され、高収率で第三
級カルボン酸を与える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 67/08 C07C 67/08 69/24 69/24 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 51/12 B01J 31/20 C07C 51/14 C07C 53/126 C07C 55/02 C07C 67/08 C07C 69/24 C07B 61/00 300

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強酸中でオレフィン、アルコール、ジエ
    ン、ジオール及び飽和炭化水素からなる群から選ばれた
    少なくとも1種の化合物に一酸化炭素を反応させて第三
    級カルボン酸又はそのエステルを合成するに際し、反応
    をパラジウムカルボニル触媒の存在下で行なうことを特
    徴とする合成法。
  2. 【請求項2】 強酸が、硫酸、硫酸−リン酸、フッ化水
    素、フルオロ硫酸、三フッ化ホウ素・水錯体及びトリフ
    ルオロメタンスルホン酸からなる群から選ばれた少なく
    とも1種からなる請求項1に記載の第三級カルボン酸又
    はそのエステルの合成法。
  3. 【請求項3】 パラジウムカルボニル触媒が、強酸中で
    酸化パラジウム(II)、酸化パラジウム(III)、
    酸化パラジウム(IV)、水酸化パラジウム(II)、
    硫酸パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)また
    は他のカルボン酸パラジウム(II)及びパラジウム粉
    の少なくとも1種と一酸化炭素との反応により形成され
    たものである請求項1に記載の第三級カルボン酸又はそ
    のエステルの合成法。
  4. 【請求項4】 酸化パラジウム(II)、酸化パラジウ
    ム(III)、酸化パラジウム(IV)、水酸化パラジ
    ウム(II)、硫酸パラジウム(II)、酢酸パラジウ
    ム(II)または他のカルボン酸パラジウム(II)及
    びパラジウム粉の少なくとも1種を強酸中で一酸化炭素
    と反応させてなるカルボニル化反応用パラジウムカルボ
    ニル触媒。
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JP2010150220A (ja) * 2008-12-26 2010-07-08 Mitsubishi Gas Chemical Co Inc アダマンタンカルボン酸エステル類の製造方法

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JPH1112220A (ja) 1999-01-19

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